説明

給湯装置

【課題】 使用者に省エネを意識させ給湯や風呂で使用する高温水の使用量を減らす給湯装置を提供する。
【解決手段】 各種設定をおこなうリモコン30の運転スイッチ31がON操作されたら、外気温センサ36での検出値と事前に設定してある基準値とを温度比較手段38で比較し、基準値との比較結果に応じて報知部35から異なるアドバイスを報知し、アドバイス報知後に外気温が基準値と比べて上下しリモコン30での設定温度を上げたら、運転スイッチ31のON操作時とは異なるアドバイスを報知することで、装置本体1の設置環境や使用者の使用状況に合わせて適切なアドバイスをすることが可能であり、省エネを意識して給湯や風呂を使用することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃焼部に備えられた熱交換器で加熱された湯水を使用する給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものにおいて、給湯回路と接続したシャワー使用時における給湯流量の瞬間値を検出し、使用者がリモコンで予め設定した給湯流量の目標値と検出した瞬間値とを比較して、前記瞬間値が前記目標値以下あるいは目標範囲内の値であると判断すると、リモコンで現在の使用流量が省エネであることを示す表示や音声を出力することで、使用者に省エネでの使用を実感させシャワー使用時の給湯量を控えめにする意識を持たせるものがあった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−24913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のものでは、シャワーを使用して給湯回路内の湯水を流動させなければ、現在の給湯使用量が省エネなのか判断できず、また、使用者がシャワー中にリモコンから出力された表示や音声に気づかなければ省エネを意識することができないため、使用する給湯量を控えることができない問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では装置本体と、該装置本体に備えられた燃焼部と、該燃焼部内にある給湯熱交換器で加熱された湯水が流動する給湯回路と、外気温を検出する外気温センサと、前記装置本体での運転開始の設定をするリモコンと、該リモコンで設定した情報を報知する報知部と、該報知部で所定の情報が報知されるよう制御する制御部とを備えた給湯装置において、前記制御部は、前記リモコンで運転開始が設定されたら前記外気温センサでの検出値に基づき、前記報知部から省エネ使用を促す報知をおこなうものである。
【0006】
また、請求項2では前記制御部に前記外気温センサでの検出値と外気温の基準として設定された基準値とを比較する温度比較手段を備え、該温度比較手段で比較した結果に基づき前記報知部から報知する内容を変化させるものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の請求項1によれば、リモコンで装置本体の運転開始が設定されたら外気温センサでの検出値に基づき省エネ使用を促す報知をおこなうので、使用者が加熱された湯水を使用開始する前に省エネとなる使用方法が報知され、省エネを意識した湯水の使用を確実におこなえる。
【0008】
また、請求項2によれば、外気温と基準値とを比較した結果に基づいて報知内容を変化させるので、装置本体が設置された場所に合わせた省エネ使用を促す報知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の一実施形態を示す概略構成図
【図2】同発明の制御ブロック図
【図3】同発明の運転開始時を示すフローチャート
【図4】同発明のアドバイスA報知後を示すフローチャート
【図5】同発明のアドバイスB報知後を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は内部に給湯回路2、風呂回路3、湯張り回路4とを備え屋外に設置された装置本体であり、5は灯油等の燃料を燃焼するバーナ6を備えた燃焼部である。
【0011】
前記給湯回路2は、給水栓5が設置された給水管6と、燃焼部5に設置され配管内の湯水を加熱する給湯熱交換器7で加熱された高温水が流動する給湯管8とで構成されている。
【0012】
