着座センサ
【課題】着座センサが車両用シートクッションに配置される場合に、コネクタ部と感圧スイッチを含む検出部とを最短経路で配索を行い、乗員着座時にフィルムが破断し、断線しやすい状態となるのを防止することができる着座センサを提供する。
【解決手段】
導通部は、凹溝に設けられて前記パッド部材を裏側まで貫通する抜き穴に挿入される挿入部と、着座側表面に当接するように屈曲され凹溝に対し交わる方向に配設される第1屈曲部と、着座側表面に当接するように屈曲され第1屈曲部とは凹溝を挟んで反対方向に配設される第2屈曲部とを備え、外部出力部は、挿入部の先端部に設けられ、記検出部は、第1屈曲部に接続する第1検出部と、第2屈曲部に接続する第2検出部と、を有している。
【解決手段】
導通部は、凹溝に設けられて前記パッド部材を裏側まで貫通する抜き穴に挿入される挿入部と、着座側表面に当接するように屈曲され凹溝に対し交わる方向に配設される第1屈曲部と、着座側表面に当接するように屈曲され第1屈曲部とは凹溝を挟んで反対方向に配設される第2屈曲部とを備え、外部出力部は、挿入部の先端部に設けられ、記検出部は、第1屈曲部に接続する第1検出部と、第2屈曲部に接続する第2検出部と、を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のシートに設置して乗員の着座荷重を検出する着座センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車に装備されたシートベルトやエアバッグ等の各種安全装置の性能を向上させるため、シートに乗員が着座している状態を検知してこれらの安全装置をコントロールする場合がある。しかし、シートには人が着座する以外に荷物が置かれることもあり、人を荷物と区別して正しく判定することは、安全装置を正しく作動させるために極めて重要である。
【0003】
このような乗員の着座状態を検知するのに適するものとして、薄くて可撓性があるメンブレンスイッチが考えられ、そのようなメンブレンスイッチを使用した着座センサが特許文献1に開示されている。この着座センサは、直線状に形成された第一フィルムと、第一フィルムと同形状に形成され、第一フィルムに対向して配置される第二フィルムと、第一フィルムと第二フィルムとの間に対向して且つ離隔して配置され、荷重を受けた場合に当接して導通する2つの感圧スイッチ(接離部及び被接離部)と、第一フィルムと第二フィルムとの間に配置され、感圧スイッチに導通する導通部における導通電極と、第一フィルムおよび第二フィルムの端部に結合され、導通電極を介して感圧スイッチに導通されるコネクタ部とが記載されている。そして、この着座センサを車両前後方向および車両左右方向に対して斜めの方向を向くように座面に配置し、乗員が正しい姿勢で着座した場合に、乗員の臀部に当たる部分(ヒップポイント)に二つの感圧スイッチが配置されることが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、直線状の着座センサについてはシートクッションに抜き穴を設け、設けられた抜き穴よりテール部(挿入部)とコネクタ部(外部出力部)とをシートクッションのパッド部材の裏側に配置することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−157914号公報
【特許文献2】特開2010−137804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、シートクッションの意匠で、二つの感圧スイッチの間若しくは感圧スイッチ付近に車両の横方向に延在するライン(凹溝)がある場合には、着座センサについては凹溝の形状に這わせて配置する必要がある(図17参照)。また、直線状の着座センサについては、特許文献1に示すように、シートクッション80の後端或いは横端を経由してパッド部材4の裏側に挿入部82とコネクタ部84とを配設する(図17参照)か、特許文献2に示すように、シートクッションに抜き穴を設け、設けられた抜き穴より挿入部とコネクタ部(外部出力部)とをシートクッションのパッド部材の裏側に配置する。そのため、感圧スイッチが設けられる検出部とコネクタ部との距離が長くなり、着座センサは導通部85を最短経路で配索することができない。そして、着座センサは凹溝86に這わせて配置することから、凹溝86において導通部85を形成するフィルムへの応力が集中しやすくなり、乗員着座時にフィルムが破断し、断線しやすい状態となるという問題があった。
【0007】
特許文献2において、図18に示すように、ヒップポイントに抜き穴90を明けてメンブレンスイッチ92のコネクタ部94を挿入するが、乗員が着座した際、図19に示すように、抜き穴90の周縁に乗員のヒップ44による荷重で応力が集中し、抜き穴90の周縁が大きく下方に圧縮変形して検出部96を支持する反力が逃げるため、抜き穴90周縁近辺に配置された検出部96の感圧センサが正確に荷重を検出できないという問題があった。
【0008】
本発明は係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、着座センサが車両用シートクッションに配置される場合に、コネクタ部と感圧スイッチを含む検出部とを最短経路で配索を行い、乗員着座時にフィルムが破断し、断線しやすい状態となるのを防止するとともに、正確な荷重検出を行うことができる着座センサを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、陥没形成され表皮部材を固定するワイヤが配索された凹溝を有する車両シート用パッド部材の着座側表面と、該着座側表面を覆うように前記パッド部材に装着される前記表皮部材との間において、前記パッド部材の着座側表面に当接して該パッド部材への荷重情報を検出する複数の検出部と、前記検出部により検出された荷重信号を出力する外部出力部と、前記複数の検出部の間及び前記検出部と前記外部出力部との間を導通する導通部と、を備えた可撓性を有するフィルム状の着座センサであって、前記導通部は、前記凹溝に設けられて前記パッド部材を裏側まで貫通する抜き穴に挿入される挿入部と、前記着座側表面に当接するように屈曲され前記凹溝に対し交わる方向に配設される第1屈曲部と、前記着座側表面に当接するように屈曲され前記第1屈曲部とは前記凹溝を挟んで反対方向に配設される第2屈曲部とを備え、前記外部出力部は、前記挿入部の先端部に設けられ、前記検出部は、前記第1屈曲部に接続する第1検出部と、前記第2屈曲部に接続する第2検出部と、を有していることである。
【0010】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記導通部は、前記挿入部の前記第1検出部側から直角に突出し前記第2屈曲部に連続する基端導通部を有し、前記基端導通部は、前記挿入部が前記抜き穴に挿入されると、前記凹溝内に該凹溝に沿って収容支持されることである。
【0011】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2において、前記挿入部は、前記抜き穴形状に倣って形成され前記抜き穴に挿入された弾性部材で保持されることである。
