説明

紫外線処理装置の流体処理方法及び紫外線処理装置

【課題】最低紫外線照射量を高めて評価性能を向上させた紫外線処理装置の流体処理方法及び紫外線処理装置を提供する。
【解決手段】筒状の処理槽2に棒状の紫外線ランプ8を収め、当該処理槽2の入口6から流体を導入し紫外線ランプ8で紫外線照射処理し処理槽2の出口から導出する紫外線処理装置1の流体処理方法において、処理槽2内で流体の流れが速い箇所の紫外線照度を流れが遅い箇所の紫外線照度よりも高めた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水等の殺菌に好適な紫外線処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体が流通する筒状の処理槽に、流体の流れに沿って延びる棒状の紫外線ランプを複数設置し、殺菌などを行う紫外線処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。係る紫外線処理装置は、浄水場に設置されて原水の浄水処理や各種工業用水の処理に好適に用いられている。この紫外線処理装置では、同一出力の紫外線ランプを使用し、複数の紫外線ランプは処理槽の中心軸の周りに等間隔に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−236534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、処理槽内を流れる流体の流速は均一ではなく、処理槽への流体の出入口の配置位置によっては、流体の流速に大きなばらつきが生じる。流体は、流れが速くなるほど処理槽内における滞留時間が短くなり、流体が受ける紫外線照射量が低くなる。
紫外線処理装置は、多くの場合、紫外線照射量の最も少ない部分を基準にして性能が評価されるため、最低紫外線照射量が低いほど、性能が低く評価されてしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、最低紫外線照射量を上げて評価性能を向上させた紫外線処理装置の流体処理方法及び紫外線処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、筒状の処理槽に棒状の紫外線ランプを収め、当該処理槽の入口から流体を導入し前記紫外線ランプで紫外線照射処理し前記処理槽の出口から導出する紫外線処理装置の流体処理方法において、前記処理槽内で流体の流れが速い箇所の紫外線照度を流れが遅い箇所の紫外線照度よりも高めたことを特徴とする。
【0006】
また本発明は、筒状の処理槽に棒状の紫外線ランプを収め、当該処理槽の入口から流体を導入し前記紫外線ランプで紫外線照射処理し前記処理槽の出口から導出する紫外線処理装置において、前記処理槽内で流体の流れが速い箇所の紫外線照度を流れが遅い箇所の紫外線照度よりも高めたことを特徴とする。
【0007】
上記構成において、前記入口を前記処理槽の側面に設け、前記入口に対向する前記処理槽の内側面側で、前記入口から前記出口に至る流体の経路全体に亘り、紫外線照度を高めてもよい。
【0008】
上記構成において、前記処理槽に複数本の前記紫外線ランプを収め、前記流体の流れが速い箇所の近傍に位置する紫外線ランプの光量を、他の紫外線ランプの光量よりも高めてもよい。
【0009】
上記構成において、前記入口に対向する前記処理槽の内側面側に前記紫外線ランプを寄せて配置してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、処理槽内で流体の流れが速い箇所の紫外線照度を流れが遅い箇所の紫外線照度よりも高めたため、最低紫外線照射量を上げて紫外線処理装置の評価性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る紫外線処理装置の縦断面を示す模式図である。
【図2】図1のII−II断面を示す図である。
【図3】複数の紫外線ランプの出力を同一とした場合の紫外線照度を解析した結果を示す図であり、(A)は紫外線処理装置の横断面における紫外線照度分布を示す図であり、(B)は(A)における紫外線照度の指標を示す図である。
