説明

締結工具

【課題】駆動フランク21を含む対向するローブ対9、10を有するローブ穴5を備えた締結工具4を提供する。
【解決手段】各駆動フランク11の遠心端12間は、捩じりだぼ継手で使用されるためにだぼ又はタング2の幅と一致する間隔13を形成する。穴5には、だぼ又はタング2を穴5に通した後、捩じることにより係止状態を形成することを可能にする位置決め凹部14が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は締結工具(forcing tool)に関し、更に詳細には、いわゆる「捩じりだぼ(twisted-dowel) 」又は「タング(tang)」継手に関して使用される締結工具に関する。この締結工具は、だぼ又はタングをスロットと整合した状態から強制的にずらし、各シート材料を互いに保持するための継手を形成するために使用される。
【背景技術】
【0002】
多くの構造、製造、及び組み立てにおいて、継手及び結合部を形成することが従来より必要とされている。リベット、ナット及びボルト、接着剤、及び干渉結合を含む利用可能な多くの継手及び結合形態があるということは理解されよう。更に最近では、欧州特許第1259339号に概要として、いわゆる「捩じりだぼ」又は「タング」継手が記載されている。ここでは、材料の一部分がスロットを通って延び又は突出し、特に材料シート間に継手を設けるための干渉を形成するために、突出部の部分を捩じってスロット又は穴と整合した状態からずらしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許第1259339号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの捩じりだぼ又はタング継手は、比較的強度が強く、迅速に形成でき、だぼ又はタングが形成される材料によっては、必要に応じて逆方向に捩じることにより解放できるという点で特に利点を有している。別体の結合の費用及びスペース上の要件ばかりでなく、様々な材料及び様々な機械的特性と関連した問題点もまた解消される。残念なことに、だぼ又はタングがスロット開口を通って突出しているため、だぼ又はタングを強制的に回転するためにプライヤー、グリップ、自在レンチ、又は両口スパナ等の不適切な締結工具を使用することが簡便であるということは理解されよう。こうした方法は、だぼ又はタングを不適切に捩じることとなり、締結工具、即ちプライヤー、グリップ、レンチ、又はスパナを唐突に解放することにより螺旋状スリップ傾斜部が形成される。このような締結工具の唐突な解放は、使用者を損傷させ、及び/又は継手の有効性及び持続性を損なう。更に、捩じりだぼ継手の解放もまたより一層困難になるということは理解されよう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴によれば、だぼ又はタング継手用の締結工具であって、使用時にだぼ又はタングと係合し、だぼ又はタングを捩じってスロット開口と整合した状態からずらし、継手を形成する工具において、この工具は、対向するローブを含むローブ穴を備え、各ローブは凹部を有し、対向するローブの凹部間の間隔は、だぼ又はタングの最大幅とほぼ等しく、各ローブは、更に、駆動フランクを有し、各駆動フランクの遠心端は、対向するローブの他方の遠心端から、工具がだぼ又はタングに対して所望の形体で係止するように、だぼ又はタングの下側肩部の幅とほぼ等しい間隔だけ距離をあけて配置されている、ことを特徴とする工具が提供される。
【0006】
一般的には、ローブ穴は、十字形をなして配置された四つのローブを含む。代表的には、ローブ穴は工具の一端部に設けられている。
【0007】
一般的には、対向するローブは、工具の主軸線に対して所定の角度をなす。代表的には、その角度は15°乃至30°の範囲内にある。さらに、この角度は、20°乃至25°の範囲内にあることが好ましく、ほぼ22.5°であることが最も好ましい。
【0008】
場合によっては、ローブ穴は、使用時にだぼ又はタングの戻り止め部の下方に配置されるように構成されている。一般的には、工具のローブ穴の周囲の厚さは、だぼ又はタングとほぼ等しくなっている。
【0009】
一般的には、対向するローブの各ローブは、位置決め凹部を有する。一般的には、上文中に説明したように、位置決め凹部により、だぼ又はタングを、戻り止め部を越えてローブ穴に挿入することができる。
【0010】
場合によっては、工具は、だぼ又はタングの各大きさの幅に関して、だぼ又はタングのそれぞれの大きさに対応するローブの対として、二つ以上の対向するローブを含む。
【0011】
一般的には、工具は、だぼ又はタングと実質的に同じ材料で形成されている。
【0012】
