説明

積雪層構造計測方法及びその計測装置

【課題】積雪中に縦孔を掘削形成し、縦孔近傍の積雪の上方位置及び縦孔の内部にアンテナをそれぞれ配置し、縦孔の内部に配置されたアンテナを移動機構により上下移動可能に設け、電波送受信系統部により一方のアンテナから電波を送出すると共に一方のアンテナから送出された積雪中を透過してくる送信電波を他方のアンテナで受信し、積雪構造計測部によりアンテナの移動位置における受信電波の強度を計測することができる。
【解決手段】積雪S中に縦孔Fを掘削し、縦孔近傍の積雪の上方位置及び縦孔の内部にアンテナM・Nをそれぞれ配置し、配置されたアンテナを上下移動可能に設け、一方のアンテナから電波Dを送出すると共に一方のアンテナから送出された積雪中を透過してくる送信電波を他方のアンテナで受信し、アンテナの移動位置における受信電波の強度PWを計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主として雪崩予知情報や雪崩観測等の防災分野に用いられる積雪層構造計測方法及びその計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、積雪は外部環境の変化により雪質や雪深が変化することにより、積雪の境界層や氷層が形成され、積雪の断面は多層の積雪層構造となり、各積雪層の密度変化等によりそれぞれの積雪層の誘電率が変化することが知られている。
【0003】
従来、この種の積雪層構造計測方法として、図7の如く、積雪Sの上方に送信用アンテナM及び受信用アンテナNを並設し、送信用アンテナMから積雪S中に向けて電波Dを送信し、この送信電波Dは積雪S中で反射し、積雪Sの内部からの反射波を受信アンテナNで受信し、この反射波の受信電波の強度に基づいて積雪S中の境界層や氷層の存在を計測するようにしたものが提案されている。
【特許文献1】特開2004−170432
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらこれら反射方式の場合、送信用アンテナ及び受信用アンテナは近接して配置されているため、送信用アンテナから受信用アンテナへ直接に混入する直達波が存在するために受信機の飽和を誘い、必要な信号が隠蔽されてしまうことがあり、このため、過大な受発信装置、保護装置を必要とすることがあり、又、送信電波が拡散して受信電波の強度が弱くなり、積雪層が厚くなると雑音が大きくなり、S/N比が悪くなり、受信精度が低下することがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の方法の発明は、積雪中に縦孔を掘削し、該縦孔近傍の積雪の上方位置及び該縦孔の内部にアンテナをそれぞれ配置し、該縦孔の内部に配置されたアンテナを上下移動可能に設け、該一方のアンテナから電波を送出すると共に該一方のアンテナから送出された該積雪中を透過してくる送信電波を他方のアンテナで受信し、該アンテナの移動位置における受信電波の強度を計測し、該各々の移動位置における受信電波の強度に基づいて積雪層の数や層厚を計測することを特徴とする積雪層構造計測方法にある。
【0006】
又、請求項2記載の方法の発明は、積雪中に対向一対の縦孔を掘削し、該一対の縦孔の内部にそれぞれアンテナを配置し、該縦孔の内部に配置された各アンテナを上下移動可能に設け、該一方のアンテナから電波を送出すると共に該一方のアンテナから送出された該積雪中を透過してくる送信電波を他方のアンテナで受信し、該アンテナの移動位置における受信電波の強度を計測し、該各々の移動位置における受信電波の強度に基づいて積雪層の数や層厚を計測することを特徴とする積雪層構造計測方法にある。
【0007】
又、請求項3記載の方法の発明は、上記送信電波の使用周波数帯は1GHz〜3GHzとしていることを特徴とするものである。
【0008】
又、請求項4記載の装置の発明は、積雪中に縦孔を掘削形成し、該縦孔近傍の積雪の上方位置及び該縦孔の内部にアンテナをそれぞれ配置し、該縦孔の内部に配置されたアンテナを上下移動させる移動機構を設け、該一方のアンテナから電波を送出すると共に該一方のアンテナから送出された該積雪中を透過してくる該送信電波を他方のアンテナで受信する電波送受信系統部を設け、該アンテナの移動位置における受信電波の強度を計測し、該各々の移動位置における受信電波の強度に基づいて積雪層の数や層厚を計測する積雪構造計測部を設けてなることを特徴とする積雪層構造計測装置にある。
【0009】