【0012】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、車両シート用パッド部材の着座側表面と該着座側表面を覆うように前記パッド部材に装着される表皮部材との間において、前記パッド部材の着座側表面に当接して該パッド部材への荷重情報を検出する複数の検出部と、前記検出部により検出された荷重信号を出力する外部出力部と、前記複数の検出部の間及び前記検出部と前記外部出力部との間を導通する導通部と、を備えた可撓性を有するフィルム状の着座センサであって、前記導通部は、前記パッド部材の着座荷重作用部分に設けられて前記パッド部材を裏側まで貫通する抜き穴に挿入される挿入部を備え、前記外部出力部は、前記挿入部の先端部に設けられ、前記挿入部は、前記抜き穴形状に倣って形成され前記抜き穴に挿入された弾性部材で保持されることである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によると、2つの検出部が車両用パッド部材に凹溝を挟んで互いに反対方向に配設され、挿入部の先端部に設けられた外部出力部は、凹溝に設けられた抜き穴に挿入されてパッド部材の裏側に配設される。
荷重を検出する検出部は、乗員の荷重が負荷されるヒップポイント辺りに配置され必要がある。一方、凹溝は座り心地などの観点よりヒップポイントに設けられることが多い。従来のように検出部をヒップポイントに配置して、導通部をシートクッションの後方に設けられた貫通穴を通して或いはシートクッションの後端を経由してパッド部材の裏側に外部出力部を配設すると、検出部と外部出力部との間の導通部の長さが長くなってしまう。
【0014】
本件発明においては、ヒップポイントにある凹溝を挟んで第1検出部と第2検出部とを配置するとともに、凹溝に設けられた抜き穴に、先端に外部出力部が設けられた挿入部を挿入してパット部材の裏側に配設するので、検出部と外部出力部との間の導通部を最短の長さとすることができる。これにより、製品全体を小型化して歩留まりの向上とコストダウンとを実現することができる。
【0015】
また、乗員が着座した際に、乗員のヒップによりパット部材が押圧されて圧縮変形するのに合わせて挿入部には下方への力が働くので、挿入部は抜き穴の裏側に逃げることができ、凹溝の変形によって導通部が折れ曲がるようなことがない。そのため、乗員着座時における凹溝に配された導通部の折れ曲がりによる断線を防止することができる。
【0016】
請求項2に係る発明によると、導通部は、挿入部の第1検出部側から直角に突出し第2屈曲部に連続する基端導通部を有している。基端導通部は挿入部に対して直角に突設していることから、挿入部を抜き穴に挿入すると、抜き穴に対して直角に延在する凹溝内に極めて収まり良く収容される。これによって、第1屈曲部に接続する第1検出部及び第2屈曲部に接続する第2検出部は、パッド部材上の所定の検出位置からずれることなく、高い精度で荷重を検出することができる。
【0017】
請求項3に係る発明によると、凹溝に設けられた抜き穴には、抜き穴形状に倣う弾性部材が挿入されている。そのため、乗員が着座した場合に、抜き穴が設けられた凹溝部分が、乗員荷重に基づく応力集中で陥没変形するようなことがない。これによって、凹溝付近に配設された検出部においても高い精度で荷重を検出することができ、着座する乗員に荷重逃げによる違和感を生じさせることを防止することができる。
【0018】
また、乗員のヒップによりパット部材が押圧されて圧縮変形したとしても抜き穴に挿入された弾性部材によって抜き穴周縁の変形量が減少するので、凹溝及び抜き穴の変形による導通部の折れ曲がりが抑制される。そのため、乗員着座時における凹溝に配された導通部の折れ曲がりによる断線を防止することができる。
【0019】
請求項4に係る発明によると、パッド部材の着座荷重が作用する部分に設けられ挿入部が挿入される抜き穴には、抜き穴形状に倣った形状の弾性部材が挿入されている。従来、乗員が着座した際、抜き穴に乗員荷重に基づく応力が集中して抜き穴の周縁部が陥没変形し、荷重が逃げてしまうため、抜き穴周辺に配設された検出部では正確な荷重検出ができなかった。本件発明においては、抜き穴に抜き穴形状に倣う弾性部材が挿入されており、乗員が着座した場合にも、抜き穴及び抜き穴周縁の表面部分とそれ以外のパッド部材の表面部分とに生じる反発力が均等であり、抜き穴周縁に応力が集中して大きく変形を生じることもない。そのため、着座荷重が作用する抜き穴周辺に配設された検出部においても高い精度で荷重を検出することができる。また、着座する乗員に荷重逃げによる違和感を生じさせることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る着座センサを車両用シートクッションの配置した第1実施形態を示す図。
【図2】パッド部材に着座センサを配置した平面図。
【図3】着座センサの平面図。
【図4】パッド部材に配設される場合の第1屈曲部及び第2屈曲部が屈曲された状態の着座センサを示す斜視図。
【図5】着座センサの挿入部が凹溝に設けられた抜き穴に挿入され、検出部が凹溝を挟んで配設された状態を示す断面図。
【図6】検出部における第1フィルムの一部を拡大して示す図。
【図7】検出部における離隔部材の一部を拡大して示す図。
【図8】検出部における第2フィルムの一部を拡大して示す図。
【図9】感圧スイッチの断面図。
【図10】着座センサの挿入部が凹溝に設けられた抜き穴に挿入され、検出部が凹溝を挟んで配設された状態の一部を拡大して示す図。
【図11】図10において乗員が着座した状態を示す図。
【図12】第2実施形態における抜き穴に、着座センサの挿入部と弾性部材とが保持された状態を示す断面図。
【図13】図12において、乗員が着座した状態を示す図。
【図14】第3実施形態における凹溝に設けられた抜き穴に、着座センサの挿入部及び弾性部材が保持された状態を示す図。
【図15】弾性部材の別例を示す断面図。
【図16】弾性部材の別例を示す断面図。
【図17】従来におけるシートクッションの後端を経由して配設された着座センサを示す図。
【図18】従来におけるシートクッションの後方に設けられた抜き穴に着座センサガ配設された状態を示す図。
【図19】図18において乗員が着座した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0021】
以下、本発明に係る着座センサを車両用シートに実施した第1実施形態について図面を参照して説明する。図1には独座用の車両用シートのシートクッション2の斜視図が描かれている。
【0022】
シートクッション2は、図1に示すように、ウレタン等から構成されるパッド部材4とパッド部材4の着座側表面を覆うように装着される布製(又は皮革製等)の表皮部材6とを備えている。シートクッション2のパッド部材4の上面には、図2に示すように、左右方向に延在する凹溝8が陥没形成されている。凹溝8に重なるパッド部材4の中央部には、パッド部材4の上面から下面に貫通する抜き穴12が形成されている。凹溝8の下方のパッド部材4内には表皮部材6(図1参照)を図略の掛止部材で係止するワイヤ9がシートクッションの左右方向に延在するように配設されている。本実施形態において、ワイヤ9の抜き穴12に対応する部分は水平方向に屈曲されて抜き穴12を回避するよう配設されている。
【0023】
着座センサ10は、図6乃至図8に示すように、対となった第1フィルム14と第2フィルム16とを離隔部材としての絶縁スペーサ18を介して重合することにより形成されるメンブレンスイッチ19から主に構成される。
【0024】
