説明

経肛門内視鏡手術装置

【課題】 人の身体に自然的に存在する穴を通じて挿入して、それの内部空間を通じて細くて長い手術道具および内視鏡装置を体内手術部位に移送した後、手術を行うために用いられる経肛門内視鏡微細手術(TEM)のための手術装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の経肛門内視鏡手術装置によると、TEM手術装置の鏡筒部位に回転機能を加えて手術途中にTEM装置を固定台から分離しなくても鏡筒部位のみを必要なだけ手で回転させることによって施術部位を調節することができる。また、内視鏡を鏡筒の外部に配置することによって、鏡筒部位の外径を縮小させることができ、鏡筒部位が回転しても内視鏡の視野方向を常に一定に維持することができる。また、鏡筒部位に回転機能を付与することと共に手術道具挿入口にも回転機能を付与することによってより便利な施術が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は経肛門内視鏡微細手術(Transanal Endoscopic Microsurgery;TEM)のための手術装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に患者の治療のための既存の開腹切開手術の場合、切開部位が大きくて手術時に発生する出血が大きいため、手術後の患者の回復が遅く、大きな傷跡が残って患者の生活にも支障を与えるようになる。
【0003】
このような開腹切開手術の短所を克服するために、最近は 最小侵襲手術(Minimal Invasive Surgery;MIS)および無瘢痕手術(Natural Orifice Transluminal Endoscopic Surgery;NOTES)等の新しい手術技法が開発されつつある。
【0004】
最小侵襲手術とは、手術のために必要な切開部位を最小化するために、特別に考案された細くて長い手術道具を使って患者の身体に最小限の部位だけを切開して施術する手術技法であり、無瘢痕手術とは、患者の体内にある手術部位へ手術道具を移送するために、患者の身体を切開することなく、人の身体に自然的に存在する穴(食道、肛門、膣など)を通じて手術道具を挿入して体内の施術部位へ手術道具を移送して施術する手術技法である。
【0005】
このような最小侵襲手術および無瘢痕手術は、手術のために必要な切開部位が少なくて、手術の時に出血量が開腹手術に比べて顕著に少ないため、手術後の患者の回復期間が短くて、外部に現れる傷跡が小さいという長所があるため、最近このような技法による手術数が顕著に増加しつつある。
【0006】
前述した無瘢痕手術法の一例として、経肛門内視鏡微細手術(Transanal Endoscopic Microsurgery;TEM)のための手術装置(即ち経肛門内視鏡手術装置)を用いるようになる。この経肛門内視鏡手術装置は、患者の肛門に挿入して、その内部空間を通じて細くて長い手術道具および内視鏡装置を患者の体内施術部位に移送した後、手術を行うための用途として用いられる。
【0007】
従来の経肛門内視鏡手術装置を用いる場合は、手術開始の前に手術部位の位置に応じて患者の姿勢を変えて施術者が容易に手術を行うことができるようにしている。このように初期位置を捉えた後には、固定台に連結して装置がこれ以上に動かないように固定する。
【0008】
しかし、もし手術途中に経肛門内視鏡手術装置の左右回転が必要な場合、患者の姿勢を変えるか、或いは、固定台に固定しておいた装置全体を固定台から分離し、固定台の位置を再び捉えた後に回転させて、装置を再び固定台に固定させなければならない不便さがあった。
【0009】
また、従来の経肛門内視鏡手術装置は、装置全体を左右に回転させる場合、それに連結された内視鏡も共に回転することになるため、意図しない内視鏡画面の回転現象が発生して内視鏡の姿勢を再調整しなければならないという不便さがあった。
【0010】
また、従来の経肛門内視鏡手術装置は、鏡筒部の内部に内視鏡と各種手術道具が共に配置されるため、鏡筒部の外鏡が拡大されて、患者の肛門の損傷の可能性が高くて、内視鏡と手術道具との干渉現象が発生して手術道具を自由に動かすのに不便さがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】US 4、538、594
【特許文献2】US 4、112、932
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、経肛門内視鏡手術装置の鏡筒部位に回転機能を加えて、施術中経肛門内視鏡手術装置を固定台から分離することなく手術部位を調節することが可能な、新規かつ改良された経肛門内視鏡微細手術のための経肛門内視鏡手術装置を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、鏡筒部位を回転させて手術視野を確保することによって手術範囲の拡張が容易な経肛門内視鏡微細手術のための経肛門内視鏡手術装置を提供することにある。
【0014】
本発明のまた他の目的は、鏡筒部位が回転しても内視鏡の視野方向を常に一定に維持しうる経肛門内視鏡微細手術のための経肛門内視鏡手術装置を提供することにある。
本発明のまた他の目的は、経肛門内視鏡手術装置の内部に挿入される内視鏡と各種手術道具との干渉現象を防止しうる経肛門内視鏡微細手術のための経肛門内視鏡手術装置を提供することにある。
【0015】
本発明の更に他の目的は、鏡筒の外径を縮小させて患者の肛門損傷の可能性を最小化しうる経肛門内視鏡微細手術のための経肛門内視鏡手術装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、以上で言及した目的に制限されなく、言及されていない更に他の目的は、下の記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の目的を達成するための本発明の経肛門内視鏡手術装置は、経肛門内視鏡微細手術のための内視鏡が挿入される内視鏡挿入ポートと手術道具が挿入される手術道具挿入ポートとがそれぞれ具備され、前記手術道具挿入ポートが前記内視鏡挿入ポートに対して独立的に回転する本体部と、前記本体部の前端に回転自在に結合され、前記本体部に挿入された前記内視鏡および前記手術道具が貫通する回転部と、前記回転部の前端に結合されて前記回転部の回転により一体に回転し、患者の肛門に挿入されて前記内視鏡および前記手術道具のガイド通路を形成する鏡筒部と、を含むことができる。
【0017】
