説明

端子台

【課題】製造工程での温度ヒューズの切断防止および温度ヒューズの交換に対応できる端子台を提供する。
【解決手段】端子台本体13は、端子を収納する端子収納部32、および端子台本体13の外面に開口するケース収納部33を有する。温度ヒューズ14を保持したヒューズケース15を、端子台本体13のケース収納部33に着脱可能に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度ヒューズを備えた端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電気機器の電源用電線などを接続する端子台においては、温度ヒューズを備えているものがある。これは、端子台の端子にねじで電線を接続する際の締め込み不足やねじの緩みなどによる接続不良により、端子が発熱して所定温度以上に達した場合に温度ヒューズが切れ、回路を遮断して保護するようにしている。
【0003】
電気機器の製造工程において、端子台は、例えば、回路基板に他の回路部品とともに実装し、はんだ付け工程において端子台の端子や回路部品のリード線などを回路基板にはんだ付け接続している。このとき、はんだ付け工程における熱が端子台に作用し、端子台に予め組み込まれている温度ヒューズが切れるおそれがある。
【0004】
そこで、はんだ付け工程において端子台に予め組み込まれている温度ヒューズに伝わる熱を軽減するために、温度ヒューズ本体は端子台に組み込んでいるが、温度ヒューズから引き出されているリード線は回路基板側に対して接続していない状態ではんだ付け工程を行い、はんだ付け工程の終了後にリード線を回路基板側に接続するようにしたり、リード線を回路基板側に対して接続した状態ではんだ付けする際に、リード線からの熱の伝わり方を低減するように工夫したものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−246081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、はんだ付け工程での熱がリード線から温度ヒューズ本体に伝わるのを軽減するようにしているが、温度ヒューズ本体は端子台に組み込まれた状態ではんだ付工程を行っている。そのため、はんだ付け工程での熱が回路基板に接続する端子台の端子に伝わり、この端子の温度が上昇すると、この端子の温度を検知する温度ヒューズが切れるおそれがある。
【0007】
また、温度ヒューズの場合、端子台に組み込まれている端子の温度を検知するために、端子台に密着して組み込まれることが多く、温度ヒューズを容易に交換可能な構造にはなっていなかった。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、製造工程での温度ヒューズの切断防止および温度ヒューズの交換に対応できる端子台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の端子台は、端子と、前記端子を収納する端子収納部、および外面に開口するケース収納部を有する端子台本体と、この端子台本体のケース収納部に着脱可能に取り付けられるヒューズケースと、このヒューズケースに保持された温度ヒューズとを具備しているものである。
【0010】
請求項2記載の端子台は、請求項1記載の端子台において、前記端子は、前記端子収納部内に収納される端子板部、およびこの端子板部から折曲されて前記端子収納部から突出されるリード部を有しており、前記ヒューズケースによって前記端子台本体のケース収納部に配置される前記温度ヒューズは、前記端子の端子板部とリード部との両方に囲まれる位置に配置されるものである。
【0011】
請求項3記載の端子台は、請求項1または2記載の端子台において、前記端子台本体には、それぞれ前記端子を収納する複数の前記端子収納部が1列に沿って配列されているとともに、これら複数の端子収納部の列に隣接して前記ケース収納部が設けられ、前記ヒューズケースには、前記複数の端子収納部の配列方向に沿って複数の前記温度ヒューズが保持されているものである。
【0012】
請求項4記載の端子台は、請求項3記載の端子台において、前記ケース収納部は、前記ヒューズケースが挿入される凹状に形成され、前記ヒューズケースの長手方向の両端には、前記ヒューズケースが前記ケース収納部内の所定の取付位置に挿入されることで前記ケース収納部に対して抜け止め係止する爪部をそれぞれ有し、前記ヒューズケースの一端には、一端の前記爪部が設けられており、前記ケース収納部に挿入された前記ヒューズケースを前記ケース収納部の他端へ向けて付勢するとともに、前記ヒューズケースが付勢に抗して一端方向に移動させることによって他端の前記爪部が前記ケース収納部から外れるのを許容する付勢部を有しているものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の端子台によれば、端子台本体の外面に開口して設けられたケース収納部に、温度ヒューズを保持したヒューズケースを着脱可能としたため、例えば、温度ヒューズを端子台本体に組み込まずにはんだ付け工程などの製造工程を行うことにより、その製造工程での温度ヒューズの切断を防止できるとともに、その製造工程の後に温度ヒューズを端子台本体に組み込むことができ、さらに、端子台の設置後にも温度ヒューズの交換を容易にできる。
