説明

脂肪酸組成物のハイスループット・スクリーニング

脂肪酸特徴のハイスループット・スクリーニングの方法を提供する。方法は、種子をサンプリング・ステーションに個別に送り;該サンプリング・ステーション中の種子から試料を取り出し;試料を試料トレイ中のコンパートメントに運び;試料トレイ中の試料から抽出した油を変換して、脂肪酸メチルエステルの混合物を形成し;ついで試料からの脂肪酸メチルエステルの混合物を分析して、対応する種子の脂肪酸特性を決定することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、その全体的な開示を出典明示して本明細書の一部とみなす、2005年8月26日に出願された米国仮特許出願番号60/711,755から優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、種子のような生物材料中の脂肪酸組成物の識別特性をハイスループット・スクリーニングおよび同定するためのシステムおよび方法に関する。
脂肪種子は、そのユニークな化学的組成に起因して多くの栄養および産業的用途を有する価値のある種子である。したがって、種子育種者は、脂肪種子の収量および/または生産を最大化するために、種々の脂肪種子を続けて開発することを試みている。そのように、穀物取扱い者および種子育種者は、通常の種子から脂肪種子を区別して、穀物取扱いの状況または種子育種作業において重要な決定をなすことができなければならない。かかる決定は、伝統的に、種子の集団の統計学的サンプリングに基づいている。なぜなら、種子の集団の脂肪酸特徴を決定することは労力および時間がかかるためである。しかしながら、統計学的サンプリングは必然的に、望ましい特性を有しない幾つかの種子が集団中に残ることを許容し、また、望ましい集団から幾つかの種子を不注意で排除することもある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、脂肪種子の同一性試験に使用するハイスループット・スクリーニングシステムおよび方法に対する要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、種子をスクリーニングしてその脂肪酸特徴を決定するためのシステムおよび方法に関する。当該システムおよび方法は、特にハイスループットおよび自動化に適合し、それは以前に行われていたよりもより多いサンプリングを許容する。さらに、本発明の態様の少なくとも幾つかによって許容されるハイスループット、自動化および非破壊サンプリングは集団中のいずれの種子のスクリーニングおよび試験を許容し、それによって望ましい脂肪酸特性を発現していない種子を選別し得る。さらに、本発明の形態は、集団中の種子の大部分またはすべてを圃場で完了し得るように完全に輸送可能である。したがって、本発明によって提供される典型的には約10分間の全分析時間しか必要でない迅速なアッセイは、揚穀機、脂肪加工植物、食品処方研究所などの脂肪種子の同一性試験に、または膨大な数の小さな試料を分析して直ちに植栽決定をなす種子育種適用において理想的に適している。したがって、本発明のシステムおよび方法は、例えば、望ましい特性を有しない植物を生育させることにおいて時間および資源を浪費しないように、圃場において有効に購入または取り扱う決定をなすことにおいて、または育種プログラムにおいて所定の種子集団を塊にする場合の植栽決定をなすことにおいて、種子の集団を評価する方法を大きくスピードアップする。
【0005】
一般的に、複数の種子の脂肪酸組成を決定するための本発明の方法は、サンプリング・ステーションに種子を順次送り;該種子をサンプリング・ステーションに保持し;サンプリング・ステーションに保持された種子から試料をかき集め;該試料を試料トレイ中の個々のコンパートメントに運び;試料トレイ中の試料からの抽出した油をエステル交換して脂肪酸エステルの混合物を形成し;ついで、試料からの脂肪酸エステルの混合物を分析して対応する種子の脂肪酸特性を決定することを含む。
【0006】
また、本発明は、脂肪種子のハイスループット・スクリーニングのための方法にも指向される。方法は、試料トレイの個々のコンパートメント中の複数の脂肪種子から組織試料を提供し;試料トレイ中の各々の組織試料をトルエンと接触させて脂肪酸メチルエステルを含む混合物を生成し;各試料からの脂肪酸メチルエステルの混合物を分析して、対応する脂肪酸種子の脂肪酸特性を決定し;ついで、望ましい脂肪酸特徴の存在または不存在に基づいて種子を選択することを含む。
【0007】
さらに、本発明は、種子中の脂肪酸組成のハイスループット・スクリーニングのためのシステムも提供する。システムは、個々の種子を保持するためのサンプリング・ステーション;サンプリング・ステーション中の種子から材料を取り出すためのサンプリング機構;個々の種子をサンプリング・ステーションに送るための種子フィーダー;試料をサンプリング・ステーションから固定場所に輸送するための試料輸送;個々の種子からの個々の試料を保持するための複数のコンパートメントを有する少なくとも1の試料トレイを支持するためのテーブル;および各々試料について脂肪酸エステルの混合物を分析して対応する種子の脂肪酸特性を決定するための手段を含み、ここに該試料トレイはさらに試料中の油を抽出し、および脂肪酸エステルの混合物に変換するのに好適な一定容量の溶媒を受けるのに適合されることを特徴とする。
【0008】
本発明は、さらに、望ましい脂肪酸特徴を有する一定量の種子を大きくする方法を提供する。方法は、(a)種子の発芽に影響することなく集団中の各々の種子から試料を取り出し;(b)各試料と溶媒とを接触させて脂肪酸メチルエステルを含む混合物を形成し;(c)各々の試料からの脂肪酸メチルエステルの混合物を分析して、対応する種子の脂肪酸特性を決定し;(d)少なくとも1の望ましい脂肪酸特徴を有する種子を選択し;(e)選択した種子から植物を栽培し;(f)栽培植物から種子を回収し;ついで、1またはそれを超える世代について工程(a)ないし(f)を繰り返すことを含む。
【0009】
これらおよび他の特徴および利点は一部分明らかであり、一部は以後指摘する。
【0010】
図面の簡単な説明
図1は、本発明の原理に従って使用するための自動化種子サンプラーシステムの1の形態の斜視図である。
図2は、種子サンプラーシステムの種子サンプラーアセンブリーの拡大斜視図である。
図3は、種子サンプラーアセンブリーのホッパーおよび種子送給機構の拡大斜視図である。
図4は、種子から試料をかき集めるためのブローチの斜視図である。
図5は、種子送給機構からピストンアクチュエータのブローチを運転するためのスライドの斜視図である。
図6は、ホッパーの送給機構中のピストンの斜視図である。
図7は、複数の種子トレイおよびその上に載置された試料トレイを有するステージの斜視図である。
図8は、二次元並進機構の斜視図である。
図9は、種子コンベアの入口の斜視図である。
図10は、種子コンベアの出口の斜視図である。
図11は、試料コンベアの出口の斜視図である。
図12は、種子および試料コンベアで用いるエア増倍管の斜視図である。
図13は、本発明の原理と一致する使用のためのハイスループット種子サンプラーシステムの上面図である。
図14は、ハイスループット種子サンプラーの側面図である。
図15は、種子サンプラーシステムの前方斜視図である。
図16は、種子サンプラーシステムの後方斜視図である。
図17は、ハイスループット種子サンプラー装置のサンプリング・ステーションの斜視図である。
図18Aは、ブローチが収縮した本発明の原理と一致する種子サンプリング・ステーションの一部分の部分斜視図である。
図18Bは、ブローチが伸長した本発明の原理と一致する種子サンプリング・ステーションの一部分の部分斜視図である。
図19Aは、ブローチがその収縮したポジションに位置する種子サンプリング・ステーションの側面図である。
図19Bは、ブローチがその伸長したポジションに位置する種子サンプリング・ステーションの側面図である。
図20は、種子サンプリング・ステーションの縦方向断面図である。
