紫外線照射装置
【課題】複数のカバー部材を用いても、被印刷物が受ける紫外線の照度の低下を防止できる紫外線照射装置を提供する。
【解決手段】被印刷物に、紫外線を照射する紫外線照射装置であって、被印刷物の搬送方向と直交する当該被印刷物の印刷幅方向に沿って並ぶ複数の紫外線光源と、複数の紫外線光源を覆うように、印刷方向に沿って直列に配置され、紫外線透過性を有する複数のカバー部材と、を備え、隣接する前記カバー部材同士が突き合わされる境界は、被印刷物の搬送方向に対して斜めに延びるように構成されている。
【解決手段】被印刷物に、紫外線を照射する紫外線照射装置であって、被印刷物の搬送方向と直交する当該被印刷物の印刷幅方向に沿って並ぶ複数の紫外線光源と、複数の紫外線光源を覆うように、印刷方向に沿って直列に配置され、紫外線透過性を有する複数のカバー部材と、を備え、隣接する前記カバー部材同士が突き合わされる境界は、被印刷物の搬送方向に対して斜めに延びるように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印刷物に、紫外線を照射する紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷機においては、印刷紙に塗布されたインキをごく短時間で乾燥させなければならない。このような乾燥のために紫外線を照射してインキを硬化させる印刷機が数多く提案されている。例えば、特許文献1に記載の印刷機では、UVランプ、LEDのような紫外線光源を用いた紫外線照射装置を用いている。この紫外線照射装置では、紫外線光源を石英ガラスなどの紫外線透過性を有するカバーで覆い、紫外線光源を保護している。
【0003】
ところで、紫外線光源は、印刷紙の搬送方向と直交する幅方向に沿って配置されており、これによって幅方向の全体に渡って印刷紙に紫外線を照射するようになっている。そのため、紫外線光源を覆うカバーは、印刷紙の幅よりも長いものを準備する必要がある。しかしながら、印刷紙の幅が大きいと、一体成型されたガラスのカバーを準備するのが難しく、取り扱いを容易にするためにも、複数のカバー部材を幅方向に並べて使用することが求められている。さらに、ガラスはサイズが大きいほど、大きさ以上に比例して高額になる。よって、小さいサイズのガラスを複数使用するほうが、コストダウンとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−103838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数のカバー部材を幅方向に並べた場合、次のような問題がある。すなわち、隣接するカバー部材の継ぎ目である境界は、紫外線がうまく透過されないため、カバー部材を通過するものと比べ、印刷紙が受ける紫外線の照度が著しく低下することになる。その結果、境界を通過した紫外線が照射される箇所は、インキの乾燥が不十分になるという問題が発生し、印刷の質が低下するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、複数のカバー部材を用いても、被印刷物が受ける紫外線の照度の低下を防止できる紫外線照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、被印刷物に、紫外線を照射する紫外線照射装置であって、前記被印刷物の搬送方向と直交する当該被印刷物の印刷幅方向に沿って並ぶ複数の紫外線光源と、前記複数の紫外線光源を覆うように、前記印刷幅方向に沿って直列に配置され、紫外線透過性を有する複数のカバー部材と、を備え、隣接する前記カバー部材同士が突き合わされる境界は、前記被印刷物の搬送方向に対して斜めに延びるように構成されている。
【0008】
この構成によれば、隣接するカバー部材の境界を、被印刷物の搬送方向に対して斜めに延びるように構成しているため、次の効果を得ることができる。従来のカバー部材は矩形状に形成されているため、隣接するカバー部材の境界は、被印刷物の搬送方向と平行に延びる直線となる。そのため、紫外線がうまく透過されず乾燥が不十分になる箇所は、被印刷物の搬送方向に沿う直線状の筋となって表れ、印刷の質を著しく低下させることになる。これに対して、本発明においては、カバー部材間の境界が搬送方向に対して斜めに延びているため、境界の印刷幅方向の長さに渡って、照度が低下する箇所が印刷幅方向に分散される。したがって、乾燥が不十分な箇所が発生するのを防止することができ、印刷の質を向上することができる。
【0009】
上記境界は、搬送方向に対して斜め方向に延びていれば、直線、波線、折れ線などであってもよい。また、搬送方向に対して、例えば、30〜45度の角度を形成しているとさらによい。これは、45度以下であると、境界が長くなりすぎず、持ち運びなどにおいて、カバー部材を取り扱いやすいからである。一方、30度以上とすると、境界が短くなりすぎず、照度が低下する箇所を印刷幅方向に適度に分散することができる。なお、この記載は、「搬送方向と斜め方向に延びた線との角度」を「30〜45度」の範囲に限定する記載ではなく、他の角度でも当然本願発明の効果を奏することができる。
【0010】
また、隣接するカバー部材間の境界には、紫外線透過性を有する樹脂を配置することもできる。例えば、カバー部材間に隙間が生じて空気の層が形成されると、空気の光の屈折率がカバー部材よりも小さいため、空気の層の直下では被印刷物が受ける照度が低下することがある。これに対して、上記のように構成することで、境界に形成される空気の層を樹脂で埋めることができ、被印刷物上の紫外線の照度の低下を防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る紫外線照射装置によれば、複数のカバー部材を用いても、乾燥の不具合による被印刷物の質の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る紫外線照射装置が装着される印刷機の一実施形態を示す概略側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明に係る紫外線照射装置の一実施形態の斜視図である。
【図4】図3の底面図である。
【図5】図3の平面図である。
【図6】図3の一部を透過した斜視図である。
【図7】図5のA−A線断面図である。
【図8】紫外線照射部の概略構造を示す斜視図である。
【図9】第2反射部材の組立を示す斜視図である。
【図10】紫外線LED基板の一例を示す平面図である。
【図11】カバー部材の平面図である。
【図12】図7のB−B線断面図である。
【図13】カバー部材の動作を示す斜視図である。
【図14】カバー部材の他の例を示す平面図である。
【図15】実施例1及び比較例のカバー部材の態様を示す平面図である。
【図16】実施例2の実験の概要を示す平面図である。
【図17】実施例1における照度の測定結果である。
【図18】比較例及び参考例における照度の測定結果である。
【図19】実施例2における照度の測定結果である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る紫外線照射装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、この紫外線照射装置が装着される印刷機の概略側面図、図2は図1の平面図である。
【0014】