前記本体部は、前記回転部が前端に回転自在に結合され、前記内視鏡および前記手術道具が貫通するハウジングと、前記ハウジングの後面に結合され、前記内視鏡挿入ポートが形成される器具挿入部と、前記器具挿入部に回転自在に設けられ、前記手術道具挿入ポートが形成される手術道具挿入部と、前記ハウジングと前記器具挿入部との間に位置し、前記器具挿入部を前記ハウジングにロッキング結合するロッキング部と、を含むことができる。
【0018】
前記ハウジングには、前記内視鏡が貫通する内視鏡貫通口と前記手術道具が貫通する手術道具貫通口とが互いに区分して形成されることが可能である。
また、前記ハウジングには、手術時に発生しうる不必要な内部ガスを外部に排出するためのガス排出管と、施術空間の確保のために内部にガスを注入するためのガス注入管と、が具備されることが可能である。
【0019】
また、前記手術道具挿入部が前記器具挿入部に左右に回転自在に結合するように、前記器具挿入部の後面の中央に回転軸突起が形成され、前記手術道具挿入部の回転中心に前記回転軸突起が挿入される回転軸ホールが形成されることが可能である。
【0020】
また、前記器具挿入部には、前記手術道具挿入ポートの回転角度範囲を含んで前記回転軸突起の周囲領域を開口形成した手術道具貫通口が形成されることが可能である。
前記器具挿入部には、前記手術道具挿入部を回転ガイド(手術道具挿入部の回転を案内)するように支持する回転ガイド部材を具備することができる。
【0021】
前記器具挿入部には、前記回転ガイド部材によって支持される前記手術道具挿入部の離脱防止のための器具挿入カバー部を具備することができる。
前記手術道具挿入部には、回転の時、前記内視鏡との干渉が発生しないように、前記内視鏡に対向する前記手術道具挿入部の縁部に前記手術道具挿入部の回転角度範囲に該当する干渉防止のための凹部が形成されることが可能である。
【0022】
また、前記ロッキング部は、前記ハウジングの後端に回転ロッキング結合され、前記器具挿入口が前記ロッキング部に挿入されて結合されることが可能である。
また、前記回転部が前記本体部に対して回転する時、前記回転部の回転角度を段階的に一定に調節するために、前記本体部と前記回転部との間に回転角調節ユニットが具備されることが可能である。
【0023】
ここで、前記回転角調節ユニットの一実施例は、前記本体部の前面円周の上に具備される少なくとも一つのクリックボールと、前記回転部の後面円周の上に一定の間隔に具備される複数のクリック凹溝と、を含み、前記回転部の回転の時、前記クリックボールが前記クリック凹溝に段階的に挿入され、かつ前記回転部が前記本体部に対して一定の角度に回転する。
【0024】
また、前記回転角調節ユニットの他の実施例は、前記本体部における前面の外周縁に少なくとも一つが具備される第1リングと、前記回転部における後面の内周縁に沿って一定間隔を置いて具備される複数の第2リングと、を含み、前記回転部の回転の時、前記第1リングと前記第2リングとが回転方向に対して段階的に接触しかつ前記回転部が前記本体部に対して一定の角度に回転する。ここで、前記第1リングおよび第2リングのうち、少なくともいずれか一つは回転リングであることが望ましい。
【0025】
また、前記回転部が前記本体部から離脱することを防止するために、前記本体部と前記回転部との間に離脱防止ユニットが具備されることが可能である。
ここで、前記離脱防止ユニットは、前記本体部の前端外周縁に沿って形成される離脱防止用溝と、前記回転部に前記離脱防止用溝に対応する位置に形成されたスクリュホールを通じて挿入されて前記離脱防止用溝にかかる離脱防止用スクリューと、を含むことができる。
【0026】
前記鏡筒部は、先端が前記鏡筒部の長手方向に対して傾斜するように、開口形成する傾斜開口面と、前記傾斜開口面の後端側の端部を後方に延長して下部開口面積を拡張して形成する拡張開口面と、を含むことができる。
【0027】
また、本発明の経肛門内視鏡手術装置は、前記本体部に挿入されて前記回転部を貫通する前記内視鏡が前記鏡筒部の外部に配置され、前記手術道具が前記鏡筒部の内部に配置されることが可能である。
【0028】
また、前記鏡筒部は、前記鏡筒部の外部に配置される前記内視鏡の先端に対応する部位を開口形成する内視鏡開口面を具備することができる。
また、経肛門内視鏡手術装置は、前記回転部の前端に結合され、前記鏡筒部を前記回転部に固定させる鏡筒固定部を更に含むことができる。
【0029】
また、前記鏡筒固定部は、前記回転部にねじ結合され、前記鏡筒部を前記回転部に固定させることが望ましい。これのために、前記回転部の前端外周縁に雌ねじが形成され、前記鏡筒固定部の内周縁に前記雌ねじとねじ結合される雄ねじが形成されることが可能である。
【0030】
また、前記鏡筒固定部は、中央に前記鏡筒部が挿入される鏡筒挿入口が形成されることが望ましい。
また、前記鏡筒部の後端には少なくとも二つの固定突起が形成され、前記回転部の前端には前記固定突起が挿入される固定ホールが前記固定突起の個数と対応するように形成されることが望ましい。
【0031】
また、本発明の経肛門内視鏡微細手術のための手術道具および内視鏡が挿入される本体部と、前記本体部の前端に回転自在に結合され、前記本体部に挿入された前記手術道具および前記内視鏡が貫通する回転部と、前記回転部の前端に結合され、前記回転部の回転によって一体に回転し、患者の肛門に挿入されて前記手術道具および前記内視鏡のガイド通路を形成する鏡筒部と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0032】
前記したような本発明の経肛門内視鏡微細手術のための経肛門内視鏡手術装置によると、経肛門内視鏡手術装置の鏡筒部位に回転機能を加えて施術部位の変更のために経肛門内視鏡手術装置の回転が必要な場合、経肛門内視鏡手術装置全体を固定台に固定した状態で、鏡筒部位のみを必要なだけ手で回転させることによって、施術の時、医者の便宜性を高め、医療事故の可能性を最小化することができる。
【0033】
また、鏡筒部位を回転させて鏡筒によって遮られていた視野を確保することによって手術範囲を拡張することができる。
また、内視鏡を鏡筒の外部に配置して鏡筒部位が回転しても内視鏡の視野方向を常に一定に維持することによって、内視鏡を通した手術映像の画面の震えまたは動き現象を防止することができる。
【0034】
また、内視鏡を鏡筒の外部に配置することによって、患者の肛門に挿入される鏡筒部位の外径を縮小させて、肛門損傷の可能性を最小化することができる。
また、鏡筒部の直径を減少させることによって減少する内視鏡の視野範囲および手術道具の運動領域を、鏡筒部先端の傾斜角の変化と拡張開口面を形成することによって広げることができる。
【0035】
また、手術道具挿入ポートを内視鏡挿入ポートと別として回転自在に構成することで、内視鏡の画面に影響を与えないで、手術道具等をより自由に動かすことができる。