図21は、種子サンプリング・ステーションの前面図である。
図22は、種子サンプリング・ステーションの横方向断面図である。
図23Aは、種子選択ホイールの上面図である。
図23Bは、種子選択ホイールの分解図である。
図24は、送給機構の前面図である。
図25は、送給機構の側面図である。
図26Aは、送給機構の斜視図である。
図26Bは、送給機構の側面図である。
図26Cは、線26C−26Cの面に沿ってとった、送給機構の縦方向断面図である。
図26Dは、送給機構の底面図である。
図27Aは、サンプリング機構の垂直縦方向の断面図である。
図27Bは、図27Aに示したサンプリング機構の拡大した部分垂直断面図である。
図28Aは、サンプリング機構の垂直横方向断面図である。
図28Bは、図28Aに示すサンプリング機構の拡大した部分断面図である。
図29は、実施例1に記載した方法に従って通常のダイズから得た脂肪酸エステルのクロマトグラムである。
図30は、実施例1に記載した方法に従って低リノレン酸ダイズから得た脂肪酸エステルのクロマトグラムである。
対応する参照数字は、図面の幾つかの図を通しての対応する部分を示す。
【0011】
詳細な説明
本発明は、種子のような生物学的材料の集団をスクリーニングしてその脂肪酸特徴を決定する方法を提供する。本発明の態様において、分析方法は、個々の種子の脂肪酸特徴を決定し得るように、バッチまたは種子の塊り集団中に存在する個々の種子を分析することを許容する。
【0012】
種子をスクリーニングするための本発明の形態において、本発明の方法は、一般的に、種子組織試料から油を抽出し、ついで、抽出した油をエステル交換して各々の試料から脂肪酸エステルの混合物を生成することを含む。ついで、脂肪酸エステルの混合物は、脂肪酸エステルを分離および検出することによって分析して、各々の試料の脂肪酸特徴の特性を決定する。ついで、これらの特性を、サンプリングした種子の脂肪酸特徴を決定するために、公知の起源の種子から調製した脂肪酸プロフィールに相関させ得る。好ましい形態において、10mg未満の種子組織、および詳細には約5mg未満の種子組織を種子からサンプリングして、以下にさらに記載するように種子生存能力を維持する。
【0013】
試料からの油の抽出は、種子組織から油を抽出するための当該技術分野において知られているいずれか好適な溶媒を用いて行い得る。好ましくは、選択した溶媒は、油を直接的に抽出するのに、および、脂肪酸エステルの混合物にエステル交換するのに好適なものである。油の直接抽出およびエステル交換に好適な溶媒の例には、限定するものではないが、ヘキサン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、水酸化トリメリルスルホニウム、石油エーテル、塩化メチレンおよびトルエンが含まれる。好ましい形態において、溶媒はトルエンを含む。
【0014】
好ましい形態において、方法は、複数の種子組織試料と溶媒とをマルチウェル試料プレートの個々のウェル中で同時に接触させることを含む。例えば、スループットおよび試料取扱いを増大させるためには、試料は好ましくは、試料を湿らすのに十分な体積の溶媒を受け、抽出およびエステル交換反応を完了するのに適合した96ウェルまたは384ウェルのマイクロタイタープレート中で溶媒と接触させる。
【0015】
ついで、抽出およびエステル交換反応から生成した脂肪酸エステルの混合物を分析して、個々の試料の脂肪酸特徴を決定する。かかる分析は、一般的に、混合物中に存在する脂肪酸エステルを分離および検出するのに好適ないずれかの手段を用いて行い得る。好ましくは、かかる分離および検出は、スループットを維持するように、約5分未満、より好ましくは約3分未満で完了する。詳細な形態において、分析は、水素炎イオン化検出を用いる高速ガスクロマトグラフを用いて行う。かかる分析システムの例は、Supelco Omegawaxカラム(Supelco, Inc., Bellefonte, PAから市販されている)を用いたガスクロマトグラフィーである。さらなる好ましい形態において、分離および検出はダイレクト・ヘッドスペース分析(direct headspace analysis)を用いて行い、さらにスループットを増大する。
【0016】
したがって、種子のハイスループット・スクリーニングの詳細な形態は、試料トレイの個々のコンパートメント中の複数の種子から組織試料を提供し;試料トレイ中の各々の組織試料を溶媒と接触させて脂肪酸エステルを含む混合物を生成し;ついで、各々の試料からの脂肪酸エステルの混合物を分析して対応する種子の脂肪酸特性を決定することを含む。
【0017】
好ましい形態において、対応する脂肪種子の脂肪酸特性は、個々の組織試料を溶媒と接触させる時間から約10分未満で決定する。
【0018】
本発明の方法およびシステムを用いて、広範な種々の脂肪酸特徴についてダイズ、トウモロコシ、キャノーラ、ナタネ、ヒマワリ、ラッカセイ、ベニバナ、ヤシ、およびワタのような脂肪種子をスクリーニングし得る。例えば、1の形態において、ダイズの集団をスクリーニングして、個々の種子のリノレン酸含量、ステアリドン酸(SDA)含量、ステアリン酸含量、オレイン酸含量および飽和脂肪含量を決定し得る。もう1の詳細な形態において、ナタネの集団をスクリーニングして、個々の種子のエルカ酸含量、オレイン酸含量、リノレン酸含量および飽和脂肪含量を決定し得る。いまださらに、もう1の詳細な形態において、ヒマワリの集団をスクリーニングして、集団中の個々の種子のオレイン酸含量、ステアリン酸含量および飽和脂肪含量を決定し得る。
【0019】
詳細な形態において、本発明の方法を用いて、育種プログラム中の種子の脂肪酸特徴を決定する。かかる方法は、種子サンプラーから圃場への個々の同一性を維持しつつ非破壊的直接種子サンプリングを行い得る改善された育種プログラムを許容する。その結果、育種プログラムは、より少ない圃場および労働資源しか要求せずに、望ましい脂肪酸特徴を有する種子の集団をより短時間で効率的に塊にすることができる「ハイスループット」プラットフォームを生じる。かかる利点は、さらに十分に以後記載する。
【0020】
前記したように、本発明のサンプリングシステムおよび方法の詳細な形態は、非破壊になるように種子の発芽生存能力を保護する。発芽生存能力とは、サンプリングした種子の優勢な数(すなわち、すべてのサンプリングした種子の50%よりも多い)がサンプリング後に生存能力を有したままであることを意味する。詳細な形態において、少なくとも約75%のサンプリングした種子または少なくとも約85%のサンプリングした種子が生存能力を有したままである。
【0021】
もう1の形態において、生存可能性はサンプリング後少なくとも約6週間維持して、サンプリングした種子が植栽のために圃場に到着するまで生存可能であることを保証する。詳細な形態において、本発明の方法は、さらに、サンプリングした種子を処理して発芽生存能力を維持することを含む。かかる処理は、一般的に、貯蔵または輸送の間の環境条件から種子を保護するための当該技術分野で知られているいずれかの手段を含み得る。例えば、1の形態において、サンプリングした種子をポリマーおよび/または殺菌剤で処理して、植栽の前の貯蔵または圃場への輸送の間にサンプリングした種子を保護し得る。
【0022】
選択した種子は、育種法および標的に依存して、育種塊にするかまたは分離されたままにし得る。例えば、育種家が脂肪酸特徴についてF集団をスクリーニングしている場合、望ましい脂肪酸特性を有するすべての個体を塊にし、育種苗床に植栽し得る。
【0023】
本発明のスクリーニング方法を用いる利点には、制限されるものではないが、集団または育種系統当たりに必要な労働および圃場資源の減少、圃場単位当たり多数の育種集団を評価する増大した能力、および、植栽する前に望ましい特性について育種集団をスクリーニングする増大した能力が含まれる。集団当たりの圃場資源は、望ましい表現型を促進するのに必要な圃場空間を限定することによって減少する。
【0024】
集団当たりの圃場の列の数を減少することに加えて、本発明のスクリーニング法は、さらに、所定の育種苗床で育種家が評価し得る集団の数をさらに増大し得る。
