説明

脱穀装置

【課題】排ワラの穂先側端部が排出口の上縁や挟持搬送機構から最も離れる一端縁に引っ掛かることに起因して、排出口の周辺において排ワラの詰まりが発生する虞を抑制する。
【解決手段】脱穀部22の一側部に配備した挟持搬送機構26により、刈取穀稈の穂先側を、脱穀部22の供給口30から扱胴28と受網29の間に供給し、脱穀部22の排出口31から排出するように構成した脱穀装置において、排出口31の上縁31Aにおける挟持搬送機構26から離れる側に位置する一端側部分31aの高さ位置が、供給口30の上縁30Aにおける挟持搬送機構26から離れる側に位置する一端側部分30aの高さ位置よりも上方に位置し、かつ、排出口31における挟持搬送機構26から最も離れる一端縁31Bが、受網29よりも挟持搬送機構26から離れた位置に位置するように、排出口31を形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀部の一側部に、刈取穀稈の株元側を挟持して刈取穀稈を横倒れ姿勢で搬送する挟持搬送機構を配備し、前記脱穀部の内部に、前記挟持搬送機構の搬送方向に沿う支軸を支点にして回転する扱胴と前記扱胴の下部側を覆う受網を備え、前記挟持搬送機構により、刈取穀稈の穂先側を、前記脱穀部の前端部に形成した供給口から前記扱胴と前記受網の間に供給し、前記脱穀部の後端部に形成した排出口から排出するように構成した脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
脱穀装置においては、脱穀部の供給口と排出口とを、それらの上縁における挟持搬送機構から離れる側に位置する一端側部分の高さ位置や、それらの挟持搬送機構から最も離れる一端縁の位置などが、同じ又は略同じになるように形成していた(例えば特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−275935号公報
【特許文献2】特開2009−5610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
脱穀部の供給口は、脱穀部の挟持搬送機構側から、受網に略沿った略円弧状で、挟持搬送機構から離れる側に向けて凹入するように形成してある。そして、供給口の形状を、その上縁においては挟持搬送機構から離れる側に位置する右端側部分が低くなるように、又、その下縁が受網の表面よりも下方に位置しないように、更に、その挟持搬送機構から最も離れる一端縁が受網よりも挟持搬送機構から離れる側に位置しないように設定することにより、刈取穀稈の穂先側が、供給口から扱胴と受網との間に円滑に移動するようにしてある。
【0005】
このように形成した供給口の上縁における挟持搬送機構から離れる側に位置する一端側部分の高さ位置や、挟持搬送機構から最も離れる一端縁の位置などが同じ又は略同じになるように排出口を形成すると、脱穀部における扱き深さを、脱穀部の内部に供給する刈取穀稈の穂先側の長さを長くする深扱きに設定すれば、扱胴と受網との間を移動してきた刈取穀稈の穂先側(排ワラの穂先側)が、受網に沿った円弧状の姿勢で扱胴と受網との間から抜け出てきた場合には、その穂先側の端部が排出口の上縁に引っ掛かり易くなり、又、扱胴と受網との間から抜け出るとともに、受網に沿った円弧状の姿勢から横倒れ姿勢に自重で戻る場合には、その穂先側の端部が、排出口における挟持搬送機構から最も離れる一端縁に引っ掛かり易くなる。
【0006】
その結果、排出口の周辺においては、排ワラの穂先側端部が排出口の上縁や挟持搬送機構から最も離れる一端縁に引っ掛かることに起因した排ワラの詰まりが発生し易くなっていた。
【0007】
本発明の目的は、排ワラの穂先側端部が排出口の上縁や挟持搬送機構から最も離れる一端縁に引っ掛かることに起因して、排出口の周辺において排ワラの詰まりが発生する虞を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における第1の課題解決手段は、
脱穀部の一側部に、刈取穀稈の株元側を挟持して刈取穀稈を横倒れ姿勢で搬送する挟持搬送機構を配備し、
前記脱穀部の内部に、前記挟持搬送機構の搬送方向に沿う支軸を支点にして回転する扱胴と前記扱胴の下部側を覆う受網を備え、
前記挟持搬送機構により、刈取穀稈の穂先側を、前記脱穀部の前端部に形成した供給口から前記扱胴と前記受網の間に供給し、前記脱穀部の後端部に形成した排出口から排出するように構成した脱穀装置において、
前記排出口の上縁における前記挟持搬送機構から離れる側に位置する一端側部分の高さ位置が、前記供給口の上縁における前記挟持搬送機構から離れる側に位置する一端側部分の高さ位置よりも上方に位置し、かつ、前記排出口における前記挟持搬送機構から最も離れる一端縁が、前記受網よりも前記挟持搬送機構から離れた位置に位置するように、前記排出口を形成してある。
【0009】
