説明

耐震用面材を用いた耐力壁構造、耐震用面材、及び、耐力壁構造の施工方法

【課題】面材が外装の内側に配置される耐力壁構造において、通気胴縁を不要とし、施工手間の削減や建具選択の自由度を図るとともに、いわゆるモジュールレスを実現可能とする新規な耐力壁構造について提案する。
【解決手段】外装面材7とその室内側に耐震用面材4を用いた耐力壁構造であって、前記耐震用面材4には、複数の上下方向のスリット部41と、複数の上下方向の凸条部42が配置されており、前記スリット部41において、前記耐震用面材4と前記外装面材7の間に通気部8が形設され、前記凸条部42において、前記耐震用面材4に対し前記外装面材7が留め付けられる、耐震用面材4を用いた耐力壁構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の耐力壁の構造に関するものであり、より詳しくは、外装材の内側に面材を設置することで耐力性を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、厚物構造用合板を用いた軸組み工法の耐力壁構造が知られており、これについて開示する文献も存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この特許文献1に開示される技術では、厚物構造用合板と外装材の間に、断熱材、防風防水透湿シート、通気胴縁が配置される構成であり、通気胴縁によって外装材の裏面側の通気空間が確保される構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開2009−138474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示される技術では、耐震性能は向上されるが、外装材の施工の前段階において、通気胴縁を施工する必要があり、この通気胴縁の施工の手間とコストが生じるという問題がある。
【0006】
また、図7に示すように、仮に特許文献1の技術を利用して厚物構造用合板81を使用する場合には、厚物構造用合板81の室内面81aから外装材82の室内面82aまでの厚み寸法Wについて、通気胴縁83の厚みが影響するため、この通気胴縁83の存在によって、サッシやドアなどの開口部に設置される建具の納まりやシーリングに支障が生じることが懸念される。つまり、図4の従来例に示すごとく、サッシの開口部においては、シーリングCを確実に充填する関係上、外装材82の室外面82bは、サッシSの室外側部Saよりも室内側、若しくは、同一面上に配置させる必要があり、この配置を実現するために、厚み寸法Wには制約を設けた方が施工上、品質上の問題が生じにくい。このため、例えば、耐震性向上の観点から厚物構造用合板81の厚みをより厚くしたい場合は、そのままでは外装材82の室外面82bは、サッシSの室外側部Saよりも室外側にはみ出してしまい、確実なシーリング施工が難しくなってしまうといった問題が生じる。
【0007】
さらに、一般的には、図7に示すように、通気胴縁83に固定した留め金具84に対して外装材82が留め付けられるものであるが、柱85や間柱86のモジュールMa(間隔)と、通気胴縁83や外装材82のモジュールMbの基準を対応させないと、外装材82をしっかりと留め付けできないことが懸念される。特に、日本の木造住宅においては、複数種類のモジュールがあるとされており、関東間、関西間、四国間といった地域性によるものや、さらには、メーターモジュールの規格も存在している。このようなことから、各モジュールに対応させる製品設計や施工手順が要求されることになり、外装材メーカー等においては対応に苦慮しているという現状がある。
【0008】
なお、従来、外装材のジョイント部分(目地部分)が通気胴縁の箇所に配置されるのが一般的である。この通気胴縁は、柱、間柱、スタッド(木造枠組壁構法の柱材)などに取けられるため、外装材のジョイント部分が柱ピッチ等の建物のモジュールに影響されることになり、外装材もそれに合わせた寸法体系が求められるものであった。
【0009】
また、縦方向に長い外装材を留め付ける形態においては、上下に間隔を空けて水平方向に通気胴縁(横胴縁)を配置することが一般的で、この方法によれば、通気胴縁が横方向に長く配置されるため、外装材を止め付けることが可能な箇所が、横方向に広く存在するため、上記のモジュールに関する問題は生じ難いことになる。
【0010】
しかし、この形態では、上下方向への空気の通り道を確保することが難しく、そのために通気効率は低いものとなってしまい、また、横方向の通気胴縁を一部分断するあるいは胴縁間に隙間を設ける等が必要で、施工上の配慮が面倒で、また、胴縁取付時に、隙間を空ける分、留めつけスペースがなくなり、木割れを生じる等の問題もある。
【0011】