【図4】複数の紫外線ランプの出力を同一とした場合の流体の経路による紫外線照射量を解析した結果を示す図であり、(A)、(B)、(C)はそれぞれ、図1の紫外線処理装置の内部における流体の流路を、前方から、右方から、後方から見た図として示し、(D)は(A)−(C)における紫外線照射量の指標を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る紫外線処理装置の横断面を示す模式図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る紫外線処理装置の横断面を示す模式図である。
【図7】図6の紫外線照射装置の紫外線照度を解析した結果を示す図であり、(A)は紫外線処理装置の横断面における紫外線照度分布を示す図であり、(B)は(A)における紫外線照度の指標を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る紫外線処理装置の横断面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、本発明に係る紫外線処理装置の一態様として、浄水場に設けられ、浄水処理後の水を殺菌対象物として殺菌(消毒)を行い、耐塩素性病原微生物を不活性化する紫外線処理装置を説明する。
<第1の実施の形態>
図1は第1の実施の形態に係る紫外線処理装置の断面を示す模式図であり、図2は図1のII−II断面を示す図である。
これらの図に示すように、紫外線処理装置1は、筐体を構成する円筒状の処理槽2と、この処理槽2に内設された複数(本実施の形態では、3本)の棒状の紫外線ランプ体3とを有している。
【0013】
処理槽2は、例えばステンレス鋼から形成され、その上下の開口がフランジ4,5により閉塞されている。処理槽2の側面2Aの下方には、水を導入する導入ポート(入口)6が配設され、また、側面2Aの上方には、殺菌処理した水を導出する導出ポート(出口)7が配設されている。導入ポート6からは、殺菌前の水が所定の流量(或いは流圧)を保ちながら処理槽2内に導入され、その流圧によって処理槽2内を上方の導出ポート7に向かって移動する。そして、水は処理槽2内を移動中に上記紫外線ランプ体3による紫外線の照射を受けて殺菌され導出ポート7から外部に吐出される。
【0014】
紫外線ランプ体3のそれぞれは、直管状の紫外線ランプ8と、この紫外線ランプ8を装着する例えば石英ガラスから形成された紫外線透過性の円筒管としてのランプスリーブ9とを有している。
ランプスリーブ9のそれぞれは、処理槽2の中心軸Cと平行に延在し、上下のフランジ4,5を貫通するように設けられ、その両端が開口している。
上記紫外線ランプ8は、ランプスリーブ9に装着した際に、導入ポート6から導出ポート7に亘って延在する程度の長さを有して構成されており、これにより、導入ポート6から導出ポート7に至る流路の全範囲にわたって紫外線が照射される。
【0015】
3本の上記紫外線ランプ体3は、図2に示すように、処理槽2の中心軸Cと同心円の円周に沿って等間隔に配置されており、中心軸Cからみて隣り合う2つの紫外線ランプ体3がなす角度θが各々120度(=360度/3)と等角度になっている。
また、紫外線ランプ体3は、3本に限らず、N(N≧2を満たす自然数)本の紫外線ランプ体3を処理槽2に内設する構成としても良い。但し、この構成においても、N本の紫外線ランプ体3のそれぞれは、処理槽2の中心軸Cと同心円の円周に沿って等間隔に配置され、中心軸Cからみて隣り合う2つの紫外線ランプ体3がなす角度が、各々360度/Nと等角度になされる。
【0016】
処理槽2には、各ランプスリーブ9の表面を清掃するクリーニングプレート11が内設されている。クリーニングプレート11には、ランプスリーブ9が嵌め込まれる環状のクリーニングブラシ12が設けられている。クリーニングプレート11は、モータ13の駆動によって処理槽2の下端から上端の間を定期的に往復移動可能に構成され、この移動によりクリーニングブラシ12でランプスリーブ9の表面に付着したスケール等の汚れが除去される。これにより、ランプスリーブ9の表面の汚れによって紫外線透過率が低下することがなく殺菌能力を維持できる。
【0017】
図3は複数の紫外線ランプ8の出力を同一とした場合の紫外線照度を解析した結果を示す図であり、図3(A)は紫外線処理装置1の横断面における紫外線照度分布を示す図であり、図3(B)は図3(A)における紫外線照度の指標を示す図である。図4は複数の紫外線ランプ8の出力を同一とした場合の流体の経路による紫外線照射量を解析した結果を示す図であり、図4(A)、図4(B)、図4(C)はそれぞれ、図1の紫外線処理装置1の内部における流体の流路を、前方から、右方から、後方から見た図として示し、図4(D)は図4(A)−図4(C)における紫外線照射量の指標を示す図である。