メンブレンスイッチ19は、図3示すように、可撓性を有するフィルム状に形成され、2つずつ感圧スイッチ20が組となった第1検出部22と第2検出部24とを備えている。第1検出部22と第2検出部24との間、第1検出部22と外部出力部(後述)との間、第2検出部24と外部出力部との間は導通部25によって電気的に接続されている。パッド部材4に配設される際に導通部25が屈曲されて第1屈曲部26が形成され、第1検出部22は第1屈曲部26の先端側に設けられる。第1屈曲部26より図4において下部の導通部25には挿入部31が形成され、挿入部31の先端部は外部出力部28に接続されている。外部出力部28は、感圧スイッチ20で検出された荷重を出力するものであり、出力電極が形成されている。この外部出力部28にはコネクタ29が接続されてコネクタ部30を構成する。コネクタ部30は乗員の着座状態を判断する図略のECU(Electronic Control Unit)に連結されている。
【0025】
挿入部31の第1検出部22側の途中部分より短手方向に直角に突出する基端導通部32aが設けられ、基端導通部32aからさらに直角に突出する第2屈曲部32が設けられている。第2検出部24は第2屈曲部32の先端側部に設けられている。第2屈曲部32はパッド部材4の着座側表面に配設される際、凹溝8を挟んで第1屈曲部26の反対方向となるように屈曲される。
【0026】
第1フィルム14は、例えば厚さ0.1mmのPEN(ポリエチレンナフタレート)製で、図6に示すように、第1検出部22及び第2検出部24において、コネクタ部30のプラス及びマイナスの電極に夫々導通するスイッチ配線34が略平行に印刷等で形成されている。第1フィルム14の感圧スイッチ20に対応する箇所は幅広に形成され、幅広に形成された箇所には各々一方のスイッチ配線34に導通する一対の円形の被接離部36が印刷等で形成されている。
【0027】
絶縁スペーサ18は、例えば0.15mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製で、図7に示すように、被接離部36に対応する部分に厚み方向に貫通する円形の貫通穴38が夫々設けられている。
【0028】
第2フィルム16は、図8に示すように、第1フィルム14と同形状に形成され、被接離部36に対応する部分には導通材からなる円形の接離部40が印刷等で形成されている。
【0029】
これらの第1フィルム14、第2フィルム16及び絶縁スペーサ18は例えば粘着剤や超音波溶着等によって重ね合わせて感圧スイッチ20が構成されている。図9に示すように、フィルム等が重ね合わせて接着されることにより、各貫通穴38は第1フィルム14の被接離部36と第2フィルム16の接離部40とを接離・離間させる空間を形成する。第1フィルム14に配された円形状の被接離部(下方電極)36と、第2フィルム16に配された円形状の接離部(上方電極)40とが、貫通穴38を挟んで同心上に対向するように設けられ、感圧スイッチ20において厚み方向の荷重が加わると、接離部40と被接離部36とが接触してオンされ、この接触によって流れる電流を検知するようになっている。第1検出部22と第2検出部24とは、夫々直列する2つの感圧スイッチ20で構成される感圧スイッチ20の組から構成されており、第1検出部22と第2検出部24とは、スイッチ配線34に並列に配置されているので、各検出部22,24において直列する二つの感圧スイッチ20がオンされると、それぞれの検出部22,24で電流が流れるようになっている。
【0030】
メンブレンスイッチ19がパッド部材4に配設される場合は、図4に示すように、第1検出部22と第2検出部24とが凹溝8を挟んで対向するように、第1屈曲部26と第2屈曲部32とを夫々略直角になるように反対方向に互いに屈曲させてパッド部材4の表面に配される(図2参照)。メンブレンスイッチ19の挿入部31が、図5に示すように、パッド部材4の凹溝8に設けられた抜き穴12に挿入され、コネクタ部30がシートクッション2の裏面において図略のフレームに固定される。
【0031】
上記のように構成された着座センサ10をシートクッション2のパッド部材4に組付ける場合には、図10に示すように、メンブレンスイッチ19の挿入部31がパッド部材4の凹溝8に設けられた抜き穴12に挿入され、コネクタ部30がシートクッション2の裏面において固定される。そして第1検出部22と第2検出部24とは凹溝8を挟んで反対方向に配設される。
【0032】
挿入部31を抜き穴12に挿入して第1検出部22と第2検出部24とを凹溝8を挟んで互いに反対側に配設すると、基端導通部32aは、挿入部31に対して直角に突出するように設けられているため、基端導通部32aは、凹溝8に沿って凹溝8内に極めて収まり良く収容される。
【0033】
また、乗員が着座した場合に、図11に示すように、乗員のヒップ44によりメンブレンスイッチ19は下方に押圧されるが、抜き穴12に挿入された導通部25の挿入部31は、抜き穴12に沿って逃げることができる。そのため、導通部25の折れ曲がりを防止することができる。
【0034】
そして、着座センサ10としての作動においては、第1検出部22における感圧スイッチ20の両方又は第2検出部24における感圧スイッチ20の両方が同時にONされたときに(すべての感圧スイッチ20が同時にONされたときも含まれる)スイッチ配線34に電流が流れて着座検出信号が出力される。そのため、荷重の際に接する面積が小さい荷物等により乗員荷重が検出されるのが防止され、この電流による着座検出信号によって、ECUがシートクッション2上に座っているのが人であると判断すると、例えばエアバック装置の作動を可能にしたり、シートベルトが非装着である旨の警告を発したりする。
【0035】
上記のように構成された着座センサ10によると、第1検出部22及び第2検出部24が車両用パッド部材4に凹溝8を挟んで互いに反対方向に配設され、挿入部31の先端部に設けられた外部出力部28は、凹溝8に設けられた抜き穴12に挿入されてパッド部材4の裏側に配設される。
【0036】
荷重を検出する検出部22,24は乗員の荷重が負荷されるヒップポイント辺りに配置される必要がある。一方、凹溝8は座り心地などの観点よりヒップポイントに設けられることが多い。従来のように検出部をヒップポイントに配置して、導通部をシートクッション2の後方に設けられた貫通穴を通して或いはシートクッション2の後端を経由してパッド部材の裏側に外部出力部を配設すると、検出部と外部出力部との間の導通部の長さが長くなってしまう。
【0037】
本実施形態においては、ヒップポイントにある凹溝8を挟んで第1検出部22と第2検出部24とを配置するとともに、凹溝8に設けられた抜き穴12に、先端に外部出力部28がもうけられた挿入部31を挿入してパット部材4の裏側に配設するので、検出部22,24と外部出力部28との間の導通部25を最短の長さとすることができる。これにより、製品全体を小型化して歩留まりの向上とコストダウンとを実現することができる。
【0038】
また、乗員が着座した際に、図11に示すように、乗員のヒップ44によりパット部材4が押圧されて圧縮変形するのに合わせて挿入部31には下方への力が働くので、挿入部31は抜き穴12の裏側に逃げることができ、凹溝8の変形によって導通部25が折れ曲がるようなことがない。そのため、乗員の着座時における凹溝8に配された導通部25の折れ曲がりによるスイッチ配線34の断線を防止することができる。
【実施例2】
【0039】
次に、本発明に係る着座センサを車両用シートに実施した第2実施形態について図12に基づいて説明する。
【0040】
