説明

組織プロテーゼ処理技術

【課題】心臓弁プロテーゼを収容するステントの直径を縮小するための、心臓弁プロテーゼクリンピング装置および方法の提供。
【解決手段】医療用プロテーゼカテーテル装填装置は、プロテーゼの直径を縮小するためのクリンピングアセンブリ12と、カテーテル11をプロテーゼに隣接して保持するためのカテーテルクランプ15とを備えている。また、基部と、基部に結合可能なクリンプヘッドと、基部に結合されクリンプヘッドを作動させるためにクリンプヘッドに結合可能な作動機構とを備える医療用プロテーゼの直径を縮小するための装置が提供される。プロテーゼの直径を、その正常な配置状態から、カテーテルの管腔の直径よりも小さい直径まで縮小させるステップと、カテーテルを直径が縮小されたプロテーゼに隣接して保持するステップと、プロテーゼをカテーテル管腔内へと動かすステップとを含む、医療用プロテーゼをカテーテル内へと装填する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この特許明細書の開示の一部は、著作権の保護を受ける資料を含む。この著作権の所有者は、それが、米国特許商標局の特許ファイルまたは記録に記載される限り、特許文書または特許開示のいずれによる複製の製作も拒否しないが、それ以外においては、あらゆる著作権を保有するものである。
【0002】
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、本明細書に参照として組み込まれる2004年6月16日出願の同時係属中の特許文献1による利益を主張するものである。
【0003】
本発明は、大きく言って、医療用装置および方法に関する。詳細には、本発明は、組織プロテーゼ処理装置、ならびに、組織プロテーゼを処理するために組織プロテーゼ装置、およびシステムを製作および使用する方法に関する。より詳細には、本発明は、心臓弁など組織プロテーゼの直径を縮小させるための装置および方法に関する。最も詳細には、本発明は、心臓弁プロテーゼを収容するステントの直径を縮小させる、心臓弁プロテーゼクリンピング装置および方法に関する。
【背景技術】
【0004】
最先端の技術は、出願者の譲受人である、米国アリゾナ州フラッグスタッフのMachine Solutions,Inc.社によって製造されている、ステントクリンピングおよびバルーン折畳み装置、および方法を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/580,244号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の存在は、必要とされていると確信する。
【0007】
本明細書のいずれかの箇所で言及されている、すべての米国特許および特許出願、ならびにその他すべての公開文書のすべては、参照のために、本明細書に組み込まれるものとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、実用的で、信頼することができ、正確かつ有効であり、しかも上記必要を満たし、背景技術を超える改善がなされていると考えられる、心臓弁プロテーゼクリンピング装置および方法を提供するものである。
【0009】
本発明は、一態様では、プロテーゼの直径を縮小するためのクリンピングアセンブリと、カテーテルをプロテーゼに隣接して保持するためのカテーテルクランプとを備える、医療用カテーテル装填装置を提供するものである。
【0010】
別の態様では、本発明は、基部と、基部に結合可能なクリンプヘッドと、基部に結合され、クリンプヘッドを作動させるために、クリンプヘッドに結合可能な作動機構とを備える、医療用プロテーゼの直径を縮小するための装置を提供するものである。
【0011】
本発明のある態様では、プロテーゼの直径を、その正常な配置状態から、カテーテルの管腔の直径よりも小さい直径まで縮小させるステップと、カテーテルを、直径が縮小されたプロテーゼに隣接して保持するステップと、プロテーゼを、カテーテル管腔内へ動かすステップとを含む、医療用プロテーゼをカテーテル内に装填するための方法を提供するものである。
【0012】
本発明の特徴、利点、および目的は、以下の説明により、また、1つまたは複数の請求項、および図面を参照することによって、当業者に明らかになると思う。
【0013】