他方、耐力壁としての耐震性能については、近年のライフスタイルの変化、一家庭における人数の減少により、住宅の設計においては、「間仕切り壁を減らして、大きい空間を確保したい」あるいは「将来、間仕切り撤去や変更を可能にしたい」というニーズが高まっている。しかし、間仕切り壁の数の減少は耐震性の低下が懸念されることから、この懸念を解消するために、外周部分を構成する壁の耐震性(例えば、壁倍率)を高く確保したいというニーズが高まっている。
【0012】
そこで、本発明は、以上の問題点に鑑み、面材が外装の内側に配置される耐力壁構造において、耐力壁としての耐力性能を向上させながら、通気胴縁を不要とし、施工手間の削減やシーリング等の納まり不具合の改善を図るとともに、いわゆるモジュールレスを実現可能とする新規な耐力壁構造について提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0014】
即ち、請求項1に記載されるように、外装面材とその室内側に耐震用面材を用いた耐力壁構造であって、前記耐震用面材には、複数の上下方向のスリット部と、複数の上下方向の凸条部が配置されており、前記スリット部において、前記耐震用面材と前記外装面材の間に通気部が形設され、前記凸条部において、前記耐震用面材に対し前記外装面材が留め付けられる、耐震用面材を用いた耐力壁構造とするものである。
【0015】
また、請求項2に記載されるように、前記耐震用面材の室外面には、予め透湿防水シートが貼り付けられており、前記耐震用面材が、透湿防水シート一体型面材として構成されている、こととするものである。
【0016】
また、請求項3に記載されるように、前記スリット部の水平断面の形状は、底面と、底面の端部から互いに離れるように斜め方向に伸びる二つの傾斜面と、を有することで、略逆台形状に構成される、こととするものである。
【0017】
また、請求項4に記載されるように、前記耐震用面材と外装面材の間に、留め金具、若しくは、スペーサーの厚みによって、幅が約2mm〜5mmの隙間空間が形成される、こととするものである。
【0018】
また、請求項5に記載されるように、外装面材の室内側に配置される耐震用面材であって、複数の上下方向のスリット部と、複数の上下方向の凸条部が配置されており、前記スリット部において、耐震用面材と外装面材の間に通気部が形設され、前記凸条部において、前記耐震用面材に対し前記外装面材が留め付けられ、耐震用面材の室外面には、予め透湿防水シートが貼り付けられている、こととするものである。
【0019】
また、請求項6に記載されるように、前記スリット部の水平断面の形状は、底面と、底面の端部から互いに離れるように斜め方向に伸びる二つの傾斜面と、を有することで、略逆台形状に構成される、こととするものである。
【0020】
また、請求項7に記載されるように、柱等の外側に複数の上下方向のスリット部と、複数の上下方向の凸条部が配置された耐震用面材を張設する工程と、前記耐震用面材の凸条部に対し外装面材を留め付ける工程と、を含む、耐力壁構造の施工方法とするものである。
【0021】
また、請求項8に記載されるように、前記スリット部の水平断面の形状は、底面と、底面の端部から互いに離れるように斜め方向に伸びる二つの傾斜面と、を有することで、略逆台形状に構成される、こととするものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0023】
即ち、請求項1に記載の発明であれば、耐震用面材で耐震性を確保しつつ、従来の通気胴縁を使用せずに、外装面材と透湿防水シートの間に通気層(通気部)を形設することができ、通気胴縁を施工する手間(施工手間)の削減を図ることが可能となり、さらには、通気胴縁の材料費も不要となる。また、納まり上サッシ部や入り隅部などの確実な施工も実現しながら、外装面材に関連してモジュール(横幅)の概念を無くすことができ(検討の必要が無くなり)、いわゆる、モジュールレスを実現することが可能となる。
【0024】
また、請求項2に記載の発明であれば、施工現場における透湿防水シートの施工手間を削減でき、また、現場での施工によるばらつきの問題が生じることがない。また、これにより、隙間が発生し難く、確実な防水が可能となる。
【0025】
また、請求項3に記載の発明であれば、底面と傾斜面の境界部において、透湿防水シートが耐震用面材の表面に密着させ易く、透湿防水シートの折れ曲がりを防止できることから、確実なシート張り施工が行うことができ、ひいては、透湿防水シートと外装面材の間に形設される通気部を確保することが可能となる。仮に、境界部が直角に構成される場合には、その直角の角の部分で透湿防水シートが破れる、透湿防水シートを密着させることが難しく隙間が生じやすい、などの懸念が生じることになる。
【0026】
また、請求項4に記載の発明であれば、隙間空間を通じて下方へ排水することが可能となり、万が一、透湿防水シートに破れた部分があった場合においても、外装面材の裏に回った雨水を確実に排水できることになるとともに、通気層が広がって、確実な通気も確保できるようになる。
【0027】