本実施例における着座センサ50において、抜き穴52が凹溝(図略)の施された部分よりもシートクッション54の後部の着座荷重が作用する部分(ヒップポイント)に設けられていること、メンブレンスイッチ56が直線的帯状であって、第1検出部58と第2検出部60とが直列に配置されていること、抜き穴52には抜き穴形状に倣う形状でかつパット部材4と同じ材質(例えばウレタン材)で形成された弾性部材62が挿入・保持されていること。これらの点について第1実施形態と構成が相違し、その他の点については構成が同様であるので、説明を省略する。
【0041】
なお、弾性部材62の収まりを明らかにするため、図12及び図13に示すように、表皮部材64とシートボトムのフレーム(図略)に横架されたSばね66とを表示している。
【0042】
このように構成された着座センサ50によると、挿入部31が挿入される抜き穴52には、抜き穴52形状に倣った形状の弾性部材62が挿入されている。従来、乗員が着座した際、抜き穴52に乗員荷重に基づく応力が集中して抜き穴52の周縁部が陥没変形し、荷重が逃げてしまうため、抜き穴52周辺に配設された検出部では正確な荷重検出ができなかった。本実施形態においては、抜き穴52に抜き穴52形状に倣う弾性部材62が挿入・保持されており、乗員が着座した場合にも、図13に示すように、着座センサ50の検出部58,60は、全体にわたってパッド部材4及び弾性部材62で形成する平らな面に配置された状態(荷重に対するパッド部材4及び弾性部材62の反力が均等な状態)で荷重を検出する。そのため、着座荷重が作用する抜き穴52周辺に配設された検出部58,60においても高い精度で荷重を検出することができる。また、着座する乗員に荷重逃げによる違和感を生じさせることを防止することができる。
【実施例3】
【0043】
次に、本発明に係る着座センサを車両用シートに実施した第3実施形態について図14に基づいて説明する。
【0044】
本実施例においては、着座センサ70には、凹溝8に形成された抜き穴12に抜き穴12形状に倣う形状でかつパット部材4と同じ材質で形成された弾性部材72が挿入されて保持されている点について第1実施形態と構成が相違し、その他の点については同様であるので、説明を省略する。
【0045】
上記のように構成された着座センサ70によると、凹溝8に設けられた抜き穴12には、抜き穴12形状に倣う弾性部材72が挿入されている。そのため、乗員が着座した場合に、抜き穴12が設けられた凹溝8部分が、乗員荷重に基づく応力集中で陥没変形するようなことがない。また、乗員のヒップ44によりパット部材4が押圧されて圧縮変形したとしても抜き穴12に挿入された弾性部材62によって変形量が減少する。これによって、凹溝8付近に配設された検出部22,24においても高い精度で荷重を検出することができ、着座する乗員に荷重逃げによる違和感を生じさせることを防止することができる。
【0046】
なお、本実施形態においては、弾性部材の外形を抜き穴の形状に倣うだけのものとしたが、これに限定されず、例えば図15及び図16に示すように、着座センサの挿入部(導通部)が摺動可能に嵌入する通し穴76を設け、通し穴76に挿入部を嵌め入れるための切れ込み溝78を設けた弾性部材74としてもよい。この場合、乗員が着座した際に、着座センサが下方に押圧されても、この通し穴76によって着座センサの挿入部がクッション部材の裏側に円滑に逃げることができ、着座センサの導通部が荷重によって折れ曲がることを防止することができる。
【0047】
また、弾性部材の材質をパッド部材と同じ材質のものとしたが、これに限定されず、抜き穴の形状、径寸等に応じて異なる材質の弾性部材を選択することができる。
【0048】
また、上記実施形態において、着座センサは、二つの感圧スイッチが組となった第1検出部と第2検出部としたが、これに限定されず、例えば1つ又は3つ以上の感圧スイッチで検出部が構成されているものでもよい。
また、導通部は、複数の検出部間と、検出部と外部出力部との間との両方を接続するものとしたが、これに限定されず、例えば検出部と外部出力部との間だけを電気的に接続しているものも含むものである。
【0049】
また、メンブレンスイッチを、円形の被接離部分と円形の接離部分とを対向させて接離させるものとしたが、これに限定されず、例えば、第1フィルムに線対称の半円形の導通材を離間させて印刷して被接離部とし、被接離部に対向させて第2フィルムに円形に導通材を印刷して接離部とし、これらの被接離部と接離部とを接離することで感圧スイッチを構成するものでもよい。この場合1箇所の感圧スイッチがオンすれば、スイッチ配線に電流が流れて着座検出信号が出力される。
【0050】
斯様に、上記した実施の形態で述べた具体的構成は、本発明の一例を示したものにすぎず、本発明はそのような具体的構成に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の態様を採り得るものである。
【符号の説明】
【0051】
2…シートクッション、4…パッド部材、8…凹溝、10…着座センサ、12…抜き穴、19…メンブレンスイッチ、22…第1検出部、24…第2検出部、25…導通部、26…第1屈曲部、28…外部出力部、30…コネクタ部、31…挿入部、32…第2屈曲部、32a…基端導通部、50…着座センサ、52…抜き穴、54…シートクッション、56…メンブレンスイッチ、58…第1検出部、60…第2検出部、62…弾性部材、70…着座センサ、72…弾性部材、74…弾性部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のシートに設置して乗員の着座荷重を検出する着座センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車に装備されたシートベルトやエアバッグ等の各種安全装置の性能を向上させるため、シートに乗員が着座している状態を検知してこれらの安全装置をコントロールする場合がある。しかし、シートには人が着座する以外に荷物が置かれることもあり、人を荷物と区別して正しく判定することは、安全装置を正しく作動させるために極めて重要である。
【0003】
このような乗員の着座状態を検知するのに適するものとして、薄くて可撓性があるメンブレンスイッチが考えられ、そのようなメンブレンスイッチを使用した着座センサが特許文献1に開示されている。この着座センサは、直線状に形成された第一フィルムと、第一フィルムと同形状に形成され、第一フィルムに対向して配置される第二フィルムと、第一フィルムと第二フィルムとの間に対向して且つ離隔して配置され、荷重を受けた場合に当接して導通する2つの感圧スイッチ(接離部及び被接離部)と、第一フィルムと第二フィルムとの間に配置され、感圧スイッチに導通する導通部における導通電極と、第一フィルムおよび第二フィルムの端部に結合され、導通電極を介して感圧スイッチに導通されるコネクタ部とが記載されている。そして、この着座センサを車両前後方向および車両左右方向に対して斜めの方向を向くように座面に配置し、乗員が正しい姿勢で着座した場合に、乗員の臀部に当たる部分(ヒップポイント)に二つの感圧スイッチが配置されることが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、直線状の着座センサについてはシートクッションに抜き穴を設け、設けられた抜き穴よりテール部(挿入部)とコネクタ部(外部出力部)とをシートクッションのパッド部材の裏側に配置することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−157914号公報