本発明、およびそれを製作し使用する方法および工程は、以下の図面を参照することによって、当業者には、よく理解されると思う。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の組織プロテーゼ処理装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】装置のさらなる斜視図である。
【図3】装置のタブ、カテーテルクランプ、およびクリンピングアセンブリの実施形態を示す図である。
【図4】装置のクリンピングアセンブリを示す分解図である。
【図5】クリンピングアセンブリを示す斜視図である。
【図6】作動リングの一実施形態を示すクリンピングアセンブリの斜視図である。
【図7】クリンピングアセンブリの固定プレートの一実施形態の裏側を示す斜視図である。
【図8】クリンピングアセンブリの主な表面板の一実施形態の裏側を示す斜視図である。
【図9】装置の急速変化カテーテルクランプの一実施形態を示す分解図である。
【図10】急速変化カテーテルクランプを使用する一工程を示す図である。
【図11】急速変化カテーテルクランプを使用する一工程を示す図である。
【図12】急速変化カテーテルクランプを使用する一工程を示す図である。
【図13】急速変化カテーテルクランプを使用する一工程を示す図である。
【図14】急速変化カテーテルクランプを使用する一工程を示す図である。
【図15】急速変化カテーテルクランプを使用する一工程を示す図である。
【図16】装置のクリンピングアセンブリの一代替実施形態を示す斜視図である。
【図17】図16のクリンピングアセンブリを示す前面図である。
【図18】図16のクリンピングアセンブリを示す上面図である。
【図19】図16のクリンピングアセンブリを示す端面図である。
【図20A】ローダを用いた1組の新しい要素の要素装填を示す、クリンピングアセンブリの別の斜視図である。
【図20B】クリンピングアセンブリを示す分解図である。
【図21A】クリンピングアセンブリの作動リングの一実施形態を示す図である。
【図21B】クリンピングアセンブリの作動リングの一実施形態を示す図である。
【図22】クリンピングアセンブリの使い捨てクリンピングヘッドの一実施形態およびローダを示す斜視図である。
【図23】クリンピングヘッドおよびローダを示す分解図である。
【図24】クリンピングアセンブリの基部および板の実施形態を示す斜視図である。
【図25】クリンプヘッドの前面図である。
【図26】図4および図6に示すクリンピングヘッドのクリンピング要素またはセグメントの一実施形態を示す斜視図である。
【図27】図16〜図25に示すクリンピングヘッドと共に使用するための、クリンピング要素の一代替実施形態を示す斜視図である。
【図28】反対側を想像線で示す図である。
【図29】セグメントの側面を示す図である。
【図30】セグメントの長手面を示す図である。
【図31】セグメントの遠位端を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の組織プロテーゼクリンピング装置は、心臓弁など、組織プロテーゼを収容する比較的大きいステントの直径を、容易に縮小するため、すなわち、クリンプするために、単一の操作者によって使用することができ、かつこのようなデバイスを、後に、患者内へ配置するためにカテーテル内へ装填するものである。
【0016】
これは、最小限に侵襲的な心臓弁置換術(MIHVR)など、「ベッドサイド」のカテーテル手技に適している。また、この組織プロテーゼクリンピング装置は、医療用デバイスの台上試験、およびそのようなデバイスの、動物を用いた製品試験に使用することができる。
【0017】
まず図1〜図3に示すように、プロテーゼまたはその他の医療用デバイス(図示せず)をカテーテルまたはシース11、あるいはその他の管状構造内に装填するための、組織プロテーゼクリンピング装置10は、クリンピングアセンブリ12、生理食塩水など医療用溶液14を保持するための浸水タンクまたはタブ13、およびカテーテルクランプ15を備えている。
【0018】
装置10は、取外し可能なタブ13内に収容される生理食塩水14中に部分的に浸水されながら動作する。タンク13は、好ましくは約325mm×188mm(13×7.5インチ)であり、高さは約133mm(5.25インチ)、最大液体容積は約5.15リットル、および充填重量が約6.8kg(15ポンド)である。本装置のすべての操作を行うために、1人の個人のみで足りる。
【0019】
クリンピングアセンブリの基部またはフレーム部分19、およびカテーテルクランプ15は、再使用可能であり、蒸気およびエチレンオキシド滅菌される。クリンプヘッドまたはアセンブリ20のクリンピング要素、またはセグメント(後に説明する)を含めて、ステントまたはプロテーゼと直接接触するすべての部品は、各手技の間で、容易に交換することができる1回使用の使い捨て部片である。