また、請求項5に記載の発明であれば、耐震用面材で耐震性を確保しつつ、外装面材と透湿防水シートの間に通気層(通気部)を形設することができ、通気胴縁を施工する手間(施工手間)の削減を図ることが可能となり、さらには、通気胴縁の材料費も不要となる。また、納まり上サッシ部や入り隅部などの確実な施工も実現しながら、外装面材に関連してモジュール(横幅)の概念を無くすことができ(検討の必要が無くなり)、いわゆる、モジュールレスを実現することが可能となる。
【0028】
また、請求項6に記載の発明であれば、施工現場における透湿防水シートの施工手間を削減でき、また、現場での施工によるばらつきの問題が生じることがない。
【0029】
また、請求項7に記載の発明であれば、従来の通気胴縁を使用せずに、外装面材と透湿防水シートの間に通気層(通気部)を形設することができ、通気胴縁を施工する手間(施工手間)の削減を図ることが可能となり、さらには、通気胴縁の材料費も不要となる。また、外装面材に関連してモジュール(横幅)の概念を無くすことができ(検討の必要が無くなり)、いわゆる、モジュールレスを実現することが可能となる。
【0030】
また、請求項8に記載の発明であれば、施工現場における透湿防水シートの施工手間を削減でき、また、現場での施工によるばらつきの問題が生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の耐力壁構造の一実施形態を示した斜視図。
【図2】本発明の耐力壁構造の一実施形態の水平断面図。
【図3】(a)は耐震用面材とそれに貼り付ける透湿防水シートについて示す図。(b)は透湿防水シートを貼り付けた耐震用面材について示す図、(c)は透湿防水シートを耐震用面材の四辺からはみ出させる例について示す図、(d)は透湿防水シートを耐震用面材の二辺からはみ出させる例について示す図。
【図4】サッシの取り付け部における従来例と実施形態の比較について示す図。
【図5】入り隅部における従来例と実施形態の比較について示す図。
【図6】実施例及び比較例の仕様の概要について示す図。
【図7】厚物構造用合板を用いた従来の耐力壁構造を示した水平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1に示す本発明の実施形態では、柱1、土台2、梁3の各木材の外側に耐震用面材4が張設され、この耐震用面材4に透湿防水シート5を挟んで留め金具6・6が固定され、この留め金具6・6により外装面材7・7が留め付け固定されることとしている。なお、留め金具を使用せず、外装面材を直接釘等で留め付ける方法であってもよい。
【0033】
また、本実施形態で説明される建築構法は、木造軸組構造に限られず、木造枠組壁構法や木質パネル構造等のように外装面材で耐力を確保できる構造も含むものであって、いずれのものについても本発明は適用できるものである。また、図1は土台2を含む一階部分についてのものであるが、二階、三階などの上層階についても適用できるものであり、また、柱については、構造種別に応じてスタッドや受材等が、梁、土台については、図6のように受材で面材をつぐ等も適用され得るものである。
【0034】
また、図1に示すように、耐震用面材4の室外側面には、上下方向のスリット部41・41(縦溝部)が複数配設されている。このスリット部41・41は、一定の間隔、若しくは、所望の間隔で、耐震用面材4の幅方向に複数列配置されており、各スリット部41・41の間に、上下方向の凸条部42・42が形成されるようになっている。スリット間隔は、モジュールレスの観点からは、柱と間柱の間隔(ピッチ)よりも細かい間隔(ピッチ)で設定されることが望ましい。
【0035】
なお、耐震用面材4としては、規建築基準法施行令第四十六条および、建設省告示第1100号、国土交通省告示第1171号等の掲げる耐力壁面材が使用され得るもので、特に日本農林規格に準ずる構造用合板が主な面材となり得るほか、構造用合板と同等のせん断、曲げ剛性を有する面材が使用され得る。厚さについては、要求される耐力性能、通気性能によって12mm〜35mmの面材が使用され得るほか、サッシとの納まりから、耐力面材と留め金具と外装面材の各厚さの総和が、サッシの躯体外側への出幅を超えないよう選定されることが望ましい。
【0036】
また、外装面材の留め付けに関連し、耐力を発揮させることができ、かつ、釘、ビス等で外装面材を躯体、あるいは、躯体に取付た受材等に直接留め付ける方法として、釘については面材厚の2.5倍以上、ビスについて2倍以上のものが使用され得る。代表的なものとして、釘についてはJIS規格のもので、N50、N65、N75、N90、CN50、CN65,CN75,CN90があり、ビスについては規格はないが、外径が3.8m以上で、長さが25mm以上のものが使用され得る。また、外装面材の留め付けピッチは、求める壁倍率によって設定されえるものであり、壁倍率が高い場合には、より細かく留め付けることになるが、代表的には100mm〜200mmの範囲での実施が考えられる。
【0037】
