説明

粉砕装置

【課題】被粉砕物中に含まれる金属を効率よく捕集でき粉砕機の劣化を防止することができる粉砕装置を提供することである。
【解決手段】上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段は、上下に並行配置される一対の破砕ローラ2,2を回転させて被粉砕物W1を破砕ローラ2,2間で破砕する破砕機1と、破砕機1の斜め下方に設置されて横に並行配置される一対の粉砕ローラ6,6を回転させて破砕機1で破砕された被粉砕物W2を粉砕ローラ6,6間で粉砕する粉砕機5とを備えた粉砕装置において、破砕機1と粉砕機5との間に破砕機1で破砕された被粉砕物W2を受けて粉砕機5へ投入するホッパ8を設け、ホッパ8の被粉砕物W2が滑り落ちる傾斜面8aに金属を捕集する少なくとも二つ以上の磁石10,11を傾斜方向に間隔を空けて設置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹木等の被粉砕物を粉砕する粉砕装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、樹木等の被粉砕物を粉砕機で粉砕するには、被粉砕物の大きさが大きすぎ、被粉砕物を直接粉砕機へ投入することができないため、これを粉砕機で粉砕可能な程度の大きさに細かく裁断する必要がある。
【0003】
すなわち、通常、樹木等の被粉砕物を粉砕する工程には、まず、破砕機で樹木等の被粉砕物を細かく破砕し、この細かく破砕された被粉砕物を粉砕機に投入して被粉砕物を粉砕するようにしている。
【0004】
したがって、被粉砕物の粉砕には、被粉砕物を細かく破砕する破砕機と、破砕された被粉砕物を粉砕する粉砕機の二つの機器が必要であり、従来の粉砕装置にあっては、破砕機で破砕した被粉砕物を搬送機で粉砕機まで搬送するようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−350208号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特に、被粉砕物が街路樹等の場合、被粉砕物である剪定された街路樹に釘が打ち付けられていたり、針金が巻かれていたりすることがあり、これら金属を取り除かずに粉砕機で粉砕すると、粉砕機のローラの刃を痛めたり、劣化を早めたりといった事態を招来する虞がある。
【0006】
また、この粉砕装置で処理された樹木は、堆肥等にされて再利用される場合もあり、堆肥中に金属が混入しているのは好ましいことではない。
【0007】
これに対して従来の粉砕装置では、上記事態を回避するには、樹木内に潜む金属を取り除くしかなく、作業者が一つ一つ被粉砕物である樹木をつぶさに目視して金属の有無を確認するなどの作業が必要となり、その作業を行うには大きな負担がかかるとともに、金属が完全に樹木内に没入している場合には、これを発見できない場合もある。
【0008】
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、被粉砕物中に含まれる金属を効率よく捕集でき粉砕機の劣化を防止することができる粉砕装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段は、上下に並行配置される一対の破砕ローラを回転させて被粉砕物を破砕ローラ間で破砕する破砕機と、破砕機の斜め下方に設置されて横に並行配置される一対の粉砕ローラを回転させて破砕機で破砕された被粉砕物を粉砕ローラ間で粉砕する粉砕機とを備えた粉砕装置において、破砕機と粉砕機との間に破砕機で破砕された被粉砕物を受けて粉砕機へ投入するホッパを設け、ホッパの被粉砕物が滑り落ちる傾斜面に金属を捕集する少なくとも二つ以上の磁石を傾斜方向に間隔を空けて設置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、作業者が被粉砕物中の金属をわざわざ取り除くといった作業を行わずとも、粉砕機に被粉砕物が投入される前に、被粉砕物に混入した金属を効率よく捕集することができ、粉砕機へ金属が投入される機会を減少させることができるので、粉砕機の劣化を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、一実施の形態における粉砕装置の概略側面断面図である。