【0020】
一般に、システム10の操作には、まず、新しいクリンプ要素またはセグメントを、クリンプヘッド20内に(好ましくはローダで補助して)配置し、それを完全開位置へ動かす。
【0021】
次に、ヘッド20を含めた機械基部19を、タブ13内に配置する。カテーテル11を、急速解放クランプ15に固定する。クランプ15を、基部19に固定する。次に、ステントに対合するプロテーゼが、たとえば手で、ヘッド20内に挿入し、ヘッド20を作動させ、それによって、その中央開口は、個々のクリンプ要素が硬い停止部に載るまで閉じられる。
【0022】
これによって、ステント/プロテーゼは径方向に圧迫されて、クリンプされる。クリンプされたデバイスは、カテーテル11の内部へ(たとえばクイルによって)押されるか、または(カテーテル内部のデバイスによって)引かれる。
【0023】
この装置は、バルーン拡張式、および自己拡張型のプロテーゼステントの両方と共に使用することができる。カテーテルクランプ15は、基部19から取り外すことができる。
【0024】
最後に、カテーテル11を、その中に設置された、たとえば心臓弁などクリンプされたプロテーゼデバイスと共に、クランプ15から取り外す。
【0025】
次に図4〜図6に示すように、クリンピングアセンブリ12は、基部またはフレーム19、クリンプヘッド20、および、フレームに結合されクリンプヘッド20に結合可能な、作動機構21を備えている。この装置はまた、クリンプヘッド20の要素を作動機構21上に整列させ装填するための、取付け可能なローダ22を備えている。
【0026】
また、図7および図8に示すように、フレーム19は、基部部材25、前板26、後板27、ならびに側部部材28aおよびbを備えている。基部部材25は、フレーム19の残りの要素のための底部支持部を備えている。前板26および後板27は、基部部材25から上向きに延び、所定の距離離隔されている。前板26は、取外し可能な表面板29を有する。
【0027】
表面板29および前板26は、それぞれ、その内側を向く面上に配置され同軸の中央開口35aおよびbを取り囲む、所定の構成の直線状の傾斜した摺動溝30またはスロット30を有する。各溝30は、好ましくは、ステント/プロテーゼを以下で説明するように圧迫するために直線的な径方向運動をもたらすように、ヘッド20要素上の摺動部材と協働する1対の同軸部材を有する。
【0028】
また図26を参照すると、クリンプヘッド20が、中央開口35の周りに配列されて、それを画成する、複数の、たとえば8つのクリンプセグメント34a〜hを備えている。各セグメント34は、開口35に向かって配置されており、内側に向けられた先細の遠位端36、および外側に向けられた近位端37を備えている。
【0029】
1対の遠位直線摺動ブロック、またはショルダ38aおよびbが、(全般に装置10の動作または入力/出力軸に対して)長手方向に向けて、セグメント34の端部上に配置されている。
【0030】
1対の近位摺動ブロック39aおよびbが、近位端に配置されている。摺動ブロック38および39は、板26および27の摺動溝30と対合する。好ましくは、少なくとも1つのローダ対合開口が、ローダ(図示せず)に結合するために、各長手方向端部に配置されている。セグメント34は、それ34を動かすために、アクチュエータ21、摺動ブロック39、および摺動溝30と協働する、所定の実質的に平坦な側面41aおよびbを有する。遠位端の長さは、好ましくは約50mmである。
【0031】
図6に最もよく示されているように、アクチュエータ21は、作動リング43、ローラ47、アーム49、梁50、およびねじ51を備えている。操作者が手で回すためのハンドル52が、ねじ51に結合されている。ねじ51は、梁50の一端部にねじ結合され、梁50は、ピン/アクチュエータ53にて板26および27に枢動式に結合されている。
【0032】
アーム49aおよびbは、ブラケット48aおよびbによって、一方の端部にて梁50に、もう一方の端部にてリング43に、枢動式に結合されている。
【0033】
リング43は、好ましくは分岐されているが、一体構造とすることもできる。リング43は、円周リング部分45、および、クリンプ要素34間に位置合せされる複数の径方向スポーク46a〜46gを有する。ローラ47a〜47hは、スポーク46に結合される。
【0034】