図3に示すように、紫外線照度は、導入ポート6入口で最も低い照度K0となっており、処理槽2内では、紫外線ランプ体3に近づくにつれて高くなり、処理槽2の中心軸C側の紫外線ランプ体3周囲で最も高い照度K1となる。また、処理槽2内では、隣り合う紫外線ランプ体3の間に位置する処理槽2の内周面(例えば、導入ポート6に対向する内側面2B)近傍でも、紫外線照度が最も低い照度K0となっている。
【0018】
また、図4に示すように、処理槽2内では、流体が様々な経路を通って流れており、その経路の長さは均一でないため、経路によって流体の処理槽2内における滞留時間が異なる。略螺旋状に流れる流体は、導入ポート6から導出ポート7への経路が長く流れが遅いため、その紫外線照射量が高くなる。例えば紫外線ランプ体3の周囲を螺旋状に延びる経路Aでは、流体の紫外線照射量は、導入ポート6から導出ポート7に至る間に紫外線照射量L0から紫外線照射量L1に増加する。
【0019】
一方、略直線状に流れる流体は、導入ポート6から導出ポート7への経路が短く流れが速いため、紫外線照射量は低くなる。例えば、導入ポート6に対向する内側面2Bに沿って延びる経路Bでは、流体の紫外線照射量は、導入ポート6から導出ポート7に至る間に紫外線照射量L0から紫外線照射量L1より低い紫外線照射量L2となる。
紫外線処理装置1では、紫外線照射量の最も低い部分を基準にして性能が評価されるため、図4に示すように、紫外線照射量が大きくばらついていて最低紫外線照射量が低いと、性能が低く評価されてしまう。
【0020】
そこで、本実施の形態では、処理槽2内で流体の流れが速い箇所の紫外線照度を流れが遅い箇所の紫外線照度よりも高めている。より詳細には、図2に示すように、各紫外線ランプ8に紫外線ランプ8A〜8Cと符号を付して各々を区別して表記すると、紫外線処理装置1は、流体の流れが速い箇所の近傍に位置する紫外線ランプ8A,8Bの光量を、他の紫外線ランプ8Cの光量よりも高める構成としている。この構成としては、例えば、導入ポート6に対向する内側面2Bの近傍に位置する紫外線ランプ8A,8Bに他の紫外線ランプ8Cよりも出力の高い紫外線ランプを使用することが好適である。
したがって、光量の多い紫外線ランプ8A,8Bにより、最低紫外線照射量となる内側面2B側に、より多くの紫外線を照射できるので、紫外線照射量のばらつきを小さくし、最低紫外線照射量を上げることができ、その結果、紫外線処理装置1の評価性能を向上できる。
【0021】
以上説明したように、本実施の形態によれば、処理槽2内で流体の流れが速い箇所の紫外線照度を流れが遅い箇所の紫外線照度よりも高め、より具体的には、導入ポート6を処理槽2の側面2Aに設け、導入ポート6に対向する処理槽2の内側面2B側で、導入ポート6から導出ポート7に至る流体の経路全体に亘り、紫外線照度を高めた構成とした。この構成により、最低紫外線照射量となる内側面2B側に多くの紫外線を照射できるので、最低紫外線照射量を上げて紫外線処理装置1の評価性能を向上できる。
【0022】
また、本実施の形態によれば、処理槽2に複数本の紫外線ランプ8A〜8Cを収め、流体の流れが速い箇所の近傍に位置する紫外線ランプ8A,8Bの光量を、他の紫外線ランプ8Cの光量よりも高める構成とした。この構成により、例えば、紫外線ランプ8A〜8Cを処理槽2の中心軸Cの周りに等間隔に配置できるので、紫外線処理装置1の構成を簡略化できる。
【0023】
<第2の実施の形態>
図2に示す紫外線処理装置1では、処理槽2に複数本の紫外線ランプ8A〜8C(紫外線ランプ体3)を収めていたが、図5に示す紫外線処理装置100では、処理槽2に1本の紫外線ランプ体3を収めている。なお図5では、図2に示す紫外線処理装置1と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
紫外線処理装置100では、処理槽2の中心軸Cに対し、導入ポート6に対向する内側面2B側に紫外線ランプ体3を寄せて配置している。