【0025】
本発明の方法は、さらに、望ましくない脂肪酸組成特徴が穀物取扱い者が購入または加工決定をなすかまたは種子育種家が植栽決定をなす前に同定されることを保証することによる品質保証(QA)および品質制御を提供する。
【0026】
好ましい形態において、本発明の方法は、例えば、出典明示して本明細書の一部とみなす2005年8月26日に出願された米国特許出願公開番号US2006/0042527に記載されているような自動種子サンプラーシステムと一緒に用いる。
【0027】
本発明における使用に好適な自動種子サンプラーシステムの例を図1中の20として一般的に示す。種子サンプラーシステム20は、ホッパーから種子を単離し、それをサンプリング・ステーションに送り、種子から試料をかき集め、試料を試料容器に運び、ついで、種子を対応する種子容器に運ぶように適合される。図1に示すように、種子サンプラーシステムは、支持体22、該支持体上のフレーム24;サンプラーアセンブリー26、二次元並進機構30上に載置されたステージ28、種子サンプラーアセンブリーから種子を輸送するための種子コンベア32、および種子から取り出した試料を種子サンプラーアセンブリーに輸送するための試料コンベア34を含む。
【0028】
図1に示すように、第1の好ましい形態において、支持体22は、前面および裏面において上部および下部の縦通部材44および46、および左側および右側において上部および下部の横通部材48および50によって結合した4の垂直柱42、ならびにその中に載置されたテーブル上面52を有する、車輪の付いたカート40を含む。キャスター54は、各々の柱42の底部に載置して、支持体22を動かすことを促進し得る。支持体22の構造の詳細は本発明にとって重要ではなく、したがって支持体22は本発明の原理から逸脱することなく幾つかの他の構造を有し得る。
【0029】
また、図1に示すように、フレーム24はテーブル上面52に載置された4つの垂直に延在する柱60を含み、これは一般的に水平なプレート62を支持する。サンプラーアセンブリー26は、以後より詳細に記載するように、プレート62上に載置されている。軸64もプレート上に載置され、それから一般的に水平に延在する。軸64の自由端は、種子コンベア32および試料コンベア34の一部分を載置するための各々第1および第2の水平柱66および68を有する。フレーム24の構造の詳細は本発明に重要ではなく、したがってフレームは本発明の原理から逸脱することなく幾つかの他の構成を有することができる。
【0030】
図1および2に示すように、サンプラーアセンブリー26は、フレーム24のプレート62上に載置されている。試料アセンブリーは、集積貯蔵容器またはホッパー70、サンプリング・ステーション72、および単一の種子をホッパー70からサンプリング・ステーションに送達するための送給機構74を含む。
【0031】
図1および3に示すように、ステージ28は、固定した位置および方向で複数の種子トレイ80および試料トレイ82をしっかりと載置するように適合される。種子トレイ80および試料トレイ82の各々は、好ましくは複数のコンパートメントに分けられる。種子トレイ80のコンパートメントの数および配列は、好ましくは試料トレイ82のコンパートメントの数および配列に対応する。これは、種子およびその試料の間の一対一の対応を容易ならしめる。しかしながら、幾つかの形態において、それは、種子トレイの各々のコンパートメントについて試料トレイの複数のコンパートメントを提供することが望ましい場合もあり、例えば、複数の試験を試料に対して実行し得、あるいは異なる試料を同一の種子から採取し得る(例えば、異なる深さからの試料)。
【0032】
好ましい形態において、試料トレイ82は、マルチウェルマイクロタイタープレートを含み得る。例えば、試料トレイ82は、試料トレイ当たりに複数のウェル、好ましくは少なくとも96ウェルおよびより好ましくは384ウェルを有するマイクロタイタープレートを含み得る。さらに、マイクロタイタープレートのウェルは、好ましくは、試料中の油を抽出し、それを脂肪酸エチルエステルの混合物に変換するのに好適な一定体積の溶媒を受けるように適合され、および/または大きさとされる。
【0033】
ステージ28は、この好ましい形態においては基体90上に載置された並進可動台部94を有する第1の線形アクチュエータ92、および第1の線形アクチュエータ92の可動台部94上に載置された可動台部98を有する第2の線形アクチュエータ96を有する基体90を含む。ステージ28は第2の線形アクチュエータ96の可動台部98上に載置され、したがって第1および第2の線形アクチュエータ92および96の作動を通して二次元で正確に運動し得る。
【0034】
種子コンベア32は、サンプリング・ステーション72に近接した入口端102およびフレーム24の柱66上に載置された出口端104を有する管100を含む。管中のエアの流れを管の出口端104に向けて誘導する管100の入口端102に第1のベンチュリ管デバイス106、および、エアの流れを管の入口端102に向けて誘導するための管100の出口端104に第2のベンチュリ管デバイス108が存在する。第1のベンチュリ管デバイス106を作動して、管中にエアの流れをつくり、第1の端に沿って管にサンプリング・ステーションから種子を引き入れる。ついで、第2のベンチュリ管デバイス108を作動して、反対方向のエアの流れをつくり、それによって種子を減速して種子が管の出口端104を出る際の種子への損傷を低減し、トレイ中のコンパートメントに送達する。この好ましい形態において、第2のベンチュリ管108は種子の運動を実際に終めて、それが重力下でトレイ90のそのコンパートメントに落下することを許容する。種々の位置センサーを、種子の存在を検出し、かつ種子コンベア32の適当な作動を確保するために管100に配置し得る。
【0035】
試料コンベア34は、サンプリング・ステーション72に近接する入口端122およびフレーム24の柱68上に載置された出口端124を有する管120を含む。管中のエアの流れを管の出口端124に向けて誘導するための管120の入口端122に第1のベンチュリ管デバイス126が存在する。セパレーター128が出口端に配置されて、エアの流れが試料をトレイ92のコンパートメントの外側に吹き飛ばさないように、運搬するエアの流れから試料材料を分離する。セパレーターは、好ましくはフィルターも含んで、試料の相互汚染を防ぐ。
【0036】
図2に示すように、種子サンプリングアセンブリー26は、柱140上のプレート62上に載置するように適合される。種子サンプリングアセンブリー26は、ホッパー載置プレート142、スライド載置プレート144およびそれらの間の4つのスライド・スタンドオフ支持体146を含む。個々の種子をサンプリング・ステーション72に送給するホッパー70(図3に示す)は、ホッパープレート142上に載置されている。サンプリング・ステーション72は、ネストマウント150上に載置された種子ネスト148を含み、それは一対のスタンドオフ152によってスライド載置プレート144から支持されている。ネスト148は、その底面に開口している凹部を有し、その中にホッパー70が単一の種子を送給する。種子ネスト148の頂部にはスロットが存在し、それを通して凹部の種子の一部がさらされる。ブローチ154(図4)は、ブローチホルダー156に載置され、それは、ブローチ締め付けブロック162で、プログラム可能なスライド160上のスライド移動プレート158上に載置されている。プログラム可能なスライド160(図5)はスライド載置プレート144の下側に載置され、種子ネスト148中のスロットを通してブローチ154を運動させて、種子ネスト中の凹部の種子から試料を取り出す。
【0037】
図4に最良に示すように、末端に向かって高さが増大する複数の歯164としてのブローチ154は、ブローチ154がスロットを進行するにつれてネスト150中の凹部中の種子に増大する深さで切り入れる。生じる徐々の削りくずは種子への損傷を減少し、その生存能力を保護する。また、後により詳細に記載するように、異なる時間に異なる深さで切ることによって同一種子の異なる深さから別の分析のための試料を分離することができる。