場合によっては、工具は、ローブ穴がだぼ又はタングに対して実質的に直交する場合、使用時にハンドル部分を上方に配置するためのネッククランク部を有する。一般的には、工具のローブ穴の周囲部分は、使用時に、スロット開口の周囲の領域上に載置されるように形成されている。
【0013】
一般的には、戻り止め部は、本発明の特徴に従ってだぼ又はタングを回動させて継手を形成する際、工具がだぼ又はタングと係合した状態を保持するために設けられている。
【0014】
次に、本発明の特徴による締結工具の一実施の形態を、単なる例として、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の特徴による締結工具とともに捩じりだぼ又はタング継手を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明の特徴による捩じりだぼ継手の概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の特徴による締結工具の概略平面図である。
【図4】図4は、本発明の特徴によるローブ穴の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上述のように、捩じりだぼ又はタング継手は、特に、複数の材料シートを互いに固定することに関して有用である。このような継手の一例は、欧州特許第1259339号に記載されている。本質的には、だぼ又はタングが材料シートの重なった穴を通って延び、次いでこれを捩じって穴スロットと整合した状態からずらし、これらの材料シートを互いに固定することであることが理解されよう。図1は、代表的な捩じりだぼ又はタング継手の形体を、本発明の特徴による関連した締結工具とともに示す、正面から見た概略斜視図である。このように、だぼ又はタング部材1は、シート3の穴(図示せず)を通って延びるだぼ又はタング2を含む。タング2によって、幾つかのシート材料が保持されてもよく、又はタング部材1自体を溶接又は他の方法で別の構成要素に、タング2が提供される位置で固定してもよいということは理解されよう。明瞭化を図るため、このような改良は図1には組み込まれていない。
【0017】
図示しているように、材料シート3を通って延びるタング2が締結工具4に係合している。タング2を適切に捩じることにより、又は押圧することによりシート3のスロットと整合した状態からずらすため、工具4の一端には本発明の特徴によるローブ穴5が設けられているということは理解されよう。本発明の特徴によるローブ穴5は、詳細には、効果的な継手を形成するため、タング又はだぼ2を確実に捩じるように構成されている。このような方法により、工具4は、だぼ又はタング2を捻って継手の形体にするために、概して不適切なプライヤー、レンチ、及びスパナを使用するという従来の問題点が避けられる。ローブ穴5は、工具4とタング又はだぼ2との間を頑丈に且つ正しく結合させる。
【0018】
図2は、締結工具4を取り外した状態の図1に示す捩じりだぼ又はタング継手の形体の側方断面を示す。このように、だぼ又はタング2は、材料シートの開口を通って延びており、噛み合い肩部6を有している。この噛み合い肩部6は、軸線A−Aを中心としてだぼ又はタング2を捻ると、これらの噛み合い肩部6が材料シート3のスロットの両側の部分と係合し、継手を形成するように配置されている。
【0019】
本発明の特徴によれば、代表的には、だぼ又はタング2に戻り止め部7が設けられている。これらの戻り止め部7は、材料シート3の上面から間隔をあけて配置されている。これらの戻り止め部7により、必要に応じて、材料シート3に形成されたスロット内で、だぼ又はタング2が位置合わせされる。これらの戻り止め部7は、以下に説明するように、締結工具4をタング又はだぼ2に対して所望の方向に強制的にかつ容易に向けるために使用される。手短に述べると、ローブ穴5の周囲の工具4の厚さは、工具4とタング又はだぼ2との間に係止及び位置合わせを行うため、材料シート3の上面からの戻り止め部のオフセット量とほぼ等しくなっている。このような方法により、本発明の締結工具4をタング/だぼと同じ材料シートから切断又は他の方法で形成できる。
【0020】
一般的には、工具のローブ穴の周囲の領域は、タング又はだぼ2が通って延びる穴の周囲の材料シート3の表面の形状及び形体と適合するようになっているということもまた、理解されよう。通常は、このような関係及び形体により、平らな表面と表面とが当接される。このような場合には、戻り止め部7と材料シート3の上面との間に工具4を配置させて表面と表面とを接触させて、以下に説明するローブ穴とだぼ又はタング2の端部分との間の見当深さ(registered depth)によって、工具4とだぼ又はタング2との間を正しい方向に強制的に容易に向けさせる。だぼ又はタング2は、ローブ穴5内に閉じ込められ、このことにより、正しい配向が得られ、だぼ又はタング2の構造によりローブ穴5内に保持される。
【0021】
