脱臭装置、脱臭方法、空気清浄装置および空気清浄方法
【課題】装置が大型をすることなく脱臭効果を向上させることができ、脱臭効果を従来よりも長く持続させることができる脱臭装置を提供する。
【解決手段】活性種生成装置7で生成された活性種を用いて対象物3の脱臭を行うように構成されている脱臭装置5である。
【解決手段】活性種生成装置7で生成された活性種を用いて対象物3の脱臭を行うように構成されている脱臭装置5である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱臭装置、脱臭方法、空気清浄装置および空気清浄方法に係り、特に、活性種を用いて脱臭を行うものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気中の各種粉塵やタバコ煙などの塵埃粒子を除去するための空気清浄装置(たとえば、タバコの煙を回収除去する分煙装置)が知られている。この空気清浄装置は、喫煙室内等に設置され喫煙室内の空気を清浄化するようになっている。
【0003】
また、従来の空気清浄装置は、各種粉塵やタバコ煙を捕集するための各種方式の捕集部を有している。この空気清浄装置では、捕集部にタバコ煙のタール分等が付着堆積して異臭発生の要因となることがあり、特に、運転開始時に異臭が強くなる。
【0004】
さらに言えば、例えば会社等において、就業時間が終了し、これら装置の空気清浄運転を停止し、翌日に初めて運転(長時間停止状態での放置後、最初の1回目の運転)する際に、空気清浄装置本体から装置外に漏れ出す異臭が特に強くなり、喫煙室内に臭気が充満する。
【0005】
そこで、喫煙室内の臭気を除去するために、活性炭フィルタや触媒フィルタ等を使用している空気清浄装置が採用されているが、これらの空気清浄装置においても、フィルタで捕集した汚れから臭気が発生し、長時間停止後に運転をスタートしたとき、空気清浄装置内に溜まった臭気が排出され、喫煙室内に臭気が充満する。
【0006】
そこで、集塵運転停止中に空気清浄装置内で気流を循環させ、捕集部で捕集した汚れから発生する臭気を、サイクル光脱臭の技術を用いて抑制する空気清浄装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−104457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、サイクル光脱臭の技術を用いた従来の空気清浄装置では、脱臭効果を向上するために光触媒を通過させる空気の通過風量(空気の流量)を上げ、光触媒のサイズを大きくし、紫外線ランプの本数を増やす必要があるが、これによって装置が大型化してしまうという問題がある。
【0009】
また、紫外線ランプ等が発する紫外線の強度が紫外線ランプの劣化によって徐々に低下することにより、臭気の酸化分解能が低下する。そして、この低下を防ぎ空気清浄装置の脱臭性能を持続させるために、紫外線ランプを適宜交換する必要があるという問題がある。
【0010】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、装置が大型化をすることなく脱臭効果を向上させることができ、脱臭効果を従来よりも長く持続させることができる脱臭装置、空気清浄装置、脱臭方法および空気清浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、活性種生成装置で生成された活性種を用いて対象物の脱臭を行うように構成されている脱臭装置である。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の脱臭装置において、前記活性種生成装置内を通過することで活性種を含んだ空気と、前記活性種生成装置の外側に形成されているバイパス流路を通過した空気とを混合し、この混合された空気を前記対象物に流すことで脱臭を行うように構成されている脱臭装置である。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の脱臭装置において、前記活性種生成装置は、電極間の放電特性が変化しても、生成される活性種量がほぼ一定となる特性になっている脱臭装置である。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の脱臭装置において、前記脱臭装置は、前記対象物と前記活性種生成装置との間で空気を循環させることで、前記対象物を脱臭するように構成されている脱臭装置である。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記対象物として、空気中の塵埃粒子を捕集する捕集部を備え、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の脱臭装置によって前記捕集部の脱臭をするように構成されている空気清浄装置である。
【0016】
請求項6に記載の発明は、活性種生成装置を用いて活性種を生成する活性種生成段階と、前記活性種生成段階で生成された活性種を用いて対象物の脱臭を行う対象物脱臭段階と、前記活性種生成段階で生成された活性種を含んだ空気と前記活性種生成装置の外側に形成されているバイパス流路を通過した空気とを混合する混合段階とを有し、前記対象物脱臭段階は、前記混合段階で混合された空気を前記対象物に流すことで前記対象物の脱臭を行う段階である脱臭方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、装置が大型化をすることなく脱臭効果を向上させることができ、脱臭効果を従来よりも長く持続させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る空気清浄装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】活性種生成装置およびバイパス流路における空気の流れを模式的に示した図である。
【図3】活性種生成装置の概略構成を示す分解斜視図である。
【図4】活性種生成装置の電源特性を示す図である。
【図5】活性種生成装置の電極間に流れる電流値とオゾンの生成量との関係を示す図である。
【図6】脱臭試験の手順を示す図である。
【図7】脱臭試験の結果を示す図である。
【図8】活性種生成装置とこの活性種生成装置が設置された活性種生成装置設置ブラケットの概略構成を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は平面図であり、(d)は底面図であり、(e)は(a)におけるVIII−VIII断面を示す図である。
【図9】活性種生成装置と活性種生成装置設置ブラケットとが設置された活性種生成装置収納部の概略構成を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は平面図であり、(d)は底面図である。
【図10】図9(a)におけるX−X断面の拡大図である。
【図11】脱臭機構を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る空気清浄装置(空気清浄機;たとえば、タバコの煙を回収除去する分煙装置)1は、図1で示すように、捕集部(集塵部)3と脱臭部(脱臭装置)5とを備えて構成されている。捕集部3は、空気中の塵埃粒子(煙草等の煙を含む)を捕集するものであり、脱臭部5によって捕集部3等の脱臭をするように構成されている。
【0020】
すなわち、脱臭装置5は、活性種生成装置7を備えて構成されており、活性種生成装置7で生成された活性種を用いて対象物(捕集部3等)の脱臭(捕集部3に付着等しているタール等の汚れそのものの分解と、捕集部3に付着している汚れが発した臭気の分解除去)を行うように構成されている。
【0021】
詳しくは後述するが、活性種は、活性種生成装置7の第1の電極(放電電極;針状電極;図3参照)9と活性種生成装置7の第2の電極(対向電極;板状電極;図3参照)11との間にサークルプラズマを発生させることで生成されるようになっている。
【0022】
また、脱臭装置5は、活性種生成装置7内を通過することで活性種を含んだ空気とバイパス流路13(図1、図2参照)を通過した空気とを混合し、この混合された空気を捕集部3に流すことで脱臭を行うように構成されている。
【0023】
なお、バイパス流路13は、活性種生成装置7の外側に形成されている空気の流路であり、バイパス流路13を通過した空気には、活性種が含まれていない。また、上記混合された空気は、活性種生成装置7内通過直後の空気よりも活性種の濃度が薄まっている。
【0024】
活性種生成装置7では、活性種を生成するための電極間(放電電極9と対向電極11と間)の放電特性(活性種生成装置7の電源15の特性)が、たとえば電極9,11に汚れが付着することで変化しても、生成される活性種の量がほぼ一定となる特性になっている。なお、活性種生成装置7(活性種生成装置用電源15)では、放電電極9と対向電極11とに印加する電圧が、スパーク電圧よりも低くなっており、放電電極9と対向電極11との間でのスパークが発生しないようになっている。
【0025】
また、脱臭装置5は、捕集部3と活性種生成装置7との間で空気を循環させることで、捕集部3等の脱臭をするように構成されている。
【0026】
すなわち、活性種生成装置7が稼動して捕集部3の脱臭をするときには、空気が、捕集部3、捕集部3の下流側空間19、活性種生成装置7とバイパス流路13、捕集部3の上流側空間17をこの順に循環して、脱臭をするように構成されている。
【0027】
さらに説明すると、上記混合された空気(活性種を含んだ空気)が捕集部3の上流側(上流側空間17)から下流側(下流側空間19)に向かって流れて捕集部3を通過することで、捕集部3に付着等しているタール等の汚れそのものが分解される。また、上記混合された空気が捕集部3を通過することで、捕集部3の汚れが発した異臭(異臭の成分)が分解される。また、分解されることなく残った異臭を含んだ空気(活性種も含んでいる空気)が、捕集部3の外部(下流側空間19)に出てくるが、この出てきた空気の異臭(異臭の成分)も活性種で分解される。
【0028】
