脱穀装置
【課題】排藁の停滞を少なくして円滑に後方に搬送できる排藁搬送装置を提供する。
【解決手段】上記課題は、排稈の株元を搬送する株元搬送装置（８１）と、穂先を搬送する前側穂先搬送装置（６１）を備え、穂先を搬送する後側穂先搬送装置（１６１）を前側穂先搬送装置（６１）の後方に配置したことにより解決される。
【解決手段】上記課題は、排稈の株元を搬送する株元搬送装置（８１）と、穂先を搬送する前側穂先搬送装置（６１）を備え、穂先を搬送する後側穂先搬送装置（１６１）を前側穂先搬送装置（６１）の後方に配置したことにより解決される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンバイン等に設けられる脱穀装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、脱穀後の排藁をフィードチェンから受け継いで後方へ搬送する株元側搬送装置と穂先側搬送装置とからなる排藁搬送装置を設け、該排藁搬送装置を搬送終端側から駆動する構成が提案されている（特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−５５８２７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、従来の搬送終端側から駆動する排藁搬送装置の穂先側搬送装置は、搬送位置によって姿勢が変化する排藁の穂先部を効率的に搬送することができず、搬送中に排藁が排藁搬送装置に詰まる恐れがある。
また、排藁搬送装置の穂先側搬送装置の全長は長く、脱穀装置の後部に該排藁搬送装置を配置する大きな空間が必要となり、扱室の空間が制限され、扱室に長尺な扱胴を設けることが困難となり脱穀能率が低下する恐れがある。
【０００５】
そこで、本発明の主たる課題は、かかる問題点を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項１記載の発明は、扱胴（１２）を有する扱室（１０）の下方に揺動選別装置（２１）を設け、前記扱室（１０）の左右一側に穀稈搬送用のフィードチェン（１８）を設け、該フィードチェン（１８）の搬送終端部から脱穀後の排稈を受け継いで脱穀装置（３）の外部へ搬送する排藁搬送装置（５０）を設けた脱穀装置であって、
前記排藁搬送装置（５０）は、排稈の株元側を搬送する株元搬送装置（８１）と、排稈の穂先側を搬送する前側穂先搬送装置（６１）及び後側穂先搬送装置（１６１）を備え、
該後側穂先搬送装置（１６１）の搬送終端部を前記前側穂先搬送装置（６１）の搬送終端部よりも後方に配置したことを特徴とする脱穀装置である。
【０００７】
請求項２記載の発明は、前記後側穂先搬送装置（１６１）を前側穂先搬送装置（６１）に対して株元搬送装置（８１）の存在する側とは反対の側に配置した請求項１記載の脱穀装置である。
【０００８】
請求項３記載の発明は、前記前側穂先搬送装置（６１）の搬送始端部を株元搬送装置（８１）の搬送始端部よりも下方に配置した請求項１または２記載の脱穀装置である。
【０００９】
請求項４記載の発明は、前記前側穂先搬送装置（６１）を、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が高い傾斜姿勢に設け、前記後側穂先搬送装置（１６１）を略水平姿勢、又は、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が低い傾斜姿勢に設けた請求項１〜３のいずれか１項に記載の脱穀装置である。
【００１０】
前記前側穂先搬送装置（６１）及び後側穂先搬送装置（１６１）を、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が高い傾斜姿勢に設けた請求項１〜３のいずれか１項に記載の脱穀装置である。
【００１１】
請求項６記載の発明は、前記前側穂先搬送装置（６１）の後部に設けられた後部駆動スプロケット（６３）と、前記後側穂先搬送装置（１６１）の前部に設けられた前部駆動スプロケット（１６２）と、株元搬送装置（８１）の中間部に設けられた中間部駆動スプロケット（８３）を同軸で駆動する排藁駆動軸（１７０）を設けた請求項１〜５のいずれか１項に記載の脱穀装置である。
【００１２】
請求項７記載の発明は、前記後部駆動スプロケット（６３）の有効径を、前記前部駆動スプロケット（１６２）の有効径よりも大径に形成した請求項６記載の脱穀装置である。
【発明の効果】
【００１３】
請求項１記載の発明によれば、排稈の株元側を搬送する株元搬送装置（８１）と、排稈の穂先側を搬送する前側穂先搬送装置（６１）及び後側穂先搬送装置（１６１）を備え、該後側穂先搬送装置（１６１）の搬送終端部を前側穂先搬送装置（６１）の搬送終端部よりも後方に配置しているので、搬送位置によって姿勢が変化する穂先を能率良く支持し、排稈を脱穀装置（３）の外部へ搬送することができる。
【００１４】
請求項２記載の発明によれば、請求項１記載の発明による効果に加えて、後側穂先搬送装置（１６１）を前側穂先搬送装置（６１）に対して株元搬送装置（８１）の存在する側とは反対の側に配置しているので、搬送後側における穀稈の穂先側の部位の垂れ下がりを抑制し、排藁搬送装置（５０）への排稈の絡まりを防止することができる。
【００１５】
請求項３記載の発明によれば、請求項１または２記載の発明による効果に加えて、前側穂先搬送装置（６１）の搬送始端部を株元搬送装置（８１）の搬送始端部よりも下方に配置しているので、フィードチェン（１８）から排稈を円滑に受け継ぐことができる。
【００１６】
請求項４記載の発明によれば、請求項１〜３のいずれか１項に記載の発明による効果に加えて、前側穂先搬送装置（６１）を、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が高い傾斜姿勢に設け、後側穂先搬送装置（１６１）を略水平姿勢、又は、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が低い傾斜姿勢に設けているので、脱穀装置（３）の後部の省スペース化を図ることができる。
【００１７】
請求項５記載の発明によれば、請求項１〜３のいずれか１項に記載の発明の効果に加えて、前側穂先搬送装置（６１）及び後側穂先搬送装置（１６１）を、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が高い傾斜姿勢に設けているので、排稈の搬送姿勢の乱れを防止することができる。
【００１８】
請求項６記載の発明によれば、請求項１〜５のいずれか１項に記載の発明の効果に加えて、前側穂先搬送装置（６１）の後部に設けられた後部駆動スプロケット（６３）と、後側穂先搬送装置（１６１）の前部に設けられた前部駆動スプロケット（１６２）と、株元搬送装置（８１）の中間部に設けられた中間部駆動スプロケット（８３）を同軸で駆動する排藁駆動軸（１７０）を設けているので、伝動構造を簡素化して、排藁搬送装置（５０）への排稈の絡まりを抑制することができる。また、前側穂先搬送装置（６１）と、後側穂先搬送装置（１６１）と、株元搬送装置（８１）の取付け構造を簡易にでき、製造コストを削減することができる。
【００１９】
請求項７記載の発明によれば、請求項６記載の発明の効果に加えて、後部駆動スプロケット（６３）の有効径を、前部駆動スプロケット（１６２）の有効径よりも大径に形成しているので、前側穂先搬送装置（６１）を後側穂先搬送装置（１６１）に対して高速で駆動することで、フィードチェン（１８）から遅れて引継がれる排稈の穂先を後側に速やかに搬送し、排藁搬送装置（５０）の始端部で発生する排稈の絡まり低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】コンバインの左側面図である。
【図２】コンバインの正面図である。
【図３】コンバインの平面図である。
【図４】コンバインの縦断面図である。
【図５】排藁搬送装置の拡大左側面図である。
【図６】コンバインの横断面図である。
【図７】排藁搬送装置の拡大平面図である。
【図８】穂先搬送装置の左側面図である。
【図９】株元搬送装置の左側面図である。
【図１０】コンバインの背面図である。
【図１１】穂先搬送装置と株元搬送装置の左側面図である。
【図１２】穂先搬送装置の左側面図である。
【図１３】他のコンバインの縦断面図である。
【図１４】他の排藁搬送装置の拡大左側面図である。
【図１５】他のコンバインの横断面図である。
【図１６】他の排藁搬送装置の拡大平面図である。
【図１７】排藁搬送装置の拡大平面図である。
【図１８】搬送装置のフレーム平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
以下、本発明の一実施例について添付図面を参照しつつ詳説する。なお、理解を容易にするため、便宜的に方向を示して説明しているが、これらにより構成が限定されるものではない。
【００２２】
コンバインは、図１〜図３に示すように、コンバインの機体フレーム１の下側には土壌面を走行する為の左右一対のクローラからなる走行装置２が設けられ、機体フレーム１の上方左側には脱穀・選別を行なう脱穀装置３が設けられ、脱穀装置３の前側には圃場の穀桿を収穫する刈取装置４が設けられている。刈取装置４で刈取られた穀桿は供給搬送装置８によって脱穀装置３に搬送され、脱穀装置３で脱穀・選別された穀粒は脱穀装置３の右側に設けられたグレンタンク５に貯留され、貯留された穀粒は排出筒７により機外へ排出される。又、機体フレーム１の上方右側には操作者が搭乗する操作席を備えた操縦部６が設けられている。なお、操縦部６には、走行装置２の速度の切換を行う主変速レバー６Ａ、刈取る穀桿の倒伏状態に応じて走行装置２の速度の切換を行う副変速レバー６Ｂが設けられている。
【００２３】
脱穀装置３は、図４〜図６等に示すように、前側上部に穀稈の脱穀を行う扱室１０を備え、扱室１０の下側に脱穀された穀粒の選別を行なう選別室２０を備えている。また、扱室１０で脱穀された排藁は、フィードチェン１８によって後方に搬送された後、フィードチェン１８から排藁搬送装置５０に受け継がれ、排藁搬送装置５０によってさらに後方に搬送された後、排藁搬送装置５０の終端部から排藁処理装置９５に落下し排藁処理装置９５の排藁カッタ９６によって細かく裁断された後、機外に排出される。