図3は、図1に示す締結工具4の概略平面図である。このように、工具4において、主軸線B−Bに関して全体に細長く形成され、一端部にローブ穴5が設けられている。これに対し、工具4の他方の端部8には、機械的梃子としてのハンドル部分の領域が構成され、だぼ又はタング2(図1及び図2参照)を捩じって、捩じりだぼ又はタング構造による継手が形成されるようになっている。
【0022】
一対の対向するローブを含む工具が形成されるが、図3でわかるように、一般的には、十字形の構造であることが好都合である。このように、対向するローブ対9a、9b;10a、10bが形成される。作動性を向上するため、一般的にはローブ穴5の十字形は、工具4の主軸線B−Bに対して所定の角度11をなすように配置される。この角度11は、好都合な任意の適切な角度であってもよいが、代表的には、工具4の主軸線B−Bに対して、15°乃至30°であり、更に好ましくは20°乃至25°である。最も好ましくは、約22.5°である。このような角度は、一般的には、制限された場所又は不自由な場所で工具をタングに適用しようとする場合、工具の裏表を逆にするという態様が可能となる。
【0023】
図3に示すように、対向するローブ対9a、9b;10a、10bは、便利に使用できるように、ほぼ等しい大きさを有している。このような場合には、工具4は、特定の大きさのだぼ又はタングのためのスペースを有し、このことにより、特定のだぼ又はタングに対して選択された工具4が準備される。別の態様では、本発明の特徴により、十字形のローブ穴に、様々な大きさのだぼ又はタングを受け入れるため、以下に説明するように、それぞれの対向するローブの大きさが異なっていてもよいということは理解されよう。更に、工具の両端部に、対向するローブの対を含むローブ穴を設けて、ローブ対が、便宜的に及び作動上の目的に応じて、異なる大きさまたは同様な大きさを有していても良い。このような場合には、図3には示していないが、ローブ穴が端部8にも設けられている。
【0024】
本発明の特徴によれば、ローブ穴5を、特にだぼ又はタング2の幅寸法と適合させることによって適切な構造を得る。即ち、使用時に、工具の構造を適切な方向に向けることが可能になる。このような場合には、ローブ穴5の拡大平面図である図4に示すように、穴5は、上述したように、使用時に、各々がだぼ又はタング(図示せず)と係合する駆動フランク21を含み、全体に十字形構造を有している。このような場合には、駆動フランク21の大きく離間された遠心端部12間に、だぼ又はタング(図示せず)の幅とほぼ一致する距離即ち間隔13が形成されて、ローブ穴5が構成される。このような場合には、穴5は、戻り止め部7と材料シート3の上面との間のタングの同様の深さに対応し、材料に対してほぼ直交するように形成され、このことにより正しい方向、即ちだぼ又はタングが通って延びる穴の周囲の表面に対して実質的に直交する方向に強制的に向けるようにぴったりと結合させることができる。
【0025】
明らかに、戻り止め部7は横方向に延びており、代表的には、フランク21の遠心端12間の間隔13と一致するだぼ又はタング2の全幅を形成している。このような場合には、穴5の比較的大きな部分を提供できるようにするため、位置決め凹部14が設けられるということは理解されよう。これらの凹部14は、穴5にだぼ又はタング(図示せず)の戻り止め部7を通すことができるように、穴5の中心(A−A)から外方に且つ半径方向に延びている。ひとたび配置されると、戻り止め部7の下のだぼ又はタング2のアンダーカット部は、遠心端12の間の幅即ち間隔13に対応し、使用時に工具を回動させることにより、駆動フランク21を、使用時に、だぼ又はタング2と係合させ、これを捻り、継手を形成するということは理解されよう。図1は、工具4を回動させる前の中央位置を示す。この位置では、工具4は、戻り止め部7が位置決め凹部14と整合するように構成されている。このような場合には、位置決め凹部14間の対角線15は、だぼ又はタング2(図示せず)の最大幅に対応している。
【0026】
使用時、上述したように、先ず最初にローブ穴5をだぼ又はタング2の上方に配置してこれに通すことによって、工具を、戻り止め部と整合した状態で配置させる。この位置にした後、工具を戻り止め部7の下で回動させ、工具を所望の形体で係止し、穴5の間隔13によってその形体に強制させる。このような場合には締結工具4が滑って外れたりだぼ又はタング2を損傷する可能性が取り除かれるか、あるいは少なくとも減少する。更に、だぼ又はタングをしっかりと捻ることにより、更に適切な継手が形成される。図示のように、実質的に工具及びだぼ又はタング2の捻りプロセスの間、工具4は、だぼ又はタング2に対して係止され、駆動フランク21が、タング又はだぼ2に対して、均等で一貫した負荷を与えることができる。形体がぴったりと一致しているため、タング又はだぼの座屈が阻止され、回転中にだぼ2に亀裂が入ったり破損したりする危険性が減少する。タング又はだぼ2が適切に配置された後、単に作用を及ぼすのを止めるだけで工具を取り外すことができるということは理解されよう。即ち、係合解除されるまで逆方向に回動させた後、ほぼ凹部14の位置でだぼ又はタングが穴5を通過するように工具を持ち上げることによって、工具4を持ち上げて離すことができる。