【0014】
請求項2記載の端子台によれば、請求項1記載の端子台の効果に加えて、温度ヒューズが端子の端子板部とリード部との両方に囲まれる位置に配置されるため、端子の温度上昇に対する温度ヒューズの応答性を向上できる。
【0015】
請求項3記載の端子台によれば、請求項1または2記載の端子台の効果に加えて、ヒューズケースに複数の温度ヒューズを一体に保持することにより、端子台本体に対して複数の温度ヒューズを一体に着脱でき、作業性を向上できる。
【0016】
請求項4記載の端子台によれば、請求項3記載の端子台の効果に加えて、ヒューズケースの長手方向の両端に爪部を設けるとともに一端の爪部は付勢部に設けることにより、この付勢部によって端子台本体のケース収納部に挿入されたヒューズケースをケース収納部の他端へ向けて付勢し、ヒューズケースの両端の爪部をケース収納部に確実に係止させることができるとともに、ヒューズケースを付勢に抗して一端方向に移動させることによって他端の爪部をケース収納部から外し、ヒューズケースをケース収納部から外すことができ、したがって、ヒューズケースを端子台本体に確実に取り付けることができるとともに容易に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態を示す端子台の分解状態の斜視図である。
【図2】同上図1とは他の方向から見た端子台の分解状態の斜視図である。
【図3】同上端子台の組立状態の斜視図である。
【図4】同上図3とは別の方向から見た端子台の組立状態の斜視図である。
【図5】同上端子台の組立状態の断面図である。
【図6】同上端子台の端子台本体の斜視図である。
【図7】同上端子台の端子台本体からのヒューズケースの取り外し動作を(a)(b)(c)(d)の順に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
図1ないし図6に示すように、端子台11は、複数の端子12、これら複数の端子12を収納する端子台本体13、この端子台本体13に組み込まれる複数の温度ヒューズ14、これら複数の温度ヒューズ14を保持して端子台本体13に着脱可能に取り付けられるヒューズケース15を備えている。この端子台11は、例えば、電気機器の回路基板に実装される。
【0020】
各端子12は、導電性を有する金属材料によって形成されており、断面略コ字形の端子板部20、およびこの端子板部20の一端から略直角に折曲された略L字形のリード部21が一体に形成されている。端子板部20にはねじ孔22が形成され、このねじ孔22にばね座金23を介してねじ24が螺着されている。そして、端子12は、ばね座金23およびねじ24を一体に組み立てた端子組立体として、端子台本体13に組み込まれている。なお、本実施の形態では、6つの端子12が用いられている。
【0021】
また、端子台本体13は、絶縁性を有する合成樹脂製で、一面が回路基板に実装される設置面部30として形成されている。設置面部30には、図7に示すように、回路基板に嵌合して位置決めするための複数の突起31a、および回路基板に差し込まれて抜け止め係止する複数の係止爪31bが突出形成されている。なお、以下、端子台本体13の設置面部30を下面、この下面に対して反対面を上面として説明する。
【0022】
端子台本体13には、細長く形成され、その長手方向に沿って複数の端子12をそれぞれ収納する複数の端子収納部32が1列に沿って形成されているとともに、これら複数の端子収納部32の一側に隣接してヒューズケース15を取り付けるケース収納部33が形成されている。
【0023】
各端子収納部32には、端子台本体13の下面に開口する嵌合溝34、および上面に開口する円筒状の操作孔35を有し、これら嵌合溝34と操作孔35とが互いに連通されている。嵌合溝34には端子台本体13の下面側から端子12が圧入されて固定されているとともに、操作孔35にねじ24およびばね座金23が上下方向に移動可能に配置されている。嵌合溝34の一側から端子12のリード部21が突出されるとともに、このリード部21の先端が端子台本体13の下面より下方へ突出されている。また、嵌合溝34と操作孔35との間の他側には、端子12に接続する配線を通すための配線開口36が形成されている。
【0024】