まず、本実施形態の紫外線照射装置が装着される印刷機について説明する。この印刷機は、枚葉の被印刷物Pに対して、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及び仕上げ用透明インキ(OP)をこの順で塗布することでフルカラーの画像を形成するものである。ここで用いられるインキは、紫外線硬化性を有し、ラジカル重合型またはカオチン重合型の紫外線硬化樹脂を含有している。図1及び図2に示すように、この印刷機には、同図の右側から左側に向かって、上述した5つのインキを塗布する印刷ユニット1K,1C,1M,1Y,1Pがそれぞれ配置されている。各印刷ユニット1は、インキを供給するインキ供給装置11を備えており、各インキ供給装置11の下方には、インキが転写される版胴12、ゴム胴13、及び圧胴14が下方に向かってこの順で配置されている。さらに、各圧胴14においてゴム胴13と接触している位置から周方向の下流側には、被印刷物Pに紫外線を照射する紫外線照射装置2が配置されている。
【0015】
各印刷ユニット1間には、被印刷物Pを受け渡しするための渡し胴15が配置されている。より詳細には、各印刷ユニット1の最下部にある圧胴14の間に渡し胴15がそれぞれ配置されており、各ゴム胴13と圧胴14との間でインキが塗布された被印刷物Pは、渡し胴15により下流側の印刷ユニットの圧胴14に搬送される。なお、インキを配置する順序は、上述したもの以外でも可能である。
【0016】
次に、紫外線照射装置について、図3〜図5を参照しつつ説明する。図3はこの紫外線照射装置の斜視図、図4は図3の底面図、図5は図3の平面図である。
【0017】
図3及び図4に示すように、この紫外線照射装置2は、長尺状に延びる箱形の筐体21を有しており、この筐体21の底面から紫外線が照射される。以下では、筐体21の延びる方向を長手方向、それと直交する方向を幅方向、長手方向における図3の右側を第1端部、左側を第2端部と称することとする。但し、被印刷物Pとの関係で説明をする場合には、上記幅方向を「搬送方向」、長手方向を「印刷幅方向」と称する場合がある。筐体21の内部には、紫外線を照射する複数の紫外線発光ダイオード(紫外線LED)、及びこの紫外線LEDの駆動を制御する制御基板などが配置されている。筐体21の長手方向の長さは、被印刷物Pの幅に対応しており、被印刷物Pの印刷幅全体に渡って紫外線を照射できるようになっている。この筐体21は、上側に頂部を有する断面五角形状に形成されており、図5に示すように、上部の一方の面(図5の上側)の両端には、この筐体21を持ち運びするためのハンドル22が取り付けられている。
【0018】
図5に示すように、筐体21の第1端部には、後述する水冷用の水の供給孔23及び排出孔24が設けられ、図示しないDCインバータチラーに接続されている。また、供給孔23及び排出孔24に近接して電源端子25、及び印刷機から制御信号を受送信する信号端子26が設けられている。また、ハンドル22が設けられている筐体21の上面において第1端部側には、長手方向に平行に延びる複数のスリットが形成されており、これらスリットが空気の吸気口27を構成している。一方、第2端部の端面には、図3に示すように、筐体21内の空気を排出する排気口28が形成されている。
【0019】
次に、筐体の内部構造について、図6及び図7も参照して説明する。図6は図3の一部透過斜視図、図7は図5のA−A線断面図である。
【0020】
図7に示すように、筐体21の内部は、下方から上方に向かって概ね3つの領域に分かれており、各領域には、下から紫外線照射部3、冷却部4、及び制御部5が配置されている。
【0021】
まず、紫外線照射部3から説明する。この紫外線照射部3は、後述する冷却部4の冷却ブロック41の下面413に当接する支持基板31を有し、この支持基板31の下面に複数の紫外線LED(例えば、波長:385nmの近紫外線光源)32が実装されている。複数の紫外線LED32は、長手方向に延びる4列に分けて配置されるとともに、2列を一組とした2つのLEDユニット33で構成されている。両LEDユニット33は幅方向に所定間隔をおいて配置されており、両ユニット33の間には、下方に延びるスペーサ34が配置されている。また、紫外線照射部3の幅方向の端部には、支持ブロック35がそれぞれ配置されており、これら支持ブロック35、及びスペーサ34が所定間隔をおいて配置されることにより、各LEDユニット33の下方に照射空間Sがそれぞれ形成されている。すなわち、スペーサ34の両側には、各LEDユニット33から照射される紫外線が通過する照射空間Sが形成される。なお、各支持ブロック35は、上方に延びる連結部35aによって冷却ブロック41の側面に固定されている。
【0022】
そして、各LEDユニット33の下方の照射空間Sには、照射された紫外線が下方に向かうように反射するリフレクタが配置されている。本実施形態のリフレクタは、4つの部品から形成されている。すなわち、各支持ブロック35に固定される一対の第1反射部材61と、スペーサ34に固定される一対の第2反射部材62とで構成されている。そして、LEDユニット33から照射される紫外線を幅方向に挟むように各第1及び第2反射部材61,62を配置することで、紫外線が下方に向くように反射される。
【0023】
ここで、図8及び図9も参照して、各反射部材61,62をさらに詳細に説明する。図8は紫外線照射部の概略構造を下側から見た斜視図であり、図9は第2反射部材の組立を示す斜視図である。なお、図8では便宜上、スペーサと支持ブロックを省略している。図7及び図8に示すように、各第1反射部材61は、断面L字型の板材で形成されており、支持ブロック35の下面に当接する第1反射部611と、この第1反射部611の端部から支持ブロック35に沿って照射空間Sを上方に延びる第2反射部612とで構成されている。一方、各第2反射部材62も断面L字型の板材で形成されており、スペーサ34の下面に当接する第1反射部621と、この第1反射部621の端部からスペーサ34に沿って照射空間Sを上方に延びる第2反射部622とで構成されている。
【0024】
上述したように、各照射空間Sでは、照射された紫外線を挟むように、第1反射部材61と第2反射部材62が配置されているが、各反射部材61,62の第2反射部612,622は、上端部が照射空間S内に向かって若干折り曲げられて傾斜している(図7の符号E参照)。これにより、第2反射部612,622は、近似的に円弧を形成し、完全な円弧を形成することなく、簡易な加工で紫外線を下方に向けて反射することができる。また、各第2反射部材62には、長手方向の全長に渡って第1反射部621が設けられているのではなく、図9に示すように、所定間隔をおいて設けられている。したがって、対向する2つの第2反射部材62は、第1反射部621が互い違いに噛み合うように配置され、これにより、スペーサ34の下面に沿って、第1反射部621が連続して延びるようになる。なお、図10は、LED基板に関する距離の一例を示すものである。
【0025】
