脱穀装置の脱穀部構造
【課題】ガイド板に変形や欠損などが生じた場合の対処を経済的に行えるようにしながら、ささり粒による穀粒回収効率の低下を防止するとともに、脱穀性能の低下などを効果的に抑制できるようにする。
【解決手段】刈取穀稈の株元側を挟持して刈取穀稈を搬送する挾持搬送機構6と、回転駆動されることにより、挟持搬送機構6により搬送される刈取穀稈の穂先側に扱き処理を施す扱胴と、扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を扱胴に向けて案内するガイド板47とを備え、ガイド板47を、挟持搬送機構6により搬送される刈取穀稈に対する上方の位置に、刈取穀稈の搬送方向に沿って整列配置される複数の板体48,49で構成し、複数の板体48,49を、前後に隣接する前側の板体48の後端縁48Aと後側の板体49の前端縁49Aとが接するように突き合わせ配置してある。
【解決手段】刈取穀稈の株元側を挟持して刈取穀稈を搬送する挾持搬送機構6と、回転駆動されることにより、挟持搬送機構6により搬送される刈取穀稈の穂先側に扱き処理を施す扱胴と、扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を扱胴に向けて案内するガイド板47とを備え、ガイド板47を、挟持搬送機構6により搬送される刈取穀稈に対する上方の位置に、刈取穀稈の搬送方向に沿って整列配置される複数の板体48,49で構成し、複数の板体48,49を、前後に隣接する前側の板体48の後端縁48Aと後側の板体49の前端縁49Aとが接するように突き合わせ配置してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刈取穀稈の株元側を挟持して刈取穀稈を搬送する挾持搬送機構と、回転駆動されることにより、前記挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の穂先側に扱き処理を施す扱胴と、前記扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を前記扱胴に向けて案内するガイド板とを備えた脱穀装置の脱穀部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなガイド板は、扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を扱胴に向けて案内することにより、その穀粒が挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の株元側に入り込む所謂ささり粒の発生を防止するためのものであり、これにより、扱き処理により得られた穀粒が、ささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞を防止することができ、穀粒回収効率の向上を図ることができる。
【0003】
ところで、従来のガイド板(ささり粒防止体)としては、挾持搬送機構(フィードチェーンユニット)の挟持レールに上下スライド可能に支持された1枚のプレートにより構成されたものや、挟持レールに上下スライド可能に支持された複数のプレートにより構成されたものがあり、ガイド板を複数のプレートにより構成する場合には、各プレートを、前後に隣接するプレートの間に隙間を有するように配備することが考えられていた(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−14604号公報(段落番号0023〜0032、図3〜9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガイド板を1枚のプレートにより構成すると、ガイド板に変形や欠損あるいは長期の使用による摩耗が生じた場合には、ガイド板の全体を交換する必要があることから、経済性の面で改善の余地がある。
【0006】
ガイド板を複数のプレートにより構成すると、ガイド板に変形や欠損あるいは長期の使用による摩耗が生じた場合には、その変形や欠損などが生じたプレートのみを交換することができ、ガイド板の全体を交換する必要がないことから、経済性の面で有利になる。
【0007】
その反面、前述したように、隣接する前後のプレート間に隙間を有することにより、その隙間を通って刈取穀稈の株元側に漏れ落ちる穀粒が、ささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される可能性が高くなり、その分、穀粒回収効率の低下を招くことになる。
【0008】
また、挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の株元側がプレート間に隙間に入り込むことに起因した、刈取穀稈の搬送詰まりや刈取穀稈の搬送姿勢(脱穀姿勢)の乱れによる脱穀性能の低下などを招き易くなる。
【0009】
本発明の目的は、ガイド板に変形や欠損などが生じた場合の対処を経済的に行えるようにしながら、ささり粒による穀粒回収効率の低下を防止するとともに、脱穀性能の低下などを効果的に抑制できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明のうちの請求項1に記載の発明では、
刈取穀稈の株元側を挟持して刈取穀稈を搬送する挾持搬送機構と、回転駆動されることにより、前記挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の穂先側に扱き処理を施す扱胴と、前記扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を前記扱胴に向けて案内するガイド板とを備え、
前記ガイド板を、前記挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈に対する上方の位置に、前記刈取穀稈の搬送方向に沿って整列配置される複数の板体で構成し、
複数の前記板体を、前後に隣接する前側の板体の後端縁と後側の板体の前端縁とが接するように突き合わせ配置してあることを特徴とする。
【0011】
この特徴構成によると、扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒をガイド板により扱胴に向けて案内することができる。また、ガイド板を構成する複数の板体を前後方向に突き合わせ配置することにより、前後に隣接する板体の間から刈取穀稈の株元側に向けて穀粒が漏れ落ちる虞を効果的に防止することができるとともに、挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の株元側が、前後に隣接する板体の間に入り込む虞を効果的に抑制することができる。
【0012】
これにより、扱き処理により得られた穀粒が、挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の株元側に入り込むささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞をより確実に防止することができる。
【0013】
また、挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の株元側が前後に隣接する板体の間に入り込むことに起因した、刈取穀稈の搬送詰まりや刈取穀稈の搬送姿勢(脱穀姿勢)の乱れを効果的に抑制することができ、その搬送詰まりや搬送姿勢の乱れによる脱穀性能の低下などを効果的に防止することができる。
【0014】
さらに、ガイド板に変形や欠損などが生じた場合には、ガイド板の全体を交換しなくても、その変形や欠損などが生じた箇所の板体のみを交換することにより対処することができる。
【0015】
従って、ガイド板に変形や欠損などが生じた場合の対処を経済的に行えるようにしながら、ささり粒による穀粒回収効率の低下を防止することができる上に、脱穀性能の低下などを効果的に抑制することができる。
【0016】
本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、
前記ガイド板を、その扱胴側の端部が、前記扱胴の回転に伴って前記扱胴に備えた扱歯の先端が描く回転軌跡の内側に入り込むように形成するとともに、その扱胴側の端部に、前記扱歯の通過を許容する凹部を形成してあることを特徴とする。
【0017】
この特徴構成によると、ガイド板と扱歯との干渉による破損を招くことなく、扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を、ガイド板により、より確実に扱胴に向けて案内することができる。これにより、扱き処理により得られた穀粒がささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞をより確実に防止することができる。
【0018】
従って、ささり粒による穀粒回収効率の低下をより効果的に防止することができる。
【0019】
本発明のうちの請求項3に記載の発明では、上記請求項1または2に記載の発明において、
前記ガイド板を、その前端が前記扱胴の前端よりも後方側に位置するように配備してあることを特徴とする。
【0020】
この特徴構成によると、ガイド板を、その前端が扱胴の前端と同じ前後位置に位置するように配備する場合や、その前端が扱胴の前端よりも前方側に位置するように配備する場合に比較して、挟持搬送機構により扱胴の扱き処理領域内に供給される刈取穀稈が、ガイド板との接触により、扱胴の扱き処理領域内に供給され難くなる虞を抑制することができる。
【0021】
また、扱胴の前端側では、扱き処理によって得られる穀粒が少なく、扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒量も少ないことから、ガイド板を、その前端が扱胴の前端よりも後方側に位置するように配備しても、扱き処理により得られた穀粒がささり粒となる可能性が低くなる。しかも、その前端側においてささり粒が発生しても、扱胴の前端側以外の大半を占める扱胴部分の扱き処理により、ささり粒を刈取穀稈の株元側からほぐし落とすことができる。
【0022】
従って、ガイド板を合理的に配備することにより、ささり粒による穀粒回収効率の低下を招くことなく、扱き処理始端部でのガイド板との接触に起因した刈取穀稈の搬送詰まりや刈取穀稈の搬送姿勢(脱穀姿勢)の乱れを抑制することができ、その搬送詰まりや搬送姿勢の乱れによる脱穀性能の低下など防止することができる。
【0023】
本発明のうちの請求項4に記載の発明では、上記請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、
前記扱胴を、その前部側を形成する第1扱胴部と後部側を形成する第2扱胴部とを有する前後2分割構造で、かつ、前記第1扱胴部の回転速度よりも前記第2扱胴部の回転速度が速くなるように構成してあることを特徴とする。
【0024】
この特徴構成によると、第1扱胴部が比較的低速で回転駆動されることにより、第1扱胴部での扱き処理による切れワラやワラ屑などの発生を抑制することができる。これにより、扱き処理領域の上手側において発生する切れワラやワラ屑などによって扱き処理による穀粒の単粒化が阻害されることや、扱き処理後の処理物に含まれるワラ屑などが多くなることを抑制することができる。
【0025】
また、第2扱胴部が比較的高速で回転駆動されることにより、ガイド板で案内されることによって刈取穀稈の穂先側に入り込んだ穀粒を効果的にほぐし落とすことができる。これにより、扱き処理により得られた穀粒が脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞を効果的に防止することができる。
【0026】
従って、扱き処理による穀粒の単粒化の促進や、扱き処理後の選別処理における選別効率や選別精度の向上を図れる上に、ささり粒による穀粒回収効率の低下をより効果的に防止することができる。
【0027】
本発明のうちの請求項5に記載の発明では、上記請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、
前記ガイド板を、その後端が前記扱胴の後端よりも後方側に位置するように配備してあることを特徴とする。
【0028】
この特徴構成によると、扱胴の後端側や扱胴の後方側においても、扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を、ガイド板によって確実に扱胴に向けて案内することができる。これにより、扱き処理により得られた穀粒が、扱き処理領域の終端部において、挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の株元側に入り込む虞を防止することができる。