【００２４】
（扱室）
扱室１０には複数の扱歯１１を有する扱胴１２が前後方向に延伸する扱胴軸１３に軸支されている。そして、扱室１０の前板１０Ａの左側下部には穀稈供給口１５が開口して形成され、左板１０Ｂの下部には穀稈供給口１５に連通し、扱胴１２に沿うように扱ぎ口１６が開口して形成され、後板１０Ｃの左側下部には扱ぎ口１６に連通する排藁口１７が開口して形成されている。また、扱室１０の左板１０Ｂの左側には扱ぎ口１６に沿うように、給搬送装置８によって揚上搬送された穀桿の株元を挟持して後方に搬送するフィードチェン１８が設けられている。なお、フィードチェン１８は、フィードチェーン部１８Ａとスプリング等の付勢手段１８Ｂによって支持された挟持杆１８Ｃとから構成され、付勢手段１８Ｂには、フィードチェン１８によって搬送される排藁量を検知する層厚センサ１９Ａが設けられ、挟持杆１８Ｃには、排藁の扱深さを検知する扱深センサ１９Ｂが設けられている。
【００２５】
（選別室）
扱室１０の下側には、扱室１０から漏下する脱穀処理物を穀粒とそれ以外の藁屑等とに選別するための選別室２０が設けられている。選別室２０の上部には揺動選別装置２１が設けられ、選別室２０の下部には揺動選別装置２１に空気を送風する唐箕２５と、揺動選別装置２１から漏下する穀粒を回収する一番受樋２８と、揺動選別装置２１から漏下する枝梗等が付着した穀粒を回収する二番受樋２９とが、前側から後側に向かって設けられている。なお、一番受樋２８で回収された穀粒はグレンタンク５に移送され、二番受樋２９で回収された穀粒等は二番処理室４０に移送される。
【００２６】
揺動選別装置２１は、唐箕２５の上方に配置された移送棚２２と、移送棚２２の下流側に配置された固定シーブ２３と、さらに固定シーブ２３の下流側に配置されたストローラック２４とによって構成されている。
【００２７】
移送棚２２は、扱室１０から漏下する穀粒を下流側に配置された固定シーブ２３に移送できればよく、移送棚２２の後部を後下がりに傾斜させたり、移送棚２２の上面に突起や凹凸を設けたりすることができる。
【００２８】
固定シーブ２３は、移送棚２２から移送された穀粒又は扱室１０から直接漏下する穀粒と藁屑等の異物とを選別する篩であり、下流側が高くなるように傾斜した薄い板状体からなる固定シーブ部材を揺動選別装置２１の揺動方向に所定の間隔を空けて平行に複数並設したものである。
【００２９】
ストローラック２４は、固定シーブ２３から漏下しなかった比較的大きな藁屑中から枝梗等が付着した穀粒等を篩い選別する篩である。なお、本実施形態の揺動選別装置２１は、移送棚２２と、固定シーブ２３と、ストローラック２４からなるが、穀粒と藁屑を効率的に選別する為に、固定シーブ２３と、ストローラック２４の間に可動シーブを設けることもできる。可動シーブは、固定シーブ２３から移送されてくる穀粒を選別する篩であり、下流側が高くなるように傾斜した薄い板状体からなるシーブ部材を揺動方向に所定の間隔を空けて平行に複数並設したものである。
【００３０】
唐箕２５の送風口２６には、風割２７によって上下に形成された上側風路２６Ａと下側風路２６Ｂとが設けられている。また、送風口２６の後側に設けられた一番受樋２８の内部にはグレンタンク５に連通する螺旋コンベア式の一番コンベア２８Ａが配置され、二番受樋２９の内部には二番処理室４０に連通する螺旋コンベア式の二番コンベア２９Ａが配置されている。
【００３１】
（排塵処理室）
扱室１０の右側後部は排塵処理室３０に連通し、排塵処理室３０の内部には外周面にスクリュー羽根体３１を備える排塵処理胴３２が前後方向に軸架されている。排塵処理室３０に供給された被処理物は、回転する排塵処理胴３２によって後方に搬送されつつ解砕処理される過程で、揺動選別装置２１の固定シーブ２３上に漏下されるか、又は排塵処理室３０の終端部に至った後に揺動選別装置２１のストローラック２４上に排出される。
【００３２】
（二番処理室）
排塵処理室３０の前側には二番物を処理して還元するための二番処理室４０が設けられている。二番処理室４０の内部には外周面に間欠螺旋羽根４１を備える二番処理胴４２が軸架されている。二番処理室４０に供給された二番物は、回転する二番処理胴４２によって前方に搬送されつつ穀粒と枝梗とが分離され、二番処理物還元口から揺動選別装置２１の移送棚２２に落下し、扱室１０からの被処理物と合流して再選別される。
【００３３】
（排藁搬送装置）
排藁搬送装置５０は、図４〜図７に示すように、排藁の穂先を後方に搬送する穂先側の穂先搬送部６０と、排藁の株元を挟持して後方に搬送する株元側の株元搬送部８０からなる。
【００３４】
（穂先搬送装置）
穂先搬送部６０は、前側穂先搬送装置６１と、後側穂先搬送装置１６１と、後部が前側穂先搬送装置６１の下側に位置し、前部が前方に延伸している第２穂先案内杆７８と、後部が後側穂先搬送装置１６１の下側に位置し、前部が前方に延伸している第１穂先案内杆７５からなる。また、脱穀装置３の後部の空間を有効に活用し、排藁の搬送を能率良く行う為に、前側穂先搬送装置６１の前部は、前側駆動軸６３Ａを中心として前側に立下がり傾斜し、後側穂先搬送装置１６１は略水平に配置され、側面視において、前側穂先搬送装置６１と後側穂先搬送装置１６１は略への字状に配置されている。
【００３５】
前側穂先搬送装置６１は、図８に示すように、前部従動スプロケット６２と、後部駆動スプロケット６３にチェン６４が巻き掛けられている。チェン６４には、所定間隔毎に起立・倒伏自在な搬送ラグ６４Ａが枢着されており、搬送ラグ６４Ａの案内部材によって、前側穂先搬送装置６１の下側の搬送径路では搬送ラグ６４Ａは起立し、前側穂先搬送装置６１の上側では搬送ラグ６４Ａは倒伏して移動する。また、後部駆動スプロケット６３の有効径は、フィードチェン１８の終端部から引継がれる排藁の穂先を高速で搬送し、排藁の穂先遅れを防止する為に、後述する後側穂先搬送装置１６１の前部駆動スプロケット１６２の有効径よりも大径に形成されており、チェン６４の搬送速度は、チェン１６４の搬送速度よりも高速とされている。
【００３６】
前側穂先搬送装置６１の後部は、前側穂先搬送装置６１の位置を上下方向に調整する為に、排藁処理装置９５の左側前部から右側前方に延伸するフレーム６５に一対の長孔６６Ａが形成されたブラケット６６に取付けられている。また、前側穂先搬送装置６１の前側部は、モータ等の駆動部（図示省略）によって、後部駆動スプロケット６３の前側駆動軸６３Ａを中心として上下方向に回転（スイング）させることができる。
なお、前側穂先搬送装置６１の回転は、走行装置２の速度、穀稈の刈取量、穀稈の種類等によって調整することができる。例えば、操縦部８の主変速レバー６Ａ、副変速レバー６Ｂが接続された場合には、前側穂先搬送装置６１の前側部は上方に回転し、接続されていない場合には、前側穂先搬送装置６１の前側部は下方（通常状態の位置）に回転する。また、穀稈が多量であり層厚センサ１９Ａが接続された場合、穀稈の扱い位置が深く扱深センサ１９Ｂが接続された場合には、前側穂先搬送装置６１の前側部は上方に回転し、接続されていない場合には、前側穂先搬送装置６１の前側部は下方に回転させることができ、さらに、穀稈が稲である場合には、前側穂先搬送装置６１の前側部は上方に回転させ、麦である場合には、前側穂先搬送装置６１の前側部は下方に回転させることもできる。
【００３７】
前側穂先搬送装置６１は、図５、図１０等に示すように、後上がり傾斜して配置されており、前側穂先搬送装置６１の前端部は、搬送方向のフィードチェン１８の下方に臨み、前側穂先搬送装置６１の後部は、吸引排塵ファン９０を包囲するケーシング９１の傾斜面９１Ａよりも緩やかに後上がり傾斜している。前側穂先搬送装置６１の終端部は、傾斜面９１Ａの終端部の近傍に臨み、側面視において吸引排塵ファン９０を軸支する軸９０Ａの前側近傍に位置し、扱室１０の後板１０Ｃを背側から投影した下端部よりも若干上方に設けられている。なお、６１Ａは、前側穂先搬送装置６１の搬送ラグ６４Ａの先端部の軌跡を示し、６１Ｂは、前側穂先搬送装置６１のチェン６４の軌跡を示している。
【００３８】
前側穂先搬送装置６１は、図７等に示すように、前側穂先搬送装置６１の前部から後部に向かいフィードチェン１８と反対側に傾斜して配置されており、株元搬送装置８１と略平行に併置されている。前側穂先搬送装置６１の前部は、扱室１０の排藁口１７の近傍に臨み、前側穂先搬送装置６１の後部は、吸引排塵ファン９０の上面９１Ｂの左右中間部の前部に臨んでいる。
【００３９】
後側穂先搬送装置１６１は、図８に示すように、前部駆動スプロケット１６２と、後部従動スプロケット１６３にチェン１６４が巻き掛けられている。チェン１６４には、所定間隔毎に起立・倒伏自在な搬送ラグ１６４Ａが枢着されており、搬送ラグ１６４Ａの案内部材によって、後側穂先搬送装置１６１の下側の搬送径路では搬送ラグ１６４Ａは起立し、後側穂先搬送装置１６１の上側では搬送ラグ１６４Ａは倒伏して移動する。なお、後側穂先搬送装置１６１の軽量化を図り、駆動時の騒音を低減する為に、チェン１６４に換えて、ラグ付きベルトを使用することもできる。
【００４０】
後側穂先搬送装置１６１の前部は、後側穂先搬送装置１６１の位置を上下方向に調整する為に、排藁処理装置９５の左側前部から右側前方に延伸するフレーム６５に一対の長孔１６６Ａが形成されたブラケット１６６に取付けられている。また、後側穂先搬送装置１６１の後側部は、モータ等の駆動部（図示省略）によって、前部駆動スプロケット１６２の後側駆動軸１６２Ａを中心として上下方向に回転させることができる。なお、後側穂先搬送装置１６１の回転は、前述したように走行装置２の速度、穀稈の刈取量、穀稈の種類等によって調整され、略への字状を維持する為に、前側穂先搬送装置６１と、後側穂先搬送装置１６１は連動して回転する。
【００４１】