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されなく、言及されていない更に他の効果は、請求範囲の記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施例による経肛門内視鏡手術装置の前方の斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による経肛門内視鏡手術装置の後方の斜視図である。
【図3】本発明の経肛門内視鏡手術装置の側面図である。
【図4】本発明の経肛門内視鏡手術装置の分解斜視図である。
【図5】図4に示した本体部の構成要素のうち、ハウジングの前方の斜視図である。
【図6】図4に示した本体部の構成要素のうち、ハウジングの後方の斜視図である。
【図7】図4に示した本体部の構成要素のうち、器具挿入部の前方の斜視図である。
【図8】図4に示した本体部の構成要素のうち、器具挿入部の後方の斜視図である。
【図9】図4に示した本体部の構成要素のうち、手術道具挿入部の前方の斜視図である。
【図10】図4に示した本体部の構成要素のうち、手術道具挿入部の後方の斜視図である。
【図11】図4に示した回転部の前方の斜視図である。
【図12】図4に示した回転部の後方の斜視図である。
【図13】図4に示した鏡筒固定部の一実施例による前方の斜視図である。
【図14】図4に示した鏡筒固定部の一実施例による後方の斜視図である。
【図15】鏡筒固定部の他の実施例による前方の斜視図である。
【図16】鏡筒固定部の他の実施例による後方の斜視図である。
【図17】図4に示した鏡筒部を一定角度に回転させた後、眺めた斜視図である。
【図18】図17のA−Aに沿ってみた断面図である。
【図19】図4に示した本体部、回転部、および鏡筒固定部組立体の正面図である。
【図20】図19のB−Bに沿って見た断面図である。
【図21】図4に示した本体部、回転部、および鏡筒固定部組立体の側面図である。
【図22】図21のC−Cに沿ってみた断面図である。
【図23】図21のC−Cに沿ってみた断面図である。
【図24】回転角調節ユニットの他の実施例を説明するためのハウジングを示した斜視図である。
【図25】回転角調節ユニットの他の実施例を説明するための回転部を示した斜視図である。
【図26】図24および図25に示したハウジング、回転部、および鏡筒固定部組立体の断面図である。
【図27】本発明の経肛門内視鏡手術装置の組立過程および動作を順次に説明するための例示図である。
【図28】本発明の経肛門内視鏡手術装置の組立過程および動作を順次に説明するための例示図である。
【図29】本発明の経肛門内視鏡手術装置の組立過程および動作を順次に説明するための例示図である。
【図30】本発明の経肛門内視鏡手術装置の組立過程および動作を順次に説明するための例示図である。
【図31】本発明の経肛門内視鏡手術装置の組立過程および動作を順次に説明するための例示図である。
【図32】本発明の経肛門内視鏡手術装置の組立過程および動作を順次に説明するための例示図である。
【図33】本発明の経肛門内視鏡手術装置の組立過程および動作を順次に説明するための例示図である。
【図34】本発明の経肛門内視鏡手術装置の組立過程および動作を順次に説明するための例示図である。
【図35】本発明の経肛門内視鏡手術装置の組立過程および動作を順次に説明するための例示である。
【図36】本発明の経肛門内視鏡手術装置の組立過程および動作を順次に説明するための例示図である。
【図37】本発明の経肛門内視鏡手術装置の組立過程および動作を順次に説明するための例示図である。
【図38】本発明の経肛門内視鏡手術装置の組立過程および動作を順次に説明するための例示図である。
【図39】本発明の経肛門内視鏡手術装置の組立過程および動作を順次に説明するための例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の利点及び特徴、そしてそれを達成する方法は、添付する図面とともに詳細に後述されている実施例を参照すると、明確となるだろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるのではなく、他の異なる形態に多様に具現することができる。本実施例はただ、本発明の開示が完全になるようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるのであり、本発明は、請求項の範囲によって定義されるだけである。明細書全体にかけて同一な参照符号は同一な構成要素を示す。
【0038】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態による経肛門内視鏡手術装置を詳細に説明する。なお、本発明を説明することにおいて、連関する公知機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0039】
図1〜図4は、本発明の一実施例による経肛門内視鏡手術装置の前方の斜視図、後方の斜視図、側面図、及び分解斜視図であり、図5および図6は、図4に示した本体部の構成要素のうち、ハウジングの前方および後方の斜視図であり、図7および図8は、図4に示した本体部の構成要素のうち、器具挿入部の前方および後方の斜視図であり、図9および図10は、図4に示した本体部の構成要素のうち、手術道具挿入部の前方および後方の斜視図であり、図11および図12は図4に示した回転部の前方および後方の斜視図であり、図13および図14は、図4に示した鏡筒固定部の一実施例による前方および後方の斜視図であり、図15および図16は、図4に示した鏡筒固定部の他の実施例による前方および後方の斜視図であり、図17は、図4に示した鏡筒部を一定角度に回転させた後に眺めた斜視図であり、図18は、図17のA−Aに沿ってみた断面図であり、図19は、図4に示した本体部、回転部、および鏡筒固定部組立体の正面図であり、図20は、図19のB−Bに沿ってみた断面図であり、図21は、図4に示した本体部、回転部および鏡筒告固定部組立体の側面図であり、図22および図23は、図21のC−Cに沿ってみた断面図である。
【0040】
図1〜図23に示したように、本発明の一実施例による経肛門内視鏡微細手術のための経肛門内視鏡手術装置10は、本体部100、回転部200、鏡筒部300、鏡筒固定部400、および本体支持部500等を含むことができる。
【0041】
本体部100には、経肛門内視鏡微細手術(Transanal Endoscopic Microsurgery;TEM)のための内視鏡1と各種手術道具(図示せず)が挿入される。
【0042】
本体部100には、内視鏡1が挿入される内視鏡挿入ポート133と各種手術道具(図示せず)が挿入される手術道具挿入ポート143が各々具備され、手術道具挿入ポート143は内視鏡挿入ポート133に対して独立的に回転する。