この課題解決手段によると、排出口における刈取穀稈の穂先先端側に位置する一端部の開口面積を上方及び挟持搬送機構から離れる方向に広げた状態になる。これにより、扱胴と受網との間を移動してきた刈取穀稈の穂先側(排ワラの穂先側)が、扱胴と受網との間から受網に沿った円弧状の姿勢で抜け出てきたとしても、その穂先側の端部は排出口の上縁に引っ掛かり難くなり、又、扱胴と受網との間から抜け出るとともに、受網に沿った円弧状の姿勢から横倒れ姿勢に自重で戻ったとしても、その穂先側の端部は排出口における挟持搬送機構から最も離れる一端縁に引っ掛かり難くなる。
【0010】
従って、排ワラの穂先側端部が排出口の上縁や挟持搬送機構から最も離れる一端縁に引っ掛かることに起因して、排出口の周辺において排ワラの詰まりが発生する虞を抑制することができる。
【0011】
本発明における第2の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段において、
前記脱穀部における前記挟持搬送機構を配備しない他側部側の側壁を垂直姿勢で立設し、この側壁の内面により前記排出口の前記一端縁を形成してある。
【0012】
この課題解決手段によると、排出口における刈取穀稈の穂先先端側に位置する一端部の開口面積を、挟持搬送機構から離れる方向に、より大きく広げた状態にすることができる。これにより、扱胴と受網との間を移動してきた刈取穀稈の穂先側(排ワラの穂先側)が、扱胴と受網との間から抜け出るとともに、受網に沿った円弧状の姿勢から横倒れ姿勢に自重で戻ったとしても、その穂先側の端部は排出口における挟持搬送機構から最も離れる一端縁に引っ掛からないようになる。
【0013】
従って、排ワラの穂先側端部が排出口の上縁や挟持搬送機構から最も離れる一端縁に引っ掛かることに起因して、排出口の周辺において排ワラの詰まりが発生する虞をより効果的に抑制することができる。
【0014】
本発明における第3の課題解決手段は、上記第1又は2の課題解決手段において、
前記受網を支持する支持枠を備え、
前記支持枠の後端部における前記挟持搬送機構から離れる側に位置する一端側部分と前記排出口の前記一端縁とにわたるように案内板を装備し、
前記案内板の姿勢を、前記案内板における前記排出口の前記一端縁側ほど前記脱穀部の後部側に位置する後広がりの傾斜姿勢に設定してある。
【0015】
この課題解決手段によると、扱胴と受網との間を抜け出てきた排ワラの穂先側が、その自重により、受網に沿った円弧状の姿勢から横倒れ姿勢に戻るときに、案内板が、その穂先側の端部を受け止めながら挟持搬送機構から離れる方向に向けて徐々に案内するようになる。これにより、排ワラの穂先側が円弧状の姿勢から横倒れ姿勢に急激に戻ることにより、その穂先側においてワラ折れが発生する虞を抑制することができる。
【0016】
従って、排ワラの穂先側においてワラ折れが発生することに起因して排出口の周辺において排ワラの詰まりが発生する虞を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】自脱型コンバインの全体側面図である。
【図2】自脱型コンバインの全体平面図である。
【図3】脱穀装置及び排ワラ処理装置の縦断側面図である。
【図4】脱穀装置の縦断正面図である。
【図5】脱穀装置の縦断背面図である。
【図6】脱穀装置や排ワラ搬送装置などの構成を示す横断平面図である。
【図7】排ワラ搬送装置及び排ワラ処理装置の構成を示す縦断側面図である。
【図8】案内板及び流下規制杆の位置や形状を示す要部の斜視図である。
【図9】案内板及び流下規制杆の位置や形状を示す要部の縦断背面図である。
【図10】図9におけるX−X断面図である。
【図11】案内板及び流下規制杆の位置や形状を示す要部の横断平面図である。
【図12】案内板及び規制部材の形状を示す要部の縦断側面図である。
【図13】ガイド杆における可動ガイドの固定構造を示す要部の縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明を、自脱型コンバインの脱穀装置に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1及び図2に示すように、本実施形態で例示する自脱型コンバインは、走行車体1の前部右側に搭乗運転部2を形成してある。走行車体1の前部左側には、作業走行時に水稲や麦などの作物の穀稈を刈り取って搬送する刈取搬送部3を昇降揺動可能に連結してある。走行車体1の左半部には、刈取搬送部3が搬送する刈り取り後の穀稈(以下、刈取穀稈と略称する)を受け取り、その刈取穀稈に脱穀処理を施し、この脱穀処理で得た処理物に選別処理を施す脱穀装置4を搭載してある。脱穀装置4の後部には、脱穀処理後の穀稈である排ワラを機外に排出する排ワラ処理装置5を連結してある。走行車体1の後部右側には、揚送スクリュー6が搬送する脱穀装置4からの単粒化穀粒を貯留し、貯留した単粒化穀粒の袋詰めを可能にする袋詰め装置7を搭載してある。
【0020】