さらに、捕集部3の外部(下流側空間19)に出てきた空気(異臭の成分が分解され、たとえば活性種が僅かに残っている空気)は、脱臭装置5(活性種生成装置7内とバイパス流路13)を通過して活性種を含み、再び、捕集部3内を流れて、上述したように異臭(異臭成分)の除去を行うようになっている。
【0029】
ここで、空気清浄装置1についてより詳しく説明する。
【0030】
空気清浄装置1は、図1で示すように、テーブル形の空気清浄装置であり、矩形な平板状の天板21と、矩形な枡状の筐体23とを具備している。筐体23は天板21の下側で天板21に一体的に設けられている。筐体23内には、捕集部3とファン25とが配置されている。
【0031】
天板21には、空気吸引口27が設けられており、天板21に設けられた筐体23内の上部には捕集部3が設けられており、筐体23内の下部にはファン25が設けられている。筐体23の側面下部には、空気噴出し口29が設けられている。なお、天板21と捕集部3との間の空間が上流側空間(上部空間)17になっており、捕集部3とファン25との間の空間が下流側空間(下部空間)19になっている。
【0032】
捕集部3は、図1中、上側の空気吸引口27から下側の空気噴出し口29へ空気を流して空気を清浄化するものである。天板21の空気吸引口27と捕集部3との間の空間は、装置外部と連通していない閉じた空間になっている。筐体23の捕集部3の下側の空間にファン25が配置されており、また、筐体23の捕集部3の下側の空間は、筐体23の短手辺側の側面に設けられた空気噴出し口29に連通する以外は、装置外部と連通していない閉じた空間になっている。したがって、ファン25は、空気吸引口27から空気を吸い込み、捕集部3を通過させた後、浄化された空気を空気吹き出し口29から吹き出すようになっている。
【0033】
ここで、捕集部3は、空気吸引口27から吸い込んだ空気中の塵埃等の粒子を静電気的に集塵し、または、濾過により集塵し、またはその両方の作用で集塵し、清浄化した空気を空気噴出し口29から出すものであれば何れの方式でもよいが、本実施形態では、静電式集塵方式の捕集部3を用いている。
【0034】
すなわち、捕集部3は、空気吸引口27の内方に、順次、プレフィルタ、塵埃に帯電する機能を備えたアイオナイザ(荷電部)、および塵埃等を捕集するコレクタ(集塵部)が内蔵されている。従って、空気吸引口27から含塵空気等を送り込むと、塵埃が除去された清浄空気が反対側の空気噴出し口29から吐出するようになっている。
【0035】
また、アイオナイザ及びコレクタは、放電電極部材、対向電極部材、非集塵電極部材及び集塵電極部材の組み合わせにより形成し、対向電極部材及び集塵電極部材は体積固有抵抗値が107Ωcm以下の導電性樹脂材料で形成し、非集塵電極部材は体積固有抵抗値が1010〜1013Ωcmの半導電性樹脂材料で形成するのが好ましい。
【0036】
この場合、アイオナイザは、放電電極部材と対向電極部材との組み合わせにより構成され、コレクタは、集塵電極部材と非集塵電極部材との組み合わせにより構成される。このように構成したアイオナイザ及びコレクタでは、アイオナイザにより荷電された粒子の中に導電性粉塵が混在していても、非集塵電極部材の電荷の移動が半導電性樹脂材料の抵抗で制限されるため、捕集部3の非集塵電極部材と集塵電極部材との間でのスパークの発生が防止できる。
【0037】
かかる捕集部3は、筐体23から容易に取り外しができるようになっている。
【0038】
なお、捕集部3の集塵部として、いわゆるコルゲート式の集塵部を採用してもよい。このコルゲート式の集塵部は、たとえば特公昭61−6708号公報に形成されているように、複数枚の電極板と複数のスペーサと直流高圧電源とを備えて構成されている。
【0039】
電極板は、細長い矩形な平板状に形成された絶縁フィルムと、導電層とを備えて構成されている。導電層は、絶縁フィルムの片面(厚さ方向の一方の面)の中央部(絶縁フィルムの幅方向の中央部)で露出して、絶縁フィルムに設けられている。なお、絶縁フィルムの片面の両端部(幅方向の両端部)には、導電層が形成されておらず、これにより絶縁部が形成されている。
【0040】
各電極板のそれぞれは、各スペーサのそれぞれを間にして積層されている。スペーサは、波型等の空気の通過を許す形態に形成されており、絶縁部のところに設けられている。そして、積層された各電極板の間を空気が流れるようになっている。
【0041】
さらに、各電極板のそれぞれは、直流高圧電源に接続されて相隣合う電極板が異なる極性になるように荷電され、電極板の板面で塵埃が捕集されるようになっている。
【0042】
活性種生成装置(不活化装置)7は、特願2009−250967の明細書や図面に示されているものと同様の原理で活性種を生成(発生)する装置である。
【0043】
図2や図3に示すように、活性種生成装置7は、プラスチック等の絶縁体で構成された電極固定フレーム31と、この電極固定フレーム31に固定される放電電極9と、この放電電極9と対向配置される平板形状の対向電極(板状電極)11とを備えている。
【0044】
電極固定フレーム31は、細長い矩形な枡状に形成されており、電極固定フレーム31の底板部37には、活性種生成装置7の空気導入部を構成する矩形状の貫通孔39が設けられている。
【0045】
対向電極11は、細長い矩形な平板形状をなす導電性の金属で構成され、中央部に円形の開口部(厚さ方向を貫通している貫通孔)41が複数個形成されている。開口部41は、対向電極11の長手方向で所定の間隔をあけ、並んで設けられており、活性種生成装置7の空気排出部を構成している。
【0046】
また、平板状の対向電極11は、その表面(厚さ方向の両平面)が、脱臭用ファン43(図1等参照)により生成される空気流に対して略直交するように配置されている(図2等参照)。
【0047】
対向電極11は、電極固定フレーム31の開口部(底板部37とは反対側の開口部)を塞ぐようにして、電極固定フレーム31に固定されている。対向電極11に開口部41の個数は4個に限定されるものではなく、1以上の任意の個数とすることができる。
【0048】
放電電極9は、長尺平板形状をなす導電性の金属で構成されており、一つの辺(長手方向の延伸している辺)の複数箇所に針形状をなす突起45が設けられている。放電電極9の長手方向の両端は、電極固定フレーム31に固定される。放電電極9と対向電極11とが電極固定フレーム31に固定された状態では、放電電極9と対向電極11とは非導通状態であり、放電電極9は、電極固定フレーム31の内部に位置している。また、放電電極9の各突起45の先端部が対向電極11に形成された各開口部41の中心となっている。
【0049】
さらに、放電電極9と対向電極11とが電極固定フレーム31に固定された状態では、各突起45の先端部が、対向電極11と同一面となる位置にくるように設定されている(図2参照)。より詳しく説明すると、各放電電極9の突起45の先端部は、対向電極11の厚さ方向の一方の面(電極固定フレーム31側の面)と同一の平面状に存在している。
【0050】
なお、図3で示す活性種生成装置7では、対向電極11に設けられている各開口部41のそれぞれに、放電電極9の突起45が配置されているが、各開口部41の一部に突起45が配置されている構成であってもよい。たとえば、対向電極11の長手方向にならんでいる各開口部41において、1つおきに突起45が配置されている構成であってもよい。
【0051】
また、活性種生成装置7は、活性種生成装置用電源15(図1参照)によって稼動するようになっている。活性種生成装置用電源15は、放電電極9を負極性電圧(第2電圧)とし、対向電極11をグランド電圧(第1電圧)として(即ち、第2電圧は第1電圧に比べて相対的に負極性である)、対向電極11と放電電極9との間に一定の電流を流すようになっている。
【0052】
そして、放電電極9と対向電極11との間にて放電を発生させることにより、対向電極11に設けられた開口部41内を高励起密度状態(後述)として、開口部41内に活性種を生成させるようになっている。
【0053】
また、活性種生成装置7では、放電電極9と対向電極11との間に所望の電流を流すことにより、放電電極9と対向電極11との間となる開口部41内の空間で放電を発生させ、開口部41の周囲にサークルプラズマ(円形状の発光放電)を発生させる。続いて、サークルプラズマについて説明する。
【0054】
対向電極11をグランド電圧とし、開口部41中心部の放電電極9の突起45にマイナスの高電圧を印加すると、突起45の近傍にプラズマが発生し、且つ、開口部41の周囲にもプラズマが発生する。この開口部41の周囲に発生するプラズマをサークルプラズマと称している。サークルプラズマが発生すると、開口部41内部の放電領域は高励起密度状態となり、このうち、突起45の近傍、および開口部41の周辺が主として電離領域、これらの中間の領域が主として励起・解離領域となる。また、中心に近い励起・解離領域は可視光が発生し、周囲に近い励起・解離領域は赤外線が発生する。
【0055】
電離領域とは、気体分子に衝突する電子が、該気体分子の電離エネルギー(電子の電荷Q×電離電圧V)よりも大きい場合に、気体の原子から軌道電子を奪い取り、正イオンと2次電子が生成される活性領域である。
【0056】
励起領域とは、気体分子に衝突する電子が、該気体分子の電離エネルギーよりも小さく、且つ、最低励起電圧よりも大きいエネルギーを有している場合に、軌道電子が原子から奪い取られることはないが、エネルギー的に高い軌道に移り、活性が生じる領域である。励起分子は、準安定状態を経由して、最終的に基底状態に落ちるものと、直接発光を伴い基底状態に落ちるものとがある。
【0057】
解離領域とは、電界で加速された電子が分子に衝突することにより、2個の原子に分裂する現象が発生する活性領域である。これらの活性領域において、各種の活性種が生成される。
【0058】
そして、活性種生成装置用電源15より放電電極9および対向電極11に電圧を印加してサークルプラズマを発生させ、この状態で脱臭用ファン43を駆動させて、電極固定フレーム31の空気導入部より空気が導入されると、この空気は対向電極11に設けられた複数の開口部41を通過し、この通過によって空気に活性種が加わることになる。
【0059】
活性種として、オゾン、ヒドロキシルラジカルを掲げることができる。臭気の成分がたとえばホルムアルデヒドである場合、ホルムアルデヒドとオゾンやヒドロキシルラジカルが化学反応することで蟻酸が生成される。さらに、蟻酸とオゾンやヒドロキシルラジカルが化学反応することで二酸化炭素と水が生成され、ホルムアルデヒドが分解除去される。