【0038】
試料移動管166は、種子ネスト148の凹部から延在し、試料コンベア34への結合するためにその端部にコネクター168を有する。
【0039】
サンプリング・ステーション26は、図3に最良に示すホッパー70も含んでいる。ホッパー70は左および右ホッパー載置プレート170および172、およびシリンダー載置プレート174および上部シリンダーブラケット176を含む。ホッパー70は、前面パネル178、背面パネル180、第1および第2の端部パネル182および184、および底部186も有する。分割機188は、ホッパーを第1および第2のコンパートメント190および192に分割する。第1のコンパートメント190は種子の供給を保持し、それは個々に第2のコンパートメント192に移送される。
【0040】
ピストンアクチュエータ194はピストン196を作動して第1のコンパートメントの外側に種子を持ち上げる。エアジェット・アセンブリー198は、趣旨をピストン196の末端から第2のコンパートメント192に種子を輸送する。第2のコンパートメントは、種子を受け、それを位置付けるウェル202と一緒に、形成された底部200を有する。ピストンアクチュエータ210はピストン214を作動して、第2のコンパートメント192の外側に種子を持ち上げる。エアジェットアセンブリー216を用いて、種子ピックアップ手順の間に種子を攪拌する。
【0041】
図7に示すように、ステージ28は、種子コンベアおよび試料コンベアが種子および試料を各々のトレイの対応するコンパートメントに送達するように、種子トレイ90および試料トレイ92を登録どおりに載置するためのブラケット220を有する。試料トレイ92は、個々のバイアルを保持するように(示すように)適合し得る。勿論、異なる構成のトレイを使用することができ、例えば、複数のコンパートメントを同一種子からの複数の試料に対して提供する場合である。例えば、1の試料を幾つかの試料に分割する場合、または、試料をそれを採取した場所から、例えば深さによって取り出す場合である。
【0042】
図8に示すように、二次元並進機構30は、レール232を有するスライダー230および第1の線形アクチュエータ92に平行して位置するカートリッジ234も含む。第2の線形アクチュエータ96は、第1の線形アクチュエータ92の可動台部94上に載置された可動台部98を有する可動台部94上に載置されている。ステージ28は第2の線形アクチュエータ96の可動台部98上に載置され、したがって第1および第2の線形アクチュエータ92および96の作動を通して二次元で正確に運動し得る。適当な制御下では、並進機構は、種子コンベアおよび試料コンベアで、種子トレイ90および試料トレイ92の個々のコンパートメントを位置合わせすることができる。
【0043】
図9に示すように、種子コンベア32の管100の入口端102では、ブラケット240がエア増倍管242および種子センサー管244を載置している。ブラケット240はセクション246、248、250、252および254を含む。図2に示すように、ブラケット240はホッパー載置プレート142上に載置されている。エア増倍管242(図12に示す)は圧縮空気の源に連結するように適合され、エアをエア増倍管に供給する場合、それはベンチュリ効果を利用して管100を通してのエアの流動を引き起こす。センサー管244は、通過する種子を検知するための種子センサー256を運んでいる。センサー256は、好ましくは種子の通過を光学的に検出するセンサー管244の開口部と整列した光学センサーである。
【0044】
図10に示すように、種子排出アセンブリー260は、種子コンベア32の管100の出口端104に配置されている。排出アセンブリーは、ブラケット262および排出支持体264と一緒に柱66に載置されている。種子センサー管266はブラケット262に載置され、種子の通過を検知するための種子センサー268を運んでいる。センサー268は、好ましくは、種子の通過を光学的に検出するセンサー管266中の開口部と整列した光学センサーである。エア増倍管270(図12に示す)は圧縮空気の源に連結するように適合され、エアをエア増倍管に供給する場合、それはベンチュリ効果を利用して管100を通してのエアの流動を引き起こす。エア増倍管270の下方に位置するのはコネクター管272であり、その下方に位置するのは吐き出した種子排出管274であり、それは種子排出管アクチュエータ278上で運ばれている種子排出管ホルダー276によっても支持されている。
【0045】
試料コンベア34の管120の入口端122は、コネクター168を介して試料排出管166に結合する。図11に示すように、管120の出口端124は、試料アンプコネクター280に結合し、それは代わってエア増倍管282に結合し、それはチップノズルアセンブリー284に結合している。チップノズルアセンブリー284は、種子排出管ホルダー286上に載置され、それは排出アクチュエータ288上で運ばれる。排出アクチュエータは、柱68上に載置されている。フィルター290はチップノズルアセンブリーの出口に載置され、排出される試料が他のコンパートメントを汚染することを防ぐ。
【0046】
作動においては、複数の種子をホッパー70中に配置する。種子送給機構74は個々の種子をサンプリング・ステーション72に運ぶ。サンプリング・ステーションでは、種子の生存性に対する影響を最小限化するように、材料の試料を種子から取り出す。
【0047】
試料は試料コンベア34によってサンプリング・ステーション72から取り出す。ベンチュリ管デバイス126は出口端124に向けて管120中にエアの流動を作り出す。試料材料は管に引き込まれ、管120の出口端124と位置合わせられた試料トレイのコンパートメントに向かう。セパレーター128は、それを運ぶエアの流れから試料を分離し、試料がコンパートメントに落下することを許容する。幾つかの形態において、試料は、試料トレイ中の2またはそれを超えるコンパートメントに分布することができ、その場合、二次元並進機構30を作動して、1またはそれを超えるさらなるコンパートメントを出口124と位置合わせする。種子の異なる部分からの試料、詳細には種子の異なる深さからの試料を試料トレイの別のコンパートメントに送達し得るように、試料トレイの運動とサンプリング・ステーション72の作動を正確に調和させ得る。
【0048】
種子からのサンプリングが完了した後、種子コンベア32を作動してサンプリング・ステーションから種子を取り出す。第1のベンチュリデバイス106を作動して管中にエアの流れを作り出し、試料ステーション72から管100に種子を引き入れる。ついで、第2のベンチュリデバイス108を作動して、反対方向のエアの流動を作り出し、それによって種子を減速して、種子が管100の出口端104を出る際および種子トレイ92のコンパートメントに送達される際の種子に対する損傷を減少する。第2のベンチュリ管108は種子の運動を停止し、重力下でトレイ90上のそのコンパートメントに種子が落下することを許容する。第1および第2のベンチュリ管106および108の作動は合わせることができ、あるいはそれらは管100をモニターする位置センサーによって引き金を引き得る。
【0049】
種子の脂肪酸特徴を決定するためのハイスループットシステムの形態は、一般的に図13―26の500として示される。図1および2に示すように、種子サンプラーシステム500は、サンプリング・ステーション502、サンプル取扱いステーション504、種子取扱いステーション506、および脂肪酸エステルの混合物を分析する手段(示さず)を含む。種子サンプラーシステム500は、システムが簡便に運搬し得るように、従来の出入口を通過し得る1またはそれを超える車輪の付いたカート上に適合することは望ましいが、必須ではない。
【0050】
この好ましい形態において、種子サンプリング・ステーション502はカート508上に載置され、試料取扱いステーションはカート510上に載置され、種子取扱いステーションはカート512上に載置され、分析用の手段はカート上に載置される(示さず)。
【0051】
