説明

穿孔方法及び装置

【課題】円筒体が蛇行していても円筒体の中心線上に容易に孔を形成させることができるようにする。
【解決手段】走行体4により変位センサ29を円筒体1の穿孔予定位置の上方に移動させた後、第一の横行体5により変位センサ29を平面視で円筒体1軸線に交差する方向へ走査させ、円筒体1の中心線の位置を円筒体1の穿孔予定個所における外周面の最も高い位置として把握し、走行体4により穿孔手段10を円筒体1の穿孔予定位置の上方に移動させた後、第二の横行体6により穿孔手段10のドリル36を円筒体1の外周面の最も高い位置の真上に移動させて円筒体1に孔を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は穿孔方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水平に設置した長尺部材に複数の孔を形成する装置としては、モータによって回転するドリル刃を装備した複数の穿孔手段と、各穿孔手段を昇降させる昇降機構とを備えたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されている装置は、サッシ枠を構成する棒材や形材などの断面形状が小さい部材に、水抜用の孔や組立用の孔を効率良く形成させることを目的としているが、この装置を大型化して、水平に設置した大径で長尺の円筒体に複数の孔を、円筒体の軸線方向に一列に並ぶように上方から穿設する場合は、円筒体の横方向(平面視で軸線に対して交差する方向)への蛇行(屈曲)を考慮しなければならない。
【0004】
円筒体の外周面に穿孔加工位置の基準となる罫書き線を、円筒体の一端部外周面の最も高い位置と円筒体の他端部外周面の最も高い位置とを結ぶように引くと、円筒体が横方向に蛇行していなければ、罫書き線は平面視における円筒体の中心線に重なるが、円筒体が横方向に蛇行していると、円筒体の長手方向中間部の蛇行個所では、罫書き線は平面視における円筒体の中心線から外れてしまう。
【0005】
この円筒体の長手方向中間部の蛇行個所において、罫書き線を目標に穿孔加工を行うと、形成される孔も円筒体の中心線から外れてしまい、孔の内周縁部に対する開先加工や、孔に挿入される別の部材と円筒体との溶接作業が困難になる。
【0006】
このため、円筒体の長手方向中間部の数個所で、円筒体の横方向への偏差量を計測し、この計測値に基づき、円筒体の蛇行状態に近似するように罫書き線を修正して、円筒体の長手方向中間部における穿孔加工位置が、円筒体の中心線から大きく外れないようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−071205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、円筒体の横方向への偏差量を計測して、円筒体の全長にわたって延びる罫書き線を修正することは熟練が要求される作業であるので、人手と時間が掛かり、個人ごとに精度に差が出てしまう。
【0009】
本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、円筒体が蛇行していても円筒体の中心線上に容易に孔を形成させることができるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の穿孔方法は、
複数の孔を軸線方向に一列に並ぶように形成するために円筒体を水平に設置し、
円筒体の穿孔予定個所上方に配置した外周面位置計測手段を円筒体の中心線に交差する方向に走査させて、円筒体の穿孔予定個所における外周面の最も高い位置を検出する第一の工程と、
円筒体上方に配置した穿孔手段によって、前記第一の工程で得た円筒体の穿孔予定個所における外周面の最も高い位置を中心に円筒体に孔を形成させる第二の工程とを、
円筒体の各穿孔予定個所で行う。
【0011】
請求項2に記載の穿孔装置は、
水平に配置された円筒体に沿って移動し得る走行体と、
該走行体に対して平面視で円筒体の中心線に交差する方向へ横行可能に設けた第一の横行体、及び第二の横行体と、
前記走行体に対する第一の横行体の横行位置を検出する横行位置検出手段と、