【0060】
空気清浄装置1についてさらに説明する。空気清浄装置1では、捕集部3が筐体23の内部であって筐体23の上側に設けられている。また、脱臭部5も筐体23の内部であって筐体23の上側に設けられている。ただし、平面視において、捕集部3は、空気吸引口27の下側で筐体23(天板21)の中央部の広い領域に設けられており、脱臭部5は、筐体23の周辺部の一部の小さい領域に設けられている。
【0061】
捕集部3と脱臭部5とによって、筐体23の内部の空間が上側の空間と下側の空間とに分割されている。もしも、脱臭部5が閉じており、脱臭部5を通して、上記上側の空間と上記下側の空間との間では空気が流れないものとすれば、上側空間(上流側空間17)から下側空間(下流側空間19)へは、捕集部3のみを通って、空気が流れるようになっている。
【0062】
脱臭部5の活性種生成装置7は、活性種生成装置設置ブラケット49に一体的に設置されている(図8参照)。また、活性種生成装置7が設置された活性種生成装置設置ブラケット49は、活性種生成装置収納体(脱臭部筐体)51の内部に一体的に設置されている(図9、図10参照)。
【0063】
脱臭部筐体51は、筐体23の内部で筐体23に一体的に設けられている。脱臭部筐体51の下方の側面には、脱臭用空気吸引口53が形成されており、脱臭部筐体51の上方の側面には、脱臭用空気噴出し口55が形成されている。脱臭用空気吸引口53は、捕集部3の下方で捕集部3側(筐体23の中央側)に開口している。脱臭用空気噴き出し口55は、捕集部3の上方で捕集部3側(筐体23の中央側)に開口している。
【0064】
脱臭部筐体51の内部は、仕切り板57によって、上方の空間と下方の空間との分離している。仕切り板57には、脱臭用開口部59が形成されており、この脱臭用開口部59には、脱臭用ファン43が設けられている。なお、活性種生成装置7と活性種生成装置設置ブラケット49とは、上記上方の空間内に設けられている。また、上記上方の空間内であって活性種生成装置設置ブラケット49の外側に、バイパス流路13が形成されている(図1、図10参照)。
【0065】
そして、脱臭用ファン43を駆動すると、捕集部3の下流側空間19の空気が脱臭用空気吸引口53から吸引され、この吸引された空気が上記下方の空間(脱臭部筐体51内部の空間)を通り、脱臭用開口部59と脱臭用ファン43のみを通り、さらに、活性種生成装置7と活性種生成装置7に対して並列に形成されているバイパス流路13とを通って、細長い矩形状の脱臭用空気噴き出し口55から、捕集部3の上流側空間17へ吹き出すようになっている。
【0066】
ファン25の駆動状態にかかわらず(ファン25を駆動しているか駆動していないかにかかわらず)、脱臭用ファン43を駆動すると、捕集部3の下流側空間19、脱臭部5(活性種生成装置収納体51内)、捕集部3の上流側空間17、捕集部3、捕集部3の下流側空間19・・・をこの順に空気が流れて、空気が循環するようになっている。
【0067】
また、活性種生成装置7から出てきた空気(活性種を含んだ空気)とバイパス流路13を流れてきた空気とは、活性種生成装置収納体51内であって活性種生成装置7の下流側の空間でお互いに混合される。なお、活性種生成装置7から出てきた空気とバイパス流路13を流れてきた空気とが、活性種生成装置収納体51外の捕集部3の上流側空間17でも混合される場合がある。
【0068】
脱臭部5における空気の流路の面積(空気の流れの方向に対して直交する平面の面積)について説明すると、活性種生成装置7の4つの貫通孔41の面積は、バイパス流路13の面積よりも小さくなっている。また、脱臭用空気吸引口53の面積と脱臭用開口部59の面積とはたとえばお互いが等しくなっており、脱臭用ファン43の空気流路の面積は、脱臭用開口部59の面積よりも僅かに小さくなっている。
【0069】
バイパス流路13の面積と4つの貫通孔41の面積との和は、脱臭用空気吸引口53の面積とほぼ等しいか大きくなっている。
【0070】
脱臭用空気噴き出し口55の面積は、脱臭用空気吸引口53の面積よりも小さくなっている。これにより、脱臭部5での空気の流れにおいて、脱臭用空気噴き出し口55が抵抗になる。そして、脱臭部筐体51内で、活性種生成装置7から出てきた活性種を含んだ空気と、バイパス流路13を流れてきた空気とが充分に混じり合い、活性種の濃度がほぼ均一になっている空気が、脱臭用空気噴き出し口55から吹き出すようになっている。
【0071】
また、脱臭用空気噴き出し口55が抵抗になるので、脱臭用空気噴き出し口55から吹き出した空気は、脱臭用空気噴き出し口55から遠い捕集部3の部位(図1の右側の位置している捕集部3の部位)まで到達し、捕集部3をほぼ均一に脱臭することができる。
【0072】
さらに、脱臭用空気噴き出し口55は、図1の紙面に直交する方向に長くなっているので、図1の紙面に直交する方向においても、捕集部3をほぼ均一に脱臭することができる。
【0073】
ここで、活性種生成装置7の電源(不活化装置の電源)15について詳しく説明する。
【0074】
活性種生成装置用電源15は、たとえば、特開2009−195853号公報で示すように、高圧制御回路と定電圧制御回路と定電流制御回路と高圧トランス(いずれも図示せず)とを備えている。
【0075】
上記高圧制御回路は、上記高圧トランスから放電電極9への出力として、所定の高圧直流電圧を発生させるものである。上記定電圧制御回路は、上記高圧トランスから出力される高圧直流電圧の出力電圧レベルを、所定の定電圧に制御するものである。
【0076】
活性種生成装置用電源15は、上記高圧トランスから出力される高圧直流電圧の出力電流レベルを、所定の定電流に制御するものである。
【0077】
すなわち、活性種生成装置用電源15は、上記電源トランスからの高圧用電力を、たとえば図4に線図PG1,PG2で示すようにする電圧電流特性を備えている。なお、線図PG1は、点P1と点P2を結んでいる線分であり、線図PG2は、点P2と点P3を結んでいる線分である。
【0078】
図4についてさらに説明する。
【0079】
図4の横軸は、活性種生成装置7の放電電極9と対向電極11との間に活性種生成装置用電源15で印加される電圧であり、図4の縦軸は、活性種生成装置7の放電電極9と対向電極11との間に流れる電流を示している。
【0080】
線図G11は、汚れがついていない活性種生成装置7(電極9,11)の初期品における電圧と電流との関係を示すものである。すなわち、初期の電極9,11では、電極9,11間の電圧が約3.9kVであるとき、電極9,11間に約80μAの電流が流れるようになっている(線図PG2上の点PA1参照)。このとき、活性種生成装置7(電極9,11)によって、0.016mg/minのオゾンが生成されるようになっている。
【0081】
同様にして、線図G12は、汚れが少しついた電極9,11における電圧と電流との関係を示すものである。すなわち、電極9,11間の電圧が約4.3kVであるとき、電極9,11間に約71μAの電流が流れるようになっている(線図PG1上の点PA2参照)。このとき、活性種生成装置7によって、0.014mg/minのオゾンが生成されるようになっている。
【0082】
同様にして、線図G13は、汚れがついた電極9,11における電圧と電流との関係を示すものである。すなわち、電極9,11間の電圧が約4.4kVであるとき、電極9,11間に約54μAの電流が流れるようになっている(線図PG1上の点PA3参照)。このとき、活性種生成装置7によって、0.016mg/minのオゾンが生成されるようになっている。
【0083】
また、同様にして、線図G14は、汚れが多くついた電極9,11における電圧と電流との関係を示すものである。すなわち、電極9,11間の電圧が約4.4kVであるとき、電極9,11間に約54μAの電流が流れるようになっている(線図PG1上の点PA4参照)。このとき、活性種生成装置7によって、0.014mg/minのオゾンが生成されるようになっている。
【0084】
図5は、電極9,11間に流れる電流値と活性種生成装置7か生成するオゾン量との関係を示す図である。
【0085】
図5の横軸は、電極9,11間に流れる電流を示しており、縦軸は、活性種生成装置7が生成するオゾン量を示している。線図G21は、汚れがついていない電極9,11間における電流値と生成されるオゾン量との関係を示している。線図G22は、汚れが少しだけついている電極9,11間における電流値と生成されるオゾン量との関係を示している。線図G23は、汚れがついている電極9,11間における電流値と生成されるオゾン量との関係を示している。また、線図G24は、汚れが多くついている電極9,11間における電流値と生成されるオゾン量との関係を示している。
【0086】
図4や図5から理解されるように、活性種生成装置7では、この電極9,11間における電圧と電流の値とを線図PG1,PG2のように制御することで、電極9,11の汚れ具合にかかわらず、0.014mg/min〜0.016mg/minのほぼ一定量のオゾンが生成されるようになっている。
【0087】
次に、図11を参照して、捕集部3の脱臭の概念を説明する。なお、上述したように、捕集部3等を脱臭する場合、空気が捕集部3と脱臭部5との間を循環するので、図11の左側に描かれている捕集部3と、図11の右側に描かれている捕集部3とは、同一のものである。
【0088】
図11の左側に示す捕集部3に汚れが付着していると、この付着している汚れから臭気が出てくる。この臭気は、活性種生成装置7の放電部(電極9,11間の放電)によって分解される(脱臭効果I)。また、活性種生成装置7の放電部で取り逃がした臭気は、活性種生成装置7が生成した活性種によって分解される(脱臭効果II)。また、活性種生成装置7が生成した活性種が、電極9,11に付着している汚れを分解し臭気の発生量を低減する(脱臭効果III)。
【0089】
次に、空気清浄装置1の動作を説明する。
【0090】
まず、初期状態として、捕集部3とファン25と活性種生成装置7と脱臭用ファン43とが停止しているものとする。
【0091】