走行車体1は、車体フレーム8に搭載したエンジン(図示せず)からの動力を、トランスミッションケース(以下、T/Mケースと略称する)9に一体装備した静油圧式無段変速装置(図示せず)や、T/Mケース9の内部に備えた走行伝動系(図示せず)などを介して、車体フレーム8の下部に備えた左右一対のクローラ式走行装置10に伝達するように構成してある。
【0021】
刈取搬送部3には、車体フレーム8の前部左側に昇降揺動可能に連結した刈取フレーム11に、3つの分草部材12、左右一対の引起装置13、バリカン型の切断装置14、左右一対の掻込搬送装置15、及び供給搬送装置16、などを備えてある。そして、3つの分草部材12を左右方向に所定間隔をあけて配置し、それらの分草部材12のうちの隣接する2つの間に、左右いずれかの対応する引起装置13を配置することにより、刈取搬送部3の前部に左右一対の引起枠17を形成してある。
【0022】
3つの分草部材12は、刈取搬送部3の左端部と右端部と左右中間部とに、隣り合う2つの分草部材12の間に最大2条の作物穀稈の導入が可能となるように、左右方向に所定間隔をあけて配備してあり、作業走行時には、機体の走行に伴って収穫対象となる最大4条の作物穀稈を引起枠17ごとに分ける。左右の各引起装置13は、対応する分草部材12の間に導入した最大2条の作物穀稈を、刈取搬送部3の左右中央側に向けて掻き寄せながら引き起こすことが可能となるように構成してある。切断装置14は、左右の引起装置13により引き起こした最大4条の作物穀稈の株元側を切断するように構成してある。左右の掻込搬送装置15は、最大4条の作物穀稈を刈取搬送部3の左右中央部に向けて掻き込み搬送するように構成してある。供給搬送装置16は、左右の掻込搬送装置15から刈り取り後の作物穀稈を受け取り、その穀稈を、受け取り時の起立姿勢から脱穀用の右倒れ姿勢に姿勢変更しながら脱穀装置4に向けて供給搬送するように構成してある。
【0023】
つまり、刈取搬送部3は、左右一対の引起枠17により最大4条の作物の刈り取り搬送を行うことが可能な2枠4条刈り仕様に構成してある。これにより、4つの分草部材と3つの引起装置とを備えて最大4条の作物の刈り取り搬送を行なうように構成した一般的な3枠4条刈り仕様の刈取搬送部に比較して、同様の広い作業幅を有するように構成しながら、構成の簡素化やコストの削減を図ることができる。
【0024】
図2に示すように、刈取搬送部3の左端部に位置する分草部材12は、その前端部に備えたデバイダ18の分草始端の位置が、機体の左右方向において、左側のクローラ式走行装置10における左端部の位置と一致するように構成してある。又、刈取搬送部3の右端部に位置する分草部材12は、その前端部に備えたデバイダ18の分草始端の位置が、機体の左右方向において、右側のクローラ式走行装置10における右端部の位置よりも少しだけ機体内方寄りになる状態で、右側のクローラ式走行装置10における右端部の位置と略一致するように構成してある。
【0025】
つまり、左右のクローラ式走行装置10は、それらの機体横外方側の端部間距離が、最大4条の刈り取り搬送が可能となるように構成した刈取搬送部3の作業幅よりも大きくなるように、左右方向に所定間隔をあけて配置してある。これにより、左右のクローラ式走行装置10の轍間距離を長くすることができ、各クローラ式走行装置10の接地長さを長くすることによる旋回性能の低下を招くことなく、湿田性能を向上させることができる。
【0026】
又、左側のクローラ式走行装置10は、その左端部の位置が左側のデバイダ18の分草始端と左右方向で一致することにより、その分草始端から機体左側に食み出さないようにしてある。これにより、走行車体1の左外側方に未刈りの作物が存在する回り刈りや走行車体1の左右両外側方に未刈りの作物が存在する中割りなどの作業走行時に、左側のクローラ式走行装置10により、その左外側近傍に位置する未刈りの作物を踏み付ける、あるいは、左側のクローラ式走行装置10により、その左外側近傍に位置する未刈りの作物に泥寄せする、などの不都合の発生を防止することができ、その踏み付けや泥寄せに起因した作業効率の低下を回避することができる。
【0027】
一方、右側のクローラ式走行装置10は、その右端部の位置が右側のデバイダ18の分草始端と左右方向で略一致することにより、走行車体1の左右両外側方に未刈りの作物が存在する中割りなどの作業走行時に、右側のデバイダ18の分草始端が、刈取搬送部3の作業幅内最右の作物と、この作物と隣り合う作業幅外の作物との間における、作業幅内の作物の側近を通るように設定すれば、右側のクローラ式走行装置10により、その右外側近傍に位置する未刈りの作物を踏み付ける、といった不都合の発生を防止することができ、その踏み付けに起因した作業効率の低下を回避することができる。
【0028】
つまり、回り刈りや中割りなどの作業走行時に、左右のクローラ式走行装置10による未刈り作物の踏み付けや未刈り作物への泥寄せを防止することができる全面刈り仕様に構成することができる。
【0029】
