説明

自動写真作成装置

【課題】利用者の嗜好に応じたスタンプ画像を利用者に提示する自動写真作成装置を提供する。
【解決手段】本自動写真作成装置は、撮影画像に対する落書き等のための編集操作を行うためのタッチパネル400を備え、この表示画面内に、スタンプ画像などのツールを含むパレット領域402L、402Rなどを表示する。このパレット領域に表示される各ツールは、予め行われる落書き判定質問の回答に応じて、例えば利用者が最も好きな色が最も多く配置される。よって、利用者の嗜好に応じたスタンプ画像を利用者に提示することで、利用者の嗜好に合致した選択可能なツールの数を増加させることができ、装置の遊戯性を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動写真作成装置に関し、さらに詳しくは、利用者をカメラで撮影し、その撮影画像に基づき生成される合成画像を写真等として出力する自動写真作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者をカメラで撮影し、その撮影画像を写真シールや写真カード等として出力する遊戯用写真作成装置が知られている。このような遊戯用写真作成装置は、遊戯性または娯楽性が高いことから、撮影画像と合成すべき画像を、利用者の嗜好に応じて、予め用意された多種多様な背景画像および前景画像(例えばフレーム画像やスタンプ画像など)から選択したり、タッチペンを用いて利用者が自由に描いたりできるように構成されているものが多い。利用者によるこのような操作は、撮影画像に対してなされるため、「落書き」と呼ばれる。
【0003】
また、このような遊戯用写真作成装置は、複数の利用者によって使用されることが多いので、複数の利用者のそれぞれが操作する操作画面が提供できるように構成されている(例えば特許文献1参照)。このような遊戯用写真作成装置では、2人の利用者によってプレイされることが多く、この場合、撮影画像に対する上記落書きは2人の利用者によって同時に行われる。このため、遊戯用写真作成装置における落書きのための編集ユニットの操作用表示手段としての1つのタッチパネルには、通常、2つの操作画面が表示され、それに対応する2つのタッチペン等の操作手段がそのタッチパネル近傍に設けられている。
【0004】
特に上記のような遊戯用写真作成装置では、利用者毎に異なる落書きが行われるため、利用者の様々な嗜好に対応できるよう、予め多数のフレーム画像やスタンプ画像が用意されていることが多い。利用者は、上記タッチペンを用いて文字や絵を描き、これらのスタンプ画像やフレーム画像を適宜選択して所望の位置に(例えば前景画像として)合成するといった落書き操作を繰り返すことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−67565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のように選択可能なスタンプ画像やフレーム画像、ペンの種類などは、アイコン(またはツール)の形で装置の遊戯性を高めるために一般的には多数が用意されており、これらは例えばパレットの内容をタブ等で切り替えられることにより部分的に利用者に提示される。そしてこのように利用者に提示されるスタンプ画像等のツールは、様々な利用者の嗜好に対応できるように、様々な種類が平均的に含まれることになる。
【0007】
もっとも、タブ等で切り替えられて表示されるように工夫されている場合であっても、利用者に一度に提示可能なスタンプ画像等のツールの数には限界がある。そのため、一度に提示されるスタンプ画像等のツールの種類を増やせば、より多くの利用者の嗜好に対応できる反面で、特定の利用者の嗜好に対応するスタンプ画像等の数は少なくなる。
【0008】
そこで、本発明では、スタンプ画像等のツールといった選択可能領域を利用者の嗜好に応じて提示する自動写真作成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、利用者を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により得られる撮影画像に対する前記利用者の編集操作を含む入力操作を受け付けるGUI手段と、前記GUI手段により受け付けられる編集操作に基づき合成画像を生成する画像処理手段と、前記画像処理手段により生成される合成画像を写真として印刷する印刷手段とを備える自動写真作成装置であって、
前記GUI手段は、グループ化されて表示されうる編集操作のための複数の選択可能領域を予め複数群にさらに分類しておき、前記利用者に関連する情報を入力する前記利用者の入力操作を受け付けて、入力される前記情報に応じて、前記複数群のうちの少なくとも1つの群に含まれる複数の選択可能領域を他の群よりも優先しまたは劣後する態様で表示するとともに、表示された複数の選択可能領域から1つ以上を選択する前記利用者の操作入力を受け付けることを特徴とする。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、
前記GUI手段は、
GUI表示手段と、
前記利用者の入力操作のための操作画面を前記GUI表示手段に表示させ、前記操作画面に対する入力操作を受け付けるGUI制御手段と、
前記操作画面に対応するポインティングデバイスとしての操作手段からなる前記利用者の入力操作のための入力操作手段とを含み、
前記GUI制御手段は、
前記入力操作手段により行われる編集操作の種類毎にグループ化された当該編集操作のための複数の選択可能領域を含みかつ含まれる複数の選択可能領域の少なくとも一部を入れ替え可能なパレット領域を前記GUI表示手段に表示させる編集制御手段と、
前記パレット領域に含まれるべき複数の選択可能領域に対応する群の少なくとも1つを前記利用者に選択させるための操作画面である選択操作画面を前記GUI表示手段に表示させる選択制御手段とを含み、
前記編集制御手段は、前記選択操作画面に対する前記利用者の入力操作により選択される群に対応する複数の選択可能領域を他の各群に含まれる複数の選択可能領域よりも優先しまたは劣後する表示態様で含むパレット領域を前記GUI表示手段に表示させることを特徴とする。
【0011】
第3の発明は、第2の発明において、
前記選択制御手段は、前記種類毎に、前記パレット領域に含まれるべき複数の選択可能領域に対応する群の少なくとも1つを前記利用者に選択させるための質問文と、当該群を含む複数群を選択可能に表示する文字または図形とを前記選択操作画面内に表示させることを特徴とする。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、
前記選択制御手段は、前記種類の少なくとも1つにおいて、前記パレット領域に含まれるべき複数の選択可能領域に対応する第1の群を前記利用者に選択させるための第1の質問文と、前記第1の群を含む複数群を選択可能に表示する第1の文字または図形とを前記選択操作画面内に表示させ、
前記編集制御手段は、前記選択操作画面に対する前記利用者の入力操作により選択される前記第1の群に含まれる複数の選択可能領域を最も多く含むパレット領域を前記GUI表示手段に表示させることを特徴とする。
【0013】
第5の発明は、第4の発明において、
前記選択制御手段は、前記種類の少なくとも1つにおいて、前記第1の質問文および前記第1の文字または図形とともに、前記パレット領域に多く含まれるべき複数の選択可能領域に対応する第2の群を前記利用者に選択させるための第2の質問文と、前記第2の群を含む複数群を選択可能に表示する第2の文字または図形とを前記選択操作画面内に表示させ、
前記編集制御手段は、前記選択操作画面に対する前記利用者の入力操作により選択される前記第1の群に含まれる複数の選択可能領域を最も多く含み、前記第2の群に含まれる複数の選択可能領域を2番目に多く含むパレット領域を前記GUI表示手段に表示させることを特徴とする。
【0014】
第5の発明は、第2から第5までのいずれか1つの発明において、
前記GUI制御手段は、前記操作画面を2つ以上前記GUI表示手段に表示させ、異なる操作画面に対応する複数の利用者による入力操作を並行して受け付け、
前記入力操作手段は、2つ以上の前記操作画面にそれぞれ対応する2つ以上のポインティングデバイスとしての操作手段からなることを特徴とする。
【0015】
第7の発明は、第2から第6までのいずれか1つの発明において、
前記選択制御手段は、前記編集制御手段による表示が開始される前に、前記選択操作画面を表示させ、前記選択操作画面に対する入力操作を受け付けることを特徴とする。
【0016】
第8の発明は、第2から第7までのいずれか1つの発明において、
前記編集制御手段は、前記選択制御手段の動作を開始させるための前記利用者による開始入力操作を受け付け、
前記選択制御手段は、前記編集制御手段により前記開始入力操作が受け付けられるとき、前記選択操作画面を表示させるとともに前記選択操作画面に対する入力操作を受け付けることを特徴とする。
【0017】
第9の発明は、第2から第8までのいずれか1つの発明において、
所定の対応テーブルまたは所定の文字列変換規則に基づき、所定の入力文字列に対応する複数の文字列を生成する文字列生成手段をさらに備え、
前記選択制御手段は、前記種類の少なくとも1つにおいて、前記入力文字列を受け付け、
前記編集制御手段は、前記選択制御手段により受け付けられた前記入力文字列を前記文字列生成手段に与え、前記入力文字列に基づき前記文字列生成手段により生成される前記複数の文字列を前記複数の選択可能領域として含むパレット領域を、前記GUI表示手段に表示させることを特徴とする。