上記初期状態において、図示しないセンサが人を感知した場合(図示しないスタートスイッチが押された場合であってもよい。)、制御装置60(図1参照)の制御の下、捕集部3とファン25とが稼動し、たとえば、タバコの煙を含んだ空気が空気吸引口27から筐体23(空気清浄装置1)内の上流側空間17内に吸引される。
【0092】
上流側空間17内に吸引された空気は、捕集部3を通ることで煙や塵埃が除去される。煙や塵埃が除去された空気は、下流側空間19内に到達し、さらに、ファン25を経て空気吹き出し口29から筐体23(空気清浄装置1)に排出される。
【0093】
上記センサが人を検知しなくなったときに、捕集部3とファン25とを停止する。そして、この停止後ただちに、活性種生成装置7と脱臭用ファン43とを所定時間稼動する。この活性種生成装置7と脱臭用ファン43との稼動によって、図1に矢印で示すような空気の流れが生じ、空気が空気清浄装置1内で脱臭部5と捕集部3との間を循環し、図11等で示した臭気の除去が行われる。
【0094】
なお、上記説明では、捕集部3とファン25とを停止した後に、活性種生成装置7と脱臭用ファン43とを稼動することにしているが、捕集部3とファン25とを稼動したまま、活性種生成装置7と脱臭用ファン43とを稼動するようにしてもよい。
【0095】
さらに、捕集部3とファン25とが停止しているときには、活性種生成装置7と脱臭用ファン43とをたとえば常に稼動し、捕集部3とファン25とが運転しているときには、活性種生成装置7と脱臭用ファン43とを停止するようにしてもよい。
【0096】
空気清浄装置1(脱臭装置5)によれば、活性種生成装置7で生成された活性種で捕集部3等の脱臭をするように構成されているので、脱臭装置5を大型化することなく脱臭効果を向上させることができ、また、脱臭効果を従来よりも長く持続させることができる。
【0097】
すなわち、サイクル光脱臭の技術を用いた従来の空気清浄装置では、脱臭効果を上げるため、上述したように、光触媒のサイズを大きくし紫外線ランプの本数を増やす必要があるが、小型化が容易な活性種生成装置7を用いて活性種を生成し、この生成された活性種(光触媒よりも脱臭効果の大きい活性種)を用いて脱臭を行うので、装置を大型化することなく脱臭性能を向上させることができる。
【0098】
また、使用期間による性能の低下が紫外線ランプよりも少ない活性種生成装置7を用いているので、脱臭効果を従来よりも長く持続させることができる。
【0099】
また、空気清浄装置1によれば、活性種生成装置7内を通過したことで活性種を含んだ空気と、バイパス流路13を通過した空気とを混合し、この混合された空気を捕集部3に流すことで脱臭を行うので、脱臭をするための空気(活性種を含んだ空気)の流れにおける圧力損失を抑制することができ、捕集部3を流れる空気の流量の低下を防ぐことができ、脱臭効果を一層向上させることができる。
【0100】
すなわち、バイパス流路13を設けてあるので、活性種生成装置7内を流れる空気の流路を広げなくても(活性種生成装置7における各電極9,11の数を増やしたり対向電極11に開けられている貫通孔41の数を多くしなくても)、捕集部3に流す空気(活性種を含んだ空気)の流量を大きくすることができ、脱臭効果を一層向上させることができる。
【0101】
なお、活性種生成装置7で生成された活性種は、バイパス流路13を流れてきた空気と混合されるので、捕集部3を流れる空気の活性種の割合は薄められている(活性種生成装置7から出てきた空気よりも活性種の濃度が薄くなっている)。しかし、活性種の脱臭能力は強力なので、薄められたことで活性種の濃度がほどよい濃度(捕集部3等の脱臭を充分に行える濃度)になるのである。
【0102】
また、活性種生成装置7(貫通孔41)内を空気が少しでも流れれば、この流れた少しの空気(活性種を高い濃度で含んだ空気)がバイパス流路13を流れてきた空気と混合され、活性種の濃度がほどよい空気になり、充分な量の活性種が捕集部3に供給され、捕集部3等の脱臭をすることができる。
【0103】
また、空気清浄装置1によれば、電極9,11間の放電特性が変化しても生成される活性種量がほぼ一定となる特性を活性種生成装置7(活性種生成装置用電源15)が備えているので、脱臭効果を従来よりも一層長く持続させることができる。また、万一捕集部3を通る空気が空気清浄装置1の外部に漏れ出しても、空気清浄装置1が設置されている室内でオゾンが人体に悪影響を与えるレベルまで増加することを防止することができる。
【0104】
また、空気清浄装置1によれば、捕集部3と活性種生成装置7との間で空気を循環させることで、捕集部3等を脱臭するように構成されているので、脱臭部5を稼動しているときに活性種や異臭が空気清浄装置1の外部に漏れ出すことがほぼ無くなり、一層の脱臭効果を得ることができる。
【0105】
ここで、空気清浄装置1の試験について図6、図7を参照しつつ説明する。
【0106】
図6は、空気清浄装置1の試験方法を示しており、参照符号61はチャンバを示しており、参照符号63は火のついたタバコを示しており、参照符号65は、サンプリング機を示しており、参照符号67は治具を示しており、参照符号69は送風機を示している。
【0107】
まず、図6(a)で示すように、チャンバ61内の治具67を用いて集塵電極(捕集部3)をセットし、送風機69を稼動して、タバコ2000本相当分の煙を集塵電極に捕集させる。
【0108】
続いて、図6(b)で示すように、タバコの煙を捕集した集塵電極を空気清浄装置1にセットし、脱臭部(図6(b)では図示せず)を稼動して脱臭運転をたとえば10時間行う。
【0109】
続いて、図6(c)で示すように、空気清浄装置1をチャンバ61内に設置し、1分間集塵運転をする。
【0110】
続いて、図6(d)で示すように、集塵運転停止後にチャンバ61内の空気の一部をサンプリング機65でサンプリングし、臭気を測定する。
【0111】
なお、臭気の濃度は、3点臭い袋方式にて測定される。すなわち、図6(a)〜図6(d)に示す操作を3回繰り返し、6000本相当のタバコの煙を捕集してなされる。
【0112】
図7は、空気清浄装置1の試験結果を示しており、横軸は、タバコ負荷相当本数を示しており、縦軸は、臭気濃度を示している。
【0113】
図7の線図G31は、本発明の実施形態に係る空気清浄装置1における試験結果を示しており、図7の線図G32は、脱臭部が設けられていない空気清浄装置における試験結果を示している。図7から理解されるように、本発明の実施形態に係る空気清浄装置1では、脱臭部が設けられていない空気清浄装置に比べて、臭気が1/10程度になっている。
【0114】
ところで、上記実施形態の記載内容を方法の発明とて把握してもよい。すなわち、活性種生成装置を用いて活性種を生成する活性種生成段階と、前記活性種生成段階で生成された活性種を用いて対象物の脱臭を行う対象物脱臭段階とを有する脱臭方法の発明として把握してもよい。
【0115】
この場合、前記活性種生成段階で生成された活性種を含んだ空気と、前記活性種生成装置の外側に形成されているバイパス流路を通過した空気(バイパス流路を通過することで活性種を含まない空気)とを混合する混合段階(活性種含有空気・活性種非含有空気段階)を有し、前記対象物脱臭段階は、前記混合段階で混合された空気を前記対象物に流すことで前記対象物の脱臭を行う段階になっていることが望ましい。
【0116】
また、前記活性種生成装置が、活性種を生成するための電極間の放電特性が変化しても、生成される活性種量がほぼ一定になる特性になっていることが望ましい。
【0117】
さらに、前記脱臭方法は、前記対象物と前記活性種生成装置との間で空気を循環させることで、前記対象物の脱臭をする方法であることが望ましい。
【0118】
また、前記対象物は空気中の塵埃粒子を捕集する捕集部であり、前記捕集部で空気中の塵埃粒子を捕集する捕集段階を有し、上記脱臭方法によって前記捕集部の脱臭をする空気清浄方法として把握してもよい。
【符号の説明】
【0119】
1 空気清浄装置
3 捕集部(対象物)
5 脱臭装置(脱臭部)
7 活性種生成装置
9 電極(放電電極)
11 電極(対向電極)
13 バイパス流路
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱臭装置、脱臭方法、空気清浄装置および空気清浄方法に係り、特に、活性種を用いて脱臭を行うものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気中の各種粉塵やタバコ煙などの塵埃粒子を除去するための空気清浄装置(たとえば、タバコの煙を回収除去する分煙装置)が知られている。この空気清浄装置は、喫煙室内等に設置され喫煙室内の空気を清浄化するようになっている。
【0003】
また、従来の空気清浄装置は、各種粉塵やタバコ煙を捕集するための各種方式の捕集部を有している。この空気清浄装置では、捕集部にタバコ煙のタール分等が付着堆積して異臭発生の要因となることがあり、特に、運転開始時に異臭が強くなる。
【0004】
さらに言えば、例えば会社等において、就業時間が終了し、これら装置の空気清浄運転を停止し、翌日に初めて運転(長時間停止状態での放置後、最初の1回目の運転)する際に、空気清浄装置本体から装置外に漏れ出す異臭が特に強くなり、喫煙室内に臭気が充満する。
【0005】
そこで、喫煙室内の臭気を除去するために、活性炭フィルタや触媒フィルタ等を使用している空気清浄装置が採用されているが、これらの空気清浄装置においても、フィルタで捕集した汚れから臭気が発生し、長時間停止後に運転をスタートしたとき、空気清浄装置内に溜まった臭気が排出され、喫煙室内に臭気が充満する。
【0006】
そこで、集塵運転停止中に空気清浄装置内で気流を循環させ、捕集部で捕集した汚れから発生する臭気を、サイクル光脱臭の技術を用いて抑制する空気清浄装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−104457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、サイクル光脱臭の技術を用いた従来の空気清浄装置では、脱臭効果を向上するために光触媒を通過させる空気の通過風量(空気の流量)を上げ、光触媒のサイズを大きくし、紫外線ランプの本数を増やす必要があるが、これによって装置が大型化してしまうという問題がある。