【0043】
本体部100は、ハウジング110、ロッキング部120、器具挿入部130、および手術道具挿入部140などを具備することができる。
ハウジング110は、後述する器具挿入部130と手術道具挿入部140を通じて後方から挿入される内視鏡1と各種手術道具が貫通するように円筒形状を有する。
【0044】
また、ハウジング110の内部に挿入される内視鏡1と各種手術道具との干渉現象を防止するために、ハウジング110は、各種手術道具が貫通する手術道具貫通口110aと内視鏡1が貫通する内視鏡貫通口110bとが互いに区分されるように形成されることが可能である。例えば、ハウジング110の内部中央に全体的に手術道具貫通口110aが形成され、ハウジング110の内部の上側に手術道具貫通口110aと別個の貫通領域として内視鏡貫通口110bが形成されることが可能である。
【0045】
ハウジング110には、回転部200がX軸(図4参照)を基準にして軸回転自在に結合するように、ハウジング110の前端に回転部200の後端内径と対応する外径を有して円形リングの形状で前方に突出した結合突出端111が形成される。結合突出端111には、後述する第1リング113が挿入されるように、第1リングホール113aが少なくとも一つ形成される。
【0046】
本実施例で、第1リング113は、円筒形に形成されて第1リングホール113aに回転自在に挿入される回転リングの形態を例示したが、これに限定されなく、第1リング113は球形に形成されることも可能である。また、第1リング113は、後述する第2リング223とかみ合うように、第1リングホール113aに第1リング113の一部が突出するように挿入される。
【0047】
また、結合突出端111には、第1リングホール113aの後方側外周縁に沿って後述する離脱防止用スクリュー201が挿入されてかかるように、後述する離脱防止用溝111aが形成される。
【0048】
ハウジング110の側部には、後述するロッキング部120と結合する時、スクリュー(図示せず)が挿入される長空118が外周縁に沿って少なくとも一つ形成されており、スクリューによりロッキング部120の回転角度を制限することができる。
【0049】
ハウジング110の上部の一側には、手術時に発生しうる不必要な内部ガスを外部に排出するためのガス排出管115が挿入されるガス排出口115aが形成されることが可能である。この際、ガス排出管115の開閉を調節可能であるように、ガス排出管115にはバルブ(図示せず)が具備されることが可能である。
【0050】
また、ハウジング110の上部他側には、手術時に必要な外部ガス、例えばCO2ガスを手術部位に注入するためのガス注入管117が挿入されるガス注入口117aが形成されることが可能である。
【0051】
ハウジング110の下部には、後述する本体支持部500が固定される支持部固定ホール119が形成される。
ロッキング部120は、ハウジング110と後述する器具挿入部130との間に位置し、器具挿入部130をハウジング110にロックキング結合する。
【0052】
ロッキング部120は、円形リングの形態に形成され、ハウジング110の後端に回転ロッキングされる。例えば、ハウジング110には半径方向に移動しうるロック突起121が具備され、ロッキング部120には、ロッキング部120の回転方向に対して半径が変化するロック凹(図示せず)が形成されてロック突起121が挿入される。よって、ハウジング110に対してロッキング部120を時計方向または反時計方向に回転させると、ロック突起121がロック凹に対して半径方向に移動するようになり、ロック突起121とロック凹とが互いに締められるか或いは締めが解除されることによってロッキング部120はハウジング110にロックキングまたはロッキング解除される。
【0053】
このようなロッキング構造は、公知された技術から理解できるため、詳細な説明は省略する。また、本実施例では、ロック突起121およびロック凹形態の構成を例示したが、これに限定されることなく多様な形態のロッキング構造が可能である。
【0054】
器具挿入部130は、ロッキング部120の後方から挿入して結合される。
器具挿入部130には、内視鏡を挿入するための内視鏡挿入ポート133と後述する手術道具挿入部140の手術道具挿入ポート143を通じて挿入される各種手術道具が貫通する手術道具貫通口130aが形成される。例えば、器具挿入部130の内部中央に全体的に手術道具貫通口130aが形成され、器具挿入部130の内部の上側に手術道具貫通口130aと別個の貫通領域に内視鏡挿入ポート133が形成されることが可能である。
【0055】
ここで、器具挿入部130の内視鏡挿入ポート133は、ハウジング110の内視鏡貫通口110bと対応するように連通され、内視鏡1を後述の鏡筒部300の外部に配置して鏡筒部300が回転すると内視鏡1の視野方向が常に一定であるように、鏡筒部300の外径縁部に位置する。
【0056】
この際、内視鏡挿入ポート133を通じて挿入される内視鏡1を弾性支持できるように、内視鏡挿入ポート133の内径に沿ってシリコンゴム(図示せず)等のような弾性体を具備することができる。
【0057】
また、器具挿入部130の手術道具貫通口130aは、ハウジング110の手術道具貫通口110aと対応するように連通され、手術道具挿入部140の手術道具挿入ポート143の左右回転の角度範囲を含んで後述の回転軸突起135の周囲領域に開口するように形成される。
【0058】
また、手術道具挿入部140が器具挿入部130に対し左右に回転移動が可能であるように結合するように、器具挿入部130の後面の中央には、手術道具挿入部140の回転軸ホール145に挿入される回転軸突起135が形成されることが可能である。
【0059】
また、器具挿入部130は、手術道具挿入部140を回転ガイドするように支持する回転ガイド部材131を具備することができる。 例えば、回転ガイド部材131は、器具挿入部130の後面に回転軸突起135を中心にして手術道具貫通口130aの縁部に沿って上方が開放された半円形のリブ形態に突出して形成され、手術道具挿入部140の外周縁を回転ガイドするように支持する。本実施例では、回転ガイド部材131を半円形のリブ形態に形成する構成を例示したが、これに限定されることなく手術道具挿入部140を回転ガイドしうるように支持する多様な実施形態を全て含むことができる。
【0060】
また、器具挿入部130には、回転ガイド部材131により支持される手術道具挿入部140の離脱防止のための器具挿入カバー部139がヒンジピン138により回動可能に結合されることが可能である。
【0061】