前記第一の横行体とともに移動して円筒体の穿孔予定個所における外周面の位置を検出する外周面位置計測手段と、
前記第二の横行体とともに移動して上方から円筒体に孔を形成する穿孔手段と、
前記外周面位置計測手段の検出値、及び横行位置検出手段の検出値に基づいて円筒体の穿孔予定個所における外周面の最も高い位置を求める演算器とを備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の穿孔方法及び穿孔装置によれば、下記のような優れた作用効果を奏し得る。
【0013】
(1)請求項1に記載の穿孔方法では、円筒体の上方に配置した外周面位置計測手段を平面視で円筒体の中心線に交差する方向へ走査させ、円筒体の中心線位置を円筒体の穿孔予定個所における外周面の最も高い位置として把握し、この円筒体の外周面の最も高い位置を中心に穿孔加工を行うので、円筒体が蛇行してしても円筒体の中心線上に容易に孔を形成させることができる。
【0014】
(2)請求項2に記載の穿孔装置では、走行体により外周面位置計測手段を円筒体の穿孔予定位置の上方に移動させた後、第一の横行体により前記外周面位置計測手段を平面視で円筒体の中心線に交差する方向へ走査させ、円筒体の中心線位置を円筒体の穿孔予定個所における外周面の最も高い位置として把握し、前記走行体により穿孔手段を円筒体の穿孔予定位置の上方に移動させた後、第二の横行体により穿孔手段を円筒体の外周面の最も高い位置の真上に移動させて円筒体に孔を形成するので、円筒体が蛇行してしても円筒体の中心線上に容易に孔を形成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の穿孔装置の一例を示す側面図である。
【図2】(a)は図1のA−A矢視図、(b)は図1のB−B矢視図である。
【図3】本発明の穿孔装置の一例における演算器と表示器のブロック図である。
【図4】平面視で軸線に対して交差する方向への蛇行した円筒体を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0017】
図1〜図4は本発明の穿孔装置の一例を示すもので、床面2に設置され且つ大径で長尺の円筒体1を水平に支持する複数の架台3と、前記円筒体1に沿って移動可能な走行体4と、該走行体4に平面視で円筒体1の軸線に交差する方向へ移動可能に取り付けた第一の横行体5、及び第二の横行体6と、前記第一の横行体5に上下方向へ移動可能に取り付けた第一の昇降体7と、該第一の昇降体7に装着され且つ上方から円筒体1の外周面までの距離を測定する外周面位置計測手段8と、前記第二の横行体6に上下方向へ移動可能に取り付けた第二の昇降体9と、該第二の昇降体9に装着され且つ上方から円筒体1に対して孔を形成する穿孔手段10と、演算器42及び表示器43とを備えており、前記床面2には、架台3に支持される円筒体1と同方向に延びる軌道部材11が、架台3の両側方に位置するように台座12を介して敷設してある。
【0018】
走行体4は、架台3に支持されている円筒体1を跨ぐ門型状で、上下方向に延びる一対の柱部4aと、該柱部4aの上端を連結する梁部4bとで構成されている。各柱部4aの下端には、前記軌道部材11に係合してその長手方向へ移動可能な移動部材13が装着されている。一方の台座12の側面には、その全長にわたって軌道部材11と平行に延びるラックギヤ14が取り付けられている。ラックギヤ14が取り付けられている側の柱部4aには、ラックギヤ14に噛み合うピンオンギヤ15を駆動する電動モータ16が装着されており、該電動モータ16の正逆回転に応じて、走行体4が前進あるいは後退する。また、電動モータ16には、軌道部材11に対する走行体4の走行位置(X軸方向位置)を検出するためのロータリエンコーダ39が付帯している。
【0019】
