説明

自動給水装置および自動給水装置の故障診断方法

【課題】故障診断する際に、人体検知センサにおける故障の有無を最初に判断する。
【解決手段】通水路9に配置される電磁弁1と、人体を検知する人体検知センサ2と、人体検知センサ2の検知信号に基づいて電磁弁1を駆動させて、通水路9の通水を制御する制御回路5と、電磁弁1、人体検知センサ2、制御回路5に電源を供給する電源回路6とを備え、制御回路5の信号線b,dおよび電源回路6の電源線a,cが、中継端子4、および中継端子4に接続されるリード線付き接続用コネクタ3を介して人体検知センサ2に接続される自動給水装置において、リード線付き接続用コネクタ3を取り外した中継端子4に、ジャンパ線付き検査用コネクタ7を接続して、人体検知センサ2に接続される電源線cと入力信号線dとを電気的に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、給水口の近傍に位置した人体(手や足等)を検知して、給水が行われるトイレや洗面台の自動給水装置および自動給水装置の故障診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレや洗面台などの自動給水装置として、例えば、図6に示すように、一端部が給水源側に連通するとともに、他端部が給水口側に連通する通水路(図示せず)の途中に配置された電磁弁50と、給水口(図示せず)の近傍に配置された人体検知センサとしての赤外線センサ60と、洗面台が取り付けられた壁面の下部(給水口の下方)に配置された制御箱(図示せず)とを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
電磁弁50は、通水路に配置された主弁部(図示せず)を開閉して、通水路の流量を調整できる構成になっている。そして、電磁弁50は、電源回路67の電源線eと、制御回路66の出力信号線fとが接続され、該出力信号線fと入力信号線dとが制御回路66において電気的に接続されることによって、駆動するように構成されている。
【0004】
赤外線センサ60は、赤外光を給水口の下方に向けて発光する発光回路61と、該発光回路61からの赤外光を受光するとともに、受光した赤外光の光量を電圧に変換する受光回路62とを有している。また、赤外線センサ60は、後述する制御箱の中継端子65に接続されるコネクタ64と、発光回路61および受光回路62に一端部が接続されるとともに、前記コネクタ64に他端部が接続されるリード線(a〜d)63を有するリード線付き接続用コネクタを備えている。
【0005】
制御箱は、上述した赤外線センサ60のリード線付き接続用コネクタのコネクタ64が接続される中継端子65と、赤外線センサ60の検知信号に基づいて電磁弁50を駆動させて給水口に給水する制御回路66と、電磁弁50、赤外線センサ60、制御回路66に電源を供給する電源回路67とを備えている。
【0006】
そして、給水口の下方に差し出された人の手の有無により、赤外線センサ60の受光回路62における赤外線の受光量(電圧)が変化することによって、閉状態の電磁弁50が開いて、給水口において所定時間の給水が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−311070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の自動給水装置において、給水口の下方に、手を差し出しても、すなわち赤外線センサ60の人体検知領域に手(人体)を配置しても、給水口から水が出ないという故障が生じた場合、その故障原因が、電源回路67、制御回路(基板)66、電磁弁50、赤外線センサ60のいずれであるのか、不明である。このため、電源回路67、制御回路66、電磁弁50、赤外線センサ60を順次診断していき、故障箇所を特定しているのが現況となっている。したがって、故障箇所を特定するのに時間を要するという問題がある。
【0009】
ところで、電源回路67の電源線cおよび制御回路66の入力信号線dを電気的に接続して、電磁弁50を駆動させて給水ができれば、赤外線センサ60のみに故障があり、電源回路67、電磁弁50、制御回路66は正常であると診断できる。したがって、故障診断する際に、電磁弁50の電源線および信号線を電気的に接続できれば、診断作業の効率化が図れるが、このような技術思想は、前記公報には、何ら開示されていない。
【0010】
そこで、本発明は、故障診断する際に、人体検知センサにおける故障の有無を最初に判断できるようにした自動給水装置および自動給水装置の故障診断方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る自動給水装置は、通水路9に配置される電磁弁1と、発光回路21および受光回路22によって人体を検知する人体検知センサ2と、人体検知センサ2の受光回路22の検知信号に基づいて電磁弁1を駆動させて、通水路9の通水を制御する制御回路5と、電磁弁1、人体検知センサ2、制御回路5に電源を供給する電源回路6とが配置されるとともに、人体検知センサ2と制御回路5との間に、相互の信号を送受信するための中継端子4、および、該中継端子4に接続されるリード線付き接続用コネクタ3が配置され、中継端子4およびリード線付き接続用コネクタ3によって、人体検知センサ2の発光回路21に、電源回路6の電源線aおよび制御回路5の出力信号線bが電気的に接続されるとともに、人体検知センサ2の受光回路22に、電源回路6の電源線cおよび制御回路5の入力信号線dが電気的に接続され、制御回路5から人体検知センサ2の発光回路21に、出力信号線bを通して発光制御信号が出力されるとともに、人体検知センサ2の受光回路22から制御回路5に、入力信号線dを通して前記検知信号が入力される自動給水装置において、リード線付き接続用コネクタ3を取り外した中継端子4に接続され、電源回路6の電源線cと制御回路5の入力信号線dとを電気的に接続するジャンパ線付き検査用コネクタ7を備えたことを特徴とする。