【0018】
第10の発明は、利用者を撮影する撮影ステップと、前記撮影ステップにおいて得られる撮影画像に対する前記利用者の編集操作を含む入力操作を受け付けるGUIステップと、前記GUIステップにおいて受け付けられる編集操作に基づき合成画像を生成する画像処理ステップと、前記画像処理ステップにおいて生成される合成画像を写真として印刷する印刷ステップとを備える自動写真作成方法であって、
前記GUIステップでは、グループ化されて表示されうる編集操作のための複数の選択可能領域を予め複数群にさらに分類しておき、前記利用者に関連する情報を入力する前記利用者の入力操作を受け付けて、入力される前記情報に応じて、前記複数群のうちの少なくとも1つの群に含まれる複数の選択可能領域を他の群よりも優先しまたは劣後する態様で表示するとともに、表示された複数の選択可能領域から1つ以上を選択する前記利用者の操作入力を受け付けることを特徴とする。
【0019】
第11の発明は、コンピュータである自動写真作成装置に、
利用者を撮影する撮影ステップと、
前記撮影ステップにおいて得られる撮影画像に対する前記利用者の編集操作を含む入力操作を受け付けるGUIステップと、
前記GUIステップにおいて受け付けられる編集操作に基づき合成画像を生成する画像処理ステップと、前記画像処理ステップにおいて生成される合成画像を写真として印刷する印刷ステップと
を実行させるプログラムであって、
前記GUIステップでは、グループ化されて表示されうる編集操作のための複数の選択可能領域を予め複数群にさらに分類しておき、前記利用者に関連する情報を入力する前記利用者の入力操作を受け付けて、入力される前記情報に応じて、前記複数群のうちの少なくとも1つの群に含まれる複数の選択可能領域を他の群よりも優先しまたは劣後する態様で表示するとともに、表示された複数の選択可能領域から1つ以上を選択する前記利用者の操作入力を受け付けることを特徴とする、プログラムである。
【発明の効果】
【0020】
上記第1の発明によれば、(例えばカラースタンプやメッセージスタンプなどの)グループ化されて表示されうる編集操作のための(例えばツールなどの)複数の選択可能領域を(例えば色や形、概念などにより)予め複数群にさらに分類しておき、利用者に関連する情報を入力する利用者の入力操作を受け付けて、入力される情報に応じて、複数群のうちの少なくとも1つの群に含まれる複数の選択可能領域を他の群よりも優先しまたは劣後する態様で表示するので、利用者の嗜好に応じた選択可能領域を利用者に提示することができる。よって、利用者の嗜好に合致した選択可能なツールなどの選択可能領域の数を増加させることができ、装置の遊戯性を高めることができる。
【0021】
上記第2の発明によれば、パレット領域に含まれるべき複数の選択可能領域に対応する群の少なくとも1つを利用者に選択させるための操作画面である選択操作画面がGUI表示手段に表示され、(例えば、選択操作画面に対する利用者の入力操作により選択される群に対応する複数の選択可能領域のみを含むパレット領域や、当該選択される群に含まれる複数の選択可能領域を他の各群に含まれる複数の選択可能領域よりも多くまたは少なく含むパレット領域などの)当該選択される群に含まれる複数の選択可能領域を他の各群に含まれる複数の選択可能領域よりも優先しまたは劣後する表示態様で含むパレット領域がGUI表示手段に表示される。このことにより、利用者の選択に応じて得られる利用者の嗜好に合致した内容でグループ化された選択可能領域が例えば落書きなどの編集操作時に多く提供されるので、利用者の嗜好に応じた選択可能領域を利用者に提示することができる。よって、利用者の嗜好に合致した選択可能なツールなどの選択可能領域の数を増加させることができ、装置の遊戯性を高めることができる。
【0022】
上記第3の発明によれば、パレット領域に含まれるべき複数の選択可能領域に対応する群の少なくとも1つを利用者に選択させるための質問文と、この質問に対する回答のための選択肢として機能する選択可能な図形や文字とが表示されることにより、利用者は直感的かつ簡単に自らの嗜好に合致する選択可能領域のグループを(結果的に)パレット領域に表示させることができる。
【0023】
上記第4の発明によれば、第1の質問文に応じて、選択可能に表示する第1の文字または図形とが表示され、利用者の入力操作により選択される群に含まれる複数の選択可能領域を最も多く含むパレット領域が表示されるので、利用者は直感的かつ簡単に自らの嗜好に最も合致する選択可能領域のグループを最も多くパレット領域に表示させることができる。
上記第5の発明によれば、利用者の入力操作により選択される第1の群に含まれる複数の選択可能領域を最も多く含み、第2の群を2番目に多く含むパレット領域が表示されるので、利用者は自らの嗜好により多く合致する選択可能領域のグループをパレット領域に表示させることができる。
【0024】
上記第5の発明によれば、操作画面を2つ以上GUI表示手段に表示され、異なる操作画面に対応する複数の利用者による入力操作が並行して受け付けられるので、同時に利用する複数の利用者の嗜好にそれぞれ合致した選択可能なツールなどの選択可能領域の数をそれぞれの操作画面で増加させることができ、装置の遊戯性をさらに高めることができる。
【0025】
上記第7の発明によれば、編集制御手段による表示が開始される前に、選択操作画面を表示させ、選択操作画面に対する入力操作が受け付けられるので、編集制御手段による表示が開始された時に、利用者の嗜好に合致した選択可能なツールなどの選択可能領域の数を確実に増加させることができる。
【0026】
上記第8の発明によれば、編集制御手段により開始入力操作が受け付けられるとき、選択操作画面が表示され選択操作画面に対する入力操作が受け付けられるので、編集の途中でも利用者の嗜好に合致した選択可能なツールなどの選択可能領域の数を増加させることができる。特に、編集制御手段による表示が開始される前に、選択操作画面を表示させ、選択操作画面に対する入力操作が受け付けられる場合には、その時点での入力操作を誤って行った場合などにも、後でやり直すことができ、いつでも正しく利用者の嗜好に合致した選択可能なツールなどの選択可能領域の数を増加させることができる。
【0027】
上記第9の発明によれば、(例えば名前などの)入力文字列に対応する(例えばあだ名などの)複数の文字列が自動的に生成されるので、装置の遊戯性をより高めることができる。また当該文字列が複数生成されるので、利用者の嗜好に合致した選択可能なツールなどの選択可能領域の数を増加させることができる。
【0028】
上記第10の発明によれば、装置発明である上記第1の発明の効果と同様の効果を自動写真作成方法において奏することができる。
【0029】
上記第11の発明によれば、装置発明である上記第1の発明の効果と同様の効果をプログラムにおいて奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動写真作成装置である遊戯用写真作成装置の外観を示す図である。
【図2】上記実施形態における撮影ユニットの正面図である。
【図3】上記実施形態における編集ユニットの正面図である。
【図4】上記実施形態における出力ユニットの正面図である。
【図5】上記実施形態における撮影操作用タッチパネルの表示構成を示す模式図である。
【図6】上記実施形態に係る遊戯用写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。
【図7】上記実施形態における撮影処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】上記実施形態における落書き判定処理および落書き編集処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】上記実施形態における落書き判定質問が行われる際の初期表示画面例を示す模式図である。
【図10】上記実施形態における落書き判定質問が行われる際の最終的な表示画面例を示す模式図である。
【図11】上記実施形態における落書き処理が行われる際の表示例を示す模式図である。
【図12】図11に示す表示画面例の部分的な拡大図である。
【図13】上記実施形態において、メッセージスタンプに対応するタブが選択される場合に表示されるツールの表示例を示す図である。
【図14】上記実施形態において、あだ名スタンプに対応するタブが選択される場合に表示されるツールの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
<1.全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る自動写真作成装置である遊戯用写真作成装置の外観を示す図である。より詳細には、図1(a)は、この遊戯用写真作成装置を横から見た外観側面図であり、図1(b)は、上から見た外観平面図である。この遊戯用写真作成装置は、利用者が入る撮影室2と、利用者を撮影し背景画像および前景画像の選択を受け付ける撮影ユニット3と、利用者による落書き(描画操作)を含む編集操作を受け付け撮影画像に合成した合成画像を生成する編集ユニット4と、合成画像を出力する出力ユニット5とを備えている。図2は、撮影ユニット3の正面図であり、図3は、編集ユニット4の正面図であり、図4は、出力ユニット5の正面図である。以下、図1から図4を参照しつつ、本実施形態に係る遊戯用写真作成装置の全体構成について説明する。