【0009】
また、紫外線ランプ等が発する紫外線の強度が紫外線ランプの劣化によって徐々に低下することにより、臭気の酸化分解能が低下する。そして、この低下を防ぎ空気清浄装置の脱臭性能を持続させるために、紫外線ランプを適宜交換する必要があるという問題がある。
【0010】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、装置が大型化をすることなく脱臭効果を向上させることができ、脱臭効果を従来よりも長く持続させることができる脱臭装置、空気清浄装置、脱臭方法および空気清浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、活性種生成装置で生成された活性種を用いて対象物の脱臭を行うように構成されている脱臭装置である。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の脱臭装置において、前記活性種生成装置内を通過することで活性種を含んだ空気と、前記活性種生成装置の外側に形成されているバイパス流路を通過した空気とを混合し、この混合された空気を前記対象物に流すことで脱臭を行うように構成されている脱臭装置である。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の脱臭装置において、前記活性種生成装置は、電極間の放電特性が変化しても、生成される活性種量がほぼ一定となる特性になっている脱臭装置である。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の脱臭装置において、前記脱臭装置は、前記対象物と前記活性種生成装置との間で空気を循環させることで、前記対象物を脱臭するように構成されている脱臭装置である。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記対象物として、空気中の塵埃粒子を捕集する捕集部を備え、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の脱臭装置によって前記捕集部の脱臭をするように構成されている空気清浄装置である。
【0016】
請求項6に記載の発明は、活性種生成装置を用いて活性種を生成する活性種生成段階と、前記活性種生成段階で生成された活性種を用いて対象物の脱臭を行う対象物脱臭段階と、前記活性種生成段階で生成された活性種を含んだ空気と前記活性種生成装置の外側に形成されているバイパス流路を通過した空気とを混合する混合段階とを有し、前記対象物脱臭段階は、前記混合段階で混合された空気を前記対象物に流すことで前記対象物の脱臭を行う段階である脱臭方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、装置が大型化をすることなく脱臭効果を向上させることができ、脱臭効果を従来よりも長く持続させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る空気清浄装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】活性種生成装置およびバイパス流路における空気の流れを模式的に示した図である。
【図3】活性種生成装置の概略構成を示す分解斜視図である。
【図4】活性種生成装置の電源特性を示す図である。
【図5】活性種生成装置の電極間に流れる電流値とオゾンの生成量との関係を示す図である。
【図6】脱臭試験の手順を示す図である。
【図7】脱臭試験の結果を示す図である。
【図8】活性種生成装置とこの活性種生成装置が設置された活性種生成装置設置ブラケットの概略構成を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は平面図であり、(d)は底面図であり、(e)は(a)におけるVIII−VIII断面を示す図である。
【図9】活性種生成装置と活性種生成装置設置ブラケットとが設置された活性種生成装置収納部の概略構成を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は平面図であり、(d)は底面図である。
【図10】図9(a)におけるX−X断面の拡大図である。
【図11】脱臭機構を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る空気清浄装置(空気清浄機;たとえば、タバコの煙を回収除去する分煙装置)1は、図1で示すように、捕集部(集塵部)3と脱臭部(脱臭装置)5とを備えて構成されている。捕集部3は、空気中の塵埃粒子(煙草等の煙を含む)を捕集するものであり、脱臭部5によって捕集部3等の脱臭をするように構成されている。
【0020】
すなわち、脱臭装置5は、活性種生成装置7を備えて構成されており、活性種生成装置7で生成された活性種を用いて対象物(捕集部3等)の脱臭(捕集部3に付着等しているタール等の汚れそのものの分解と、捕集部3に付着している汚れが発した臭気の分解除去)を行うように構成されている。
【0021】
詳しくは後述するが、活性種は、活性種生成装置7の第1の電極(放電電極;針状電極;図3参照)9と活性種生成装置7の第2の電極(対向電極;板状電極;図3参照)11との間にサークルプラズマを発生させることで生成されるようになっている。
【0022】
また、脱臭装置5は、活性種生成装置7内を通過することで活性種を含んだ空気とバイパス流路13(図1、図2参照)を通過した空気とを混合し、この混合された空気を捕集部3に流すことで脱臭を行うように構成されている。
【0023】
なお、バイパス流路13は、活性種生成装置7の外側に形成されている空気の流路であり、バイパス流路13を通過した空気には、活性種が含まれていない。また、上記混合された空気は、活性種生成装置7内通過直後の空気よりも活性種の濃度が薄まっている。
【0024】
活性種生成装置7では、活性種を生成するための電極間(放電電極9と対向電極11と間)の放電特性(活性種生成装置7の電源15の特性)が、たとえば電極9,11に汚れが付着することで変化しても、生成される活性種の量がほぼ一定となる特性になっている。なお、活性種生成装置7(活性種生成装置用電源15)では、放電電極9と対向電極11とに印加する電圧が、スパーク電圧よりも低くなっており、放電電極9と対向電極11との間でのスパークが発生しないようになっている。
【0025】
また、脱臭装置5は、捕集部3と活性種生成装置7との間で空気を循環させることで、捕集部3等の脱臭をするように構成されている。
【0026】
すなわち、活性種生成装置7が稼動して捕集部3の脱臭をするときには、空気が、捕集部3、捕集部3の下流側空間19、活性種生成装置7とバイパス流路13、捕集部3の上流側空間17をこの順に循環して、脱臭をするように構成されている。
【0027】
さらに説明すると、上記混合された空気(活性種を含んだ空気)が捕集部3の上流側(上流側空間17)から下流側(下流側空間19)に向かって流れて捕集部3を通過することで、捕集部3に付着等しているタール等の汚れそのものが分解される。また、上記混合された空気が捕集部3を通過することで、捕集部3の汚れが発した異臭(異臭の成分)が分解される。また、分解されることなく残った異臭を含んだ空気(活性種も含んでいる空気)が、捕集部3の外部(下流側空間19)に出てくるが、この出てきた空気の異臭(異臭の成分)も活性種で分解される。
【0028】
さらに、捕集部3の外部(下流側空間19)に出てきた空気(異臭の成分が分解され、たとえば活性種が僅かに残っている空気)は、脱臭装置5(活性種生成装置7内とバイパス流路13)を通過して活性種を含み、再び、捕集部3内を流れて、上述したように異臭(異臭成分)の除去を行うようになっている。
【0029】
ここで、空気清浄装置1についてより詳しく説明する。
【0030】
空気清浄装置1は、図1で示すように、テーブル形の空気清浄装置であり、矩形な平板状の天板21と、矩形な枡状の筐体23とを具備している。筐体23は天板21の下側で天板21に一体的に設けられている。筐体23内には、捕集部3とファン25とが配置されている。
【0031】
天板21には、空気吸引口27が設けられており、天板21に設けられた筐体23内の上部には捕集部3が設けられており、筐体23内の下部にはファン25が設けられている。筐体23の側面下部には、空気噴出し口29が設けられている。なお、天板21と捕集部3との間の空間が上流側空間(上部空間)17になっており、捕集部3とファン25との間の空間が下流側空間(下部空間)19になっている。
【0032】
捕集部3は、図1中、上側の空気吸引口27から下側の空気噴出し口29へ空気を流して空気を清浄化するものである。天板21の空気吸引口27と捕集部3との間の空間は、装置外部と連通していない閉じた空間になっている。筐体23の捕集部3の下側の空間にファン25が配置されており、また、筐体23の捕集部3の下側の空間は、筐体23の短手辺側の側面に設けられた空気噴出し口29に連通する以外は、装置外部と連通していない閉じた空間になっている。したがって、ファン25は、空気吸引口27から空気を吸い込み、捕集部3を通過させた後、浄化された空気を空気吹き出し口29から吹き出すようになっている。
【0033】
ここで、捕集部3は、空気吸引口27から吸い込んだ空気中の塵埃等の粒子を静電気的に集塵し、または、濾過により集塵し、またはその両方の作用で集塵し、清浄化した空気を空気噴出し口29から出すものであれば何れの方式でもよいが、本実施形態では、静電式集塵方式の捕集部3を用いている。
【0034】
すなわち、捕集部3は、空気吸引口27の内方に、順次、プレフィルタ、塵埃に帯電する機能を備えたアイオナイザ(荷電部)、および塵埃等を捕集するコレクタ(集塵部)が内蔵されている。従って、空気吸引口27から含塵空気等を送り込むと、塵埃が除去された清浄空気が反対側の空気噴出し口29から吐出するようになっている。
【0035】
また、アイオナイザ及びコレクタは、放電電極部材、対向電極部材、非集塵電極部材及び集塵電極部材の組み合わせにより形成し、対向電極部材及び集塵電極部材は体積固有抵抗値が107Ωcm以下の導電性樹脂材料で形成し、非集塵電極部材は体積固有抵抗値が1010〜1013Ωcmの半導電性樹脂材料で形成するのが好ましい。