手術道具挿入部140は、器具挿入部130の回転軸突起135を中心に回転移動できるように設置される。例えば、手術道具挿入部140は、回転中心に器具挿入部130の回転軸突起135が挿入される回転軸ホール145が形成されて、手術道具挿入部140が器具挿入部130に対し左右に回転移動が可能であるように結合されることが可能である。手術道具挿入部140は、回転ガイド部材131に挿入されて回転ガイドされるように支持されるメイン挿入本体141とメイン挿入本体141に着脱可能に結合する補助挿入本体142とで構成されることが可能である。
【0062】
本実施例では、手術道具挿入部140をメイン挿入本体141と補助挿入本体142とで構成し、それぞれに結合突起141aと結合ホール142aとを形成して締結する形態の構成を例示したが、これに限定されることなくメイン挿入本体141と補助挿入本体142とを一体型に構成することもできる。
【0063】
また、手術道具挿入部140には、経肛門内視鏡微細手術のための各種手術道具が挿入されるように、手術道具挿入ポート143が形成される。手術道具挿入ポート143は、回転軸ホール145を中心にして周囲に少なくとも一つ以上に形成され、円形または多角形など多様な形状に形成することができる。
【0064】
例えば、本実施例で手術道具挿入ポート143は、回転軸ホール145を中心にして周囲に互いに異なる直径を有する3つの円形の穴にして形成する構成を例示したが、これに限定されることなく、手術道具挿入ポート143を1つ、2つ、または3つ以上に形成可能であり、複数にして形成する場合には、直径を互いに相違に形成するか同一に形成することができる。
【0065】
ここで、手術道具挿入ポート143を通じて挿入される各種手術道具を弾性支持できるように、手術道具挿入ポート143の内径に沿ってシリコンゴム(図示せず)等のような弾性体を具備することができる。
【0066】
また、手術道具挿入部140は、器具挿入部130の回転軸突起135を中心に左右回転して移動する時、内視鏡挿入ポート133を通じて挿入された内視鏡1との干渉が発生しないように、内視鏡1と対向する手術道具挿入部140の上部の縁部に、手術道具挿入部140の左右回転の角度範囲に該当する干渉防止凹部147が形成されることが可能である。
【0067】
この際、内視鏡挿入口133の周囲には、突出部(図示せず)が形成され、手術道具挿入部140が回転する時、干渉防止凹部147が突出部によってそれの回転半径が制限されることが可能である。また、この突出部によって内視鏡1が干渉防止凹部147と直接接触することが防止されて、内視鏡1が破損したり揺れたりすることを防止する。
【0068】
干渉防止凹部147の大きさは、器具挿入部130の回転軸突起135を中心に手術道具挿入部140の左右回転の角度範囲により適切に形成することができる。例えば、器具挿入部130の回転軸突起135を中心にして手術道具挿入部140を左右にそれぞれ25°の角度に回転移動できる構造の場合、干渉防止凹部147の全体大きさを50°の回転角度に形成することが望ましい。
【0069】
回転部200は、本体部100に挿入される内視鏡1と各種手術道具が内部を貫通するように全体的に円筒の形状を有する。また、回転部200を貫通する各種手術道具と内視鏡1と間の干渉現象を防止するために、回転部200は、手術道具が貫通する手術道具貫通口200aと内視鏡1が貫通する内視鏡貫通口200bとが互いに区分されるように形成することができる。
【0070】
例えば、回転部200の内部中央には、ハウジング110の手術道具貫通口110aと対応するように連通するように手術道具貫通口200aが形成され、回転部200の内部上側には、手術道具貫通口200aと別個の貫通領域として内視鏡貫通口200bが形成されることが可能である。
【0071】
ここで、回転部200の内視鏡貫通口200bは、ハウジング110の内視鏡貫通口110bと対応するように連通され、内視鏡1が貫通して鏡筒部300の外部に配置されるように形成される。また、回転部200の内視鏡貫通口200bは、内視鏡1が貫通した状態で干渉が発生せず、回転部200の左右回転の移動が可能であるように、回転部200の左右回転の移動範囲を含む回転角度に円周に沿って長空形態に形成されることが可能である。
【0072】
回転部200は、本体部100の前端にX軸を基準にして軸回転が可能であるように結合される。より詳細には、回転部200の後端にハウジング110の結合突出端111の外径と対応する内径を有する結合凹端221が形成され、結合凹端221に結合突出端111が挿入されることによって回転部200がハウジング110に回転自在に結合されることが可能である。
【0073】
回転部200が本体部100に対して回転する時、回転部200の回転角度を段階的に一定に調節するために、本体部100と回転部200との間には、回転角調節ユニットを具備することができる。例えば、回転角調節ユニットは、ハウジング110の結合突出端111の外周縁に少なくとも一つ具備される第1リング113と、回転部200の結合凹端221の内周縁に沿って一定間隔を置いて複数個が具備される第2リング223を含むことができる。
【0074】
よって、本体部100に対して回転部200を回転させると、第1リング113と第2リング223が回転方向に対して段階的に接触して回転部200の回転角度を一定に調節することができ、回転によるクリック感を向上させることができる。
【0075】
ここで、第1リング113は、円筒形状に形成されてハウジング110の結合突出端111の外周縁に一定の角度、例えば120°の角度に3つ具備され、第2リング223は、半円筒形状に形成されて回転部200の結合凹端221の内周縁に連続的に複数個を具備することができる。
【0076】
本実施例では、第1リング113が円筒形の回転リングであり、第2リング223は、半円筒形の固定リング形態である構成を例示したが、これに限定されることなく第1リング113および第2リング223のうち、少なくともいずれか一つが回転リングの形態であれば充分である。図20および図21に示したように、ハウジング110に対して回転部200を回転させるとハウジング110の第1リング113は定位置で回転し、第2リング223は第1リング113と接触して回転部200の回転と共に回転するようになる。
【0077】
また、本実施例では、二つのリング(113、223)が互いにかみ合う構造で回転角調節ユニットを構成したが、これに限定されることなく多様な実施形態が可能である。例えば、図22〜図24に示した通り、回転角調節ユニットは、ハウジング110の結合突出端111の全面下部に形成されたホール114aに挿入され、スプリング(図示せず)により弾性支持される少なくとも一つのクリックボール114と、回転部200の結合凹端221の後面に一定間隔を置いて複数個が具備される半球型のクリック凹溝224で構成され、回転部200の回転時、クリックボール114がクリック凹溝224に段階的に挿入されて回転部200が本体部100に対して一定の角度に回転するようになる。