次に、照射空間Sを覆うカバー部材について、図7及び図11を参照しつつ説明する。図11は、カバー部材の平面図である。図7に示すように、カバー部材37は、紫外線照射部3の最下部、つまり筐体21の底面に配置され、汚れ防止の役割を果たしている。また、このカバー部材37は、紫外線が透過可能な透明な材料であり、耐熱性を有する光学用石英ガラス等で形成される。本実施形態においては、カバー部材35により覆う照射空間Sの長手方向の長さ長いため、2枚のカバー部材37を印刷幅方向に直列に並べることで、照射空間Sを覆っている。より詳細には、図11に示すように、各カバー部材37は、概ね矩形状に形成されているが、隣接するカバー部材37間の境界Tが、被印刷物Pの搬送方向Gに対して斜め方向になるように、端部が鋭角に切り欠かれている。そして、斜めに切り欠かれた端部同士を連結させることで、カバー部材37は、印刷幅方向全体に渡って直線状に延びている。ここで、この境界Tの角度αは、例えば、30〜45度とすることが好ましい。連結されたカバー部材37は、例えば、短辺56mm、長辺723mm,厚さ2mmとすることを一例として挙げることができる。また、カバー部材37の上面、つまり紫外線LED32と対向する面は、反射防止のため、例えば、公知のARコート(Anti-Reflection Coat)を施すこともできる。なお、各カバー部材37において鋭角に形成された端部の先端Kは、先端の鋭利な部分が削り取られ、取り扱いやすくなっている。
【0026】
次に、冷却部4について図12も参照しつつ説明する。図12は、図7のB−B線断面図である。図7に示すように、冷却部4は、アルミニウムなどの熱伝導性の高い材料で形成された扁平状の冷却ブロック41を有している。上述したように、冷却ブロック41の下面には、紫外線LED32の支持基板31が取り付けられているが、熱伝導性を高めるため、冷却ブロック41の下面と支持基板31との間には公知の放熱グリスが塗布されている。これにより、冷却ブロック41及び支持基板31の接触部分の凹凸を埋めることができ、熱伝導効果を向上させている。一方、冷却ブロック41の上面411には、水冷用の水が供給されるU字型の溝412が形成されている。より詳細に説明すると、図7及び図12に示すように、この溝412は、筐体21の長手方向に延びる第1通路412a及び第2通路412bが連結された平面視U字型に形成されており、上述した供給孔23から供給された水は、このU字型の溝412を通過して冷却ブロック41を往復し、排出孔24から排出されるようになっている。すなわち、図7の右側に配置された第1通路412aを通過する水は、供給孔23から筐体21の第2端部に向かって(紙面の奥から手前に向かって)流れ、左側の第2通路412bを通過する水は筐体21の排出孔に向かって(紙面の手前から奥に向かって)流れる。各通路412a,bは、断面矩形状に形成されており、各LEDユニット33の上方にそれぞれ配置されている。
【0027】
また、冷却ブロック41の上面411には、溝412を覆うように矩形状の蓋部材42が配置されており、冷却ブロック41と蓋部材42との接触部分にシート状の断熱材43が配置されている。蓋部材42は、アルミニウム、SUS等の熱伝導性の高い材料で形成され、U字型の溝412全体を覆うように、筐体21の長手方向に延びている。また、断熱材43は、冷却ブロック41の上面において溝412が形成されている以外の部分に配置されており、冷却ブロック41の熱が蓋部材42に伝導するのを防止している。また、断熱材43は、溝412を流れる水が蓋部材42によって密閉されるようにガスケットの役割も果たしている。このような断熱材43としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で形成されたシート材を用いることができる。なお、ガスケットとしての役割のみを果たすシート材を用いることもでき、その場合には、断熱効果は小さくなるものの冷却ブロック41の上面全体を覆ってもよい。
【0028】
続いて、制御部5について、図6及び図7を参照しつつ説明する。図7に示すように、制御部5は、蓋部材42から上方に延びる一対の第1熱伝導部材51を有しており、この第1熱伝導部材51に、紫外線LED32の駆動を制御する制御基板52が支持されている。制御基板52は、FET、コイル、ダイオード等の部品から構成される。また、定電流回路が配置されており、電源端子25から供給される電力を設定された電流値で各紫外線LED32に供給する。その他、CPU,印刷機本体のコントロール基板との通信回路、冷却ファンの制御回路、紫外線LED32の累計照射時間等の記録を行う回路などが配置されており、信号端子26を介して印刷機から送信される信号に基づいて紫外線LED32の駆動を制御するようになっている。なお、一対の第1熱伝導部材51は、必ずしも同一形状でなくてもよく、図7に示すように、異なる形状であってもよい。
【0029】
制御基板52を支持する各第1熱伝導部材51は、アルミニウム、銅などの熱伝導性の高い板材で形成され、蓋部材42上に配置される底部511と、この底部511の一端から上方に延びる延在部512とからなる断面L字型に形成されている。そして、両第1熱伝導部材51の延在部512同士が対向するように合わさることで、逆T字型をなしている。すなわち、合わさった延在部512が、冷却ブロック41の第1及び第2通路412a,bの間に配置されて上方に延びるとともに、各底部511が各通路412a,bをそれぞれ覆うように配置されている。各延在部512には、熱伝導性を有する絶縁材53を介して制御基板52が取り付けられており、各制御基板52が筐体21の両側を向くように配置されている。このような構造により、筐体21の両側の内壁面と、制御基板52との間には、空冷用の空気が流れる空冷空間Fが形成されるようになっている。
【0030】
また、各第1熱伝導部材51の底部511上には、制御基板52に接触する第2熱伝導部材54がそれぞれ取り付けられている。各第2熱伝導部材54は、第1熱伝導部材51と接触する底部541、制御基板52との間に空間を形成するL字型の段部542、及び制御基板52の下部と接触する接触部543が連結されることで形成されている。したがって、第2伝導部材54も制御基板52の熱を第1伝導部材51を介して蓋部材42に伝導できるようになっている。なお、図示を省略するが、第2熱伝導部材54の接触部543と制御基板52との間にも、上述した絶縁材54と同様のシート材が設けられている。このようなシート材としては、例えば、公知の放熱シリコンシートを使用することができる。
【0031】
上述したように、制御部5には、空冷空間Fが形成されているが、図6に示すように、筐体21の第2端部には、空冷空間Fに空気を流すための冷却ファン55が取り付けられている。このような冷却ファン55としては、公知の軸流ファンを用いることができ、この冷却ファン55を駆動すると、空冷空間Fの空気が冷却ファン55を介して第2端部の排気口28から排出されるようになっている。
【0032】
次に、上記のように構成された紫外線照射装置の動作について説明する。まず、印刷機において被印刷物Pが搬送されると、各印刷ユニット1K,1C,1M,1Y,1Pにより被印刷物Pにインキが塗布される。具体的には、図1に示すように、各インキ供給装置11から版胴12に供給されたインキが、ゴム胴13に転写された後、ゴム胴13と圧胴14との間を通過する被印刷物Pに塗布される。その直後、紫外線照射装置2から照射される紫外線により、被印刷物P上のインキは硬化され、渡し胴15によって次の印刷ユニット1に送られる。各印刷ユニット1においても同様にインキの塗布及び硬化が行われながら、インキが重ね合わせられ、フルカラーの画像が形成された後、印刷機の外部に搬送される。
【0033】