ケース収納部33は、複数の端子収納部32の一側に隣接し、端子台本体13の長手方向に沿って細長く、短手方向の幅が狭く、端子台本体13の上面に向けて開口する凹状に形成されている。すなわち、ケース収納部33は、端子収納部32(端子収納部32に収納された端子12のリード部21)と隣接する底面部37、端子収納部32(端子収納部32に収納された端子12の端子板部20)と隣接する隔壁部38、この隔壁部38との間にヒューズケース15の挿入空間をあけて対向する側壁部39、長手方向両端の端面部40によって上面が開口する凹状に形成されている。一端の端面部40の高さは他端の端面部40の高さより低く、これら両端の端面部40の下部には係止溝41がそれぞれ形成されている。ケース収納部33の下部領域は、端子12の端子板部20とリード部21とに隣接し、これら端子板部20とリード部21とに囲まれた領域となる。
【0025】
また、各温度ヒューズ14は、予め設定された設定温度以上に達すると溶断される特性を有しており、温度ヒューズ本体50、およびこの温度ヒューズ本体50から引き出された一対のリード線51を有している。複数の温度ヒューズ14が各一対のリード線51によって直列に接続され、これら複数の温度ヒューズ14の直列回路の両端に一対のハーネス52がそれぞれ接続され、このハーネス52の先端にコネクタ53が取り付けられている。なお、本実施の形態では、温度ヒューズ14の数は、端子12の数より少ない数で、4つとしている。
【0026】
また、ヒューズケース15は、絶縁性を有する合成樹脂製で、端子台本体13のケース収納部33の長手方向に対応して細長いとともに、ケース収納部33の短手方向に対応して幅が薄い長方形板状に形成されている。このヒューズケース15の一面に壁部61が形成され、この壁部61の周辺に枠部62が形成され、この周辺の枠部62の内側で他面に開口してヒューズ収納部63が形成されている。周辺の枠部62のうち、下面の枠部62の部分は、端子収納部32に収納された端子12のリード部21との間に介在する壁部62aであり、この壁部62aは上面や両端の枠部62の部分より厚みが薄く形成されている。
【0027】
ヒューズ収納部63内の下側には、それぞれ温度ヒューズ14を保持可能とする複数のヒューズ保持部64が、端子台本体13の端子収納部32およびこの端子収納部32に収納された端子12と同じピッチで形成されている。各ヒューズ保持部64は、温度ヒューズ14を挟み込んで保持する一対の保持片65を有し、この一対の保持片65の間には温度ヒューズ14を端子台本体13の隔壁部38に押し付けるための押し付け部66が形成されている。さらに、ヒューズ収納部63内には、各ヒューズ保持部64毎に温度ヒューズ14のリード線51をガイドして保持する複数のリード線ガイド67が突出形成されているとともに、一対のハーネス52を保持するハーネス保持部68が形成されている。ハーネス52は、ヒューズケース15の端面上部側に設けられた挿通溝69から外部に引き出されている。なお、本実施の形態では、6つのヒューズ保持部64を備え、そのうちの4つのヒューズ保持部64に温度ヒューズ14が保持されるが、少なくともいずれか1つのヒューズ保持部64に温度ヒューズ14が保持されても、全てのヒューズ保持部64に温度ヒューズ14が保持されてもよく、端子台11の仕様に応じて任意に設定できる。
【0028】
ヒューズケース15の両端の下部側には、このヒューズケース15をケース収納部33内の所定の取付位置まで挿入された際に、そのケース収納部33の両端の係止溝41に引っ掛かって係止する爪部70が突出されている。
【0029】
ヒューズケース15の一端には、上部がヒューズケース15に連結され、下端側が自由端とする付勢部71が形成されている。この付勢部71の外面下部側に一端の爪部70が突出形成されている。そして、付勢部71が弾性変形することによって、ヒューズケース15を端子台本体13のケース収納部33に対して挿脱することが可能であるとともに、付勢部71の弾性によって、ケース収納部33の他端へ向けて付勢し、ヒューズケース15の両端の爪部70がケース収納部33の両端の係止溝41に引っ掛かって抜け止め係止するようにする。
【0030】
次に、端子台11を用いた電気機器の回路基板の製造工程について説明する。
【0031】
端子台本体13を、下面の設置面部30から突出されている各端子12のリード部21、複数の突起31aおよび複数の係止爪31bをそれぞれ回路基板に差し込み、複数の係止爪31bで回路基板に固定する。このとき、端子台本体13には、予め複数の端子12が組み込まれているが、ヒューズケース15は外された状態にあり、つまり温度ヒューズ14は組み込まれていない状態にある。
【0032】
この状態で、はんだ付け工程において、回路基板に差し込まれている各端子12のリード部21を回路基板にはんだ付け接続する。
【0033】