【0029】
特に、この特徴構成を上記請求項4に記載の発明に適用すると、第2扱胴部の回転速度が速くなることによって第2扱胴部と連れ回り易くなる穀粒を、ガイド板によって確実に扱胴に向けて案内することができる。
【0030】
従って、扱き処理領域の終端部でのささり粒による穀粒回収効率の低下を確実に防止することができる。
【0031】
本発明のうちの請求項6に記載の発明では、上記請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、
前記ガイド板を、前記扱胴を覆う上部ケースの外側面に取り付けてあることを特徴とする。
【0032】
この特徴構成によると、ガイド板を上部ケースの内側面に取り付ける場合に比較して、扱き処理により得られた処理物との接触によるガイド板の摩耗を抑制することができる。また、ガイド板を上部ケースの内側面に取り付ける場合に招く虞のある、ガイド板の上縁部に穀粒が衝突することによる穀粒の損傷や、ガイド板と上部ケースとの間への切れワラの部分的な入り込みなどを未然に回避することができる。
【0033】
従って、ガイド板の耐久性や穀粒品質の向上を図ることができるとともに、ガイド板と上部ケースとの間に部分的に入り込んだ切れワラなどが扱き処理に悪影響を及ぼすことによる処理能力の低下を未然に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】脱穀装置の縦断側面図である。
【図2】脱穀装置の要部の縦断背面図である。
【図3】ガイド板の構成を示す要部の側面図である。
【図4】ガイド板の構成を示す要部の横断平面図である。
【図5】第1扱胴部の縦断側面図である。
【図6】第1扱胴部の縦断背面図である。
【図7】第2筒状部と蓋体の構成を示す要部の平面図である。
【図8】第2筒状部と蓋体の構成を示す要部の要部の展開縦断背面図である。
【図9】第2筒状部と蓋体の構成を示す要部の縦断背面図である。
【図10】第2筒状部の展開形状を示す平面図である。
【図11】蓋体の形状を示す平面図である。
【図12】排塵口の開閉構造を示す要部の縦断側面図である。
【図13】排塵口の開閉構造を示す要部の縦断背面図である。
【図14】規制板の構成を示す要部の縦断背面図である。
【図15】排ワラ搬送装置の構成を示す概略側面図である。
【図16】各板体に凹部を形成しない別実施形態を示す要部の側面図である。
【図17】各板体にスリットを形成した別実施形態を示す要部の横断平面図である。
【図18】各板体の接合縁を傾斜させた別実施形態を示す要部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、本発明にかかる脱穀装置の脱穀部構造を自脱形コンバインの脱穀装置に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0036】
図1は自脱形コンバインに搭載される脱穀装置の縦断側面図である。この図に示すように、脱穀装置は、車体フレーム(図示せず)の左半部に搭載された下部ケース1、および、その下部ケース1に開閉操作可能に連結された上部ケース2、などにより処理空間が形成されている。
【0037】
図1および図2に示すように、処理空間には、刈取穀稈の穂先側に脱穀処理を施す脱穀部3、脱穀処理により得られた処理物に選別処理を施す選別部4、および、選別処理により得られた穀粒などを回収する回収部5、などが備えられている。
【0038】
脱穀部3は、その左側部に配備した挟持搬送機構6、下部ケース1の上部側に着脱可能に敷設した受網7、および、前後向きの支軸8を支点にした背面視左回りでの回転が可能となるように上部ケース2に備えた扱胴9、などにより構成されている。
【0039】
挟持搬送機構6は、下部ケース1に備えた突起付きの無端回動チェーンからなるフィードチェーン10、上部ケース2に装備したレール台11、レール台11に上下変位可能に支持された挟持レール12、および、挟持レール12をフィードチェーン10に向けて下降付勢する複数の押しバネ13、などにより構成されている。
【0040】
そして、挟持搬送機構6は、フィードチェーン10が図外のエンジンからの動力で回動駆動されることにより、図外の刈取搬送装置により刈取搬送された刈取穀稈の株元側を、刈取搬送装置から受け取るとともに、フィードチェーン10と挟持レール12との間に挟持して後方に向けて搬送する。この挟持搬送により、刈取穀稈の穂先側が、下部ケース1の下唇板1Aと上部ケース2の上唇板14との間に形成された扱口15から受網7と扱胴9との間に供給される。
【0041】
受網7は、扱胴9の外周に沿って湾曲する円弧状に形成され、かつ、扱胴9の周方向に2分割可能に構成された格子状のコンケーブ受網であり、扱胴9の下部側を覆うように配置設定されている。
【0042】
扱胴9は、前後向きの支軸8に、扱胴9の大部分を形成する前部側の第1扱胴部16と、扱胴9の後端部を形成する後部側の第2扱胴部17とを相対回転可能に装備して構成された前後2分割構造である。そして、扱胴9は、各扱胴部16,17がエンジンからの動力で支軸8を支点にして背面視左回りに回転駆動されることにより、挟持搬送機構6の挾持搬送により受網7と扱胴9との間に供給された刈取穀稈の穂先側に扱き処理を施す。
【0043】
第1扱胴部16は、ドラム状に形成した扱胴本体18や、扱胴本体18の周壁に突設した複数の扱歯19,20、などにより構成されている。第2扱胴部17は、ドラム状に形成した扱胴本体21や、扱胴本体21の周壁に突設した複数の扱歯20、などにより構成されている。扱歯19,20のうち、第1扱胴部16の前端部に突設した扱歯19は整そ歯である。第1扱胴部16の前端部以外の部分と第2扱胴部17とに突設した扱歯20は並歯である。
【0044】
第1扱胴部16は、ベルトテンション式の第1伝動機構22などを介して伝達されるエンジンからの動力により、支軸8を支点にして第2扱胴部17よりも遅い回転速度で背面視左回りに回転駆動される。第2扱胴部17は、ベルトテンション式の第2伝動機構23などを介して伝達されるエンジンからの動力により、支軸8を支点にして第1扱胴部16よりも速い回転速度で背面視左回りに回転駆動される。
【0045】
このように、第1扱胴部16を比較的に遅い回転速度で回転駆動することにより、第1扱胴部16での扱き処理による切れワラやワラ屑などの発生を抑制することができる。これにより、扱き処理領域の上手側において発生する切れワラやワラ屑などによって扱き処理による穀粒の単粒化が阻害されることや、扱き処理後の処理物に含まれるワラ屑などが多くなることを抑制することができる。その結果、扱き処理による穀粒の単粒化の促進や、扱き処理後の選別処理における選別効率や選別精度の向上を図ることができる。
【0046】
また、第2扱胴部17を比較的に速い回転速度で回転駆動することにより、扱き処理領域の終端側において、より効果的な扱き処理を刈取穀稈の穂先側に施すことができるとともに、刈取穀稈の穂先側をより効果的にほぐすことができる。これにより、扱き残しを効果的に抑制することができるとともに、扱き処理により得られた穀粒が刈取穀稈に入り込むささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞を効果的に防止することができる。その結果、ささり粒による穀粒回収効率の低下を防止することができる。
【0047】
上述した扱胴9の扱き処理により得られた処理物は、受網7から選別部4に向けて漏下し、受網7から漏下しなかった処理物は、受網7の後方に形成した送塵口24から選別部4に排出される。
【0048】
選別部4は、脱穀部3からの処理物に篩い選別処理を施す揺動選別機構25、脱穀部3からの処理物に風力選別処理を施す主唐箕26と第1副唐箕27と第2副唐箕28、送塵口24からの処理物などに作用する拡散胴29、および、風力選別処理により吹き上げられたワラ屑などの塵埃を吸引して車外に排出する排塵ファン30、などにより構成されている。
【0049】
揺動選別機構25は、平面視矩形状に形成された枠状のシーブケース31を備え、そのシーブケース31の上部側には、粗選別用の第1グレンパン32、粗選別用の第2グレンパン33、粗選別用のチャフシーブ34、粗選別用の第1ストローラック35、および、粗選別用の第2ストローラック36、などが配備されている。シーブケース31の底部には、精選別用のグレンシーブ37が配備されている。シーブケース31の後部には、エンジンからの動力によりシーブケース31を揺動駆動する偏心カム式の駆動部38が装備されている。
【0050】
そして、揺動選別機構25は、エンジンからの動力で揺動駆動されることにより、脱穀部3からの処理物に篩い選別処理を施し、この篩い選別処理により、単粒化した穀粒などを漏下させる一方で、漏下しなかった切れワラやワラ屑などを脱穀装置の後端部に形成した排塵口39に向けて搬送する。
【0051】
主唐箕26は、左右向きの軸心周りでの回転が可能となるように下部ケース1の前下部に装備され、選別処理量に応じた風量調節が可能となるように構成されている。そして、主唐箕26は、エンジンからの動力で左右向きの軸心を支点して回転駆動されることにより、グレンシーブ37の前下方から排塵ファン30や排塵口39に向けて流動する選別風を生起し、この選別風により、グレンシーブ37により精選別される処理物に含まれた比重の軽い切れワラやワラ屑などを排塵ファン30や排塵口39に向けて風力搬送する。
【0052】
第1副唐箕27は、左右向きの軸心周りでの回転が可能となるように下部ケース1の前端部に装備されている。そして、第1副唐箕27は、エンジンからの動力で左右向きの軸心を支点して回転駆動されることにより、第1グレンパン32とチャフシーブ34との間から排塵ファン30や排塵口39に向けて流動する選別風を生起し、この選別風により、チャフシーブ34に向けて流下する処理物に含まれた比重の軽い切れワラやワラ屑などを排塵ファン30や排塵口39に向けて風力搬送する。
【0053】
第2副唐箕28は、左右向きの軸心周りでの回転が可能となるように下部ケース1の後下部に装備されている。そして、第2副唐箕28は、エンジンからの動力で左右向きの軸心を支点して回転駆動されることにより、第1ストローラック35や第2ストローラック36を通って排塵ファン30や排塵口39に向けて流動する選別風を生起し、この選別風により、第1ストローラック35や第2ストローラック36により篩い選別される処理物に含まれた比重の軽い切れワラやワラ屑などを排塵ファン30や排塵口39に向けて風力搬送する。
【0054】
拡散胴29は、左右向きの軸心周りでの回転が可能となるように上部ケース2の後上部に装備されている。そして、拡散胴29は、エンジンからの動力で左右向きの軸心を支点して回転駆動されることにより、第2グレンパン33から第1ストローラック35に向けて搬送される処理物をほぐして、その処理物に含まれる単粒化穀粒や未脱穀粒などの第1ストローラック35や第2ストローラック36などからの漏下を促進させる。
【0055】
排塵ファン30は、左右向きの軸心周りでの回転が可能となるように上部ケース2の後上部に装備されている。そして、排塵ファン30は、エンジンからの動力で左右向きの軸心を支点して回転駆動されることにより、選別風により風力搬送されたワラ屑などの塵埃を吸引して排塵口39から機外に排出する。
【0056】
これにより、選別部4においては、脱穀部3からの処理物を、グレンシーブ37から漏下する1番物としての単粒化穀粒と、グレンシーブ37の後方に供給される2番物としての未脱穀粒や切れワラなどが混在する混在物と、排塵口39から機外に排出される3番物としての切れワラやワラ屑などとに精度良く選別することができる。
【0057】
回収部7は、グレンシーブ37から漏下した単粒化穀粒を回収するようにグレンシーブ37の下方に形成した1番回収部40、および、グレンシーブ37の後方に供給された混在物を回収するようにグレンシーブ37の後方に形成した2番回収部41、などにより構成されている。1番回収部40の底部には、エンジンからの動力で左右向きの軸心周りに回転駆動されることにより、1番回収部40に回収された単粒化穀粒を右方に向けて搬送する1番スクリュー42が配備されている。2番回収部41の底部には、エンジンからの動力で左右向きの軸心周りに回転駆動されることにより、2番回収部41に回収された混在物を右方に向けて搬送する2番スクリュー43が配備されている。
【0058】