尚、刈取搬送部3の右端部に位置する分草部材12を、その前端部に備えたデバイダ18の分草始端の位置が、機体の左右方向において、右側のクローラ式走行装置10における右端部の位置と一致するように構成してもよく、又、右側のクローラ式走行装置10における右端部の位置よりも少しだけ機体外方寄りになる状態で、右側のクローラ式走行装置10における右端部の位置と略一致するように構成してもよい。一方、刈取搬送部3の左端部に位置する分草部材12を、その前端部に備えたデバイダ18の分草始端の位置が、機体の左右方向において、左側のクローラ式走行装置10における左端部の位置よりも少しだけ機体外方寄りになる状態で、左側のクローラ式走行装置10における左端部の位置と略一致するように構成してもよく、又、左側のクローラ式走行装置10による機体左外側近傍の未刈り作物の踏み付けを防止でき、かつ、未刈り作物に対する泥寄せを抑制できる範囲内で、左側のクローラ式走行装置10における左端部の位置よりも少しだけ機体内方寄りになる状態で、左側のクローラ式走行装置10における左端部の位置と略一致するように構成してもよい。
【0030】
図1に示すように、刈取搬送部3は、車体フレーム8と刈取フレーム11とにわたって架設した昇降シリンダ19の作動により昇降揺動する。昇降シリンダ19には単動型の油圧シリンダを採用してある。
【0031】
図1〜6に示すように、脱穀装置4は、車体フレーム8に連結した下部ケース20に上部ケース21を開閉揺動可能に連結して処理空間を形成し、この処理空間に、刈取穀稈の穂先側に脱穀処理を施す脱穀部22、脱穀部22からの処理物に選別処理を施す選別部23、及び、選別部23からの1番物と2番物を回収する回収部24、などを備えて構成してある。
【0032】
下部ケース20は、その右上端部に前後向きの伝動軸25を備え、上部ケース21は、その伝動軸25を支点にして開閉揺動するように構成してある。
【0033】
脱穀部22は、その左側部に挟持搬送機構26を配備し、その内部に、前後向きの支軸27を支点にして背面視左回りに回転する扱胴28や、扱胴28の下部側を覆う受網29、などを備えて構成してある。脱穀部22の前端部には、脱穀部22の内部への刈取穀稈の供給を可能にする供給口30を形成してある。脱穀部22の後端部には、脱穀部22の内部からの刈取穀稈などの排出を可能にする排出口としての排塵口31を形成してある。
【0034】
挟持搬送機構26は、下部ケース20に備えた突起付きの無端回動チェーンからなるフィードチェーン32や、上部ケース21に前後向きに装備した挟持レール33などにより構成してある。フィードチェーン32には、エンジンからの動力を脱穀クラッチ(図示せず)などを介して伝達してある。そして、この伝動により、フィードチェーン32は、その挟持レール33に対向する上部側が脱穀部22の前部から後部に向けて移動するように回動する。挟持レール33は、複数の押しバネ34によりフィードチェーン32に向けて挟持付勢してある。
【0035】
この構成により、挟持搬送機構26は、フィードチェーン32がエンジンからの動力で回動することにより、刈取搬送部3が搬送した刈取穀稈の株元側を受け取るとともに、その株元側をフィードチェーン32と挟持レール33との間に挟持して後方に向けて搬送する。そして、この搬送作用により、刈取穀稈の穂先側を、供給口30から扱胴28と受網29の間に供給し、その間を通過させ、送塵口31から脱穀部22の後方に形成した排ワラ搬送部35に排出する。
【0036】
図3〜6に示すように、扱胴28は、支軸27を介して上部ケース21の前壁36と後壁37とにわたって架設してあり、上部ケース21とともに開閉揺動する。扱胴28には、エンジンからの動力を脱穀クラッチ(図示せず)やベルト式の伝動機構38などを介して伝達してある。そして、この伝動により、扱胴28は、前後向きの支軸27を支点にして回転し、この回転により、扱胴28と受網29の間に位置する刈取穀稈の穂先側に対して脱穀処理を施す。
【0037】
受網29は、扱胴28の外周に沿って湾曲する円弧状に形成してあり、下部ケース20の上部に備えた円弧状の支持枠39により支持してある。そして、扱胴28と受網29の間に位置する刈取穀稈の穂先側を下方から支えるとともに、上記の脱穀処理により得た処理物を下方の選別部23に向けて漏下させる。受網29から漏下しなかった処理物は受網29の後端から選別部23に向けて流下する。
【0038】
図3〜5に示すように、選別部23は、下部ケース20に揺動選別機構40を前後揺動可能に装備し、下部ケース20の前下部に唐箕41を左右向きの支軸42を支点にして回転するように配備して構成してある。
【0039】
揺動選別機構40及び唐箕41には、エンジンからの動力を脱穀クラッチなどを介して伝達してある。そして、この伝動により、揺動選別機構40は、前後方向に揺動して脱穀部22からの処理物に対して篩い選別処理を施す。又、唐箕41は、支軸42を支点にして回転することにより選別風を生起し、脱穀部22からの処理物や篩い選別処理中の処理物に対して風力選別処理を施す。そして、これらの選別処理により、脱穀部22からの処理物を、単粒化穀粒である1番物と、枝梗付き穀粒やワラ屑などの混在物である2番物と、切れワラやワラ屑などの3番物とに選別し、1番物を揺動選別機構40の選別方向上手側から漏下させ、2番物を揺動選別機構40の選別方向下手側から漏下させ、3番物を機外に排出する。