又、請求項5記載の装置の発明は、積雪中に対向一対の縦孔を掘削形成し、該一対の縦孔の内部にそれぞれアンテナを配置し、該各縦孔の内部に配置された各アンテナを上下移動させる移動機構を設け、該一方のアンテナから電波を送出すると共に該一方のアンテナから送出された該積雪中を透過してくる該送信電波を他方のアンテナで受信する電波系統部を設け、該アンテナの移動位置における受信電波の強度を計測し、該各々の移動位置における受信電波の強度に基づいて積雪層の数や層厚を計測する積雪構造計測部を設けてなることを特徴とする積雪層構造計測装置にある。
【0010】
又、請求項6記載の装置の発明は、上記送信電波を受信する受信機としてスーパーヘテロダイン方式検波受信機を用いていることを特徴とするものであり、又、請求項7記載の装置の発明は、上記送信電波を受ける受信用のアンテナは八木宇田アンテナであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上述の如く、請求項1又は4記載の発明にあっては、積雪中に縦孔を掘削形成し、縦孔近傍の積雪の上方位置及び縦孔の内部にアンテナをそれぞれ配置し、縦孔の内部に配置されたアンテナを移動機構により上下移動可能に設け、電波送受信系統部により一方のアンテナから電波を送出すると共に一方のアンテナから送出された積雪中を透過してくる送信電波を他方のアンテナで受信し、積雪構造計測部によりアンテナの移動位置における受信電波の強度を計測し、各々の移動位置における受信電波の強度に基づいて積雪層の数や層厚を計測することができ、雪崩予知情報や雪崩観測等の防災分野に利用することができる。
【0012】
又、請求項3記載の発明にあっては、上記送信電波の使用周波数帯を1GHz〜3GHzとすることにより、積雪による吸収散乱を可及的に少なくすることができ、計測精度を高めることができる。
【0013】
又、請求項2又は5記載の発明にあっては、積雪中に対向一対の縦孔を掘削形成し、一対の縦孔の内部にそれぞれアンテナを配置し、各縦孔の内部に配置された各アンテナを移動機構により上下移動させ、電波送受信系統部により一方のアンテナから電波を送出すると共に一方のアンテナから送出された積雪中を透過してくる送信電波を他方のアンテナで受信し、積雪構造計測部によりアンテナの移動位置における受信電波の強度を計測し、各々の移動位置における受信電波の強度に基づいて積雪層の数や層厚を計測することができ、雪崩予知情報や雪崩観測等の防災分野に利用することができる。
【0014】
又、請求項6記載の発明にあっては、上記送信電波を受信する受信機としてスーパーヘテロダイン方式検波受信機を用いていることにより、スペクトロアナライザーに比較して、受信機の小型軽量化を図ることができ、又、請求項7記載の発明にあっては、上記送信電波を受ける受信用のアンテナとして八木宇田アンテナを用いることにより小型化を図ることができると共に受信感度の向上を図ることができ、計測精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1乃至図6は本発明の実施の形態例を示し、図1乃至図5は第一形態例、図6は第二形態例である。
【0016】
図1乃至図5の第一形態例において、Sは積雪であって、計測対象領域Kの積雪S中に例えば10cm程度の縦孔Fを掘削し、この縦孔F近傍の積雪Sの上方位置及び縦孔Fの内部に送受信用のアンテナM・Nをそれぞれ配置し、この縦孔Fの内部に配置されたアンテナNを上下移動させる移動機構1を設けて構成している。
【0017】
この場合、積雪Sの上方位置のアンテナMを送信用とし、縦孔F内部のアンテナNを受信用としているが、積雪Sの上方位置のアンテナMを受信用、縦孔F内部のアンテナNを発信用とすることもあり、又、この場合、発信用アンテナMをロッドアンテナとし、受信用のアンテナNを八木宇田アンテナとしている。
【0018】
又、この場合、上記移動機構1として、アンテナNを設けた筐体2をケーブル3により吊下し、このケーブル3を巻取機4により所定速度で巻き上げ又は巻解くことによりアンテナNを上下移動させるように構成している。
【0019】
5は電波送受信系統部であって、この場合、送信機6に一方のアンテナMを接続し、送信機6及びアンテナMを積雪Sの上方位置に配置し、地上に受信機7を配置し、この場合、受信機7としてスーパーへテロダイン方式検波受信機が用いられ、この受信機7に上記ケーブル3を介してアンテナNを接続し、一方のアンテナMから電波Dを送出すると共に一方のアンテナMから送出された積雪S中を透過してくる送信電波Dを他方のアンテナNで受信するように構成している。
【0020】
8は積雪構造計測部であって、この場合、プログラムを組み込んだパソコン9からなり、アンテナNの移動位置における受信電波Dの強度Pwを計測し、各々の移動位置における受信電波Dの強度Pwに基づいて積雪層の数や層厚を計測するように構成している。