また、図1に示すように、耐震用面材4の室外側面には、透湿防水シート5が張設されている。この透湿防水シート5は、耐震用面材4の凸条部42・42とスリット部41・41によって形設される凹凸面に沿うように張設されることにより、透湿防水シート5においても、スリット部51・51、凸条部52・52が形設されるようになっている。シートに関しては、防水効果がシートと同等以上の防水塗料等があればそれを塗布することで代用し、省略することも可能である。
【0038】
また、図1に示すように、透湿防水シート5の各凸条部52・52の室外側面には、留め金具6・6が固定され得るようになっており、この留め金具6・6により外装面材7・7を留め付けることが可能となっている。ここで、凸条部52・52は複数列存在するため、留め金具6・6の固定位置の自由度が高いものとなっている。つまり、留め金具6・6の固定位置を、複数有る凸条部52・52から自由に選定できるようになっている。
【0039】
そして、図1に示す構成においては、耐震用面材4に対して外装面材7・7が直接的に留め付けられる構成となっている。ここで、図4に示すように、通気胴縁83を使用する従来の例では、厚物構造用合板81の室内面81aから外装材82の室内面82aまでの厚み寸法Wは、通気胴縁83の厚みが影響するものであった。これに対し、通気胴縁83を使用しないため、耐震用面材4の室内面4aから外装面材7の室内面7aまでの厚み寸法W1を小さく設計し易くなる。これによれば、従来と比較して、より小さい厚み寸法W1の設計が可能となる。つまりは、躯体外側から外装面材7の室内面7aまでの総厚を薄くすることが可能となり、サッシSの躯体外側から出幅(サッシのつば)よりも外にはみ出さない設計が可能となり、確実なシーリング施工が可能となる。
【0040】
また、図5に示すように、入隅部90の構造において、通気胴縁83A・83Bを使用する従来の例では、厚物構造用合板81の室内面81aから外装材82の室内面82aまでの厚み寸法Wに応じて、通気胴縁83Bを留め付ける補強部材91Bの幅91Wを設計する必要があるため、厚み寸法Wが大きいと幅91Wも大きくなって、補強部材91Bも断面寸法の大きいものを採用する必要がある。また、その留め付けに大きなビス等(図5のB91)が必要で、作業性が悪く、確実な施工が難しくなる。さらには、材料コスト、施工コストが高くなってしまうことになる。
【0041】
これに対し、通気胴縁を使用しない本実施形態の構成であれば、厚み寸法W1が小さく設計し易く、これにより、補強部材92Bの幅92Wも小さく設計することが可能となるから、補強部材92について断面寸法の小さいものを採用することが可能となって、その留め付けも小さいビス等(図5のB92)で留め付けることが可能となる。これにより、作業性が良好となり、確実な施工が容易となる。さらには、材料コスト、施工コストの低下を図ることが可能となる。
【0042】
また、図2に示すように、透湿防水シート5の室外側に形成される各スリット部51・51と、外装面材7・7の室内面7aの間には、上下方向に連続する通気部8・8が形設され、この通気部8・8の存在により、外装面材7・7と透湿防水シート5の間に通気層を形成することができる。
【0043】
このように、図1・図2に示す本実施形態においては、従来の通気胴縁を使用せずに、外装面材7・7と透湿防水シート5の間に通気層(通気部8・8)を形設することができることになる。そして、通気胴縁を使用しないことから、通気胴縁を施工する手間(施工手間)の削減を図ることが可能となり、さらには、通気胴縁の材料費も不要となる。
【0044】
また、図2に示すように、外装面材7・7を留め付けるための留め金具6・6は、透湿防水シート5の凸条部52・52の表面に固定されるものであるが、この凸条部52・52は、外装面材7・7の幅方向に複数列形設されるため、留め金具6・6の固定位置は、この複数箇所にある凸条部52・52の中から任意に選択することが可能となる。つまり、本実施形態では、従来の通気胴縁に相当する凸条部52・52が細かく配置されるため、凸条部52・52のピッチでのジョイントレイアウト(外装面材7の横方向の接続)が可能となる。また、縦方向に長い外装面材7を留め付ける形態においても、耐震用面材4の向きを変えたり、凸条部52・52及びスリット部51・51を上下方向から水平方向する等の変更なしで対応することが可能となる。つまり、本実施形態では、横方向に長い外装面材7の施工、縦方向に長い外装面材7の施工のいずれの形態においても適用可能であり、外装面材7の自由なレイアウトが可能であるとともに、上下方向に連続的に形設されるスリット部51・51(通気部8・8)によって、高い通気効率を確保することが可能となる。
【0045】
以上に説明したことからも判るように、例えば、図2に示される凸条部52aに固定される留め金具6を、凸条部52bに固定することも可能となるのである。そして、このように留め金具6・6の固定位置を自由に選定できるため、柱1のモジュールM1などを意識することなく、いずれのモジュール(横幅)の外装面材7であっても使用することが可能となる。換言すれば、外装面材7に関連してモジュール(横幅)の概念を無くすことができ(検討の必要が無くなり)、いわゆる、モジュールレスを実現することが可能となる。