【0040】
下部ケース20の後部における揺動選別機構40の上方の位置には、排塵ファン43を左右向きの支軸44を支点にして回転するように配備してある。排塵ファン43には、エンジンからの動力を脱穀クラッチなどを介して伝達してある。この伝動により、排塵ファン43は、左右向きの支軸44を支点にして回転し、この回転により、唐箕41からの選別風により吹き上がった3番物を吸引して機外に排出する。
【0041】
図3に示すように、回収部24は、下部ケース20における揺動選別機構40の選別方向上手側の下方の位置に形成した1番回収部45や、揺動選別機構40の選別方向下手側の下方の位置に形成した2番回収部46などにより構成してある。
【0042】
1番回収部45は、その底部に1番スクリュー47を左右向きに配備してある。1番スクリュー47には、エンジンからの動力を脱穀クラッチなどを介して伝達してある。1番スクリュー47の右端部には、揚送スクリュー6を1番スクリュー47と連動しかつ連通するように接続してある。そして、この構成により、1番回収部45は、揺動選別機構40の選別方向上手側から漏下する1番物を回収するとともに、回収した1番物を、1番スクリュー47により揚送スクリュー6に向けて搬送する。揚送スクリュー6は、1番スクリュー47からの一番物を袋詰め装置7に向けて揚送する(図1参照)。
【0043】
2番回収部46は、その底部に2番スクリュー48を左右向きに配備してある。2番スクリュー48には、エンジンからの動力を脱穀クラッチなどを介して伝達してある。2番スクリュー48の右端部には、2番還元スクリュー49を2番スクリュー48と連動しかつ連通するように接続してある。そして、この構成により、2番回収部46は、揺動選別機構40の選別方向下手側から漏下する2番物を回収するとともに、回収した2番物を、2番スクリュー48により2番還元スクリュー49に向けて搬送する。2番還元スクリュー49は、2番スクリュー48からの2番物を揺動選別機構40に戻す。
【0044】
図3、図6及び図7に示すように、排ワラ搬送部35には排ワラ搬送装置50を配備してあり、排ワラ搬送装置50は、排ワラ挟持搬送機構51と排ワラ係止搬送機構52とを、それらの後部側ほど機体右側に位置する傾斜姿勢で左右に並べて構成してある。排ワラ挟持搬送機構51は、フィードチェーン32が搬送する刈取穀稈の株元側を受け取って機体右後方に向けて案内するように排ワラ搬送部35に固定したガイド杆53や、ガイド杆53に沿って回動する突起付きの無端回動チェーン54などにより構成してある。排ワラ係止搬送機構52は、複数の係止爪55を備えた無端回動チェーン56などにより構成してある。突起付きの無端回動チェーン54及び無端回動チェーン56には、ベルト式の伝動機構38から分岐したエンジン動力を、伝動軸25やチェーン式の伝動機構57を介して伝達してある。
【0045】
この構成により、排ワラ挟持搬送機構51は、突起付きの無端回動チェーン54がエンジンからの動力で回動することにより、ガイド杆53がフィードチェーン32から受け取った刈取穀稈の株元側を、ガイド杆53と突起付きの無端回動チェーン54との間に挟持して排ワラ処理装置5に向けて搬送する。排ワラ係止搬送機構52は、無端回動チェーン56がエンジンからの動力で回動することにより、フィードチェーン32の搬送によって送塵口31を通過した刈取穀稈の穂先側に各係止爪55が係止して、その穂先側を排ワラ処理装置5に向けて搬送する。
【0046】
ガイド杆53は、丸パイプ材からなる固定ガイド58や、固定ガイド58に摺動可能に内嵌した丸棒材からなる可動ガイド59などにより構成してある。そして、固定ガイド58に対する可動ガイド59の出退操作により、排ワラ挟持搬送機構51により搬送した刈取穀稈の株元側を排ワラ処理装置5に向けて流下させる供給状態と、排ワラ処理装置5の上方を通過させる非供給状態とに切り換えることができる。
【0047】
排ワラ処理装置5は、その内部に細断機構60を備えてある。細断機構60は、左右向きに架設した前後一対の回転軸61,62に複数のディスクカッタ63,64を一定間隔をあけて装備することにより構成してある。細断機構60には、エンジンからの動力を脱穀クラッチなどを介して伝達してある。排ワラ処理装置5の上部には、前後の細断機構60への排ワラの供給を可能にする開放姿勢と、その供給を阻止して排ワラを機体後方の機外に案内する閉塞姿勢とに姿勢切り換え可能に構成した蓋体65を備えてある。
【0048】
上記の構成により、ガイド杆53を供給状態に切り換え、かつ、蓋体65を開放姿勢に切り換えることにより、排ワラの放出状態を、排ワラを細断して機外に放出する細断放出状態にすることができる。又、ガイド杆53を非供給状態に切り換え、かつ、蓋体65を閉塞姿勢に切り換えることにより、排ワラの放出状態を、排ワラを長いまま機外に放出する長ワラ放出状態にすることができる。