したがって、最低紫外線照射量となる内側面2Bに、より多くの紫外線を照射できるので、紫外線照射量のばらつきを小さくし、最低紫外線照射量を上げることができ、その結果、紫外線処理装置100の評価性能を向上できる。
【0024】
このように、本実施の形態では、導入ポート6に対向する処理槽2の内側面2B側に紫外線ランプ体3(紫外線ランプ8)を寄せて配置する構成とした。この構成により、最低紫外線照射量となる内側面2B側に多くの紫外線を照射できるので、最低紫外線照射量を上げて紫外線処理装置100の評価性能を向上できる。
【0025】
<第3の実施の形態>
図2に示す紫外線処理装置1では、流体の流れが速い箇所の近傍に位置する紫外線ランプ8A,8Bの光量を、他の紫外線ランプ8Cの光量よりも高めていたが、図6に示す紫外線処理装置200では、導入ポート6に対向する内側面2B側に紫外線ランプ体3を寄せて配置している。なお図6では、図2に示す紫外線処理装置1と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。また図6では、各紫外線ランプ体3に紫外線ランプ体3A〜3Cと符号を付して各々を区別して表記する。
紫外線処理装置200では、複数本(例えば、3本)の紫外線ランプ8に同一出力の紫外線ランプを使用するとともに、1本の紫外線ランプ体3Aが導入ポート6に対向する内側面2Bの最近傍に位置するようにし、また紫外線ランプ体3A〜3Cを処理槽2の中心軸Cと同心円の円周に沿って等間隔に配置している。このように構成した紫外線処理装置200の紫外線照度を図7に示す。
【0026】
図7は、紫外線照射装置200の紫外線照度を解析した結果を示す図であり、図7(A)は紫外線処理装置の横断面における紫外線照度分布を示す図であり、図7(B)は図7(A)における紫外線照度の指標を示す図である。なお図7では、図3に示す紫外線照度と同一の紫外線照度となる部分には同一の符号を付すものとする。
図3に示す複数の紫外線ランプ体3の出力を同一とした紫外線照射装置1では、流体の流れが速い、導入ポート6に対向する内側面2B近傍において、紫外線照度が最も低い照度K0となっていたが、図7に示す紫外線照射装置200では、流体の流れが速い内側面2B近傍において、紫外線照度が照度K0よりも高い照度K2となっている。
したがって、内側面2Bの近傍に配置した紫外線ランプ体3Aにより、最低紫外線照射量となる内側面2B側に多くの紫外線を照射できるので、紫外線照射量のばらつきを小さくし、最低紫外線照射量を上げることができ、その結果、紫外線処理装置200の評価性能を向上できる。
【0027】
このように、本実施の形態では、導入ポート6に対向する内側面2Bの最近傍に寄せて紫外線ランプ体3A(紫外線ランプ8)を配置する構成とした。この構成により、最低紫外線照射量となる内側面2B側に多くの紫外線を照射できるので、最低紫外線照射量を上げて紫外線処理装置200の評価性能を向上できる。また、紫外線ランプ8に同一の紫外線ランプを用いることができるので、部品種類を少なくし、部品管理が容易になる。
なお、本実施の形態において、内側面2Bに近い紫外線ランプ体3Aの光量を他の紫外線ランプ体3B,3Cの光量より高くしてもよい。この場合、例えば、内側面2Bに近い紫外線ランプ体3Aの紫外線ランプ8に他の紫外線ランプ体3B,3Cの紫外線ランプ8よりも出力の高い紫外線ランプを使用すればよい。
【0028】
<第4の実施の形態>
図2に示す紫外線処理装置1では、流体の流れが速い箇所の近傍に位置する紫外線ランプ8A,8Bの光量を、他の紫外線ランプ8Cの光量よりも高めていたが、図8に示す紫外線処理装置300では、導入ポート6に対向する内側面2B側に紫外線ランプ体3を寄せて配置している。なお図8では、図2に示す紫外線処理装置1と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。また図8では、各紫外線ランプ体3に紫外線ランプ体303A〜303Cと符号を付して各々を区別して表記する。
【0029】