【0032】
撮影室2は、略直方体形状であって、撮影ユニット3は、内部に入る利用者から見て前の面である撮影室2の前面に沿って配置されている。なお、撮影室2の左右両側面の一部には、それぞれ利用者が出入りするための開口部と、当該開口部の一部または全部を覆う遮光カーテンとが設けられている。また、撮影室2の内部に入る利用者から見て後ろの面である背面には電動ロールカーテン装置25が配置されている。
【0033】
撮影ユニット3は、利用者を撮影する撮像手段としてのカメラ10と、当該カメラ10の上下左右の位置に配置され閃光を発するストロボ11、12、13L、13R、14と、当該カメラ10の下方に配置され利用者からの操作の受け付けや撮影画像の表示等を行う撮影操作用タッチパネル20とを備えている。
【0034】
カメラ10は、典型的には、CCD(電荷結合素子)を利用してデジタル画像信号を生成するデジタルカメラであって、利用者を撮影し、その撮影画像を表す画像信号を出力する。ストロボ11〜14は、撮影のための充分な光を得るために利用者に向かって閃光を発する。撮影操作用タッチパネル20は、撮影の際に利用者による各種操作を受け付けるための操作画面を提供するとともに、上記画像信号に基づく画像をリアルタイムで表示するように構成されている。
【0035】
図5は、撮影操作用タッチパネル20の表示構成を示す模式図である。図5に示すように、撮影操作用タッチパネル20には、リアルタイムで撮影画像を表示するためのリアルタイムプレビュー領域201と、ポーズの見本を表示するためのポーズ見本表示領域202と、撮影によって得られる落書き対象画像を表示するための落書き対象画像表示領域203とが含まれている。
【0036】
また撮影ユニット3は、コンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置、I/O制御装置、および編集ユニット4と通信を行うためのネットワークアダプタ等を内蔵している。また、撮影ユニット3は、前面下方にコイン投入口26を備えている。
【0037】
編集ユニット4は、撮影ユニット3と同様のコンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置、および撮影ユニット3等と通信を行うためのネットワークアダプタ等を内蔵している。また、編集ユニット4は、図1(b)に示すように、2組の利用者がプレイ可能なように2つのユニット4a、4bに分かれている。そのうちの一方のユニット4aには、後述する落書き判定処理における各種表示や、落書き領域や落書きのためのメニュー、ツール等を表示する領域を含みGUI(Graphical User Interface)表示手段として機能する編集操作用タッチパネル400と、当該編集操作用タッチパネル400に対する操作に使用されるポインティングデバイスとしての4つのタッチペン49L1、49L2、49R1、49R2とが設けられている。なお、他方のユニット4bについても同様の構成となっている。ここで図1(a)において手前に見えるユニット4aを「落書きブースA」と呼び、その反対側(図では裏側)のユニット4bを「落書きブースB」と呼ぶ。
【0038】
本実施形態における編集操作用タッチパネル400は、各ユニット4a、4bにおいて典型的にはそれぞれ2人の利用者が同時に落書きを行えるような表示構成となっている。なお、本説明においては、左側の利用者が使用する構成要素には「L」を含む参照符号を付し、右側の利用者が使用する構成要素には「R」を含む参照符号を付している。
【0039】
また、本実施形態における編集操作用タッチパネル400に表示される表示画面は、典型的には2人の利用者の操作に適するよう、左右に2分割されて表示されている。以下では、この表示画面のうちの左側の操作画面を左操作画面といい、右側の操作画面を右操作画面という。
【0040】
さらに、編集操作用タッチパネル400は、4つのタッチペン49L1、49L2、49R1、49R2による操作位置を同時に検出可能に構成されており、かつ、検出される各操作位置が、49L1、49L2、49R1、49R2のうちのいずれの操作に対応するのかも検出可能となっている。例えば、編集操作用タッチパネル400として静電容量方式のタッチパネルを使用した場合には、このような複数の操作位置の同時検出と操作されたタッチペンの識別とが可能である。
【0041】
なお、左操作画面用の2つのタッチペン(以下「左画面用ペン」という)49L1、49L2、または右操作画面用の2つのタッチペン(以下「右画面用ペン」という)49R1、49R2は、それぞれが同時に使用(入力操作)できるが、これをできないように、すなわち先にアクティブとなり(先に操作入力が受け付けられ)継続的にアクティブとなっているタッチペンのみが操作入力可能となるように制御してもよい。このように制御すれば描画レスポンスを高速に保つことができる。
【0042】
また、上記タッチペンの数には特に限定がなく、またタッチペンに代えて、同時に座標検出可能な周知のポインティングデバイス(例えばトラックボールやカーソルキー、カメラ画像に基づく位置判定など)を入力操作手段として使用してもよい。
【0043】
出力ユニット5は、図4に示すように、典型的には携帯電話端末に内蔵される赤外線通信ポートにより、例えばデコメール(登録商標)画像等の素材画像や撮影画像に落書きをした合成画像などを利用者の携帯電話端末に転送する際に利用者によって操作される出力操作用タッチパネル30と、出力操作用タッチパネル30の下方に配置され上記素材画像等を赤外線信号として携帯電話端末に向けて直接送信するための赤外線通信ポート(非接触通信ポート)31と、上記通信の際に必要な操作方法や効果音などを音声によって利用者に知らせるスピーカ32とを備えている。また、出力ユニット5は、前面下方に、編集ユニット4で編集操作が行われた合成画像を印刷した写真シールや写真カード等を取り出す取出口33を備えている。
【0044】
出力操作用タッチパネル30は、利用者が合成画像を印刷された写真シールを携帯電話端末でも見たい場合に、上記赤外線通信機能(またはその他の近接無線通信機能)を備えた携帯電話端末に送信するのに必要な各種操作を受け付けるための操作画面を提供するように構成されている。
【0045】
このような出力ユニット5も、撮影ユニット3と同様のコンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置および編集ユニット4等と通信を行うためのネットワークアダプタ等を内蔵しているほか、合成画像を写真シール等として印刷するネットワークプリンタ35を備えている。
【0046】
以上のような構成において、利用者は、撮影室2において撮影を行った後、編集ユニット4の落書きブースAまたは落書きブースBの編集操作用タッチパネル400を使用することにより、撮影画像に基づいて生成された落書き対象画像に対して落書きを行う。そして、利用者は、落書きによって生成された合成画像をネットワークプリンタによって印刷したり、赤外線通信機能を有する携帯電話端末に画像を送信し、携帯電話端末で受信した画像を端末画面に表示させたりする。
【0047】
<2.機能的構成>
図6は、本実施形態に係る遊戯用写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。図6に示されるようにこの遊戯用写真作成装置は、機能的には、主として利用者を撮影する処理(撮影処理)を行うための撮影処理部7と、主として落書き対象画像に対する利用者の落書き操作に応じて当該落書き対象画像の編集処理を行うための編集処理部8と、編集処理が行われた落書き対象画像を写真シール等として出力したり、赤外線通信を利用して携帯電話端末に出力したりする処理(出力処理)を行う出力処理部9とから構成されている。なお、編集処理部8は上記編集処理の他、後述する落書き判定処理を行うが、詳しくは後述する。
【0048】
撮影処理部7は、第1の制御部70と、撮像部71と、第1の表示・操作部72と、I/O制御部73と、照明部74と、第1の通信部75とによって構成されている。編集処理部8は、第2の制御部80と、第2の表示・操作部81、82と、第2の通信部83とによって構成されている。出力処理部9は、第3の制御部90と、第3の表示・操作部91と、印刷出力部92と、音声出力部93と、非接触通信部94と、第3の通信部95とによって構成されている。ネットワークアダプタである第1、第2および第3の通信部75、83、95は、LAN(Local Area Network)であるネットワーク6を介してそれぞれ相互に通信可能となっている。
【0049】
撮像部71は、CCD等の撮像素子を用いて構成されるカメラ10に相当し、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像(撮影画像)を表す画像信号を出力する。この画像信号は第1の制御部70に入力されて、その内部のメモリに撮影画像データとして一時的に記憶される。また、この撮影画像データは撮影画像信号として第1の制御部70から第1の表示・操作部72に供給され、当該撮影画像信号に基づく撮影画像がリアルタイムに表示される。
【0050】