【特許文献2】特開2010−137804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、シートクッションの意匠で、二つの感圧スイッチの間若しくは感圧スイッチ付近に車両の横方向に延在するライン(凹溝)がある場合には、着座センサについては凹溝の形状に這わせて配置する必要がある(図17参照)。また、直線状の着座センサについては、特許文献1に示すように、シートクッション80の後端或いは横端を経由してパッド部材4の裏側に挿入部82とコネクタ部84とを配設する(図17参照)か、特許文献2に示すように、シートクッションに抜き穴を設け、設けられた抜き穴より挿入部とコネクタ部(外部出力部)とをシートクッションのパッド部材の裏側に配置する。そのため、感圧スイッチが設けられる検出部とコネクタ部との距離が長くなり、着座センサは導通部85を最短経路で配索することができない。そして、着座センサは凹溝86に這わせて配置することから、凹溝86において導通部85を形成するフィルムへの応力が集中しやすくなり、乗員着座時にフィルムが破断し、断線しやすい状態となるという問題があった。
【0007】
特許文献2において、図18に示すように、ヒップポイントに抜き穴90を明けてメンブレンスイッチ92のコネクタ部94を挿入するが、乗員が着座した際、図19に示すように、抜き穴90の周縁に乗員のヒップ44による荷重で応力が集中し、抜き穴90の周縁が大きく下方に圧縮変形して検出部96を支持する反力が逃げるため、抜き穴90周縁近辺に配置された検出部96の感圧センサが正確に荷重を検出できないという問題があった。
【0008】
本発明は係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、着座センサが車両用シートクッションに配置される場合に、コネクタ部と感圧スイッチを含む検出部とを最短経路で配索を行い、乗員着座時にフィルムが破断し、断線しやすい状態となるのを防止するとともに、正確な荷重検出を行うことができる着座センサを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、陥没形成され表皮部材を固定するワイヤが配索された凹溝を有する車両シート用パッド部材の着座側表面と、該着座側表面を覆うように前記パッド部材に装着される前記表皮部材との間において、前記パッド部材の着座側表面に当接して該パッド部材への荷重情報を検出する複数の検出部と、前記検出部により検出された荷重信号を出力する外部出力部と、前記複数の検出部の間及び前記検出部と前記外部出力部との間を導通する導通部と、を備えた可撓性を有するフィルム状の着座センサであって、前記導通部は、前記凹溝に設けられて前記パッド部材を裏側まで貫通する抜き穴に挿入される挿入部と、前記着座側表面に当接するように屈曲され前記凹溝に対し交わる方向に配設される第1屈曲部と、前記着座側表面に当接するように屈曲され前記第1屈曲部とは前記凹溝を挟んで反対方向に配設される第2屈曲部とを備え、前記外部出力部は、前記挿入部の先端部に設けられ、前記検出部は、前記第1屈曲部に接続する第1検出部と、前記第2屈曲部に接続する第2検出部と、を有していることである。
【0010】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記導通部は、前記挿入部の前記第1検出部側から直角に突出し前記第2屈曲部に連続する基端導通部を有し、前記基端導通部は、前記挿入部が前記抜き穴に挿入されると、前記凹溝内に該凹溝に沿って収容支持されることである。
【0011】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2において、前記挿入部は、前記抜き穴形状に倣って形成され前記抜き穴に挿入された弾性部材で保持されることである。
【0012】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、車両シート用パッド部材の着座側表面と該着座側表面を覆うように前記パッド部材に装着される表皮部材との間において、前記パッド部材の着座側表面に当接して該パッド部材への荷重情報を検出する複数の検出部と、前記検出部により検出された荷重信号を出力する外部出力部と、前記複数の検出部の間及び前記検出部と前記外部出力部との間を導通する導通部と、を備えた可撓性を有するフィルム状の着座センサであって、前記導通部は、前記パッド部材の着座荷重作用部分に設けられて前記パッド部材を裏側まで貫通する抜き穴に挿入される挿入部を備え、前記外部出力部は、前記挿入部の先端部に設けられ、前記挿入部は、前記抜き穴形状に倣って形成され前記抜き穴に挿入された弾性部材で保持されることである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によると、2つの検出部が車両用パッド部材に凹溝を挟んで互いに反対方向に配設され、挿入部の先端部に設けられた外部出力部は、凹溝に設けられた抜き穴に挿入されてパッド部材の裏側に配設される。
荷重を検出する検出部は、乗員の荷重が負荷されるヒップポイント辺りに配置され必要がある。一方、凹溝は座り心地などの観点よりヒップポイントに設けられることが多い。従来のように検出部をヒップポイントに配置して、導通部をシートクッションの後方に設けられた貫通穴を通して或いはシートクッションの後端を経由してパッド部材の裏側に外部出力部を配設すると、検出部と外部出力部との間の導通部の長さが長くなってしまう。
【0014】
本件発明においては、ヒップポイントにある凹溝を挟んで第1検出部と第2検出部とを配置するとともに、凹溝に設けられた抜き穴に、先端に外部出力部が設けられた挿入部を挿入してパット部材の裏側に配設するので、検出部と外部出力部との間の導通部を最短の長さとすることができる。これにより、製品全体を小型化して歩留まりの向上とコストダウンとを実現することができる。
【0015】
また、乗員が着座した際に、乗員のヒップによりパット部材が押圧されて圧縮変形するのに合わせて挿入部には下方への力が働くので、挿入部は抜き穴の裏側に逃げることができ、凹溝の変形によって導通部が折れ曲がるようなことがない。そのため、乗員着座時における凹溝に配された導通部の折れ曲がりによる断線を防止することができる。
【0016】
請求項2に係る発明によると、導通部は、挿入部の第1検出部側から直角に突出し第2屈曲部に連続する基端導通部を有している。基端導通部は挿入部に対して直角に突設していることから、挿入部を抜き穴に挿入すると、抜き穴に対して直角に延在する凹溝内に極めて収まり良く収容される。これによって、第1屈曲部に接続する第1検出部及び第2屈曲部に接続する第2検出部は、パッド部材上の所定の検出位置からずれることなく、高い精度で荷重を検出することができる。
【0017】
請求項3に係る発明によると、凹溝に設けられた抜き穴には、抜き穴形状に倣う弾性部材が挿入されている。そのため、乗員が着座した場合に、抜き穴が設けられた凹溝部分が、乗員荷重に基づく応力集中で陥没変形するようなことがない。これによって、凹溝付近に配設された検出部においても高い精度で荷重を検出することができ、着座する乗員に荷重逃げによる違和感を生じさせることを防止することができる。
【0018】
また、乗員のヒップによりパット部材が押圧されて圧縮変形したとしても抜き穴に挿入された弾性部材によって抜き穴周縁の変形量が減少するので、凹溝及び抜き穴の変形による導通部の折れ曲がりが抑制される。そのため、乗員着座時における凹溝に配された導通部の折れ曲がりによる断線を防止することができる。