1番スクリュー42の右端部には、1番スクリュー42との連動により、1番スクリュー42により搬送された単粒化穀粒を揚送して図外の穀粒タンクに供給する揚送コンベヤ44が連接されている。2番スクリュー43の右端部には、2番スクリュー43との連動により、2番スクリュー43により搬送された混在物に扱き処理を施す2番処理銅45と、2番処理銅45による扱き処理後の混在物を選別部4に還元する2番還元スクリュー46とが連接されている。
【0059】
図1〜4に示すように、上唇板14には、扱胴9の回転に伴って扱胴9の上部から刈取穀稈の株元側に向けて流下する穀粒などを扱胴9に向けて案内するガイド板47が装備されている。
【0060】
これにより、扱き処理により得られた穀粒が、挟持搬送機構6により搬送される刈取穀稈の株元側に入り込むささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞を防止することができる。
【0061】
ガイド板47は、挟持搬送機構6により挟持搬送される刈取穀稈に対する上方の位置に、刈取穀稈の搬送方向に沿って前後に整列配備した2枚の板体48,49により構成されている。2枚の板体48,49は、樹脂製で、前側の板体48の後端縁48Aと後側の板体49の前端縁49Aとが接するように突き合わせ配置されている。
【0062】
これにより、扱胴9の回転に伴って扱胴9の上部から刈取穀稈の株元側に向けて流下する穀粒が、2枚の板体48,49の間から刈取穀稈の株元側に向けて漏れ落ちる虞を防止することができる。その結果、その漏れ落ちに起因したささり粒の発生を防止することができ、そのささり粒により、穀粒が脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞を防止することができる。
【0063】
また、挟持搬送機構6により搬送される刈取穀稈の株元側が、2枚の板体48,49の間に入り込むことを抑制することができる。その結果、その入り込みに起因した、刈取穀稈の搬送詰まりや刈取穀稈の搬送姿勢(脱穀姿勢)の乱れを効果的に抑制することができ、その搬送詰まりや搬送姿勢の乱れによる脱穀性能の低下などを防止することができる。
【0064】
しかも、ガイド板47に変形や欠損などが生じた場合には、ガイド板47の全体を交換しなくても、その変形や欠損などが生じた箇所の板体48,49のみを交換することにより対処することができる。
【0065】
各板体48,49は、それらの上端部が上唇板14と押さえ板50との間に挟み込まれるように、上唇板14の外側面に、押さえ板50とともにボルト連結されている。
【0066】
これにより、各板体48,49を上唇板14の内側面に取り付ける場合に比較して、扱き処理により得られた処理物との接触による各板体48,49の摩耗を抑制することができる。その結果、各板体48,49の耐久性を向上させることができる。
【0067】
また、各板体48,49を上唇板14の内側面に取り付ける場合に招く虞のある、各板体48,49や押さえ板50の上縁部に穀粒が衝突することによる穀粒の損傷や、各板体48,49と上唇板14との間などへの切れワラの部分的な入り込みなどを未然に回避することができる。その結果、穀粒品質の向上を図れる上に、各板体48,49と上唇板14との間などに部分的に入り込んだ切れワラなどが扱き処理に悪影響を及ぼすことによる処理能力の低下を未然に回避することができる。
【0068】
各板体48,49は、上唇板14に取り付けた状態では、それらの下端部が、上唇板14の下縁よりも下方に位置し、かつ、扱胴9の回転に伴って所定の各扱歯(並歯)20の先端が描く回転軌跡の内側に入り込むように形成されている。各板体48,49の下端部には、所定の扱歯20の通過を許容する複数の凹部48B,49Bが形成されている。
【0069】
これにより、各板体48,49と所定の各扱歯20とが干渉することによる破損を招くことなく、扱胴9の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を、ガイド板47によってより確実に扱胴9に向けて案内することができる。その結果、扱き処理により得られた穀粒がささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞をより確実に防止することができる。
【0070】
前側の板体48の前端部には、その前側ほど上方に位置して、挾持搬送機構6で搬送される刈取穀稈を下方に向けて案内する穀稈ガイド部48Cが形成されている。
【0071】
これにより、挟持搬送機構6により挾持搬送される刈取穀稈が前側の板体48まで搬送されると、穀稈ガイド部48Cの作用により、その刈取穀稈が、前側の板体48に引っ掛かることなく、前側の板体48の下方にスムーズに案内される。その結果、その引っ掛かりに起因した刈取穀稈の搬送詰まりや、刈取穀稈の搬送姿勢(脱穀姿勢)の乱れによる脱穀性能の低下などを未然に回避することができる。
【0072】
前側の板体48は、その前端が扱胴9の前端よりも後方側に位置するように配備されている。また、後側の板体49は、その後端が扱胴9の後端よりも後方側に位置するように配備されている。
【0073】
これにより、前側の板体48を、その前端が扱胴9の前端と同じ前後位置に位置するように配備する場合や、その前端が扱胴9の前端よりも前方側に位置するように配備する場合に比較して、挟持搬送機構6により扱胴9の扱き処理領域内に供給される刈取穀稈が、前側の板体48との接触により、扱胴9の扱き処理領域内に供給され難くなる虞を抑制することができる。
【0074】
また、扱胴9の前端側では、扱き処理によって得られる穀粒が少なく、扱胴9の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒量も少ないことから、前側の板体48を、その前端が扱胴9の前端よりも後方側に位置するように配備しても、扱き処理により得られた穀粒がささり粒となる可能性が低くなる。また仮に、その前端側においてささり粒が発生しても、扱胴9の前端側以外の大半を占める扱胴部分の扱き処理により、ささり粒を刈取穀稈の株元側からほぐし落とすことができる。
【0075】
しかも、第2扱胴部17の回転速度を速くすることによって第2扱胴部17と連れ回り易くなる穀粒を、後側の板体49によって確実に扱胴9に向けて案内することができる。その結果、扱き処理領域の終端部で得られた穀粒がささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞を効果的に防止することができる。
【0076】
図1および図5〜11に示すように、第1扱胴部16の扱胴本体18は、円錐台状の第1筒状部51、第1筒状部51の後端に連結される円筒状の第2筒状部52、第1筒状部51の後端に連結される円状の前壁53、および、第2筒状部52の後端に連結される円状の後壁54、などにより構成されている。
【0077】
第2筒状部52は、一枚の板金材を円筒状に曲げ形成し、その周方向の両端部52A,52Bを、その径方向で重ね合わせて接合することにより得られた板金製である。
【0078】
第2筒状部52の前端部には、外方に向けて突出するリング状の第1補強リブ55が備えられている。第2筒状部52の前後中間部には、外方に向けて突出するリング状の第2補強リブ56と第3補強リブ57とが備えられている。第2筒状部52の後端部には、外方に向けて突出するリング状の第4補強リブ58が備えられている。各補強リブ55〜58は、第2筒状部52に使用される板金材にプレス加工を施すことにより得られた4本の突条52C〜52Fにより構成されている。
【0079】
第1扱胴部16には、前後一対の点検口59,60と、それらの点検口59,60を開閉可能に閉塞する単一の蓋体61とが備えられている。各点検口59,60は、第2筒状部52の第1補強リブ55と第4補強リブ58との間に、第2補強リブ56と第3補強リブ57とを挟むように、また、支軸8に沿って前後に接近して並ぶように形成した開口面積の大きい前後の開口52G,52Hにより構成されている。第2筒状部52における各開口52G,52Hの周囲(各開口52G,52Hの間を含む)には、ボルト連結用の複数の貫通孔52Kが形成され、複数の裏ナット62が溶接されている。
【0080】
蓋体61は、前後の点検口59,60を塞ぐ前後一対の蓋部61A,61Bが、前後の点検口59,60に内嵌するように凹入形成され、かつ、第1扱胴部16の周壁の一部となるように、第2筒状部52と同じ曲率で湾曲形成されている。そして、前後の蓋部61A,61Bには、複数の扱歯(並歯)20が突設されている。
【0081】
蓋体61における各蓋部61A,61Bの周囲(各蓋部61A,61Bの間を含む)には、第2筒状部52にボルト連結される枠状の連結部61Cが備えられている。連結部61Cは、その内面が第2筒状部52の外周面に接合するように湾曲形成されている。連結部61Cには、ボルト連結用の複数の貫通孔61Dが形成されている。
【0082】
この構成により、第2筒状部52の各貫通孔52Kと各裏ナット62および蓋体61の各貫通孔61Dを利用して、蓋体61を第2筒状部52にボルト連結することにより、蓋体61の各蓋部61A,61Bを第1扱胴部16の各点検口59,60に適切に内嵌させた状態で、第1扱胴部16の各点検口59,60を蓋体61によって塞ぐことができる。また、そのボルト連結を解除することにより、蓋体61を第2筒状部52から取り外して第1扱胴部16の各点検口59,60を開放することができる。
【0083】
このように、第2筒状部52から蓋体61を取り外し、各点検口59,60を開放することにより、蓋体61の裏面側から行う必要のある蓋体61に備えた各扱歯20の交換を、その背面側からの作業によって容易に行えるとともに、第1扱胴部16の内部から行う必要のある第1扱胴部16に備えた各扱歯19,20の交換を、その内部に向けて前後の点検口59,60から手を差し入れた作業によって容易に行える。
【0084】
蓋体61の連結部61Cは、その扱胴回転方向の下手側に位置する下手側連結部分61Caの扱胴回転方向での最少長さL1が、その扱胴回転方向の上手側に位置する上手側連結部分61Cbの扱胴回転方向での長さL2よりも長くなるように形成されている。また、その下手側連結部分61Caにおける扱胴回転方向下手側の端縁から、その下手側連結部分61Caの各貫通孔61Dまでの長さL3が、その上手側連結部分61Cbにおける扱胴回転方向上手側の端縁から、その上手側連結部分61Cbの各貫通孔61Dまでの長さL4よりも長くなるように形成されている。
【0085】
つまり、第2筒状部52の外周面に接合され、かつ、扱胴回転方向の下手側に位置することにより、扱き処理時における刈取穀稈の稈身や穀粒などの処理物との接触抵抗が大きくなる蓋体61の下手側連結部分61Caを、その扱胴回転方向下手側の端縁から各貫通孔61Dまでの長さL3が極力長くなるように形成することにより、刈取穀稈の稈身や穀粒などの処理物との接触による摩耗が下手側連結部分61Caの各貫通孔61Dに達するまでに要する時間が極力長くなるようにしている。これにより、下手側連結部分61Caの摩耗による蓋体61の交換頻度を低くすることができる。
【0086】
第2筒状部52において、前後の開口52G,52Hは、第2筒状部52における両端部52A,52Bの重合箇所の近くに形成されている。また、前述したように、第2筒状部52の第1補強リブ55と第4補強リブ58との間に、第2補強リブ56と第3補強リブ57とを挟むように形成されている。
【0087】
これにより、第1扱胴部16の点検口59,60となる前後の開口52G,52Hを、手や工具などを差し入れ易い大きい開口面積を有するように形成しながらも、第2筒状部52における両端部52A,52Bの重合により得られる補強効果や、各補強リブ55〜58による補強効果などにより、第2筒状部52における強度の低下を効果的に抑制することができる。
【0088】
蓋体61には、第1扱胴部16の各点検口59,60を塞ぐ際に、第2筒状部52の第2補強リブ56と第3補強リブ57とにそれぞれ外嵌する4本の突条61E〜61Hが形成されている。また、前述したように、蓋体61においては、前後の蓋部61A,61Bが凹入形成されている。
【0089】
つまり、蓋体61は、前後の蓋部61A,61Bを凹入形成することにより得られる補強効果や、4本の突条61E〜61Hを形成することにより得られる補強効果などにより、効果的に補強されている。
【0090】
これにより、第1扱胴部16の各点検口59,60を蓋体61により塞いだ状態では、前述した第2筒状部52における補強効果と、蓋体61における補強効果との相乗効果により、第1扱胴部16として高い強度を確保することができる。
【0091】