【0036】
この場合、アイオナイザは、放電電極部材と対向電極部材との組み合わせにより構成され、コレクタは、集塵電極部材と非集塵電極部材との組み合わせにより構成される。このように構成したアイオナイザ及びコレクタでは、アイオナイザにより荷電された粒子の中に導電性粉塵が混在していても、非集塵電極部材の電荷の移動が半導電性樹脂材料の抵抗で制限されるため、捕集部3の非集塵電極部材と集塵電極部材との間でのスパークの発生が防止できる。
【0037】
かかる捕集部3は、筐体23から容易に取り外しができるようになっている。
【0038】
なお、捕集部3の集塵部として、いわゆるコルゲート式の集塵部を採用してもよい。このコルゲート式の集塵部は、たとえば特公昭61−6708号公報に形成されているように、複数枚の電極板と複数のスペーサと直流高圧電源とを備えて構成されている。
【0039】
電極板は、細長い矩形な平板状に形成された絶縁フィルムと、導電層とを備えて構成されている。導電層は、絶縁フィルムの片面(厚さ方向の一方の面)の中央部(絶縁フィルムの幅方向の中央部)で露出して、絶縁フィルムに設けられている。なお、絶縁フィルムの片面の両端部(幅方向の両端部)には、導電層が形成されておらず、これにより絶縁部が形成されている。
【0040】
各電極板のそれぞれは、各スペーサのそれぞれを間にして積層されている。スペーサは、波型等の空気の通過を許す形態に形成されており、絶縁部のところに設けられている。そして、積層された各電極板の間を空気が流れるようになっている。
【0041】
さらに、各電極板のそれぞれは、直流高圧電源に接続されて相隣合う電極板が異なる極性になるように荷電され、電極板の板面で塵埃が捕集されるようになっている。
【0042】
活性種生成装置(不活化装置)7は、特願2009−250967の明細書や図面に示されているものと同様の原理で活性種を生成(発生)する装置である。
【0043】
図2や図3に示すように、活性種生成装置7は、プラスチック等の絶縁体で構成された電極固定フレーム31と、この電極固定フレーム31に固定される放電電極9と、この放電電極9と対向配置される平板形状の対向電極(板状電極)11とを備えている。
【0044】
電極固定フレーム31は、細長い矩形な枡状に形成されており、電極固定フレーム31の底板部37には、活性種生成装置7の空気導入部を構成する矩形状の貫通孔39が設けられている。
【0045】
対向電極11は、細長い矩形な平板形状をなす導電性の金属で構成され、中央部に円形の開口部(厚さ方向を貫通している貫通孔)41が複数個形成されている。開口部41は、対向電極11の長手方向で所定の間隔をあけ、並んで設けられており、活性種生成装置7の空気排出部を構成している。
【0046】
また、平板状の対向電極11は、その表面(厚さ方向の両平面)が、脱臭用ファン43(図1等参照)により生成される空気流に対して略直交するように配置されている(図2等参照)。
【0047】
対向電極11は、電極固定フレーム31の開口部(底板部37とは反対側の開口部)を塞ぐようにして、電極固定フレーム31に固定されている。対向電極11に開口部41の個数は4個に限定されるものではなく、1以上の任意の個数とすることができる。
【0048】
放電電極9は、長尺平板形状をなす導電性の金属で構成されており、一つの辺(長手方向の延伸している辺)の複数箇所に針形状をなす突起45が設けられている。放電電極9の長手方向の両端は、電極固定フレーム31に固定される。放電電極9と対向電極11とが電極固定フレーム31に固定された状態では、放電電極9と対向電極11とは非導通状態であり、放電電極9は、電極固定フレーム31の内部に位置している。また、放電電極9の各突起45の先端部が対向電極11に形成された各開口部41の中心となっている。
【0049】
さらに、放電電極9と対向電極11とが電極固定フレーム31に固定された状態では、各突起45の先端部が、対向電極11と同一面となる位置にくるように設定されている(図2参照)。より詳しく説明すると、各放電電極9の突起45の先端部は、対向電極11の厚さ方向の一方の面(電極固定フレーム31側の面)と同一の平面状に存在している。
【0050】
なお、図3で示す活性種生成装置7では、対向電極11に設けられている各開口部41のそれぞれに、放電電極9の突起45が配置されているが、各開口部41の一部に突起45が配置されている構成であってもよい。たとえば、対向電極11の長手方向にならんでいる各開口部41において、1つおきに突起45が配置されている構成であってもよい。
【0051】
また、活性種生成装置7は、活性種生成装置用電源15(図1参照)によって稼動するようになっている。活性種生成装置用電源15は、放電電極9を負極性電圧(第2電圧)とし、対向電極11をグランド電圧(第1電圧)として(即ち、第2電圧は第1電圧に比べて相対的に負極性である)、対向電極11と放電電極9との間に一定の電流を流すようになっている。
【0052】
そして、放電電極9と対向電極11との間にて放電を発生させることにより、対向電極11に設けられた開口部41内を高励起密度状態(後述)として、開口部41内に活性種を生成させるようになっている。
【0053】
また、活性種生成装置7では、放電電極9と対向電極11との間に所望の電流を流すことにより、放電電極9と対向電極11との間となる開口部41内の空間で放電を発生させ、開口部41の周囲にサークルプラズマ(円形状の発光放電)を発生させる。続いて、サークルプラズマについて説明する。
【0054】
対向電極11をグランド電圧とし、開口部41中心部の放電電極9の突起45にマイナスの高電圧を印加すると、突起45の近傍にプラズマが発生し、且つ、開口部41の周囲にもプラズマが発生する。この開口部41の周囲に発生するプラズマをサークルプラズマと称している。サークルプラズマが発生すると、開口部41内部の放電領域は高励起密度状態となり、このうち、突起45の近傍、および開口部41の周辺が主として電離領域、これらの中間の領域が主として励起・解離領域となる。また、中心に近い励起・解離領域は可視光が発生し、周囲に近い励起・解離領域は赤外線が発生する。
【0055】
電離領域とは、気体分子に衝突する電子が、該気体分子の電離エネルギー(電子の電荷Q×電離電圧V)よりも大きい場合に、気体の原子から軌道電子を奪い取り、正イオンと2次電子が生成される活性領域である。
【0056】
励起領域とは、気体分子に衝突する電子が、該気体分子の電離エネルギーよりも小さく、且つ、最低励起電圧よりも大きいエネルギーを有している場合に、軌道電子が原子から奪い取られることはないが、エネルギー的に高い軌道に移り、活性が生じる領域である。励起分子は、準安定状態を経由して、最終的に基底状態に落ちるものと、直接発光を伴い基底状態に落ちるものとがある。
【0057】
解離領域とは、電界で加速された電子が分子に衝突することにより、2個の原子に分裂する現象が発生する活性領域である。これらの活性領域において、各種の活性種が生成される。
【0058】
そして、活性種生成装置用電源15より放電電極9および対向電極11に電圧を印加してサークルプラズマを発生させ、この状態で脱臭用ファン43を駆動させて、電極固定フレーム31の空気導入部より空気が導入されると、この空気は対向電極11に設けられた複数の開口部41を通過し、この通過によって空気に活性種が加わることになる。
【0059】
活性種として、オゾン、ヒドロキシルラジカルを掲げることができる。臭気の成分がたとえばホルムアルデヒドである場合、ホルムアルデヒドとオゾンやヒドロキシルラジカルが化学反応することで蟻酸が生成される。さらに、蟻酸とオゾンやヒドロキシルラジカルが化学反応することで二酸化炭素と水が生成され、ホルムアルデヒドが分解除去される。
【0060】
空気清浄装置1についてさらに説明する。空気清浄装置1では、捕集部3が筐体23の内部であって筐体23の上側に設けられている。また、脱臭部5も筐体23の内部であって筐体23の上側に設けられている。ただし、平面視において、捕集部3は、空気吸引口27の下側で筐体23(天板21)の中央部の広い領域に設けられており、脱臭部5は、筐体23の周辺部の一部の小さい領域に設けられている。
【0061】
捕集部3と脱臭部5とによって、筐体23の内部の空間が上側の空間と下側の空間とに分割されている。もしも、脱臭部5が閉じており、脱臭部5を通して、上記上側の空間と上記下側の空間との間では空気が流れないものとすれば、上側空間(上流側空間17)から下側空間(下流側空間19)へは、捕集部3のみを通って、空気が流れるようになっている。
【0062】
脱臭部5の活性種生成装置7は、活性種生成装置設置ブラケット49に一体的に設置されている(図8参照)。また、活性種生成装置7が設置された活性種生成装置設置ブラケット49は、活性種生成装置収納体(脱臭部筐体)51の内部に一体的に設置されている(図9、図10参照)。
【0063】
脱臭部筐体51は、筐体23の内部で筐体23に一体的に設けられている。脱臭部筐体51の下方の側面には、脱臭用空気吸引口53が形成されており、脱臭部筐体51の上方の側面には、脱臭用空気噴出し口55が形成されている。脱臭用空気吸引口53は、捕集部3の下方で捕集部3側(筐体23の中央側)に開口している。脱臭用空気噴き出し口55は、捕集部3の上方で捕集部3側(筐体23の中央側)に開口している。
【0064】
脱臭部筐体51の内部は、仕切り板57によって、上方の空間と下方の空間との分離している。仕切り板57には、脱臭用開口部59が形成されており、この脱臭用開口部59には、脱臭用ファン43が設けられている。なお、活性種生成装置7と活性種生成装置設置ブラケット49とは、上記上方の空間内に設けられている。また、上記上方の空間内であって活性種生成装置設置ブラケット49の外側に、バイパス流路13が形成されている(図1、図10参照)。
【0065】
そして、脱臭用ファン43を駆動すると、捕集部3の下流側空間19の空気が脱臭用空気吸引口53から吸引され、この吸引された空気が上記下方の空間(脱臭部筐体51内部の空間)を通り、脱臭用開口部59と脱臭用ファン43のみを通り、さらに、活性種生成装置7と活性種生成装置7に対して並列に形成されているバイパス流路13とを通って、細長い矩形状の脱臭用空気噴き出し口55から、捕集部3の上流側空間17へ吹き出すようになっている。
