説明

着脱自在キャップ装置

【課題】 医療用容器等の開口部をゴム栓のような弾力性に富んだキャップで強固に密封する場合には、キャップの着脱に強力な着脱力が必要であり、また、ねじ込み式のキャップでは、ねじ込み又はねじ戻し操作が必要であり、いずれも容易にワンタッチでキャップを着脱して簡単且つ確実に密封して使用することは困難である。
【解決手段】 先端部に開口部2を後端部に嵌合溝部3を有する開口首部材1に対して、中間スカート部13と、前記嵌合溝部3に嵌合する嵌合突起部14と、前記中間スカート部外周のスライド溝部15と、嵌合突起部外周の押当部16とからなる内栓キャップ10を設けると共に、先端部位置Aと後端部位置Bの間をスライドするスライダ部21と、後端部位置で前記押当部16の外周に当接する押さえ突起部22とからなる外キャップ20を設けてなる着脱自在キャップ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器等の着脱自在キャップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療用容器等の開口部を確実に密封するためには、ゴム栓のような弾力性に富んだキャップや、ねじ込み式のキャップが賞用されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
医療用容器等の開口部をゴム栓のような弾力性に富んだキャップで強固に密封する場合には、キャップの着脱に強力な着脱力が必要で、容易にワンタッチでキャップを着脱して簡単に使用することは困難である。
【0004】
また、ねじ込み式のキャップでは、ねじ込み又はねじ戻し操作が必要で、容器開口部からキャップを着脱するのに相当の手間が掛かることになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は、請求項1に記載のように、先端部に開口部を有すると共に後端部に嵌合溝部を有する開口首部材に対して、前記開口部に嵌合する内栓部と、開口部と嵌合溝部との中間外周部を覆う中間スカート部と、中間スカート部の末端部に前記嵌合溝部に嵌合するように設けた嵌合突起部と、前記中間スカート部の外周に設けたスライド溝部と、嵌合突起部の外周に設けた押当部とからなる内栓キャップを設けると共に、内栓キャップの中間スカート部の外周を覆う、スライダ溝部に嵌合して案内され先端部位置と後端部位置の間をスライドするスライダ部と、先端部位置でスライダ溝部に嵌合し後端部位置で前記押当部の外周に当接する押さえ突起部とからなる外キャップを設けてなる着脱自在キャップ装置を提供しようとするものである。
【0006】
また、本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載の着脱自在キャップ装置において、外キャップの天板部が内栓キャップの内栓部を覆ってなる着脱自在キャップ装置を提供しようとするものである。
【0007】
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項1又は2に記載の着脱自在キャップ装置において、内栓キャップの内栓部とスライダ溝部との間に、外キャップのスライダ部がスライダ溝部に嵌入する方向に乗り越え可能な傾斜面部とスライダ溝部からの離脱を阻止するストッパ部とを有するストッパ段部を設けてなる着脱自在キャップ装置を提供しようとするものである。
【0008】
また、本発明は、請求項4に記載のように、先端部に開口部を有すると共に後端部に嵌合溝部を有する開口首部材に対して、前記開口部に嵌合する内栓部と、開口部と嵌合溝部との中間外周部を覆う中間スカート部と、中間スカート部の末端部に前記嵌合溝部に嵌合するように設けた嵌合突起部と、前記中間スカート部の外周に設けたスライド溝部と、嵌合突起部の外周に設けた押当部と、内栓部に突出して設けた首長栓部とからなる内栓キャップを設けると共に、内栓キャップの中間スカート部の外周を覆う、前記首長栓部に嵌合して案内され先端部位置と後端部位置の間をスライドするスライダ部と、先端部位置でスライダ溝部に嵌合し後端部位置で前記押当部の外周に当接する押さえ突起部とからなる外キャップを設けてなる着脱自在キャップ装置を提供しようとするものである。