図4に示すように、第1扱胴部16における第2筒状部52の内面には、第1扱胴部16の回転バランスを安定させるためのバランスウエイト63が装備されている。これにより、第2筒状部52における両端部52A,52Bの重合箇所や、前後の蓋体61の存在にかかわらず、第1扱胴部16を、回転バランスが安定した良好な状態で回転駆動させることができる。
【0092】
なお、第1扱胴部16に、開口面積の大きい単一の点検口、または、3つ以上の点検口を形成するようにしてもよい。また、各点検口を個別に塞ぐ複数の蓋体を備えるようにしてもよい。
【0093】
図1に示すように、揺動選別機構25において、チャフシーブ34は開度調節可能に構成されている。チャフシーブ34の上方には、チャフシーブ34に堆積する処理物の層厚を選別処理量として検出する処理量センサ64が配備されている。
【0094】
図示は省略するが、チャフシーブ34は、処理量センサ64の検出に基づく制御装置の制御作動により、チャフシーブ34の開度調節用として備えた電動モータの作動が制御されることにより、その開度が、選別処理量が多い場合に大きくなり、選別処理量が少ない場合に小さくなるように構成されている。
【0095】
図1、図12および図13に示すように、揺動選別機構25において、第1ストローラック35および第2ストローラック36は、第1ストローラック35および第2ストローラック36は、シーブケース31に左右向きに架設した支持部材35A,36Aと、左右方向に所定間隔を隔てるように支持部材35A,36Aに片持ち支持された複数の鋸歯状のラック板35B,36Bにより構成されている。また、第1ストローラック35および第2ストローラック36は、その処理物搬送方向の下手側となる後部側ほど上方に位置する後上がりの傾斜姿勢で装備されている。第1ストローラック35と第2ストローラック36とは、第1ストローラック35の後端部の下方に第2ストローラック36の前端部が位置するように、また、第1ストローラック35の後端部と第2ストローラック36の前端部との間に、上下方向に所定間隔を隔てる隙間を有するように配置設定されている。この隙間には、主唐箕26および第2副唐箕28からの選別風が通るように構成されている。
【0096】
これにより、処理物が第1ストローラック35の後端部から第2ストローラック36の前端部に向けて流下する際に、主唐箕26および第2副唐箕28からの選別風により、その処理物に含まれる比重の軽い切れワラやワラ屑などを排塵口39に向けて風力搬送することができる。その結果、第2ストローラック36で篩い選別される処理物における切れワラやワラ屑などの含有量が低下し、穀粒が第2ストローラック36から漏下し易くなることから、第2ストローラック36での処理物からの穀粒の篩い選別をより効率良く行うことができる。
【0097】
図1および図12〜14に示すように、排塵ファン30の下方には、排塵口39の開度を変更する開閉板65が備えられている。シーブケース31の後端には、第2ストローラック36などで搬送される処理物の排塵口39への流動を制限する規制板66が装備されている。
【0098】
図12および図13に示すように、開閉板65は、下部ケース1に相対回動可能に支持された左右向きの回転軸67に、この回転軸67を支点にして揺動するように連結されている。開閉板65の遊端部には、コの字状に屈曲形成された複数のピアノ線68が左右方向に所定間隔を隔てて整列配備されている。回転軸67は、その左端部が下方に向かうように屈曲形成され、その左端部にウエイト69が位置調節可能に螺着されている。そして、開閉板65は、ウエイト69が垂下する状態では、開閉板65の垂直姿勢に対して所定角度の開き角(例えば25度)をもって後方側に揺動変位した基準姿勢となるように姿勢設定されている。
【0099】
開閉板65は、樹脂製で、その重量が180g以下に設定されている。このように、開閉板65を軽量に構成することにより、主唐箕26や第2副唐箕28からの選別風の風量に応じて、開閉板65が回転軸67を支点にして揺動し、排塵口39の開度が変更される。
【0100】
具体的に説明すると、開閉板65は、主唐箕26の風量が最大になる状態には、排塵ファン30の近くまで揺動変位し、排塵口39を大きく開放する。この状態から、主唐箕26の風量が徐々に低下すると、それに伴って、開閉板65が徐々に下降揺動し、排塵口39の開度が徐々に小さくなる。そして、唐箕風量がゼロになると、開閉板65が前述した基準姿勢となり、排塵口39の開度が最小になる。
【0101】
そして、主唐箕26や第2副唐箕28からの選別風により排塵口39に向けて搬送された処理物が開閉板65に当たると、分散し、その処理物に含まれた比重の大きい穀粒が揺動選別機構25に向けて流下し、比重の小さい切れワラやワラ屑などが選別風に乗って、揺動選別機構25と開閉板65との間を通って排塵口39から機外に排出される。
【0102】
これにより、穀粒が切れワラやワラ屑などとともに排塵口39から機外に排出される3番ロスの発生を効果的に抑制することができる。
【0103】
また、選別処理量が多く、選別領域内において大量の切れワラやワラ屑などが散乱する場合には、選別処理量の増大に伴って多くなる唐箕風量により、開閉板65の開き角が大きくなり、排塵口39が大きく開放されることから、切れワラやワラ屑などを排塵口39から速やかに機外に排出することができる。
【0104】
これにより、大量の切れワラやワラ屑などが揺動選別機構25に向けて舞い落ちることによる選別精度の低下を防止することができる。
【0105】
図14に示すように、規制板66は、シーブケース31の後端部にボルト連結される連結部66Aと、連結部66Aの上端から後方に向けて傾倒する傾斜部66Bとを有するように屈曲形成されている。また、規制板66は、その上下両端部を後方に向けて折り曲げることにより、長手方向となる左右方向の強度が確保されている。連結部66Aには、規制板66のシーブケース31から上方への延出長さの調節を可能にする複数の連結孔66Cが上下3段に形成されている。
【0106】
そして、規制板66を、傾斜部66Bを有するように形成したことにより、規制板66を、そのシーブケース31から上方への延出長さが長くなるようにシーブケース31に取り付けても、この規制板66が、選別風により切れワラやワラ屑などを排塵口39から排出する際に抵抗になり難いようになっている。
【0107】
これにより、規制板66を、そのシーブケース31から上方への延出長さが長くなるようにシーブケース31に取り付けることができ、規制板66において、処理物中に含まれる比重の大きい穀粒を受け止める面積を大きく確保することができ、穀粒が切れワラやワラ屑などとともに排塵口39から機外に排出される3番ロスの発生を効果的に抑制することができる。
【0108】
規制板66の傾斜部66Bには、穀粒の通過を抑制し、ワラ屑などの通過を許容する多数のスリット66Dが左右方向所定間隔を隔てて整列形成されている。
【0109】
これにより、ワラ屑などの排塵口39からの排出を促進させるようにしながら、穀粒が排塵口39から機外に排出される3番ロスの発生を抑制することができる。
【0110】
シーブケース31の後端部には、規制板取り付け用の3本のボルト70が後方に向けて延出するように溶接され、これらのボルト70には、規制板取り付け用の蝶ナット71が螺合されている。
【0111】
つまり、規制板66は、蝶ナット71による連結を解除することにより、そのシーブケース31から上方への延出長さを3段階に調節することができる。これにより、穀粒量や穀粒の種類などに応じた規制板66のシーブケース31から上方への延出長さの調節を容易に行える。また、穀粒の種類などに応じた規制板66の交換なども容易に行える。
【0112】
なお、各連結孔66Cを、上下方向に延びる長孔に形成して、規制板66のシーブケース31から上方への延出長さの調節を無段階で行えるようにしてもよい。また、この実施形態では、開閉板65と規制板66とを併用する構成を例示したが、いずれか一方のみを使用するように構成してもよい。
【0113】
図1および図15に示すように、挟持搬送機構6の後方には、扱き処理後の刈取穀稈(排ワラ)を受け取るガイド杆72と、ガイド杆72に沿って排ワラを後方の排ワラ処理部(図示せず)に向けて搬送する排ワラ搬送装置73が配備されている。
【0114】
排ワラ搬送装置73は、その後部側に設けた横向きの支軸74を支点した上下揺動が可能となるように下部ケース1に装備されている。上部ケース2には、上部ケース2を閉じ姿勢に切り換えた場合に、排ワラ搬送装置73の上下揺動を阻止するストッパ75が備えられている。
【0115】
これにより、ガイド杆72と排ワラ搬送装置73との間において排ワラが詰まった場合には、上部ケース2を開き姿勢に切り換えるとともに、詰まった穀稈からの反力により、排ワラ搬送装置73が支軸74を支点して揺動する。その結果、ガイド杆72と排ワラ搬送装置73との間に詰まった排ワラを容易に取り除くことができる。
【0116】
なお、図15における符号76は下部ケース1に備えた固定ガイドであり、図15における符号77は排ワラ搬送装置73に備えたガイドレールであり、これらの案内作用により、排ワラ搬送装置73の支軸74を支点した揺動が安定して行われる。
【0117】
図示は省略するが、主唐箕26は、処理量センサ64の検出に基づく制御装置の制御作動により、主唐箕26の回転駆動速度を変更する電動式の変速機構の作動が制御されることにより、選別処理量が多い場合に選別風量が多くなり、選別処理量が少ない場合に選別風量が少なくなるように構成されている。
【0118】
なお、主唐箕26からの選別風量の調節を人為操作で行うように構成してもよい。また、主唐箕26からの選別風量の調節を、主唐箕26の回転駆動速度の変更ではなく、主唐箕26を覆うカバーに形成した開口の開度調節で行うように構成してもよい。
【0119】
〔別実施形態〕
【0120】
〔1〕脱穀装置としてはハーベスタに搭載されるものであってもよい。また、第1副唐箕27および第2副唐箕28を備えていないものであってもよい。
【0121】
〔2〕ガイド板47としては、3枚以上の板体48,49を刈取穀稈の搬送方向に沿って整列配置することにより構成されたものであってもよい。
【0122】
〔3〕図16に示すように、ガイド板47を構成する各板体48,49としては、複数の凹部48B,49Bが形成されていないものであってもよい。
【0123】
〔4〕図17に示すように、ガイド板47を構成する各板体48,49としては、ゴム板などの弾性変形可能な樹脂製で、かつ、複数の凹部48B,49Bに代えて複数のスリット48D,49Dが形成されたものであってもよい。この構成によると、各板体48,49に複数の凹部48B,49Bを形成した場合に生じる虞のある、各凹部48B,49Bから刈取穀稈の株元側への穀粒の流下を阻止することができる。
【0124】
〔5〕ガイド板47を構成する各板体48,49としては、板金製のものであってもよく、また、帆布などに樹脂コーティングを施して構成されたものであってもよい。
【0125】
〔6〕図18に示すように、ガイド板47を構成する各板体48,49としては、突き合わせられる前側の板体48の後端縁48Aと後側の板体49の前端縁49Aとが、それぞれ、その下端側ほど後方に位置する傾斜縁となるように形成したものであってもよい。このように構成すると、挟持搬送機構6により搬送される刈取穀稈の株元側が前後に隣接する板体48,49の間に入り込むことをより確実に回避することができ、その入り込みに起因した、刈取穀稈の搬送詰まりや刈取穀稈の搬送姿勢(脱穀姿勢)の乱れを効果的に抑制することができ、その搬送詰まりや搬送姿勢の乱れによる脱穀性能の低下などを効果的に防止することができる。
【0126】
〔7〕ガイド板47を、上唇板14(上部ケース2)の内側面に取り付けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明に係る脱穀装置の脱穀部構造は、自脱形コンバインやハーベスタなどに適用することができる。
【符号の説明】
【0128】
2 上部ケース
6 挾持搬送機構
9 扱胴
16 第1扱胴部
17 第2扱胴部
20 扱歯
47 ガイド板
48 板体(前側)
48A 後端縁
48B 凹部
49 板体(後側)
49A 前端縁