第1の表示・操作部72は、撮影操作用タッチパネル20に相当し、撮影画像に合成されるべき背景画像および前景画像を選択する操作や、出力されるべき写真のレイアウトを決定するための利用者の操作やシャッター操作等を受け付ける。これらの操作を示す信号は、操作信号として第1の制御部70に入力される。ここで、利用者を撮影するための(選択された撮影メニューに対応する)所定の処理が開始されると、第1の表示・操作部72に利用者のための案内が表示され、その後の第1の制御部70からの指示に基づき、数秒程度の予め決められた時間の経過後にカメラ10の撮影方向にストロボ11〜14から閃光が放たれる。そのとき、利用者の撮影画像を表す信号として撮像部71から出力される画像信号が第1の制御部70に入力され、第1の制御部70内のメモリまたは補助記憶装置としてのハードディスク装置等に撮影画像データとして格納される。
【0051】
照明部74は、カメラ10の上下左右の位置に配置されたストロボ11、12、13L、13R、14に相当し、第1の制御部70からの指示に基づきI/O制御部73によって点灯/消灯および調光が制御される。I/O制御部73は、撮影ユニット3に内蔵されるI/O制御装置に相当し、第1の制御部70からの指示に基づき、照明部74を制御する。また、後述のコイン検出部(不図示)からの検出信号等の入力信号を第1の制御部70へ転送する。第1の通信部75は、撮影ユニット3に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0052】
第1の制御部70は、撮影ユニット3に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、タイマー、補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、上述のようにして入力される操作信号等に基づき各部を制御するために、上述のように各部に指示を出す。また撮影された画像に基づいて落書き対象画像を生成する。生成された落書き対象画像はフレームバッファに書き込まれることにより、第1の表示・操作部72に表示される。さらに、第1の制御部70は、落書き対象画像に所定の背景画像や前景画像を描画した画像である合成画像を生成する。生成された合成画像はフレームバッファに書き込まれることにより第1の表示・操作部72に表示される。こうして撮影および合成画像の生成が終了すると、生成された合成画像は利用者の入力操作に応じて適宜選択された後、第1の通信部75を介して、編集ユニット4に対応する第2の制御部80へ送られる。
【0053】
上記の構成要素の他、撮影ユニット3におけるコイン投入口26に投入されたコインを検出するためのコイン検出部(不図示)が更に撮影ユニット3に設けられており、第1の制御部70は、コイン検出部での検出結果に基づき、利用者に所定時間だけ撮影や背景画像および前景画像の選択や落書き等、本遊戯用写真作成装置によるプレイを許容するように各部を制御する。このコイン検出部による検出動作やその検出結果に基づく第1の制御部70による制御動作は、従来の遊戯用写真作成装置と同様であって周知であるので、その詳しい説明を省略する。
【0054】
第2の制御部80は、編集ユニット4に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、および補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、落書き編集処理および後述する落書き判定処理に関する全体の制御を行う。また、第2の制御部80は、第1の制御部70から送られてきた撮影画像に対する落書き処理を行うための操作信号に基づき、落書き対象画像に所定画像を描画した画像である合成画像を生成する。生成された合成画像は利用者の指示に応じて対応する第2の表示・操作部81、82に表示される。上記のような合成画像の生成が終了すると、当該合成画像は出力ユニット5に送られる。なお、印刷出力部92が別の合成画像を出力中である場合には、その旨が表示されるとともに終了を待って送られる。
【0055】
第2の表示・操作部81、82は、主として落書きのためのGUI表示手段として機能する編集操作用タッチパネル400に相当し、タッチペンを用いた利用者の操作を受け付ける。第2の通信部83は、編集ユニット4に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0056】
第3の制御部90は、出力ユニット5に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、タイマー、および補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、出力処理に関する全体の制御を行う。第3の制御部90は、第2の制御部80から送られてきた合成画像を合成画像データとしてメモリに格納する。印刷出力部92は出力ユニットに内蔵されるネットワークプリンタ35に相当し、メモリに格納された複数の合成画像データを(適宜にレイアウトした)写真シール(または写真カード)として印刷する。印刷された写真シール等は、出力ユニット5の正面下方に設けられた取出口33から取り出される。
【0057】
また、第3の制御部90は、編集ユニット4から送られてきた合成画像に基づいて写真シール等の印刷処理を開始すると同時に、利用者が作成した合成画像のデータを携帯電話端末にダウンロードできるように、利用者の入力操作を受け付けるための操作画面を第3の表示・操作部91に表示する。この第3の表示・操作部91は出力操作用タッチパネル30に相当し、受け付けた入力操作を操作信号として第3の制御部90に入力する入力手段として機能する。
【0058】
第3の制御部90は、入力された操作信号に基づき、利用者の携帯電話端末に画像データを送信するように非接触通信部94に対して指示を出す。非接触通信部94は赤外線通信ポート31に相当する。上記画像データは、非接触通信部94から非接触通信方式の赤外線信号として利用者の携帯電話端末に直接送信される。第3の通信部95は、出力ユニット5に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0059】
ここで、第3の制御部90は、上記入力操作が行われていない間、補助記憶装置に予め記憶されているデモ画像(デモンストレーション用の画像)やミニゲームの画像等をフレームバッファに書き込むことにより第3の表示・操作部91に表示する。また音声出力部93は、スピーカ32に相当する。音声出力部93は、第3の表示・操作部91に表示される操作画面と連動して入力操作方法を利用者に説明し、また第3の表示・操作部91にデモ画像やミニゲームが表示されているときに楽曲や効果音等を流す。
【0060】
ここで、各制御装置において実行される上記所定プログラムは、例えば、そのプログラムを記録した記録媒体であるDVD−ROMによって提供される。すなわち、上記所定プログラムの記録媒体としてのDVD−ROMが補助記憶装置として制御装置内に内蔵されたDVD−ROM駆動装置に装着され、そのDVD−ROMから所定プログラムが読み出されて補助記憶装置としてのハードディスク装置にインストールされる。また、上記所定プログラムは、DVD−ROM以外の記録媒体(CD−ROM等)や通信回線を介して提供されてもよい。そして、本遊戯用写真作成装置の起動のための操作がなされると、ハードディスク装置にインストールされた所定プログラムは、制御装置内のメモリに転送されてそこに一時的に格納され、制御装置内のCPUによって実行される。これにより、制御装置による上記各部の制御処理が実現される。
【0061】
なお、上記第1から第3までの制御部70,80,90は、異なるユニットに内蔵される異なるコンピュータを含む装置に相当するものとして説明したが、このような構成は一例であって、上記第1から第3までの制御部70,80,90は、2つ以下または4つ以上の装置により実現されてもよい。この場合には各装置において、それぞれ実現されるべき機能に応じたプログラムが実行される。また、撮影ユニット3、編集ユニット4、および出力ユニット5についても、2つ以下または4つ以上のユニットにより構成されてもよい。
【0062】
<3.遊戯用写真作成装置における処理手順>
上述したように、この遊戯用写真作成装置には、撮影ユニット3と編集ユニット4と出力ユニット5とが含まれている。撮影ユニット3では撮影処理が行われ、編集ユニット4では後述する落書き判定処理および落書き編集処理が行われ、出力ユニット5では出力処理が行われる。なお、或る利用者が撮影ユニット3でプレイしている時に他の利用者は編集ユニット4でプレイし、さらに他の利用者は出力ユニット5で合成画像を出力することができるように構成されている。すなわち、この遊戯用写真作成装置は、撮影処理と落書き編集処理と出力処理とを並行して行うことができる。以下に、撮影処理、落書き判定処理、落書き編集処理、および出力処理の手順の概要について説明する。
【0063】
<3.1 撮影処理>
図7は、本実施形態における撮影処理の手順を示すフローチャートである。この遊戯用写真作成装置が使用されていない時(プレイが行われていない時)には、撮影操作用タッチパネル20にはデモ画像が表示されている。デモ画像の表示中に利用者がコイン投入口26にコインを投入すると、プレイが開始される(ステップS100)。
【0064】