紫外線処理装置300では、複数本(例えば、3本)の紫外線ランプ8に同一出力の紫外線ランプを使用するとともに、複数本(本実施の形態では2本)の紫外線ランプ体303A,303Bを導入ポート6に対向する内側面2B側に寄せて配置している。より詳細には、紫外線ランプ体303A,303Bを、処理槽2の中心軸Cと同心円の円周上に、導入ポート6に対向する内側面2B側に寄せて配置している。すなわち、本実施の形態では、内側面2B側に寄せて配置される紫外線ランプ体303A,303Bがなす角度θ1(θ1<θ)は、内側面2B側に寄せて配置される紫外線ランプ体303A,303Bと他の紫外線ランプ体303Cがなす角度θ2(θ2>θ)より小さくなる。ここで、角度θは、図2に示すように、3本の紫外線ランプ体3を処理槽2の中心軸Cと同心円の円周に沿って等間隔に配置した場合に、隣り合う2つの紫外線ランプ体3がなす角度である。
【0030】
したがって、紫外線ランプ体303A,303Bにより、最低紫外線照射量となる内側面2B側に多くの紫外線を照射できるので、紫外線照射量のばらつきを小さくし、最低紫外線照射量を上げることができ、その結果、紫外線処理装置300の評価性能を向上できる。
【0031】
このように、本実施の形態では、導入ポート6に対向する内側面2Bに紫外線ランプ体303A,303B(紫外線ランプ8)を寄せて配置する構成とした。この構成により、最低紫外線照射量となる内側面2Bに多くの紫外線を照射できるので、最低紫外線照射量を上げて紫外線処理装置300の評価性能を向上できる。また、紫外線ランプ8に同一の紫外線ランプを用いることができるので、部品種類を少なくし、部品管理が容易になる。
【0032】
なお、本実施の形態において、内側面2Bに近い紫外線ランプ体303A,303Bの光量を他の紫外線ランプ体303Cの光量より高くしてもよい。この場合、例えば、内側面2Bに近い紫外線ランプ体303A,303Bの紫外線ランプ8に他の紫外線ランプ体303Cの紫外線ランプ8よりも出力の高い紫外線ランプを使用すればよい。
また、本実施の形態では、紫外線ランプ体303A〜303Cは、処理槽2の中心軸Cと同心円の円周上に配置されたが、紫外線ランプ体303A〜303Cの配置方法はこれに限定されるものではない。
【0033】
上記第1〜第4の実施の形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、導入ポート6及び導出ポート7は処理槽2の周方向の同一位置に設けられていたが、処理槽2の周方向でずらして設けられてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 紫外線処理装置
2 処理槽
3 紫外線ランプ体
2A 側面
2B 内側面
6 導入ポート(入口)
7 導出ポート(出口)
8 紫外線ランプ
9 ランプスリーブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の処理槽に棒状の紫外線ランプを収め、当該処理槽の入口から流体を導入し前記紫外線ランプで紫外線照射処理し前記処理槽の出口から導出する紫外線処理装置の流体処理方法において、
前記処理槽内で流体の流れが速い箇所の紫外線照度を流れが遅い箇所の紫外線照度よりも高めたことを特徴とする流体処理方法。
【請求項2】
筒状の処理槽に棒状の紫外線ランプを収め、当該処理槽の入口から流体を導入し前記紫外線ランプで紫外線照射処理し前記処理槽の出口から導出する紫外線処理装置において、
前記処理槽内で流体の流れが速い箇所の紫外線照度を流れが遅い箇所の紫外線照度よりも高めたことを特徴とする紫外線処理装置。
【請求項3】
前記入口を前記処理槽の側面に設け、前記入口に対向する前記処理槽の内側面側で、前記入口から前記出口に至る流体の経路全体に亘り、紫外線照度を高めたことを特徴とする請求項2に記載の紫外線処理装置。
【請求項4】
前記処理槽に複数本の前記紫外線ランプを収め、
前記流体の流れが速い箇所の近傍に位置する紫外線ランプの光量を、他の紫外線ランプの光量よりも高めたことを特徴とする請求項2又は3に記載の紫外線処理装置。
【請求項5】
前記入口に対向する前記処理槽の内側面側に前記紫外線ランプを寄せて配置したことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の紫外線処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−210571(P2012−210571A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77226(P2011−77226)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】