49B 凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、刈取穀稈の株元側を挟持して刈取穀稈を搬送する挾持搬送機構と、回転駆動されることにより、前記挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の穂先側に扱き処理を施す扱胴と、前記扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を前記扱胴に向けて案内するガイド板とを備えた脱穀装置の脱穀部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなガイド板は、扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を扱胴に向けて案内することにより、その穀粒が挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の株元側に入り込む所謂ささり粒の発生を防止するためのものであり、これにより、扱き処理により得られた穀粒が、ささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞を防止することができ、穀粒回収効率の向上を図ることができる。
【0003】
ところで、従来のガイド板(ささり粒防止体)としては、挾持搬送機構(フィードチェーンユニット)の挟持レールに上下スライド可能に支持された1枚のプレートにより構成されたものや、挟持レールに上下スライド可能に支持された複数のプレートにより構成されたものがあり、ガイド板を複数のプレートにより構成する場合には、各プレートを、前後に隣接するプレートの間に隙間を有するように配備することが考えられていた(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−14604号公報(段落番号0023〜0032、図3〜9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガイド板を1枚のプレートにより構成すると、ガイド板に変形や欠損あるいは長期の使用による摩耗が生じた場合には、ガイド板の全体を交換する必要があることから、経済性の面で改善の余地がある。
【0006】
ガイド板を複数のプレートにより構成すると、ガイド板に変形や欠損あるいは長期の使用による摩耗が生じた場合には、その変形や欠損などが生じたプレートのみを交換することができ、ガイド板の全体を交換する必要がないことから、経済性の面で有利になる。
【0007】
その反面、前述したように、隣接する前後のプレート間に隙間を有することにより、その隙間を通って刈取穀稈の株元側に漏れ落ちる穀粒が、ささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される可能性が高くなり、その分、穀粒回収効率の低下を招くことになる。
【0008】
また、挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の株元側がプレート間に隙間に入り込むことに起因した、刈取穀稈の搬送詰まりや刈取穀稈の搬送姿勢(脱穀姿勢)の乱れによる脱穀性能の低下などを招き易くなる。
【0009】
本発明の目的は、ガイド板に変形や欠損などが生じた場合の対処を経済的に行えるようにしながら、ささり粒による穀粒回収効率の低下を防止するとともに、脱穀性能の低下などを効果的に抑制できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明のうちの請求項1に記載の発明では、
刈取穀稈の株元側を挟持して刈取穀稈を搬送する挾持搬送機構と、回転駆動されることにより、前記挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の穂先側に扱き処理を施す扱胴と、前記扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を前記扱胴に向けて案内するガイド板とを備え、
前記ガイド板を、前記挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈に対する上方の位置に、前記刈取穀稈の搬送方向に沿って整列配置される複数の板体で構成し、
複数の前記板体を、前後に隣接する前側の板体の後端縁と後側の板体の前端縁とが接するように突き合わせ配置してあることを特徴とする。
【0011】
この特徴構成によると、扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒をガイド板により扱胴に向けて案内することができる。また、ガイド板を構成する複数の板体を前後方向に突き合わせ配置することにより、前後に隣接する板体の間から刈取穀稈の株元側に向けて穀粒が漏れ落ちる虞を効果的に防止することができるとともに、挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の株元側が、前後に隣接する板体の間に入り込む虞を効果的に抑制することができる。
【0012】
これにより、扱き処理により得られた穀粒が、挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の株元側に入り込むささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞をより確実に防止することができる。
【0013】
また、挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の株元側が前後に隣接する板体の間に入り込むことに起因した、刈取穀稈の搬送詰まりや刈取穀稈の搬送姿勢(脱穀姿勢)の乱れを効果的に抑制することができ、その搬送詰まりや搬送姿勢の乱れによる脱穀性能の低下などを効果的に防止することができる。
【0014】
さらに、ガイド板に変形や欠損などが生じた場合には、ガイド板の全体を交換しなくても、その変形や欠損などが生じた箇所の板体のみを交換することにより対処することができる。
【0015】
従って、ガイド板に変形や欠損などが生じた場合の対処を経済的に行えるようにしながら、ささり粒による穀粒回収効率の低下を防止することができる上に、脱穀性能の低下などを効果的に抑制することができる。
【0016】
本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、
前記ガイド板を、その扱胴側の端部が、前記扱胴の回転に伴って前記扱胴に備えた扱歯の先端が描く回転軌跡の内側に入り込むように形成するとともに、その扱胴側の端部に、前記扱歯の通過を許容する凹部を形成してあることを特徴とする。
【0017】
この特徴構成によると、ガイド板と扱歯との干渉による破損を招くことなく、扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を、ガイド板により、より確実に扱胴に向けて案内することができる。これにより、扱き処理により得られた穀粒がささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞をより確実に防止することができる。
【0018】
従って、ささり粒による穀粒回収効率の低下をより効果的に防止することができる。
【0019】
本発明のうちの請求項3に記載の発明では、上記請求項1または2に記載の発明において、
前記ガイド板を、その前端が前記扱胴の前端よりも後方側に位置するように配備してあることを特徴とする。
【0020】
この特徴構成によると、ガイド板を、その前端が扱胴の前端と同じ前後位置に位置するように配備する場合や、その前端が扱胴の前端よりも前方側に位置するように配備する場合に比較して、挟持搬送機構により扱胴の扱き処理領域内に供給される刈取穀稈が、ガイド板との接触により、扱胴の扱き処理領域内に供給され難くなる虞を抑制することができる。
【0021】
また、扱胴の前端側では、扱き処理によって得られる穀粒が少なく、扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒量も少ないことから、ガイド板を、その前端が扱胴の前端よりも後方側に位置するように配備しても、扱き処理により得られた穀粒がささり粒となる可能性が低くなる。しかも、その前端側においてささり粒が発生しても、扱胴の前端側以外の大半を占める扱胴部分の扱き処理により、ささり粒を刈取穀稈の株元側からほぐし落とすことができる。
【0022】
従って、ガイド板を合理的に配備することにより、ささり粒による穀粒回収効率の低下を招くことなく、扱き処理始端部でのガイド板との接触に起因した刈取穀稈の搬送詰まりや刈取穀稈の搬送姿勢(脱穀姿勢)の乱れを抑制することができ、その搬送詰まりや搬送姿勢の乱れによる脱穀性能の低下など防止することができる。
【0023】
本発明のうちの請求項4に記載の発明では、上記請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、
前記扱胴を、その前部側を形成する第1扱胴部と後部側を形成する第2扱胴部とを有する前後2分割構造で、かつ、前記第1扱胴部の回転速度よりも前記第2扱胴部の回転速度が速くなるように構成してあることを特徴とする。
【0024】
この特徴構成によると、第1扱胴部が比較的低速で回転駆動されることにより、第1扱胴部での扱き処理による切れワラやワラ屑などの発生を抑制することができる。これにより、扱き処理領域の上手側において発生する切れワラやワラ屑などによって扱き処理による穀粒の単粒化が阻害されることや、扱き処理後の処理物に含まれるワラ屑などが多くなることを抑制することができる。
【0025】
また、第2扱胴部が比較的高速で回転駆動されることにより、ガイド板で案内されることによって刈取穀稈の穂先側に入り込んだ穀粒を効果的にほぐし落とすことができる。これにより、扱き処理により得られた穀粒が脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞を効果的に防止することができる。
【0026】
従って、扱き処理による穀粒の単粒化の促進や、扱き処理後の選別処理における選別効率や選別精度の向上を図れる上に、ささり粒による穀粒回収効率の低下をより効果的に防止することができる。
【0027】
本発明のうちの請求項5に記載の発明では、上記請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、
前記ガイド板を、その後端が前記扱胴の後端よりも後方側に位置するように配備してあることを特徴とする。
【0028】
この特徴構成によると、扱胴の後端側や扱胴の後方側においても、扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を、ガイド板によって確実に扱胴に向けて案内することができる。これにより、扱き処理により得られた穀粒が、扱き処理領域の終端部において、挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の株元側に入り込む虞を防止することができる。
【0029】
特に、この特徴構成を上記請求項4に記載の発明に適用すると、第2扱胴部の回転速度が速くなることによって第2扱胴部と連れ回り易くなる穀粒を、ガイド板によって確実に扱胴に向けて案内することができる。
【0030】
従って、扱き処理領域の終端部でのささり粒による穀粒回収効率の低下を確実に防止することができる。
【0031】
本発明のうちの請求項6に記載の発明では、上記請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、
前記ガイド板を、前記扱胴を覆う上部ケースの外側面に取り付けてあることを特徴とする。
【0032】
この特徴構成によると、ガイド板を上部ケースの内側面に取り付ける場合に比較して、扱き処理により得られた処理物との接触によるガイド板の摩耗を抑制することができる。また、ガイド板を上部ケースの内側面に取り付ける場合に招く虞のある、ガイド板の上縁部に穀粒が衝突することによる穀粒の損傷や、ガイド板と上部ケースとの間への切れワラの部分的な入り込みなどを未然に回避することができる。
【0033】
従って、ガイド板の耐久性や穀粒品質の向上を図ることができるとともに、ガイド板と上部ケースとの間に部分的に入り込んだ切れワラなどが扱き処理に悪影響を及ぼすことによる処理能力の低下を未然に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】脱穀装置の縦断側面図である。
【図2】脱穀装置の要部の縦断背面図である。
【図3】ガイド板の構成を示す要部の側面図である。
【図4】ガイド板の構成を示す要部の横断平面図である。
【図5】第1扱胴部の縦断側面図である。
【図6】第1扱胴部の縦断背面図である。
【図7】第2筒状部と蓋体の構成を示す要部の平面図である。
【図8】第2筒状部と蓋体の構成を示す要部の要部の展開縦断背面図である。
【図9】第2筒状部と蓋体の構成を示す要部の縦断背面図である。