後側穂先搬送装置１６１は、図５、図１０等に示すように、略水平に配置されており、後側穂先搬送装置１６１の前端部は、吸引排塵ファン９０を包囲するケーシング９１の傾斜面９１Ａの終端部の近傍に臨み、後側穂先搬送装置１６１の後端部は、ケーシング９１の上面９１Ｂの終端部の近傍に臨んでいる。また、後側穂先搬送装置１６１の後端部は、株元搬送装置８１よりも若干上方に設けられている。なお、１６１Ａは、後側穂先搬送装置１６１の搬送ラグ１６４Ａの先端部の軌跡を示し、１６１Ｂは、後側穂先搬送装置１６１のチェン１６４の軌跡を示している。
【００４２】
後側穂先搬送装置１６１は、図７等に示すように、前側穂先搬送装置６１と同様に後側穂先搬送装置１６１の前部から後部に向かいフィードチェン１８と反対側に傾斜して配置されており、株元搬送装置８１と略平行に併置されている。後側穂先搬送装置１６１の前部は、吸引排塵ファン９０の上面９１Ｂの左右中間部の前部に臨み、後側穂先搬送装置１６１の後部は、吸引排塵ファン９０の上面９１Ｂの右側部の排塵処理室３０の近傍に臨んでいる。また、後側穂先搬送装置１６１は、排藁の穂先の垂れ下がりを防止する為に、株元搬送装置８１と反対側の前側穂先搬送装置６１の右側後方に配置されている。
【００４３】
前側穂先搬送装置６１と後側穂先搬送装置１６１は、排藁搬送経路を確保する為に、側面視において、略への字状に配置しているが、排藁をより安定して搬送する為に、図１１、図１２に示すように、側面視において、前側穂先搬送装置６１を後上がり傾斜して配置し、前側穂先搬送装置６１と同様に後側穂先搬送装置１６１を後上がり傾斜して配置し、前側穂先搬送装置６１と後側穂先搬送装置１６１を略一直線状に配置することもできる。
【００４４】
後側穂先搬送装置１６１の前部駆動スプロケット１６２には、図７等に示すように、扱室１０の扱胴１２を軸支する扱胴軸１３の回転が伝動される。エンジンの回転は扱室１０の前板１０Ａの前側に設けられたギヤボックス１４を介して扱胴軸１３に伝動され、扱胴軸１３の回転は扱室１０の後板１０Ｃの後側に延伸した扱胴軸１３に軸支されたプーリ７０Ａと排塵処理室３０の左側に設けられたフレーム７１に支持された伝動装置（ギヤボックス）７２の入力軸７２Ａに軸支されたプーリ７０Ｂに巻き掛けられたベルト７０Ｃを介してギヤボックス７２に伝動される。また、ベルト７０Ｃは扱室１０の後板１０Ｃと略平行に設けられている。
【００４５】
ギヤボックス７２に伝動された回転は、一端がギヤボックス７２の出力軸７２Ｂに連結され、他端が後側穂先搬送装置１６１の前部駆動スプロケット１６２を軸支する後側駆動軸１６２Ａに連結された連結軸７３Ａを介して後側穂先搬送装置１６１に伝動される。また、後側穂先搬送装置１６１の後側駆動軸１６２Ａは、前側穂先搬送装置６１の後部駆動スプロケット６３を軸支する前側駆動軸６３Ａと連結軸７３Ｂによって連結されており、後側穂先搬送装置１６１に伝動された回転は、連結軸７３Ｂと、前側穂先搬送装置６１の前側駆動軸６３Ａを介して前側穂先搬送装置６１に伝動される。さらに、前側穂先搬送装置６１の前側駆動軸６３Ａは、株元搬送部８０の株元搬送装置８１の中間部駆動スプロケット８３を軸支する駆動軸８３Ａと連結軸７４によって連結されており、前側穂先搬送装置６１に伝動され回転は、連結軸７４と、株元搬送装置８１の駆動軸８３Ａを介して株元搬送装置８１に伝動される。すなわち、上記出力軸７２Ｂ、連結軸７３Ａ、後側駆動軸１６２Ａ、連結軸７３Ｂ、前側駆動軸６３Ａ、連結軸７４及び駆動軸８３Ａが、一体的に連結された排藁駆動軸１７０を構成し、この排藁駆動軸１７０によって、同一軸心上に配置された後部駆動スプロケット６３、前部駆動スプロケット１６２及び中間部駆動スプロケット８３を駆動する。
【００４６】
フレームの剛性を高める為に、図１７、図１８に示すように、フレーム６５に換えてフレーム６８を使用することができる。フレーム６８は、前後方向に延伸する梁６８Ａと、左右方向に延伸する６８Ｂと、前後方向に延伸し前部が右側に傾斜する梁６８Ｃと、左右方向に延伸し前部が前側に傾斜する梁６８Ｄを略四角形状に構成され、梁６８Ａの中間部と梁６８Ｃの前部は、株元搬送部８０を取付ける梁６８Ｅで連結され、梁６８の前部と梁６８Ｄの前部から前側に延伸する梁６８Ｆは、ギヤボックス７２を固定する支持部材６９で連結されている。
【００４７】
鋼材等からなる第１穂先案内杆７５は、図５等に示すように、前部は、搬送方向のフィードチェン１８の下方に臨み、後上がり傾斜しフィードチェン１８の上方に至り、中間部は、前側穂先搬送装置６１と略平行に延伸し、吸引排塵ファン９０を包囲する傾斜面９１Ａの終端部に臨み、後部は、後側穂先搬送装置１６１と略平行に延伸し、吸引排塵ファン９０の上面９１Ｂの上側で緩やかに後下がり傾斜している。
【００４８】
鋼材等からなる第２穂先案内杆７８は、図５等に示すように、前部は、搬送方向のフィードチェン１８の下方に臨み、後上がり傾斜しフィードチェン１８の上方に至り、後部は、吸引排塵ファン９０のケーシング９１の傾斜面９１Ａの終端部の近傍に臨んでいる。また、第２穂先案内杆７８の前部は、吸引排塵ファン９０の傾斜面９１Ａよりも緩やかに後上がり傾斜し、後部は、側面視において吸引排塵ファン９０を軸支する軸９０Ａよりも後方近傍まで設けられている。
【００４９】
（株元搬送装置）
株元搬送部８０は、株元搬送装置８１と、株元挟持案内杆８８とからなり、株元搬送装置８１は、図９に示すように、前部従動スプロケット８２と、中間部駆動スプロケット８３と、後部従動スプロケット８４にチェン８５が巻き掛けられている。
株元搬送装置８１の中間部は、株元搬送装置８１の位置を上下方向に調整する為に、排藁処理装置９５の左側前部から右側前方に延伸するフレーム６５に一対の長孔８７Ａが形成されたブラケット８７に取付けられている。また、株元搬送装置８１は、モータ等の駆動部（図示省略）によって、中間部駆動スプロケット８３の株元駆動軸８７Ａを中心として株元搬送装置８１の前側部及び後側部を上下方向に回転させることができる。なお、株元搬送装置８１の回転は、前述したように走行装置２の速度、穀稈の刈取量、穀稈の種類等によって調整され、株元搬送装置８１の回転は、排藁の搬送姿勢を良好に維持する為に、前側穂先搬送装置６１、後側穂先搬送装置１６１の回転よりも小さい。
【００５０】
株元搬送装置８１は、図５等に示すように、前側穂先搬送装置６１よりも緩やかに後上がり傾斜して配置されており、株元搬送装置８１の前部は、搬送方向のフィードチェン１８の上方の近傍に臨み、株元搬送装置８１の後部は、排藁処理装置９５の上側に臨んでいる。
【００５１】
株元搬送装置８１は、図７等に示すように、株元搬送装置８１の前部から後部に向かってフィードチェン１８と反対側に傾斜して配置されている。また、株元搬送装置８１の前部は、フィードチェン１８の右側近傍に臨み、株元搬送装置８１の後部は、吸引排塵ファン９０のケーシング９１の上面９１Ｂを延伸し、排藁処理装置９５の右側後部に臨んでいる。
【００５２】
鋼材等からなる株元挟持案内杆８８は、図５等に示すように、株元搬送装置８１の下側に株元搬送装置８１と略平行に後上がり傾斜して配置されており、前部は、搬送方向のフィードチェン１８の下方に臨み、後上がり傾斜しフィードチェン１８の上方に至り、株元挟持案内杆８８の後部は、株元搬送装置８１の中間部の後側まで延伸し、排藁処理装置９５の排藁カッタ９６をなす上側ロータリカッタ刃９６Ａの上側に臨んでいる。
【００５３】
株元挟持案内杆８８は、図７等に示すように、株元搬送装置８１の下側に株元搬送装置８１と略平行に株元挟持案内杆８８の前部から後部に向かってフィードチェン１８と反対側に傾斜して配置されている。また、株元挟持案内杆８８の前部は、フィードチェン１８の右側に沿って延伸し、扱室１０の後板１０Ｃを超えて扱胴１２の後部に臨み、後部は、排藁処理装置９５の上側ロータリカッタ刃９６Ａの上側に臨んでいる。
【００５４】
（他の排藁搬送装置）
次に、他の排藁搬送装置５０Ａについて詳述する。また、同一部材については、同一符号を付し、重複した説明は省略する。排藁搬送装置５０Ａは、図１３〜図１６に示すように、排藁の穂先を後方に搬送する穂先側の穂先搬送部６０Ａと、排藁の株元を挟持して後方に搬送する株元側の株元搬送部８０Ａからなる。
【００５５】
（穂先搬送装置）
穂先搬送部６０Ａは、図１３〜図１６に示すように、前側穂先搬送装置６１と、後部が前側穂先搬送装置６１の右側下方に配置され、前部が前側穂先搬送装置６１の左側前方に延伸している第１穂先案内杆７５Ａと、後部が前側穂先搬送装置６１の左側下方に配置され、前部が前方に延伸している第２穂先案内杆７８Ａから構成されている。
前側穂先搬送装置６１は、前部従動スプロケット６２と、後部駆動スプロケット６３に起立・倒伏自在な搬送ラグ６４Ａが枢着されチェン６４が巻き掛けられている。前側穂先搬送装置６１の後部は、前側穂先搬送装置６１の位置を上下方向に調整する為に、排藁処理装置９５の左側前部から右側前方に延伸するフレーム６５に一対の長孔６６Ａが形成されたブラケット６６に取付けられている。また、前側穂先搬送装置６１は、モータ等の駆動部（図示省略）によって、後部駆動スプロケット６３の前側駆動軸６３Ａを中心として前側穂先搬送装置６１の前部を上下方向に回転し、後述する第１穂先案内杆７５Ａと、第２穂先案内杆７８Ａに連動して回転する。なお、前側穂先搬送装置６１と、第１穂先案内杆７５Ａと、第２穂先案内杆７８Ａの回転は、走行装置２の速度、穀稈の刈取量、穀稈の種類等によって調整される。
【００５６】
ギヤボックス７２に伝動された回転は、一端がギヤボックス７２の出力軸７２Ｂに連結され、他端が前側穂先搬送装置６１の後部駆動スプロケット６３を軸支する前側駆動軸６３Ａに連結された連結軸７３Ｃを介して前側穂先搬送装置６１に伝動される。また、前側穂先搬送装置６１に伝動された回転は、一端が前側穂先搬送装置６１の前側駆動軸６３Ａに連結され、他端が株元搬送装置８１の中間部駆動スプロケット８３を軸支する駆動軸８３Ａに連結された連結軸７４を介して株元搬送装置８１に伝動される。
【００５７】