【0021】
又、上記送信電波Dの使用周波数帯として、300MHz〜3,000MHzのUHF帯が適して用いられ、この内、1GHz〜3GHzの周波数帯が望ましいといえる。
【0022】
この実施の第一形態例は上記構成であるから、図1の如く、積雪S中に縦孔Fを掘削形成し、縦孔F近傍の積雪Sの上方位置及び縦孔の内部にアンテナM・Nをそれぞれ配置し、縦孔Fの内部に配置されたアンテナNを移動機構1により上下移動可能に設け、電波送受信系統部5により一方のアンテナMから電波Dを送出すると共に一方のアンテナMから送出された積雪S中を透過してくる送信電波を他方のアンテナNで受信し、積雪構造計測部8によりアンテナNの移動位置における受信電波の強度PWを計測し、各々の移動位置における受信電波の強度PWに基づいて積雪層の数や層厚を計測することになる。
【0023】
たとえば、積雪構造計測部8において、図4の如く、積雪深F(cm)と電波強度PW(dbm)との関係図を得ることにより、図5の如く、積雪の境界層や氷層などの位置を読み取ることができて積雪の多層の断面構造を予測認識することになる。
【0024】
この場合、上記送信電波の使用周波数帯を1GHz〜3GHzとすることにより、積雪Sによる吸収散乱を可及的に少なくすることができ、計測精度を高めることができる。
【0025】
又、この場合、上記送信電波を受信する受信機としてスーパーヘテロダイン方式検波受信機を用いていることにより、スペクトロアナライザーに比較して、受信機の小型軽量化を図ることができ、又、この場合、上記送信電波を受ける受信用のアンテナNとして八木宇田アンテナを用いることにより小型化を図ることができると共に受信感度の向上を図ることができ、計測精度の向上を図ることができる。
【0026】
図6の第二形態例は別例構造を示し、この場合、計測対象領域Kの積雪S中に対向一対の例えば10cm程度の縦孔F・Fを掘削し、この各縦孔F・Fの内部に送受信用のアンテナM・Nをそれぞれ配置し、この各縦孔F・Fの内部に配置されたアンテナM・Nを上下移動させる移動機構10を設けて構成している。
【0027】
この場合、一方の縦孔Fの内部に配置したアンテナMを送信用とし、他方の縦孔Fの内部に配置したアンテナNを受信用としているが、一方のアンテナMを送信用とし、他方のアンテナNを受信用とすることもあり、又、この場合、発信用アンテナMをロッドアンテナとし、受信用のアンテナNを八木宇田アンテナとしている。
【0028】
又、この場合、上記移動機構10として、アンテナMを設けた筐体11及びアンテナNを設けた筐体2をケーブル3・12により吊下し、このケーブル3・12を巻取機4により所定速度で巻き上げ又は巻解くことによりアンテナM・Nを相互に同期して上下移動させるように構成している。
【0029】
5は電波送受信系統部であって、この場合、筐体11に送信機6及び一方のアンテナMを内蔵し、筐体2に受信機7及び他方のアンテナNを内蔵し、この場合、受信機7としてスーパーへテロダイン方式検波受信機が用いられ、一方のアンテナMから電波Dを送出すると共に一方のアンテナMから送出された積雪S中を透過してくる送信電波Dを他方のアンテナNで受信するように構成している。
【0030】
8は積雪構造計測部であって、この場合、プログラムを組み込んだパソコン9からなり、アンテナNの移動位置における受信電波Dの強度Pwを計測し、各々の移動位置における受信電波Dの強度Pwに基づいて積雪層の数や層厚を計測するように構成している。
【0031】
又、上記送信電波Dの使用周波数帯として、300MHz〜3,000MHzのUHF帯が適して用いられ、この内、1GHz〜3GHzの周波数帯が望ましいといえる。
【0032】
この実施の第二形態例は上記構成であるから、積雪S中に対向一対の縦孔F・Fを掘削形成し、一対の縦孔F・Fの内部にそれぞれアンテナM・Nを配置し、各縦孔F・Fの内部に配置された各アンテナM・Nを移動機構10により上下移動させ、電波送受信系統部5により一方のアンテナMから電波Dを送出すると共に一方のアンテナMから送出された積雪S中を透過してくる送信電波を他方のアンテナNで受信し、積雪構造計測部8によりアンテナNの移動位置における受信電波の強度PWを計測し、各々の移動位置における受信電波の強度PWに基づいて積雪層の数や層厚を計測することになる。
【0033】
そして、たとえば、積雪構造計測部8において、図4の如く、積雪深F(cm)と電波強度PW(dbm)との関係図を得ることにより、図5の如く、積雪の境界層や氷層などの位置を読み取ることができて積雪の多層の断面構造を予測認識することになる。