紫外線照射装置においては、印刷の開始に先立って、冷却ブロック41に水が供給される。供給孔23から供給される水の温度を約25℃とすることができ、後述する熱交換によりこれよりも例えば約5〜10℃程度高い温度の水が排出孔24から排出される。また、電源が供給されることにより、紫外線LED32から紫外線が照射されるとともに、印刷機からの信号に応じて、制御基板52により紫外線LEDの照射強度などが調整される。こうして、紫外線照射装置2が駆動している間、紫外線LED32が発する熱は、冷却ブロック41を介して水と熱交換され、紫外線LED32は冷却される。また、制御基板52で発生する熱も、第1及び第2熱伝導部材51,54、蓋部材42を介して、水と熱交換されることで冷却される。このとき、第1及び第2熱伝導部材51,54は、水が流れる溝412の上方に配置されているため、制御基板52で生じた熱を効率的に水に伝導することかできる。特に、第1及び第2熱伝導部材51,54は、制御基板52を挟むように配置されているため、制御基板52の表面及び裏面の双方から熱が伝達される。したがって、冷却効果が高くなっている。さらに、図5に示すように、冷却ファン55の駆動により、筐体21の第1端部に形成された吸気口27から空気Xが流入し、筐体21内の空冷空間Fを長手方向に通過しながら、第2端部の排気口28から排出されていく。この過程において、制御基板52は、冷却ブロック41に加え、流通する空気Xによっても冷却される。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、隣接するカバー部材37の境界Tを、被印刷物Pの搬送方向に対して斜めに延びるように構成しているため、次の効果を得ることができる。例えば、図13(a)に示すように、従来のカバー部材100は矩形状に形成されているため、隣接するカバー部材100の境界Tは、被印刷物Pの搬送方向Gと平行に延びる直線となる。そのため、紫外線がうまく透過されず、乾燥が不十分になる箇所は、被印刷物Pの搬送方向に沿う直線状の筋Dとなって表れる。その結果、印刷の質を著しく低下させるおそれがある。これに対して、本実施形態においては、図13(b)に示すように、カバー部材37間の境界Tが搬送方向Gに対して斜めに延びているため、境界Tの印刷幅方向の長さに渡って、照度が低下する箇所が印刷幅方向に分散される(領域R)。したがって、乾燥が不十分な箇所が発生するのを防止することができ、印刷の質を向上することができる。
【0035】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、カバー部材37間の境界Tを直線状に形成しているが、搬送方向Gに対して斜め方向に延びていれば、例えば、図14に示すように、波線(a)、折れ線(b)であってもよい。この場合は、境界Tの両端を結ぶ線Zと搬送方向Gとがなす角αを上述した範囲にすればよい。また、上記実施形態では、2枚のカバー部材を用いているが、図14(c)に示すように、3枚以上用いることもでき、その場合には、各境界Tを上記のように斜めにすればよい。
【0036】
また、隣接するカバー部材37間の境界Tに、紫外線透過性を有する樹脂を配置することもできる。例えば、カバー部材37間に隙間が生じて空気の層が形成されると、空気の光の屈折率がカバー部材よりも小さいため、空気の層の直下では被印刷物Pが受ける照度が低下することがある。これに対して、カバー部材37間に樹脂を配置すると、境界に形成される空気の層を樹脂で埋めることができ、被印刷物P上の紫外線の照度の低下を防止することができる。このような樹脂としては、例えば、アクリレート系透明液状を用いることができる。上記実施形態では、カバー部材37に光学用の石英ガラスを用いているため、アクリレート系透明液状を用いることができるが、その他、カバー部材37の有する屈折率に応じて、屈折率整合性をとれる樹脂を任意に選択できる。
【実施例】
【0037】
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されない。
【0038】
被印刷物の搬送方向に2列に並ぶLEDユニットを有する紫外線照射装置に対し、図15に示すような実施例1及び比較例を用いて評価を行った。実施例1では、カバー部材の境界Tの角度が約45度になっている。また、比較例では境界Tの角度が0度、つまり搬送方向と平行になっている。さらに、カバー部材を配置しない参考例も準備した。そして、この境界の直下に照度計を配置し、搬送方向と直行する方向に照度計を移動させながら、照度を測定した。実験の仕様は以下の通りである。
(1)LEDユニット:EAK-380096-11ミネベア製
(2)照度計:UVia UV Guard Checker-ALGAN(株)製
(3)カバー部材:テンパックス 90.5×90.5AR 厚さt2.0 松浪硝子工業(株)
(4)カバー部材から照度計までの距離:5mm
(5)照度計の移動速度:20mm/sec
(6)測定波長:385nm
また、実験の条件は上記とは異なるが、カバー部材の境界Tの角度が約30度である実施例2についても評価を行った。装置は、図16に示すとおりである。また、実施例2の条件は以下の通りである。実施例1と対比して示す。
【0039】
【表1】
【0040】
実施例2においては、図16に示すとおり、100mm〜812.5mm地点までを計測した。この例では、349.41mmの地点がカバー部材の境界となる。なお、実施例2は、実施例1のLEDに比べて、4チップ/素子で、2列であるので、単純計算で、実施例1の約8倍の照度値になる。
【0041】
実施例1の結果は、図17に示すとおりである。いずれも一列目のLEDユニットの直下の照度を測定した。実施例1では、照度の低下はほとんど見られない。一方、図18に示すように、比較例では、カバー部材の境界である○を付した箇所で、急激に照度が低下している。また、測定時間における平均照度は以下の通りである。
【0042】
【表2】
【0043】
表1によれば、紫外線照射の妨げがない参考例と比較しても、実施例1では平均照度がほとんど落ちていないことが分かる。一方、比較例では、参考例と比較して3割程度照度が低下していることが分かる。よって、カバー部材の境界の角度が45度の場合には、照度の低下はないことが分かる。
【0044】
また、条件は相違するが、実施例2の結果は、図19に示すとおりである。○を付した箇所は、カバー部材の境界であるが、照度の低下は見られない。平均の照度は、実施例2の条件では、2720mW/cm2であるが、実施例1の約8倍の照度であるとすると、実施例1の条件に換算して、照度は約340mW/cm2となる。単純な比較はできないが、表2と比較しても、照度が大きく低下していることはない。よって、カバー部材の境界の角度が30度であっても、照度の低下はないことが分かる。
【符号の説明】
【0045】
31 支持基板
32 紫外線LED(紫外線光源)
37 カバー部材
T 境界
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印刷物に、紫外線を照射する紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷機においては、印刷紙に塗布されたインキをごく短時間で乾燥させなければならない。このような乾燥のために紫外線を照射してインキを硬化させる印刷機が数多く提案されている。例えば、特許文献1に記載の印刷機では、UVランプ、LEDのような紫外線光源を用いた紫外線照射装置を用いている。この紫外線照射装置では、紫外線光源を石英ガラスなどの紫外線透過性を有するカバーで覆い、紫外線光源を保護している。
【0003】