鋼材等からなる第１穂先案内杆７５Ａは、図１４等に示すように、前側穂先搬送装置６１の右側下方に前側穂先搬送装置６１と略平行に後上がり傾斜して配置されており、前部は、搬送方向のフィードチェン１８の下方に臨み、後上がり傾斜しフィードチェン１８の上方に至り、中間部は、前側穂先搬送装置６１と略平行に延伸し、吸引排塵ファン９０を包囲する傾斜面９１Ａの終端部に臨み、後部は、吸引排塵ファン９０の上面９１Ｂの上側で緩やかに後下がり傾斜している。なお、第１穂先案内杆７５Ａの前部は、前側穂先搬送装置６１の左側に位置する上端部から下方に向かって延伸した後、右側に傾斜しながら後上がり急傾斜し前側穂先搬送装置６１の右側に延伸し中間部に至っている。
第１穂先案内杆７５Ａの後部には、モータ等の駆動部（図示省略）が連結されており、第１穂先案内杆７５Ａの後端部を中心として第１穂先案内杆７５Ａの前部を上下方向に回転させることができる。
【００５８】
第１穂先案内杆７５Ａは、図１６等に示すように、前側穂先搬送装置６１の右側に前側穂先搬送装置６１と略平行に前部から後部に向かってフィードチェン１８と反対側に傾斜して配置されている。また、第１穂先案内杆７５Ａの前部は、扱室１０の排藁口１７の近傍に臨み、第１穂先案内杆７５Ａの後部は、排藁処理装置９５の前側近傍に臨んでいる。
【００５９】
鋼材等からなる第２穂先案内杆７８Ａは、図１４等に示すように、前側穂先搬送装置６１の左側下方に前側穂先搬送装置６１及び第１穂先案内杆７５Ａと略平行に後上がり傾斜して配置されており、前部は、搬送方向のフィードチェン１８の下方に臨み、後上がり傾斜しフィードチェン１８の上方に至り、後部は、吸引排塵ファン９０のケーシング９１の傾斜面９１Ａの終端部の近傍に臨んでいる。なお、第２穂先案内杆７８Ａの前部は、吸引排塵ファン９０の傾斜面９１Ａよりも緩やかに後上がり傾斜し、後部は、側面視において吸引排塵ファン９０を軸支する軸９０Ａよりも後方近傍まで設けられている。
第２穂先案内杆７８Ａの後部には、モータ等の駆動部（図示省略）が連結されており、第２穂先案内杆７８Ａの後端部を中心として第２穂先案内杆７８Ａの前部を上下方向に回転させることができる。
【００６０】
第２穂先案内杆７８Ａは、図１６等に示すように、前側穂先搬送装置６１と株元搬送装置８１の間に、前側穂先搬送装置６１と略平行に前部から後部に向かってフィードチェン１８と反対側に傾斜して配置されている。また、第２穂先案内杆７８Ａの前部は、扱室１０の排藁口１７の近傍に臨み、後部は、前側穂先搬送装置６１よりも若干後方まで延伸し、吸引排塵ファン９０のケーシング９１の上面９１Ｂの前部まで設けられている。
【００６１】
（他の株元搬送装置）
株元搬送部８０Ａは、図１３〜図１６に示すように、株元搬送装置８１と、後部が株元搬送装置８１の下側に配置され、前部が前方に延伸している株元挟持案内杆８８とから構成され、上述した株元搬送部８０と略同一構造である。
株元搬送装置８１は、前部従動スプロケット８２と、中間部駆動スプロケット８３と、後部従動スプロケット８４にチェン８５が巻き掛けられている。株元搬送装置８１の中間部は、株元搬送装置８１の位置を上下方向に調整する為に、排藁処理装置９５の左側前部から右側前方に延伸するフレーム６５に一対の長孔８７Ａが形成されたブラケット８７に取付けられている。
【００６２】
株元搬送装置８１は、モータ等の駆動部（図示省略）によって、中間部駆動スプロケット８３の株元駆動軸８７Ａを中心として株元搬送装置８１の前側部及び後側部を上下方向に回転させることができ、後述する株元挟持案内杆８８と連動して回転し、株元搬送装置８１と、株元挟持案内杆８８の回転は、走行装置２の速度、穀稈の刈取量、穀稈の種類等によって調整される。
また、株元搬送装置８１と、株元挟持案内杆８８の回転は、排藁の搬送姿勢を良好に維持する為に、前側穂先搬送装置６１と、第１穂先案内杆７５Ａと、第２穂先案内杆７８Ａの回転よりも小さく、正面視において、株元搬送装置８１の先端部と、第２穂先案内杆７８Ａの先端部と、前側穂先搬送装置６１の先端部と、第１穂先案内杆７５Ａの先端部の順で株元搬送装置８１の先端部から第１穂先案内杆７５Ａの先端部に右側傾斜する直線状に位置する。
【００６３】
鋼材等からなる株元挟持案内杆８８は、図１４等に示すように、株元搬送装置８１の下側に株元搬送装置８１と略平行に後上がり傾斜して配置されており、前部は、搬送方向のフィードチェン１８の下方に臨み、後上がり傾斜しフィードチェン１８の上方に至り、後部は、株元搬送装置８１の中間部の後側まで延伸し、排藁処理装置９５の排藁カッタ９６をなす上側ロータリカッタ刃９６Ａの上側に臨んでいる。なお、株元挟持案内杆８８の前部は、下端部から略垂直に上方に向かって延伸し、後上がり急傾斜し後部に至っている。
株元挟持案内杆８８の後部には、モータ等の駆動部（図示省略）が連結されており、株元挟持案内杆８８の後端部を中心として株元挟持案内杆８８の前部を上下方向に回転させることができる。
【００６４】
株元挟持案内杆８８は、図１６等に示すように、株元搬送装置８１の下側に株元搬送装置８１と略平行に株元挟持案内杆８８の前部から後部に向かってフィードチェン１８と反対側に傾斜して配置されている。また、株元挟持案内杆８８の前部は、フィードチェン１８の右側に沿って延伸し、扱室１０の後板１０Ｃを超えて扱胴１２の後部に臨み、扱胴１２の終端部よりも前方に設けられ、株元挟持案内杆８８の後部は、排藁処理装置９５の上側ロータリカッタ刃９６Ａの上側に臨んでいる。
【００６５】
（吸引排塵ファン）
脱穀・選別時に発生する藁屑等を吸引し機外に排出する吸引排塵ファン９０は、図４、図１３等に示すように、排藁搬送装置５０の下側で、且つ、扱室１０の後側に左右方向に軸架して設けられている。吸引排塵ファン９０は、下部に吸塵口が開口して形成されたケーシング９１によって覆われている。ケーシング９１は、吸引排塵ファン９０の前側を覆い後上がり傾斜する傾斜面９１Ａと、吸引排塵ファン９０の上側を覆い水平または緩やかに後下がり傾斜する上面９１Ｂによって形成されている。
【００６６】
（排藁処理装置）
脱穀装置３の後側には、図４、図１３等に示すように、左右方向に複数の排藁カッタ９６を軸架する排藁処理装置９５が配置されている。排藁搬送装置５０によって後方に搬送された排藁は、排藁搬送装置５０の終端部から排藁処理装置９５に供給される。排藁カッタ９６は、一対の上側ロータリカッタ刃９６Ａと下側ロータリカッタ刃９６Ｂからなり、排藁搬送装置５０から供給された排藁は、一対のロータリカッタ刃９６Ａ，９６Ｂの間を通過する際に細かく裁断された後に機外に排出される。
【００６７】
一対のロータリカッタ刃９６Ａ，９６Ｂの外部側はフードにより覆われており、また上側ロータリカッタ刃９６Ａの前側には、切断した排藁の切断藁屑を後方に落下するように案内するための切藁案内板９７が設けられている。切藁案内板９７の上部は上側ロータリカッタ刃９６Ａの下部とほぼ同じ高さに設けられ、切藁案内板９７の下部は下側ロータリカッタ刃９６Ｂの下部より下側に設けられている。
【符号の説明】
【００６８】
２ 走行装置
３ 脱穀装置
４ 刈取装置
６ 操縦部
１０ 扱室
１２ 扱胴
１８ フィードチェン
２０ 選別室
２１ 揺動選別装置
３０ 排塵処理室
４０ 二番処理室
５０ 排藁搬送装置
６０ 穂先搬送部
６１ 前側穂先搬送装置
６２ 前部従動スプロケット
６３ 後部駆動スプロケット
６３Ａ 前側駆動軸
７３Ａ 連結軸
７３Ｂ 連結軸
７４ 連結軸
７５ 第１穂先案内杆
７８ 第２穂先案内杆
８０ 株元搬送部
８１ 株元搬送装置
８２ 前部従動スプロケット
８３ 中間部駆動スプロケット
８３Ａ 株元駆動軸
８４ 後部従動スプロケット
８８ 株元挟持案内杆
９０ 吸引排塵ファン
９５ 排藁処理装置
１６１ 後側穂先搬送装置
１６２ 前部駆動スプロケット
１６２Ａ 後側駆動軸
１６３ 後部従動スプロケット
１７０ 排藁駆動軸
【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンバイン等に設けられる脱穀装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、脱穀後の排藁をフィードチェンから受け継いで後方へ搬送する株元側搬送装置と穂先側搬送装置とからなる排藁搬送装置を設け、該排藁搬送装置を搬送終端側から駆動する構成が提案されている（特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−５５８２７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、従来の搬送終端側から駆動する排藁搬送装置の穂先側搬送装置は、搬送位置によって姿勢が変化する排藁の穂先部を効率的に搬送することができず、搬送中に排藁が排藁搬送装置に詰まる恐れがある。
また、排藁搬送装置の穂先側搬送装置の全長は長く、脱穀装置の後部に該排藁搬送装置を配置する大きな空間が必要となり、扱室の空間が制限され、扱室に長尺な扱胴を設けることが困難となり脱穀能率が低下する恐れがある。
【０００５】
そこで、本発明の主たる課題は、かかる問題点を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項１記載の発明は、扱胴（１２）を有する扱室（１０）の下方に揺動選別装置（２１）を設け、前記扱室（１０）の左右一側に穀稈搬送用のフィードチェン（１８）を設け、該フィードチェン（１８）の搬送終端部から脱穀後の排稈を受け継いで脱穀装置（３）の外部へ搬送する排藁搬送装置（５０）を設けた脱穀装置であって、
前記排藁搬送装置（５０）は、排稈の株元側を搬送する株元搬送装置（８１）と、排稈の穂先側を搬送する前側穂先搬送装置（６１）及び後側穂先搬送装置（１６１）を備え、
該後側穂先搬送装置（１６１）の搬送終端部を前記前側穂先搬送装置（６１）の搬送終端部よりも後方に配置したことを特徴とする脱穀装置である。
【０００７】
請求項２記載の発明は、前記後側穂先搬送装置（１６１）を前側穂先搬送装置（６１）に対して株元搬送装置（８１）の存在する側とは反対の側に配置した請求項１記載の脱穀装置である。
【０００８】
請求項３記載の発明は、前記前側穂先搬送装置（６１）の搬送始端部を株元搬送装置（８１）の搬送始端部よりも下方に配置した請求項１または２記載の脱穀装置である。
【０００９】