ねじ51の回転によって梁50が動かされ、それによってアーム49が動かされ、作動リング43は回転させられる。これによって、ローラ47がセグメント34の側面41に接触し、それに沿って動かされる。
【0035】
ローラ47の回転力によって、セグメント34が、摺動ブロック39により、溝30によって決定された所定の通路に沿って、直線的に摺動する。セグメントの遠位端36は、互いに向かって動き、それによって、開口35がより小さくなり閉じる。端部36は、開口35内に配置されたプロテーゼデバイスと係合し、径方向に圧迫する。
【0036】
クリンプヘッド20の開口35の好ましい最大開口直径は、約35mmであり、これは約0mmまで閉じることができる。本発明を利用すると、装置10の最大クリンピング力は、2つの対向する要素34間で約45kg(100ポンド)となる。最大クリンピングサイクルは、1つのヘッド20につき約10回である。
【0037】
図9〜図15を参照すると、カテーテルクランプ15は、底部ブロック69に結合された前板68、頂部ブロック70、およびばねクランプ71を備える。カテーテル11は、その開いた終端または遠位端が前板68に当接するように、底部ブロック69の中央溝またはチャネル内に配置される。
【0038】
当技術分野で知られているように、カテーテル11は、中空管腔を有する。頂部ブロック70は、その溝がカテーテル11と位置合せされるように、底部ブロック上に配置されている。クランプ71は、対合ブロック69および70を定位置に保持するように、それらを覆って配置されている。
【0039】
前板68は、径方向に圧迫され、直径が縮小されたプロテーゼを、その開端部を通してカテーテル11の管腔内へと押し込み、または引き込むことができるように、クリンピングアセンブリ12に結合することができる。クランプ15は、直径約8mm、長さ約65mmまでの、シース11を受け入れる。ステント直径が、少なくとも6mm縮小させられる。
【0040】
装置10の操作は、比較的単純であり、そのため、操作者の特別な訓練の必要が最小限に抑えられる。最終的に閉じた直径は、ある手技用に選択される特定のクリンピング要素34に依存する。そのため、操作者の較正誤差の可能性が、最低限に抑えられる。
【0041】
クランクハンドル52では、適当なクリンピング力を提供するために、最小限の物理的努力が必要とされる。クリンプされたステントの導入は、2つの手段によって実現することができる。クリンプされたステントを、手で基部の外に押し出し、カテーテルの中へ押し込むために、手持ちのクイルを使用することができる。また、ステントを、カテーテル内デバイスによって基部の外に引き出し、カテーテル内へと引き込むことができる。
【0042】
カテーテルクランプセット15は、広範囲のフレンチサイズのカテーテルを受け入れる。クランプ15は、装置の基部に、迅速かつ容易に、取外しおよび取付けされ、これによって、操作サイクル時間が短縮され、簡単なカテーテル配置が可能になる。
【0043】
クランプ15の設計によって、また、その他のステント導入手段と比較したときに、カテーテル内に挿入するためのより優れたステントの位置合せがもたらされる。装置10の挿入開口によって、クリンピング要素間の間隙が、その直径範囲全体を通して最小化される。そのため、圧迫時のステントへの損傷が回避される。装置10のサイズおよび重量が小さいため、容易な保管および輸送が可能になる。
【0044】
また、システム10のモジュール設計によって、要素の使い捨て性能、手技のサイクル時間の短縮、保管空間要求の低減、滅菌手順の空間要求の低減を含めて、いくつかの利点が提供される。
【0045】
使い捨てクリンプ要素20によって、各手技間の表面相互汚染がなくなり、将来的な機械上で、予備調整された精密な直径を設定することが可能になる。急速結合カテーテルクランプ15によって、クランプ15内でのシース11の迅速かつ正確な配置、および基部12へのクランプ15の急速な取付け/取外しが可能になる。
【0046】
また、クランプ15が基部に取り付けられないうちに操作者がシース11を装填することが可能になることによって、基部12がシース装填を妨害することが妨げられる。Cクランプばね71は、保持グリップとしても働き、かつ頂部クランプ板70およびカテーテル11の急速な解放および取外しを可能にする。
【0047】
一実施形態では、回転クランク52およびパワースクリュー作動によって、操作者による努力をほとんど必要とせずに、クリンピング負荷下の閉位置において、適当な保持能力がもたらされる。
【0048】