ところで、紫外線光源は、印刷紙の搬送方向と直交する幅方向に沿って配置されており、これによって幅方向の全体に渡って印刷紙に紫外線を照射するようになっている。そのため、紫外線光源を覆うカバーは、印刷紙の幅よりも長いものを準備する必要がある。しかしながら、印刷紙の幅が大きいと、一体成型されたガラスのカバーを準備するのが難しく、取り扱いを容易にするためにも、複数のカバー部材を幅方向に並べて使用することが求められている。さらに、ガラスはサイズが大きいほど、大きさ以上に比例して高額になる。よって、小さいサイズのガラスを複数使用するほうが、コストダウンとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−103838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数のカバー部材を幅方向に並べた場合、次のような問題がある。すなわち、隣接するカバー部材の継ぎ目である境界は、紫外線がうまく透過されないため、カバー部材を通過するものと比べ、印刷紙が受ける紫外線の照度が著しく低下することになる。その結果、境界を通過した紫外線が照射される箇所は、インキの乾燥が不十分になるという問題が発生し、印刷の質が低下するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、複数のカバー部材を用いても、被印刷物が受ける紫外線の照度の低下を防止できる紫外線照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、被印刷物に、紫外線を照射する紫外線照射装置であって、前記被印刷物の搬送方向と直交する当該被印刷物の印刷幅方向に沿って並ぶ複数の紫外線光源と、前記複数の紫外線光源を覆うように、前記印刷幅方向に沿って直列に配置され、紫外線透過性を有する複数のカバー部材と、を備え、隣接する前記カバー部材同士が突き合わされる境界は、前記被印刷物の搬送方向に対して斜めに延びるように構成されている。
【0008】
この構成によれば、隣接するカバー部材の境界を、被印刷物の搬送方向に対して斜めに延びるように構成しているため、次の効果を得ることができる。従来のカバー部材は矩形状に形成されているため、隣接するカバー部材の境界は、被印刷物の搬送方向と平行に延びる直線となる。そのため、紫外線がうまく透過されず乾燥が不十分になる箇所は、被印刷物の搬送方向に沿う直線状の筋となって表れ、印刷の質を著しく低下させることになる。これに対して、本発明においては、カバー部材間の境界が搬送方向に対して斜めに延びているため、境界の印刷幅方向の長さに渡って、照度が低下する箇所が印刷幅方向に分散される。したがって、乾燥が不十分な箇所が発生するのを防止することができ、印刷の質を向上することができる。
【0009】
上記境界は、搬送方向に対して斜め方向に延びていれば、直線、波線、折れ線などであってもよい。また、搬送方向に対して、例えば、30〜45度の角度を形成しているとさらによい。これは、45度以下であると、境界が長くなりすぎず、持ち運びなどにおいて、カバー部材を取り扱いやすいからである。一方、30度以上とすると、境界が短くなりすぎず、照度が低下する箇所を印刷幅方向に適度に分散することができる。なお、この記載は、「搬送方向と斜め方向に延びた線との角度」を「30〜45度」の範囲に限定する記載ではなく、他の角度でも当然本願発明の効果を奏することができる。
【0010】
また、隣接するカバー部材間の境界には、紫外線透過性を有する樹脂を配置することもできる。例えば、カバー部材間に隙間が生じて空気の層が形成されると、空気の光の屈折率がカバー部材よりも小さいため、空気の層の直下では被印刷物が受ける照度が低下することがある。これに対して、上記のように構成することで、境界に形成される空気の層を樹脂で埋めることができ、被印刷物上の紫外線の照度の低下を防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る紫外線照射装置によれば、複数のカバー部材を用いても、乾燥の不具合による被印刷物の質の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る紫外線照射装置が装着される印刷機の一実施形態を示す概略側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明に係る紫外線照射装置の一実施形態の斜視図である。
【図4】図3の底面図である。
【図5】図3の平面図である。
【図6】図3の一部を透過した斜視図である。
【図7】図5のA−A線断面図である。
【図8】紫外線照射部の概略構造を示す斜視図である。
【図9】第2反射部材の組立を示す斜視図である。
【図10】紫外線LED基板の一例を示す平面図である。
【図11】カバー部材の平面図である。
【図12】図7のB−B線断面図である。
【図13】カバー部材の動作を示す斜視図である。
【図14】カバー部材の他の例を示す平面図である。
【図15】実施例1及び比較例のカバー部材の態様を示す平面図である。
【図16】実施例2の実験の概要を示す平面図である。
【図17】実施例1における照度の測定結果である。
【図18】比較例及び参考例における照度の測定結果である。
【図19】実施例2における照度の測定結果である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る紫外線照射装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、この紫外線照射装置が装着される印刷機の概略側面図、図2は図1の平面図である。
【0014】
まず、本実施形態の紫外線照射装置が装着される印刷機について説明する。この印刷機は、枚葉の被印刷物Pに対して、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及び仕上げ用透明インキ(OP)をこの順で塗布することでフルカラーの画像を形成するものである。ここで用いられるインキは、紫外線硬化性を有し、ラジカル重合型またはカオチン重合型の紫外線硬化樹脂を含有している。図1及び図2に示すように、この印刷機には、同図の右側から左側に向かって、上述した5つのインキを塗布する印刷ユニット1K,1C,1M,1Y,1Pがそれぞれ配置されている。各印刷ユニット1は、インキを供給するインキ供給装置11を備えており、各インキ供給装置11の下方には、インキが転写される版胴12、ゴム胴13、及び圧胴14が下方に向かってこの順で配置されている。さらに、各圧胴14においてゴム胴13と接触している位置から周方向の下流側には、被印刷物Pに紫外線を照射する紫外線照射装置2が配置されている。
【0015】
各印刷ユニット1間には、被印刷物Pを受け渡しするための渡し胴15が配置されている。より詳細には、各印刷ユニット1の最下部にある圧胴14の間に渡し胴15がそれぞれ配置されており、各ゴム胴13と圧胴14との間でインキが塗布された被印刷物Pは、渡し胴15により下流側の印刷ユニットの圧胴14に搬送される。なお、インキを配置する順序は、上述したもの以外でも可能である。
【0016】
次に、紫外線照射装置について、図3〜図5を参照しつつ説明する。図3はこの紫外線照射装置の斜視図、図4は図3の底面図、図5は図3の平面図である。
【0017】