【0019】
請求項4に係る発明によると、パッド部材の着座荷重が作用する部分に設けられ挿入部が挿入される抜き穴には、抜き穴形状に倣った形状の弾性部材が挿入されている。従来、乗員が着座した際、抜き穴に乗員荷重に基づく応力が集中して抜き穴の周縁部が陥没変形し、荷重が逃げてしまうため、抜き穴周辺に配設された検出部では正確な荷重検出ができなかった。本件発明においては、抜き穴に抜き穴形状に倣う弾性部材が挿入されており、乗員が着座した場合にも、抜き穴及び抜き穴周縁の表面部分とそれ以外のパッド部材の表面部分とに生じる反発力が均等であり、抜き穴周縁に応力が集中して大きく変形を生じることもない。そのため、着座荷重が作用する抜き穴周辺に配設された検出部においても高い精度で荷重を検出することができる。また、着座する乗員に荷重逃げによる違和感を生じさせることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る着座センサを車両用シートクッションの配置した第1実施形態を示す図。
【図2】パッド部材に着座センサを配置した平面図。
【図3】着座センサの平面図。
【図4】パッド部材に配設される場合の第1屈曲部及び第2屈曲部が屈曲された状態の着座センサを示す斜視図。
【図5】着座センサの挿入部が凹溝に設けられた抜き穴に挿入され、検出部が凹溝を挟んで配設された状態を示す断面図。
【図6】検出部における第1フィルムの一部を拡大して示す図。
【図7】検出部における離隔部材の一部を拡大して示す図。
【図8】検出部における第2フィルムの一部を拡大して示す図。
【図9】感圧スイッチの断面図。
【図10】着座センサの挿入部が凹溝に設けられた抜き穴に挿入され、検出部が凹溝を挟んで配設された状態の一部を拡大して示す図。
【図11】図10において乗員が着座した状態を示す図。
【図12】第2実施形態における抜き穴に、着座センサの挿入部と弾性部材とが保持された状態を示す断面図。
【図13】図12において、乗員が着座した状態を示す図。
【図14】第3実施形態における凹溝に設けられた抜き穴に、着座センサの挿入部及び弾性部材が保持された状態を示す図。
【図15】弾性部材の別例を示す断面図。
【図16】弾性部材の別例を示す断面図。
【図17】従来におけるシートクッションの後端を経由して配設された着座センサを示す図。
【図18】従来におけるシートクッションの後方に設けられた抜き穴に着座センサガ配設された状態を示す図。
【図19】図18において乗員が着座した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0021】
以下、本発明に係る着座センサを車両用シートに実施した第1実施形態について図面を参照して説明する。図1には独座用の車両用シートのシートクッション2の斜視図が描かれている。
【0022】
シートクッション2は、図1に示すように、ウレタン等から構成されるパッド部材4とパッド部材4の着座側表面を覆うように装着される布製(又は皮革製等)の表皮部材6とを備えている。シートクッション2のパッド部材4の上面には、図2に示すように、左右方向に延在する凹溝8が陥没形成されている。凹溝8に重なるパッド部材4の中央部には、パッド部材4の上面から下面に貫通する抜き穴12が形成されている。凹溝8の下方のパッド部材4内には表皮部材6(図1参照)を図略の掛止部材で係止するワイヤ9がシートクッションの左右方向に延在するように配設されている。本実施形態において、ワイヤ9の抜き穴12に対応する部分は水平方向に屈曲されて抜き穴12を回避するよう配設されている。
【0023】
着座センサ10は、図6乃至図8に示すように、対となった第1フィルム14と第2フィルム16とを離隔部材としての絶縁スペーサ18を介して重合することにより形成されるメンブレンスイッチ19から主に構成される。
【0024】
メンブレンスイッチ19は、図3示すように、可撓性を有するフィルム状に形成され、2つずつ感圧スイッチ20が組となった第1検出部22と第2検出部24とを備えている。第1検出部22と第2検出部24との間、第1検出部22と外部出力部(後述)との間、第2検出部24と外部出力部との間は導通部25によって電気的に接続されている。パッド部材4に配設される際に導通部25が屈曲されて第1屈曲部26が形成され、第1検出部22は第1屈曲部26の先端側に設けられる。第1屈曲部26より図4において下部の導通部25には挿入部31が形成され、挿入部31の先端部は外部出力部28に接続されている。外部出力部28は、感圧スイッチ20で検出された荷重を出力するものであり、出力電極が形成されている。この外部出力部28にはコネクタ29が接続されてコネクタ部30を構成する。コネクタ部30は乗員の着座状態を判断する図略のECU(Electronic Control Unit)に連結されている。
【0025】
挿入部31の第1検出部22側の途中部分より短手方向に直角に突出する基端導通部32aが設けられ、基端導通部32aからさらに直角に突出する第2屈曲部32が設けられている。第2検出部24は第2屈曲部32の先端側部に設けられている。第2屈曲部32はパッド部材4の着座側表面に配設される際、凹溝8を挟んで第1屈曲部26の反対方向となるように屈曲される。
【0026】
第1フィルム14は、例えば厚さ0.1mmのPEN(ポリエチレンナフタレート)製で、図6に示すように、第1検出部22及び第2検出部24において、コネクタ部30のプラス及びマイナスの電極に夫々導通するスイッチ配線34が略平行に印刷等で形成されている。第1フィルム14の感圧スイッチ20に対応する箇所は幅広に形成され、幅広に形成された箇所には各々一方のスイッチ配線34に導通する一対の円形の被接離部36が印刷等で形成されている。
【0027】
絶縁スペーサ18は、例えば0.15mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製で、図7に示すように、被接離部36に対応する部分に厚み方向に貫通する円形の貫通穴38が夫々設けられている。
【0028】
第2フィルム16は、図8に示すように、第1フィルム14と同形状に形成され、被接離部36に対応する部分には導通材からなる円形の接離部40が印刷等で形成されている。
【0029】
これらの第1フィルム14、第2フィルム16及び絶縁スペーサ18は例えば粘着剤や超音波溶着等によって重ね合わせて感圧スイッチ20が構成されている。図9に示すように、フィルム等が重ね合わせて接着されることにより、各貫通穴38は第1フィルム14の被接離部36と第2フィルム16の接離部40とを接離・離間させる空間を形成する。第1フィルム14に配された円形状の被接離部(下方電極)36と、第2フィルム16に配された円形状の接離部(上方電極)40とが、貫通穴38を挟んで同心上に対向するように設けられ、感圧スイッチ20において厚み方向の荷重が加わると、接離部40と被接離部36とが接触してオンされ、この接触によって流れる電流を検知するようになっている。第1検出部22と第2検出部24とは、夫々直列する2つの感圧スイッチ20で構成される感圧スイッチ20の組から構成されており、第1検出部22と第2検出部24とは、スイッチ配線34に並列に配置されているので、各検出部22,24において直列する二つの感圧スイッチ20がオンされると、それぞれの検出部22,24で電流が流れるようになっている。