直線的に動くクリンピング要素34によって、開口縮小時のクリンピング要素34間の間隙が減少する。これによってまた、射出成形要素34に用いた移動全体を通して、間隙0の展開が可能になる。
【0049】
さらに、機械10および使い捨て要素34の、サイズ全体の縮小が可能になる。急速に変化する要素34、または要素の組20によって、容易な輸送、滅菌、および使い捨て要素の組20の装填が可能になる。これによって、輸送時のクリンピング要素24の損傷が回避され、機械の基部12内での正しい配置が保証される。
【0050】
別個の浸水タンク13によって、機械の保管に必要とされる空間が縮小され、機械を部片として移動させることが可能になり、水密封止が単純化される。
【0051】
調整可能な硬い停止部によって、試験のための迅速かつ精密な直径調整が可能になる。重合体の滑り軸受によって、枢動点の摩擦を低減し腐食をなくしながら、蒸気およびエチレンオキシド滅菌することが可能になる。調整可能性がより低い軸受中心軸によって、作動リングに対する重合体のころ軸受の予備装填が可能になる。
【0052】
図16〜図19に示す一代替実施形態であるクリンピングアセンブリ112は、基部またはフレーム119、クリンプヘッド120、および、フレーム119に結合されクリンプヘッド120に結合可能な、作動機構121を備えている。
【0053】
この装置はまた、好ましくは、クリンプヘッド120の要素を作動機構121上に位置合せおよび装填するための、取付け可能なローダ122を備えている。
【0054】
図20および図24に示すように、フレーム119は、基部部材125、前方フレーム126、および後方フレーム127を備えている。基部部材125は、フレーム119の残りの要素のための底部支持を提供する。前板126および後板127は、基部125から上向きに延び、所定の距離離隔されている。
【0055】
前板126は、取外し可能な表面板129を有する。表面板129および後板127は、それぞれ、それらの内側を向く面上に配置され、同軸の中央開口135aおよびbを取り囲む、所定の構成の、直線状の傾斜した摺動溝またはスロット130を備えている。摺動溝130は、好ましくは、ステント/プロテーゼを圧迫するための直線的な径方向運動を提供するためにヘッド120要素上の摺動部材と協働する、1対の同軸部材を備えている。
【0056】
また図22、図23、および図25に示すように、クリンプヘッド120が、中央開口135の周りに配列され、それを画成する、複数の、たとえば8個のクリンプセグメントまたは要素134a〜hを備えている。
【0057】
図27〜図31に最もよく示されているように、各セグメント134は、開口135に向かって配置され、内側に向けられた先細の遠位端136、および外側に向けられた近位端137を備え、所定の構成を有する。
【0058】
1対の遠位直線摺動ブロック、または位置決めショルダ138aおよびbが、セグメント134の、(全般に装置10の動作、または入力/出力軸に対して)長手方向に向けられた端部上に配置されている。1対の近位摺動ブロック139aおよびbは、近位に配置されている。
【0059】
摺動ブロック138および139は、板126および127の摺動溝130と対向する。好ましくは、少なくとも1つのローダ対合開口171が、ローダ122aおよびbに結合するために、各長手方向端部に配置されている。
【0060】
セグメント134は、セグメント134を動かすために、アクチュエータ121、摺動ブロック139、および摺動溝130と協働する、所定のインセット構成である所定の実質的に平坦な側面141aおよびbを、片側に有する。遠位端は、好ましくは長さ約50mmである。
【0061】
図20、図21、および図24に戻ると、アクチュエータ121が、外側歯車プロファイル144およびその内部に配置された複数の作動ピン構造147を有する、作動リング143を備えている。作動リング143は、捕捉板係止リング145によって、板126と127の間の回転可能な位置に保持されている。
【0062】
ハンドル152が、ピン148によって、点149において、前板126に結合されている。ハンドル端部は、作動リング143の歯車プロファイル144と対向する、駆動歯車150を有する。アーム152の回転によって、歯車150が動かされ、それによって、作動リング143が動かされる。これによって、ピン147は、セグメント134の側面141に接触し、それに沿って動かされる。
【0063】