【0078】
ここで、クリックボール114は、多様な形状に形成されるものの、例えば、クリックボール114はボール本体が円柱形態に形成され、ボール本体の全面がクリック凹溝224に対応するように半球型に突出して形成されることが可能である。
【0079】
また、回転部200が本体部100から離脱することを防止するために、本体部100と回転部200との間に離脱防止ユニットを具備することができる。例えば、離脱防止ユニットは、ハウジング110の結合突出端111の外周縁に対して形成される離脱防止用溝111aと、回転部200に離脱防止用溝111aと対応する位置に形成されたスクリュホール201aを通じて挿入されて離脱防止用溝111aにかかって回転がガイドされる離脱防止用スクリュー201を含むことができる。
【0080】
本実施例では、本体部100に対する回転部200の離脱防止のために、離脱防止用スクリュー201が離脱防止用溝111aにかかる構成を例示したが、これに限定されることなく、回転部200の結合凹端221の内径に後述の鏡筒固定部400の離脱防止用突起403のような突出リブ形態の離脱防止用突起(図示せず)を形成して、ハウジング110の離脱防止用溝111aと着脱結合するように構成することもできる。
【0081】
回転部200の前端には、後述する鏡筒固定部400の後端の内径と対応する外径を有し、円形リングの形態で前方に突出した固定突出端211が形成される。固定突出端211には後述する鏡筒部300の固定突起310が挿入される固定ホール213が固定突起310の個数と対応するように形成される。また固定突出端211の外周縁には後述する鏡筒固定部400の内周縁に形成された雌ねじ405とねじ結合するように雄ねじ215が形成されることが可能である。
【0082】
また、固定突出端211には、雄ねじ215の後方側の外周縁に沿って後述する鏡筒固定部400の離脱防止用突起403が挿入されてかかるように、離脱防止用溝211aが形成される。
【0083】
鏡筒部300は、患者の肛門に挿入されるように長い円筒形状に形成されて本体部100を通じて挿入される内視鏡と各種手術道具のガイド通路を提供する。
鏡筒部300は、回転部200の前端に固定されて回転部200の回転により一体に回転する。より詳細には、鏡筒部300の後端が回転部200の固定突出端211内に挿入され、後述する鏡筒部300の固定突起310が回転部200の固定ホール213に挿入されて固定される。すなわち、鏡筒部300の後端には、回転部200の固定突出端211に形成された固定ホール213に挿入されるように、少なくとも二つ以上の固定突起310が形成されることが可能である。
【0084】
鏡筒部300は、先端が鏡筒部300の長手方向に対して約45°の角度に傾斜するように開口形成される傾斜開口面301を含むことができる。また、鏡筒部300は、傾斜開口面301の下部を後方に延長して下部開口面積を拡張形成する拡張開口面302を含むことができる。すなわち、拡張開口面302は、傾斜開口面301の下部に段差を置いて後方に開口面を更に拡張して形成することができる。よって、鏡筒部300の先端に拡張開口面302を形成することによって患者の体形に合わせて鏡筒部300の直径を40mmから30mmに減少させることによって減少する各種手術道具と内視鏡1の運動半径を広げることができる。
【0085】
本実施例によると、本体部100の内視鏡挿入ポート133を通じて挿入されて回転部200の内視鏡貫通口200bを貫通する内視鏡1は、鏡筒部300の外部に配置され、本体部100の手術道具挿入ポート143を通じて挿入されて回転部200の手術道具貫通口200aを貫通する各種手術道具は、鏡筒部300の内部に配置される。
【0086】
これのために、鏡筒部300は、鏡筒部300の上側外部に配置される内視鏡1の先端に対応する部位を開口形成する内視鏡開口面303を含む。この際、内視鏡1の先端は、内視鏡開口面303を通じて傾斜開口面301に向かうように所定角度、例えば、約30°の角度に折り曲げられるように形成することが望ましい。
【0087】
また、回転部200の内視鏡貫通口200bを貫通した内視鏡1が鏡筒部300の上側外部に配置されるように、鏡筒部300の上面には回転部200の内視鏡貫通口200bと対応するように鏡筒部300の外径が縮小された円弧形状の断面を有する内視鏡ガイド溝305が、鏡筒部300の後段から内視鏡開口面303の後端にまで鏡筒部300の長手方向に長く形成される。
【0088】
また、内視鏡ガイド溝305の左右側には、固定された内視鏡1との接触によって鏡筒部300の左右回転の角度範囲を制限する半球型の段差溝(305a、305b)が形成されることが可能である。
【0089】
よって、本実施例では、内視鏡1を鏡筒部300の外部に配置して各種手術道具を鏡筒部300が内部に配置することによって、内視鏡1と各種手術道具との干渉現象を防止して鏡筒部300そのもの外径を縮小して患者の肛門損傷の可能性を最小化することができる。
【0090】
鏡筒固定部400は、中央に鏡筒部300が挿入される鏡筒挿入句400aが形成され、鏡筒挿入口400aには、鏡筒部300の固定突起310が通過するように貫通ホール401が固定突起310と対応するように形成され、鏡筒固定部400は、全体的に円形リングの形態で構成される。
【0091】
鏡筒固定部400は、鏡筒部300を回転部200に固定しうるように回転部200の前端に結合される。例えば、鏡筒固定部400は、鏡筒部300が挿入された状態で回転部200にねじ結合されて鏡筒部300を回転部200に固定される。これのために、鏡筒固定部400の内周縁には回転部200の雄ねじ215とねじ結合される雄ねじ405が形成されることが可能である。
【0092】
図13および図14に示した通り、本発明の一実施例によると、鏡筒固定部400の後端内周縁には、リブ形態の離脱防止用突起403が回転部200の固定ホール213と対応するように形成されて回転部200の離脱防止用溝211aに挿入されることによって、回転部200に対して鏡筒固定部400の離脱を防止する。
【0093】
あるいは、図15および図16に示した通り、本発明の他の実施例によると、鏡筒固定部400の外周縁に形成された少なくとも一つ以上のスクリュホール407を通じて離脱防止用スクリュー(図示せず)が挿入されて回転部200の離脱防止用溝211aにかかって回転がガイドされることにより、回転部200に対して鏡筒固定部400の離脱を防止することもできる。
【0094】
本体支持部500は、手術の時、経肛門内視鏡手術装置10を支持できるように、ハウジング110の下部に着脱可能であるように結合することができる。
図27〜図39は、本発明の一実施例の経肛門内視鏡手術装置10の組立過程および動作を順次に説明するための例示図である。