【0009】
また、本発明は、請求項5に記載のように、請求項4に記載の着脱自在キャップ装置において、外キャップに着脱操作部を設けてなる着脱自在キャップ装置を提供しようとするものである。
【0010】
また、本発明は、請求項6に記載のように、請求項1乃至5のいずれかに記載の着脱自在キャップ装置において、嵌合突起部に弾性変形用の割り溝部を設けてなる着脱自在キャップ装置を提供しようとするものである。
【0011】
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項1乃至6のいずれかに記載の着脱自在キャップ装置において、外キャップと内栓キャップとの間に、外キャップを先端部位置に係止するストッパ段部を設けてなる着脱自在キャップ装置を提供しようとするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る着脱自在キャップ装置によれば、請求項1に記載のように、先端部に開口部を有すると共に後端部に嵌合溝部を有する開口首部材に対して、前記開口部に嵌合する内栓部と、開口部と嵌合溝部との中間外周部を覆う中間スカート部と、中間スカート部の末端部に前記嵌合溝部に嵌合するように設けた嵌合突起部と、前記中間スカート部の外周に設けたスライド溝部と、嵌合突起部の外周に設けた押当部とからなる内栓キャップを設けると共に、内栓キャップの中間スカート部の外周を覆う、スライダ溝部に嵌合して案内され先端部位置と後端部位置の間をスライドするスライダ部と、スライダ部の先端部位置でスライダ溝部の後端部位置に嵌合し後端部位置でスライダ溝部を越えて前記押当部の外周に当接する押さえ突起部とからなる外キャップを設けてなる構成を有することにより、本発明の装置本体の装着状態においては、開口首部材の先端部の開口部に内栓部が嵌合すると共に後端部の嵌合溝部に嵌合突起部が嵌合し、内栓キャップが開口首部材を密封した状態で、外キャップのスライダ部がスライダ溝部の後端部位置において押さえ突起部が前記内栓キャップの嵌合突起部の外周に設けた押当部に当接するから、内栓キャップは開口首部材から離脱を阻止されて強固に確実に嵌合し、装着状態が強固に維持される一方、装置本体を離脱する場合には、外キャップを開口首部材から引き抜く方向に真っ直ぐ引っ張ると、外キャップのスライダ部が内栓キャップのスライダ溝部の後端部位置から先端部位置に向かってそのまま移動し、その移動に伴って押さえ突起部が押当部から外れてスライダ溝部の後端部位置に移動し、嵌合突起部が嵌合溝部から離脱可能な状態になり、引き続き外キャップを引き抜き方向に引っ張ると、スライダ部がスライダ溝部の先端部位置に係止した状態で内栓キャップを一体に開口首部材から引き抜くことができるから、一動作で装置本体を開口首部材から離脱することができる効果がある。
【0013】
また、このスライダ部がスライダ溝部の先端部位置に係止した装置本体の離脱状態において、前記外キャップの押さえ突起部がスライダ溝部の後端部位置に嵌合して、嵌合突起部が嵌合溝部に嵌合可能な状態であるから、外キャップを開口首部材に向かって押し込む場合には、押さえ突起部がスライダ溝部の後端部位置に係止した状態で内栓キャップを一体に押し込むから、嵌合突起部が嵌合溝部に嵌合する状態になり、内栓キャップは外キャップと一体に押し込まれて開口首部材の開口部に内栓部が密封することとなり、更に外キャップを押し込むことにより押さえ突起部がスライダ溝部の後端部位置を越えて嵌合突起部の外周の押当部に当接して、内栓キャップは開口首部材から離脱を阻止されて強固に確実に嵌合した当初の装着状態が維持されることとなり、本装置本体は簡単にワンタッチで着脱自在になる効果がある。
【0014】
また、本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載の着脱自在キャップ装置において、外キャップの天板部が内栓キャップの内栓部を覆ってなる構成を有することにより、内栓キャップを外キャップによって覆って保護することができると共に、外キャップのみによって誤操作なしに内栓キャップを着脱操作することができる効果がある。