【図10】第2筒状部の展開形状を示す平面図である。
【図11】蓋体の形状を示す平面図である。
【図12】排塵口の開閉構造を示す要部の縦断側面図である。
【図13】排塵口の開閉構造を示す要部の縦断背面図である。
【図14】規制板の構成を示す要部の縦断背面図である。
【図15】排ワラ搬送装置の構成を示す概略側面図である。
【図16】各板体に凹部を形成しない別実施形態を示す要部の側面図である。
【図17】各板体にスリットを形成した別実施形態を示す要部の横断平面図である。
【図18】各板体の接合縁を傾斜させた別実施形態を示す要部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、本発明にかかる脱穀装置の脱穀部構造を自脱形コンバインの脱穀装置に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0036】
図1は自脱形コンバインに搭載される脱穀装置の縦断側面図である。この図に示すように、脱穀装置は、車体フレーム(図示せず)の左半部に搭載された下部ケース1、および、その下部ケース1に開閉操作可能に連結された上部ケース2、などにより処理空間が形成されている。
【0037】
図1および図2に示すように、処理空間には、刈取穀稈の穂先側に脱穀処理を施す脱穀部3、脱穀処理により得られた処理物に選別処理を施す選別部4、および、選別処理により得られた穀粒などを回収する回収部5、などが備えられている。
【0038】
脱穀部3は、その左側部に配備した挟持搬送機構6、下部ケース1の上部側に着脱可能に敷設した受網7、および、前後向きの支軸8を支点にした背面視左回りでの回転が可能となるように上部ケース2に備えた扱胴9、などにより構成されている。
【0039】
挟持搬送機構6は、下部ケース1に備えた突起付きの無端回動チェーンからなるフィードチェーン10、上部ケース2に装備したレール台11、レール台11に上下変位可能に支持された挟持レール12、および、挟持レール12をフィードチェーン10に向けて下降付勢する複数の押しバネ13、などにより構成されている。
【0040】
そして、挟持搬送機構6は、フィードチェーン10が図外のエンジンからの動力で回動駆動されることにより、図外の刈取搬送装置により刈取搬送された刈取穀稈の株元側を、刈取搬送装置から受け取るとともに、フィードチェーン10と挟持レール12との間に挟持して後方に向けて搬送する。この挟持搬送により、刈取穀稈の穂先側が、下部ケース1の下唇板1Aと上部ケース2の上唇板14との間に形成された扱口15から受網7と扱胴9との間に供給される。
【0041】
受網7は、扱胴9の外周に沿って湾曲する円弧状に形成され、かつ、扱胴9の周方向に2分割可能に構成された格子状のコンケーブ受網であり、扱胴9の下部側を覆うように配置設定されている。
【0042】
扱胴9は、前後向きの支軸8に、扱胴9の大部分を形成する前部側の第1扱胴部16と、扱胴9の後端部を形成する後部側の第2扱胴部17とを相対回転可能に装備して構成された前後2分割構造である。そして、扱胴9は、各扱胴部16,17がエンジンからの動力で支軸8を支点にして背面視左回りに回転駆動されることにより、挟持搬送機構6の挾持搬送により受網7と扱胴9との間に供給された刈取穀稈の穂先側に扱き処理を施す。
【0043】
第1扱胴部16は、ドラム状に形成した扱胴本体18や、扱胴本体18の周壁に突設した複数の扱歯19,20、などにより構成されている。第2扱胴部17は、ドラム状に形成した扱胴本体21や、扱胴本体21の周壁に突設した複数の扱歯20、などにより構成されている。扱歯19,20のうち、第1扱胴部16の前端部に突設した扱歯19は整そ歯である。第1扱胴部16の前端部以外の部分と第2扱胴部17とに突設した扱歯20は並歯である。
【0044】
第1扱胴部16は、ベルトテンション式の第1伝動機構22などを介して伝達されるエンジンからの動力により、支軸8を支点にして第2扱胴部17よりも遅い回転速度で背面視左回りに回転駆動される。第2扱胴部17は、ベルトテンション式の第2伝動機構23などを介して伝達されるエンジンからの動力により、支軸8を支点にして第1扱胴部16よりも速い回転速度で背面視左回りに回転駆動される。
【0045】
このように、第1扱胴部16を比較的に遅い回転速度で回転駆動することにより、第1扱胴部16での扱き処理による切れワラやワラ屑などの発生を抑制することができる。これにより、扱き処理領域の上手側において発生する切れワラやワラ屑などによって扱き処理による穀粒の単粒化が阻害されることや、扱き処理後の処理物に含まれるワラ屑などが多くなることを抑制することができる。その結果、扱き処理による穀粒の単粒化の促進や、扱き処理後の選別処理における選別効率や選別精度の向上を図ることができる。
【0046】
また、第2扱胴部17を比較的に速い回転速度で回転駆動することにより、扱き処理領域の終端側において、より効果的な扱き処理を刈取穀稈の穂先側に施すことができるとともに、刈取穀稈の穂先側をより効果的にほぐすことができる。これにより、扱き残しを効果的に抑制することができるとともに、扱き処理により得られた穀粒が刈取穀稈に入り込むささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞を効果的に防止することができる。その結果、ささり粒による穀粒回収効率の低下を防止することができる。
【0047】
上述した扱胴9の扱き処理により得られた処理物は、受網7から選別部4に向けて漏下し、受網7から漏下しなかった処理物は、受網7の後方に形成した送塵口24から選別部4に排出される。
【0048】
選別部4は、脱穀部3からの処理物に篩い選別処理を施す揺動選別機構25、脱穀部3からの処理物に風力選別処理を施す主唐箕26と第1副唐箕27と第2副唐箕28、送塵口24からの処理物などに作用する拡散胴29、および、風力選別処理により吹き上げられたワラ屑などの塵埃を吸引して車外に排出する排塵ファン30、などにより構成されている。
【0049】
揺動選別機構25は、平面視矩形状に形成された枠状のシーブケース31を備え、そのシーブケース31の上部側には、粗選別用の第1グレンパン32、粗選別用の第2グレンパン33、粗選別用のチャフシーブ34、粗選別用の第1ストローラック35、および、粗選別用の第2ストローラック36、などが配備されている。シーブケース31の底部には、精選別用のグレンシーブ37が配備されている。シーブケース31の後部には、エンジンからの動力によりシーブケース31を揺動駆動する偏心カム式の駆動部38が装備されている。
【0050】
そして、揺動選別機構25は、エンジンからの動力で揺動駆動されることにより、脱穀部3からの処理物に篩い選別処理を施し、この篩い選別処理により、単粒化した穀粒などを漏下させる一方で、漏下しなかった切れワラやワラ屑などを脱穀装置の後端部に形成した排塵口39に向けて搬送する。
【0051】
主唐箕26は、左右向きの軸心周りでの回転が可能となるように下部ケース1の前下部に装備され、選別処理量に応じた風量調節が可能となるように構成されている。そして、主唐箕26は、エンジンからの動力で左右向きの軸心を支点して回転駆動されることにより、グレンシーブ37の前下方から排塵ファン30や排塵口39に向けて流動する選別風を生起し、この選別風により、グレンシーブ37により精選別される処理物に含まれた比重の軽い切れワラやワラ屑などを排塵ファン30や排塵口39に向けて風力搬送する。
【0052】
第1副唐箕27は、左右向きの軸心周りでの回転が可能となるように下部ケース1の前端部に装備されている。そして、第1副唐箕27は、エンジンからの動力で左右向きの軸心を支点して回転駆動されることにより、第1グレンパン32とチャフシーブ34との間から排塵ファン30や排塵口39に向けて流動する選別風を生起し、この選別風により、チャフシーブ34に向けて流下する処理物に含まれた比重の軽い切れワラやワラ屑などを排塵ファン30や排塵口39に向けて風力搬送する。
【0053】
第2副唐箕28は、左右向きの軸心周りでの回転が可能となるように下部ケース1の後下部に装備されている。そして、第2副唐箕28は、エンジンからの動力で左右向きの軸心を支点して回転駆動されることにより、第1ストローラック35や第2ストローラック36を通って排塵ファン30や排塵口39に向けて流動する選別風を生起し、この選別風により、第1ストローラック35や第2ストローラック36により篩い選別される処理物に含まれた比重の軽い切れワラやワラ屑などを排塵ファン30や排塵口39に向けて風力搬送する。
【0054】
拡散胴29は、左右向きの軸心周りでの回転が可能となるように上部ケース2の後上部に装備されている。そして、拡散胴29は、エンジンからの動力で左右向きの軸心を支点して回転駆動されることにより、第2グレンパン33から第1ストローラック35に向けて搬送される処理物をほぐして、その処理物に含まれる単粒化穀粒や未脱穀粒などの第1ストローラック35や第2ストローラック36などからの漏下を促進させる。
【0055】
排塵ファン30は、左右向きの軸心周りでの回転が可能となるように上部ケース2の後上部に装備されている。そして、排塵ファン30は、エンジンからの動力で左右向きの軸心を支点して回転駆動されることにより、選別風により風力搬送されたワラ屑などの塵埃を吸引して排塵口39から機外に排出する。
【0056】
これにより、選別部4においては、脱穀部3からの処理物を、グレンシーブ37から漏下する1番物としての単粒化穀粒と、グレンシーブ37の後方に供給される2番物としての未脱穀粒や切れワラなどが混在する混在物と、排塵口39から機外に排出される3番物としての切れワラやワラ屑などとに精度良く選別することができる。
【0057】
回収部7は、グレンシーブ37から漏下した単粒化穀粒を回収するようにグレンシーブ37の下方に形成した1番回収部40、および、グレンシーブ37の後方に供給された混在物を回収するようにグレンシーブ37の後方に形成した2番回収部41、などにより構成されている。1番回収部40の底部には、エンジンからの動力で左右向きの軸心周りに回転駆動されることにより、1番回収部40に回収された単粒化穀粒を右方に向けて搬送する1番スクリュー42が配備されている。2番回収部41の底部には、エンジンからの動力で左右向きの軸心周りに回転駆動されることにより、2番回収部41に回収された混在物を右方に向けて搬送する2番スクリュー43が配備されている。
【0058】
1番スクリュー42の右端部には、1番スクリュー42との連動により、1番スクリュー42により搬送された単粒化穀粒を揚送して図外の穀粒タンクに供給する揚送コンベヤ44が連接されている。2番スクリュー43の右端部には、2番スクリュー43との連動により、2番スクリュー43により搬送された混在物に扱き処理を施す2番処理銅45と、2番処理銅45による扱き処理後の混在物を選別部4に還元する2番還元スクリュー46とが連接されている。
【0059】
図1〜4に示すように、上唇板14には、扱胴9の回転に伴って扱胴9の上部から刈取穀稈の株元側に向けて流下する穀粒などを扱胴9に向けて案内するガイド板47が装備されている。
【0060】
これにより、扱き処理により得られた穀粒が、挟持搬送機構6により搬送される刈取穀稈の株元側に入り込むささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞を防止することができる。
【0061】
ガイド板47は、挟持搬送機構6により挟持搬送される刈取穀稈に対する上方の位置に、刈取穀稈の搬送方向に沿って前後に整列配備した2枚の板体48,49により構成されている。2枚の板体48,49は、樹脂製で、前側の板体48の後端縁48Aと後側の板体49の前端縁49Aとが接するように突き合わせ配置されている。
【0062】
これにより、扱胴9の回転に伴って扱胴9の上部から刈取穀稈の株元側に向けて流下する穀粒が、2枚の板体48,49の間から刈取穀稈の株元側に向けて漏れ落ちる虞を防止することができる。その結果、その漏れ落ちに起因したささり粒の発生を防止することができ、そのささり粒により、穀粒が脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞を防止することができる。
【0063】
また、挟持搬送機構6により搬送される刈取穀稈の株元側が、2枚の板体48,49の間に入り込むことを抑制することができる。その結果、その入り込みに起因した、刈取穀稈の搬送詰まりや刈取穀稈の搬送姿勢(脱穀姿勢)の乱れを効果的に抑制することができ、その搬送詰まりや搬送姿勢の乱れによる脱穀性能の低下などを防止することができる。
【0064】