図3及び図4に示すように、この紫外線照射装置2は、長尺状に延びる箱形の筐体21を有しており、この筐体21の底面から紫外線が照射される。以下では、筐体21の延びる方向を長手方向、それと直交する方向を幅方向、長手方向における図3の右側を第1端部、左側を第2端部と称することとする。但し、被印刷物Pとの関係で説明をする場合には、上記幅方向を「搬送方向」、長手方向を「印刷幅方向」と称する場合がある。筐体21の内部には、紫外線を照射する複数の紫外線発光ダイオード(紫外線LED)、及びこの紫外線LEDの駆動を制御する制御基板などが配置されている。筐体21の長手方向の長さは、被印刷物Pの幅に対応しており、被印刷物Pの印刷幅全体に渡って紫外線を照射できるようになっている。この筐体21は、上側に頂部を有する断面五角形状に形成されており、図5に示すように、上部の一方の面(図5の上側)の両端には、この筐体21を持ち運びするためのハンドル22が取り付けられている。
【0018】
図5に示すように、筐体21の第1端部には、後述する水冷用の水の供給孔23及び排出孔24が設けられ、図示しないDCインバータチラーに接続されている。また、供給孔23及び排出孔24に近接して電源端子25、及び印刷機から制御信号を受送信する信号端子26が設けられている。また、ハンドル22が設けられている筐体21の上面において第1端部側には、長手方向に平行に延びる複数のスリットが形成されており、これらスリットが空気の吸気口27を構成している。一方、第2端部の端面には、図3に示すように、筐体21内の空気を排出する排気口28が形成されている。
【0019】
次に、筐体の内部構造について、図6及び図7も参照して説明する。図6は図3の一部透過斜視図、図7は図5のA−A線断面図である。
【0020】
図7に示すように、筐体21の内部は、下方から上方に向かって概ね3つの領域に分かれており、各領域には、下から紫外線照射部3、冷却部4、及び制御部5が配置されている。
【0021】
まず、紫外線照射部3から説明する。この紫外線照射部3は、後述する冷却部4の冷却ブロック41の下面413に当接する支持基板31を有し、この支持基板31の下面に複数の紫外線LED(例えば、波長:385nmの近紫外線光源)32が実装されている。複数の紫外線LED32は、長手方向に延びる4列に分けて配置されるとともに、2列を一組とした2つのLEDユニット33で構成されている。両LEDユニット33は幅方向に所定間隔をおいて配置されており、両ユニット33の間には、下方に延びるスペーサ34が配置されている。また、紫外線照射部3の幅方向の端部には、支持ブロック35がそれぞれ配置されており、これら支持ブロック35、及びスペーサ34が所定間隔をおいて配置されることにより、各LEDユニット33の下方に照射空間Sがそれぞれ形成されている。すなわち、スペーサ34の両側には、各LEDユニット33から照射される紫外線が通過する照射空間Sが形成される。なお、各支持ブロック35は、上方に延びる連結部35aによって冷却ブロック41の側面に固定されている。
【0022】
そして、各LEDユニット33の下方の照射空間Sには、照射された紫外線が下方に向かうように反射するリフレクタが配置されている。本実施形態のリフレクタは、4つの部品から形成されている。すなわち、各支持ブロック35に固定される一対の第1反射部材61と、スペーサ34に固定される一対の第2反射部材62とで構成されている。そして、LEDユニット33から照射される紫外線を幅方向に挟むように各第1及び第2反射部材61,62を配置することで、紫外線が下方に向くように反射される。
【0023】
ここで、図8及び図9も参照して、各反射部材61,62をさらに詳細に説明する。図8は紫外線照射部の概略構造を下側から見た斜視図であり、図9は第2反射部材の組立を示す斜視図である。なお、図8では便宜上、スペーサと支持ブロックを省略している。図7及び図8に示すように、各第1反射部材61は、断面L字型の板材で形成されており、支持ブロック35の下面に当接する第1反射部611と、この第1反射部611の端部から支持ブロック35に沿って照射空間Sを上方に延びる第2反射部612とで構成されている。一方、各第2反射部材62も断面L字型の板材で形成されており、スペーサ34の下面に当接する第1反射部621と、この第1反射部621の端部からスペーサ34に沿って照射空間Sを上方に延びる第2反射部622とで構成されている。
【0024】
上述したように、各照射空間Sでは、照射された紫外線を挟むように、第1反射部材61と第2反射部材62が配置されているが、各反射部材61,62の第2反射部612,622は、上端部が照射空間S内に向かって若干折り曲げられて傾斜している(図7の符号E参照)。これにより、第2反射部612,622は、近似的に円弧を形成し、完全な円弧を形成することなく、簡易な加工で紫外線を下方に向けて反射することができる。また、各第2反射部材62には、長手方向の全長に渡って第1反射部621が設けられているのではなく、図9に示すように、所定間隔をおいて設けられている。したがって、対向する2つの第2反射部材62は、第1反射部621が互い違いに噛み合うように配置され、これにより、スペーサ34の下面に沿って、第1反射部621が連続して延びるようになる。なお、図10は、LED基板に関する距離の一例を示すものである。
【0025】
次に、照射空間Sを覆うカバー部材について、図7及び図11を参照しつつ説明する。図11は、カバー部材の平面図である。図7に示すように、カバー部材37は、紫外線照射部3の最下部、つまり筐体21の底面に配置され、汚れ防止の役割を果たしている。また、このカバー部材37は、紫外線が透過可能な透明な材料であり、耐熱性を有する光学用石英ガラス等で形成される。本実施形態においては、カバー部材35により覆う照射空間Sの長手方向の長さ長いため、2枚のカバー部材37を印刷幅方向に直列に並べることで、照射空間Sを覆っている。より詳細には、図11に示すように、各カバー部材37は、概ね矩形状に形成されているが、隣接するカバー部材37間の境界Tが、被印刷物Pの搬送方向Gに対して斜め方向になるように、端部が鋭角に切り欠かれている。そして、斜めに切り欠かれた端部同士を連結させることで、カバー部材37は、印刷幅方向全体に渡って直線状に延びている。ここで、この境界Tの角度αは、例えば、30〜45度とすることが好ましい。連結されたカバー部材37は、例えば、短辺56mm、長辺723mm,厚さ2mmとすることを一例として挙げることができる。また、カバー部材37の上面、つまり紫外線LED32と対向する面は、反射防止のため、例えば、公知のARコート(Anti-Reflection Coat)を施すこともできる。なお、各カバー部材37において鋭角に形成された端部の先端Kは、先端の鋭利な部分が削り取られ、取り扱いやすくなっている。
【0026】
次に、冷却部4について図12も参照しつつ説明する。図12は、図7のB−B線断面図である。図7に示すように、冷却部4は、アルミニウムなどの熱伝導性の高い材料で形成された扁平状の冷却ブロック41を有している。上述したように、冷却ブロック41の下面には、紫外線LED32の支持基板31が取り付けられているが、熱伝導性を高めるため、冷却ブロック41の下面と支持基板31との間には公知の放熱グリスが塗布されている。これにより、冷却ブロック41及び支持基板31の接触部分の凹凸を埋めることができ、熱伝導効果を向上させている。一方、冷却ブロック41の上面411には、水冷用の水が供給されるU字型の溝412が形成されている。より詳細に説明すると、図7及び図12に示すように、この溝412は、筐体21の長手方向に延びる第1通路412a及び第2通路412bが連結された平面視U字型に形成されており、上述した供給孔23から供給された水は、このU字型の溝412を通過して冷却ブロック41を往復し、排出孔24から排出されるようになっている。すなわち、図7の右側に配置された第1通路412aを通過する水は、供給孔23から筐体21の第2端部に向かって(紙面の奥から手前に向かって)流れ、左側の第2通路412bを通過する水は筐体21の排出孔に向かって(紙面の手前から奥に向かって)流れる。各通路412a,bは、断面矩形状に形成されており、各LEDユニット33の上方にそれぞれ配置されている。