【0049】
図4に示すように、脱穀部22の供給口30は、下部ケース20の前壁66と上部ケース21の前壁36との間に、それらの前壁66,36における挟持搬送機構側の端部である左端部66A,36Aから、受網29に略沿った略円弧状で、挟持搬送機構26の反対側に位置する下部ケース20の右側壁67に向けて凹入するように形成してある。そして、供給口30の形状を、その上縁30Aにおいては挟持搬送機構26から離れる側に位置する右端側部分30aが低くなるように、又、その下縁30Bが受網29の表面29Aよりも下方に位置しないように、更に、その挟持搬送機構26から最も離れる右端縁30Cが受網29よりも機体右側に位置しないように設定することにより、刈取穀稈の穂先側が、供給口30から扱胴28と受網29との間に円滑に移動するようにしてある。
【0050】
ところで、前述したように刈取搬送部3を2枠4条刈り仕様に構成すると、3条又は4条の作物を収穫する場合、2条の作物に作用する引起枠17においては、その引起枠17に備えた引起装置13により、機体の左右一端側に位置する作物の穀稈が、機体の左右中央側に位置する作物の穀稈よりも機体の左右中央側に向けて大きく掻き寄せられることになる。そのため、左右一端側の作物穀稈は、左右中央側の作物穀稈よりも切断装置14による切断位置が高くなり、刈り取り後の長さが短くなる。その結果、刈取搬送部3が脱穀装置4に向けて搬送する刈取穀稈の全体としては、着粒部である穂先側の長さが長くなることから、脱穀処理においては、脱穀部22の内部に供給する刈取穀稈の穂先側の長さを通常の長さよりも長くする深扱きに設定する必要がある。
【0051】
そして、上記のように脱穀処理における扱き深さを通常よりも深い2枠4条刈り仕様に対応する深扱きに設定した場合において、脱穀部22の排塵口31を、例えば、その上縁における右端側部分の高さ位置や、その右端縁の機体左右方向での位置が、供給口30と同じ又は略同じになるように形成すると、扱胴28と受網29との間を移動してきた刈取穀稈の穂先側(排ワラの穂先側)が、受網29に沿った円弧状の姿勢で扱胴28と受網29との間から抜け出てきた場合には、その穂先側の端部が排塵口31の上縁に引っ掛かり易くなり、又、扱胴28と受網29との間から抜け出るとともに、受網29に沿った円弧状の姿勢から横倒れ姿勢に自重で戻る場合には、その穂先側の端部が排塵口31の右端縁に引っ掛かり易くなる。
【0052】
そこで、図5に示すように、この脱穀装置4においては、送塵口31の上縁31Aにおける挟持搬送機構26から離れる側に位置する右端側部分31aを、供給口30の上縁30Aにおける右端側部分30aよりも上方に位置するように設定した下部ケース20における上部後壁68の下縁68Aと、上部ケースの後壁37における下縁37Aの右端部37aにより形成してある。又、脱穀部22の右側壁である下部ケース20の右側壁67を、受網29よりも機体右外方側の位置において垂直姿勢で立設し、この右側壁67の内面67Aにより送塵口31の右端縁31Bを形成してある。
【0053】
このように送塵口31の上縁31A及び右端縁31Bを形成することにより、送塵口31の上縁31Aにおける右端側部分31aの高さ位置が、供給口30の上縁30Aにおける右端側部分30aの高さ位置よりも上方に位置し、かつ、送塵口31の右端縁31Bが、機体左右方向で受網29よりも挟持搬送機構26から離れた位置に位置するようになる。
【0054】
つまり、送塵口31における刈取穀稈の穂先先端側に位置する右端部の開口面積を上方及び右方に広げた状態になることから、扱胴28と受網29との間を移動してきた刈取穀稈の穂先側(排ワラの穂先側)が、扱胴28と受網29との間から受網29に沿った円弧状の姿勢で抜け出てきたとしても、その穂先側の端部は排塵口31の上縁31Aに引っ掛かり難くなり、又、扱胴28と受網29との間から抜け出るとともに、受網29に沿った円弧状の姿勢から横倒れ姿勢に自重で戻ったとしても、その穂先側の端部は排塵口31の右端縁31Bに引っ掛からないようになる。
【0055】
その結果、排ワラの穂先側端部が排塵口31の上縁31Aや右端縁31Bに引っ掛かることに起因して、排塵口31の周辺において排ワラの詰まりが発生する虞を効果的に抑制することができる。
【0056】
図5、図6及び図8〜11に示すように、下部ケース20の右側壁67には、扱胴28と受網29との間から抜け出てくる排ワラ穂先側の端部を案内する案内板69を、その右側ほど機体後側に位置する右後向き(後ろ広がり)の傾斜姿勢で、支持枠39の後端部39Aにおける右端側部分39aと排出口31の右端縁31Bとにわたるように取り付けてある。
【0057】
つまり、扱胴28と受網29との間を抜け出てきた排ワラの穂先側が、その自重により、受網29に沿った円弧状の姿勢から横倒れ姿勢に戻るときに、案内板69が、その穂先側の端部を受け止めながら右下方に向けて徐々に案内するようになる。