請求項４記載の発明は、前記前側穂先搬送装置（６１）を、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が高い傾斜姿勢に設け、前記後側穂先搬送装置（１６１）を略水平姿勢、又は、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が低い傾斜姿勢に設けた請求項１〜３のいずれか１項に記載の脱穀装置である。
【００１０】
前記前側穂先搬送装置（６１）及び後側穂先搬送装置（１６１）を、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が高い傾斜姿勢に設けた請求項１〜３のいずれか１項に記載の脱穀装置である。
【００１１】
請求項６記載の発明は、前記前側穂先搬送装置（６１）の後部に設けられた後部駆動スプロケット（６３）と、前記後側穂先搬送装置（１６１）の前部に設けられた前部駆動スプロケット（１６２）と、株元搬送装置（８１）の中間部に設けられた中間部駆動スプロケット（８３）を同軸で駆動する排藁駆動軸（１７０）を設けた請求項１〜５のいずれか１項に記載の脱穀装置である。
【００１２】
請求項７記載の発明は、前記後部駆動スプロケット（６３）の有効径を、前記前部駆動スプロケット（１６２）の有効径よりも大径に形成した請求項６記載の脱穀装置である。
【発明の効果】
【００１３】
請求項１記載の発明によれば、排稈の株元側を搬送する株元搬送装置（８１）と、排稈の穂先側を搬送する前側穂先搬送装置（６１）及び後側穂先搬送装置（１６１）を備え、該後側穂先搬送装置（１６１）の搬送終端部を前側穂先搬送装置（６１）の搬送終端部よりも後方に配置しているので、搬送位置によって姿勢が変化する穂先を能率良く支持し、排稈を脱穀装置（３）の外部へ搬送することができる。
【００１４】
請求項２記載の発明によれば、請求項１記載の発明による効果に加えて、後側穂先搬送装置（１６１）を前側穂先搬送装置（６１）に対して株元搬送装置（８１）の存在する側とは反対の側に配置しているので、搬送後側における穀稈の穂先側の部位の垂れ下がりを抑制し、排藁搬送装置（５０）への排稈の絡まりを防止することができる。
【００１５】
請求項３記載の発明によれば、請求項１または２記載の発明による効果に加えて、前側穂先搬送装置（６１）の搬送始端部を株元搬送装置（８１）の搬送始端部よりも下方に配置しているので、フィードチェン（１８）から排稈を円滑に受け継ぐことができる。
【００１６】
請求項４記載の発明によれば、請求項１〜３のいずれか１項に記載の発明による効果に加えて、前側穂先搬送装置（６１）を、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が高い傾斜姿勢に設け、後側穂先搬送装置（１６１）を略水平姿勢、又は、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が低い傾斜姿勢に設けているので、脱穀装置（３）の後部の省スペース化を図ることができる。
【００１７】
請求項５記載の発明によれば、請求項１〜３のいずれか１項に記載の発明の効果に加えて、前側穂先搬送装置（６１）及び後側穂先搬送装置（１６１）を、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が高い傾斜姿勢に設けているので、排稈の搬送姿勢の乱れを防止することができる。
【００１８】
請求項６記載の発明によれば、請求項１〜５のいずれか１項に記載の発明の効果に加えて、前側穂先搬送装置（６１）の後部に設けられた後部駆動スプロケット（６３）と、後側穂先搬送装置（１６１）の前部に設けられた前部駆動スプロケット（１６２）と、株元搬送装置（８１）の中間部に設けられた中間部駆動スプロケット（８３）を同軸で駆動する排藁駆動軸（１７０）を設けているので、伝動構造を簡素化して、排藁搬送装置（５０）への排稈の絡まりを抑制することができる。また、前側穂先搬送装置（６１）と、後側穂先搬送装置（１６１）と、株元搬送装置（８１）の取付け構造を簡易にでき、製造コストを削減することができる。
【００１９】
請求項７記載の発明によれば、請求項６記載の発明の効果に加えて、後部駆動スプロケット（６３）の有効径を、前部駆動スプロケット（１６２）の有効径よりも大径に形成しているので、前側穂先搬送装置（６１）を後側穂先搬送装置（１６１）に対して高速で駆動することで、フィードチェン（１８）から遅れて引継がれる排稈の穂先を後側に速やかに搬送し、排藁搬送装置（５０）の始端部で発生する排稈の絡まり低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】コンバインの左側面図である。
【図２】コンバインの正面図である。
【図３】コンバインの平面図である。
【図４】コンバインの縦断面図である。
【図５】排藁搬送装置の拡大左側面図である。
【図６】コンバインの横断面図である。
【図７】排藁搬送装置の拡大平面図である。
【図８】穂先搬送装置の左側面図である。
【図９】株元搬送装置の左側面図である。
【図１０】コンバインの背面図である。
【図１１】穂先搬送装置と株元搬送装置の左側面図である。
【図１２】穂先搬送装置の左側面図である。
【図１３】他のコンバインの縦断面図である。
【図１４】他の排藁搬送装置の拡大左側面図である。
【図１５】他のコンバインの横断面図である。
【図１６】他の排藁搬送装置の拡大平面図である。
【図１７】排藁搬送装置の拡大平面図である。
【図１８】搬送装置のフレーム平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
以下、本発明の一実施例について添付図面を参照しつつ詳説する。なお、理解を容易にするため、便宜的に方向を示して説明しているが、これらにより構成が限定されるものではない。
【００２２】
コンバインは、図１〜図３に示すように、コンバインの機体フレーム１の下側には土壌面を走行する為の左右一対のクローラからなる走行装置２が設けられ、機体フレーム１の上方左側には脱穀・選別を行なう脱穀装置３が設けられ、脱穀装置３の前側には圃場の穀桿を収穫する刈取装置４が設けられている。刈取装置４で刈取られた穀桿は供給搬送装置８によって脱穀装置３に搬送され、脱穀装置３で脱穀・選別された穀粒は脱穀装置３の右側に設けられたグレンタンク５に貯留され、貯留された穀粒は排出筒７により機外へ排出される。又、機体フレーム１の上方右側には操作者が搭乗する操作席を備えた操縦部６が設けられている。なお、操縦部６には、走行装置２の速度の切換を行う主変速レバー６Ａ、刈取る穀桿の倒伏状態に応じて走行装置２の速度の切換を行う副変速レバー６Ｂが設けられている。
【００２３】
脱穀装置３は、図４〜図６等に示すように、前側上部に穀稈の脱穀を行う扱室１０を備え、扱室１０の下側に脱穀された穀粒の選別を行なう選別室２０を備えている。また、扱室１０で脱穀された排藁は、フィードチェン１８によって後方に搬送された後、フィードチェン１８から排藁搬送装置５０に受け継がれ、排藁搬送装置５０によってさらに後方に搬送された後、排藁搬送装置５０の終端部から排藁処理装置９５に落下し排藁処理装置９５の排藁カッタ９６によって細かく裁断された後、機外に排出される。
【００２４】
（扱室）
扱室１０には複数の扱歯１１を有する扱胴１２が前後方向に延伸する扱胴軸１３に軸支されている。そして、扱室１０の前板１０Ａの左側下部には穀稈供給口１５が開口して形成され、左板１０Ｂの下部には穀稈供給口１５に連通し、扱胴１２に沿うように扱ぎ口１６が開口して形成され、後板１０Ｃの左側下部には扱ぎ口１６に連通する排藁口１７が開口して形成されている。また、扱室１０の左板１０Ｂの左側には扱ぎ口１６に沿うように、給搬送装置８によって揚上搬送された穀桿の株元を挟持して後方に搬送するフィードチェン１８が設けられている。なお、フィードチェン１８は、フィードチェーン部１８Ａとスプリング等の付勢手段１８Ｂによって支持された挟持杆１８Ｃとから構成され、付勢手段１８Ｂには、フィードチェン１８によって搬送される排藁量を検知する層厚センサ１９Ａが設けられ、挟持杆１８Ｃには、排藁の扱深さを検知する扱深センサ１９Ｂが設けられている。
【００２５】
（選別室）
扱室１０の下側には、扱室１０から漏下する脱穀処理物を穀粒とそれ以外の藁屑等とに選別するための選別室２０が設けられている。選別室２０の上部には揺動選別装置２１が設けられ、選別室２０の下部には揺動選別装置２１に空気を送風する唐箕２５と、揺動選別装置２１から漏下する穀粒を回収する一番受樋２８と、揺動選別装置２１から漏下する枝梗等が付着した穀粒を回収する二番受樋２９とが、前側から後側に向かって設けられている。なお、一番受樋２８で回収された穀粒はグレンタンク５に移送され、二番受樋２９で回収された穀粒等は二番処理室４０に移送される。
【００２６】
揺動選別装置２１は、唐箕２５の上方に配置された移送棚２２と、移送棚２２の下流側に配置された固定シーブ２３と、さらに固定シーブ２３の下流側に配置されたストローラック２４とによって構成されている。
【００２７】
移送棚２２は、扱室１０から漏下する穀粒を下流側に配置された固定シーブ２３に移送できればよく、移送棚２２の後部を後下がりに傾斜させたり、移送棚２２の上面に突起や凹凸を設けたりすることができる。
【００２８】
固定シーブ２３は、移送棚２２から移送された穀粒又は扱室１０から直接漏下する穀粒と藁屑等の異物とを選別する篩であり、下流側が高くなるように傾斜した薄い板状体からなる固定シーブ部材を揺動選別装置２１の揺動方向に所定の間隔を空けて平行に複数並設したものである。
【００２９】
ストローラック２４は、固定シーブ２３から漏下しなかった比較的大きな藁屑中から枝梗等が付着した穀粒等を篩い選別する篩である。なお、本実施形態の揺動選別装置２１は、移送棚２２と、固定シーブ２３と、ストローラック２４からなるが、穀粒と藁屑を効率的に選別する為に、固定シーブ２３と、ストローラック２４の間に可動シーブを設けることもできる。可動シーブは、固定シーブ２３から移送されてくる穀粒を選別する篩であり、下流側が高くなるように傾斜した薄い板状体からなるシーブ部材を揺動方向に所定の間隔を空けて平行に複数並設したものである。
【００３０】