図2は、一実施の形態における粉砕装置の概略平面図である。図3は、一実施の形態における粉砕装置のホッパの傾斜面部分の拡大断面図である。
【0012】
この一実施の形態における粉砕装置は、図1および図2に示すように、上下に並行配置される一対の破砕ローラ2,2を回転させて被粉砕物W1を破砕ローラ2,2間で破砕する破砕機1と、横に並行配置される一対の粉砕ローラ6,6を回転させて破砕機1で破砕された被粉砕物W2を粉砕ローラ6,6間で粉砕する粉砕機5と、破砕機1で破砕された被粉砕物W2を受けて粉砕機5へ投入するホッパ8と、ホッパ8の傾斜面8aに金属を捕集する磁石10,11とを備えて構成されている。
【0013】
そして、破砕機1と粉砕機5は、ともに、ベースB上に設置されており、また、破砕機1で破砕されて破砕機1から排出される被粉砕物W2を直接粉砕機5へ投入することが可能なように、粉砕機5は破砕機1の斜め下方に設置されている。
【0014】
なお、破砕機1は、ベースBに立設される脚L1上に取り付けた天板P1に載置され、粉砕機5は、ベースBに立設される脚L2上に取り付けた天板P2に載置されて、それぞれベースBに設置されているが、破砕機1および粉砕機5のベースBへの設置は、上述の構成に限らず、枠体を用いてこれを行うようにしてもよいことは当然である。
【0015】
詳しくは、破砕機1は、上下方向に沿って並行に配置される一対の破砕ローラ2,2と、破砕ローラ2,2を回転駆動するモータM1と、破砕ローラ2,2を回転自在に軸支するハウジング3と、ハウジング3の正面となる図1中右端側に設けた開口に連なり中間部で折り畳み可能な被粉砕物投入台4とを備えて構成されている。なお、被粉砕物投入台4が折り畳み可能とされているので、粉砕作業を行わないときには、これを折り畳んでおくことによって粉砕装置をコンパクトにすることができる。
【0016】
破砕ローラ2,2は、ともに、軸2aと、軸2aの外周に軸方向に所定の間隔を持って複数並べて設けた破砕歯2bとを備え、垂直上下方向に沿って、かつ、回転軸が並行となるように配置されるとともに、一方の破砕ローラ2の破砕歯2bが他方の破砕ローラ2の破砕歯2b,2b間に入子式に入り込んで他方の破砕ローラ2の軸2aの外周に臨むようにしてある。
【0017】
また、図1中上方配置される破砕ローラ2は時計回りに、図1中下方配置される破砕ローラ2は反時計周りに、それぞれモータM1によって回転駆動され、被粉砕物W1を破砕ローラ2,2間に投入すると、上記入子式の破砕歯2bによって裁断されるとともに、いずれか一方の破砕ローラ2における破砕歯2bの外周といずれか他方の破砕ローラ2における軸2aの外周との間で破砕されて、被粉砕物W1は破砕ローラ2,2間を通過後はチップ化された被粉砕物W2となる。
【0018】
そして、この破砕機1に被粉砕物投入台4が設置される図1中右端側から被粉砕物W1を投入すると、被粉砕物W1は回転駆動される破砕ローラ2,2間に導かれて破砕され、破砕後のチップ状とされた被粉砕物W2は破砕機1の後方側となるハウジング3の図1中左端側に設けた矩形筒型の排出口3aから排出されるようになっている。
【0019】