プレイが開始されると、第1の制御部70は、利用者による撮影モードの選択を受け付ける(ステップS110)。ステップS110では、例えば画質(具体的にはコントラストが高いくっきりとした画質、柔らかなふんわりとした画質、または透明感のあるクールな画質のうちのいずれか)を選択し、明るさを選択し、自動で撮影するか手動で撮影するかを選択し、自動で撮影する場合には撮影用テーマの選択が行われる。この場合、第1の制御部70は、予め用意された複数の撮影用テーマの中から1つ以上の撮影用テーマを利用者に選択させるための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者の選択操作に基づいて選択情報を取得し、選択された撮影用テーマに基づいて、撮影の際に使用するフレームと背景との組み合わせを決定する。また手動で撮影する場合は、上記フレームと背景とを利用者が自由に決定する。その後、ステップS120に進み、撮影が行われる。この撮影により、撮影画像データが第1の制御部70のメモリに格納される。
【0065】
ステップS130では、撮影画像に基づいて生成された落書き対象画像(撮影画像を含む画像)が、撮影操作用タッチパネル20に表示される。詳しくは、ステップS130の処理が行われる都度、図5に示した撮影操作用タッチパネル20の落書き対象画像表示領域203に落書き対象画像が順次追加表示される。その後、ステップS140に進み、第1の制御部70は、予め定められた枚数の撮影が終了したか否かを判定する。判定の結果、当該枚数の撮影が終了していればステップS150に進み、当該枚数の撮影が終了していなければステップS120に戻る。なお、実際には撮影のための制限時間(例えば3分)が設けられる。
【0066】
ステップS150では、複数の落書き対象画像の中から実際の落書き対象となる画像の(利用者による)選択が行われる。具体的には、第1の制御部70は、落書きおよび印刷に使用する画像を利用者に選択させるために、落書き対象画像の一覧を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者によって選択された画像を実際の落書き対象画像として第2の制御部80に送る。ステップS150の終了後、ステップS160に進む。ステップS160では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第1の制御部70は、利用者を編集ユニット4のいずれか(4aまたは4b)に導くための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示する。これにより、撮影処理が終了する。
【0067】
<3.2 落書き判定処理および落書き編集処理>
図8は、本実施形態における落書き判定処理および落書き編集処理の手順を示すフローチャートである。第2の制御部80が所定のプログラムに基づき図8に示すように動作することで、この落書き判定処理および落書き編集処理が実現される。この処理では、上述した撮影処理の終了後、第2の制御部80は、ネットワーク(LAN)6を介して第1の制御部70から送られる落書き対象画像(図7のステップS150で利用者によって選択された画像)を取得する(ステップS200)。その後、タイマー46が所定の時間(具体的には、利用者による落書き判定質問に対する回答を受け付ける時間と、落書きを許可する時間の和)に設定され、カウントダウンが開始される(ステップS210)。
【0068】
タイマー46のカウントダウン開始後、編集ユニット4では、まず利用者による落書き判定質問に対する回答を受け付け(ステップS220〜S224)、その後に利用者による落書き操作(描画操作)が受け付けられる(ステップS230〜S236)。落書き判定質問に対する回答操作は、編集ユニット4における、後述する質問項目に対する入力操作を含み、撮影画像に基づく落書き対象画像に対する編集操作と、利用者による落書き操作(描画操作)とを含む。なおこの落書き編集処理時において、編集ユニット4では、撮影画像に基づく落書き対象画像に対する編集操作の他に、デコメール画像等の素材画像を作成するための編集操作が受け付けられてもよい。
【0069】
上記の落書き判定質問に対する回答操作および落書き操作の受け付けでは、まず、編集ユニット4を構成するユニット4a(落書きブースA)およびユニット4b(落書きブースB)のそれぞれにおいて編集操作用タッチパネル400に図9に示すような落書き判定質問が表示される(S220)。そして表示された質問に対し予め用意された選択項目の1つをタッチペンでタッチすると、その座標値が入力される(S222)。その後ステップS224において回答が全て完了したかが判定され、回答が完了していない場合(S224においてNoの場合)にはステップS220に戻り、回答が完了するまで処理が繰り返され、回答が完了した場合(S224においてYesの場合)には、処理はステップS230に進む。ここで、ステップS220の処理において表示される操作画面例について図9および図10を参照して説明する。
【0070】
<3.3 落書き判定のための画面構成>
図9は、落書き判定質問が行われる際のメイン表示・操作部62による初期表示画面例を示す模式図である。図に示す落書き画面400は、左操作画面400Lと、右操作画面400Rとに2分割されており、各画面には落書き判定質問と、質問毎に回答として選択可能な項目とが表示されている。なお図を参照すればわかるように、これらの落書き判定質問および選択可能な項目の内容は左右で同一である。よって以下では一方を例にして説明する。
【0071】
図9に示されるように、落書き判定質問は、ここでは6つの質問からなる。まず第1の質問(図中のQ1)では、名前を入力することができる。具体的には、タッチペンで自由入力と書かれた箇所をタッチすると、文字入力用のウィンドウが開き、当該ウィンドウ内に配置された文字の中から所望の文字を選択し入力することができる。なお、この文字入力の例は一例であって、周知の文字入力方式(例えばキーボードによる入力や音声認識入力など)を適宜に採用可能である。
【0072】
次に第2の質問(図中のQ2)では、一番目に好きな色を、続く第3の質問(図中のQ3)では、二番目に好きな色を、それぞれ選択することができる。図に示される斜線等が付された丸印は実際には所定の色が付されており、利用者はその中から所望の色を示す丸印を選択することができる。
【0073】
さらに第4の質問(図中のQ4)では、好きなモチーフを選択することができる。図中ではハートマークや、星印、花、蝶、月といった所定のモチーフが表示されており、利用者はその中から所望のモチーフを示す文字または図形を選択することができる。
【0074】
また第5の質問(図中のQ5)では、好きな動物を選択することができる。図中ではクマ、猫、犬、ウサギといった動物名が表示されており、利用者はその中から所望のモチーフを示す文字を選択することができる。
【0075】
さらにまた第6の質問(図中のQ6)では、一緒に撮っている人との関係を選択することができる。図中では友達、同級生、恋人、家族といった人的関係が表示されており、利用者はその中から所望の関係を示す文字を選択することができる。
【0076】
なお、以上の第2から第6までの質問内容や選択可能な(文字または図形等により示される)項目内容、数などは例示であって、後述する落書きに関連するスタンプ画像やフレーム画像等の選択に関わるものであれば、どのような質問内容を選択可能に表示してもよいし、選択項目を図中に示す数より多くまたは少なく表示してもよい。
【0077】
ここで、第2から第6までの質問に対して選択可能に表示された(文字または図形等で示される)項目内容の1つをタッチペンでタッチすると、当該項目上に選択したことを示す丸印が付される。そうして全ての質問に対していずれかの項目を選択すると、図10に示すような表示状態となる。
【0078】
図10は、落書き判定質問が行われる際のメイン表示・操作部62による最終的な表示画面例を示す模式図である。図10に示されるように、6つの落書き判定質問に対応する複数の項目は、いずれか1つが選択されており、選択された項目上には丸印が付されている。なお、左操作画面400Lと、右操作画面400Rとでは、利用者が異なっているため、その嗜好に応じて選択されている項目が異なっていることが多いが、第6の質問のように同一の項目が選択される場合には、一方の選択結果が他方に反映されるように構成されていてもよい。
【0079】
図10では、全ての落書き判定質問に対する回答がなされている(項目の選択がなされている)。この場合には、図中に示されるように「これでいい?」という確認を促す文字列とともに、OKボタン405L,405Rが表示される。ここでタッチペンによりOKボタン405L,405Rが共に押下されるまでは各項目の選択をやり直すことが可能となっており、共に押下されると、上記ステップS224において回答が全て完了したと判定され、落書き編集処理(S230〜S236)へ進む。なお、左操作画面400Lと、右操作画面400Rとで、別々に上記判定がなされ、別々に落書き編集処理へ進む構成であってもよい。
【0080】
以上のように、上記各落書き判定質問およびその回答の内容は、落書き操作において選択可能なスタンプ画像の種類やその内容と直接的に関連付けられてはいないが、実際には後述するように、選択された項目に対応するグループ(例えば赤色のカラースタンプやウサギを模したどうぶつスタンプ等)のスタンプ画像が多めに提示されるよう工夫されている。このように間接的な(選択するスタンプ画像の種類を問う形式でない)質問の形で落書き判定質問を行うことにより、装置の遊戯性を向上させることができる。もっとも、このような質問の形式は様々なものが考えられるので、特にその形式や内容が限定されるものではなく、例えば直接的に選択するスタンプ画像の種類を問う形式であってもよい。このように質問文と、その回答のための選択肢として機能する選択可能な図形や文字とを表示することにより、利用者は直感的かつ簡単に自らの嗜好に合致するスタンプ画像を(結果的に)パレット領域に表示させることができる。