ピン147の回転力によって、セグメント134は、摺動ブロック139により、溝130によって決定された所定の通路に沿って、直線的に摺動する。セグメントの遠位端136は、互いに向かって動き、それによって、開口135がより小さくなり閉じる。端部136は、開口135内に配置されたプロテーゼデバイスに係合し、それを径方向に圧迫する。
【0064】
基部119はさらに、ヘッド120の交換を容易にするために、セグメント装填位置指示図形155、作動リング位置決めスロット156、および、ハンドル装填位置指示部157を有する。
【0065】
上記の説明および添付の図面は、限定的な意味ではなく、単なる例示として解釈されるべきである。
【0066】
以上本発明を、その1つ、または複数の実施形態に関連して説明してきたが、特許請求の範囲によって定義されている本発明の範囲に包含されるその他の実施形態が存在し得ることは、当業者によって理解されると思う。
【0067】
いずれかの請求項が、具体的な機能を実施するための手段、またはステップとして示されている場合、その請求項は、構造的な同等物および同等の構造、材料に基づく同等物および同等な材料、ならびに動作に基づく同等物および同等な行為を含み、本明細書に記載した対応する構造、材料、または行為、およびその同等物を網羅するものとして理解されるべきである。
【符号の説明】
【0068】
10 組織プロテーゼクリンピング装置
11 カテーテル
12、112 クリンピングアセンブリ
13 浸水タンクまたはタブ
14 生理食塩水
15 カテーテルクランプ
19、119 フレーム
20、120 クリンピングヘッド
21、121 作動機構
22、122a、122b ローダ
25、125 基部部材
26、126 前板
27、127 後板
28a、28b 側部部材
29、129 表面板
30、130 摺動溝
34、134 セグメント
35a、135a 中央開口
35b、135b 中央開口
36、136 遠位端
37、137 近位端
38a、138a 摺動ブロック
38b、138b 摺動ブロック
39a、139a 摺動ブロック
39b、139b 摺動ブロック
41a、141a 側面
41b、141b 側面
43、143 リング
45 円周リング部分
46 スポーク
47 ローラ
48a ブラケット
48b ブラケット
49a アーム
49b アーム
50 梁
51 ねじ
52、152 ハンドル
53 ピン/アクチュエータ
68 前板
69 底部ブロック
70 頂部クランプ板
71 Cクランプばね
144 歯車プロファイル
145 捕捉板係止リング
147 作動ピン構造
148 ピン
149 点
150 駆動歯車
155 セグメント装填位置指示図形
156 作動リング位置決めスロット
157 ハンドル装填位置指示部
171 ローダ対合開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.心臓弁プロテーゼの直径を縮小するためのクリンピングアセンブリと、
b.前記クリンピングアセンブリに接続可能であり、軟性重合体医療用カテーテルを、クリンプされた心臓弁を受けるための前記心臓弁プロテーゼに、隣接して保持するためのカテーテルクランプとを備え、
前記クリンピングアセンブリは、(i)少なくとも1組の直線溝(30)をそれぞれ有するクリンプヘッド保持部材(26)(27)を含む基部と、(ii)前記基部に接続可能であり、前記心臓弁プロテーゼを受ける中央開口35の周りに配列された複数のクリンプセグメントを含むクリンプヘッドと、(iii)前記クリンプヘッドを作動させるための作動機構とを備え、
前記クリンプヘッドセグメントは、前記クリンプヘッド保持部材の前記直線溝によって案内され、
前記カテーテルクランプは、前記医療用カテーテルの一部に係合するためのスロットと、前記クランプを前記クリンピングアセンブリに解放可能に接続させるための前記底部ブロックに結合された前板(68)と、前記医療用カテーテルの一部を取り囲むための前記底部ブロックに接続可能な頂部ブロック(70)と、をそれぞれ有する底部ブロック(69)と、前記頂部及び底部ブロックを互いに保持するためのC形クランプ(71)とを備え、前記ブロックおよび前記クランプは、滅菌可能な材料によって形成され、前記クリンプヘッドは、中央クリンプ開口の周りに配列された複数のクリンプ要素を備えている、プロテーゼ心臓弁を医療用カテーテルに装填する医療用心臓弁プロテーゼカテーテル装填装置。
【請求項2】