【0095】
まず、図27に示した通り、ハウジング110、ロッキング部120、および器具挿入部130を結合して本体部100を組み立てる。その後、ハウジング110の結合突出端111に形成された第1リングホール113aに第1リング113を挿入し、ガス排出口115aにはガス排出管115を挿入し、ガス注入口117aにはガス注入管117を挿入する。
【0096】
その後、図28に示した通り、ハウジング110の結合突出端111を回転部200の結合凹端221に挿入して回転部200をハウジング110に回転自在に組み立てる。この際、ハウジング110の結合突出端111に具備された第1リング113と回転部200の結合凹端221に具備された第2リング223とは互いにかみ合って接触した状態となる。
【0097】
その後、図29に示した通り、回転部200のスクリュホール201aにスクリュー201を締結してスクリュー201がハウジング110の結合突出端111に形成された離脱防止用溝111aに挿入されてかかることによって回転部200がハウジング110から分離されることを防止することができる。
【0098】
次に、図30に示したように、鏡筒固定部400を回転部200の前端に結合する。この際、鏡筒固定部400の離脱防止用突起403を回転部200の固定ホール213に挿入した後、鏡筒固定部400を回転させて回転部200と鏡筒固定部400をねじ締結する。
【0099】
次に、図31に示したように、回転部200の固定ホール213と鏡筒固定部400の貫通ホール401とが一致するようにした状態で、鏡筒部300の固定突起310を貫通ホール401に挿入して鏡筒部300を鏡筒固定部400の鏡筒挿入口400aに完全に押込むと、鏡筒部300の固定突起310が回転部200の固定ホール213に挿入される。
【0100】
次に、図32に示したように、鏡筒固定部400を回転させることによって鏡筒部300を回転部200に固定させる。
次に、図33に示したように、本体部100の内視鏡挿入ポート133を通じて内視鏡1を挿入すると、内視鏡1は、本体部100および回転部200の内視鏡貫通口200bを貫通して鏡筒部300の外部に配置される。この際、内視鏡1の先端1aは、鏡筒部300の内視鏡開口面303を通じて傾斜開口面301に向かうようになるため、手術視野を確保することができる。
【0101】
したがって、本実施例では、内視鏡1を鏡筒部300の外部に配置し、各種手術道具を鏡筒部300の内部に配置することによって、鏡筒部300の外径を縮小させて内視鏡1と各種手術道具との干渉現象を防止することができる。また、鏡筒部300の外径を縮小させることによって患者の肛門損傷の可能性を最小化することができる。
【0102】
次に、鏡筒部300を患者の肛門に挿入して手術する途中、手術部位の位置が変更される場合、図34および図35に示したように、経肛門内視鏡手術装置10を固定台(図示せず)に固定した状態で回転部200の左右回転を通じて鏡筒部300のみを必要なだけ手で回転させることができる。この際、内視鏡1は、鏡筒部300の外部に固定された状態に配置されるため、鏡筒部300の左右回転による影響を受けない。よって、経肛門内視鏡手術装置10全体を固定台から分離した後に回転させるか、患者を移動させる必要がないため、手術の時、医師の便宜性を図ることができ、医療事故の可能性を最小化することができる。
【0103】
また、回転部200の回転によって鏡筒部300を回転させることによって、鏡筒部300により遮られていた視野を確保して手術範囲の拡張が容易である。
また、鏡筒部300先端の傾斜角の変化と拡張開口面302を形成することによって患者の体形に合うように鏡筒部300の直径を減らすことによって、共に減少した手術道具と内視鏡1の運動領域を広げることができる。
【0104】
次に、図36に示したように、内視鏡挿入ポート133が形成された器具挿入部130にヒンジ結合された器具挿入カバー部139を開いて、手術道具挿入ポート143が形成された手術道具挿入部140を器具挿入部130の回転軸突起135に回転自在に結合する。この際、手術道具挿入部140は、器具挿入部130の後面に形成された回転ガイド部材131により回転軸突起135を中心に回転ガイドされるように支持される。
【0105】
次に、図37に示したように、器具挿入カバー部139を閉じて手術道具挿入部140の離脱を防止する。
次に、図38および図39に示したように、器具挿入部130の内視鏡挿入ポート133を通じて内視鏡1を挿入して固定し、手術道具挿入部140の手術道具挿入ポート143を通じて各種手術道具を挿入する。そして、手術道具を左右回転させると、内視鏡挿入ポート133とは別個に手術道具挿入ポート143のみが回転して内視鏡1に影響を与えない状態で手術道具の動きが自由になる。
【0106】
この際、内視鏡1と対向する手術道具挿入部140の上部端に手術道具挿入部140の左右回転の角度範囲に該当する干渉防止凹部147が形成されていることによって、手術道具挿入部140は左右回転の移動時、内視鏡1との干渉が発生しないようになる。
【0107】
また、手術道具挿入ポート143を内視鏡挿入ポート133と別個に回転可能であるように構成することによって、鏡筒部300および各種手術道具が回転しても内視鏡1の視野方向は常に一定に維持されることが可能である。よって、内視鏡1の視野を常に一定に維持することによって、内視鏡1を通した手術映像画面の震えまたは動き現象を防止することができる。
【0108】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0109】
10 経肛門内視鏡手術装置
100 本体部
110 ハウジング
113 第1リング
114 クリックボール
115 ガス排出管
117 ガス注入管
120 ロッキング部
130 器具挿入部
131 回転ガイド部材
133 内視鏡挿入ポート
139 器具挿入カバー部
140 手術道具挿入部
143 手術道具挿入ポート
200 回転部
223 第2リング
224 クリック凹溝
300 鏡筒部
400 鏡筒固定部
500 本体支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経肛門内視鏡微細手術のための内視鏡が挿入される内視鏡挿入ポートと手術道具が挿入される手術道具挿入ポートとがそれぞれ具備され、前記手術道具挿入ポートが前記内視鏡挿入ポートに対して独立的に回転する本体部と、
前記本体部の前端に回転自在に結合され、前記本体部に挿入された前記内視鏡および前記手術道具が貫通する回転部と、
前記回転部の前端に結合されて前記回転部の回転により一体に回転し、患者の肛門に挿入されて前記内視鏡および前記手術道具のガイド通路を形成する鏡筒部と、を含むことを特徴とする経肛門内視鏡手術装置。