唐箕２５の送風口２６には、風割２７によって上下に形成された上側風路２６Ａと下側風路２６Ｂとが設けられている。また、送風口２６の後側に設けられた一番受樋２８の内部にはグレンタンク５に連通する螺旋コンベア式の一番コンベア２８Ａが配置され、二番受樋２９の内部には二番処理室４０に連通する螺旋コンベア式の二番コンベア２９Ａが配置されている。
【００３１】
（排塵処理室）
扱室１０の右側後部は排塵処理室３０に連通し、排塵処理室３０の内部には外周面にスクリュー羽根体３１を備える排塵処理胴３２が前後方向に軸架されている。排塵処理室３０に供給された被処理物は、回転する排塵処理胴３２によって後方に搬送されつつ解砕処理される過程で、揺動選別装置２１の固定シーブ２３上に漏下されるか、又は排塵処理室３０の終端部に至った後に揺動選別装置２１のストローラック２４上に排出される。
【００３２】
（二番処理室）
排塵処理室３０の前側には二番物を処理して還元するための二番処理室４０が設けられている。二番処理室４０の内部には外周面に間欠螺旋羽根４１を備える二番処理胴４２が軸架されている。二番処理室４０に供給された二番物は、回転する二番処理胴４２によって前方に搬送されつつ穀粒と枝梗とが分離され、二番処理物還元口から揺動選別装置２１の移送棚２２に落下し、扱室１０からの被処理物と合流して再選別される。
【００３３】
（排藁搬送装置）
排藁搬送装置５０は、図４〜図７に示すように、排藁の穂先を後方に搬送する穂先側の穂先搬送部６０と、排藁の株元を挟持して後方に搬送する株元側の株元搬送部８０からなる。
【００３４】
（穂先搬送装置）
穂先搬送部６０は、前側穂先搬送装置６１と、後側穂先搬送装置１６１と、後部が前側穂先搬送装置６１の下側に位置し、前部が前方に延伸している第２穂先案内杆７８と、後部が後側穂先搬送装置１６１の下側に位置し、前部が前方に延伸している第１穂先案内杆７５からなる。また、脱穀装置３の後部の空間を有効に活用し、排藁の搬送を能率良く行う為に、前側穂先搬送装置６１の前部は、前側駆動軸６３Ａを中心として前側に立下がり傾斜し、後側穂先搬送装置１６１は略水平に配置され、側面視において、前側穂先搬送装置６１と後側穂先搬送装置１６１は略への字状に配置されている。
【００３５】
前側穂先搬送装置６１は、図８に示すように、前部従動スプロケット６２と、後部駆動スプロケット６３にチェン６４が巻き掛けられている。チェン６４には、所定間隔毎に起立・倒伏自在な搬送ラグ６４Ａが枢着されており、搬送ラグ６４Ａの案内部材によって、前側穂先搬送装置６１の下側の搬送径路では搬送ラグ６４Ａは起立し、前側穂先搬送装置６１の上側では搬送ラグ６４Ａは倒伏して移動する。また、後部駆動スプロケット６３の有効径は、フィードチェン１８の終端部から引継がれる排藁の穂先を高速で搬送し、排藁の穂先遅れを防止する為に、後述する後側穂先搬送装置１６１の前部駆動スプロケット１６２の有効径よりも大径に形成されており、チェン６４の搬送速度は、チェン１６４の搬送速度よりも高速とされている。
【００３６】
前側穂先搬送装置６１の後部は、前側穂先搬送装置６１の位置を上下方向に調整する為に、排藁処理装置９５の左側前部から右側前方に延伸するフレーム６５に一対の長孔６６Ａが形成されたブラケット６６に取付けられている。また、前側穂先搬送装置６１の前側部は、モータ等の駆動部（図示省略）によって、後部駆動スプロケット６３の前側駆動軸６３Ａを中心として上下方向に回転（スイング）させることができる。
なお、前側穂先搬送装置６１の回転は、走行装置２の速度、穀稈の刈取量、穀稈の種類等によって調整することができる。例えば、操縦部８の主変速レバー６Ａ、副変速レバー６Ｂが接続された場合には、前側穂先搬送装置６１の前側部は上方に回転し、接続されていない場合には、前側穂先搬送装置６１の前側部は下方（通常状態の位置）に回転する。また、穀稈が多量であり層厚センサ１９Ａが接続された場合、穀稈の扱い位置が深く扱深センサ１９Ｂが接続された場合には、前側穂先搬送装置６１の前側部は上方に回転し、接続されていない場合には、前側穂先搬送装置６１の前側部は下方に回転させることができ、さらに、穀稈が稲である場合には、前側穂先搬送装置６１の前側部は上方に回転させ、麦である場合には、前側穂先搬送装置６１の前側部は下方に回転させることもできる。
【００３７】
前側穂先搬送装置６１は、図５、図１０等に示すように、後上がり傾斜して配置されており、前側穂先搬送装置６１の前端部は、搬送方向のフィードチェン１８の下方に臨み、前側穂先搬送装置６１の後部は、吸引排塵ファン９０を包囲するケーシング９１の傾斜面９１Ａよりも緩やかに後上がり傾斜している。前側穂先搬送装置６１の終端部は、傾斜面９１Ａの終端部の近傍に臨み、側面視において吸引排塵ファン９０を軸支する軸９０Ａの前側近傍に位置し、扱室１０の後板１０Ｃを背側から投影した下端部よりも若干上方に設けられている。なお、６１Ａは、前側穂先搬送装置６１の搬送ラグ６４Ａの先端部の軌跡を示し、６１Ｂは、前側穂先搬送装置６１のチェン６４の軌跡を示している。
【００３８】
前側穂先搬送装置６１は、図７等に示すように、前側穂先搬送装置６１の前部から後部に向かいフィードチェン１８と反対側に傾斜して配置されており、株元搬送装置８１と略平行に併置されている。前側穂先搬送装置６１の前部は、扱室１０の排藁口１７の近傍に臨み、前側穂先搬送装置６１の後部は、吸引排塵ファン９０の上面９１Ｂの左右中間部の前部に臨んでいる。
【００３９】
後側穂先搬送装置１６１は、図８に示すように、前部駆動スプロケット１６２と、後部従動スプロケット１６３にチェン１６４が巻き掛けられている。チェン１６４には、所定間隔毎に起立・倒伏自在な搬送ラグ１６４Ａが枢着されており、搬送ラグ１６４Ａの案内部材によって、後側穂先搬送装置１６１の下側の搬送径路では搬送ラグ１６４Ａは起立し、後側穂先搬送装置１６１の上側では搬送ラグ１６４Ａは倒伏して移動する。なお、後側穂先搬送装置１６１の軽量化を図り、駆動時の騒音を低減する為に、チェン１６４に換えて、ラグ付きベルトを使用することもできる。
【００４０】
後側穂先搬送装置１６１の前部は、後側穂先搬送装置１６１の位置を上下方向に調整する為に、排藁処理装置９５の左側前部から右側前方に延伸するフレーム６５に一対の長孔１６６Ａが形成されたブラケット１６６に取付けられている。また、後側穂先搬送装置１６１の後側部は、モータ等の駆動部（図示省略）によって、前部駆動スプロケット１６２の後側駆動軸１６２Ａを中心として上下方向に回転させることができる。なお、後側穂先搬送装置１６１の回転は、前述したように走行装置２の速度、穀稈の刈取量、穀稈の種類等によって調整され、略への字状を維持する為に、前側穂先搬送装置６１と、後側穂先搬送装置１６１は連動して回転する。
【００４１】
後側穂先搬送装置１６１は、図５、図１０等に示すように、略水平に配置されており、後側穂先搬送装置１６１の前端部は、吸引排塵ファン９０を包囲するケーシング９１の傾斜面９１Ａの終端部の近傍に臨み、後側穂先搬送装置１６１の後端部は、ケーシング９１の上面９１Ｂの終端部の近傍に臨んでいる。また、後側穂先搬送装置１６１の後端部は、株元搬送装置８１よりも若干上方に設けられている。なお、１６１Ａは、後側穂先搬送装置１６１の搬送ラグ１６４Ａの先端部の軌跡を示し、１６１Ｂは、後側穂先搬送装置１６１のチェン１６４の軌跡を示している。
【００４２】
後側穂先搬送装置１６１は、図７等に示すように、前側穂先搬送装置６１と同様に後側穂先搬送装置１６１の前部から後部に向かいフィードチェン１８と反対側に傾斜して配置されており、株元搬送装置８１と略平行に併置されている。後側穂先搬送装置１６１の前部は、吸引排塵ファン９０の上面９１Ｂの左右中間部の前部に臨み、後側穂先搬送装置１６１の後部は、吸引排塵ファン９０の上面９１Ｂの右側部の排塵処理室３０の近傍に臨んでいる。また、後側穂先搬送装置１６１は、排藁の穂先の垂れ下がりを防止する為に、株元搬送装置８１と反対側の前側穂先搬送装置６１の右側後方に配置されている。
【００４３】
前側穂先搬送装置６１と後側穂先搬送装置１６１は、排藁搬送経路を確保する為に、側面視において、略への字状に配置しているが、排藁をより安定して搬送する為に、図１１、図１２に示すように、側面視において、前側穂先搬送装置６１を後上がり傾斜して配置し、前側穂先搬送装置６１と同様に後側穂先搬送装置１６１を後上がり傾斜して配置し、前側穂先搬送装置６１と後側穂先搬送装置１６１を略一直線状に配置することもできる。
【００４４】
後側穂先搬送装置１６１の前部駆動スプロケット１６２には、図７等に示すように、扱室１０の扱胴１２を軸支する扱胴軸１３の回転が伝動される。エンジンの回転は扱室１０の前板１０Ａの前側に設けられたギヤボックス１４を介して扱胴軸１３に伝動され、扱胴軸１３の回転は扱室１０の後板１０Ｃの後側に延伸した扱胴軸１３に軸支されたプーリ７０Ａと排塵処理室３０の左側に設けられたフレーム７１に支持された伝動装置（ギヤボックス）７２の入力軸７２Ａに軸支されたプーリ７０Ｂに巻き掛けられたベルト７０Ｃを介してギヤボックス７２に伝動される。また、ベルト７０Ｃは扱室１０の後板１０Ｃと略平行に設けられている。
【００４５】
ギヤボックス７２に伝動された回転は、一端がギヤボックス７２の出力軸７２Ｂに連結され、他端が後側穂先搬送装置１６１の前部駆動スプロケット１６２を軸支する後側駆動軸１６２Ａに連結された連結軸７３Ａを介して後側穂先搬送装置１６１に伝動される。また、後側穂先搬送装置１６１の後側駆動軸１６２Ａは、前側穂先搬送装置６１の後部駆動スプロケット６３を軸支する前側駆動軸６３Ａと連結軸７３Ｂによって連結されており、後側穂先搬送装置１６１に伝動された回転は、連結軸７３Ｂと、前側穂先搬送装置６１の前側駆動軸６３Ａを介して前側穂先搬送装置６１に伝動される。さらに、前側穂先搬送装置６１の前側駆動軸６３Ａは、株元搬送部８０の株元搬送装置８１の中間部駆動スプロケット８３を軸支する駆動軸８３Ａと連結軸７４によって連結されており、前側穂先搬送装置６１に伝動され回転は、連結軸７４と、株元搬送装置８１の駆動軸８３Ａを介して株元搬送装置８１に伝動される。すなわち、上記出力軸７２Ｂ、連結軸７３Ａ、後側駆動軸１６２Ａ、連結軸７３Ｂ、前側駆動軸６３Ａ、連結軸７４及び駆動軸８３Ａが、一体的に連結された排藁駆動軸１７０を構成し、この排藁駆動軸１７０によって、同一軸心上に配置された後部駆動スプロケット６３、前部駆動スプロケット１６２及び中間部駆動スプロケット８３を駆動する。