はんだ付け工程の完了後、予め複数の温度ヒューズ14やハーネス52が組み込まれているヒューズケース15を、そのヒューズ収納部63の開口側の面が端子台本体13の端子収納部32側に対向する向きで、端子台本体13のケース収納部33に上方から挿入する。ヒューズケース15を挿入する際、ヒューズケース15の両端の爪部70がケース収納部33の両端の端面部40に当接しても、付勢部71が弾性変形することで挿入することができる。そして、ヒューズケース15が所定の挿入位置まで挿入されると、付勢部71の弾性変形に対する反発力によって、ヒューズケース15の両端の爪部70がケース収納部33の両端の係止溝41に引っ掛かり、ヒューズケース15をケース収納部33に対して抜け止めする。
【0034】
ヒューズケース15が所定の挿入位置に挿入された状態では、各温度ヒューズ14の側面が隔壁部38を介して各端子12の端子板部20に隣接して配置されるとともに、各温度ヒューズ14の下面が壁部62aおよび底面部37を介して各端子12のリード部21に隣接して配置され、したがって、各温度ヒューズ14が各端子12の端子板部20とリード部21との両方に隣接して囲まれる位置に配置される。また、押し付け部66によって各温度ヒューズ14は各端子12の端子板部20との間に介在する隔壁部38に押し付けられて密着されるとともに、厚みが薄く形成された壁部62aによって各温度ヒューズ14と各端子12のリード部21との間の距離が接近されている。
【0035】
複数の温度ヒューズ14が直列に接続されたハーネス52のコネクタ53は電気機器の例えば保護回路に接続されている。この保護回路では、温度ヒューズ14の切断に応じて電気機器を停止するなどの処理を行う。
【0036】
そして、電気機器の使用時において、端子台11の各端子12のねじ24を緩めて上方へ移動させた状態で、配線開口36を通じて電線の接続端子などを差し込み、その接続端子を通じてねじ24を端子12に締め付けて接続する。
【0037】
端子台11の端子12にねじ24で接続する際の締め込み不足やねじ24の緩みなどによる接続不良により端子12が発熱した場合、端子12からの熱が温度ヒューズ14に伝達される。すなわち、端子12の端子板部20から熱が隔壁部38を通じて温度ヒューズ14に伝達されるとともに、端子12のリード部21からの熱が底面部37および壁部62aを通じて温度ヒューズ14に伝達される。
【0038】
このように、各温度ヒューズ14が各端子12の端子板部20とリード部21との両方に隣接して囲まれる位置に配置されているため、これら端子板部20とリード部21との両方から効果的に熱が伝達される。しかも、押し付け部66によって各温度ヒューズ14は各端子12の端子板部20との間に介在する隔壁部38に押し付けられて密着されるとともに、厚みが薄く形成された壁部62aによって各温度ヒューズ14と各端子12のリード部21との間の距離が接近されているため、熱の伝達性能が高い。そのため、各温度ヒューズ14は、端子12の温度上昇を迅速かつ確実に検知できる。
【0039】
温度ヒューズ14が所定の温度以上に達した場合、温度ヒューズ14が溶断し、複数の温度ヒューズ14が直列に接続された直列回路が遮断される。これに応じて電気機器の保護回路で電気機器を停止するなどの処理を行う。
【0040】
また、温度ヒューズ14の溶断後の交換やメンテナンスを行う場合には、ヒューズケース15を端子台本体13のケース収納部33から上方へ取り外す。
【0041】
このヒューズケース15の取り外しの手順を、図7を参照して説明する。図7(a)に示すように、ヒューズケース15の取付状態では、付勢部71の付勢によって、ヒューズケース15の両端の爪部70がケース収納部33の両端の係止溝41に引っ掛かって係止している。
【0042】
まず、図7(b)に示すように、付勢部71を弾性変形させるようにヒューズケース15を一端側に向けて寄せることにより、他端の爪部70をケース収納部33の他端の係止溝41から外す。
【0043】
続いて、図7(c)に示すように、ヒューズケース15の他端側を上方へ移動させ、ヒューズケース15を斜めに傾けながらヒューズケース15の他端下部をケース収納部33の上方に外す。このとき、一端の端面部40の高さは他端の端面部40の高さより低く形成されているため、ヒューズケース15が斜めに傾けるのを許容できる。
【0044】
このように、ヒューズケース15を斜めに傾けること、あるいは傾けたヒューズケース15を他端側へ移動させることにより、一端の爪部70がケース収納部33の一端の係止溝41から外れ、ヒューズケース15をケース収納部33の上方へ取り外すことができる。
【0045】
図7(d)には、ヒューズケース15を外したケース収納部33を示す。
【0046】
なお、ヒューズケース15をケース収納部33に取り付ける際には、上述した取り外しの手順とは逆の手順によって取り付けることもできる。
【0047】