種子サンプリング・ステーション502は、種子フィーダー514および種子チッパー516を含む。複数の支柱518は、カート508の表面520から垂直に上方に延在する。プラットフォーム522は支柱518の頂部に載置され、種子ホッパー514を支持する。2つのL−ブラケット524は支柱518から水平に延在し、プラットフォーム526を支持する。ステージ528は複数の柱530によってプラットフォーム526上に載置され、種子フィーダー514を支持する。
【0052】
複数の台脚532はプレート522から上方に延在する。プレート534は台脚532上に載置されている。複数の柱536はプレート534から垂れ下がり、棚538を支持する。
【0053】
図13、14、15および16に示すように、種子フィーダー514は、分離ホイール552(図23Aないし23Cも参照されたい)に向けてホッパーに沈積した種子を送給するように適合した成形された表面を有するホッパー550を含む。分離ホイール552は、ホッパー550に近接した垂直面での回転のために載置され、複数の離れた凹部554として、各々真空システム(示さず)と連絡する開口部556をその中に有している。ホイール552は指示モーター560で前進する。個々の種子はホイール552中の凹部554によってつまみ上げられ、開口部556を介して真空システムからの吸引によって凹部分に保持される。ワイパー562は凹部分554からの個々の種子を拭き取り、分配機566中の開口部へのガイド564を通してそれが落下することを許容する。
【0054】
図24−26に示すように、分配機566は、シャフト568を横切って延在する複数の通路570(好ましい形態においては6つ)を有するシャフト568を含む。スリーブ572および574はシャフト568の各々の端部上に載置されて、第1(内側)の位置および第2(外側)の位置の間を並進する。スリーブ572および574は、その中に複数の対の整列した開口部576および578を有する。開口部576は細長く、開口部576および578は、スリーブ572および574が第1(内側)の位置(図24の左側上)に存在する場合にシャフト568中の通路570と整列するような大きさとされ、配置され、スリーブがその第2(外側)の位置に存在する場合に細長い開口部576の部分および第2の開口部578が(図24の右側の)通路と整列するような大きさとされ、配置される。アクチュエータ580はその第1および第2の位置の間にスリーブ572および574を選択的にスライドする。
【0055】
分配機566は線形アクチュエータ586の可動台部584上のブラケット582によって載置され、ガイド564に対して並進し、種子がその中に沈積し得るように、順次、シャフト568中の各々の通路570をガイド564と整列させる。種子センサー(示さず)はガイド564に近接して載置して、種子が各通路570に沈積することを確認することができる。複数のエアノズル590はステージ528上に載置され、分配機566がアクチュエータ586によってその分配位置まで運動した場合に通路570と整列する。管592は各通路570と整列し、各管は種子チッパー516中の複数の種子サンプリング・ステーション600のうちの1つに結合する。スリーブ572および574は並進し、通路570中の種子が管592に落下することを許容する。ノズル590のうちの1つは各通路570と整列し、作動して管592を通しての通路570から各々の試料サンプリング・ステーション600への種子の運動を容易にする。
【0056】
好ましくは、ホイール552が回転すると各凹部554中の開口部556と整列するホッパー550を通る出入口596が存在する。出入口596は真空に結合して、いずれかの埃もしくは種子穀皮のかけらまたは凹部554の開口部556を詰まらせ得、およびホッパー550から個々の種子を選択するホイール552の能力を害し得る種子を抜き出し得る。
【0057】
種子チッパー516は少なくとも1つの、およびこの好ましい形態においては6つのサンプリング・ステーション600を含む。各種子サンプリング・ステーション600はそれに送達された種子から材料の試料を取り出す。この好ましい形態においては、サンプリング・ステーション600は3つのうちの2つに整列または組みに編成されているが、サンプリング・ステーションの数および配置は変化し得る。試料保持ステーション504は種子から取り出した組織試料を受け、各サンプリング・ステーション600から離れて輸送する。同様にして、種子取扱いステーション506は、種子から試料が取り出された後に種子を受け、種子はサンプリング・ステーション600から輸送される。
【0058】
各種子サンプリング・ステーション600は、チャンバー604に開口する、管590に結合した入口カラー602を有する。チャンバー604の底部表面は、アクチュエータ608のロッド606の端部によって形成される。底部の表面は入口カラー602の下方に存在して、全体の種子がチャンバー604に落下し、チャンバー中の部分的な位置でのみ捕捉されないことを保証する。通気口610は入口カラー602から反対に位置して、エアノズル590からのエアが脱出することを許容する。通気口610はメッシュグリル612で被覆して種子がチャンバー604から脱出することを防ぎ、種子がチャンバーに送達される際に種子を保護することができる。
【0059】
このロッド606は種子をチャンバー604の外側に持ち上げ、種子サンプリングプレート616の下側の種子を受容する凹部614に持ち上げる。サンプリングプレート616は、種子を受容する凹部614中の種子がそれを通って押し出るサンプリング開口部618を有する。サンプリング溝620は、凹部614中の種子の一部が溝に押し出るように、サンプリングプレート616の上部表面に形成される。サンプリングプレートは、種子を受容する凹部614とその中に位置合わせされた横方向の開口部622および624も有する。ロッド606がサンプリング・ステーション600に送達された種子をプレート616中の凹部614に持ち上げる場合、フィンガー626および628は開口部622および624を通って横方向に延在し、アクチュエータ630によって作動して種子を束縛および圧縮する。サンプリング工程の間に少なくともある種の型の種子を圧縮することがサンプリング後の種子の生存能力を改善し得ることを発見した。ダイズ種子のような種子については、圧縮圧力が種子生存能力を高め、約2.5ないし約5ポンドの圧縮圧力が生存能力を高めるのに十分であることを見出した。
【0060】
複数の切断エッジ652を有するサンプリングブローチ650は、切断エッジ652がロッド606およびフィンガー626および628によって凹部614に保持された種子から試料を掻き取り得るように、溝620で往復運動する。切断エッジ652は好ましくは平行であり、ブローチの移動の方向に対して90°未満の斜角に方向付けられる。切断エッジ652は、1のエッジがいつでも種子と接触したままであるのに十分な角度とすることが、必須ではないが、望ましい。切断エッジをある角度に向けることは、現在の刃が種子との接触を失う前に次の刃が種子との接触を確立することを許容する。好ましい形態において、切断エッジは約60°の角度で方向付けられるが、この角度は幾分ブローチの幅に依存する。ブローチの幅もサンプリング後の種子生存能力を保存するのに重要となり得、種子の型およびその水分含量に依存して変化する。
【0061】
切断エッジ652はジグザグ配列にされており、以前よりも各々が前進的により深く切断する。試料材料の量および切断の深さは、ブローチ650の前進を制御することによって制御することができる。より小さい試料および切断のより浅い深さについては、ブローチ650のストロークはより短く、より大きな試料および切断のより深い深さについては、ブローチのストロークはより長い。部分的なストロークについては、種子からの組織をエッジ652の間に捕捉し得る。ブローチ650は、前進および収縮させて、すべての試料を放出することを助け得る。例えば、種子が放出された後、ブローチを前進および収縮させて、切断エッジの間に捕捉された種子組織を取り除くことを支援することができる。ブローチ650の移動の完全な範囲を図19Aおよび19Bに示す。
