説明

継手管

【課題】洗浄時にスポンジ部材が弁体付近に引っ掛かることを抑制することができる継手管を得る。
【解決手段】継手管10は、流路14が形成された筒状部12を備えており、筒状部12の一端に接続部16が設けられている。筒状部12の内部には段差部22に隣接して開閉弁20が配設されている。開閉弁20はゴム板24の一部を残して円形のスリットS1を形成し、一部を支持部25とし、スリットS1の内側を弁体26としている。弁体26の中央部の開口26Bには、支持部28A、28Bを備えた剛性補助部材28がはめ込まれている。剛性補助部材28の筒状部12側には、円錐状の突出部28Cが形成されている。流路14に液体が導入されたときにゴム製の支持部25が伸びて弁体26が回動し、流路14が開放される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一端が配管に接続される筒状部と、この筒状部の他端にタンクが接続される接続部とを備えた継手管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、継手管の一端がタンクに接続されると共に、継手管の他端が配管に接続され、タンク内の液体が継手管を通じて配管からサーバーへ送られる液送装置が知られている。
【0003】
この液送装置では、タンクの逆流を防ぐボールに代わり、継手管に弁体を取り付け、配管を通って洗浄する洗浄用スポンジの逆流防止手段と兼用することにより、洗浄工数を低減する構造が開示されている(特許文献1を参照)。
【0004】
また、弁体の開方向にストッパプレートを形成した構造が開示されている(特許文献2を参照)。
【0005】
また、弁体をダイヤフラムに一体化し、開口との係合のために突出形状の平板部を設けた構造が開示されている(特許文献3を参照)。
【特許文献1】特開2008−142600号公報
【特許文献2】特開平10−132112号公報
【特許文献3】特開2005−30553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、筒状部と弁体が点で当たるため、弁体の開放時に液体の中で弁体が安定化しにくい。このため、洗浄用スポンジが弁体に引っ掛かったり、洗浄の効率が落ちたりする可能性がある。
【0007】
特許文献2に記載の構成では、ストッパプレートにより弁体が安定化するが、ストッパプレート自体がスポンジなど洗浄用具の通過を妨げる可能性がある。
【0008】
特許文献3に記載の構成では、液体が高圧になると、ダイヤフラムがスプリングに抗して上昇し、平板部が開口を液体の圧力に応じて開放するが、液体の圧力等によっては平板部が十分に上昇せず、平板部に洗浄用スポンジが引っ掛かる可能性がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、洗浄時にスポンジ部材が弁体付近に引っ掛かることを抑制することができる継手管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係る継手管は、一端が配管に接続され流路が形成された筒状部と、前記筒状部の他端に設けられ、タンクに接続される接続部と、前記接続部と前記筒状部の間に設けられ、流路を閉じる弁体と、前記弁体の端部を前記筒状部側へのみ回動可能に支持する支持部材と、を含んで構成された開閉弁と、を備え、前記弁体が、中央部から前記支持部材側へ厚みが薄くなるように傾斜しているものとする。
【0011】
請求項1に記載の発明では、筒状部の一端に配管が接続され、筒状部の他端に設けられた接続部にタンクが接続されている。また、筒状部と接続部の間には開閉弁が設けられており、開閉弁は、流路を閉じる弁体と、弁体の端部を筒状部側へのみ回動可能に支持する支持部材と、を含んで構成されている。タンクから液体が導入されない状態では、弁体が流路を閉じている。タンクから接続部に液体が導入されると、支持部材に支持された弁体が筒状部側へ回動し、流路が開放される。その際、弁体は、中央部から支持部材側へ厚みが薄くなるように傾斜しており、弁体が筒状部側へ回動しやすく、弁体の開放時に弁体の傾斜した面が筒状部の内壁に接触する。このため、液体が通過する際に弁体の開放状態が安定化し、スポンジ部材が弁体と筒状部との間を通過しやすく、スポンジ部材が弁体付近に引っ掛かることが防止又は抑制される。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の継手管において、前記弁体が、中央部に前記筒状部側へ突出した突出部を有し、かつ、前記支持部材の変形起点から前記突出部の突出先端とを結んだ線の内方に収まる形状とされている。
【0013】