このように、大きな被粉砕物W1は、粉砕機5で粉砕可能な程度のチップ状の被粉砕物W2にまで破砕機1で破砕されることになり、さらに、破砕機1の破砕ローラ2,2は本実施の形態の場合、上下に配置されているので被粉砕物W1を横方向から破砕機1に投入することが可能であるので、特に被粉砕物W1が長尺な樹木であっても、その投入作業が容易となる。
【0020】
つづいて、粉砕機5は、横に沿って並行に配置される一対の粉砕ローラ6,6と、粉砕ローラ6,6を回転駆動するモータM2と、粉砕ローラ6,6を回転自在に軸支するハウジング7と備えて構成され、また、ハウジング7の図1中上端に設けた投入口7aにはホッパ8の下端開口端が連なっており、ホッパ8上に落下した被粉砕物W2を粉砕機5の投入口7aへと導くことができるようになっている。
【0021】
このホッパ8は、破砕機1のハウジング3における排出口3aの図1中下端と粉砕機5のハウジング7における投入口7aの図1中右端とを連絡して被粉砕物W2が滑り落ちる傾斜面8aと、上記投入口7aの図1中左端に連結されて傾斜面8aに対向する対向傾斜面8bと、互いに平行配置されて投入口7aの図2中上端と下端とに連結されるとともに傾斜面8aと対向傾斜面8bとを接続する側面8c,8dと、排出口3aの図1中上端と各側面8c,8dとを接続する頂面8eとを備えて構成され、ホッパ8の側面8c,8d、対向傾斜面8bおよび頂面8eとで形成される図1中上端開口部には側面8cにヒンジ結合されるカバー9が設けられ、ホッパ8の開口部がカバー9にて開閉可能とされている。なお、カバー9には、アクリル板やガラス板等の透明部材が嵌め込まれたのぞき窓9aを備えている。
【0022】
すなわち、このホッパ8にあっては、破砕機1で破砕された被粉砕物W2がハウジング3の排出口3aから排出されると、この被粉砕物W2を上記した傾斜面8aで受け、被粉砕物W2は傾斜面8aを滑り落ちてホッパ8の下端開口部に連なる粉砕機5の投入口7a内に投入するようになっている。
【0023】
また、上述したように、破砕機1の後方と粉砕機5の図1中上方の空間は、ホッパ8とカバー9とで覆われているので、被粉砕物W2が破砕機1から粉砕機5へ到る間に外方へ飛散してしまうことを防止されている。
【0024】
さらに、このカバー9は、のぞき窓9aを備えているので、外部からホッパ8内を目視することができ、ホッパ8内での被粉砕物W2の詰まりを安全に確認することができるとともに、カバー9はホッパ8にヒンジ結合されてホッパ8の上端開口部を開閉することができるので、カバー9を開いてホッパ8内における被粉砕物W2の詰まりを解消したり、ホッパ8内を点検したりすることができる。
【0025】
また、ホッパ8には、ホッパ8内における被粉砕物W2の堆積を検知するセンサ20を設けてあり、このセンサ20は、具体的には、ホッパ8の図2中上方の側面8cに設けた投光器20aと、ホッパ8の図2中下方の側面8dに設けた受光器20bとを備えてなる光電センサとされて、ホッパ8内で被粉砕物W2が過剰に堆積すると、投光器20aからの光を受光器20b側で一定時間以上に亘って検知できなくなることをもってして、被粉砕物W2の堆積を検知するようになっている。
【0026】
そして、このセンサ20で被粉砕物W2がホッパ8内で過剰に堆積したことを検知した場合、図外の制御装置が、破砕機1および粉砕機5を停止したり、破砕機1を停止しつつ被粉砕物W2の詰まりを解消すべく粉砕機5の粉砕ローラ6,6を上記したところとは逆方向に回転させたり等の所定の処理を行うように設定されている。
【0027】
つまり、ホッパ8内で被粉砕物W2が過剰に堆積するとこれを検知することができるので、自動的かあるいは作業員の手作業によるかは別として、被粉砕物W2のホッパ8内での堆積を速やかに解消することが可能である。
【0028】
なお、センサ20は、上記したところでは、光電センサとされているが、ホッパ8内での被粉砕物W2の堆積を検知することができれば、他のセンス原理を利用したセンサを用いることが可能である。
