説明

紐掛け古紙ストッカー

【課題】 容器内に新聞紙、雑誌等の古紙を積み重ねてストックし、そのまま結束が出来る新聞紙、雑誌ストッカーを提供する。
【解決手段】 側壁から底部を通り対面側の側壁まで連続し、コーナー部を曲率もたせて繋いだ溝を設けた容器と、断面形状が円弧状の弾性を持った帯で、先端には紐を差し込む穴を設けたメッセンジャーを用いることにより容器内に積み重ねた新聞紙、雑誌をそのまま結束可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新聞紙、雑誌等の古紙をストックして紐掛けする古紙用ストッカ−に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、紙の大量消費により公害や森林資源枯渇が問題化してきており、古紙リサイクルへの社会的要求が増大してきている。新聞紙、雑誌等の古紙をリサイクルするためには、家庭やオフィスで古紙を、一定量ストックし、荷造りした上で、所定日に収集場所へ運び込む必要がある。
【0003】
通常家庭やオフィスで新聞紙や雑誌等は、紙袋や箱やカゴを用いて一定量貯まるまでストックする。紙袋を用いた場合、紙袋の強度が弱いので、重量が大きい時には紙袋の外側に紐掛けをしている。箱やカゴを用いた場合は、新聞紙や雑誌を積み重ねて紐掛けしているが、この時荷崩れして紐掛けがスムーズにいかない等の問題があった。
【0004】
そこで古紙のストックと結束の作業を改善するために、一つの用具でストックと結束が出来るように種々の工夫がなされてきている。その例としては、古紙を一定量貯めた後でそのまま結束するために、格子状枠体の上部に箱状の容器を形成し、紐を通すための間隙を設けたものがある。(特許文献1)
【0005】
【特許文献1】特開平8−85510
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
古紙をストックする容器部分と結束装置が別個になっていると、荷造り作業時に古紙を移し替えて積み重ねなければならず、紐掛け時に荷崩れが起きると結束が出来ない問題があった。
【0007】
容器に古紙を積み重ねた状態でストックし、そままひも通しを行う用具の場合、従来の紐掛けストッカーでは、容器部分の内壁や底部に設けられた溝に直進と折れ曲がりが存在するために、メッセンジャーがスムーズに通り抜けられなかった。即ち、メッセンジャーの直線部での直進と、コーナー部での容易な曲がりの両立が困難であるという問題があった。
【0008】
上述の特許文献1では、図5に示すように紐掛けをするために容器部7にスリット7aを設け、更に紐を送るために容器部の格子状枠6の内部に下部に作業に必要な空間6aを設けなければならないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
古紙をストックする容器部の一方の側壁から底部を通り対面側の側壁まで連続した溝を設け、側壁と底部のコーナー部分は曲率を持って滑らかに接続されている。更に、この溝の直交方向にも一方の側壁から底部を通り対面側の側壁まで同様の溝が設けられている。底部においては2方向の溝が十字状に交差している。
【0010】
この溝を通り紐を引導するメッセンジャーは、断面形状が円弧状で弾性を有した帯材であり、長さは溝の長い方より大きく取ってあり先端部には紐を引っ掛ける穴を有している。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、新聞紙、雑誌等の古紙は、必要の都度容器部に積み重ね、一定量溜まった後で、その容器から古紙を移し替えすることなくそのまま結束が出来る。
【0012】
結束は、メッセンジャーの先端部の穴に紐を差し込み、容器の一方の溝のから挿入すると、後述するようにメッセンジャーは溝をスムーズに通り抜け、紐が引っ掛かったまま対面側の溝から出てくる。ここで、紐をメッセンジャーから一旦取り外し、メッセンジャーを溝から引き抜き、紐を十分に引き出しておいてから再度紐をメッセンジャーの先端部の穴に紐を差し込んで、直交方向の溝の一方から挿入すると、その対面側の溝から出てくる。ここでメッセンジャーを溝から引き抜き、紐の先端を先に通り抜けた紐の途中部分に絡ませてから、送り込み側と縛れば古紙の結束は終了する。結束された古紙を容器から取り出せば荷造りは完了する。紐の切断は紐を縛った後でも結束はできる。
【0013】
メッセンジャーが溝を通る際、次のような作用によりスムーズに溝を通り抜けることが出来る。即ち、先端の穴に紐が引っ掛けられた状態で溝に挿入されたメッセンジャーは、その断面が円弧状になっているために、真直作用が働き、溝の直線部では直進する。次に溝のコーナー部では、メッセンジャーの先端は溝コーナーの底部に接触し、先端より後方の部分でメッセンジャーの両端が古紙と接触する。この時メッセンジャーの両端が古紙から押力を受けるので、メッセンジャーの断面の円弧形状が維持できなくなるので、メッセンジャーはこの部分で容易に曲がることが出来る。換言すれば、断面が円弧形状のメッセンジャーは、直線部での直進とコーナー部での容易な曲がりが両立できる。