請求項2に記載の発明では、弁体は、中央部に筒状部側へ突出した突出部を有し、かつ、支持部材の変形起点から突出部の突出先端とを結んだ線の内方に収まる形状とされており、弁体が筒状部側へ回動しやすく、弁体の開放時に突出部が筒状部の内壁に接触する。このため、液体が通過する際に弁体の開放状態がより一層安定化し、スポンジ部材が弁体付近に引っ掛かることがより確実に防止又は抑制される。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の継手管において、前記筒状部と前記接続部の間に、前記筒状部の内径を前記接続部の内径より大として段差部を形成し、前記開閉弁は、前記段差部に固定されて前記流路を閉止可能なゴム板を備え、前記ゴム板に一部を残して円状にカットされたスリットを形成すると共に、前記一部を前記支持部材とし、円状部を前記弁体としている。
【0015】
請求項3に記載の発明では、筒状部と接続部の間に、筒状部の内径を接続部の内径より大として段差部が形成されており、この段差部に開閉弁を構成するゴム板が固定されている。開閉弁は、ゴム板に一部を残して円状にカットされたスリットを形成すると共に、円状部を流路を閉じる弁体とし、上記一部を弁体の端部を筒状部側へ回動可能に支持する支持部材としている。開閉弁は、タンクから液体が導入されない状態では、弁体が段差部に沿った位置に配置されて流路を閉じており、タンクから接続部に液体が導入されると、ゴム板の一部である支持部材が伸びて弁体が筒状部側へ回動し、流路が開放される。このため、開閉弁の構成が単純化される。また、ゴム板の外周端部が周状となって支持部材とされるので、ゴム板が段差部で安定して固定され、かつ、ゴム板が段差部に接触することでシールを兼ねることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の継手管において、前記弁体は、円板と、前記円板の中央部に取り付けられ、液体の逆流を防ぐ円錐状の剛性補助部材と、を備えている。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、弁体には、円板の中央部に円錐状の剛性補助部材が取り付けられており、タンクから液体が導入されない状態等では、弁体が流路を安定して閉じることが可能となる。また、タンクから液体が導入されることによって、弁体を筒状部側へ安定して回動させることができ、液体の逆流が防止される。また、円錐状の剛性補助部材とすることで、弁体の開放時に円錐状の面が広い範囲で筒状部の内壁に接触する。このため、液体の中で弁体の開放状態をより一層安定化することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の管継手において、前記剛性補助部材の外径は、前記筒状部の内径の40%〜80%の範囲に設定されているものとする。
【0019】
請求項5に記載の発明では、剛性補助部材の外径は、筒状部の内径の40%〜80%の範囲に設定されており、弁体が筒状部側に回動しやすく、弁体の開放時に突出部が筒状部の内側に安定して接触する。一方、剛性補助部材の外径が、筒状部の内径の40%〜80%の範囲外となると、弁体が筒状部側に回動しにくくなり、液体の中で弁体の開放状態を安定させることが難しくなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、洗浄時に筒状部の弁体付近にスポンジ部材が引っ掛かることを防止又は抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態である継手管10を示す断面図である。この継手管10は、筒状部12を備えている。筒状部12の内周側には、液体(例えば、ビールなど)が通過可能な流路14が形成されている。筒状部12の内周側は、液体の導入方向上流側(図1中の下側)の大径部12Aと、その大径部12Aから液体の導入方向下流側に向かって径が徐々に縮小するテーパー部12Bと、そのテーパー部12Bより液体の導入方向下流側に連なる小径部12Cと、を備えている。すなわち、流路14は、大径部12Aとテーパー部12Bと小径部12Cとで構成されている。
【0023】
図3に示されるように、液体の導入方向下流側(図3中の上側)である筒状部12の一端には、継手18を介してホースなどの配管(図示省略)が接続されている。配管の下流側端部は、例えばビールなどを供給するためのサーバー(図示省略)に接続されている。また、液体の導入方向上流側(図3中の下側)である筒状部12の他端には、筒状の接続部16が設けられており、この接続部16が洗浄タンク70に接続されている。
【0024】