【００４６】
フレームの剛性を高める為に、図１７、図１８に示すように、フレーム６５に換えてフレーム６８を使用することができる。フレーム６８は、前後方向に延伸する梁６８Ａと、左右方向に延伸する６８Ｂと、前後方向に延伸し前部が右側に傾斜する梁６８Ｃと、左右方向に延伸し前部が前側に傾斜する梁６８Ｄを略四角形状に構成され、梁６８Ａの中間部と梁６８Ｃの前部は、株元搬送部８０を取付ける梁６８Ｅで連結され、梁６８の前部と梁６８Ｄの前部から前側に延伸する梁６８Ｆは、ギヤボックス７２を固定する支持部材６９で連結されている。
【００４７】
鋼材等からなる第１穂先案内杆７５は、図５等に示すように、前部は、搬送方向のフィードチェン１８の下方に臨み、後上がり傾斜しフィードチェン１８の上方に至り、中間部は、前側穂先搬送装置６１と略平行に延伸し、吸引排塵ファン９０を包囲する傾斜面９１Ａの終端部に臨み、後部は、後側穂先搬送装置１６１と略平行に延伸し、吸引排塵ファン９０の上面９１Ｂの上側で緩やかに後下がり傾斜している。
【００４８】
鋼材等からなる第２穂先案内杆７８は、図５等に示すように、前部は、搬送方向のフィードチェン１８の下方に臨み、後上がり傾斜しフィードチェン１８の上方に至り、後部は、吸引排塵ファン９０のケーシング９１の傾斜面９１Ａの終端部の近傍に臨んでいる。また、第２穂先案内杆７８の前部は、吸引排塵ファン９０の傾斜面９１Ａよりも緩やかに後上がり傾斜し、後部は、側面視において吸引排塵ファン９０を軸支する軸９０Ａよりも後方近傍まで設けられている。
【００４９】
（株元搬送装置）
株元搬送部８０は、株元搬送装置８１と、株元挟持案内杆８８とからなり、株元搬送装置８１は、図９に示すように、前部従動スプロケット８２と、中間部駆動スプロケット８３と、後部従動スプロケット８４にチェン８５が巻き掛けられている。
株元搬送装置８１の中間部は、株元搬送装置８１の位置を上下方向に調整する為に、排藁処理装置９５の左側前部から右側前方に延伸するフレーム６５に一対の長孔８７Ａが形成されたブラケット８７に取付けられている。また、株元搬送装置８１は、モータ等の駆動部（図示省略）によって、中間部駆動スプロケット８３の株元駆動軸８７Ａを中心として株元搬送装置８１の前側部及び後側部を上下方向に回転させることができる。なお、株元搬送装置８１の回転は、前述したように走行装置２の速度、穀稈の刈取量、穀稈の種類等によって調整され、株元搬送装置８１の回転は、排藁の搬送姿勢を良好に維持する為に、前側穂先搬送装置６１、後側穂先搬送装置１６１の回転よりも小さい。
【００５０】
株元搬送装置８１は、図５等に示すように、前側穂先搬送装置６１よりも緩やかに後上がり傾斜して配置されており、株元搬送装置８１の前部は、搬送方向のフィードチェン１８の上方の近傍に臨み、株元搬送装置８１の後部は、排藁処理装置９５の上側に臨んでいる。
【００５１】
株元搬送装置８１は、図７等に示すように、株元搬送装置８１の前部から後部に向かってフィードチェン１８と反対側に傾斜して配置されている。また、株元搬送装置８１の前部は、フィードチェン１８の右側近傍に臨み、株元搬送装置８１の後部は、吸引排塵ファン９０のケーシング９１の上面９１Ｂを延伸し、排藁処理装置９５の右側後部に臨んでいる。
【００５２】
鋼材等からなる株元挟持案内杆８８は、図５等に示すように、株元搬送装置８１の下側に株元搬送装置８１と略平行に後上がり傾斜して配置されており、前部は、搬送方向のフィードチェン１８の下方に臨み、後上がり傾斜しフィードチェン１８の上方に至り、株元挟持案内杆８８の後部は、株元搬送装置８１の中間部の後側まで延伸し、排藁処理装置９５の排藁カッタ９６をなす上側ロータリカッタ刃９６Ａの上側に臨んでいる。
【００５３】
株元挟持案内杆８８は、図７等に示すように、株元搬送装置８１の下側に株元搬送装置８１と略平行に株元挟持案内杆８８の前部から後部に向かってフィードチェン１８と反対側に傾斜して配置されている。また、株元挟持案内杆８８の前部は、フィードチェン１８の右側に沿って延伸し、扱室１０の後板１０Ｃを超えて扱胴１２の後部に臨み、後部は、排藁処理装置９５の上側ロータリカッタ刃９６Ａの上側に臨んでいる。
【００５４】
（他の排藁搬送装置）
次に、他の排藁搬送装置５０Ａについて詳述する。また、同一部材については、同一符号を付し、重複した説明は省略する。排藁搬送装置５０Ａは、図１３〜図１６に示すように、排藁の穂先を後方に搬送する穂先側の穂先搬送部６０Ａと、排藁の株元を挟持して後方に搬送する株元側の株元搬送部８０Ａからなる。
【００５５】
（穂先搬送装置）
穂先搬送部６０Ａは、図１３〜図１６に示すように、前側穂先搬送装置６１と、後部が前側穂先搬送装置６１の右側下方に配置され、前部が前側穂先搬送装置６１の左側前方に延伸している第１穂先案内杆７５Ａと、後部が前側穂先搬送装置６１の左側下方に配置され、前部が前方に延伸している第２穂先案内杆７８Ａから構成されている。
前側穂先搬送装置６１は、前部従動スプロケット６２と、後部駆動スプロケット６３に起立・倒伏自在な搬送ラグ６４Ａが枢着されチェン６４が巻き掛けられている。前側穂先搬送装置６１の後部は、前側穂先搬送装置６１の位置を上下方向に調整する為に、排藁処理装置９５の左側前部から右側前方に延伸するフレーム６５に一対の長孔６６Ａが形成されたブラケット６６に取付けられている。また、前側穂先搬送装置６１は、モータ等の駆動部（図示省略）によって、後部駆動スプロケット６３の前側駆動軸６３Ａを中心として前側穂先搬送装置６１の前部を上下方向に回転し、後述する第１穂先案内杆７５Ａと、第２穂先案内杆７８Ａに連動して回転する。なお、前側穂先搬送装置６１と、第１穂先案内杆７５Ａと、第２穂先案内杆７８Ａの回転は、走行装置２の速度、穀稈の刈取量、穀稈の種類等によって調整される。
【００５６】
ギヤボックス７２に伝動された回転は、一端がギヤボックス７２の出力軸７２Ｂに連結され、他端が前側穂先搬送装置６１の後部駆動スプロケット６３を軸支する前側駆動軸６３Ａに連結された連結軸７３Ｃを介して前側穂先搬送装置６１に伝動される。また、前側穂先搬送装置６１に伝動された回転は、一端が前側穂先搬送装置６１の前側駆動軸６３Ａに連結され、他端が株元搬送装置８１の中間部駆動スプロケット８３を軸支する駆動軸８３Ａに連結された連結軸７４を介して株元搬送装置８１に伝動される。
【００５７】
鋼材等からなる第１穂先案内杆７５Ａは、図１４等に示すように、前側穂先搬送装置６１の右側下方に前側穂先搬送装置６１と略平行に後上がり傾斜して配置されており、前部は、搬送方向のフィードチェン１８の下方に臨み、後上がり傾斜しフィードチェン１８の上方に至り、中間部は、前側穂先搬送装置６１と略平行に延伸し、吸引排塵ファン９０を包囲する傾斜面９１Ａの終端部に臨み、後部は、吸引排塵ファン９０の上面９１Ｂの上側で緩やかに後下がり傾斜している。なお、第１穂先案内杆７５Ａの前部は、前側穂先搬送装置６１の左側に位置する上端部から下方に向かって延伸した後、右側に傾斜しながら後上がり急傾斜し前側穂先搬送装置６１の右側に延伸し中間部に至っている。
第１穂先案内杆７５Ａの後部には、モータ等の駆動部（図示省略）が連結されており、第１穂先案内杆７５Ａの後端部を中心として第１穂先案内杆７５Ａの前部を上下方向に回転させることができる。
【００５８】
第１穂先案内杆７５Ａは、図１６等に示すように、前側穂先搬送装置６１の右側に前側穂先搬送装置６１と略平行に前部から後部に向かってフィードチェン１８と反対側に傾斜して配置されている。また、第１穂先案内杆７５Ａの前部は、扱室１０の排藁口１７の近傍に臨み、第１穂先案内杆７５Ａの後部は、排藁処理装置９５の前側近傍に臨んでいる。
【００５９】
鋼材等からなる第２穂先案内杆７８Ａは、図１４等に示すように、前側穂先搬送装置６１の左側下方に前側穂先搬送装置６１及び第１穂先案内杆７５Ａと略平行に後上がり傾斜して配置されており、前部は、搬送方向のフィードチェン１８の下方に臨み、後上がり傾斜しフィードチェン１８の上方に至り、後部は、吸引排塵ファン９０のケーシング９１の傾斜面９１Ａの終端部の近傍に臨んでいる。なお、第２穂先案内杆７８Ａの前部は、吸引排塵ファン９０の傾斜面９１Ａよりも緩やかに後上がり傾斜し、後部は、側面視において吸引排塵ファン９０を軸支する軸９０Ａよりも後方近傍まで設けられている。
第２穂先案内杆７８Ａの後部には、モータ等の駆動部（図示省略）が連結されており、第２穂先案内杆７８Ａの後端部を中心として第２穂先案内杆７８Ａの前部を上下方向に回転させることができる。
【００６０】
第２穂先案内杆７８Ａは、図１６等に示すように、前側穂先搬送装置６１と株元搬送装置８１の間に、前側穂先搬送装置６１と略平行に前部から後部に向かってフィードチェン１８と反対側に傾斜して配置されている。また、第２穂先案内杆７８Ａの前部は、扱室１０の排藁口１７の近傍に臨み、後部は、前側穂先搬送装置６１よりも若干後方まで延伸し、吸引排塵ファン９０のケーシング９１の上面９１Ｂの前部まで設けられている。
【００６１】
（他の株元搬送装置）
株元搬送部８０Ａは、図１３〜図１６に示すように、株元搬送装置８１と、後部が株元搬送装置８１の下側に配置され、前部が前方に延伸している株元挟持案内杆８８とから構成され、上述した株元搬送部８０と略同一構造である。
株元搬送装置８１は、前部従動スプロケット８２と、中間部駆動スプロケット８３と、後部従動スプロケット８４にチェン８５が巻き掛けられている。株元搬送装置８１の中間部は、株元搬送装置８１の位置を上下方向に調整する為に、排藁処理装置９５の左側前部から右側前方に延伸するフレーム６５に一対の長孔８７Ａが形成されたブラケット８７に取付けられている。
【００６２】
株元搬送装置８１は、モータ等の駆動部（図示省略）によって、中間部駆動スプロケット８３の株元駆動軸８７Ａを中心として株元搬送装置８１の前側部及び後側部を上下方向に回転させることができ、後述する株元挟持案内杆８８と連動して回転し、株元搬送装置８１と、株元挟持案内杆８８の回転は、走行装置２の速度、穀稈の刈取量、穀稈の種類等によって調整される。