【0030】
メンブレンスイッチ19がパッド部材4に配設される場合は、図4に示すように、第1検出部22と第2検出部24とが凹溝8を挟んで対向するように、第1屈曲部26と第2屈曲部32とを夫々略直角になるように反対方向に互いに屈曲させてパッド部材4の表面に配される(図2参照)。メンブレンスイッチ19の挿入部31が、図5に示すように、パッド部材4の凹溝8に設けられた抜き穴12に挿入され、コネクタ部30がシートクッション2の裏面において図略のフレームに固定される。
【0031】
上記のように構成された着座センサ10をシートクッション2のパッド部材4に組付ける場合には、図10に示すように、メンブレンスイッチ19の挿入部31がパッド部材4の凹溝8に設けられた抜き穴12に挿入され、コネクタ部30がシートクッション2の裏面において固定される。そして第1検出部22と第2検出部24とは凹溝8を挟んで反対方向に配設される。
【0032】
挿入部31を抜き穴12に挿入して第1検出部22と第2検出部24とを凹溝8を挟んで互いに反対側に配設すると、基端導通部32aは、挿入部31に対して直角に突出するように設けられているため、基端導通部32aは、凹溝8に沿って凹溝8内に極めて収まり良く収容される。
【0033】
また、乗員が着座した場合に、図11に示すように、乗員のヒップ44によりメンブレンスイッチ19は下方に押圧されるが、抜き穴12に挿入された導通部25の挿入部31は、抜き穴12に沿って逃げることができる。そのため、導通部25の折れ曲がりを防止することができる。
【0034】
そして、着座センサ10としての作動においては、第1検出部22における感圧スイッチ20の両方又は第2検出部24における感圧スイッチ20の両方が同時にONされたときに(すべての感圧スイッチ20が同時にONされたときも含まれる)スイッチ配線34に電流が流れて着座検出信号が出力される。そのため、荷重の際に接する面積が小さい荷物等により乗員荷重が検出されるのが防止され、この電流による着座検出信号によって、ECUがシートクッション2上に座っているのが人であると判断すると、例えばエアバック装置の作動を可能にしたり、シートベルトが非装着である旨の警告を発したりする。
【0035】
上記のように構成された着座センサ10によると、第1検出部22及び第2検出部24が車両用パッド部材4に凹溝8を挟んで互いに反対方向に配設され、挿入部31の先端部に設けられた外部出力部28は、凹溝8に設けられた抜き穴12に挿入されてパッド部材4の裏側に配設される。
【0036】
荷重を検出する検出部22,24は乗員の荷重が負荷されるヒップポイント辺りに配置される必要がある。一方、凹溝8は座り心地などの観点よりヒップポイントに設けられることが多い。従来のように検出部をヒップポイントに配置して、導通部をシートクッション2の後方に設けられた貫通穴を通して或いはシートクッション2の後端を経由してパッド部材の裏側に外部出力部を配設すると、検出部と外部出力部との間の導通部の長さが長くなってしまう。
【0037】
本実施形態においては、ヒップポイントにある凹溝8を挟んで第1検出部22と第2検出部24とを配置するとともに、凹溝8に設けられた抜き穴12に、先端に外部出力部28がもうけられた挿入部31を挿入してパット部材4の裏側に配設するので、検出部22,24と外部出力部28との間の導通部25を最短の長さとすることができる。これにより、製品全体を小型化して歩留まりの向上とコストダウンとを実現することができる。
【0038】
また、乗員が着座した際に、図11に示すように、乗員のヒップ44によりパット部材4が押圧されて圧縮変形するのに合わせて挿入部31には下方への力が働くので、挿入部31は抜き穴12の裏側に逃げることができ、凹溝8の変形によって導通部25が折れ曲がるようなことがない。そのため、乗員の着座時における凹溝8に配された導通部25の折れ曲がりによるスイッチ配線34の断線を防止することができる。
【実施例2】
【0039】
次に、本発明に係る着座センサを車両用シートに実施した第2実施形態について図12に基づいて説明する。
【0040】
本実施例における着座センサ50において、抜き穴52が凹溝(図略)の施された部分よりもシートクッション54の後部の着座荷重が作用する部分(ヒップポイント)に設けられていること、メンブレンスイッチ56が直線的帯状であって、第1検出部58と第2検出部60とが直列に配置されていること、抜き穴52には抜き穴形状に倣う形状でかつパット部材4と同じ材質(例えばウレタン材)で形成された弾性部材62が挿入・保持されていること。これらの点について第1実施形態と構成が相違し、その他の点については構成が同様であるので、説明を省略する。
【0041】
なお、弾性部材62の収まりを明らかにするため、図12及び図13に示すように、表皮部材64とシートボトムのフレーム(図略)に横架されたSばね66とを表示している。
【0042】
このように構成された着座センサ50によると、挿入部31が挿入される抜き穴52には、抜き穴52形状に倣った形状の弾性部材62が挿入されている。従来、乗員が着座した際、抜き穴52に乗員荷重に基づく応力が集中して抜き穴52の周縁部が陥没変形し、荷重が逃げてしまうため、抜き穴52周辺に配設された検出部では正確な荷重検出ができなかった。本実施形態においては、抜き穴52に抜き穴52形状に倣う弾性部材62が挿入・保持されており、乗員が着座した場合にも、図13に示すように、着座センサ50の検出部58,60は、全体にわたってパッド部材4及び弾性部材62で形成する平らな面に配置された状態(荷重に対するパッド部材4及び弾性部材62の反力が均等な状態)で荷重を検出する。そのため、着座荷重が作用する抜き穴52周辺に配設された検出部58,60においても高い精度で荷重を検出することができる。また、着座する乗員に荷重逃げによる違和感を生じさせることを防止することができる。
【実施例3】
【0043】
次に、本発明に係る着座センサを車両用シートに実施した第3実施形態について図14に基づいて説明する。
【0044】
本実施例においては、着座センサ70には、凹溝8に形成された抜き穴12に抜き穴12形状に倣う形状でかつパット部材4と同じ材質で形成された弾性部材72が挿入されて保持されている点について第1実施形態と構成が相違し、その他の点については同様であるので、説明を省略する。
【0045】
上記のように構成された着座センサ70によると、凹溝8に設けられた抜き穴12には、抜き穴12形状に倣う弾性部材72が挿入されている。そのため、乗員が着座した場合に、抜き穴12が設けられた凹溝8部分が、乗員荷重に基づく応力集中で陥没変形するようなことがない。また、乗員のヒップ44によりパット部材4が押圧されて圧縮変形したとしても抜き穴12に挿入された弾性部材62によって変形量が減少する。これによって、凹溝8付近に配設された検出部22,24においても高い精度で荷重を検出することができ、着座する乗員に荷重逃げによる違和感を生じさせることを防止することができる。
【0046】
なお、本実施形態においては、弾性部材の外形を抜き穴の形状に倣うだけのものとしたが、これに限定されず、例えば図15及び図16に示すように、着座センサの挿入部(導通部)が摺動可能に嵌入する通し穴76を設け、通し穴76に挿入部を嵌め入れるための切れ込み溝78を設けた弾性部材74としてもよい。この場合、乗員が着座した際に、着座センサが下方に押圧されても、この通し穴76によって着座センサの挿入部がクッション部材の裏側に円滑に逃げることができ、着座センサの導通部が荷重によって折れ曲がることを防止することができる。