【0058】
これにより、排ワラの穂先側が円弧状の姿勢から横倒れ姿勢に急激に戻ることにより、その穂先側においてワラ折れが発生し、そのワラ折れに起因して排塵口31の周辺において排ワラの詰まりが発生する虞を効果的に抑制することができる。
【0059】
図5、図6及び図8〜12に示すように、支持枠39の後端部39Aには、その後端部39Aから揺動選別機構40に向けて流下する処理物が、扱胴28の回転により、その回転方向の下手側である揺動選別機構40の右側に片寄ることを規制する3本の規制杆70を、左右方向に一定間隔をあけて、後端部39Aから機体右後方に向かう姿勢で装備してある。
【0060】
つまり、各規制杆70の作用により、支持枠39の後端部39A(受網29の後端)からの処理物を、揺動選別機構40に向けて左右方向に均一になるように流下させることができ、これにより、支持枠39の後端部39Aから流下する処理物に対する風力選別や篩い選別を良好に行なうことができ、選別効率や選別精度の向上を図ることができる。
【0061】
図6及び図7に示すように、排ワラ挟持搬送機構51は、突起付きの無端回動チェーン54などを備える駆動搬送部71が、その後部の駆動軸72を支点にしたガイド杆53に対する上下揺動変位が可能となるように構成してある。又、駆動搬送部71の前後中間部と、脱穀部22の後端上部に位置する固定フレーム73とにわたって、駆動搬送部71を上昇方向に揺動付勢する引っ張りバネ74を架設してある。駆動搬送部71の前端部にはブラケット75と連係部材76を立設してある。ブラケット75には、固定フレーム73に備えた固定ピン77との接当により駆動搬送部71の上下揺動範囲を制限する長孔75Aを形成してある。連係部材76は、上部ケース21の開放位置から閉塞位置への揺動操作に伴って、上部ケース21の上部フレーム78に接当して下方に向けて押圧される。そして、この押圧により、駆動搬送部71が、ガイド杆53から離れるメンテナンス位置からガイド杆53に近接する挟持搬送位置に、引っ張りバネ74の作用に抗して下降揺動する。
【0062】
つまり、上部ケース21を閉塞位置から開放位置に揺動させた扱胴オープン状態では、排ワラ挟持搬送機構51においても駆動搬送部71がメンテナンス位置に位置するオープン状態にできることから、扱胴28や受網29などに対するメンテナンスとともに排ワラ挟持搬送機構51に対するメンテナンスを行なうことができる。
【0063】
図7及び図13に示すように、ガイド杆53において、固定ガイド58の後端部における支持部58Aの直前箇所には、下向きの開口58Bを形成し、この開口58Bに係合端部79Aが係入する板バネ79を取り付けてある。一方、可動ガイド59は、その後端部59Aを下方に向けて屈曲させてある。そして、その後端側の下縁には1つの溝部59Bを、又、その前端側の下縁には、前後方向に一定間隔をあけて位置する3つの溝部59Cを、可動ガイド59の摺動方向と直行する方向に沿うように形成してある。
【0064】
これにより、可動ガイド59の後端部59Aを把持して可動ガイド59を摺動操作することにより、可動ガイド59のいずれかの溝部59B,59Cが固定ガイド58の開口58Bに対向すると、板バネ79の作用により、可動ガイド59を、そのいずれかの溝部59B,59Cと固定ガイド58の開口58Bとが対向する操作位置に固定することができる。そして、可動ガイド59における後部側の溝部59Bを固定ガイド58の開口58Bに対向させた状態がガイド杆53の供給状態となり、可動ガイド59における前部側のいずれか溝部59Cを固定ガイド58の開口58Bに対向させた状態がガイド杆53の非供給状態となる。つまり、ガイド杆53の非供給状態においては、可動ガイド59の延出長さを3段階に変更することができる。
【0065】
又、可動ガイド59は、その各溝部59B,59Cの形成箇所においては断面形状が略D字状になることから、そのいずれかの溝部59B,59Cに板バネ79の係合端部79Aが係入した固定状態においては、可動ガイド59の後端部59Aを把持して、可動ガイド59をその軸心回りに回動操作することにより、そのいずれかの溝部59B,59Cから板バネ79の係合端部79Aを容易に離脱させることができ、可動ガイド59の摺動操作を可能にすることができる。
【0066】
つまり、可動ガイド59の操作によるガイド杆53の供給状態と非供給状態の切り換えを容易に行える。
【0067】
図4及び図5に示すように、脱穀装置4には、上部ケース21を閉塞位置に固定するロック機構80と、上部ケース21の開閉操作をアシストする前後一対のダンパ81,82を装備してある。
【0068】
ロック機構80は、下部ケース20の前壁66と上部後壁68のそれぞれに前後向きに備えた固定ピン83、上部ケース21の前壁36と後壁37のそれぞれに前後向きの支軸84を支点にした揺動操作が可能となるように装備した係合アーム85、前後の係合アーム85の操作側端部にわたって架設した前後向きの操作杆86、及び、前後の係合アーム85を対応する固定ピン83に向けて係合付勢する前後一対の引っ張りバネ87、などにより構成してある。