【0015】
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項1又は2に記載の着脱自在キャップ装置において、内栓キャップの内栓部とスライダ溝部との間に、外キャップのスライダ部がスライダ溝部に嵌入する方向に乗り越え可能な傾斜面部とスライダ溝部からの離脱を阻止するストッパ部とを有するストッパ段部を設けてなる構成を有することにより、個別にプラスチック成形加工等により製作した外キャップに内栓キャップを簡単に嵌着することができると共に、一度嵌着すると離脱困難に一体的に組み立てることができる効果がある。
【0016】
また、本発明は、請求項4に記載のように、先端部に開口部を有すると共に後端部に嵌合溝部を有する開口首部材に対して、前記開口部に嵌合する内栓部と、開口部と嵌合溝部との中間外周部を覆う中間スカート部と、中間スカート部の末端部に前記嵌合溝部に嵌合するように設けた嵌合突起部と、前記中間スカート部の外周に設けたスライド溝部と、嵌合突起部の外周に設けた押当部と、内栓部から突出して先端部位置に係止突起部を有する首長栓部とからなる内栓キャップを設けると共に、内栓キャップの中間スカート部の外周を覆う、前記首長栓部に嵌合して案内され先端部位置と後端部位置の間をスライドするスライダ部と、先端部位置でスライダ溝部の後端部位置に嵌合しスライダ部の後端部位置で前記押当部の外周に当接する押さえ突起部とからなる外キャップを設けてなる構成を有することにより、請求項1に記載したと同様の作用・効果を発揮すると共に、首長栓部によってスライダ部を離脱を阻止して案内し、内栓キャップと外キャップとの一体性を図ることができる効果がある。
【0017】
また、本発明は、請求項5に記載のように、請求項4に記載の着脱自在キャップ装置において、外キャップに着脱操作部を設けてなる構成を有することにより、着脱操作部によって外キャップの操作を確実にすると共に首長栓部を持って誤操作するのを防止し保護することができる効果がある。
【0018】
また、本発明は、請求項6に記載のように、請求項1乃至5のいずれかに記載の着脱自在キャップ装置において、嵌合突起部に弾性変形用の割り溝部を設けてなる構成を有することにより、割り溝部によってプラスチック成形加工等により製作された嵌合突起部に豊かな弾性変形を与え、嵌合溝部との円滑な着脱性を得ることができる効果がある。
【0019】
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項1乃至7のいずれかに記載の着脱自在キャップ装置において、外キャップと内栓キャップとの間に、外キャップを先端部位置に係止するストッパ段部を設けてなる構成を有することにより、外キャップが先端部位置にストッパ段部によって内栓キャップに係止されているから、外キャップを把持して内栓キャップを開口首部材から確実に取り外すことができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下図示する実施例により本発明に係る着脱自在キャップ装置を説明する。
【実施例1】
【0021】
図1乃至図4に記載の本発明に係る医療用容器等の着脱自在キャップ装置の実施例1は、先端部に開口部2を有すると共に後端部に嵌合溝部3を有する開口首部材1に対して、前記開口部2の内筒部5と外筒部6に二重に嵌合する内栓部11,12と、前記開口部2と嵌合溝部3との中間外周部4を図3又は図4に記載の如く隙間Cを介して覆う中間スカート部13と、該中間スカート部13の末端部に連続して前記嵌合溝部3に嵌合するように設けた嵌合突起部14と、前記中間スカート部13の外周に設けたスライド溝部15と、嵌合突起部14の外周に設けた押当部16とからなる内栓キャップ10を設けると共に、内栓キャップ10の中間スカート部13の外周を覆う、スライダ溝部15に嵌合して案内され該溝部15の先端部位置Aと後端部位置Bの間をスライドするスライダ部21と、スライダ部21の先端部位置Aでスライダ溝部15の後端部位置Bに嵌合し後端部位置でスライダ溝部15を乗り越えて前記押当部16の外周に当接する押さえ突起部22とからなる外キャップ20を設けてなる構成を有する。
