説明

縄跳び用具

【課題】 縄跳び用の縄を片手で360度いずれの方向にも回転させて縄跳びできるようにする。
【解決手段】 本願発明の縄跳び用具は、長のバーとバーの軸方向中央部に設けたグリップとバーの軸方向両端側に連結された縄を備え、前記グリップは片手で握ることができる太さであり、グリップ又は/及び縄はバーに回転自在に設けられ、バーを身体の前後左右のいずれか一方に配置し、グリップを片手で持ってバーを回転させると、縄がバーの回転方向に回転して身体の外側を回転するようにしたものである。前記バーの長さは、縄跳びをする人の肩幅と同程度の長さとすることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は縄跳びする人が、縄を片手で前方回転、後方回転、横回転といった各種方向に回転させて縄跳びすることのできる縄跳び用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
縄跳びは気軽にできる運動として多くの人に愛好されている。従来、広く使用されている縄跳び用具として、縄の両端にグリップが設けられたものがある。また、縄跳び用具を応用した美容健康運動器具として、縄の両端のグリップの端部同士を連結可能とし、縄跳びをする人がそのグリップを手で持って縄を回転させて縄跳びできるようにした縄跳び用具(特許文献1)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−189267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記縄跳び用具はグリップを片手で持ちにくいこと、グリップが短いこと等から縄跳びの遊び方(跳び方)が限られてしまうという問題がある。
【0005】
本願発明の解決課題は、縄を片手で前方回転、後方回転、左回転、右回転といった各種方向に自在に回転させて縄跳びをすることができ、回転中に縄が絡まることのない縄跳び用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の縄跳び用具は、長いバーの軸方向中央部に設けたグリップと、バーの軸方向両端側に連結された縄を備え、前記グリップは片手で握ることができる太さであり、グリップ又は/及び縄はバーに回転自在に設けられ、バーを身体の前後左右のいずれか一方に配置し、グリップを片手で持ってバーを回転させると、縄がバーの回転方向に回転して身体の外側を回転するようにしたものである。前記縄は使用者の身体の幅よりも広い間隔をあけてバーの軸方向両端側に連結することが好ましい。ここでバーの軸方向両端側は、バーの軸方向両端部の他、バーの軸方向端部ではないが、前記グリップよりも軸方向外側であって軸方向端部よりも内側の任意の位置をも含む概念である。
【発明の効果】
【0007】
本願発明の縄跳び用具は次のような効果を備える。
(1)グリップを手で握ってバーを回転させると縄が身体の外側を回転するので、使用者が縄を跳び超えるようにジャンプすることにより、従来の縄跳びと同様に縄跳びをすることができる。
(2)グリップを片手で握ってバーを回転させることにより、縄を前方回転、後方回転のみならず、左回転、右回転、斜め回転等をさせることもできるので、縄跳びのバリエーションが増え、従来の縄跳びとは違った変化のある縄跳びをすることができる。
(3)グリップ又は/及び縄がバーに回転自在に設けられているため、バーを前記のように回転させることにより縄を回転させても縄が捻じれて回転しにくくなったり、身体に巻きついたりしにくい。
(4)縄は使用者の身体の幅よりも広い間隔をあけてバーに連結されているので、縄が不用意に身体に当たることがなく、連続的に縄跳びをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本願発明の縄跳び用具の一例であり、縄の両端をバーに回転自在に取り付けた状態を示す斜視図。
【図2】本願発明の縄跳び用具の他の例であり、縄を止め具でバーに取り付けた状態を示す斜視図。
【図3】本願発明の縄跳び用具を左手で持って前方回転跳びする場合の使用例を示す斜視図。
【図4】本願発明の縄跳び用具を左手で持って側方回転跳びする場合の使用例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
本願発明の縄跳び用具の一実施例を、図1を参照して説明する。図1に示す縄跳び用具1は、細長のバー2と、そのバー2の両端に連結された縄連結部3と、両縄連結部3に取り付けられた一本の縄4と、バー2の軸方向中間部に設けられたグリップ5を備えるものである。
【0010】
前記バー2は縄4を回転させる際に回転軸となるものである。図1に示すバー2は約70cm程度であるが、バー2の長さは使用者の身幅と同じ又は身幅とほぼ同じ長さ(短くでも長くてもよい)にしてある。このような長さとすることで、バー2の両端に取り付けた縄4の間隔が使用者の体の幅よりも広い間隔となるようにしてあり、バー2と縄4の間に使用者の体が通り抜けるのに十分な広さの跳び空間Sを形成することができる。バー2には細長い丸棒、丸パイプ、角棒、角パイプ等を使用することができ、その太さは片手で握れる程度の太さとしてある。バー2の長さは使用者の身長や手の長さ等に応じて各種長さのものを使用することができる。バー2は使用者に合わせて長さを変えられるように伸縮式のものとすることもできる。バー2は使用時に腕が疲れにくいように軽量の材質製とすることが好ましく、例えば、アルミ製、カーボン製、プラスチック製等とすることができる。
【0011】