しかも、ガイド板47に変形や欠損などが生じた場合には、ガイド板47の全体を交換しなくても、その変形や欠損などが生じた箇所の板体48,49のみを交換することにより対処することができる。
【0065】
各板体48,49は、それらの上端部が上唇板14と押さえ板50との間に挟み込まれるように、上唇板14の外側面に、押さえ板50とともにボルト連結されている。
【0066】
これにより、各板体48,49を上唇板14の内側面に取り付ける場合に比較して、扱き処理により得られた処理物との接触による各板体48,49の摩耗を抑制することができる。その結果、各板体48,49の耐久性を向上させることができる。
【0067】
また、各板体48,49を上唇板14の内側面に取り付ける場合に招く虞のある、各板体48,49や押さえ板50の上縁部に穀粒が衝突することによる穀粒の損傷や、各板体48,49と上唇板14との間などへの切れワラの部分的な入り込みなどを未然に回避することができる。その結果、穀粒品質の向上を図れる上に、各板体48,49と上唇板14との間などに部分的に入り込んだ切れワラなどが扱き処理に悪影響を及ぼすことによる処理能力の低下を未然に回避することができる。
【0068】
各板体48,49は、上唇板14に取り付けた状態では、それらの下端部が、上唇板14の下縁よりも下方に位置し、かつ、扱胴9の回転に伴って所定の各扱歯(並歯)20の先端が描く回転軌跡の内側に入り込むように形成されている。各板体48,49の下端部には、所定の扱歯20の通過を許容する複数の凹部48B,49Bが形成されている。
【0069】
これにより、各板体48,49と所定の各扱歯20とが干渉することによる破損を招くことなく、扱胴9の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を、ガイド板47によってより確実に扱胴9に向けて案内することができる。その結果、扱き処理により得られた穀粒がささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞をより確実に防止することができる。
【0070】
前側の板体48の前端部には、その前側ほど上方に位置して、挾持搬送機構6で搬送される刈取穀稈を下方に向けて案内する穀稈ガイド部48Cが形成されている。
【0071】
これにより、挟持搬送機構6により挾持搬送される刈取穀稈が前側の板体48まで搬送されると、穀稈ガイド部48Cの作用により、その刈取穀稈が、前側の板体48に引っ掛かることなく、前側の板体48の下方にスムーズに案内される。その結果、その引っ掛かりに起因した刈取穀稈の搬送詰まりや、刈取穀稈の搬送姿勢(脱穀姿勢)の乱れによる脱穀性能の低下などを未然に回避することができる。
【0072】
前側の板体48は、その前端が扱胴9の前端よりも後方側に位置するように配備されている。また、後側の板体49は、その後端が扱胴9の後端よりも後方側に位置するように配備されている。
【0073】
これにより、前側の板体48を、その前端が扱胴9の前端と同じ前後位置に位置するように配備する場合や、その前端が扱胴9の前端よりも前方側に位置するように配備する場合に比較して、挟持搬送機構6により扱胴9の扱き処理領域内に供給される刈取穀稈が、前側の板体48との接触により、扱胴9の扱き処理領域内に供給され難くなる虞を抑制することができる。
【0074】
また、扱胴9の前端側では、扱き処理によって得られる穀粒が少なく、扱胴9の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒量も少ないことから、前側の板体48を、その前端が扱胴9の前端よりも後方側に位置するように配備しても、扱き処理により得られた穀粒がささり粒となる可能性が低くなる。また仮に、その前端側においてささり粒が発生しても、扱胴9の前端側以外の大半を占める扱胴部分の扱き処理により、ささり粒を刈取穀稈の株元側からほぐし落とすことができる。
【0075】
しかも、第2扱胴部17の回転速度を速くすることによって第2扱胴部17と連れ回り易くなる穀粒を、後側の板体49によって確実に扱胴9に向けて案内することができる。その結果、扱き処理領域の終端部で得られた穀粒がささり粒となって脱穀処理後の刈取穀稈とともに機外に排出される虞を効果的に防止することができる。
【0076】
図1および図5〜11に示すように、第1扱胴部16の扱胴本体18は、円錐台状の第1筒状部51、第1筒状部51の後端に連結される円筒状の第2筒状部52、第1筒状部51の後端に連結される円状の前壁53、および、第2筒状部52の後端に連結される円状の後壁54、などにより構成されている。
【0077】
第2筒状部52は、一枚の板金材を円筒状に曲げ形成し、その周方向の両端部52A,52Bを、その径方向で重ね合わせて接合することにより得られた板金製である。
【0078】
第2筒状部52の前端部には、外方に向けて突出するリング状の第1補強リブ55が備えられている。第2筒状部52の前後中間部には、外方に向けて突出するリング状の第2補強リブ56と第3補強リブ57とが備えられている。第2筒状部52の後端部には、外方に向けて突出するリング状の第4補強リブ58が備えられている。各補強リブ55〜58は、第2筒状部52に使用される板金材にプレス加工を施すことにより得られた4本の突条52C〜52Fにより構成されている。
【0079】
第1扱胴部16には、前後一対の点検口59,60と、それらの点検口59,60を開閉可能に閉塞する単一の蓋体61とが備えられている。各点検口59,60は、第2筒状部52の第1補強リブ55と第4補強リブ58との間に、第2補強リブ56と第3補強リブ57とを挟むように、また、支軸8に沿って前後に接近して並ぶように形成した開口面積の大きい前後の開口52G,52Hにより構成されている。第2筒状部52における各開口52G,52Hの周囲(各開口52G,52Hの間を含む)には、ボルト連結用の複数の貫通孔52Kが形成され、複数の裏ナット62が溶接されている。
【0080】
蓋体61は、前後の点検口59,60を塞ぐ前後一対の蓋部61A,61Bが、前後の点検口59,60に内嵌するように凹入形成され、かつ、第1扱胴部16の周壁の一部となるように、第2筒状部52と同じ曲率で湾曲形成されている。そして、前後の蓋部61A,61Bには、複数の扱歯(並歯)20が突設されている。
【0081】
蓋体61における各蓋部61A,61Bの周囲(各蓋部61A,61Bの間を含む)には、第2筒状部52にボルト連結される枠状の連結部61Cが備えられている。連結部61Cは、その内面が第2筒状部52の外周面に接合するように湾曲形成されている。連結部61Cには、ボルト連結用の複数の貫通孔61Dが形成されている。
【0082】
この構成により、第2筒状部52の各貫通孔52Kと各裏ナット62および蓋体61の各貫通孔61Dを利用して、蓋体61を第2筒状部52にボルト連結することにより、蓋体61の各蓋部61A,61Bを第1扱胴部16の各点検口59,60に適切に内嵌させた状態で、第1扱胴部16の各点検口59,60を蓋体61によって塞ぐことができる。また、そのボルト連結を解除することにより、蓋体61を第2筒状部52から取り外して第1扱胴部16の各点検口59,60を開放することができる。
【0083】
このように、第2筒状部52から蓋体61を取り外し、各点検口59,60を開放することにより、蓋体61の裏面側から行う必要のある蓋体61に備えた各扱歯20の交換を、その背面側からの作業によって容易に行えるとともに、第1扱胴部16の内部から行う必要のある第1扱胴部16に備えた各扱歯19,20の交換を、その内部に向けて前後の点検口59,60から手を差し入れた作業によって容易に行える。
【0084】
蓋体61の連結部61Cは、その扱胴回転方向の下手側に位置する下手側連結部分61Caの扱胴回転方向での最少長さL1が、その扱胴回転方向の上手側に位置する上手側連結部分61Cbの扱胴回転方向での長さL2よりも長くなるように形成されている。また、その下手側連結部分61Caにおける扱胴回転方向下手側の端縁から、その下手側連結部分61Caの各貫通孔61Dまでの長さL3が、その上手側連結部分61Cbにおける扱胴回転方向上手側の端縁から、その上手側連結部分61Cbの各貫通孔61Dまでの長さL4よりも長くなるように形成されている。
【0085】
つまり、第2筒状部52の外周面に接合され、かつ、扱胴回転方向の下手側に位置することにより、扱き処理時における刈取穀稈の稈身や穀粒などの処理物との接触抵抗が大きくなる蓋体61の下手側連結部分61Caを、その扱胴回転方向下手側の端縁から各貫通孔61Dまでの長さL3が極力長くなるように形成することにより、刈取穀稈の稈身や穀粒などの処理物との接触による摩耗が下手側連結部分61Caの各貫通孔61Dに達するまでに要する時間が極力長くなるようにしている。これにより、下手側連結部分61Caの摩耗による蓋体61の交換頻度を低くすることができる。
【0086】
第2筒状部52において、前後の開口52G,52Hは、第2筒状部52における両端部52A,52Bの重合箇所の近くに形成されている。また、前述したように、第2筒状部52の第1補強リブ55と第4補強リブ58との間に、第2補強リブ56と第3補強リブ57とを挟むように形成されている。
【0087】
これにより、第1扱胴部16の点検口59,60となる前後の開口52G,52Hを、手や工具などを差し入れ易い大きい開口面積を有するように形成しながらも、第2筒状部52における両端部52A,52Bの重合により得られる補強効果や、各補強リブ55〜58による補強効果などにより、第2筒状部52における強度の低下を効果的に抑制することができる。
【0088】
蓋体61には、第1扱胴部16の各点検口59,60を塞ぐ際に、第2筒状部52の第2補強リブ56と第3補強リブ57とにそれぞれ外嵌する4本の突条61E〜61Hが形成されている。また、前述したように、蓋体61においては、前後の蓋部61A,61Bが凹入形成されている。
【0089】
つまり、蓋体61は、前後の蓋部61A,61Bを凹入形成することにより得られる補強効果や、4本の突条61E〜61Hを形成することにより得られる補強効果などにより、効果的に補強されている。
【0090】
これにより、第1扱胴部16の各点検口59,60を蓋体61により塞いだ状態では、前述した第2筒状部52における補強効果と、蓋体61における補強効果との相乗効果により、第1扱胴部16として高い強度を確保することができる。
【0091】
図4に示すように、第1扱胴部16における第2筒状部52の内面には、第1扱胴部16の回転バランスを安定させるためのバランスウエイト63が装備されている。これにより、第2筒状部52における両端部52A,52Bの重合箇所や、前後の蓋体61の存在にかかわらず、第1扱胴部16を、回転バランスが安定した良好な状態で回転駆動させることができる。
【0092】
なお、第1扱胴部16に、開口面積の大きい単一の点検口、または、3つ以上の点検口を形成するようにしてもよい。また、各点検口を個別に塞ぐ複数の蓋体を備えるようにしてもよい。
【0093】
図1に示すように、揺動選別機構25において、チャフシーブ34は開度調節可能に構成されている。チャフシーブ34の上方には、チャフシーブ34に堆積する処理物の層厚を選別処理量として検出する処理量センサ64が配備されている。
【0094】
図示は省略するが、チャフシーブ34は、処理量センサ64の検出に基づく制御装置の制御作動により、チャフシーブ34の開度調節用として備えた電動モータの作動が制御されることにより、その開度が、選別処理量が多い場合に大きくなり、選別処理量が少ない場合に小さくなるように構成されている。
【0095】
図1、図12および図13に示すように、揺動選別機構25において、第1ストローラック35および第2ストローラック36は、第1ストローラック35および第2ストローラック36は、シーブケース31に左右向きに架設した支持部材35A,36Aと、左右方向に所定間隔を隔てるように支持部材35A,36Aに片持ち支持された複数の鋸歯状のラック板35B,36Bにより構成されている。また、第1ストローラック35および第2ストローラック36は、その処理物搬送方向の下手側となる後部側ほど上方に位置する後上がりの傾斜姿勢で装備されている。第1ストローラック35と第2ストローラック36とは、第1ストローラック35の後端部の下方に第2ストローラック36の前端部が位置するように、また、第1ストローラック35の後端部と第2ストローラック36の前端部との間に、上下方向に所定間隔を隔てる隙間を有するように配置設定されている。この隙間には、主唐箕26および第2副唐箕28からの選別風が通るように構成されている。
【0096】