【0022】
スライダ溝部15の後端部位置Bと押当部16との間には乗り越え突起18が突設してあり、開口首部材1に内栓キャップ10を装着するときに、図2に記載の如く、嵌合突起部14が外方に撓んで押さえ突起部22がスライダ溝部15を越えて乗り越え突起18を簡単に乗り越えることができないように構成してあり、図3に記載の如く、嵌合突起部14が嵌合溝部3に嵌合して更に外キャップ20に押し込み力を加えることによって、押さえ突起部22が乗り越え突起部18を乗り越えて前記押当部16の外周に当接するように構成してある。
【0023】
前記嵌合突起部14には、開口首部材1の中間外周部4に当接して外側に撓むように弾性変形用の割り溝部を縦方向に複数本設けてあり、この割り溝部によってプラスチック成形加工等により弾性変形可能に製作された嵌合突起部14に豊かな弾性変形性を与え、嵌合溝部3との円滑な着脱性を得ることができる。なお、割り溝部に代えて嵌合突起部14の素材に拡張及び収縮する柔軟な弾性変形性を持たせて、開口首部材1の中間外周部4に当接して外側に撓むように構成することも勿論可能である。
【0024】
また、図4に記載の如く、外キャップ20のスライダ部21がスライダ溝部15の後端部位置Bに嵌合し押さえ突起部22が押当部16に当接する状態で、スライダ部21と押さえ突起部22との間の凹溝部24がスライダ溝部15の後端部位置Bと押当部16との間の乗り越え部18に密着して嵌合するように構成してあり、内栓キャップ10に外キャップ20が確実に嵌着しその嵌着状態を確実に維持するように構成してある。
【0025】
このことにより、図4に記載のように、本発明の装置本体40の装着状態においては、開口首部材1の先端部の開口部2に内栓部11,12が嵌合すると共に後端部の嵌合溝部3に嵌合突起部14が嵌合し、内栓キャップ10が開口首部材1を密封した状態で、外キャップ20のスライダ部21がスライダ溝部15の後端部位置Bに位置して押さえ突起部22が前記内栓キャップ10の嵌合突起部14の外周に設けた押当部16に当接するから、内栓キャップ10は開口首部材1から離脱を阻止されて強固に確実に嵌合し、装着状態が強固に維持される。
【0026】
このとき、嵌合溝部3の嵌入側の傾斜面7に嵌合突起部14が、中間外周部4に隙間Cを保って当接する引き付け力によって開口部2に対する内栓部11,12の密封状態を強固に維持することができる。
【0027】
一方、装置本体40を離脱する場合には、外キャップ20を開口首部材1から引き抜く方向に真っ直ぐ引っ張ると、第3図に記載のように、外キャップ20のスライダ部21が内栓キャップ10のスライダ溝部15の後端部位置Bから先端部位置Aに向かってそのまま移動し、その移動に伴って押さえ突起部22が押当部16から外れてスライダ溝部15の後端部位置Bに移動し、嵌合突起部14が嵌合溝部3から離脱可能な状態になり、引き続き外キャップ20を引き抜き方向に引っ張ると、スライダ部21がスライダ溝部15の先端部位置Aに係止した状態で内栓キャップ10を一体に開口首部材1から引き抜くことができるから、一動作で装置本体40を開口首部材1から離脱することができ、通常のキャップ装置は勿論、人工腎臓等の医療用容器等のワンタッチ着脱自在キャップ装置に使用して便利である。
【0028】
また、実施例1の本発明着脱自在キャップ装置は、内栓キャップ10の内栓部12とスライダ溝部15との間に、外キャップ20のスライダ部21がスライダ溝部15に嵌入する方向に乗り越え可能な傾斜面部17aとスライダ溝部15からの離脱を阻止するストッパ部17bとを有するストッパ段部17を設けてなる構成を有することにより、個別にプラスチック成形加工等により製作した外キャップ20に内栓キャップ10を簡単に嵌着することができると共に、一度嵌着すると離脱困難に一体的に組み立てることができる。
【0029】