【0034】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、例えば、移動機構1・10、電波送受信系統部5、積雪構造計測部8の回路、構造、形態等は適宜変更して設計されるものである。又、縦孔Fの内部にアンテナと別に有色噴霧器、撮影用カメラを配置し、該カメラを上下移動させ、視覚的情報を加味させることにより一層正確な計測を行うこともできるであろう。
【0035】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の第一形態例の全体説明断面図である。
【図2】本発明の実施の第一形態例の部分説明拡大断面図である。
【図3】本発明の実施の第一形態例のブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態例の積雪深と電波強度との関係図である。
【図5】本発明の実施の形態例の積雪多層構造図である。
【図6】本発明の実施の第二形態例の全体説明断面図である。
【図7】従来構造の全体説明断面図である。
【符号の説明】
【0037】
S 積雪
K 計測対象領域
F 縦孔
M アンテナ
N アンテナ
D 電波
W 電波強度
1 移動機構
5 電波送受信系統部
8 積雪構造計測部
10 移動機構


【特許請求の範囲】
【請求項1】
積雪中に縦孔を掘削し、該縦孔近傍の積雪の上方位置及び該縦孔の内部にアンテナをそれぞれ配置し、該縦孔の内部に配置されたアンテナを上下移動可能に設け、該一方のアンテナから電波を送出すると共に該一方のアンテナから送出された該積雪中を透過してくる送信電波を他方のアンテナで受信し、該アンテナの移動位置における受信電波の強度を計測し、該各々の移動位置における受信電波の強度に基づいて積雪層の数や層厚を計測することを特徴とする積雪層構造計測方法。
【請求項2】
積雪中に対向一対の縦孔を掘削し、該一対の縦孔の内部にそれぞれアンテナを配置し、該各縦孔の内部に配置された各アンテナを上下移動可能に設け、該一方のアンテナから電波を送出すると共に該一方のアンテナから送出された該積雪中を透過してくる送信電波を他方のアンテナで受信し、該アンテナの移動位置における受信電波の強度を計測し、該各々の移動位置における受信電波の強度に基づいて積雪層の数や層厚を計測することを特徴とする積雪層構造計測方法。
【請求項3】
上記送信電波の使用周波数帯は1GHz〜3GHzとしていることを特徴とする請求項1又は2記載の積雪層構造計測方法。
【請求項4】
積雪中に縦孔を掘削形成し、該縦孔近傍の積雪の上方位置及び該縦孔の内部にアンテナをそれぞれ配置し、該縦孔の内部に配置されたアンテナを上下移動させる移動機構を設け、該一方のアンテナから電波を送出すると共に該一方のアンテナから送出された該積雪中を透過してくる該送信電波を他方のアンテナで受信する電波系統部を設け、該アンテナの移動位置における受信電波の強度を計測し、該各々の移動位置における受信電波の強度に基づいて積雪層の数や層厚を計測する積雪構造計測部を設けてなることを特徴とする積雪層構造計測装置。
【請求項5】
積雪中に対向一対の縦孔を掘削形成し、該一対の縦孔の内部にそれぞれアンテナを配置し、該各縦孔の内部に配置された各アンテナを上下移動させる移動機構を設け、該一方のアンテナから電波を送出すると共に該一方のアンテナから送出された該積雪中を透過してくる該送信電波を他方のアンテナで受信する電波系統部を設け、該アンテナの移動位置における受信電波の強度を計測し、該各々の移動位置における受信電波の強度に基づいて積雪層の数や層厚を計測する積雪構造計測部を設けてなることを特徴とする積雪層構造計測装置。
【請求項6】
上記送信電波を受信する受信機としてスーパーヘテロダイン方式検波受信機を用いていることを特徴とする請求項4又は5記載の積雪層構造計測装置。
【請求項7】
上記送信電波を受ける受信用のアンテナは八木宇田アンテナであることを特徴とする請求項4〜6記載の積雪層構造計測装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−78479(P2007−78479A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−265706(P2005−265706)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2005年5月21日 社団法人日本雪氷学会北信越支部発行の「雪氷北信越 第25号」に発表
【出願人】(591061699)新潟電機株式会社 (8)