【0046】
このようにモジュールレスが実現されることにより、外装材メーカー等にとっては、各モジュールに対応させる製品設計や施工手順の要求がなくなるため、モジュール対応に関連する管理負担(製造管理・施工管理など)を低減することが可能となる。
【0047】
また、図2に示すように、耐震用面材4に形設されるスリット部41・41の水平断面の形状は、底面41aと、底面41aの端部から互いに離れるように斜め方向に伸びる二つの傾斜面41b・41bと、を有することで、略逆台形状に構成されることとしている。図2の例では、各傾斜面41b・41bと底面41aの境界部41c・41cに略120度の角度Kが形成されることとしている。
【0048】
このようなスリット部41・41とすることにより、境界部41c・41cにおいて、透湿防水シート5を耐震用面材4の表面に密着させ易くすることができる。つまり、仮に、上記角度Kが90度以下である場合には、境界部41c・41cの開放角度が狭いため、工具を用いたとしても耐震用面材4に透湿防水シート5を密着させるために細心の注意が必要となり、ばらつきが出易いことも懸念されるが、上記角度Kを90度よりも広くすることによれば、境界部41c・41cの開放角度を広く確保できるため、耐震用面材4に対して透湿防水シート5を容易に密着させることが可能となる。角度Kについては、シート施工上は120度以上、望ましくは135度以上がよいが、工場等で治具を用いて取り付ける場合はその限りではない。
【0049】
そして、境界部41c・41cにおいて透湿防水シート5を耐震用面材4に確実に密着させることにより、透湿防水シート5が耐震用面材4から剥がれることを防止することができ、透湿防水シート5と外装面材7・7の間に形設される通気部8・8を確保することが可能となる。
【0050】
また、図3(a)に示すように、透湿防水シート5は施工現場において耐震用面材4に貼り付けることができる。この貼り付けについては、接着剤のほか、タッカーなどの打ち込み金属を用いることができ、この両方を併用してもよい。
【0051】
さらに、図3(b)に示すように、施工現場での施工手間を削減するため、あらかじめ工場などにおいて、透湿防水シート5を耐震用面材4に貼り付けることとし、透湿防水シート一体型面材4Aとして施工現場に搬入することによれば、施工現場における透湿防水シート5の施工手間を削減することができる。また、この形態によれば、施工現場における透湿防水シート5の貼り付け作業によるものと比較して、貼り付けられた透湿防水シート5の状態のばらつきを抑えることができ、均一な品質のよい仕上がりを期待することができる。
【0052】
とくに、施工現場での透湿防水シート5の張り付け作業は、耐震用面材4に沿わせるようにして連続して行うことになるが、継ぎ目の箇所において隙間ができやすいということもあり、この箇所において、漏水や、破れの発生が懸念されるため、このような問題の発生確率を減らす上でも、工場などでの事前の貼り付け作業が好ましいこととなる。
【0053】
なお、耐震用面材4の継ぎ手部分の防水施工をより確実に、効率的に行うためには、図3(b)に示す透湿防水シート一体型面材4Aとする場合において、図3(c)に示すごとく、透湿防水シート5を、耐震用面材4の左右上下の4辺の端から90mm以上重ねしろとしてはみ出させることや、図3(d)に示すごとく、透湿防水シート5を、耐震用面材4の上及び右の二辺の端から90mm以上重ねしろとしてはみ出させることなどにより、耐震用面材4の少なくとも一辺の端から透湿防水シート5をはみ出させておくことが好ましい。
【0054】
また、詳しくは後述するが、耐震用面材4を厚物化することで、図1及び図2に示す実施形態により風圧に対する面外剛性やが外装保持力を確保すれば、間柱を不要とすることも可能となる。これにより、いわゆる「間柱レス」の外壁構造を実現することも可能となる。なお、間柱は、従来、外壁の胴縁の支持、内装仕上げ材の支持や、風等をうけて外壁が飛ばないようにするためのものであるが、この間柱を省略するとともに、内壁を省略することによれば、従来、全部または、大部分が内壁に隠されることとなっていた柱材等を露出させることが可能となる。これにより、綺麗な柱材等を露出させて表現したデザイン性に優れた空間設計が実現可能となり、また、柱材を露出させることによる、柱材の耐久性の向上や柱分空間の拡大を図ることが可能となる。
【0055】