9は給水管6内にある水の温度を検出する給水温度センサ、10は給水管6を流動する水の流量を検出する給水流量センサ、11は給湯管8の途中に設置され一端が給水管6内の水を導く給水バイパス管12と接続することで湯水を混合する給湯混合弁、13は湯水の流量を制御する水比例弁、14は給湯混合弁11で混合された湯水の温度を検出する給湯温度センサである。
【0013】
15は給湯管8に接続した出湯管であり、洗面所等に設置された給湯栓16を開栓することで出湯管15内の湯水が出湯する。
【0014】
前記風呂回路3は、燃焼部5に設置された風呂熱交換器17で加熱された浴槽水を浴槽18へ流入する風呂戻り管19と、浴槽18内の浴槽水を風呂熱交換器17へ流入する風呂往き管20とで構成されている。
【0015】
21は風呂戻り管19途中にあり後述する湯張り回路4と一端が接続された風呂三方弁、22は風呂回路3内の浴槽水を強制循環させる風呂循環ポンプ、23は循環する浴槽水の温度を検出する風呂温度センサ、24は配管内の浴槽水が流動しているか検出する風呂フローセンサ、25は浴槽18にある浴槽水の水位を検出する風呂水位センサである。
【0016】
前記湯張り回路4は、給湯管8と分岐し風呂三方弁21と一端が接続された湯張り管26で構成されており、27は湯張り管26内の湯水の流動を弁を開閉して制御する湯張り電磁弁、28は湯張り管26内を流動する湯水の流量を検出する湯張り流量センサ、29は湯張り管26内の湯水が逆流しないよう二重に設置された湯張り逆止弁である。
【0017】
30はボタン操作することで各種設定が可能なリモコンであり、装置本体1の運転開始と運転終了をON/OFF操作して設定可能な運転スイッチ31と、浴槽18に設定量の湯水を湯張りする自動湯張りスイッチ32と、給湯や風呂の設定温度を変更する温度変更スイッチ33と、現在時刻や設定した情報を表示するディスプレイ34と、自動湯張りスイッチ32が操作された時や温度変更スイッチ33で給湯、風呂の設定温度を変更した時に設定内容を音声で報知する報知部35とが備えられている。
【0018】
36は装置本体1の外装に設置され外気温を検出する外気温センサであり、装置本体1周囲の温度を検出する。
【0019】
37はマイコンで構成され装置本体1の制御をおこなう制御部であり、前記外気温センサ36で検出された温度と事前に設定された基準値とを比較する温度比較手段38が備えられており、各温度センサや流量センサで検出された値に基づき、バーナ6による燃焼のON/OFF制御や給湯混合弁11の開度を変化させ、前記リモコン30で使用者が設定した温度の湯水が給湯栓16や浴槽18に供給されるよう調節する。
【0020】
次に、給湯使用時や風呂湯張り運転時における制御について図3から図5のフローチャートに基づいて説明する。
まず、制御部37がリモコン30の運転スイッチ31がON操作されたことを検知したら(S101)、温度比較手段38は外気温センサ36での検出値と事前に設定された基準値である20℃とを比較し(S102)、外気温センサ36での検出値が20℃以上であれば、外気温が高めなので高温水の使用量を控えめにすることが可能であり、手を洗う等で使用するのであれば高温水を使用する必要がない状態なので、「湯の設定温度を低下させなるべく水を使用してください」とのアドバイスAを報知部35から報知し(S103)、外気温センサ36での検出値が20℃未満であれば、外気温が低めなので高温水の使用量に注意してなるべく節約する意識を使用者に持たせるよう、「湯の使用時はこまめに止めて使用量に注意してください」とのアドバイスBを報知部35から報知する(S104)。
【0021】
S103でアドバイスAを報知した後、外気温センサ36での検出値が20℃未満になり(S201)、リモコン30の温度変更スイッチ33を操作して設定温度を高くしたら(S202)、外気温が低下して設定温度を高くしたのでバーナ6での燃焼時間や通電時間が増えて省エネ使用の意識が薄れることを防止するため、制御部37は、S104で報知部35からアドバイスBを報知して再度省エネ使用の意識を高めるようにする。また、S201で外気温センサ36での検出値が20℃以上かS202で温度変更スイッチ33で設定温度を高くしなかったら、制御部37は、リモコン30の運転スイッチ31がOFF操作されたか判断し(S203)、OFF操作されていれば運転終了させ、OFF操作されていなければ、再度S201で外気温センサ36での検出値を確認する。
【0022】