【0027】
また、冷却ブロック41の上面411には、溝412を覆うように矩形状の蓋部材42が配置されており、冷却ブロック41と蓋部材42との接触部分にシート状の断熱材43が配置されている。蓋部材42は、アルミニウム、SUS等の熱伝導性の高い材料で形成され、U字型の溝412全体を覆うように、筐体21の長手方向に延びている。また、断熱材43は、冷却ブロック41の上面において溝412が形成されている以外の部分に配置されており、冷却ブロック41の熱が蓋部材42に伝導するのを防止している。また、断熱材43は、溝412を流れる水が蓋部材42によって密閉されるようにガスケットの役割も果たしている。このような断熱材43としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で形成されたシート材を用いることができる。なお、ガスケットとしての役割のみを果たすシート材を用いることもでき、その場合には、断熱効果は小さくなるものの冷却ブロック41の上面全体を覆ってもよい。
【0028】
続いて、制御部5について、図6及び図7を参照しつつ説明する。図7に示すように、制御部5は、蓋部材42から上方に延びる一対の第1熱伝導部材51を有しており、この第1熱伝導部材51に、紫外線LED32の駆動を制御する制御基板52が支持されている。制御基板52は、FET、コイル、ダイオード等の部品から構成される。また、定電流回路が配置されており、電源端子25から供給される電力を設定された電流値で各紫外線LED32に供給する。その他、CPU,印刷機本体のコントロール基板との通信回路、冷却ファンの制御回路、紫外線LED32の累計照射時間等の記録を行う回路などが配置されており、信号端子26を介して印刷機から送信される信号に基づいて紫外線LED32の駆動を制御するようになっている。なお、一対の第1熱伝導部材51は、必ずしも同一形状でなくてもよく、図7に示すように、異なる形状であってもよい。
【0029】
制御基板52を支持する各第1熱伝導部材51は、アルミニウム、銅などの熱伝導性の高い板材で形成され、蓋部材42上に配置される底部511と、この底部511の一端から上方に延びる延在部512とからなる断面L字型に形成されている。そして、両第1熱伝導部材51の延在部512同士が対向するように合わさることで、逆T字型をなしている。すなわち、合わさった延在部512が、冷却ブロック41の第1及び第2通路412a,bの間に配置されて上方に延びるとともに、各底部511が各通路412a,bをそれぞれ覆うように配置されている。各延在部512には、熱伝導性を有する絶縁材53を介して制御基板52が取り付けられており、各制御基板52が筐体21の両側を向くように配置されている。このような構造により、筐体21の両側の内壁面と、制御基板52との間には、空冷用の空気が流れる空冷空間Fが形成されるようになっている。
【0030】
また、各第1熱伝導部材51の底部511上には、制御基板52に接触する第2熱伝導部材54がそれぞれ取り付けられている。各第2熱伝導部材54は、第1熱伝導部材51と接触する底部541、制御基板52との間に空間を形成するL字型の段部542、及び制御基板52の下部と接触する接触部543が連結されることで形成されている。したがって、第2伝導部材54も制御基板52の熱を第1伝導部材51を介して蓋部材42に伝導できるようになっている。なお、図示を省略するが、第2熱伝導部材54の接触部543と制御基板52との間にも、上述した絶縁材54と同様のシート材が設けられている。このようなシート材としては、例えば、公知の放熱シリコンシートを使用することができる。
【0031】
上述したように、制御部5には、空冷空間Fが形成されているが、図6に示すように、筐体21の第2端部には、空冷空間Fに空気を流すための冷却ファン55が取り付けられている。このような冷却ファン55としては、公知の軸流ファンを用いることができ、この冷却ファン55を駆動すると、空冷空間Fの空気が冷却ファン55を介して第2端部の排気口28から排出されるようになっている。
【0032】
次に、上記のように構成された紫外線照射装置の動作について説明する。まず、印刷機において被印刷物Pが搬送されると、各印刷ユニット1K,1C,1M,1Y,1Pにより被印刷物Pにインキが塗布される。具体的には、図1に示すように、各インキ供給装置11から版胴12に供給されたインキが、ゴム胴13に転写された後、ゴム胴13と圧胴14との間を通過する被印刷物Pに塗布される。その直後、紫外線照射装置2から照射される紫外線により、被印刷物P上のインキは硬化され、渡し胴15によって次の印刷ユニット1に送られる。各印刷ユニット1においても同様にインキの塗布及び硬化が行われながら、インキが重ね合わせられ、フルカラーの画像が形成された後、印刷機の外部に搬送される。
【0033】
紫外線照射装置においては、印刷の開始に先立って、冷却ブロック41に水が供給される。供給孔23から供給される水の温度を約25℃とすることができ、後述する熱交換によりこれよりも例えば約5〜10℃程度高い温度の水が排出孔24から排出される。また、電源が供給されることにより、紫外線LED32から紫外線が照射されるとともに、印刷機からの信号に応じて、制御基板52により紫外線LEDの照射強度などが調整される。こうして、紫外線照射装置2が駆動している間、紫外線LED32が発する熱は、冷却ブロック41を介して水と熱交換され、紫外線LED32は冷却される。また、制御基板52で発生する熱も、第1及び第2熱伝導部材51,54、蓋部材42を介して、水と熱交換されることで冷却される。このとき、第1及び第2熱伝導部材51,54は、水が流れる溝412の上方に配置されているため、制御基板52で生じた熱を効率的に水に伝導することかできる。特に、第1及び第2熱伝導部材51,54は、制御基板52を挟むように配置されているため、制御基板52の表面及び裏面の双方から熱が伝達される。したがって、冷却効果が高くなっている。さらに、図5に示すように、冷却ファン55の駆動により、筐体21の第1端部に形成された吸気口27から空気Xが流入し、筐体21内の空冷空間Fを長手方向に通過しながら、第2端部の排気口28から排出されていく。この過程において、制御基板52は、冷却ブロック41に加え、流通する空気Xによっても冷却される。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、隣接するカバー部材37の境界Tを、被印刷物Pの搬送方向に対して斜めに延びるように構成しているため、次の効果を得ることができる。例えば、図13(a)に示すように、従来のカバー部材100は矩形状に形成されているため、隣接するカバー部材100の境界Tは、被印刷物Pの搬送方向Gと平行に延びる直線となる。そのため、紫外線がうまく透過されず、乾燥が不十分になる箇所は、被印刷物Pの搬送方向に沿う直線状の筋Dとなって表れる。その結果、印刷の質を著しく低下させるおそれがある。これに対して、本実施形態においては、図13(b)に示すように、カバー部材37間の境界Tが搬送方向Gに対して斜めに延びているため、境界Tの印刷幅方向の長さに渡って、照度が低下する箇所が印刷幅方向に分散される(領域R)。したがって、乾燥が不十分な箇所が発生するのを防止することができ、印刷の質を向上することができる。