【0027】
図1に詳細に示すように、一般的には、工具4は平らであってもよく、シート3と同様であってもよい。別の態様では、回転を容易にするために工具5の一部が他方の端部8に向かって持ち上げられるように、ローブ穴5が設けられた端部と他方の端部8との間の位置にネッククランク部を設けてもよい。このように持ち上げられた端部は、ハンドル部分として役立つ。
【0028】
工具4は、だぼ又はタング2と同様の又は同じ材料から形成される。工具4は、更に、レーザーカッターを使用する適切な切断技術によって形成されてもよい。この技術は、だぼ又はタング2を含むだぼ部材即ちエレメント1の形成に使用してもよい。
【0029】
本発明の特徴に従って重要であるのは、ローブ穴5とだぼ又はタング2との間の結合であるということは理解されよう。このような場合には、タング2を捻るための梃子を形成する簡単なバーを含む受動的工具4を提供することに加え、工具4のローブ穴5が設けられた端部と他方の端部8との間の中間部分にトルクレンチ設備を設けてもよいということもまた理解されよう。このような場合には、だぼ又はタングの回し過ぎ及び押圧し過ぎを避けることができるように、トルクレベルを設定できる。更に、代表的には、構成要素が小型で軽量である場合、捻り形体でのローブ穴とだぼ又はタング2との間の効果的な係止は、工具4の使用時に構成要素の持ち上げ及び吊り下げを可能にするため、確実に結合されるのに十分であるということは理解されよう。
【0030】
工具4の、及び詳細にはだぼ又はタング2に対するローブ穴5の強制及び正しい配向により、スリップが回避され、このことにより、だぼ又はタングを締め付けて継手を形成するのが概して容易になり、更にこのような締め付けにより継手強度の有効な改良が正しくもたらされるということは理解されよう。更に、スリップが制限されるため、いわゆる「スパナ傷」即ち当て傷等の損傷が減少し、だぼ2にすり傷が形成されることおよびだぼ2が削られることが避けられるということは理解されよう。本発明の特徴に従って工具4をだぼ2に繰り返し適用できるため、継手の形成に関する一貫性が得られ、これにより予測可能性が向上する。上述のように、このような繰り返し捩じりに耐えることができ、丈夫な継手を確実に形成可能なだぼ2を構成する材料の性能を条件に、概して再使用可能な捩りだぼ継手部が提供される。本発明の特徴による締結工具により、捩じりに関する一貫性が得られるため、捩じりだぼ継手に関するこのような再使用の可能性が確実に増大する。
【0031】
上述のように、一般的には、少なくともローブ穴5の周囲に、本発明の特徴による工具の厚さと、戻り止め部とだぼが通って延びる穴の表面との間の突出深さとの間に本質的一貫性がある。代表的な厚さは1mm程度であるが、材料の厚さは、必要な捩じりだぼ継手の強度に依存している。使用時にだぼを捩ることができるようにするため、ハンドルの端部に工具の好都合な梃子を設けることもまた選択される。場合によっては、だぼ及び工具は、鋼等の金属から形成されていてもよい。
【0032】
だぼ又はタング継手を形成するために手で使用する締結工具を説明したが、本発明のローブ及び凹部は、締結工具を自動で使用するマシン工具で使用するように構成されていてもよいということは理解されよう。これにより、スパナ傷等を付けることがない工具を提供することが重要な大量生産の場合にこの締結工具を使用することが可能になる。
【0033】
本発明の特徴に対する変形及び変更は、当業者には理解されよう。このように、十字形ローブ穴を設けることに加え、実用可能であり且つ現実的である場合には、必要に応じて同様の又は異なる大きさの三つの対向するローブ穴を設けることができるということは理解されよう。更に、係合負荷を改良するのが望ましい場合には、使用時に変形することを少なくするため、更に丈夫であるようにするため、駆動フランクに処理を施してもよい。ここで、使用時に変形すると、ローブ穴内の寸法が変わり、このことにより、工具を強制してだぼ又はタングと係合することの一貫性が低下する大きさになってしまう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
だぼ又はタング継手用の締結工具(4)であって、使用時にだぼ又はタング(2)と係合し、だぼ又はタングを捩じってスロット開口と整合した状態からずらし、継手を形成する工具(4)において、
前記工具には、対向するローブ(9、10)を含むローブ穴(5)を備え、