また、図1乃至図3に示される実施形態において、耐震用面材4の寸法は、例えば、縦幅X1(図3(b)):910mm〜4000mm、横幅X2(図3(b)):303mm〜2000mmとすることが考えられる。また、スリット部の形態については、耐力性能をアップさせるためには、躯体接地部分と釘等留めつけ部分は凸の部分になるように、面材幅と要求される耐力性能からくる釘等のピッチで決めるが望ましく、スリット幅は釘ピッチの1/4から1/2程度が考えられる。また、スリット部41の深さDa(図2参照)は、底部分でも7.5mmの厚みが残る深さが望ましく、要求される耐力性能にもよるが、耐震用面材4の厚みの1/4から1/2とすることが考えられる。また、スリット間隔は、モジュールレスの観点からは、柱と間柱の間隔(ピッチ)よりも細かい間隔(ピッチ)で設定されることが望ましい。
【0056】
また、図1乃至図3に示される実施形態において、耐震用面材4のスリット部41、及び、凸条部42は、それぞれ複数本が等間隔で配列されることが好ましく、例えば、横幅910mmの耐震用面材4であれば、高壁倍率仕様で釘ピッチを90mmとすると、スリット部41が8本、凸条部42が7本、交互に配置される構成が考えられる。また、耐震用面材4の左右端部には、他の凸条部42・42よりも幅の広い固定用縦面部43・43を設けることとし、この固定用縦面部43・43において柱1・1への固定がなされることが好ましい。
【0057】
なお、凸条部42の厚みは、スリット部41の厚みよりも厚いため、凸条部42に対し留め金具6を固定するくぎが打ち込まれる形態とすることで、くぎの貫通を抑制することができ、耐力性能の低下を防止することが可能となる。また、柱等に接合する部分に位置する固定用縦面部43においては、他の凸条部42・42よりも幅を広く確保することで、柱等の躯体との正確で強固なくぎの打ち付け、及び、幅方向における複数箇所のくぎの打ち付け(柱やスタッド(木造枠組壁構法の柱材)などへの固定)も可能で耐力アップとなる。
【0058】
また、図5に示すごとく、外装面材7を取り付けるため留め金具6の室内外方向の厚みは、薄いものの方がよいが、確実な固定を要する場合であって、ビス6aを用いる場合はビス頭の大きさ(厚み)を考慮すると、5mm程度の厚みに設定することが考えられ、釘止めの場合には、2mm程度以上の厚みに設定されることが考えれる。なお、留め金具6の厚みによって、耐震用面材4と外装面材7の間に、幅Nの隙間空間Qが形成されることになる。
【0059】
また、図5に示すように、本実施形態のように、留め金具6(若しくは、スペーサー)の厚みによって、耐震用面材4と外装面材7の間に、幅Nの隙間空間Qが形成されることにより、この隙間空間Qを通じて下方へ排水することが可能となる。これによれば、万が一、透湿防水シート5に破れた部分があった場合においても、外装面材7の裏に回った雨水を確実に排水できることになるとともに、通気層8(図2参照)が広がって、確実な通気も確保できるようになる。
【0060】
なお、隙間空間Qの幅Nについては、あまり大きくなると、後述するサッシとの取りあいの問題が生じるため、耐震用面材4や外装面材7の厚さにもよるが、約2mm〜5mmを確保できることが望ましい。また、留め金具6を用いて幅Nを確保するほか、別のスペーサーを耐震用面材4と外装面材7の間に挟装することで、留め金具6を用いた場合と同等の幅Nを確保することとしてもよい。また、留め金具6については、接着剤、くぎ、ビス等で留め付けることが可能であり、強固に留めつけたい場合はビスが用いられる。
【0061】
また、図4に示すごとく、耐震用面材4と留め金具6と外装面材7の総厚WSは、サッシSの躯体外側への出幅DSよりも小さい値にすることが、確実なシーリング施工のために望ましく、耐震用面材4の厚みは、使用する外装面材7の厚みを考慮して寸法を決めることが望ましい。
なお、代表的なサッシの出幅は45〜55mmであって、多くは50mm前後であることから、外装面材7を15mm、留め金具6を5mmとすると、耐震用面材4は30mm程度までが可能となり、かなり高い耐力性能が期待できる仕様が実現可能となる。一方で、一般的な胴縁工法(従来の通気胴縁を用いた形態)では、外装面材82を15mm、留め金具86を5mm、通気胴縁83を18mmとすると、厚物構造用合板81は、大きくても12mm程度までとなってしまい、高い耐力性能を発揮することが難しくなってしまうことになる。
【0062】
以上が本発明の実施形態である。
即ち、図1乃至図3に示されるように、外装面材7とその室内側に耐震用面材4を用いた耐力壁構造であって、前記耐震用面材4には、複数の上下方向のスリット部41と、複数の上下方向の凸条部42が配置されており、前記スリット部41において、前記耐震用面材4と前記外装面材7の間に通気部8が形設され、前記凸条部42において、前記耐震用面材4に対し前記外装面材7が留め付けられる、耐震用面材4を用いた耐力壁構造とするものである。
【0063】
この形態であれば、従来の通気胴縁を使用せずに、外装面材7・7と透湿防水シート5の間に通気層(通気部8・8)を形設することができ、通気胴縁を施工する手間(施工手間)の削減を図ることが可能となり、さらには、通気胴縁の材料費も不要となる。また、外装面材7に関連してモジュール(横幅)の概念を無くすことができ(検討の必要が無くなり)、いわゆる、モジュールレスを実現することが可能となる。
【0064】