【0029】
そして、ホッパ8の傾斜面8aの途中には、被粉砕物W2が滑り落ちる傾斜方向に間隔を空けて金属を捕集する二つの磁石10,11が設置されており、この磁石10,11は、図2に示すように、帯状とされて傾斜面8aの傾斜方向に対して直角方向の全幅Wに亘って設置されている。
【0030】
なお、この実施の形態にあっては、ホッパ8は磁性体で形成されており、磁石10,11は、傾斜面8aに自身の磁力によって吸着しており、特に、傾斜面8aに接着等の手段で設置することを要しないが、ホッパ8が磁性体で無い場合、磁石10,11を接着等によって設置してもよい。
【0031】
また、この実施の形態の場合、図2中、磁石10,11の上下方向長さがホッパ8の傾斜面8aの全幅Wと同程度とされているが、磁石10,11をそれぞれ複数の磁石で構成して、傾斜面8aの全幅Wに渡って磁石の帯を形成するようにしてもよい。
【0032】
そして、これら磁石10,11は、傾斜面8aを被粉砕物W2が滑り落ちるときに、被粉砕物W2中に混入している金属を捕集する。すなわち、これら磁石10,11は、粉砕機5へ投入される前に被粉砕物W2から金属を捕集することができるのである。
【0033】
また、磁石10,11は、ホッパ8の傾斜面8aに被粉砕物W2が滑り落ちる傾斜方向に間隔を空けて設置されているので、仮に、上方側の磁石10で金属を捕集することができずとも、下方側の磁石11で金属を捕集できる機会があり、効率よく金属を捕集することが可能である。
【0034】
さらに、傾斜面8aを被粉砕物W2が転がりながら落下していくような場合にあっても、磁石10,11は、ホッパ8の傾斜面8aに被粉砕物W2が滑り落ちる傾斜方向に間隔を空けて設置されているので、図3に示すように、被粉砕物W2が上方側の磁石10上を通過する際に、丁度、金属Fが磁石10に対して被粉砕物W2の反対側に位置する状況となって、上方側の磁石10で金属Fを捕集できなくても、間隔を空けて設けた下方側の磁石11で金属Fを捕集することができる機会が生じ、粉砕機5への金属投入機会を著しく減少することができる。
【0035】
またさらに、磁石10,11は、傾斜面8aの全幅Wの全部に渡って設けられているので、この点によっても、粉砕機5への金属投入機会を著しく減少することができる。
【0036】
なお、磁石10,11の傾斜面8aの傾斜方向の幅は、破砕機1で破砕された被粉砕物W2の円周長さ以上に設定すると、より確実に金属Fを捕集することができるとともに、磁石10,11の間隔についても、破砕機1で破砕された被粉砕物W2の円周長さの整数倍とならないように設定することでより確実に金属Fを捕集することができる。被粉砕物W2の円周長さは、破砕機1の破砕ローラ2,2で破砕された被粉砕物W2をいくつかサンプルして平均値を求めておいてもよいし、破砕ローラ2,2間の隙間あるいは破砕ローラ2の刃間距離のうち短いものを被粉砕物W2の直径推定値として、この直径推定値から円周長さを求めるようにしてもよい。
【0037】
また、下方側の磁石11の傾斜面8aへの設置位置は、図3に示すように、ホッパ8内で粉砕機5の粉砕処理が間に合わず被粉砕物W2が堆積してブリッジを形成する虞があるところを下限Vとするとよく、具体的には、センサ20が被粉砕物W2をホッパ8内で過剰に堆積したことを検知する際の堆積した被粉砕物W2の傾斜面8aにおける上限を上記設置位置の下限Vに設定すればよく、実験的にセンサ20で被粉砕物W2の堆積を検知させて磁石11の傾斜面8aへの設置下限Vを設定すればよい。このように磁石11の傾斜面8aへ設置位置を上記下限Vより上方とすることで、磁石11が被粉砕物W2に埋まってしまって機能しなくなるといった事態を確実に防止できる。
【0038】