また、このスライダ部21がスライダ溝部15の先端部位置Aに係止した装置本体40の離脱状態において、前記外キャップ20の押さえ突起部22がスライダ溝部15の後端部位置Bに嵌合して、嵌合突起部14が嵌合溝部3に嵌合可能な状態であるから、外キャップ20を開口首部材1に向かって押し込む場合には、押さえ突起部22がスライダ溝部15の後端部位置Bに係止した状態で内栓キャップ10を一体に押し込むから、嵌合突起部14が嵌合溝部3に嵌合する状態になり、内栓キャップ10は外キャップ20と一体に押し込まれて開口首部材1の開口部2を内栓部11,12が密封することとなり、更に外キャップ20を押し込むことにより押さえ突起部22がスライダ溝部15の後端部位置Bを越えて嵌合突起部14の外周の押当部16に当接して、内栓キャップ10は開口首部材1から離脱を阻止されて強固に確実に嵌合した当初の装着状態が維持されることとなり、本装置本体は簡単にワンタッチで着脱自在になる。
【0030】
また、実施例1の本発明着脱自在キャップ装置は、外キャップ20の天板部23が内栓キャップ10の内栓部11,12を覆ってなる構成を有することにより、内栓キャップ10を外キャップ20によって覆って保護することができると共に、外キャップ20のみによって誤操作なしに内栓キャップ10を着脱操作することができる。
【0031】
次に、開口首部材1の嵌合溝部3は、全周に渡って連続的に設けることが好ましい。この場合は、内栓キャップ10の嵌合突起部14は全周的に設けることも部分的に設けることもできる。特に、開口首部材1の外周横断面が円形の場合には、内栓キャップ10の嵌合突起部14は断面円形の嵌合溝部3に沿って回転可能であり、従って、内栓キャップ10を任意の位置で装着することができると共に、回転しただけでは離脱できないから子供等が不用意にあけるのを防止できる。
【0032】
また、開口首部材1の嵌合溝部3を、部分的に設ける場合には、内栓キャップ10の嵌合突起部14もそれに合わせて部分的に設けることとなる。この場合は、内栓キャップ10を回転しないようにするか、或いは、回転したときに嵌合溝部3から嵌合突起部14が離脱しないように構成することが好ましい。従って、開口首部材1の外周横断面が楕円形や多角形の場合に、嵌合溝3や嵌合突起部14を部分的に設けるのに適している。
【0033】
次に、外キャップ20の中間スカート部の外周には円周状に滑り止め突起25が一重又は多重に設けてあり、外キャップ20を把持して装着及び離脱し易く構成してあるが、実施例1では、スカート端部26を外側に張り出して形成してあり、このスカート端部26を把持して外キャップ20を引っ張ることにより容易に離脱することができるように構成してある。
【実施例2】
【0034】
図5乃至図8に記載の実施例2は、実施例1と同様に、先端部に開口部2を有すると共に後端部に嵌合溝部3を有する開口首部材1に対して、前記開口部2の内筒部5と外筒部6に二重に嵌合する内栓部11,12と、前記開口部2と嵌合溝部3との中間外周部4を図7又は図8に記載の如く隙間Cを介して覆う中間スカート部13と、該中間スカート部13の末端部に連続して前記嵌合溝部3に嵌合するように設けた嵌合突起部14と、前記中間スカート部13の外周に設けたスライド溝部15と、嵌合突起部14の外周に設けた押当部16と、内栓部11から上方に突出して先端部位置Dにストッパ段部17を有する首長栓部19とからなる内栓キャップ10を設けると共に、内栓キャップ10の中間スカート部13の外周を覆う、前記首長栓部19に嵌合して案内され先端部位置Dと後端部位置Eの間をスライドするスライダ部31と、先端部位置Dでスライダ溝部15の後端部位置Bに嵌合すると共にスライダ部31の後端部位置Eで前記押当部16の外周に当接する押さえ突起部32とからなる外キャップ30を設けてなる構成を有する。
【0035】
この実施例2の場合、内栓キャップ10のスライダ溝部15は後端部位置Bと嵌合突起部14との間に、実施例1と同様の構成、作用、効果を有する乗り越え部18を具備するが、実施例1における先端部位置A側にはストッパ段部17に相当する突出部を具備せず、代わりに、首長栓部19の先端部位置Dに実施例1と同様にスライダ部31を係止するストッパ段部17を有することとなる。
【0036】
また、前記嵌合突起部14には、実施例1と同様の構成と作用、効果を有する弾性変形用の割り溝部を設けてあり、割り溝部に代えて嵌合突起部14の素材に拡張及び収縮する柔軟な弾性変形性を持たせて、開口首部材1の中間外周部4に当接して外側に撓むように構成することも勿論可能である。