さらに好ましい形態として、図1乃至図3に示されるように、耐震用面材4の室外面には、予め透湿防水シート5が貼り付けられており、耐震用面材4が、透湿防水シート一体型面材4Aとして構成されている、こととするものである。
【0065】
この形態であれば、施工現場における透湿防水シート5の施工手間を削減でき、また、現場での施工によるばらつきの問題が生じることがない。
【0066】
さらに好ましい形態として、図2に示されるように、前記スリット部41の水平断面の形状は、底面41aと、底面41aの端部から互いに離れるように斜め方向に伸びる二つの傾斜面41b・41bと、を有することで、略逆台形状に構成される、こととするものである。
【0067】
この形態であれば、底面41aと傾斜面41b・41bの境界部41c・41cにおいて、透湿防水シート5を耐震用面材4の表面に密着させ易くすることができ、ひいては、透湿防水シート5が耐震用面材4から剥がれることを防止することができ、透湿防水シート5と外装面材7・7の間に形設される通気部8・8を確保することが可能となる。
【0068】
また、耐震用面材として、図1乃至図3に示すように、外装面材7・7の室内側に配置される耐震用面材4であって、複数の上下方向のスリット部41と、複数の上下方向の凸条部42が配置されており、前記スリット部41において、耐震用面材4と外装面材7の間に通気部8が形設され、前記凸条部42において、前記耐震用面材4に対し前記外装面材7が留め付けられ、耐震用面材4の室外面には、予め透湿防水シート5が貼り付けられている、こととするものである。
【0069】
この形態であれば、外装面材7・7と透湿防水シート5の間に通気層(通気部8・8)を形設することができ、通気胴縁を施工する手間(施工手間)の削減を図ることが可能となり、さらには、通気胴縁の材料費も不要となる。また、外装面材7に関連してモジュール(横幅)の概念を無くすことができ(検討の必要が無くなり)、いわゆる、モジュールレスを実現することが可能となる。
【0070】
また、耐力壁構造の施工方法として、図1乃至図3に示すように、柱1等の外側に複数の上下方向のスリット部41と、複数の上下方向の凸条部42が配置された耐震用面材4を張設する工程と、前記耐震用面材4の凸条部42に対し外装面材7・7を留め付ける工程と、を含む、耐力壁構造の施工方法とするものである。
【0071】
この形態であれば、従来の通気胴縁を使用せずに、外装面材7・7と透湿防水シート5の間に通気層(通気部8・8)を形設することができ、通気胴縁を施工する手間(施工手間)の削減を図ることが可能となり、さらには、通気胴縁の材料費も不要となる。また、外装面材7に関連してモジュール(横幅)の概念を無くすことができ(検討の必要が無くなり)、いわゆる、モジュールレスを実現することが可能となる。
【実施例】
【0072】
以下実施例においてさらに詳しく説明する。ただし本発明は実施例に限定されるものではない。本実施例は、財団法人建材試験センターが発行する「木造耐力壁及びその倍率の試験・評価業務方法書」に記載される試験方法に準じて行ったものである。主要な条件は次の通りである。
【0073】
<仕様>
試験は以下の実施例1・2、比較例1・2の4つの仕様について行った。以下に主要な仕様について説明する。図6に仕様の概要を示した。
<各例の共通仕様(軸組)>
・上梁U1:断面105mm×1820mm、長さ1820mm・下梁U2:断面105mm×105mm、長さ1820mm
・上梁U1と下梁U2の間隔H1:2730mm
・下梁U2と受材U5の間隔H2 :1820mm
・柱U3:断面105mm×105mm、長さ2588mm
・受材U5:断面45mm×60mm、長さ805mm
・柱U3・U3の間隔w1:910mm
・耐震用面材Y1:幅910mm、高さ1820mm
・耐震用面材Y2:幅910mm、高さ908mm
・留めつけ釘仕様:CN75の釘、左右100mmピッチ、上下90mmピッチ、端空き15mm
【実施例1】
・耐震用面材Y1・Y2(詳細):凸条部厚みd1=18mm、スリット部深さd2=7mm、スリット部底面幅w2=40mm、スリット部表面幅w3=46mm、スリット部ピッチp=91mm、端部幅w4=136.5mm
【実施例2】
・耐震用面材Y1・Y2(詳細):凸条部厚みd1=18mm、スリット部深さd2=5mm、スリット部底面幅w2=30mm、スリット部表面幅w3=36mm、スリット部ピッチp=91mm、端部幅w4=136.5mm
【実施例3】
・耐震用面材Y1・Y2(詳細〉:凸条部厚みd1=24mm、スリット部深さd2=10mm、スリット部底面幅w2=40mm、スリット部表面幅w3=46mm、スリット部ピッチp=91mm、端部幅w4=136.5mm
【実施例4】
・耐震用面材Y1・Y2(詳細):凸条部厚みd1=24mm、スリット部深さd2=7mm、スリット部底面幅w2=30mm、スリット部表面幅w3=36mm、スリット部ピッチp=91mm、端部幅w4=136.5mm
表1に各実施例の仕様と実験結果を示す。