これにより、処理物が第1ストローラック35の後端部から第2ストローラック36の前端部に向けて流下する際に、主唐箕26および第2副唐箕28からの選別風により、その処理物に含まれる比重の軽い切れワラやワラ屑などを排塵口39に向けて風力搬送することができる。その結果、第2ストローラック36で篩い選別される処理物における切れワラやワラ屑などの含有量が低下し、穀粒が第2ストローラック36から漏下し易くなることから、第2ストローラック36での処理物からの穀粒の篩い選別をより効率良く行うことができる。
【0097】
図1および図12〜14に示すように、排塵ファン30の下方には、排塵口39の開度を変更する開閉板65が備えられている。シーブケース31の後端には、第2ストローラック36などで搬送される処理物の排塵口39への流動を制限する規制板66が装備されている。
【0098】
図12および図13に示すように、開閉板65は、下部ケース1に相対回動可能に支持された左右向きの回転軸67に、この回転軸67を支点にして揺動するように連結されている。開閉板65の遊端部には、コの字状に屈曲形成された複数のピアノ線68が左右方向に所定間隔を隔てて整列配備されている。回転軸67は、その左端部が下方に向かうように屈曲形成され、その左端部にウエイト69が位置調節可能に螺着されている。そして、開閉板65は、ウエイト69が垂下する状態では、開閉板65の垂直姿勢に対して所定角度の開き角(例えば25度)をもって後方側に揺動変位した基準姿勢となるように姿勢設定されている。
【0099】
開閉板65は、樹脂製で、その重量が180g以下に設定されている。このように、開閉板65を軽量に構成することにより、主唐箕26や第2副唐箕28からの選別風の風量に応じて、開閉板65が回転軸67を支点にして揺動し、排塵口39の開度が変更される。
【0100】
具体的に説明すると、開閉板65は、主唐箕26の風量が最大になる状態には、排塵ファン30の近くまで揺動変位し、排塵口39を大きく開放する。この状態から、主唐箕26の風量が徐々に低下すると、それに伴って、開閉板65が徐々に下降揺動し、排塵口39の開度が徐々に小さくなる。そして、唐箕風量がゼロになると、開閉板65が前述した基準姿勢となり、排塵口39の開度が最小になる。
【0101】
そして、主唐箕26や第2副唐箕28からの選別風により排塵口39に向けて搬送された処理物が開閉板65に当たると、分散し、その処理物に含まれた比重の大きい穀粒が揺動選別機構25に向けて流下し、比重の小さい切れワラやワラ屑などが選別風に乗って、揺動選別機構25と開閉板65との間を通って排塵口39から機外に排出される。
【0102】
これにより、穀粒が切れワラやワラ屑などとともに排塵口39から機外に排出される3番ロスの発生を効果的に抑制することができる。
【0103】
また、選別処理量が多く、選別領域内において大量の切れワラやワラ屑などが散乱する場合には、選別処理量の増大に伴って多くなる唐箕風量により、開閉板65の開き角が大きくなり、排塵口39が大きく開放されることから、切れワラやワラ屑などを排塵口39から速やかに機外に排出することができる。
【0104】
これにより、大量の切れワラやワラ屑などが揺動選別機構25に向けて舞い落ちることによる選別精度の低下を防止することができる。
【0105】
図14に示すように、規制板66は、シーブケース31の後端部にボルト連結される連結部66Aと、連結部66Aの上端から後方に向けて傾倒する傾斜部66Bとを有するように屈曲形成されている。また、規制板66は、その上下両端部を後方に向けて折り曲げることにより、長手方向となる左右方向の強度が確保されている。連結部66Aには、規制板66のシーブケース31から上方への延出長さの調節を可能にする複数の連結孔66Cが上下3段に形成されている。
【0106】
そして、規制板66を、傾斜部66Bを有するように形成したことにより、規制板66を、そのシーブケース31から上方への延出長さが長くなるようにシーブケース31に取り付けても、この規制板66が、選別風により切れワラやワラ屑などを排塵口39から排出する際に抵抗になり難いようになっている。
【0107】
これにより、規制板66を、そのシーブケース31から上方への延出長さが長くなるようにシーブケース31に取り付けることができ、規制板66において、処理物中に含まれる比重の大きい穀粒を受け止める面積を大きく確保することができ、穀粒が切れワラやワラ屑などとともに排塵口39から機外に排出される3番ロスの発生を効果的に抑制することができる。
【0108】
規制板66の傾斜部66Bには、穀粒の通過を抑制し、ワラ屑などの通過を許容する多数のスリット66Dが左右方向所定間隔を隔てて整列形成されている。
【0109】
これにより、ワラ屑などの排塵口39からの排出を促進させるようにしながら、穀粒が排塵口39から機外に排出される3番ロスの発生を抑制することができる。
【0110】
シーブケース31の後端部には、規制板取り付け用の3本のボルト70が後方に向けて延出するように溶接され、これらのボルト70には、規制板取り付け用の蝶ナット71が螺合されている。
【0111】
つまり、規制板66は、蝶ナット71による連結を解除することにより、そのシーブケース31から上方への延出長さを3段階に調節することができる。これにより、穀粒量や穀粒の種類などに応じた規制板66のシーブケース31から上方への延出長さの調節を容易に行える。また、穀粒の種類などに応じた規制板66の交換なども容易に行える。
【0112】
なお、各連結孔66Cを、上下方向に延びる長孔に形成して、規制板66のシーブケース31から上方への延出長さの調節を無段階で行えるようにしてもよい。また、この実施形態では、開閉板65と規制板66とを併用する構成を例示したが、いずれか一方のみを使用するように構成してもよい。
【0113】
図1および図15に示すように、挟持搬送機構6の後方には、扱き処理後の刈取穀稈(排ワラ)を受け取るガイド杆72と、ガイド杆72に沿って排ワラを後方の排ワラ処理部(図示せず)に向けて搬送する排ワラ搬送装置73が配備されている。
【0114】
排ワラ搬送装置73は、その後部側に設けた横向きの支軸74を支点した上下揺動が可能となるように下部ケース1に装備されている。上部ケース2には、上部ケース2を閉じ姿勢に切り換えた場合に、排ワラ搬送装置73の上下揺動を阻止するストッパ75が備えられている。
【0115】
これにより、ガイド杆72と排ワラ搬送装置73との間において排ワラが詰まった場合には、上部ケース2を開き姿勢に切り換えるとともに、詰まった穀稈からの反力により、排ワラ搬送装置73が支軸74を支点して揺動する。その結果、ガイド杆72と排ワラ搬送装置73との間に詰まった排ワラを容易に取り除くことができる。
【0116】
なお、図15における符号76は下部ケース1に備えた固定ガイドであり、図15における符号77は排ワラ搬送装置73に備えたガイドレールであり、これらの案内作用により、排ワラ搬送装置73の支軸74を支点した揺動が安定して行われる。
【0117】
図示は省略するが、主唐箕26は、処理量センサ64の検出に基づく制御装置の制御作動により、主唐箕26の回転駆動速度を変更する電動式の変速機構の作動が制御されることにより、選別処理量が多い場合に選別風量が多くなり、選別処理量が少ない場合に選別風量が少なくなるように構成されている。
【0118】
なお、主唐箕26からの選別風量の調節を人為操作で行うように構成してもよい。また、主唐箕26からの選別風量の調節を、主唐箕26の回転駆動速度の変更ではなく、主唐箕26を覆うカバーに形成した開口の開度調節で行うように構成してもよい。
【0119】
〔別実施形態〕
【0120】
〔1〕脱穀装置としてはハーベスタに搭載されるものであってもよい。また、第1副唐箕27および第2副唐箕28を備えていないものであってもよい。
【0121】
〔2〕ガイド板47としては、3枚以上の板体48,49を刈取穀稈の搬送方向に沿って整列配置することにより構成されたものであってもよい。
【0122】
〔3〕図16に示すように、ガイド板47を構成する各板体48,49としては、複数の凹部48B,49Bが形成されていないものであってもよい。
【0123】
〔4〕図17に示すように、ガイド板47を構成する各板体48,49としては、ゴム板などの弾性変形可能な樹脂製で、かつ、複数の凹部48B,49Bに代えて複数のスリット48D,49Dが形成されたものであってもよい。この構成によると、各板体48,49に複数の凹部48B,49Bを形成した場合に生じる虞のある、各凹部48B,49Bから刈取穀稈の株元側への穀粒の流下を阻止することができる。
【0124】
〔5〕ガイド板47を構成する各板体48,49としては、板金製のものであってもよく、また、帆布などに樹脂コーティングを施して構成されたものであってもよい。
【0125】
〔6〕図18に示すように、ガイド板47を構成する各板体48,49としては、突き合わせられる前側の板体48の後端縁48Aと後側の板体49の前端縁49Aとが、それぞれ、その下端側ほど後方に位置する傾斜縁となるように形成したものであってもよい。このように構成すると、挟持搬送機構6により搬送される刈取穀稈の株元側が前後に隣接する板体48,49の間に入り込むことをより確実に回避することができ、その入り込みに起因した、刈取穀稈の搬送詰まりや刈取穀稈の搬送姿勢(脱穀姿勢)の乱れを効果的に抑制することができ、その搬送詰まりや搬送姿勢の乱れによる脱穀性能の低下などを効果的に防止することができる。
【0126】
〔7〕ガイド板47を、上唇板14(上部ケース2)の内側面に取り付けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明に係る脱穀装置の脱穀部構造は、自脱形コンバインやハーベスタなどに適用することができる。
【符号の説明】
【0128】
2 上部ケース
6 挾持搬送機構
9 扱胴
16 第1扱胴部
17 第2扱胴部
20 扱歯
47 ガイド板
48 板体(前側)
48A 後端縁
48B 凹部
49 板体(後側)
49A 前端縁
49B 凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取穀稈の株元側を挟持して刈取穀稈を搬送する挾持搬送機構と、回転駆動されることにより、前記挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の穂先側に扱き処理を施す扱胴と、前記扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を前記扱胴に向けて案内するガイド板とを備え、
前記ガイド板を、前記挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈に対する上方の位置に、前記刈取穀稈の搬送方向に沿って整列配置される複数の板体で構成し、
複数の前記板体を、前後に隣接する前側の板体の後端縁と後側の板体の前端縁とが接するように突き合わせ配置してあることを特徴とする脱穀装置の脱穀部構造。
【請求項1】
刈取穀稈の株元側を挟持して刈取穀稈を搬送する挾持搬送機構と、回転駆動されることにより、前記挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈の穂先側に扱き処理を施す扱胴と、前記扱胴の回転に伴って刈取穀稈の株元側に流下する穀粒を前記扱胴に向けて案内するガイド板とを備え、
前記ガイド板を、前記挟持搬送機構により搬送される刈取穀稈に対する上方の位置に、前記刈取穀稈の搬送方向に沿って整列配置される複数の板体で構成し、
複数の前記板体を、前後に隣接する前側の板体の後端縁と後側の板体の前端縁とが接するように突き合わせ配置してあることを特徴とする脱穀装置の脱穀部構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−191942(P2012−191942A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−134084(P2012−134084)
【出願日】平成24年6月13日(2012.6.13)
【分割の表示】特願2007−284426(P2007−284426)の分割
【原出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月13日(2012.6.13)
【分割の表示】特願2007−284426(P2007−284426)の分割
【原出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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