【0069】
つまり、引っ張りバネ87の作用に抗して、前後の係合アーム85が固定ピン83から離れるように操作杆86を操作することにより、ロック機構80による上部ケース21の閉塞位置での固定を解除して、上部ケース21を閉塞位置から開放位置に揺動操作することができる。
【0070】
又、上部ケース21を開放位置から閉塞位置に揺動操作する場合には、前後の係合アーム85の係合端側に形成した案内部85Aが固定ピン83に接当して係合アーム85を係合案内するように構成してある。
【0071】
前側のダンパ81は、下部ケース20の前壁66と上部ケース21の前壁36にわたって架設してある。後側のダンパ82は、下部ケース20の上部後壁68と上部ケース21の後壁37にわたって架設してある。そして、前後のダンパ81は、機体の前後方向視において、それらの上部支点位置が一致し、それらの下部支点位置が異なるように設定して、後側のダンパ82の左方への倒れ角が前側のダンパ81の左方への倒れ角よりも大きくなるように装備してある。これにより、上部ケース21が閉塞位置の近傍に位置する状態では、後側のダンパ82が前側のダンパ81よりも利き難くなっている。
【0072】
つまり、上部ケース21が閉塞位置の近傍に位置する状態では、排ワラ挟持搬送機構51の駆動搬送部71を上昇方向に揺動付勢する引っ張りバネ74の作用が及ぶようになる上部ケース21の後部側に装備するダンパ82を、前側のダンパ81よりも利き難くすることにより、閉塞位置の近傍において上部ケース21にかかる上昇付勢力の前後バランスの均衡を図るようにしているのであり、これにより、上部ケース21の開閉操作を行ない易くすることができる。
【0073】
〔別実施形態〕
【0074】
〔1〕脱穀装置4としては、ハーベスタに搭載するように構成したものであってもよい。
【0075】
〔2〕排出口31を、その挟持搬送機構26から最も離れる一端縁31Bが、受網29よりも挟持搬送機構26から離れた位置で、かつ、脱穀部22における挟持搬送機構26を配備しない他側部側の側壁67の内面67Aよりも挟持搬送機構26に近い位置に位置するように形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、自脱型コンバインやハーベスタなどに搭載する脱穀装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0077】
22 脱穀部
26 挟持搬送機構
27 支軸
28 扱胴
29 受網
30 供給口
31 排出口
31A 上縁
31a 挟持搬送機構から離れる側の一端側部分
30A 上縁
30a 挟持搬送機構から離れる側の一端側部分
31B 挟持搬送機構から最も離れる一端縁
67 挟持搬送機構を配備しない側の側壁
67A 内面
39 支持枠
39A 後端部
39a 挟持搬送機構から離れる側の一端側部分
69 案内板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀部の一側部に、刈取穀稈の株元側を挟持して刈取穀稈を横倒れ姿勢で搬送する挟持搬送機構を配備し、
前記脱穀部の内部に、前記挟持搬送機構の搬送方向に沿う支軸を支点にして回転する扱胴と前記扱胴の下部側を覆う受網を備え、
前記挟持搬送機構により、刈取穀稈の穂先側を、前記脱穀部の前端部に形成した供給口から前記扱胴と前記受網の間に供給し、前記脱穀部の後端部に形成した排出口から排出するように構成した脱穀装置であって、
前記排出口の上縁における前記挟持搬送機構から離れる側に位置する一端側部分の高さ位置が、前記供給口の上縁における前記挟持搬送機構から離れる側に位置する一端側部分の高さ位置よりも上方に位置し、かつ、前記排出口における前記挟持搬送機構から最も離れる一端縁が、前記受網よりも前記挟持搬送機構から離れた位置に位置するように、前記排出口を形成してある脱穀装置。
【請求項2】
前記脱穀部における前記挟持搬送機構を配備しない他側部側の側壁を垂直姿勢で立設し、この側壁の内面により前記排出口の前記一端縁を形成してある請求項1に記載の脱穀装置。
【請求項3】
前記受網を支持する支持枠を備え、
前記支持枠の後端部における前記挟持搬送機構から離れる側に位置する一端側部分と前記排出口の前記一端縁とにわたるように案内板を装備し、
前記案内板の姿勢を、前記案内板における前記排出口の前記一端縁側ほど前記脱穀部の後部側に位置する後広がりの傾斜姿勢に設定してある請求項1又は2に記載の脱穀装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−263851(P2010−263851A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119143(P2009−119143)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】