【0037】
このことにより、実施例2に記載の装置本体40は、実施例1に記載したと同様の作用・効果を発揮すると共に、首長栓部19によってスライダ部31を離脱を阻止して案内し、内栓キャップ10と外キャップ30との一体性を図ることができる効果がある。
【0038】
また、実施例2の本発明着脱自在キャップ装置は、外キャップ30の肩部から首長栓部19とほぼ同じ高さの外側に広がる着脱操作部37を設けてあり、着脱操作部37によって外キャップ30の着脱操作を確実にすると共に首長栓部19を持って誤操作するのを防止し保護することができる。なお、外キャップ30のスカート端部36は実施例1とは異なり外方に拡張していない。
【0039】
着脱操作部37は、実施例2ではラッパ状に外キャップ30の肩部の全周に渡って設けてあるが、その一部に突設したものでもよい。
【0040】
その他、図8に記載の如く、外キャップ30のスライダ部31が首長栓部19の後端部位置Eに当接し押さえ突起部32が押当部16に当接する状態で、押さえ突起部32の上側の凹溝部34がスライダ溝部15の後端部位置Bと押当部16との間の乗り越え部18に密着するように構成してあり、内栓キャップ10に外キャップ20が確実に嵌着しその嵌着状態を確実に維持するように構成してある。35は実施例1と同様の滑り止め突起である。
【実施例3】
【0041】
図9乃至図11に記載の実施例3は、実施例1における内栓キャップ10の一実施例であり、嵌合突起部14は、中間スカート部13からスカート端部にかけて正面及び背面に割り溝部Fで区画された弾性スカート部Gの内筒部分に設けてある。弾性スカート部Gの外筒部分には乗り越え部18と押当部16が設けてある。弾性スカート部Gの両側のスカート部Hの内筒部分には嵌合突起部14は設けてなく、文字通りの筒状をなしている。しかし、その外筒部分には乗り越え部18aと押当部16aが設けてある。
【0042】
押当部16と押当部16aの高さと位置は全く同様に設けてあるが、乗り越え部18は乗り越え部18aと高さと突出形状において同様であるが縦方向の幅が割り溝部Fに沿って同一高さで長く設けてある。
【0043】
また、ストッパ段部17には、円筒状に延長段部17cが設けてある。
【0044】
上記の内栓キャップ10によれば、装着時に弾性スカート部Gの嵌合突起部14が開口首部材1の中間外周部4に当接して外方に撓んで、外キャップ20の押さえ突起部22が乗り越え部18の手前のスライド溝部15の後端部位置Bに係止されて装着され、嵌合溝部3に嵌合突起部14が嵌合すると、押さえ突起部22が乗り越え部18を乗り越えて押当部16に当接する。同時に、スカート部H部分の外筒部分は外方に撓むことがないから、外キャップ20の押さえ突起部22はスライド溝部15と同じ状態の中間スカート部13の外周に沿って移動し、そのまま円滑に乗り越え部18aを乗り越えて押当部16aに当接して装着が完了する。
【実施例4】
【0045】
図12乃至図14に記載の実施例4は、実施例2における内栓キャップ10の一実施例であり、ストッパ段部17、首長栓部19、内栓部11,12、先端部位置D、後端部位置Eの構成、作用、効果は実施例2と同様であり、嵌合突起部14、割り溝部F、弾性スカート部G、スカート部H、乗り越え部18、18a、押当部16、16aの構成、作用、効果は前述の実施例3と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明装置の一実施例の一使用態様の縦断面図。
【図2】その実施例の他の使用態様を示す縦断面図。
【図3】その実施例の他の使用態様を示す縦断面図。
【図4】その実施例の他の使用態様を示す縦断面図。
【図5】本発明装置の他の実施例の一使用態様の縦断面図。
【図6】その実施例の他の使用態様を示す縦断面図。
【図7】その実施例の他の使用態様を示す縦断面図。
【図8】その実施例の他の使用態様を示す縦断面図。
【図9】図1乃至図4の実施例の要部の正面図。
【図10】その要部の平面図。
【図11】その要部の底面図。
【図12】図5乃至図8の実施例の要部の正面図。
【図13】その要部の平面図。