以上のように、端子台11は、端子台本体13の設置面部30とは異なる外面に開口して設けられたケース収納部33に、温度ヒューズ14を保持したヒューズケース15を着脱可能としたため、温度ヒューズ14を端子台本体13に組み込まずにはんだ付け工程を行うことにより、そのはんだ付け工程での温度ヒューズ14の切断を防止できるとともに、そのはんだ付け工程の後に温度ヒューズ14を端子台本体13に組み込むことができ、さらに、端子台11の設置後にも温度ヒューズ14の交換を容易にできる。
【0048】
また、温度ヒューズ14が端子12の端子板部20とリード部21との両方に囲まれる位置に配置されるため、端子12の温度上昇に対する温度ヒューズ14の応答性を向上できる。
【0049】
また、ヒューズケース15に複数の温度ヒューズ14を一体に保持することにより、端子台本体13に対して複数の温度ヒューズ14を一体に着脱でき、作業性を向上できる。
【0050】
また、ヒューズケース15の長手方向の両端に爪部70を設けるとともに一端の爪部70は付勢部71に設けることにより、この付勢部71によって端子台本体13のケース収納部33に挿入されたヒューズケース15をケース収納部33の他端へ向けて付勢し、ヒューズケース15の両端の爪部70をケース収納部33に確実に係止させることができるとともに、ヒューズケース15を付勢に抗して一端方向に移動させることによって他端の爪部70をケース収納部33から外し、ヒューズケース15をケース収納部33から外すことができ、したがって、ヒューズケース15を端子台本体13に確実に取り付けることができるとともに容易に着脱することができる。
【0051】
なお、端子台本体13のケース収納部33は、端子台本体13の設置後にヒューズケース15を着脱することが可能であれば、端子台本体13の設置面部30以外のどの面に形成されていてもよい。
【0052】
また、端子台11としては、複数の端子12を備えた端子台11に限らず、1つの端子12を備えた端子台にも適用できる。
【0053】
また、ヒューズケース15をケース収納部33に着脱する構造は、ヒューズケース15を着脱することが可能であれば、どのような構成を用いてもよく、特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0054】
11 端子台
12 端子
13 端子台本体
14 温度ヒューズ
15 ヒューズケース
20 端子板部
21 リード部
32 端子収納部
33 ケース収納部
70 爪部
71 付勢部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子と、
前記端子を収納する端子収納部、および外面に開口するケース収納部を有する端子台本体と、
この端子台本体のケース収納部に着脱可能に取り付けられるヒューズケースと、
このヒューズケースに保持された温度ヒューズと
を具備していることを特徴とする端子台。
【請求項2】
前記端子は、前記端子収納部内に収納される端子板部、およびこの端子板部から折曲されて前記端子収納部から突出されるリード部を有しており、
前記ヒューズケースによって前記端子台本体のケース収納部に配置される前記温度ヒューズは、前記端子の端子板部とリード部との両方に囲まれる位置に配置される
ことを特徴とする請求項1記載の端子台。
【請求項3】
前記端子台本体には、それぞれ前記端子を収納する複数の前記端子収納部が1列に沿って配列されているとともに、これら複数の端子収納部の列に隣接して前記ケース収納部が設けられ、
前記ヒューズケースには、前記複数の端子収納部の配列方向に沿って複数の前記温度ヒューズが保持されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の端子台。
【請求項4】
前記ケース収納部は、前記ヒューズケースが挿入される凹状に形成され、
前記ヒューズケースの長手方向の両端には、前記ヒューズケースが前記ケース収納部内の所定の取付位置に挿入されることで前記ケース収納部に対して抜け止め係止する爪部をそれぞれ有し、
前記ヒューズケースの一端には、一端の前記爪部が設けられており、前記ケース収納部に挿入された前記ヒューズケースを前記ケース収納部の他端へ向けて付勢するとともに、前記ヒューズケースが付勢に抗して一端方向に移動させることによって他端の前記爪部が前記ケース収納部から外れるのを許容する付勢部を有している
ことを特徴とする請求項3記載の端子台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−256471(P2012−256471A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128084(P2011−128084)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000103194)エムデン無線工業株式会社 (15)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】