【0062】
サンプリングブローチ650は、好ましくは線形アクチュエータ654によって運転する。好ましい形態において、3つのブローチ650が単一のアクチュエータ654によって運転する。複数のブローチを作動するために単一のアクチュエータを用いることは空間を節約し、より経済的である。
【0063】
サンプリングプレート616中のサンプリング開口部618および溝620に開口する通路662に通じる入口660を有する導管658を含む試料輸送システム656は、サンプリングブローチ650の切断エッジ652の作用によって作製された組織試料を取り出す。導管658は試料を出口663まで輸送し、そこでそれは試料取扱いステーション504中のユニーク試料ホルダーに沈積する。この試料ホルダーは、試料とその対応する種子との間の関係を決定し得るように、例えば、カート510上のx−y指示テーブル670上に載置されたトレイ668中のウェルとし得る。試料輸送システム656はエアジェット672を含み、これは導管658を通るエアの流動を誘導して導管を通して試料を運動させる。
【0064】
第2のサンプリング機構は線形アクチュエータ654上に載置され、ボロー値650と運動する。第2のサンプリング機構は、ブローチ650によって作成された切り口から種子のプラグ試料を採取するための除芯ツール676を有する除芯デバイス674を含む。この試料中のこの組織は、ブローチ650によって掻き取られた組織よりもより深い位置からのものであり、異なる情報を提供する。幾つかの形態において、ブローチ650によって取り出された材料は単純に捨て、除芯デバイス674で採取した試料のみを保持することもできる。幾つかの形態において、両方の試料は別の試験のために保持および別々に保存し得る。いまだ他の形態において、唯一の試料は、ブローチ650によって取り出された試料である。第2のサンプリング機構を用いない形態において、除芯デバイス674および除芯ツール676は、サンプリング開口部618を通って延在して種子を凹部614に押し込めるのを支援する単純押し込めロッドを有するアクチュエータと置き換え得る。
【0065】
フィンガー626および628ならびにロッド606によって種子が放出された後に種子を引き出すための凹部614に近接する入口682を有する種子輸送システム680は、サンプリング作業の後に種子を下げる。種子輸送システム680は、カート512上の種子取扱いステーション506中のユニーク種子ホルダーに種子を輸送する。この種子ホルダーは、試料および対応する種子の間の関係を決定し得るように、例えば、カート612上のx−y指示テーブル688上に載置されたトレイ686中のウェル684とし得る。種子輸送機構680は、導管680を通してエアの流動を誘導して導管を通して試料を運動するエアジェット690を含む。
【0066】
作動において、複数の種子、ダイズ、コーン、トウモロコシ、キャノーラ、ナタネ、ヒマワリ、ラッカセイ、ベニバナ、ヤシ、ワタほかのような脂肪種子をサンプリングシステム500のホッパー550に落とす。これらの種子は重力下でディスク522に向かって流動し、出入口556を通しての吸引が各空洞554に1つの種子を保持する。指示モーター560によってディスク552が回転すると、個々の種子がワイパー562によってディスクから拭き取られ、重力下でガイド564を通して出口に落ちる。線形アクチュエータ586は、分配機の各通路570がガイド564と位置合わせされて1つの種子を開口部576を通して通路570に負荷するように分配機566を運動させる。分配機566のすべての通路570が充満している場合、線形アクチュエータ586が分配機を位置に運動させて、その種子を種子チッパー516中のサンプリング・ステーション600に負荷する。スリーブ572および574はアクチュエータ580によって運動し、それは開口部578と通路570とを位置合わせし、通路570中の種子がサンプリングユニット600に通じる管592に落ちることを許容する。ノズル590は、サンプリングユニット600中のチャンバー604に管592を通して通路570から種子が動くことを支援する噴射したエアを提供する。
【0067】
好ましくは、すべての通路570はサンプリングユニット600に同時に種子を一列で負荷し、排出するが、分配機をプログラムして幾つかの他の様式で作動させることができる。種子がサンプリング・ステーション600に到着すると、ロッド606がプレート616の下面の凹部614に種子を持ち上げる。凹部614は、種子を最良に方向付けることを支援する大きさおよび形状とし得る。凹部614においては、種子の一部分がサンプリング孔618を通して溝620に押し出る。ブローチ650は溝620中で並進し、その切断エッジ652が溝620に押し出た種子の一部分から材料を取り出し、種子に小さな切り口を形成することを許容する。ブローチ650が材料を取り出す際に、サンプル輸送システム656は通路662を通して入口660に試料材料を引き入れる。試料はサンプリング・ステーション600を離れて、試料トレイ668中のウェル666のような試料貯蔵場所に導管658中を移動する。第2の試料は、サンプリングプレート616中の開口部618を通してサンプリングデバイス674の除芯ツール676によって採取し得る。サンプリングが完了した後に、ロッド606が収縮し、種子が落下する際に、サンプリング種子輸送システム680がサンプリングした種子を種子トレイ686中のウェル684のような種子貯蔵場所に輸送する。
【0068】
指示テーブル670および688は運動して異なるウェルを試料輸送システム656および種子輸送システム680の出口と位置合わせし、サンプルプロセスを繰り返す。すべてのウェル666が試料トレイ668に存在する場合、試料トレイ中の試料を試験することができ、対応する種子トレイ686中の種子を試料の試験の結果に基づいて選択することができる。サンプリングは、好ましくは種子の生存能力に実質的に悪い影響を与えない。
【0069】
実施例
以下の例は単なる説明であって、いかなる場合においても本開示を限定するものではない。
【0070】
実施例1
この実施例は、低リノレン酸ダイズの選択および塊にするためのプログラムにおける本発明のスクリーニング方法の使用を実証する。
【0071】
ダイズは、多くの栄養を含み、そのユニークな化学組成に起因して多くの産業用途を有する最も価値があるマメ科植物作物である。ダイズ種子は植物の重要な源であり、それは全世界を通して食物製品に使用されている。ダイズ油中のリノレン酸(18:3)の比較的高いレベル(通常、約8%)はその安定性および風味を減少する。ダイズ油の水素化を用いて、リノレン酸(18:3)のレベルを低下させ、ダイズ油の安定性および風味が改善されている。しかしながら、水素化はトランス脂肪酸の生成を引き起こし、それは消費した場合に冠動脈心臓疾患のリスクを高める。低リノレン酸ダイズの開発は、特性の量的性質によって複雑化している。開発された低リノレン酸ダイズ品種は、収穫が乏しく、大部分の商業的設定においてその有用性を制限することが判明した。商業的に有意義な種子収量を含む製品の開発は、大部分のダイズ栽培品種開発プログラムにおいて高い優先性を有する。
【0072】
種子組織サンプル(各々、約5mg)は通常のダイズ品種および低リノレン酸ダイズ品種から採取し、96ウェルマイクロタイタープレートの個々のウェルに移した。ついで、試料をトルエンで湿らせて試料中の油を抽出し、トランスメチル化して脂肪酸メチルエステルの混合物を生成する。ついで、脂肪酸メチルエステルの混合物をマイクロタイタープレートのウェルから取り出し、ガスクロマトグラフィーで分析した。
【0073】
クロマトグラフィー(水素炎イオン化検出を用いるSupelco Omegawax 320 キャピラリーカラム)をプログラムして「高速」様式で作動させ、ここで高速温度の立ち上がりは3.6分でクロマトグラムを生成する。実験で分析した正常なダイズに関する脂肪酸メチルエステルのクロマトグラムの例を図29に示す。この実験により低リノレン酸ダイズから得た脂肪酸メチルエステルのクロマトグラムの例を図30に示す。