図1に示されるように、筒状部12の他端側(液体の導入方向上流側)の内周部は、大径部12Aよりさらに大径であり、その内周部にねじ部12Dが形成されている。また、接続部16の洗浄タンク70と反対側の外周部は、大径となっており、その外周部にねじ部12Dと螺合されるねじ部16Aが形成されている。そして、筒状部12のねじ部12Dに接続部16のねじ部16Aを螺合することにより、筒状部12に接続部16が取付けられている。
【0025】
接続部16の芯部の筒状部12の側には、液体が流れる円形の開口部16Bが形成されている。接続部16の芯部の洗浄タンク70の側には、開口部16Bと連なり内径が拡大するテーパー部16Cが形成されており、テーパー部16Cの洗浄タンク70の側には、テーパー部16Cの下部と連なり開口部16Bよりも大径の開口部16Dが形成されている。開口部16Dの壁面の対向位置には、略U字状の開口36が形成されている。開口部16Dの内径は7.6mmに設定されており、開口部16Bの内径は5mmに設定されている。開口部16Bに対するテーパー部16Cの角度は45°に設定されている。
【0026】
開口部16Dは、配管(図示省略)内を洗浄するための略円柱状のスポンジ部材30(図3参照)がセット可能な大きさに形成されている。スポンジ部材30(図3参照)の外径は、例えば、7.8mm〜8.5mmに設定されている。このスポンジ部材30としては、例えば、発泡性のポリウレタンが用いられている。開口部16Dは、スポンジ部材30を係止可能なスポンジ係止部となっており、開口部16Bがスポンジ部材30の外径よりも内径が小さい挟穿部となっている。
【0027】
開口部16Bの内径は、筒状部12の大径部12Aの内径よりも小径となっており、接続部16の洗浄タンク70と反対側の端部には段差部22が形成されている。接続部16と筒状部12の間には、流路14を開閉可能な開閉弁20が段差部22と隣接して配設されている。開閉弁20の取付け構造については後述する。
【0028】
図2(A)〜(B)に示すように、開閉弁20は、円形状のゴム板24を備えており、このゴム板24の円周部24Aより内径側に円の一部である支持部25を残して円状にカットされたスリットS1が形成され、スリットS1の内側の円形部が弁体26とされている。支持部25及びこの支持部25の周囲には、ゴム板24の両面に凹部27が形成されており、支持部25及びこの支持部25の周囲の肉厚が他の部分のゴム板24の厚さより薄く形成されている。凹部27内の角部27Aは、R形状に切り欠かれている。また、弁体26を構成する円板としてのゴム板24の中央部には、円形状の開口26Bが形成されている。
【0029】
図1に示すように、ゴム板24の開口26Bには、弁体26の上面と下面に支持される支持部28A、28Bを備えた剛性補助部材28がはめ込まれている。この剛性補助部材28は、液体の逆流を防ぐためのものであり、ゴム板24の円形部が変形しないように、ゴム板24のゴム材料よりも硬い材料(例えば樹脂)で形成されている。剛性補助部材28は、液体の逆流を防ぐためのものであり、中央部に筒状部12側に突出した円錐状の突出部28Cが形成されている。この突出部28Cは、中央部から支持部25側へ厚みが薄くなるように傾斜した形状となっている。言い換えると、剛性補助部材28は、支持部25の変形起点から突出部28Cの突出先端とを結んだ線の内方に収まる形状とされている。
【0030】
その際、剛性補助部材28の外径は、筒状部12の大径部12Aの内径の40%〜80%の範囲に設定されており、特に40%〜65%の範囲がより好ましい。剛性補助部材28の外径を筒状部12の大径部12Aの内径の40%〜80%の範囲内に設定することで、弁体26が筒状部12側に回動しやすく、弁体26の開放時に突出部28Cが筒状部12の内側に安定して接触する。剛性補助部材28の外径が筒状部12の大径部12Aの内径の40%〜80%の範囲外であると、弁体26が筒状部12側に回動しにくくなり、液体の中で弁体26の開放状態を安定させることが難しくなる。また、弁体26の外径は、9.4mmに設定されている。
【0031】
筒状部12と接続部16の間には、段差部22より液体の導入方向下流側に、段差部22と大径部12Aの端面17とこれに隣接する筒状部12の内周部で構成される溝が形成されており、この溝にゴム板24の円周部24Aが挟まれている。そして、筒状部12のねじ部12Dへの接続部16のねじ部16Aの締付け量を調整することで、ゴム板24の円周部24Aが接続部16の段差部22と筒状部12の端面17との間に固定されている。
【0032】