【0014】
結束の際、紐を複数回巻きにする必要がある時には、紐を一旦溝に通した後、紐をメッセンジャーから外し、メッセンジャーを溝から引き抜き、紐を充分量引き出しておいて、再度同様にメッセンジャーにて紐通しをして、紐の先端と送りこみ側で縛る。更に巻く場合にはメッセンジャーにてひも通しを繰り返した後に、紐の先端と送り込み側を縛る。
【0015】
本発明の紐掛けストッカーでは容器部にスリットを設けたり、容器下部に作業用空間を設ける必要はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1において、ストッカーの容器1、その容器1の側壁及び底部には溝1a,それと直交する溝1bが設けられており、溝1aと溝1bの断面形状は同じである。一方、図2において溝に紐を引っ掛けて通すメッセンジャー2は断面形状が円弧状の帯で、その長さは溝1a、溝1bの長い方より長くしてあり、先端部には紐を差し込む穴2aが設けられており、この穴2aは前後方向に先細り形状をしていると、紐を差し込んで送り込むときに紐が食い込むようになるので、紐は容易にはずれなくなる。メッセンジャー2の先端はメッセンジャー2が溝のコーナーに差しかかった時に、メッセンジャーを容易に曲がり始めるための曲がり導入部2bを細く削ってある。図3は紐玉3から引き出された紐3aをメッセンジャー2の先端穴2aひ引っ掛けて紐を送り出したときの状態を表している。
【0017】
メッセンジャー2が容器1の側壁部を通過する時は、容器1の内部に積み重ねられた古紙3bとの干渉されないので、メッセンジャー2は断面が円弧形状の真直作用により、直進する。容器の側壁と底部が交差するコーナー部では、メッセンジャー2の先端部がコーナーの底部に当たりメッセンジャ−2は容器の内側へ寄ってくる。すると、メッセンジャ−2の先端後部にて古紙に接触し押力を受け、断面の円弧形状が維持できなくなり、メッセンジャー2は容易に曲がり始める。この時先端が細くなっていると、コーナー底部の曲率に合わせメッセンジャーの曲がりは更に容易になる。メッセンジャー2を更に押し込むと、やがてメッセンジャー2の先端が対面側の溝からつきだしてくる。メッセンジャー2の先端から紐を取り外し、十分に引き出しておいてから直交方向の溝に同様の操作をすることにより、ひも通しは終了する。この後、紐の先端をすでに通した紐の途中に絡めてから、紐の先端と送り側を縛れば結束が完了する。
【0018】
図4において容器4は前記同様溝4a及び4b設けてあるが、これに取っ手ブラケット4c、4bを設け、取っ手5a、5bを取り付けると、容器は通常の手カゴとほぼ同等になり、手カゴとしての用途にも使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による紐掛け古紙ストッカーの容器の斜視図
【図2】本発明による紐掛けストッカーのメッセンジャーを表す図
【図3】本発明による紐掛け古紙ストッカーの紐通しを説明する斜視図
【図4】本発明による紐掛けストッカーの手かごの斜視図
【図5】従来の新聞雑誌収納箱の構成を説明する図
【符号の説明】
【0020】
1 容器
1a 溝
1b 溝
2 メッセンジャー
2a 穴
2b 曲がり導入部
3 紐玉
3a 紐
3b 古紙
4 手カゴ
4a 溝
4b 溝
4c 取っ手ブラケット
4d 取っ手ブラケット
5a 取っ手
5b 取っ手
6 格子状枠体
6a 作業用空間
7 容器部
7a スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面形状が円弧状の弾性を有した帯で、先端部に紐を差し込む穴を設けたことを特徴とする紐通し用メッセンジャー。
【請求項2】
容器の側壁から底部を通り対面側の側壁まで連続しかつ側壁と底部を曲率を持った底面で繋いだ溝を直交2方向に設け、紐を引導する用具として請求項1を具備したことを特徴とする紐掛け古紙ストッカー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−99326(P2007−99326A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−289724(P2005−289724)
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【出願人】(301003470)大業理研株式会社 (3)
【Fターム(参考)】