【0081】
次に、図8に示されるステップS230では、編集ユニット4を構成するユニット4a,4bのそれぞれにおいて編集操作用タッチパネル400において、後述する図11および図12に示されるような落書き編集操作画面の初期表示が行われる。そして編集操作画面内のボタンやツールなどの1つをタッチペンでタッチすると、その座標値が入力され(S232)、対応する落書き画面処理(S234)が行われる。その後ステップS236においてタイマー46の残り時間が0になる(または利用者が終了させる操作を行う)ことにより落書きが終了したかが判定され、終了していない場合(S236においてNoの場合)にはステップS232に戻り、落書きが終了するまで処理が繰り返され、落書きが終了した場合(S236においてYesの場合)には、処理はステップS240に進む。次に、ステップS230の処理において表示される編集操作のための操作画面例について図11および図12を参照して説明する。
【0082】
<3.4 編集操作のための画面構成>
図11は、落書き処理が行われる際のメイン表示・操作部62による表示例を示す模式図であり、図12はその部分的な拡大図である。
【0083】
図11に示す落書き画面400は、図9に示す場合と同様、左操作画面400Lと、右操作画面400Rとに2分割されており、撮影画像およびそれに対する落書き画像が合成された合成画像が表示され仮想的な落書きを行うことができる領域である落書き領域401L、401Rと、各種編集指示のためのツール405L、405Rが複数表示されるパレット領域402L、402Rと、落書きの対象となるべき撮影画像を選択するための第1ないし第4のサムネイル画像表示領域431L、431R〜434L、434Rと、落書き可能な残り時間を示すタイマー表示領域450とが含まれている。
【0084】
ここで、パレット領域402L、402Rに含まれる編集指示のためのツール405L、405Rは、落書き画像を構成するスタンプやフレームなどの(典型的にはグループ化され表示されうる)編集操作の種類を選択可能に表示するものであって、利用者が各種落書きを行うためのツールすなわち(選択された)落書き対象画像に対する各種編集操作の指示のためのツールである。なお以下では、このツールにより占められる領域すなわち選択可能領域をツールとも表現する。
【0085】
また、このパレット領域402L、402Rの近傍には、落書きの種類に応じて、仮想的な落書きペンの種類を選択可能にするためのペンボタン421L、421Rと、利用者の前景となる小さな画像であるスタンプ画像の種類を選択可能にするためのスタンプボタン422L、422Rと、撮影画像の周囲近傍を装飾するフレーム画像の種類を選択可能にするためのフレームボタン423L、423Rと、利用者の背景となる背景画像の種類を選択可能にするための背景ボタン424L、424Rとが表示されている。利用者Uは、左操作画面400Lに対しては対を成す2つのタッチペン49L1、49L2のいずれかで、これらの各種操作ボタン群の1つを選択する(すなわち表示されたボタン画像上にペン先を接触させる)操作を行うことにより、パレット領域402L、402R内に対応する種類の複数の落書きのためのツールが表示される。ここでは説明の便宜のため、スタンプボタン422L、422Rが選択されているものとする。
【0086】
また、パレット領域402L、402Rの上辺近傍には選択可能な複数のタブ領域420L、420Rが設けられており、それらのいずれかを選択することにより、選択されるタブ領域に関連づけられた複数のツール405L、405Rが表示される。例えば、利用者Uは、いずれかのタブ領域を選択することにより、5つのタブ領域にそれぞれ27個ずつ対応づけられた合計135個のスタンプ画像を選択することができる。なお、図12に示されるように、或るスタンプ画像を示すツールが選択されると、その周囲に選択枠451Lが付され、現在選択中であることが表示される。この状態で、落書き領域401L内の任意の位置をタッチペンで触れると、当該位置に選択中のツールに対応するスタンプ画像が(合成)表示される。
【0087】
特に図11を参照すればわかるように、ここでは5つのタブ領域に「あだなスタンプ」「カラースタンプ」「オブジェスタンプ」「どうぶつスタンプ」「メッセージスタンプ」という名称が付されており、その名称に合わせた内容のスタンプ画像を示す複数のツール405L、405Rが含まれる。これら5つにグループ化されたスタンプの種類は、前述した第1から第6までの質問に対応しており、その回答のそれぞれは、同一のスタンプの種類内でさらに(色や柄、関連する概念などで)グループ化された複数のツールからなる各群に対応している。なお、この群の区別自体は表示上区別されていないため、利用者が落書き時に区別可能となっている必要はないが、表示上区別されていてもよい。
【0088】
以上のように選択されたタブにより表示される複数のツールの中から、選択された1つのツールに対応する編集・画像処理がなされる。ここでは説明の便宜のため、各種の色が付されたカラースタンプ画像を選択するための複数のツールが表示されており、図11に示されるようにタブ領域には「カラースタンプ」という名称が付されている。すなわち、予め用意されたカラースタンプ画像がカラースタンプという種類でグループ化された複数のツールが選択可能に表示されている。
【0089】
なお、パレット領域402L、402Rとは、複数のツール(または同様の操作コマンドに対応するアイコンなど)を一括して表示する領域であって、かつ予め用意された全てのツールのうち一部が選択的に表示されるよう表示されるツールの一部または全部を入れ替え可能な領域をいう。したがって、複数のツールの一部を選択的に表示する表示手法であれば、上記のように例えばパレット領域402L、402Rにおいて或るタブに対応する複数のツール405L、405Rを表示する手法の他、所定の方向にスクロールすることにより複数のツール405L、405Rを表示する手法など、周知の様々な表示手法を使用することができる。
【0090】
さらに、落書き領域401L、401Rの近傍には、落書きのための操作の種類に応じて、落書きを終了させるための終了ボタン411L、411Rと、落書きを全て消去するための全消去ボタン412L、412Rと、落書きの操作を1回分取り消す(元に戻す)ための1つ戻るボタン413L、413Rと、背景画像を除く落書き画像を部分的に消去するための消しゴムボタン414L、414Rと、背景画像を部分的に消去するための背景消しゴムボタン415L、415Rとが表示されている。
【0091】
ここで、図11および図12において、カラースタンプとして表示されている複数のツール405L、405Rには斜線等が付されているが、実際には対応する色が付されており、これらの色(に相当する斜線等)は、図9および図10において第2および第3の質問(図中のQ2,Q3)に対する回答として選択可能な項目を示す丸印に付された色(に相当する斜線等)に一意に対応している。すなわち、図9および図10において選択可能な色のスタンプ画像は、全て図11および図12に示されている。
【0092】
そして、図10における左操作画面400Lに示される第2の質問で、1番目に好きな色として回答された色のスタンプ画像は、図11に示される対応する斜線を付されたツールの数を参照すれば分かるように、パレット領域402Lにおいて最も多く配されている。また、図10における左操作画面400Lに示される第2の質問で、2番目に好きな色として回答された色のスタンプ画像は、パレット領域402Lにおいて2番目に多く配されている。なお、図中では同一の色のスタンプを示すツールには同一の斜線が簡略に付されているに過ぎないが、実際には同一の色のツールであってもその内容は(例えば絵柄などが)異なっている。
【0093】
また、同様に、図10における右操作画面400Rに示される第2の質問で、1番目に好きな色として回答された色のスタンプ画像は、パレット領域402Rにおいて最も多く配されている。また、図10における右操作画面400Rに示される第2の質問で、2番目に好きな色として回答された色のスタンプ画像は、パレット領域402Rにおいて2番目に多く配されている。
【0094】
このように、落書き判定質問に応じて得られた利用者の嗜好に最も合致した色のスタンプ画像の色が落書き時に最も多く提供されるので、利用者の嗜好に応じたスタンプ画像を利用者に提示することができる。特に、落書き判定質問に応じて得られた利用者の嗜好に2番目に合致した色のスタンプ画像の色が落書き時に2番目に多く提供される場合には、全体としてさらに利用者の嗜好に応じたスタンプ画像を利用者に提示することができる。
【0095】
なお、ここでは1番目または2番目に好きな色であると回答されなかった残りの色のスタンプ画像は、パレット領域402L,402Rにおいて2つずつ表示されているが、これらは一例であってそのうちの一部または全部が表示されない構成であってもよいし、表示される場合であってもその数に限定はない。
【0096】