開閉弁20は、通常の状態では、支持部25により弁体26とゴム板24の円周部24Aが同一平面上にあり、弁体26が段差部22と接触して流路14が閉じられている。一方、図4に示すように、液体の導入時には、ゴム製の支持部25が伸びて弁体26が液体の導入方向下流側に回動することで、流路14が開放されるようになっている。その際、支持部25及びその支持部25の周囲の凹部27の部分の肉厚がゴム板24の厚さよりも薄いことにより、支持部25が伸びやすく、低い流圧で液体が導入されたときでも弁体26が回動しやすくなる。また、弁体26の中央部に剛性補助部材28を設けることにより、流路14を閉じる位置に弁体26を安定して保持するとともに、液体の導入によって弁体26を筒状部12側へスムーズに回動させることが可能となる。これによって、液体の逆流を抑制することができる。
【0033】
なお、開閉弁20としてのゴム板24を構成する材料としては、例えば、SBR、NBR、EPDM、シリコーンゴム、フッ素ゴム、IIR(ブチルゴム)、天然ゴムなどが用いられている。また、剛性補助部材28の材料は、ゴム板24の円形部の変形を防止するためにゴム板24よりも硬い材料が望ましく、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、ポリプロピレン、ポリアセタールなどが用いられている。
【0034】
図3に示すように、継手18は、略L字状の筒状の継手本体40の一端に袋ナット42を備えている。この袋ナット42のネジ部42Aは、筒状部12の他端に形成されたネジ部12Eに螺合されている。袋ナット42の内壁には環状の係止部材44が配設されており、この係止部材44に継手本体40の突起部40Aが係止されている。また、継手本体40の突起部40Aの長手方向端面と筒状部12の長手方向端面との間には、環状のシール部材46が配設されており、袋ナット42と継手本体40とがシールされている。
【0035】
次に、本発明の継手管10の作用について説明する。
【0036】
継手管10には、筒状部12の一端に設けられた接続部16がビール樽(図示省略)に接続されている。継手管10の下流側の配管及びサーバーを洗浄する際には、図3に示すように、接続部16のビール樽(図示省略)を取り外して、接続部16内に略円柱状のスポンジ部材30をセットする。さらに、接続部16に洗浄液(例えば、水)が充填された洗浄タンク70を取り付ける。そして、図4に示すように、所定のガス(例えば炭酸ガス)を導入してガス圧により洗浄液を接続部16から継手管10の流路14内に導入することにより、開閉弁20の弁体26が導入方向下流側に回動し、流路14が開放される。このとき、図4に示すように、弁体26の開放により洗浄液と共にスポンジ部材30が開閉弁20を通過し、流路14内を移動する。その際、弁体26の支持部25及びその周囲の肉厚はゴム板24の厚さよりも薄いので、支持部25が伸びやすく、弁体26が導入方向下流側に回動しやすい。
【0037】
また、弁体26の開口26Bには剛性補助部材28がはめ込まれており、弁体26の開放時に円錐状の突出部28Cが比較的広い範囲で筒状部12の内壁に安定して接触する。このため、液体の中で弁体26の開放状態が安定化し、スポンジ部材30が弁体26と筒状部12との間を通過しやすい。これによって、弁体26付近にスポンジ部材30が引っ掛かることを防止又は抑制することができる。
【0038】
弁体26を通過したスポンジ部材30は、筒状部12の流路14内を移動する。その際、筒状部12の小径部12Cの内径はスポンジ部材30の外径より小さく設定されており、スポンジ部材30が圧縮されて小径部12Cの内壁に接触しながら移動することで、小径部12Cの内部が洗浄される。さらに、スポンジ部材30は洗浄液の導入方向に沿って継手管10から継手18を通って配管及び配管の下流側のサーバー(図示省略)に送られ、配管及びサーバーが洗浄される。
【0039】
このような継手管10では、接続部16に接続されたビール樽(図示省略)を取り外した後、接続部16にスポンジ部材30をセットして洗浄タンク70を取り付けるため、少ない工程で継手管10、配管及びサーバー(図示省略)を効率よく洗浄することができる。また、継手管10に液体を導入しないとき(スポンジ部材30を通す方向へ加圧しない場合)は、弁体26が段差部22に接触することで弁体26が閉止されており、弁体26から逆方向(接続部16側)への漏れの発生を抑制することができる。
【0040】
一方、図5及び図6には、比較例に係る継手管に用いられる開閉弁100が示されている。なお、一実施形態に係る継手管と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0041】