各ローブ(9、10)は凹部(14)を有し、対向するローブ(9、10)の前記凹部(14)間の間隔(15)は、前記だぼ又はタング(2)の最大幅とほぼ等しく、各ローブ(9、10)は、更に、駆動フランク(21)を有し、各駆動フランクの遠心端(12)は、対向するローブの他方の遠心端(12)から、前記工具(4)が前記だぼ又はタング(2)に対して所望の形体で係止するように、前記だぼ又はタングの下側肩部(6)の幅とほぼ等しい間隔(13)だけ距離をあけて配置されている、ことを特徴とする工具(4)。
【請求項2】
前記ローブ穴(5)は、十字形をなして配置された四つのローブを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の工具(4)。
【請求項3】
前記ローブ穴(5)は前記工具(4)の一端部に設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の工具(4)。
【請求項4】
前記対向するローブ(9、10)は、前記工具の主軸線(B−B)に対して所定の角度(11)をなす、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の工具(4)。
【請求項5】
前記角度(11)は、15°乃至30°の範囲内にあり、更に詳細には、20°乃至25°の範囲内にあり、ほぼ22.5°である、ことを特徴とする請求項4に記載の工具(4)。
【請求項6】
前記ローブ穴(5)は、使用時にだぼ又はタング(2)の戻り止め部(7)の下方に配置されるように構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の工具(4)。
【請求項7】
前記工具(4)の前記ローブ穴(5)の周囲の厚さは、前記工具(4)が係合するだぼ又はタング(2)とほぼ等しい、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の工具(4)。
【請求項8】
前記対向するローブ(9、10)の各ローブは、位置決め凹部(14)を有する、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の工具(4)。
【請求項9】
前記位置決め凹部(14)により、前記だぼ又はタング(2)を、前記戻り止め部(7)を越えて前記ローブ穴(5)に挿入することができる、ことを特徴とする請求項6に従属した請求項8に記載の工具(4)。
【請求項10】
前記工具(4)は、だぼ又はタング(2)の各大きさの幅に関して、だぼ又はタング(2)のそれぞれの大きさに対応するローブの対として、二つ以上の対向するローブ(9、10)を含む、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の工具(4)。
【請求項11】
前記工具(4)は、前記だぼ又はタング(2)と実質的に同じ材料で形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の工具(4)。
【請求項12】
前記工具(4)は、前記ローブ穴(5)が前記だぼ又はタング(2)に対して実質的に直交する場合、使用時にハンドル部分を上方に配置するためのネッククランク部を有する、ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の工具(4)。
【請求項13】
前記工具(4)の前記ローブ穴(5)の周囲部分は、使用時に、スロット開口の周囲の領域上に載置されるように形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の工具(4)。
【請求項14】
前記戻り止め部(7)は、前記だぼ又はタング(2)を回動させて継手を形成する際、工具が前記だぼ又はタング(2)と係合した状態を保持するために設けられている、ことを特徴とする請求項6及び請求項6に従属する請求項のいずれかに記載の工具(4)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−513035(P2010−513035A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540833(P2009−540833)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004409
【国際公開番号】WO2008/074976
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(590005438)ロールス‐ロイス、パブリック、リミテッド、カンパニー (21)
【氏名又は名称原語表記】ROLLS−ROYCE PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】