また、S104でアドバイスBを報知した後、外気温センサ36での検出値が20℃以上になり(S301)、リモコン30の温度変更スイッチ33を操作して設定温度を高くしたら(S302)、外気温が高くなった状態で設定温度を上げたので無駄な高温水の使用を防止して省エネを使用者に意識させるため、制御部37は、S103で報知部35からアドバイスAを報知して再度省エネ使用の意識を高めるようにする。また、S301で外気温センサ36での検出値が20℃未満かS302で温度変更スイッチ33で設定温度を高くしなかったら、制御部37は、リモコン30の運転スイッチ31がOFF操作されたか判断し(S303)、OFF操作されていれば運転終了させ、OFF操作されていなければ、再度S301で外気温センサ36での検出値を確認する。
【0023】
なお、本実施例では外気温の基準値を20℃とし、外気温と20℃とを比較してアドバイス内容を変更するものだったが、この内容に限定されるものではなく、例えば、外気温が30℃以上の場合や10℃未満の場合等、様々な温度に応じて報知する内容を変化させるものであってもよく、装置本体1の使用環境に即して省エネとなるアドバイスを報知することで省エネ効率を向上させ、使用者に省エネでの使用を意識させることが可能なものであればよい。
【0024】
以上のように、リモコン30の運転スイッチ31がON操作されたら外気温に応じた省エネ使用を促すアドバイスを報知し、アドバイス報知後に外気温センサ36での検出値や設定温度の変更によって報知部35から報知するアドバイスの内容を変化させることで、給湯や風呂で加熱された高温水を使用する際に使用者が省エネ使用を確実に意識することができ、装置本体1の使用環境や使用方法に応じて適切な省エネとなる使用方法が簡単に分かるものである。
【0025】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、報知部35から音声で報知するアドバイスをリモコン30のディスプレイ34に文字で表示してもよく、運転スイッチ31がON操作された時や設定温度を上昇させた時にディスプレイ34で文字による報知をすることで、使用者が視覚で省エネとなる使用方法を把握することができる。
【0026】
また、上記実施例では外気温センサ36での検出値に基づいて省エネとなる使用方法を報知する内容だが、給水管6内を流動する給水の温度から報知することも可能であり、給水温度センサ9で検出された給水温度に基づき、報知部35からアドバイスを報知することで省エネでの使用を促すことができる。
【0027】
また、他の実施形態として浴室の温度を検出する浴室温度センサを浴室内に設置し、検出された浴室内の温度によって報知するアドバイスの内容を変更するものであってもよく、例えば、浴室内の温度が基準値より低いときは浴槽18にふたをして間隔をあけずに入浴するよう促す内容を報知することで浴槽水の温度低下のスピードを緩和させ、浴槽水を設定温度に保温する追い焚き動作の回数を減少させ、燃焼部5のバーナ6による燃焼を最小限に抑えることができるので、燃料使用量や電力消費を減らし省エネでの風呂使用を可能とする。
【符号の説明】
【0028】
1 装置本体
2 給湯回路
5 燃焼部
30 リモコン
31 運転スイッチ
35 報知部
36 外気温センサ
37 制御部
38 温度比較手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、該装置本体に備えられた燃焼部と、該燃焼部内にある給湯熱交換器で加熱された湯水が流動する給湯回路と、外気温を検出する外気温センサと、前記装置本体での運転開始の設定をするリモコンと、該リモコンで設定した情報を報知する報知部と、該報知部で所定の情報が報知されるよう制御する制御部とを備えた給湯装置において、前記制御部は、前記リモコンで運転開始が設定されたら前記外気温センサでの検出値に基づき、前記報知部から省エネ使用を促す報知をおこなうことを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記制御部に前記外気温センサでの検出値と外気温の基準として設定された基準値とを比較する温度比較手段を備え、該温度比較手段で比較した結果に基づき前記報知部から報知する内容を変化させることを特徴とする請求項1記載の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−57420(P2013−57420A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194543(P2011−194543)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】