また、ここでは5つのスタンプ画像の種類のうち、カラースタンプ(という種類)が選択される例で説明したが、オブジェスタンプやどうぶつスタンプ(という種類)が選択される例であってもほぼ同様である。ただし図9および図10で示した落書き判定質問の内容を参照すれば分かるように、カラースタンプについてのみ、一番好きな色だけでなく、二番目に好きな色が選択されるため、他の種類(例えばどうぶつスタンプなど)に比べて、カラースタンプは、より利用者の嗜好に合致した色(のグループ)をより多く提示することができる。よって、利用者の選択可能なツールの数を増加させることができる。
【0097】
さらに、メッセージスタンプ(という種類)は、図9および図10で示した第6の質問に対する回答により選択されるものに対応している。ここで図9および図10では、「友人」「同級生」「恋人」「家族」のグループの1つ(ここでは「友人」)が選択される。これに対応して、パレット領域402L,402Rにおける「メッセージスタンプ」のタブが選択されると、友人に関連するような予め定められた複数の(文字や画像からなる)ツールが表示される。
【0098】
図13は、メッセージスタンプに対応するタブが選択される場合に表示されるツールの表示例を示す図である。図13に示されるツールの内容は、ここでは「大親友!」「ふたり仲良し」「ベストフレンド」という文字を付したスタンプである。この場合には、他の種類とは異なり、予め用意されている他のグループに対応するツール(例えば予め用意された「家族」というグループに対応する「仲良しシスターズ!」などの文字を付したスタンプ)は表示されない。したがって、このメッセージスタンプは、利用者の嗜好に合致した関係(を示すグループ)のみを多く提示することができる。よって、利用者の選択可能なツールの数を増加させることができる。
【0099】
さらにまた、あだなスタンプ(という種類は)、図9および図10で示した第1の質問に対する回答により選択されるものに対応している。ここでは図9および図10に示されるように、典型的には利用者の名前を自由に入力することができ、図10の左操作画面400Lに表示されている例では、「はなこ」という名前が入力されている。
【0100】
編集ユニット4では、所定の対応テーブルまたは所定の文字列変換規則に基づき、名前に相当する文字列からあだ名に相当する文字列を含む複数の文字列を生成するあだ名生成手段を実現するプログラムが備えられている。このプログラムでは、例えば「はなこ」という名前が入力されると、この名前に対応するあだ名として予め記憶された「はなちゃん」「ハナピー」「HANAHANA」という文字を出力する。
【0101】
もっとも、全ての名前について上記のような対応を示すテーブルを用意することはできないので、このようなテーブルに代えて、またはこのようなテーブルに記載がない名前である場合に、例えば名前の前から二文字の後に「ちゃん」を付ける第1規則、名前の前から二文字をカタカナに変え、その後に「ピー」を付ける第2規則、名前の前から二文字をローマ字に変え、その後に繰り返す第3規則など、予め定められた文字列変換規則に基づき、上記3つのあだ名を生成してもよい。なお、このような規則は例示であって、あだ名などに相当する文字列を生成可能な規則であればよい。
【0102】
図14は、あだ名スタンプに対応するタブが選択される場合に表示されるツールの表示例を示す図である。図14に示されるツールの内容は、ここでは「はなちゃん」「ハナピー」「HANAHANA」という文字を付したスタンプである。この場合、前述したメッセージスタンプと同様、利用者の嗜好に合致した関係(を示すグループ)のみを多く提示することができる。よって、利用者の選択可能なツールの数を増加させることができる。また、利用者の名前に応じたあだ名に相当する文字列を含むツール(スタンプ)が自動的に提示されるので、装置の遊戯性をより高めることができる。したがって提示されるツールの数は1つであってもよい。
【0103】
また、入力された名前に対応するあだ名に相当する文字列が生成される態様は、メッセージスタンプとして高い遊戯性が得られる一例であって、例えば利用者から好きな言葉などを受け付け、受け付けられた言葉を含む標語や冗談などを表す文字列を生成するといった、およそ入力文字列に対応する複数の文字列を生成する構成であればよい。
【0104】
ここで、落書き判定質問に応じて得られた利用者の嗜好に合致したグループのスタンプ画像が落書き時に多く提供されることになるが、落書き判定質問の回答時点では(特に質問が間接的な内容であることによって)このような動作を予想することができないことが多い。そのため、例えば質問に対してよく考えずに答えたり、誤って答えたりする場合も考えられる。その場合には、落書き編集操作中に、一時的に落書き判定質問に戻ってやり直すことが望まれる。
【0105】
そこで本実施形態では、落書き編集操作中に、図11に示される質問に戻るボタン425L,425Rが押下されると、図9に示す操作画面に戻り、落書き判定質問が再度行われる。その後、図10に示すOKボタン405L,405Rが押下されると、落書き判定質問の回答結果に応じて利用者の嗜好に合致したグループのスタンプ画像が落書き時に多くなるよう再設定される。そうすれば、いつでも利用者が望む時に落書き判定質問を提示し、その回答に基づき利用者の嗜好に応じたスタンプ画像を利用者に提示することができる。
【0106】
このようにしてステップS232〜S236の処理が繰り返し実行されることで上記の落書き操作の受け付けが行われ、その間に落書き時間が0となって、ステップS236において、落書き操作の許可時間が終了したと判定されると、ステップS240へ進む。
【0107】
ステップS240では、出力される写真の分割パターンの選択が行われる。具体的には、第2の制御部80は、予め用意された複数の分割パターンの中からいずれかの分割パターンを利用者に選択させるための画面を編集操作用タッチパネル400に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第2の制御部80は、利用者の選択操作に基づいて、選択情報を取得する。ステップS240の処理が終了した後、ステップS250の処理に進む。
【0108】
ステップS250では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第2の制御部80は、利用者を出力ユニット5に導くための画面を編集操作用タッチパネル400に表示する。これにより、落書き編集処理が終了する。落書き編集処理が終了すると、出力ユニット5において、編集ユニット4から送られてきた合成画像に基づいて写真シール等の印刷処理が開始されることなどについては前述した通りである。
【0109】
<4.効果>
以上のように本実施形態によれば、落書き判定質問に応じて得られた利用者の嗜好に合致した内容の(グループに属する)スタンプ画像が落書き時に多く提供されるので、利用者の嗜好に応じたスタンプ画像を利用者に提示することができる。よって、利用者の嗜好に合致した選択可能なツールの数を増加させることができ、装置の遊戯性を高めることができる。
【0110】
<5.変形例>
本実施形態では、スタンプの種類毎に各ツールがグループ化される構成であるが、スタンプ以外のペンやフレーム、背景などの選択といった各種編集操作の種類毎に各ツールがグループ化される構成であってもよい。このように、編集操作の種類は、各ツールのグループ化される範囲によって自由に決定することができる。
【0111】
本実施形態では、撮影処理後、落書き編集処理が始まる前に、利用者による落書き判定質問を表示して回答を受け付け(ステップS220〜S224)、その後落書き編集処理(ステップS230〜S236)に遷移し、場合によって落書き判定質問に戻ることができる処理の流れであるが、まず落書き編集処理(ステップS230〜S236)が行われ、所定の時間経過後または利用者の指示に応じて、途中で落書き判定質問を表示し回答を受け付ける処理が行われる処理の流れであってもよい。また、落書き編集処理中に落書き判定質問に戻ることができない構成であってもよい。さらに、撮影処理前または撮影処理中に、落書き判定質問を表示し回答を受け付ける処理が行われてもよい。
【0112】
上記実施形態では、落書き判定質問の回答として選択されたグループ(例えば赤色)に対応するツール(例えば赤色のスタンプ)は、他のグループに対応するツール(例えば青色のスタンプ)よりも多くなるようにパレット領域に表示されるが、これとは逆に少なくなるように表示されてもよい。なお、この場合には好きなグループ(例えば色)を質問するのではなく、嫌いなグループを質問する形式に変更する必要がある。このように少なく表示する場合であっても利用者の(嫌いであるという)嗜好が反映される結果、嫌いではないスタンプ画像が増加するため、利用者の嗜好に合致した選択可能なツールの数を増加させることができ、装置の遊戯性を高めることができる。
【0113】
また、落書き判定質問の回答として選択されたグループ(例えば赤色)に対応するツール(例えば赤色のスタンプ)を、他のグループに対応するツール(例えば青色のスタンプ)よりも優先的にまたは劣後的に表示してもよい。ここで優先して表示するとは、上記実施形態のようにツールの数を他よりも多く配置したりする構成のほか、ツールの配置位置を利用者がより選択しやすい位置(例えばパレット領域内の上側や左側)に配置したり、より選択しやすいように大きくしたり、形状、色、アニメーション効果などの特徴的な表示態様で表示することなどであり、およそ他より利用者によって優先的に選択される可能性のある表示態様であればよい。また劣後して表示するとは、ツールの数を他よりも少なく配置したりする構成のほか、ツールの配置位置を利用者がより選択しにくい位置(例えばパレット領域内の下側や右側)に配置したり、より選択しにくいよう小さくしたり、形状、色、アニメーション効果などの特徴的な表示態様を省略して表示することなどであり、およそ他より利用者によって劣後的に選択される可能性のある表示態様であればよい。このように表示すれば、利用者の(好きまたは嫌いであるという)嗜好が反映される結果、好きなまたは嫌いではないスタンプ画像が選択しやすくなるため、装置の遊戯性を高めることができる。