【0047】
また、弾性部材の材質をパッド部材と同じ材質のものとしたが、これに限定されず、抜き穴の形状、径寸等に応じて異なる材質の弾性部材を選択することができる。
【0048】
また、上記実施形態において、着座センサは、二つの感圧スイッチが組となった第1検出部と第2検出部としたが、これに限定されず、例えば1つ又は3つ以上の感圧スイッチで検出部が構成されているものでもよい。
また、導通部は、複数の検出部間と、検出部と外部出力部との間との両方を接続するものとしたが、これに限定されず、例えば検出部と外部出力部との間だけを電気的に接続しているものも含むものである。
【0049】
また、メンブレンスイッチを、円形の被接離部分と円形の接離部分とを対向させて接離させるものとしたが、これに限定されず、例えば、第1フィルムに線対称の半円形の導通材を離間させて印刷して被接離部とし、被接離部に対向させて第2フィルムに円形に導通材を印刷して接離部とし、これらの被接離部と接離部とを接離することで感圧スイッチを構成するものでもよい。この場合1箇所の感圧スイッチがオンすれば、スイッチ配線に電流が流れて着座検出信号が出力される。
【0050】
斯様に、上記した実施の形態で述べた具体的構成は、本発明の一例を示したものにすぎず、本発明はそのような具体的構成に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の態様を採り得るものである。
【符号の説明】
【0051】
2…シートクッション、4…パッド部材、8…凹溝、10…着座センサ、12…抜き穴、19…メンブレンスイッチ、22…第1検出部、24…第2検出部、25…導通部、26…第1屈曲部、28…外部出力部、30…コネクタ部、31…挿入部、32…第2屈曲部、32a…基端導通部、50…着座センサ、52…抜き穴、54…シートクッション、56…メンブレンスイッチ、58…第1検出部、60…第2検出部、62…弾性部材、70…着座センサ、72…弾性部材、74…弾性部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陥没形成され表皮部材を固定するワイヤが配索された凹溝を有する車両シート用パッド部材の着座側表面と、該着座側表面を覆うように前記パッド部材に装着される前記表皮部材との間において、前記パッド部材の着座側表面に当接して該パッド部材への荷重情報を検出する複数の検出部と、
前記検出部により検出された荷重信号を出力する外部出力部と、
前記複数の検出部の間及び前記検出部と前記外部出力部との間を導通する導通部と、
を備えた可撓性を有するフィルム状の着座センサであって、
前記導通部は、
前記凹溝に設けられて前記パッド部材を裏側まで貫通する抜き穴に挿入される挿入部と、
前記着座側表面に当接するように屈曲され前記凹溝に対し交わる方向に配設される第1屈曲部と、
前記着座側表面に当接するように屈曲され前記第1屈曲部とは前記凹溝を挟んで反対方向に配設される第2屈曲部とを備え、
前記外部出力部は、前記挿入部の先端部に設けられ、
前記検出部は、
前記第1屈曲部に接続する第1検出部と、
前記第2屈曲部に接続する第2検出部と、
を有している着座センサ。
【請求項2】
請求項1において、前記導通部は、前記挿入部の前記第1検出部側から直角に突出し前記第2屈曲部に連続する基端導通部を有し、
前記基端導通部は、前記挿入部が前記抜き穴に挿入されると、前記凹溝内に該凹溝に沿って収容支持される着座センサ。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記挿入部は、前記抜き穴形状に倣って形成され前記抜き穴に挿入された弾性部材で保持される着座センサ。
【請求項4】
車両シート用パッド部材の着座側表面と該着座側表面を覆うように前記パッド部材に装着される表皮部材との間において、前記パッド部材の着座側表面に当接して該パッド部材への荷重情報を検出する複数の検出部と、
前記検出部により検出された荷重信号を出力する外部出力部と、
前記複数の検出部の間及び前記検出部と前記外部出力部との間を導通する導通部と、を備えた可撓性を有するフィルム状の着座センサであって、
前記導通部は、前記パッド部材の着座荷重作用部分に設けられて前記パッド部材を裏側まで貫通する抜き穴に挿入される挿入部を備え、
前記外部出力部は、前記挿入部の先端部に設けられ、
前記挿入部は、前記抜き穴形状に倣って形成され前記抜き穴に挿入された弾性部材で保持される着座センサ。
【請求項1】
陥没形成され表皮部材を固定するワイヤが配索された凹溝を有する車両シート用パッド部材の着座側表面と、該着座側表面を覆うように前記パッド部材に装着される前記表皮部材との間において、前記パッド部材の着座側表面に当接して該パッド部材への荷重情報を検出する複数の検出部と、
前記検出部により検出された荷重信号を出力する外部出力部と、
前記複数の検出部の間及び前記検出部と前記外部出力部との間を導通する導通部と、
を備えた可撓性を有するフィルム状の着座センサであって、
前記導通部は、
前記凹溝に設けられて前記パッド部材を裏側まで貫通する抜き穴に挿入される挿入部と、
前記着座側表面に当接するように屈曲され前記凹溝に対し交わる方向に配設される第1屈曲部と、
前記着座側表面に当接するように屈曲され前記第1屈曲部とは前記凹溝を挟んで反対方向に配設される第2屈曲部とを備え、
前記外部出力部は、前記挿入部の先端部に設けられ、
前記検出部は、
前記第1屈曲部に接続する第1検出部と、
前記第2屈曲部に接続する第2検出部と、
を有している着座センサ。
【請求項2】
請求項1において、前記導通部は、前記挿入部の前記第1検出部側から直角に突出し前記第2屈曲部に連続する基端導通部を有し、
前記基端導通部は、前記挿入部が前記抜き穴に挿入されると、前記凹溝内に該凹溝に沿って収容支持される着座センサ。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記挿入部は、前記抜き穴形状に倣って形成され前記抜き穴に挿入された弾性部材で保持される着座センサ。
【請求項4】
車両シート用パッド部材の着座側表面と該着座側表面を覆うように前記パッド部材に装着される表皮部材との間において、前記パッド部材の着座側表面に当接して該パッド部材への荷重情報を検出する複数の検出部と、
前記検出部により検出された荷重信号を出力する外部出力部と、
前記複数の検出部の間及び前記検出部と前記外部出力部との間を導通する導通部と、を備えた可撓性を有するフィルム状の着座センサであって、
前記導通部は、前記パッド部材の着座荷重作用部分に設けられて前記パッド部材を裏側まで貫通する抜き穴に挿入される挿入部を備え、
前記外部出力部は、前記挿入部の先端部に設けられ、
前記挿入部は、前記抜き穴形状に倣って形成され前記抜き穴に挿入された弾性部材で保持される着座センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−95373(P2013−95373A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242565(P2011−242565)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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