走行体4と第一の横行体5との間には、走行体4の梁部4bの前面に水平に取り付けた案内部材17(図2(a)参照)と、第一の横行体5に取り付けられ且つ案内部材17に係合してその長手方向へ移動可能な移動部材18(図1参照)とからなる周知の運動案内装置G1、並びに梁部4bに水平に枢支したねじ軸19、該ねじ軸19に螺合し且つ第一の横行体5に取り付けたナット48、梁部4bに装着したねじ軸19駆動用の電動モータ20を主な構成要素とする周知の駆動機構M1(図1、図2(a)参照)が介在しており、前記電動モータ20の正逆回転に応じて、第一の横行体5が一側あるいは他側へと横行する。また、電動モータ20には、走行体4に対する第一の横行体5の横行位置(Y軸方向位置)を検知するためのロータリエンコーダ40が付帯している。
【0020】
走行体4と第二の横行体6との間には、走行体4の梁部4bの後面に水平に取り付けた案内部材21(図2(b)参照)と、第二の横行体6に取り付けられ且つ案内部材21に係合してその長手方向へ移動可能な移動部材22(図1参照)とからなる周知の運動案内装置G2、並びに梁部4bに水平に枢支したねじ軸23、該ねじ軸23に螺合し且つ第二の横行体6に取り付けたナット49、梁部4bに装着したねじ軸23駆動用の電動モータ24を主な構成要素とする周知の駆動機構M2(図1、図2(b)参照)が介在しており、前記電動モータ24の正逆回転に応じて、第二の横行体6が一側あるいは他側へと横行する。また、電動モータ24には、走行体4に対する第二の横行体6の横行位置(Y軸方向位置)を検知するためのロータリエンコーダ41が付帯している。
【0021】
第一の横行体5と第一の昇降体7との間には、第一の横行体5に垂直に取り付けた案内部材25と、第一の昇降体7に取り付けられ且つ案内部材25に係合してその長手方向へ移動可能な移動部材26とからなる周知の運動案内装置G3(図1、図2(a)参照)、並びに第一の横行体5に垂直に枢支したねじ軸27、該ねじ軸27に螺合し且つ第一の昇降体7に取り付けたナット50、第一の横行体5に装着したねじ軸27駆動用の電動モータ28を主な構成要素とする周知の駆動機構M3が介在しており、前記電動モータ28の正逆回転に応じて、第一の昇降体7が上昇あるいは下降する。
【0022】
外周面位置計測手段8は、第一の昇降体7に装着した変位センサ29であり、下方に突出して昇降可能なロッド30を有し、該ロッド30の突出量に応じた位置信号31を出力するようになっている。位置信号31は、ロッド30の突出量が少なくなるほど大きな値になり、ロッド30の突出量が多くなるほど小さな値になる。また、ロッド30の下端は、円筒体1の外周面を滑らかに摺動し得るように球状に形成されている。よって、ロッド30の下端が円筒体1の外周面に当接した状態で、第一の横行体5を横行させると、円筒体1の外周面の円弧に追従してロッド30が昇降し、位置信号31が変動することになる。
第二の横行体6と第二の昇降体9との間には、第二の横行体6に垂直に取り付けた案内部材32と、第二の昇降体9に取り付けられ且つ案内部材32に係合してその長手方向へ移動可能な移動部材33とからなる周知の運動案内装置G4(図1、図2(b)参照)、並びに第二の横行体6に垂直に枢支したねじ軸34、該ねじ軸34に螺合し且つ第二の昇降体9に取り付けたナット51、第二の横行体6に装着したねじ軸34駆動用の電動モータ35を主な構成要素とする周知の駆動機構M4が介在しており、前記電動モータ35の正逆回転に応じて、第二の昇降体9が上昇あるいは下降する。
【0023】
穿孔手段10は、ドリル36をその先端が下方を向くように把持するチャック機構37と、該チャック機構37を介してドリル36を回転させる電動モータ38とを主な構成要素としている。
【0024】
演算器42は、走行体4に対して第一の横行体5を横行させたときに、外周面位置計測手段8の変位センサ29からの位置信号31、並びに走行体4に対する第一の横行体5の横行位置を検知するためのロータリエンコーダ40からのY軸方向位置信号45に基づき、円筒体1の穿孔予定個所において外周面が最も高くなるY軸方向の位置Pを求め、Y軸方向最高位置信号47として発信する機能を有している。
【0025】
表示器43には、軌道部材11に定めた原点に対する走行体4の走行位置(X軸方向位置)、走行体4に定めた原点に対する第一の横行体5の横行位置(Y軸方向位置)、走行体4に定めた原点に対する第二の横行体6の横行位置(Y軸方向位置)、及び走行体4に定めた原点に対する円筒体1の穿孔予定個所の外周面が最も高くなるY軸方向の位置P、及び走行体4に定めた原点に対する穿孔手段10のドリル36先端のY軸方向の位置Qのそれぞれが数値表示されるようになっている。