図5に示すように、開閉弁100は、ゴム板24の円周部24Aより内径側に円の一部である支持部115を残して円状にカットされたスリットS2が形成され、スリットS2の内側の円形部が弁体106とされている。スリットS2の幅は、図1に示すスリットS1の幅より小さく形成されている。支持部115及びこの支持部115の周囲には、ゴム板24の両面に凹部117が形成されている。弁体106のゴム板24の中央部に形成された円形状の開口26Bには、ゴム板24の上面と下面に支持される支持部108A、108Bを備えた剛性補助部材108がはめ込まれている。この剛性補助部材108は、略平板状に形成されており、筒状部12側に突出部は設けられていない。また、弁体106の外径は、11.6mmに設定されている。
【0042】
このような開閉弁100を備えた継手管120では、図6に示すように、接続部16から継手管120の流路14内に洗浄液を導入することにより、開閉弁100の弁体106が導入方向下流側に回動し、流路14が開放される。このとき、弁体26の剛性補助部材108の端縁が筒状部12の内壁に当たるため、液体の中で弁体26の開放状態が安定しにくい。このため、弁体26付近にスポンジ部材30が引っ掛かる可能性がある。
【0043】
これに対して、本実施形態では、弁体26の開放時に剛性補助部材28の突出部28Cが筒状部12の内壁に安定して接触し、液体の中で弁体26の開放状態が安定化するため、弁体26付近にスポンジ部材30が引っ掛かることを防止又は抑制することができる。
【0044】
なお、上記実施形態では、剛性補助部材28の突出部28Cは円錐状であるが、これに限定されず、弁体26の開放時に剛性補助部材28の突出部28Cが筒状部12の内壁に安定して接触する形状であれば、他の形状でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る継手管を示す断面図である。
【図2】図1に示す継手管に設けられる開閉弁を構成するゴム板を示す平面図及び断面図である。
【図3】図1に示す継手管の接続部にスポンジ部材をセットすると共に、洗浄タンクを接続した状態を示す断面図である。
【図4】図1に示す継手管において、スポンジ部材が継手管の筒状部内を移動する過程を示す断面図である。
【図5】比較例の開閉弁を構成するゴム板を示す平面図及び断面図である。
【図6】図5に示す継手管において、スポンジ部材が継手管の筒状部内を移動する過程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0046】
10 継手管
12 筒状部
14 流路
16 接続部
18 継手
20 開閉弁
22 段差部
24 ゴム板
25 支持部(支持部材)
26 弁体
28 剛性補助部材
28C 突出部
30 スポンジ部材
70 洗浄タンク(タンク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が配管に接続され流路が形成された筒状部と、
前記筒状部の他端に設けられ、タンクに接続される接続部と、
前記接続部と前記筒状部の間に設けられ、流路を閉じる弁体と、前記弁体の端部を前記筒状部側へのみ回動可能に支持する支持部材と、を含んで構成された開閉弁と、を備え、
前記弁体が、中央部から前記支持部材側へ厚みが薄くなるように傾斜している継手管。
【請求項2】
前記弁体が、中央部に前記筒状部側へ突出した突出部を有し、かつ、前記支持部材の変形起点から前記突出部の突出先端とを結んだ線の内方に収まる形状とされている請求項1に記載の継手管。
【請求項3】
前記筒状部と前記接続部の間に、前記筒状部の内径を前記接続部の内径より大として段差部を形成し、
前記開閉弁は、前記段差部に固定されて前記流路を閉止可能なゴム板を備え、前記ゴム板に一部を残して円状にカットされたスリットを形成すると共に、前記一部を前記支持部材とし、円状部を前記弁体とした請求項1又は請求項2に記載の継手管。
【請求項4】
前記弁体は、円板と、前記円板の中央部に取り付けられ、液体の逆流を防ぐ円錐状の剛性補助部材と、を備えている請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の継手管。
【請求項5】
前記剛性補助部材の外径は、前記筒状部の内径の40%〜80%の範囲に設定されている請求項4に記載の継手管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−112487(P2010−112487A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−286274(P2008−286274)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【Fターム(参考)】