【符号の説明】
【0114】
3…撮影ユニット
4…編集ユニット
5…出力ユニット
6…ネットワーク(LAN)
10…カメラ
20…撮影操作用タッチパネル
30…出力操作用タッチパネル
35…ネットワークプリンタ
31…非接触通信ポート(赤外線ポート)
32…スピーカ
70…第1の制御部
72…第1の表示・操作部(撮影操作用タッチパネル)
80…第2の制御部(GUI制御装置)
81、82…第2の表示・操作部(編集操作用タッチパネル)
90…第3の制御部
91…第3の表示・操作部(出力操作用タッチパネル)
92…印刷出力部(ネットワークプリンタ)
94…非接触通信部(赤外線ポート)
400…編集操作用タッチパネル(GUI表示手段)
49L1、49L2…左画面用タッチペン
49R1、49R2…右画面用タッチペン
400L…左操作画面
400R…右操作画面
402L、402R…パレット領域
405L、405R…ツール
451L…選択枠
U …利用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により得られる撮影画像に対する前記利用者の編集操作を含む入力操作を受け付けるGUI手段と、前記GUI手段により受け付けられる編集操作に基づき合成画像を生成する画像処理手段と、前記画像処理手段により生成される合成画像を写真として印刷する印刷手段とを備える自動写真作成装置であって、
前記GUI手段は、グループ化されて表示されうる編集操作のための複数の選択可能領域を予め複数群にさらに分類しておき、前記利用者に関連する情報を入力する前記利用者の入力操作を受け付けて、入力される前記情報に応じて、前記複数群のうちの少なくとも1つの群に含まれる複数の選択可能領域を他の群よりも優先しまたは劣後する態様で表示するとともに、表示された複数の選択可能領域から1つ以上を選択する前記利用者の操作入力を受け付けることを特徴とする、自動写真作成装置。
【請求項2】
前記GUI手段は、
GUI表示手段と、
前記利用者の入力操作のための操作画面を前記GUI表示手段に表示させ、前記操作画面に対する入力操作を受け付けるGUI制御手段と、
前記操作画面に対応するポインティングデバイスとしての操作手段からなる前記利用者の入力操作のための入力操作手段とを含み、
前記GUI制御手段は、
前記入力操作手段により行われる編集操作の種類毎にグループ化された当該編集操作のための複数の選択可能領域を含みかつ含まれる複数の選択可能領域の少なくとも一部を入れ替え可能なパレット領域を前記GUI表示手段に表示させる編集制御手段と、
前記パレット領域に含まれるべき複数の選択可能領域に対応する群の少なくとも1つを前記利用者に選択させるための操作画面である選択操作画面を前記GUI表示手段に表示させる選択制御手段とを含み、
前記編集制御手段は、前記選択操作画面に対する前記利用者の入力操作により選択される群に対応する複数の選択可能領域を他の各群に含まれる複数の選択可能領域よりも優先しまたは劣後する表示態様で含むパレット領域を前記GUI表示手段に表示させることを特徴とする、請求項1に記載の自動写真作成装置。
【請求項3】
前記選択制御手段は、前記種類毎に、前記パレット領域に含まれるべき複数の選択可能領域に対応する群の少なくとも1つを前記利用者に選択させるための質問文と、当該群を含む複数群を選択可能に表示する文字または図形とを前記選択操作画面内に表示させることを特徴とする、請求項2に記載の自動写真作成装置。
【請求項4】
前記選択制御手段は、前記種類の少なくとも1つにおいて、前記パレット領域に含まれるべき複数の選択可能領域に対応する第1の群を前記利用者に選択させるための第1の質問文と、前記第1の群を含む複数群を選択可能に表示する第1の文字または図形とを前記選択操作画面内に表示させ、
前記編集制御手段は、前記選択操作画面に対する前記利用者の入力操作により選択される前記第1の群に含まれる複数の選択可能領域を最も多く含むパレット領域を前記GUI表示手段に表示させることを特徴とする、請求項3に記載の自動写真作成装置。
【請求項5】
前記選択制御手段は、前記種類の少なくとも1つにおいて、前記第1の質問文および前記第1の文字または図形とともに、前記パレット領域に多く含まれるべき複数の選択可能領域に対応する第2の群を前記利用者に選択させるための第2の質問文と、前記第2の群を含む複数群を選択可能に表示する第2の文字または図形とを前記選択操作画面内に表示させ、
前記編集制御手段は、前記選択操作画面に対する前記利用者の入力操作により選択される前記第1の群に含まれる複数の選択可能領域を最も多く含み、前記第2の群に含まれる複数の選択可能領域を2番目に多く含むパレット領域を前記GUI表示手段に表示させることを特徴とする、請求項4に記載に記載の自動写真作成装置。
【請求項6】
前記GUI制御手段は、前記操作画面を2つ以上前記GUI表示手段に表示させ、異なる操作画面に対応する複数の利用者による入力操作を並行して受け付け、
前記入力操作手段は、2つ以上の前記操作画面にそれぞれ対応する2つ以上のポインティングデバイスとしての操作手段からなることを特徴とする、請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の自動写真作成装置。
【請求項7】
前記選択制御手段は、前記編集制御手段による表示が開始される前に、前記選択操作画面を表示させ、前記選択操作画面に対する入力操作を受け付けることを特徴とする、請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の自動写真作成装置。
【請求項8】
前記編集制御手段は、前記選択制御手段の動作を開始させるための前記利用者による開始入力操作を受け付け、
前記選択制御手段は、前記編集制御手段により前記開始入力操作が受け付けられるとき、前記選択操作画面を表示させるとともに前記選択操作画面に対する入力操作を受け付けることを特徴とする、請求項2から請求項7までのいずれか1項に記載の自動写真作成装置。
【請求項9】
所定の対応テーブルまたは所定の文字列変換規則に基づき、所定の入力文字列に対応する複数の文字列を生成する文字列生成手段をさらに備え、
前記選択制御手段は、前記種類の少なくとも1つにおいて、前記入力文字列を受け付け、
前記編集制御手段は、前記選択制御手段により受け付けられた前記入力文字列を前記文字列生成手段に与え、前記入力文字列に基づき前記文字列生成手段により生成される前記複数の文字列を前記複数の選択可能領域として含むパレット領域を、前記GUI表示手段に表示させることを特徴とする、請求項2から請求項8までのいずれか1項に記載の自動写真作成装置。
【請求項10】
利用者を撮影する撮影ステップと、前記撮影ステップにおいて得られる撮影画像に対する前記利用者の編集操作を含む入力操作を受け付けるGUIステップと、前記GUIステップにおいて受け付けられる編集操作に基づき合成画像を生成する画像処理ステップと、前記画像処理ステップにおいて生成される合成画像を写真として印刷する印刷ステップとを備える自動写真作成方法であって、
前記GUIステップでは、グループ化されて表示されうる編集操作のための複数の選択可能領域を予め複数群にさらに分類しておき、前記利用者に関連する情報を入力する前記利用者の入力操作を受け付けて、入力される前記情報に応じて、前記複数群のうちの少なくとも1つの群に含まれる複数の選択可能領域を他の群よりも優先しまたは劣後する態様で表示するとともに、表示された複数の選択可能領域から1つ以上を選択する前記利用者の操作入力を受け付けることを特徴とする、自動写真作成方法。
【請求項11】
コンピュータである自動写真作成装置に、
利用者を撮影する撮影ステップと、
前記撮影ステップにおいて得られる撮影画像に対する前記利用者の編集操作を含む入力操作を受け付けるGUIステップと、
前記GUIステップにおいて受け付けられる編集操作に基づき合成画像を生成する画像処理ステップと、前記画像処理ステップにおいて生成される合成画像を写真として印刷する印刷ステップと
を実行させるプログラムであって、
前記GUIステップでは、グループ化されて表示されうる編集操作のための複数の選択可能領域を予め複数群にさらに分類しておき、前記利用者に関連する情報を入力する前記利用者の入力操作を受け付けて、入力される前記情報に応じて、前記複数群のうちの少なくとも1つの群に含まれる複数の選択可能領域を他の群よりも優先しまたは劣後する態様で表示するとともに、表示された複数の選択可能領域から1つ以上を選択する前記利用者の操作入力を受け付けることを特徴とする、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−177741(P2012−177741A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39511(P2011−39511)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(597047392)辰巳電子工業株式会社 (77)
【Fターム(参考)】