【0026】
走行体4のX軸方向位置は、ロータリエンコーダ39から送信されるX軸方向位置信号44に基づくものであり、第一、第二の横行体5,6のY軸方向位置は、ロータリエンコーダ40,41から送信されるY軸方向位置信号45,46に基くものであり、円筒体1の穿孔予定個所の外周面が最も高くなるY軸方向の位置Pは、演算器42から送信されるY軸方向最高位置信号47に基づくものであり、ドリル36先端のY軸方向に位置は、ロータリエンコーダ41から送信されるY軸方向位置信号46に基づくものである。
【0027】
次に、図1〜図4に示す穿孔装置の作動を、円筒体1を水平に支持する前段工程、円筒体1の穿孔予定個所における外周面の最も高い位置Pを検出する第一の工程、及び位置Pを中心に円筒体1に孔H1〜H9を形成させる第二の工程に分けて説明する。
【0028】
前段工程では、複数の孔H1〜H9を軸線方向に一列に並ぶように形成すべき円筒体1を、複数の架台3によって水平に支持し、変位センサ29のロッド30が円筒体1の一端面の真上に位置するように、走行体4をX軸方向へ移動させる。このとき、第一の昇降体7を第一の横行体5に対して上昇させておき、外周面位置計測手段8の構成要素である変位センサ29のロッド30の下端が、円筒体1の外周面に当接することを防ぐとともに、第二の昇降体9を第二の横行体6に対して上昇させておき、穿孔手段10の構成要素であるドリル36の先端が、円筒体1の外周面に当接することを防ぐ。
【0029】
円筒体1の一端面から形成すべき孔H1〜H9の中心までの距離L1〜L9は、設計値として予め定められているので、孔H1を形成する際には、変位センサ29のロッド30が円筒体1の一端面の真上に位置した初期状態の走行体4を、円筒体1の他端側に向けて距離L1だけ移動させ、変位センサ29のロッド30を孔H1の穿孔予定個所の上方まで前進させる。
【0030】
初期状態の走行体4が距離L1だけ移動したか否かは、初期状態時に表示器43に数値表示される走行体4のX軸方向位置と、走行体4が移動開始後に表示器43に数値表示される走行体4のX軸方向位置との差を、距離L1と対比することにより容易に判断できる。
【0031】
第一の工程では、第一の昇降体7を第一の横行体5に対して下降させて、外周面位置計測手段8の構成要素である変位センサ29のロッド30の下端を円筒体1の外周面に当接させる。この状態で、第一の横行体5を走行体4に対して横行させると、円筒体1の外周面の円弧に追従してロッド30が昇降し、変位センサ29から発信される位置信号31が変動する。
【0032】
演算器42では、変位センサ29からの位置信号31、並びにロータリエンコーダ40からのY軸方向位置信号45に基づき、円筒体1の孔H1の穿孔予定個所において外周面が最も高くなるY軸方向の位置Pが求められ、Y軸方向最高位置信号47が表示器43に送信される。円筒体1の孔H1の穿孔予定個所において外周面が最も高くなるY軸方向の位置Pは、平面視における円筒体1の中心線Cに重なるので、表示器43には、円筒体1の孔H1の穿孔予定個所の中心が数値表示されることなる。
【0033】
第二の工程では、第一の昇降体7を第一の横行体5に対して上昇させて、外周面位置計測手段8の構成要素である変位センサ29のロッド30の下端を円筒体1の外周面から離隔させる。この後、走行体4を円筒体1の他端側へ向けて、変位センサ29のロッド30中心から穿孔手段10のドリル36の中心までの間隔X1に応じた距離だけ移動させて、ドリル36を孔H1の穿孔予定個所の上方まで前進させる。
【0034】
走行体4が上記間隔X1に応じた距離だけ移動したか否かは、第一の工程完了時に表示器43に数値表示される走行体4のX軸方向位置と、走行体4が移動開始後に表示器43に数値表示される走行体4のX軸方向位置との差を、間隔X1に応じた距離と対比することにより容易に判断できる。
【0035】