前記縄連結部3は縄4をバー2に取り付けるためのものであり、バー2の軸方向両端の夫々に一つずつ設けられている。縄連結部3はバー2に間隔をあけて固定された2枚の鍔6と、バー2の外周で2枚の鍔6の間に回転可能に配置された筒状リング7で構成されている。鍔6も縄跳び用具1全体を軽量化する観点からは軽量であることが好ましいが、縄4を回し易くするために長さ方向中央部に重りを取り付けることもできる。鍔6はバー2に接着剤で固定するとか、溶接、テープといった他の固定手段で固定することもできる。鍔6はバー2に回転自在に取り付けることもできる。鍔6は筒状リング7と一体とすることもできる。いずれの場合も、筒状リング7はそれに取り付けられる縄4が回転時に捻じれたり絡まったりしないよう、バー2に回転自在に設けることが望ましい。
【0012】
バー2の両端の筒状リング7の夫々の外周には前記縄4の端部が取り付けられている。縄4は筒状リング7に結び付けて固定することも、接着剤やテープといった既存の固定手段によって固定することもできる。縄4には既存の縄跳び用の縄でも新規な材質、編み方の縄でも使用することができる。縄4も回転により捻じれたり絡まったりしないようにするためには筒状リング7に回転自在に設けることが望ましいが、筒状リング7がバー2に回転自在である場合は、筒状リング7に固定することもできる。
【0013】
前記グリップ5は縄跳びするときに片手で把持して縄4を回転させるためのものであり、バー2の軸方向中央部にバー2の外周を回動可能に設けられている。グリップ5はバー2に固定された2枚の位置決め鍔8と、それら位置決め鍔8の間のバー2の外周に回動可能に設けられた筒状回転体9とから構成される。グリップ5は縄4が身体の外周をスムースに回転するようにするためにはバー2に回転自在に設けることが望ましく、また、縄4が回転時に捻じれたり絡まったりしないようにするためにもバー2に回転自在に設けることが望ましい。グリップ5の太さは片手で把持できる程度の太さとしてある。
【実施例2】
【0014】
本願発明の縄跳び用具の第2の実施例を、図2を参照して説明する。図2に示す縄跳び用具1は基本的には実施例1と同じである。異なるのは、縄4の両端4a、4bをバー2の両端に開口してある差し込み孔10にスライド可能に差し込んで貫通させ、貫通した両端4a、4bを差し込み孔10よりも外形の大きな止め具11に固定して、両端4a、4bが差し込み孔10から抜けないようにしたことである。
【0015】
(縄跳び用具の使用例1)
本願発明の縄跳び用具1を使用して、前方回転縄跳びをする場合について説明する。
1.グリップ5を片手で把持して、バー2と縄4を縄跳びする人(使用者)の身体の前におく。
2.前記1の状態からグリップ5を把持した手で縄4を図3の矢印A方向に回転(前方回転)させる。
3.回転中の縄4が地面に降りた時に使用者がジャンプをして縄4を跳び越える。
4.前記1〜3を繰り返して、連続的に前方回転跳びをする。
【0016】
(縄跳び用具の使用例2)
本願発明の縄跳び用具1を使用して、後方回転縄跳びをする場合について説明する。
1.グリップ5を片手で把持して、バー2と縄4を使用者の身体の前におく。
2.前記1の状態からグリップ5を把持した手で縄4を図3の矢印B方向に回転(後方回転)させる。
3.回転中の縄4が地面に降りた時に使用者がジャンプをして縄4を跳び越える。
4.前記1〜3を繰り返して、連続的に後方回転跳びをする。
【0017】
(縄跳び用具の使用例3)
本願発明の縄跳び用具1を使用して、左側方回転縄跳びをする場合について説明する。
1.グリップ5を片手(左手)で把持して、バー2と縄4を使用者の身体の左側方におく。
2.前記1の状態からグリップ5を把持した手で縄4を図4の矢印C方向に回転(左側方回転)させる。
3.回転中の縄4が地面に降りた時に使用者がジャンプをして縄4を跳び越える。
4.前記1〜3を繰り返して、連続的に左側方回転跳びをする。
【0018】
(縄跳び用具の使用例4)
本願発明の縄跳び用具1を使用して、右側方回転縄跳びをする場合について説明する。
1.グリップ5を片手(右手)で把持して、バー2と縄4を使用者の身体の右側方におく。
2.前記1の状態からグリップ5を把持した手で縄4を図4のD方向に回転(右側方回転)させる。
3.回転中の縄が地面に降りた時に使用者がジャンプをして縄4を跳び越える。
4.前記1〜3を繰り返して、連続的に右側方回転跳びをする。
【0019】
(縄跳び用具の他の使用例)
本願発明の縄跳び用具1は縄4の回転方向を変えることにより前記のように各種方向への縄跳びを行うことができる。縄4を使用者の身体の斜め側方前方に回転させることにより斜め側方前方回転跳びを、斜め側方後方に回転させることにより斜め側方後方回転跳びを行うことができる。360度所望方向に回転させて縄跳びを行うことができる。
【符号の説明】
【0020】
1 縄跳び用具
2 バー
3 縄連結部
4 縄
4a、4b 縄の両端
5 グリップ
6 鍔
7 筒状リング
8 位置決め鍔
9 筒状回転体
10 差し込み孔
11 止め具
S 跳び空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長いバーと、バーの軸方向中央部に設けたグリップと、バーの軸方向両端側に連結された縄を備え、前記グリップは片手で握ることができる太さであり、グリップ又は/及び縄はバーに回転自在に設けられ、バーを身体の前後左右のいずれか一方に配置し、グリップを片手で持ってバーを回転させると、縄がバーの回転方向に回転して身体の外側を回転するようにしたことを特徴とする縄跳び用具。
【請求項2】
請求項1記載の縄跳び用具において、縄は使用者の身体の幅よりも広い間隔をあけてバーの軸方向両端側に連結されたことを特徴とする縄跳び用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−264188(P2010−264188A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−120148(P2009−120148)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(393002173)島田工業株式会社 (4)