また、上方側の磁石10によって金属の捕集が進むと、磁石10と捕集された金属がストッパとなって磁石10の上方側にも被粉砕物W2が堆積される傾向となり、被粉砕物W2が斜面を落下する速度が遅いと当該堆積が進んで、破砕機1から順次排出された被粉砕物W2が当該堆積を乗り越えることによって磁石10に接触せずに飛び越えてしまう虞がある。したがって、このような虞が無いところを上方側の磁石10の傾斜面8aへの設置位置の上限とするとよく、具体的には、傾斜面8aの上端から被粉砕物W2の直径の1.5倍した距離以上離すと、上記磁石10の飛び越しを抑制できることが経験的に確かめられている。また、被粉砕物W2の傾斜面8aを落下する速度が速くなりすぎると、被粉砕物W2に埋まった金属を捕集しにくくなるので、上方側の磁石10は、傾斜面8aの上端から被粉砕物W2の直径の2倍した距離より上方側へ設置しておくとよい。
【0039】
したがって、磁石10の傾斜面8aへの設置位置の上限Uは、傾斜面8aの上端から被粉砕物W2の直径の1.5倍した距離のところに設定すると、さらに効率よく金属の捕集を行うことができる。すなわち、磁石10,11の設置位置を上記上限Uと下限Vの範囲R内とすることで、より効果的に金属を捕集することができることになる。
【0040】
また、上方側の磁石10にあっては、傾斜面8aの上端から被粉砕物W2の直径の1.5倍した距離から2倍した距離の範囲内に設置すると、より一層効率的に金属を捕集することができるようになる。
【0041】
なお、上述したように、磁石10,11の設置位置を上限Uと下限Vの範囲R内に設置することでより効果的に金属を捕集することができるのであるが、このことは、上限Uと下限Vの範囲Rから逸脱する範囲への磁石10,11の設置を妨げる趣旨ではない。
【0042】
さらに、磁石10,11には、特に、磁力の強い希土類磁石を用いると金属をより一層効率よく捕集できる。また、磁石は、この実施の形態では、傾斜面8aに二列設けられているが、それ以上設けるようにしてもよく、数が磁石の列数が増えれば増えるほど金属捕集効果が高くなる。
【0043】
戻って、粉砕機5の粉砕ローラ6,6は、ともに、外周に粉砕歯を備えて、外周同士の隙間を0〜数mm程度に設定して水平横方向に沿って、かつ、回転軸が並行となるように配置されており、図1中左に配置される粉砕ローラ6は時計回りに、図1中右に配置される粉砕ローラ6は反時計周りに、それぞれモータM2によって回転駆動され、ホッパ8が設置される図1中上端側から破砕機1で破砕された被粉砕物W2を投入すると、被粉砕物W2は回転駆動される粉砕ローラ6,6間に導かれて粉砕され、粉砕後のより細かい繊維状の被粉砕物W3がハウジング7の図1中下端に設けた排出口7bから排出されるようになっている。
【0044】
この粉砕されて粉砕機5の下方から排出された被粉砕物W3は、粉砕機5のさらに下方に配置されてベースBに設置されるコンベアCによって、ベースB外へ搬送されるようになっている。
【0045】
そして、本実施の形態における破砕機1では、図1中破砕ローラ2,2が垂直上下方向に沿って配置されるので、特に、長尺な被粉砕物W1の破砕機1への投入は水平横方向から行うことができ、その投入作業が非常に容易となるのであるが、厳密に破砕ローラ2,2を垂直上下方向に沿って配置せず、破砕ローラ2,2を垂直上下方向に対して少々傾きを持って上下に配置してもよく、粉砕機5にあっても、図1中粉砕ローラ6,6が水平横方向に沿って配置されるようになっているが、厳密に粉砕ローラ6,6を水平横方向に沿って配置せず、粉砕ローラ6,6を水平横方向に対して少々傾きを持って横に配置してもよい。
【0046】
上述したところから理解できるように、本実施の形態における粉砕装置にあっては、大きな被粉砕物W1はまず破砕機1で破砕されて粉砕機5で粉砕が可能な程度の大きさのチップ状の被粉砕物W2とされ、粉砕機5は破砕機1の斜め下方に配置されていることから、被粉砕物W2は、粉砕機5の斜め上方からホッパ8内に投入されることになる。