【0074】
この実験で分析した通常のダイズの平均脂肪酸特徴を表1に示す。
【0075】
【表1】

【0076】
この実験で分析した低リノレン酸ダイズの平均脂肪酸特徴を表2に示す。
【0077】
【表2】

【0078】
望ましい脂肪酸特徴を有する選択した種子は、育種目的に応じて塊にするかまたは分離したままとし得る。これらの種子は、適当な圃場同一性でもって圃場に植栽し得る。研究室から圃場に種子を移動する間に、単一の種子同一性を保存する幾つかの方法を用い得る。方法には、個々の遺伝子型の決まった種子の同一性を支援するための無線通信周波数同定も含み得る園芸種子テープに選択した個々のものを移すことが含まれる。他の方法は、指示トレイを使用すること、ピート鉢に種子を植えることおよびついでそれらを移植すること、または個々の種子群からの植物を扱うことであろう。
【0079】
実施例2
この実施例は、ステアリドン酸(SDA)ダイズを選択および塊にするためのプログラムにおける本発明のスクリーニング方法の使用を実証する。
【0080】
組織試料は、0% SDA、15% SDA、20% SDAおよび30% SDAと同定されたダイズ品種から採取した。組織試料を溶媒と接触させて脂肪酸エステルの混合物を生成し、ついで脂肪酸エステルを実施例1に記載した高速ガスクロマトグラフィーを用いて分離および分析した。SDAダイズの脂肪酸特性を表3に示す。
【0081】
【表3】

【0082】
実施例3
この実施例は、高ステアリン酸ダイズを選択および塊にするためのプログラムにおける本発明のスクリーニング方法の使用を実証する。
【0083】
組織試料は、高ステアリン酸ダイズとして同定されたダイズ品種から採取した。組織試料を溶媒と接触させて脂肪酸エステルの混合物を生成し、ついで脂肪酸エステルを実施例1に記載した高速ガスクロマトグラフィーを用いて分離および分析した。高ステアリン酸ダイズの脂肪酸特性を表4に示す。
【0084】
【表4】

【0085】
実施例4
この実施例は、ナタネをスクリーニングするためのプログラムにおける本発明のスクリーニング方法の使用を実証する。
【0086】
ナタネから採取した組織試料をトルエンと接触させて、脂肪酸エステルの混合物を生成した。ついで、脂肪酸エステルを、実施例1に記載した高速ガスクロマトグラフィーを用いて分離および分析した。試料は以下のようにスクリーニングおよび同定した:(1)従来のナタネ(すなわち、約2%未満のエルカ酸含量を有する);(2)約2%を超えるエルカ酸含量を有する;(3)約45%を超えるエルカ酸含量を有する;(4)約45%を超えるエルカ酸含量および約3.5%未満のリノレン酸含量を有する;(5)約3.5%未満のリノレン酸含量を有する;(6)約70%を超えるオレイン酸含量を有する;(7)約7%未満の飽和脂肪を有する;(8)約6%未満の飽和脂肪を有する;(9)約5%未満の飽和脂肪を有する;(10)約70%を超えるオレイン酸含量および約3.5%未満のリノレン酸含量を有する;および(11)約70%を超えるオレイン酸含量、約3.5%未満のリノレン酸含量、および約7%未満の飽和脂肪を有する。
【0087】
実施例5
この実施例は、ヒマワリをスクリーニングするためのプログラムにおける本発明のスクリーニング方法の使用を実証する。
【0088】
ヒマワリ種子から採取した組織試料をトルエンと接触させて、脂肪酸エステルの混合物を生成した。脂肪酸エステルをついで実施例1に記載した高速ガスクロマトグラフィーを用いて分離および分析した。試料は以下のようにスクリーニングおよび同定した:(1)約40%ないし約70%のオレイン酸含量;(2)約70%を超えるオレイン酸含量;(3)約6%を超えるステアリン酸含量;(4)約8%未満の飽和脂肪含量;(5)約70%を超えるオレイン酸含量および約8%未満の飽和脂肪含量;および(6)約70%を超えるオレイン酸含量、約6%を超えるステアリン酸含量、および約8%未満の飽和脂肪含量。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】図1は、本発明の原理に従って使用するための自動化種子サンプラーシステムの1の形態の斜視図である。
【図2】図2は、種子サンプラーシステムの種子サンプラーアセンブリーの拡大斜視図である。
【図3】図3は、種子サンプラーアセンブリーのホッパーおよび種子送給機構の拡大斜視図である。
【図4】図4は、種子から試料をかき集めるためのブローチの斜視図である。
【図5】図5は、種子送給機構からピストンアクチュエータのブローチを運転するためのスライドの斜視図である。
【図6】図6は、ホッパーの送給機構中のピストンの斜視図である。
【図7】図7は、複数の種子トレイおよびその上に載置された試料トレイを有するステージの斜視図である。
【図8】図8は、二次元並進機構の斜視図である。
【図9】図9は、種子コンベアの入口の斜視図である。
【図10】図10は、種子コンベアの出口の斜視図である。
【図11】図11は、試料コンベアの出口の斜視図である。
【図12】図12は、種子および試料コンベアで用いるエア増倍管の斜視図である。
【図13】図13は、本発明の原理と一致する使用のためのハイスループット種子サンプラーシステムの上面図である。
【図14】図14は、ハイスループット種子サンプラーの側面図である。
【図15】図15は、種子サンプラーシステムの前方斜視図である。
【図16】図16は、種子サンプラーシステムの後方斜視図である。
【図17】図17は、ハイスループット種子サンプラー装置のサンプリング・ステーションの斜視図である。
【図18A】図18Aは、ブローチが収縮した本発明の原理と一致する種子サンプリング・ステーションの一部分の部分斜視図である。
【図18B】図18Bは、ブローチが伸長した本発明の原理と一致する種子サンプリング・ステーションの一部分の部分斜視図である。
【図19A】図19Aは、ブローチがその収縮したポジションに位置する種子サンプリング・ステーションの側面図である。
【図19B】図19Bは、ブローチがその伸長したポジションに位置する種子サンプリング・ステーションの側面図である。
【図20】図20は、種子サンプリング・ステーションの縦方向断面図である。
【図21】図21は、種子サンプリング・ステーションの前面図である。
【図22】図22は、種子サンプリング・ステーションの横方向断面図である。
【図23A】図23Aは、種子選択ホイールの上面図である。
【図23B】図23Bは、種子選択ホイールの分解図である。
【図24】図24は、送給機構の前面図である。
【図25】図25は、送給機構の側面図である。
【図26A】図26Aは、送給機構の斜視図である。
【図26B】図26Bは、送給機構の側面図である。
【図26C】図26Cは、線26C−26Cの面に沿ってとった、送給機構の縦方向断面図である。
【図26D】図26Dは、送給機構の底面図である。
【図27A】図27Aは、サンプリング機構の垂直縦方向の断面図である。
【図27B】図27Bは、図27Aに示したサンプリング機構の拡大した部分垂直断面図である。
【図28A】図28Aは、サンプリング機構の垂直横方向断面図である。
【図28B】図28Bは、図28Aに示すサンプリング機構の拡大した部分断面図である。
【図29】図29は、実施例1に記載した方法に従って通常のダイズから得た脂肪酸エステルのクロマトグラムである。
【図30】図30は、実施例1に記載した方法に従って低リノレン酸ダイズから得た脂肪酸エステルのクロマトグラムである。対応する参照数字は、図面の幾つかの図を通しての対応する部分を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の種子の脂肪酸組成を決定するための自動化された方法であって、
サンプリング・ステーションに種子を順次送り;
該種子を該サンプリング・ステーションに保持し;
該サンプリング・ステーションに保持された種子から試料をかき集め;
該試料を試料トレイ中の個々のコンパートメントに運び;
該試料トレイ中の試料からの油を抽出し;
該試料トレイ中の試料から抽出した油を変換して脂肪酸エステルの混合物を形成し;ついで、