【請求項2】
前記本体部は、
前記回転部が前端に回転自在に結合され、前記内視鏡および前記手術道具が貫通するハウジングと、
前記ハウジングの後面に結合され、前記内視鏡挿入ポートが形成される器具挿入部と、
前記器具挿入部に回転自在に設けられ、前記手術道具挿入ポートが形成される手術道具挿入部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記内視鏡が貫通する内視鏡貫通口と前記手術道具が貫通する手術道具貫通口とが互いに区分して形成されることを特徴とする請求項2に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項4】
前記手術道具挿入部が前記器具挿入部に左右回転が可能に結合するように前記器具挿入部の後面の中央に回転軸突起が形成され、前記手術道具挿入部の回転中心に前記回転軸突起が挿入される回転軸ホールが形成されることを特徴とする請求項2に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項5】
前記器具挿入部には、前記手術道具挿入ポートの回転角度の範囲を含んで前記回転軸突起の周囲領域を開口形成した手術道具貫通口が形成されることを特徴とする請求項4に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項6】
前記器具挿入部は、前記手術道具挿入部を回転ガイドするように支持する回転ガイド部材を具備することを特徴とする請求項2に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項7】
前記器具挿入部は、前記回転ガイド部材によって支持される前記手術道具挿入部の離脱防止のための器具挿入カバー部を具備することを特徴とする請求項6に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項8】
前記手術道具挿入部には、回転の時、前記内視鏡との干渉が発生しないように、前記内視鏡に対向する前記手術道具挿入部の縁部に前記手術道具挿入部の回転角度の範囲に該当する干渉防止のための凹部が形成されることを特徴とする請求項2に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項9】
前記本体部は、
前記ハウジングと前記器具挿入部との間に位置し、前記器具挿入部を前記ハウジングにロッキング結合するロッキング部を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項10】
前記回転部が前記本体部に対して回転する時、前記回転部の回転角度を段階的に一定に調節するために、前記本体部と前記回転部との間に回転角調節ユニットが具備されることを特徴とする請求項1に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項11】
前記回転角調節ユニットは、
前記本体部の前面円周の上に具備される少なくとも一つのクリックボールと、
前記回転部の後面円周の上に一定の間隔に具備される複数のクリック凹溝と、を含み、
前記回転部が回転する時、前記クリックボールが前記クリック凹溝に段階的に挿入されながら前記回転部が前記本体部に対して一定の角度に回転することを特徴とする請求項10に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項12】
前記回転角調節ユニットは、
前記本体部における前面の外周縁に少なくとも一つが具備される第1リングと、
前記回転部における後面の内周縁に沿って一定間隔を置いて具備される複数の第2リングと、を含み、
前記回転部の回転の時、前記第1リングと前記第2リングとが回転方向に対して段階的に接触して、前記回転部が前記本体部に対して一定の角度に回転することを特徴とする請求項10に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項13】
前記回転部が前記本体部から離脱することを防止するために、前記本体部と前記回転部との間に離脱防止ユニットが具備されることを特徴とする請求項1に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項14】
前記離脱防止ユニットは、
前記本体部の前端外周縁に沿って形成される離脱防止用溝と、
前記回転部に前記離脱防止用溝に対応する位置に形成されたスクリュホールを通じて挿入されて前記離脱防止用溝にかかる離脱防止用スクリューと、を含む請求項13に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項15】
前記鏡筒部は、先端が前記鏡筒部の長手方向に対して傾斜するように開口形成する傾斜開口面を含むことを特徴とする請求項1に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項16】
前記鏡筒部は、前記傾斜開口面の後端側の端部を後方に延長して下部開口面積を拡張して形成する拡張開口面を含むことを特徴とする請求項15に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項17】
前記本体部に挿入されて前記回転部を貫通する前記内視鏡が前記鏡筒部の外部に配置され、前記手術道具が前記鏡筒部の内部に配置されることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項18】
前記鏡筒部は、前記鏡筒部の外部に配置される前記内視鏡の先端に対応する部位を開口形成する内視鏡開口面を含むことを特徴とする請求項17に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項19】
前記回転部の前端に結合され、前記鏡筒部を前記回転部に固定させる鏡筒固定部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の経肛門内視鏡手術装置。
【請求項20】
経肛門内視鏡微細手術のための手術道具および内視鏡が挿入される本体部と、
前記本体部の前端に回転自在に結合され、前記本体部に挿入された前記手術道具および前記内視鏡が貫通する回転部と、
前記回転部の前端に結合され、前記回転部の回転によって一体に回転し、患者の肛門に挿入されて前記手術道具および前記内視鏡のガイド通路を形成する鏡筒部と、を含むことを特徴とする経肛門内視鏡手術装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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