更に、表示器43に表示される穿孔手段10のドリル36先端のY軸方向の位置Qと、円筒体1の孔H1の穿孔予定個所の外周面が最も高くなるY軸方向の位置Pとが一致するように、第二の横行体6を走行体4に対して適宜移動させることによって、ドリル36の中心を円筒体1の中心線Cの真上に位置させる。そして、電動モータ38によりドリル36を回転させ、第二の昇降体9を第二の横行体6に対して下降させると、円筒体1の中心線C上に孔H1が形成される。
【0036】
円筒体1に孔H1を形成した後に走行体4を、円筒体1の他端側に向けて移動させて、変位センサ29のロッド30を孔H2の穿孔予定個所の上方まで前進させる場合には、孔H1の穿設完了時に表示器43に数値表示される走行体4のX軸方向位置と、走行体4が移動開始後に表示器43に数値表示される走行体4のX軸方向位置との差を、距離L2から距離L1及び前述した間隔X1に応じた距離を引いた値と対比することにより容易に判断できる。更に、変位センサ29のロッド30やドリル36を孔H3〜H9の穿孔予定個所の上方まで前進させる場合も同様である。
【0037】
以上述べたように、図1〜図4に示す穿孔装置では、走行体4により外周面位置計測手段8である変位センサ29を円筒体1の穿孔予定位置の上方に移動させた後、第一の横行体5により前記変位センサ29を平面視で円筒体1軸線に交差する方向へ走査させ、円筒体1の中心線Cの位置を円筒体1の穿孔予定個所における外周面の最も高い位置として把握し、前記走行体4により穿孔手段10を円筒体1の穿孔予定位置の上方に移動させた後、第二の横行体6により穿孔手段を円筒体1の外周面の最も高い位置の真上に移動させて円筒体1に孔H1〜H9を形成するので、円筒体1が蛇行していても円筒体1の中心線C上に容易に孔H1〜H9を容易に形成させることができる。
【0038】
なお、図1〜図4に示す事例では、第一、第二の昇降体7,9を第一、第二の横行体5,6に対して昇降させるために、ねじ軸27,34、ナット、電動モータ28,35を主な構成要素とする駆動機構を用いているが、第一、第二の昇降体7,9は厳密な位置決めは不要であるので、油圧シリンダや空圧シリンダを昇降手段に用いてもよい。また、変位センサ29に替えて、タッチセンサ、または非接触方式であるレーザ距離計測計を外周面位置計測手段に用いてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 円筒体
4 走行体
5 第一の横行体
6 第二の横行体
8 外周面位置計測手段
10 穿孔手段
40 ロータリエンコーダ(横行位置検出手段)
42 演算器
C 中心線
H1〜H9 孔
P 位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の孔を軸線方向に一列に並ぶように形成するために円筒体を水平に設置し、
円筒体の穿孔予定個所上方に配置した外周面位置計測手段を円筒体の中心線に交差する方向に走査させて、円筒体の穿孔予定個所における外周面の最も高い位置を検出する第一の工程と、
円筒体上方に配置した穿孔手段によって、前記第一の工程で得た円筒体の穿孔予定個所における外周面の最も高い位置を中心に円筒体に孔を形成させる第二の工程とを、
円筒体の各穿孔予定個所で行うことを特徴とする穿孔方法。
【請求項2】
水平に配置された円筒体に沿って移動し得る走行体と、
該走行体に対して平面視で円筒体の中心線に交差する方向へ横行可能に設けた第一の横行体、及び第二の横行体と、
前記走行体に対する第一の横行体の横行位置を検出する横行位置検出手段と、
前記第一の横行体とともに移動して円筒体の穿孔予定個所における外周面の位置を検出する外周面位置計測手段と、
前記第二の横行体とともに移動して上方から円筒体に孔を形成する穿孔手段と、
前記外周面位置計測手段の検出値、及び横行位置検出手段の検出値に基づいて円筒体の穿孔予定個所における外周面の最も高い位置を求める演算器とを備えたことを特徴とする穿孔装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−35395(P2012−35395A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180274(P2010−180274)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】