該試料からの該脂肪酸エステルの混合物を分析して対応する種子の脂肪酸特性を決定することを含む該方法。
【請求項2】
油を抽出し、抽出した油を変換する工程が、試料トレイ中の試料を溶媒と接触させて脂肪酸エステルの混合物を形成することを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
該溶媒が、ヘキサン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、水酸化トリメリルスルホニウム、石油エーテル、塩化メチレンおよびトルエンよりなる群から選択される請求項2記載の方法。
【請求項4】
該溶媒がトルエンである請求項2記載の方法。
【請求項5】
該分析する工程が、ガスクロマトグラフィーを用いて脂肪酸エステルの混合物を分離および検出することを含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
該試料を、種子の発芽生存能力に影響することなく種子からかき集める請求項1記載の方法。
【請求項7】
該試料トレイが96−ウェルマイクロタイタープレートを含む請求項1記載の方法。
【請求項8】
該試料トレイが384−ウェルマイクロタイタープレートを含む請求項1記載の方法。
【請求項9】
脂肪種子のハイスループット・スクリーニングの方法であって、
複数の脂肪種子からの組織試料を試料トレイの個々のコンパートメントに提供し;
該試料トレイ中の各組織試料をトルエンと接触させて、脂肪酸メチルエステルを含む混合物を生成し;
各試料からの脂肪酸メチルエステルの混合物を分析して、対応する脂肪種子の脂肪酸特性を決定し;ついで
望ましい脂肪酸特徴の存在または不存在に基づいて種子を選択する
ことを含む該方法。
【請求項10】
該分析する工程が、ガスクロマトグラフィーを用いて脂肪酸メチルエステルを分離および検出することを含む請求項9記載の方法。
【請求項11】
対応する脂肪種子の脂肪酸特性を、個々の組織試料をトルエンと接触させる時間から約10分間未満で決定する請求項9記載の方法。
【請求項12】
さらに、種子の発芽生存能力に影響することなく組織試料を採取することを含む請求項9記載の方法。
【請求項13】
該試料トレイが少なくとも96の個々のコンパートメントを含む請求項9記載の方法。
【請求項14】
該脂肪種子が、ダイズ、コーン、キャノーラ、ナタネ、ヒマワリ、ラッカセイ、ベニバナ、ヤシおよびワタよりなる群から選択される請求項9記載の方法。
【請求項15】
該脂肪種子がナタネであって、該望ましい脂肪酸特徴が約2%を超えるエルカ酸含量である請求項14記載の方法。
【請求項16】
該脂肪種子がナタネであって、該望ましい脂肪酸特徴が約45%を超えるエルカ酸含量である請求項14記載の方法。
【請求項17】
該脂肪種子がナタネであって、該望ましい脂肪酸特徴が約3.5%未満のリノレン酸含量である請求項14記載の方法。
【請求項18】
該脂肪種子がナタネであって、該望ましい脂肪酸特徴が約70%を超えるオレイン酸含量である請求項14記載の方法。
【請求項19】
該脂肪種子がナタネであって、該望ましい脂肪酸特徴が約7%未満の飽和脂肪含量である請求項14記載の方法。
【請求項20】
該脂肪種子がナタネであって、該望ましい脂肪酸特徴が約6%未満の飽和脂肪含量である請求項14記載の方法。
【請求項21】
該脂肪種子がナタネであって、該望ましい脂肪酸特徴が約5%未満の飽和脂肪含量である請求項14記載の方法。
【請求項22】
該脂肪種子がナタネであって、該望ましい脂肪酸特徴が約70%を超えるオレイン酸含量および約3.5%未満のリノレン酸含量である請求項14記載の方法。
【請求項23】
該脂肪種子がナタネであって、該望ましい脂肪酸特徴が約70%を超えるオレイン酸含量、約3.5%未満のリノレン酸含量および約7%未満の飽和脂肪含量である請求項14記載の方法。
【請求項24】
該脂肪種子がナタネであって、該望ましい脂肪酸特徴が約45%を超えるエルカ酸含量および約3.5%未満のリノレン酸含量である請求項14記載の方法。
【請求項25】
該脂肪種子がヒマワリであって、該望ましい脂肪酸特徴が約40%ないし約70%のオレイン酸含量である請求項14記載の方法。
【請求項26】
該脂肪種子がヒマワリであって、該望ましい脂肪酸特徴が約70%を超えるオレイン酸含量である請求項14記載の方法。
【請求項27】
該脂肪種子がヒマワリであって、該望ましい脂肪酸特徴が約6を超えるステアリン酸含量である請求項14記載の方法。
【請求項28】
該脂肪種子がヒマワリであって、該望ましい脂肪酸特徴が約8%未満の飽和脂肪含量である請求項14記載の方法。
【請求項29】
該脂肪種子がヒマワリであって、該望ましい脂肪酸特徴が約70%を超えるオレイン酸含量および約8%未満の飽和脂肪含量である請求項14記載の方法。
【請求項30】
該脂肪種子がヒマワリであって、該望ましい脂肪酸特徴が約70%を超えるオレイン酸含量、約6%を超えるステアリン酸含量、および約8%未満の飽和脂肪含量である請求項14記載の方法。
【請求項31】
該脂肪種子がダイズであって、該望ましい脂肪酸特徴が約8%未満のリノレン酸含量である請求項14記載の方法。
【請求項32】
さらに、選択した種子から植物を栽培し;ついで栽培植物から種子を収穫する請求項9記載の方法。
【請求項33】
望ましい脂肪酸特徴を有する種子の量を大きくする方法であって:
(a)種子の発芽生存能力に影響することなく集団中の各種子から試料を取り出し;
(b)各試料と溶媒とを接触させて、脂肪酸メチルエステルを含む混合物を形成し;
(c)各試料からの脂肪酸メチルエステルの混合物を分析して、対応する種子の脂肪酸特性を決定し;
(d)少なくとも1の望ましい脂肪酸特徴を有する種子を選択し;
(e)選択した種子から植物を栽培し;
(f)栽培した植物から種子を回収し;ついで
1またはそれを超える世代について工程(a)ないし(f)を繰り返す
ことを含む該方法。
【請求項34】
該溶媒が、ヘキサン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、水酸化トリメリルスルホニウム、石油エーテル、塩化メチレンおよびトルエンよりなる群から選択される請求項33記載の方法。
【請求項35】
該溶媒がトルエンである請求項34記載の方法。
【請求項36】
該分析する工程が、ガスクロマトグラフィーを用いて脂肪酸エステルの混合物を分離および検出することを含む請求項33記載の方法。
【請求項37】
対応する脂肪種子の脂肪酸特性を、個々の組織試料をトルエンと接触させる時間から約10分間未満で決定する請求項33記載の方法。
【請求項38】
該種子が、ダイズ、コーン、キャノーラ、ナタネ、ヒマワリ、ラッカセイ、ベニバナ、ヤシおよびワタよりなる群から選択される脂肪種子である請求項33記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図24】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図26D】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29】
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【図30】
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【公表番号】特表2009−506174(P2009−506174A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528235(P2008−528235)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/033507
【国際公開番号】WO2007/025250
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(501231613)モンサント テクノロジー エルエルシー (71)
【Fターム(参考)】