【0066】
ファン25の駆動状態にかかわらず(ファン25を駆動しているか駆動していないかにかかわらず)、脱臭用ファン43を駆動すると、捕集部3の下流側空間19、脱臭部5(活性種生成装置収納体51内)、捕集部3の上流側空間17、捕集部3、捕集部3の下流側空間19・・・をこの順に空気が流れて、空気が循環するようになっている。
【0067】
また、活性種生成装置7から出てきた空気(活性種を含んだ空気)とバイパス流路13を流れてきた空気とは、活性種生成装置収納体51内であって活性種生成装置7の下流側の空間でお互いに混合される。なお、活性種生成装置7から出てきた空気とバイパス流路13を流れてきた空気とが、活性種生成装置収納体51外の捕集部3の上流側空間17でも混合される場合がある。
【0068】
脱臭部5における空気の流路の面積(空気の流れの方向に対して直交する平面の面積)について説明すると、活性種生成装置7の4つの貫通孔41の面積は、バイパス流路13の面積よりも小さくなっている。また、脱臭用空気吸引口53の面積と脱臭用開口部59の面積とはたとえばお互いが等しくなっており、脱臭用ファン43の空気流路の面積は、脱臭用開口部59の面積よりも僅かに小さくなっている。
【0069】
バイパス流路13の面積と4つの貫通孔41の面積との和は、脱臭用空気吸引口53の面積とほぼ等しいか大きくなっている。
【0070】
脱臭用空気噴き出し口55の面積は、脱臭用空気吸引口53の面積よりも小さくなっている。これにより、脱臭部5での空気の流れにおいて、脱臭用空気噴き出し口55が抵抗になる。そして、脱臭部筐体51内で、活性種生成装置7から出てきた活性種を含んだ空気と、バイパス流路13を流れてきた空気とが充分に混じり合い、活性種の濃度がほぼ均一になっている空気が、脱臭用空気噴き出し口55から吹き出すようになっている。
【0071】
また、脱臭用空気噴き出し口55が抵抗になるので、脱臭用空気噴き出し口55から吹き出した空気は、脱臭用空気噴き出し口55から遠い捕集部3の部位(図1の右側の位置している捕集部3の部位)まで到達し、捕集部3をほぼ均一に脱臭することができる。
【0072】
さらに、脱臭用空気噴き出し口55は、図1の紙面に直交する方向に長くなっているので、図1の紙面に直交する方向においても、捕集部3をほぼ均一に脱臭することができる。
【0073】
ここで、活性種生成装置7の電源(不活化装置の電源)15について詳しく説明する。
【0074】
活性種生成装置用電源15は、たとえば、特開2009−195853号公報で示すように、高圧制御回路と定電圧制御回路と定電流制御回路と高圧トランス(いずれも図示せず)とを備えている。
【0075】
上記高圧制御回路は、上記高圧トランスから放電電極9への出力として、所定の高圧直流電圧を発生させるものである。上記定電圧制御回路は、上記高圧トランスから出力される高圧直流電圧の出力電圧レベルを、所定の定電圧に制御するものである。
【0076】
活性種生成装置用電源15は、上記高圧トランスから出力される高圧直流電圧の出力電流レベルを、所定の定電流に制御するものである。
【0077】
すなわち、活性種生成装置用電源15は、上記電源トランスからの高圧用電力を、たとえば図4に線図PG1,PG2で示すようにする電圧電流特性を備えている。なお、線図PG1は、点P1と点P2を結んでいる線分であり、線図PG2は、点P2と点P3を結んでいる線分である。
【0078】
図4についてさらに説明する。
【0079】
図4の横軸は、活性種生成装置7の放電電極9と対向電極11との間に活性種生成装置用電源15で印加される電圧であり、図4の縦軸は、活性種生成装置7の放電電極9と対向電極11との間に流れる電流を示している。
【0080】
線図G11は、汚れがついていない活性種生成装置7(電極9,11)の初期品における電圧と電流との関係を示すものである。すなわち、初期の電極9,11では、電極9,11間の電圧が約3.9kVであるとき、電極9,11間に約80μAの電流が流れるようになっている(線図PG2上の点PA1参照)。このとき、活性種生成装置7(電極9,11)によって、0.016mg/minのオゾンが生成されるようになっている。
【0081】
同様にして、線図G12は、汚れが少しついた電極9,11における電圧と電流との関係を示すものである。すなわち、電極9,11間の電圧が約4.3kVであるとき、電極9,11間に約71μAの電流が流れるようになっている(線図PG1上の点PA2参照)。このとき、活性種生成装置7によって、0.014mg/minのオゾンが生成されるようになっている。
【0082】
同様にして、線図G13は、汚れがついた電極9,11における電圧と電流との関係を示すものである。すなわち、電極9,11間の電圧が約4.4kVであるとき、電極9,11間に約54μAの電流が流れるようになっている(線図PG1上の点PA3参照)。このとき、活性種生成装置7によって、0.016mg/minのオゾンが生成されるようになっている。
【0083】
また、同様にして、線図G14は、汚れが多くついた電極9,11における電圧と電流との関係を示すものである。すなわち、電極9,11間の電圧が約4.4kVであるとき、電極9,11間に約54μAの電流が流れるようになっている(線図PG1上の点PA4参照)。このとき、活性種生成装置7によって、0.014mg/minのオゾンが生成されるようになっている。
【0084】
図5は、電極9,11間に流れる電流値と活性種生成装置7か生成するオゾン量との関係を示す図である。
【0085】
図5の横軸は、電極9,11間に流れる電流を示しており、縦軸は、活性種生成装置7が生成するオゾン量を示している。線図G21は、汚れがついていない電極9,11間における電流値と生成されるオゾン量との関係を示している。線図G22は、汚れが少しだけついている電極9,11間における電流値と生成されるオゾン量との関係を示している。線図G23は、汚れがついている電極9,11間における電流値と生成されるオゾン量との関係を示している。また、線図G24は、汚れが多くついている電極9,11間における電流値と生成されるオゾン量との関係を示している。
【0086】
図4や図5から理解されるように、活性種生成装置7では、この電極9,11間における電圧と電流の値とを線図PG1,PG2のように制御することで、電極9,11の汚れ具合にかかわらず、0.014mg/min〜0.016mg/minのほぼ一定量のオゾンが生成されるようになっている。
【0087】
次に、図11を参照して、捕集部3の脱臭の概念を説明する。なお、上述したように、捕集部3等を脱臭する場合、空気が捕集部3と脱臭部5との間を循環するので、図11の左側に描かれている捕集部3と、図11の右側に描かれている捕集部3とは、同一のものである。
【0088】
図11の左側に示す捕集部3に汚れが付着していると、この付着している汚れから臭気が出てくる。この臭気は、活性種生成装置7の放電部(電極9,11間の放電)によって分解される(脱臭効果I)。また、活性種生成装置7の放電部で取り逃がした臭気は、活性種生成装置7が生成した活性種によって分解される(脱臭効果II)。また、活性種生成装置7が生成した活性種が、電極9,11に付着している汚れを分解し臭気の発生量を低減する(脱臭効果III)。
【0089】
次に、空気清浄装置1の動作を説明する。
【0090】
まず、初期状態として、捕集部3とファン25と活性種生成装置7と脱臭用ファン43とが停止しているものとする。
【0091】
上記初期状態において、図示しないセンサが人を感知した場合(図示しないスタートスイッチが押された場合であってもよい。)、制御装置60(図1参照)の制御の下、捕集部3とファン25とが稼動し、たとえば、タバコの煙を含んだ空気が空気吸引口27から筐体23(空気清浄装置1)内の上流側空間17内に吸引される。
【0092】
上流側空間17内に吸引された空気は、捕集部3を通ることで煙や塵埃が除去される。煙や塵埃が除去された空気は、下流側空間19内に到達し、さらに、ファン25を経て空気吹き出し口29から筐体23(空気清浄装置1)に排出される。
【0093】
上記センサが人を検知しなくなったときに、捕集部3とファン25とを停止する。そして、この停止後ただちに、活性種生成装置7と脱臭用ファン43とを所定時間稼動する。この活性種生成装置7と脱臭用ファン43との稼動によって、図1に矢印で示すような空気の流れが生じ、空気が空気清浄装置1内で脱臭部5と捕集部3との間を循環し、図11等で示した臭気の除去が行われる。
【0094】
なお、上記説明では、捕集部3とファン25とを停止した後に、活性種生成装置7と脱臭用ファン43とを稼動することにしているが、捕集部3とファン25とを稼動したまま、活性種生成装置7と脱臭用ファン43とを稼動するようにしてもよい。
【0095】
さらに、捕集部3とファン25とが停止しているときには、活性種生成装置7と脱臭用ファン43とをたとえば常に稼動し、捕集部3とファン25とが運転しているときには、活性種生成装置7と脱臭用ファン43とを停止するようにしてもよい。
【0096】
空気清浄装置1(脱臭装置5)によれば、活性種生成装置7で生成された活性種で捕集部3等の脱臭をするように構成されているので、脱臭装置5を大型化することなく脱臭効果を向上させることができ、また、脱臭効果を従来よりも長く持続させることができる。
【0097】
すなわち、サイクル光脱臭の技術を用いた従来の空気清浄装置では、脱臭効果を上げるため、上述したように、光触媒のサイズを大きくし紫外線ランプの本数を増やす必要があるが、小型化が容易な活性種生成装置7を用いて活性種を生成し、この生成された活性種(光触媒よりも脱臭効果の大きい活性種)を用いて脱臭を行うので、装置を大型化することなく脱臭性能を向上させることができる。
【0098】
また、使用期間による性能の低下が紫外線ランプよりも少ない活性種生成装置7を用いているので、脱臭効果を従来よりも長く持続させることができる。
【0099】
また、空気清浄装置1によれば、活性種生成装置7内を通過したことで活性種を含んだ空気と、バイパス流路13を通過した空気とを混合し、この混合された空気を捕集部3に流すことで脱臭を行うので、脱臭をするための空気(活性種を含んだ空気)の流れにおける圧力損失を抑制することができ、捕集部3を流れる空気の流量の低下を防ぐことができ、脱臭効果を一層向上させることができる。