また、株元搬送装置８１と、株元挟持案内杆８８の回転は、排藁の搬送姿勢を良好に維持する為に、前側穂先搬送装置６１と、第１穂先案内杆７５Ａと、第２穂先案内杆７８Ａの回転よりも小さく、正面視において、株元搬送装置８１の先端部と、第２穂先案内杆７８Ａの先端部と、前側穂先搬送装置６１の先端部と、第１穂先案内杆７５Ａの先端部の順で株元搬送装置８１の先端部から第１穂先案内杆７５Ａの先端部に右側傾斜する直線状に位置する。
【００６３】
鋼材等からなる株元挟持案内杆８８は、図１４等に示すように、株元搬送装置８１の下側に株元搬送装置８１と略平行に後上がり傾斜して配置されており、前部は、搬送方向のフィードチェン１８の下方に臨み、後上がり傾斜しフィードチェン１８の上方に至り、後部は、株元搬送装置８１の中間部の後側まで延伸し、排藁処理装置９５の排藁カッタ９６をなす上側ロータリカッタ刃９６Ａの上側に臨んでいる。なお、株元挟持案内杆８８の前部は、下端部から略垂直に上方に向かって延伸し、後上がり急傾斜し後部に至っている。
株元挟持案内杆８８の後部には、モータ等の駆動部（図示省略）が連結されており、株元挟持案内杆８８の後端部を中心として株元挟持案内杆８８の前部を上下方向に回転させることができる。
【００６４】
株元挟持案内杆８８は、図１６等に示すように、株元搬送装置８１の下側に株元搬送装置８１と略平行に株元挟持案内杆８８の前部から後部に向かってフィードチェン１８と反対側に傾斜して配置されている。また、株元挟持案内杆８８の前部は、フィードチェン１８の右側に沿って延伸し、扱室１０の後板１０Ｃを超えて扱胴１２の後部に臨み、扱胴１２の終端部よりも前方に設けられ、株元挟持案内杆８８の後部は、排藁処理装置９５の上側ロータリカッタ刃９６Ａの上側に臨んでいる。
【００６５】
（吸引排塵ファン）
脱穀・選別時に発生する藁屑等を吸引し機外に排出する吸引排塵ファン９０は、図４、図１３等に示すように、排藁搬送装置５０の下側で、且つ、扱室１０の後側に左右方向に軸架して設けられている。吸引排塵ファン９０は、下部に吸塵口が開口して形成されたケーシング９１によって覆われている。ケーシング９１は、吸引排塵ファン９０の前側を覆い後上がり傾斜する傾斜面９１Ａと、吸引排塵ファン９０の上側を覆い水平または緩やかに後下がり傾斜する上面９１Ｂによって形成されている。
【００６６】
（排藁処理装置）
脱穀装置３の後側には、図４、図１３等に示すように、左右方向に複数の排藁カッタ９６を軸架する排藁処理装置９５が配置されている。排藁搬送装置５０によって後方に搬送された排藁は、排藁搬送装置５０の終端部から排藁処理装置９５に供給される。排藁カッタ９６は、一対の上側ロータリカッタ刃９６Ａと下側ロータリカッタ刃９６Ｂからなり、排藁搬送装置５０から供給された排藁は、一対のロータリカッタ刃９６Ａ，９６Ｂの間を通過する際に細かく裁断された後に機外に排出される。
【００６７】
一対のロータリカッタ刃９６Ａ，９６Ｂの外部側はフードにより覆われており、また上側ロータリカッタ刃９６Ａの前側には、切断した排藁の切断藁屑を後方に落下するように案内するための切藁案内板９７が設けられている。切藁案内板９７の上部は上側ロータリカッタ刃９６Ａの下部とほぼ同じ高さに設けられ、切藁案内板９７の下部は下側ロータリカッタ刃９６Ｂの下部より下側に設けられている。
【符号の説明】
【００６８】
２ 走行装置
３ 脱穀装置
４ 刈取装置
６ 操縦部
１０ 扱室
１２ 扱胴
１８ フィードチェン
２０ 選別室
２１ 揺動選別装置
３０ 排塵処理室
４０ 二番処理室
５０ 排藁搬送装置
６０ 穂先搬送部
６１ 前側穂先搬送装置
６２ 前部従動スプロケット
６３ 後部駆動スプロケット
６３Ａ 前側駆動軸
７３Ａ 連結軸
７３Ｂ 連結軸
７４ 連結軸
７５ 第１穂先案内杆
７８ 第２穂先案内杆
８０ 株元搬送部
８１ 株元搬送装置
８２ 前部従動スプロケット
８３ 中間部駆動スプロケット
８３Ａ 株元駆動軸
８４ 後部従動スプロケット
８８ 株元挟持案内杆
９０ 吸引排塵ファン
９５ 排藁処理装置
１６１ 後側穂先搬送装置
１６２ 前部駆動スプロケット
１６２Ａ 後側駆動軸
１６３ 後部従動スプロケット
１７０ 排藁駆動軸
【特許請求の範囲】
【請求項１】
扱胴（１２）を有する扱室（１０）の下方に揺動選別装置（２１）を設け、前記扱室（１０）の左右一側に穀稈搬送用のフィードチェン（１８）を設け、該フィードチェン（１８）の搬送終端部から脱穀後の排稈を受け継いで脱穀装置（３）の外部へ搬送する排藁搬送装置（５０）を設けた脱穀装置であって、
前記排藁搬送装置（５０）は、排稈の株元側を搬送する株元搬送装置（８１）と、排稈の穂先側を搬送する前側穂先搬送装置（６１）及び後側穂先搬送装置（１６１）を備え、
該後側穂先搬送装置（１６１）の搬送終端部を前記前側穂先搬送装置（６１）の搬送終端部よりも後方に配置したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項２】
前記後側穂先搬送装置（１６１）を前側穂先搬送装置（６１）に対して株元搬送装置（８１）の存在する側とは反対の側に配置した請求項１記載の脱穀装置。
【請求項３】
前記前側穂先搬送装置（６１）の搬送始端部を株元搬送装置（８１）の搬送始端部よりも下方に配置した請求項１または２記載の脱穀装置。
【請求項４】
前記前側穂先搬送装置（６１）を、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が高い傾斜姿勢に設け、前記後側穂先搬送装置（１６１）を略水平姿勢、又は、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が低い傾斜姿勢に設けた請求項１〜３のいずれか１項に記載の脱穀装置。
【請求項５】
前記前側穂先搬送装置（６１）及び後側穂先搬送装置（１６１）を、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が高い傾斜姿勢に設けた請求項１〜３のいずれか１項に記載の脱穀装置。
【請求項６】
前記前側穂先搬送装置（６１）の後部に設けられた後部駆動スプロケット（６３）と、前記後側穂先搬送装置（１６１）の前部に設けられた前部駆動スプロケット（１６２）と、株元搬送装置（８１）の中間部に設けられた中間部駆動スプロケット（８３）を同軸で駆動する排藁駆動軸（１７０）を設けた請求項１〜５のいずれか１項に記載の脱穀装置。
【請求項７】
前記後部駆動スプロケット（６３）の有効径を、前記前部駆動スプロケット（１６２）の有効径よりも大径に形成した請求項６記載の脱穀装置。
【請求項１】
扱胴（１２）を有する扱室（１０）の下方に揺動選別装置（２１）を設け、前記扱室（１０）の左右一側に穀稈搬送用のフィードチェン（１８）を設け、該フィードチェン（１８）の搬送終端部から脱穀後の排稈を受け継いで脱穀装置（３）の外部へ搬送する排藁搬送装置（５０）を設けた脱穀装置であって、
前記排藁搬送装置（５０）は、排稈の株元側を搬送する株元搬送装置（８１）と、排稈の穂先側を搬送する前側穂先搬送装置（６１）及び後側穂先搬送装置（１６１）を備え、
該後側穂先搬送装置（１６１）の搬送終端部を前記前側穂先搬送装置（６１）の搬送終端部よりも後方に配置したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項２】
前記後側穂先搬送装置（１６１）を前側穂先搬送装置（６１）に対して株元搬送装置（８１）の存在する側とは反対の側に配置した請求項１記載の脱穀装置。
【請求項３】
前記前側穂先搬送装置（６１）の搬送始端部を株元搬送装置（８１）の搬送始端部よりも下方に配置した請求項１または２記載の脱穀装置。
【請求項４】
前記前側穂先搬送装置（６１）を、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が高い傾斜姿勢に設け、前記後側穂先搬送装置（１６１）を略水平姿勢、又は、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が低い傾斜姿勢に設けた請求項１〜３のいずれか１項に記載の脱穀装置。
【請求項５】
前記前側穂先搬送装置（６１）及び後側穂先搬送装置（１６１）を、その搬送始端部側に対して搬送終端部側が高い傾斜姿勢に設けた請求項１〜３のいずれか１項に記載の脱穀装置。
【請求項６】
前記前側穂先搬送装置（６１）の後部に設けられた後部駆動スプロケット（６３）と、前記後側穂先搬送装置（１６１）の前部に設けられた前部駆動スプロケット（１６２）と、株元搬送装置（８１）の中間部に設けられた中間部駆動スプロケット（８３）を同軸で駆動する排藁駆動軸（１７０）を設けた請求項１〜５のいずれか１項に記載の脱穀装置。
【請求項７】
前記後部駆動スプロケット（６３）の有効径を、前記前部駆動スプロケット（１６２）の有効径よりも大径に形成した請求項６記載の脱穀装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【公開番号】特開２０１３−７０６７２（Ｐ２０１３−７０６７２Ａ）
【公開日】平成２５年４月２２日（２０１３．４．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２１２５６６（Ｐ２０１１−２１２５６６）
【出願日】平成２３年９月２８日（２０１１．９．２８）
【出願人】（００００００１２５）井関農機株式会社 (3,813)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年４月２２日（２０１３．４．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年９月２８日（２０１１．９．２８）
【出願人】（００００００１２５）井関農機株式会社 (3,813)
【Ｆターム（参考）】
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