【0074】
【表1】

【0075】
<条件>
実験は上記したように、財団法人建材試験センターが発行する「木造耐力壁及びその倍率の試験・評価業務方法書」に記載される試験方法に準じて行った。
【0076】
<評価>
評価は「壁倍率」を得ることにより行った。「壁倍率」は同じく「木造耐力壁及びその倍率の試験・評価業務方法書」に記載されている壁倍率評価に使用する4つの耐力(降伏耐力Py、終局耐力Pu、最大耐力Pmax、特定変形時の耐力をもとに求められる数値)を用いることにより得た。詳しくは、実験で得られた4つの耐力指標の最小値を算出し、これを試験体の幅と1.96で除した値を「壁倍率」とした。
【0077】
建築基準法施行令 第四十六条で、その倍率の最大は5.0で決められており、今回の評価では表1からわかるようにすべて5.0の最大値を超えており、スリット部・凸条部を設けた場合であっても、高い耐力性能の壁倍率を得られることが確認できた。これにより、本発明の実施形態にかかる構成を適用することで、通気胴縁、間柱の省略による施工手間の削減などの効果を奏しながら、耐震性能の確保が可能となることが確認された。
【0078】
以上、現時点においてもっとも実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う改修耐震外壁、改修耐震外壁を備える建物、及び施工方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、木造軸組構造と木造枠組壁構法のいずれにも適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 柱
2 土台
3 梁
4 耐震用面材
4a 室内面
5 透湿防水シート
6 留め金具
7 外装面材
7a 室内面
8 通気部
41 スリット部
41a 底面
41b 傾斜面
41c 境界部
42 凸条部
43 固定用縦面部
51 スリット部
52 凸条部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装面材とその室内側に耐震用面材を用いた耐力壁構造であって、前記耐震用面材には、複数の上下方向のスリット部と、複数の上下方向の凸条部が配置されており、前記スリット部において、前記耐震用面材と前記外装面材の間に通気部が形設され、前記凸条部において、前記耐震用面材に対し前記外装面材が留め付けられる、耐震用面材を用いた耐力壁構造。
【請求項2】
前記耐震用面材の室外面には、予め透湿防水シートが貼り付けられており、前記耐震用面材が、透湿防水シート一体型面材として構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の耐震用面材を用いた耐力壁構造。
【請求項3】
前記スリット部の水平断面の形状は、底面と、底面の端部から互いに離れるように斜め方向に伸びる二つの傾斜面と、を有することで、略逆台形状に構成される、ことを特徴とする請求項1、又は、2に記載の耐震用面材を用いた耐力壁構造。
【請求項4】
前記耐震用面材と外装面材の間に、留め金具、若しくは、スペーサーの厚みによって、幅が約2mm〜5mmの隙間空間が形成される、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の耐震用面材を用いた耐力壁構造。
【請求項5】
外装面材の室内側に配置される耐震用面材であって、複数の上下方向のスリット部と、複数の上下方向の凸条部が配置されており、前記スリット部において、耐震用面材と外装面材の間に通気部が形設され、前記凸条部において、前記耐震用面材に対し前記外装面材が留め付けられ、耐震用面材の室外面には、予め透湿防水シートが貼り付けられている、耐震用面材。
【請求項6】
前記スリット部の水平断面の形状は、底面と、底面の端部から互いに離れるように斜め方向に伸びる二つの傾斜面と、を有することで、略逆台形状に構成される、ことを特徴とする請求項5に記載の耐震用面材。
【請求項7】
柱等の外側に複数の上下方向のスリット部と、複数の上下方向の凸条部が配置された耐震用面材を張設する工程と、前記耐震用面材の凸条部に対し外装面材を留め付ける工程と、を含む、耐力壁構造の施工方法。
【請求項8】
前記スリット部の水平断面の形状は、底面と、底面の端部から互いに離れるように斜め方向に伸びる二つの傾斜面と、を有することで、略逆台形状に構成される、ことを特徴とする請求項7に記載の耐力壁構造の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−174347(P2011−174347A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55071(P2010−55071)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(510068301)
【出願人】(510068194)
【Fターム(参考)】