前記クリンプ要素は、前記中央クリンプ開口のサイズを変えるために、直線的に移動するようになっている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各クリンプ要素は、前記中央クリンプ開口付近に配置された遠位端と、前記中央クリンプ開口から離して配置された近位端とを備え、各要素は、さらに、遠位直線摺動ブロックと、近位直線摺動ブロックと、少なくとも1つの平坦な作動面とを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記クリンプヘッドは、容易に使い捨て可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記クリンプ要素を構成するためのセグメントローダを、さらに備えている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記作動機構は、前記クリンプ要素を前記中央クリンプ開口に向かって直線的に動かすために、前記クリンプ要素と連絡可能に結合された、回転可能な作動リングを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記作動リングは、要素に接触するローラによって、前記クリンプ要素に連絡可能に結合されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記作動リングは、要素に接触するピンによって、前記クリンプ要素に連絡可能に結合されている、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記作動機構は、レバーによって、前記作動リングに結合されたねじを、さらに備えている、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記作動機構は、歯車によって前記作動リングに結合されたアームを、さらに備えている、請求項5に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つのブロックは、前記クリンピングアセンブリに結合するための表面を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記クリンピングアセンブリ、および前記カテーテルクランプの少なくとも一部を取り囲むように形成された、所要の量の医療用溶液を保持するための浸水タンクをさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
a.1対のクリンプヘッド保持部材を備える基部と、
b.前記基部に結合可能なクリンプヘッドと、
c.前記基部に結合され、前記クリンプヘッドを作動させるために、前記クリンプヘッドに結合可能な作動機構とを備え、
前記クリンプヘッド保持部材は、それぞれクリンプヘッドセグメント案内部を備え、
前記クリンプヘッドセグメント案内部は、それぞれ内側に配置された直線上の溝及び外側に同軸の円状を形成するよう配置された直線状の溝を備え、
前記クリンプヘッドは、中央クリンプ開口の周りに配置される複数のクリンプ要素を備え、前記クリンプ要素は、それぞれさらに遠位直線摺動ブロック及び近位直線摺動ブロックを有することを特徴とする医療用プロテーゼの直径を縮小するための装置。
【請求項14】
a.心臓弁プロテーゼの直径が、人間の体外で、正常な配置状態から、人間に接続されてはいないカテーテルの管腔の直径よりも小さい直径まで縮小するステップと、
b.前記カテーテルが、前記直径が縮小した心臓弁プロテーゼに隣接して保持されるステップと、
c.前記心臓弁プロテーゼが、前記人間からは切り離された状態を維持している前記カテーテルの管腔内へと動くステップ
とを含むことを特徴とする人間に直接取り付けはしない心臓弁をカテーテル内に装填する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2012−115685(P2012−115685A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−10362(P2012−10362)
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【分割の表示】特願2007−516738(P2007−516738)の分割
【原出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(506157824)マシーン ソリューションズ インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】