【0047】
すなわち、破砕機1の排出口3aから排出される被粉砕物W2は、ホッパ8の破砕機1側の傾斜面8a上に落下後、当該傾斜面8a上を滑って粉砕機5における粉砕ローラ6,6間に投入されることになるが、被粉砕物W2が傾斜面8aを滑り落ちる際に磁石10,11によって金属が捕集され、粉砕機5には金属が取り除かれた後の被粉砕物W2が投入される。なお、捕集された金属は、粉砕作業の終了後、或いはその途中に、カバー9を開いて回収することができる。
【0048】
したがって、本実施の形態における粉砕装置にあっては、作業者が被粉砕物W1中の金属をわざわざ取り除くといった作業を行わずとも、粉砕機5に被粉砕物W2が投入される前に、被粉砕物W2に混入した金属を効率よく捕集することができ、粉砕機5へ金属が投入される機会を減少させることができるので、粉砕機5の劣化を防止することができる。
【0049】
なお、破砕ローラ2,2および粉砕ローラ6,6の駆動に際してはモータM1,M2を使用しているが、油圧モータを使用することも可能である。さらに、破砕機1は、被粉砕物W1を粉砕機5で粉砕可能な程度の大きさは際することが可能であればよく、粉砕機5においても、被粉砕物W2をより細かい被粉砕物W3にまで粉砕することが可能であればよいので、破砕ローラ2および粉砕ローラ6の具体的構成は上記した物に限定されないことは当然である。
【0050】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】一実施の形態における粉砕装置の概略側面断面図である。
【図2】一実施の形態における粉砕装置の概略平面図である。
【図3】一実施の形態における粉砕装置のホッパの傾斜面部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 破砕機
2 破砕ローラ
2a 軸
2b 破砕歯
3,7 ハウジング
3a,7b 排出口
4 被粉砕物投入台
5 粉砕機
6 粉砕ローラ
7a 投入口
8 ホッパ
8a ホッパにおける傾斜面
8b ホッパにおける対向傾斜面
8c,8d ホッパにおける側面
9 カバー
9a のぞき窓
10,11 磁石
20 センサ
20a 投光器
20b 受光器
B ベース
C コンベア
F 金属
L1,L2 脚
M1,M2 モータ
P1,P2 天板
W1、W2,W3 被粉砕物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に並行配置される一対の破砕ローラを回転させて被粉砕物を破砕ローラ間で破砕する破砕機と、破砕機の斜め下方に設置されて横に並行配置される一対の粉砕ローラを回転させて破砕機で破砕された被粉砕物を粉砕ローラ間で粉砕する粉砕機とを備えた粉砕装置において、破砕機と粉砕機との間に破砕機で破砕された被粉砕物を受けて粉砕機へ投入するホッパを設け、ホッパの被粉砕物が滑り落ちる傾斜面に金属を捕集する少なくとも二つ以上の磁石を傾斜方向に間隔を空けて設置したことを特徴とする粉砕装置。
【請求項2】
磁石は、傾斜面の傾斜方向に対して直角方向の全幅に亘って設置されることを特徴とする請求項1に記載の粉砕装置。
【請求項3】
下方に設置される磁石は、傾斜面においてホッパ内で堆積する被粉砕物内に埋没しない位置に設置されることを特徴とする請求項1または2に記載の粉砕装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−142743(P2009−142743A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322008(P2007−322008)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】