【0100】
すなわち、バイパス流路13を設けてあるので、活性種生成装置7内を流れる空気の流路を広げなくても(活性種生成装置7における各電極9,11の数を増やしたり対向電極11に開けられている貫通孔41の数を多くしなくても)、捕集部3に流す空気(活性種を含んだ空気)の流量を大きくすることができ、脱臭効果を一層向上させることができる。
【0101】
なお、活性種生成装置7で生成された活性種は、バイパス流路13を流れてきた空気と混合されるので、捕集部3を流れる空気の活性種の割合は薄められている(活性種生成装置7から出てきた空気よりも活性種の濃度が薄くなっている)。しかし、活性種の脱臭能力は強力なので、薄められたことで活性種の濃度がほどよい濃度(捕集部3等の脱臭を充分に行える濃度)になるのである。
【0102】
また、活性種生成装置7(貫通孔41)内を空気が少しでも流れれば、この流れた少しの空気(活性種を高い濃度で含んだ空気)がバイパス流路13を流れてきた空気と混合され、活性種の濃度がほどよい空気になり、充分な量の活性種が捕集部3に供給され、捕集部3等の脱臭をすることができる。
【0103】
また、空気清浄装置1によれば、電極9,11間の放電特性が変化しても生成される活性種量がほぼ一定となる特性を活性種生成装置7(活性種生成装置用電源15)が備えているので、脱臭効果を従来よりも一層長く持続させることができる。また、万一捕集部3を通る空気が空気清浄装置1の外部に漏れ出しても、空気清浄装置1が設置されている室内でオゾンが人体に悪影響を与えるレベルまで増加することを防止することができる。
【0104】
また、空気清浄装置1によれば、捕集部3と活性種生成装置7との間で空気を循環させることで、捕集部3等を脱臭するように構成されているので、脱臭部5を稼動しているときに活性種や異臭が空気清浄装置1の外部に漏れ出すことがほぼ無くなり、一層の脱臭効果を得ることができる。
【0105】
ここで、空気清浄装置1の試験について図6、図7を参照しつつ説明する。
【0106】
図6は、空気清浄装置1の試験方法を示しており、参照符号61はチャンバを示しており、参照符号63は火のついたタバコを示しており、参照符号65は、サンプリング機を示しており、参照符号67は治具を示しており、参照符号69は送風機を示している。
【0107】
まず、図6(a)で示すように、チャンバ61内の治具67を用いて集塵電極(捕集部3)をセットし、送風機69を稼動して、タバコ2000本相当分の煙を集塵電極に捕集させる。
【0108】
続いて、図6(b)で示すように、タバコの煙を捕集した集塵電極を空気清浄装置1にセットし、脱臭部(図6(b)では図示せず)を稼動して脱臭運転をたとえば10時間行う。
【0109】
続いて、図6(c)で示すように、空気清浄装置1をチャンバ61内に設置し、1分間集塵運転をする。
【0110】
続いて、図6(d)で示すように、集塵運転停止後にチャンバ61内の空気の一部をサンプリング機65でサンプリングし、臭気を測定する。
【0111】
なお、臭気の濃度は、3点臭い袋方式にて測定される。すなわち、図6(a)〜図6(d)に示す操作を3回繰り返し、6000本相当のタバコの煙を捕集してなされる。
【0112】
図7は、空気清浄装置1の試験結果を示しており、横軸は、タバコ負荷相当本数を示しており、縦軸は、臭気濃度を示している。
【0113】
図7の線図G31は、本発明の実施形態に係る空気清浄装置1における試験結果を示しており、図7の線図G32は、脱臭部が設けられていない空気清浄装置における試験結果を示している。図7から理解されるように、本発明の実施形態に係る空気清浄装置1では、脱臭部が設けられていない空気清浄装置に比べて、臭気が1/10程度になっている。
【0114】
ところで、上記実施形態の記載内容を方法の発明とて把握してもよい。すなわち、活性種生成装置を用いて活性種を生成する活性種生成段階と、前記活性種生成段階で生成された活性種を用いて対象物の脱臭を行う対象物脱臭段階とを有する脱臭方法の発明として把握してもよい。
【0115】
この場合、前記活性種生成段階で生成された活性種を含んだ空気と、前記活性種生成装置の外側に形成されているバイパス流路を通過した空気(バイパス流路を通過することで活性種を含まない空気)とを混合する混合段階(活性種含有空気・活性種非含有空気段階)を有し、前記対象物脱臭段階は、前記混合段階で混合された空気を前記対象物に流すことで前記対象物の脱臭を行う段階になっていることが望ましい。
【0116】
また、前記活性種生成装置が、活性種を生成するための電極間の放電特性が変化しても、生成される活性種量がほぼ一定になる特性になっていることが望ましい。
【0117】
さらに、前記脱臭方法は、前記対象物と前記活性種生成装置との間で空気を循環させることで、前記対象物の脱臭をする方法であることが望ましい。
【0118】
また、前記対象物は空気中の塵埃粒子を捕集する捕集部であり、前記捕集部で空気中の塵埃粒子を捕集する捕集段階を有し、上記脱臭方法によって前記捕集部の脱臭をする空気清浄方法として把握してもよい。
【符号の説明】
【0119】
1 空気清浄装置
3 捕集部(対象物)
5 脱臭装置(脱臭部)
7 活性種生成装置
9 電極(放電電極)
11 電極(対向電極)
13 バイパス流路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性種生成装置で生成された活性種を用いて対象物の脱臭を行うように構成されていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項2】
請求項1に記載の脱臭装置において、
前記活性種生成装置内を通過することで活性種を含んだ空気と、前記活性種生成装置の外側に形成されているバイパス流路を通過した空気とを混合し、この混合された空気を前記対象物に流すことで脱臭を行うように構成されていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の脱臭装置において、
前記活性種生成装置は、電極間の放電特性が変化しても、生成される活性種量がほぼ一定となる特性になっていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の脱臭装置において、
前記脱臭装置は、前記対象物と前記活性種生成装置との間で空気を循環させることで、前記対象物を脱臭するように構成されていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項5】
前記対象物として、空気中の塵埃粒子を捕集する捕集部を備え、
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の脱臭装置によって前記捕集部の脱臭をするように構成されていることを特徴とする空気清浄装置。
【請求項6】
活性種生成装置を用いて活性種を生成する活性種生成段階と、
前記活性種生成段階で生成された活性種を用いて対象物の脱臭を行う対象物脱臭段階と、
前記活性種生成段階で生成された活性種を含んだ空気と前記活性種生成装置の外側に形成されているバイパス流路を通過した空気とを混合する混合段階と、
を有し、前記対象物脱臭段階は、前記混合段階で混合された空気を前記対象物に流すことで前記対象物の脱臭を行う段階であることを特徴とする脱臭方法。
【請求項1】
活性種生成装置で生成された活性種を用いて対象物の脱臭を行うように構成されていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項2】
請求項1に記載の脱臭装置において、
前記活性種生成装置内を通過することで活性種を含んだ空気と、前記活性種生成装置の外側に形成されているバイパス流路を通過した空気とを混合し、この混合された空気を前記対象物に流すことで脱臭を行うように構成されていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の脱臭装置において、
前記活性種生成装置は、電極間の放電特性が変化しても、生成される活性種量がほぼ一定となる特性になっていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の脱臭装置において、
前記脱臭装置は、前記対象物と前記活性種生成装置との間で空気を循環させることで、前記対象物を脱臭するように構成されていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項5】
前記対象物として、空気中の塵埃粒子を捕集する捕集部を備え、
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の脱臭装置によって前記捕集部の脱臭をするように構成されていることを特徴とする空気清浄装置。
【請求項6】
活性種生成装置を用いて活性種を生成する活性種生成段階と、
前記活性種生成段階で生成された活性種を用いて対象物の脱臭を行う対象物脱臭段階と、
前記活性種生成段階で生成された活性種を含んだ空気と前記活性種生成装置の外側に形成されているバイパス流路を通過した空気とを混合する混合段階と、
を有し、前記対象物脱臭段階は、前記混合段階で混合された空気を前記対象物に流すことで前記対象物の脱臭を行う段階であることを特徴とする脱臭方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−232051(P2012−232051A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104162(P2011−104162)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(391009372)ミドリ安全株式会社 (201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(391009372)ミドリ安全株式会社 (201)
【Fターム(参考)】
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