【0035】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、カバー部材37間の境界Tを直線状に形成しているが、搬送方向Gに対して斜め方向に延びていれば、例えば、図14に示すように、波線(a)、折れ線(b)であってもよい。この場合は、境界Tの両端を結ぶ線Zと搬送方向Gとがなす角αを上述した範囲にすればよい。また、上記実施形態では、2枚のカバー部材を用いているが、図14(c)に示すように、3枚以上用いることもでき、その場合には、各境界Tを上記のように斜めにすればよい。
【0036】
また、隣接するカバー部材37間の境界Tに、紫外線透過性を有する樹脂を配置することもできる。例えば、カバー部材37間に隙間が生じて空気の層が形成されると、空気の光の屈折率がカバー部材よりも小さいため、空気の層の直下では被印刷物Pが受ける照度が低下することがある。これに対して、カバー部材37間に樹脂を配置すると、境界に形成される空気の層を樹脂で埋めることができ、被印刷物P上の紫外線の照度の低下を防止することができる。このような樹脂としては、例えば、アクリレート系透明液状を用いることができる。上記実施形態では、カバー部材37に光学用の石英ガラスを用いているため、アクリレート系透明液状を用いることができるが、その他、カバー部材37の有する屈折率に応じて、屈折率整合性をとれる樹脂を任意に選択できる。
【実施例】
【0037】
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されない。
【0038】
被印刷物の搬送方向に2列に並ぶLEDユニットを有する紫外線照射装置に対し、図15に示すような実施例1及び比較例を用いて評価を行った。実施例1では、カバー部材の境界Tの角度が約45度になっている。また、比較例では境界Tの角度が0度、つまり搬送方向と平行になっている。さらに、カバー部材を配置しない参考例も準備した。そして、この境界の直下に照度計を配置し、搬送方向と直行する方向に照度計を移動させながら、照度を測定した。実験の仕様は以下の通りである。
(1)LEDユニット:EAK-380096-11ミネベア製
(2)照度計:UVia UV Guard Checker-ALGAN(株)製
(3)カバー部材:テンパックス 90.5×90.5AR 厚さt2.0 松浪硝子工業(株)
(4)カバー部材から照度計までの距離:5mm
(5)照度計の移動速度:20mm/sec
(6)測定波長:385nm
また、実験の条件は上記とは異なるが、カバー部材の境界Tの角度が約30度である実施例2についても評価を行った。装置は、図16に示すとおりである。また、実施例2の条件は以下の通りである。実施例1と対比して示す。
【0039】
【表1】
【0040】
実施例2においては、図16に示すとおり、100mm〜812.5mm地点までを計測した。この例では、349.41mmの地点がカバー部材の境界となる。なお、実施例2は、実施例1のLEDに比べて、4チップ/素子で、2列であるので、単純計算で、実施例1の約8倍の照度値になる。
【0041】
実施例1の結果は、図17に示すとおりである。いずれも一列目のLEDユニットの直下の照度を測定した。実施例1では、照度の低下はほとんど見られない。一方、図18に示すように、比較例では、カバー部材の境界である○を付した箇所で、急激に照度が低下している。また、測定時間における平均照度は以下の通りである。
【0042】
【表2】
【0043】
表1によれば、紫外線照射の妨げがない参考例と比較しても、実施例1では平均照度がほとんど落ちていないことが分かる。一方、比較例では、参考例と比較して3割程度照度が低下していることが分かる。よって、カバー部材の境界の角度が45度の場合には、照度の低下はないことが分かる。
【0044】
また、条件は相違するが、実施例2の結果は、図19に示すとおりである。○を付した箇所は、カバー部材の境界であるが、照度の低下は見られない。平均の照度は、実施例2の条件では、2720mW/cm2であるが、実施例1の約8倍の照度であるとすると、実施例1の条件に換算して、照度は約340mW/cm2となる。単純な比較はできないが、表2と比較しても、照度が大きく低下していることはない。よって、カバー部材の境界の角度が30度であっても、照度の低下はないことが分かる。
【符号の説明】
【0045】
31 支持基板
32 紫外線LED(紫外線光源)
37 カバー部材
T 境界
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷物に、紫外線を照射する紫外線照射装置であって、
前記被印刷物の搬送方向と直交する当該被印刷物の印刷幅方向に沿って並ぶ複数の紫外線光源と、
前記複数の紫外線光源を覆うように、前記印刷幅方向に沿って直列に配置され、紫外線透過性を有する複数のカバー部材と、を備え、
隣接する前記カバー部材同士が突き合わされる境界は、前記被印刷物の搬送方向に対して斜めに延びるように構成されている、紫外線照射装置。
【請求項2】
前記境界は、前記搬送方向に対して、30〜45度の角度を形成している、請求項1に記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
隣接する前記カバー部材間の境界には、紫外線透過性を有する樹脂が配置されている、請求項1または2に記載の紫外線照射装置。
【請求項1】
被印刷物に、紫外線を照射する紫外線照射装置であって、
前記被印刷物の搬送方向と直交する当該被印刷物の印刷幅方向に沿って並ぶ複数の紫外線光源と、
前記複数の紫外線光源を覆うように、前記印刷幅方向に沿って直列に配置され、紫外線透過性を有する複数のカバー部材と、を備え、
隣接する前記カバー部材同士が突き合わされる境界は、前記被印刷物の搬送方向に対して斜めに延びるように構成されている、紫外線照射装置。
【請求項2】
前記境界は、前記搬送方向に対して、30〜45度の角度を形成している、請求項1に記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
隣接する前記カバー部材間の境界には、紫外線透過性を有する樹脂が配置されている、請求項1または2に記載の紫外線照射装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−25052(P2012−25052A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−166511(P2010−166511)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(311001347)NKワークス株式会社 (96)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(311001347)NKワークス株式会社 (96)
【Fターム(参考)】
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