【図14】その要部の底面図。
【符号の説明】
【0047】
1 開口首部材
2 開口部
3 嵌合溝部
4 中間外周部
10 内栓キャップ
11 内栓部
12 内栓部
13 中間スカート部
14 嵌合突起部
15 スライド溝部
16 押当部
17 ストッパ段部
18 乗り越え部
19 首長栓部
20 外キャップ
21 スライダ部
22 押さえ突起部
23 天板部
24 凹溝部
25 滑り止め突起
26 スカート端部
30 外キャップ
31 スライダ部
32 押さえ突起部
33 肩部
34 凹溝部
35 滑り止め突起
36 スカート端部
37 着脱操作部
40 装置本体
A 先端部位置
B 後端部位置
C 隙間
D 先端部位置
E 後端部位置
F 割り溝部
G 弾性スカート部
H スカート部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に開口部を有すると共に後端部に嵌合溝部を有する開口首部材に対して、前記開口部に嵌合する内栓部と、開口部と嵌合溝部との中間外周部を覆う中間スカート部と、中間スカート部の末端部に前記嵌合溝部に嵌合するように設けた嵌合突起部と、前記中間スカート部の外周に設けたスライド溝部と、嵌合突起部の外周に設けた押当部とからなる内栓キャップを設けると共に、内栓キャップの中間スカート部の外周を覆う、スライダ溝部に嵌合して案内され先端部位置と後端部位置の間をスライドするスライダ部と、先端部位置でスライダ溝部に嵌合し後端部位置で前記押当部の外周に当接する押さえ突起部とからなる外キャップを設けてなる着脱自在キャップ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の着脱自在キャップ装置において、外キャップの天板部が内栓キャップの内栓部を覆ってなる着脱自在キャップ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の着脱自在キャップ装置において、内栓キャップの内栓部とスライダ溝部との間に、外キャップのスライダ部がスライダ溝部に嵌入する方向に乗り越え可能な傾斜面部とスライダ溝部からの離脱を阻止するストッパ部とを有するストッパ段部を設けてなる着脱自在キャップ装置。
【請求項4】
先端部に開口部を有すると共に後端部に嵌合溝部を有する開口首部材に対して、前記開口部に嵌合する内栓部と、開口部と嵌合溝部との中間外周部を覆う中間スカート部と、中間スカート部の末端部に前記嵌合溝部に嵌合するように設けた嵌合突起部と、前記中間スカート部の外周に設けたスライド溝部と、嵌合突起部の外周に設けた押当部と、内栓部に突出して設けた首長栓部とからなる内栓キャップを設けると共に、内栓キャップの中間スカート部の外周を覆う、前記首長栓部に嵌合して案内され先端部位置と後端部位置の間をスライドするスライダ部と、先端部位置でスライダ溝部に嵌合し後端部位置で前記押当部の外周に当接する押さえ突起部とからなる外キャップを設けてなる着脱自在キャップ装置。
【請求項5】
請求項4に記載の着脱自在キャップ装置において、外キャップに着脱操作部を設けてなる着脱自在キャップ装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の着脱自在キャップ装置において、嵌合突起部に弾性変形用の割り溝部を設けてなる着脱自在キャップ装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の着脱自在キャップ装置において、外キャップと内栓キャップとの間に、外キャップを先端部位置に係止するストッパ段部を設けてなる着脱自在キャップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−95259(P2010−95259A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−264920(P2008−264920)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(000234627)シロウマサイエンス株式会社 (40)
【Fターム(参考)】