【0012】
故障箇所を診断する場合、リード線付き接続用コネクタ3を中継端子4から取り外し、該中継端子4にジャンパ線付き検査用コネクタ7を接続する。すなわち、ジャンパ線付き検査用コネクタ7によって、人体検知センサ2に接続される電源線cと入力信号線dとが電気的に接続され、電磁弁1を駆動する制御回路5の出力信号線に電気的に接続される。この際、給水が行われれば、電源回路6、制御回路5、電磁弁1を診断することなく、人体検知センサ2のみが故障であると診断できる。
【0013】
また、本発明に係る自動給水装置によれば、通水路9に配置される電磁弁1と、発光回路21および受光回路22によって人体を検知する人体検知センサ2と、人体検知センサ2の受光回路22の検知信号に基づいて電磁弁1を駆動させて、通水路9の通水を制御する制御回路5と、電磁弁1、人体検知センサ2、制御回路5に電源を供給する電源回路6とが配置されるとともに、人体検知センサ2と制御回路5との間に、相互の信号を送受信するための中継端子4、および、該中継端子4に接続されるリード線付き接続用コネクタ3が配置され、中継端子4およびリード線付き接続用コネクタ3によって、人体検知センサ2の発光回路21に、電源回路6の電源線aおよび制御回路5の出力信号線bが電気的に接続されるとともに、人体検知センサ2の受光回路22に、電源回路6の電源線cおよび制御回路5の入力信号線dが電気的に接続され、制御回路5から人体検知センサ2の発光回路21に、出力信号線bを通して発光制御信号が出力されるとともに、人体検知センサ2の受光回路22から制御回路5に、入力信号線dを通して前記検知信号が入力される自動給水装置において、前記制御回路5に、リード線付き接続用コネクタ3が前記中継端子4から取り外されたことを検知するコネクタ検知手段41と、該コネクタ検知手段41の検知信号に基づいて、電源回路6の電源線cと制御回路5の入力信号線dとを電気的に接続して、電磁弁1を強制的に駆動させる強制駆動手段42とを備えたことを特徴とする。
【0014】
故障箇所を診断する場合、人体検知センサ2のリード線付き接続用コネクタ3を中継端子4から取り外す。すなわち、リード線付き接続用コネクタ3が中継端子4から取り外されたことが検知されて、この検知信号に基づいて、制御回路5から電磁弁1に駆動信号が送信される。この際、給水が行われれば、電源回路6、制御回路5、電磁弁1には、異常はなく、人体検知センサ2のみに故障があると判断できる。
【0015】
また、本発明に係る自動給水装置によれば、通水路9に配置される電磁弁1と、発光回路21および受光回路22によって人体を検知する人体検知センサ2と、人体検知センサ2の受光回路22の検知信号に基づいて電磁弁1を駆動させて、通水路9の通水を制御する制御回路5と、電磁弁1、人体検知センサ2、制御回路5に電源を供給する電源回路6とが配置されるとともに、人体検知センサ2と制御回路5との間に、相互の信号を送受信するための中継端子4、および、該中継端子4に接続されるリード線付き接続用コネクタ3が配置され、中継端子4およびリード線付き接続用コネクタ3によって、人体検知センサ2の発光回路21に、電源回路6の電源線aおよび制御回路5の出力信号線bが電気的に接続されるとともに、人体検知センサ2の受光回路22に、電源回路6の電源線cおよび制御回路5の入力信号線dが電気的に接続され、制御回路5から人体検知センサ2の発光回路21に、出力信号線bを通して発光制御信号が出力されるとともに、人体検知センサ2の受光回路22から制御回路5に、入力信号線dを通して前記検知信号が入力される自動給水装置において、電源回路6の電源線cと制御回路5の入力信号線dとの間に、前記電磁弁1を手動でオン・オフする手動スイッチSWを接続したことを特徴とする自動給水装置。
【0016】
故障箇所を診断する場合、手動スイッチSWを手動でオンして、電磁弁1を駆動させて、給水が行われるか否かを確認する。この際、給水が行われれば、電源回路6、制御回路5、電磁弁1を診断することなく、人体検知センサ2のみが故障であると診断できる。
【0017】
また、本発明に係る自動給水装置用の故障診断方法によれば、通水路9に配置される電磁弁1と、発光回路21および受光回路22によって人体を検知する人体検知センサ2と、人体検知センサ2の受光回路22の検知信号に基づいて電磁弁1を駆動させて、通水路9の通水を制御する制御回路5と、電磁弁1、人体検知センサ2、制御回路5に電源を供給する電源回路6とが配置されるとともに、人体検知センサ2と制御回路5との間に、相互の信号を送受信するための中継端子4、および、該中継端子4に接続されるリード線付き接続用コネクタ3が配置され、中継端子4およびリード線付き接続用コネクタ3によって、人体検知センサ2の発光回路21に、電源回路6の電源線aおよび制御回路5の出力信号線bが電気的に接続されるとともに、人体検知センサ2の受光回路22に、電源回路6の電源線cおよび制御回路5の入力信号線dが電気的に接続され、制御回路5から人体検知センサ2の発光回路21に、出力信号線bを通して発光制御信号が出力されるとともに、人体検知センサ2の受光回路22から制御回路5に、入力信号線dを通して前記検知信号が入力される自動給水装置において、人体検知センサ2の人体検知領域に人体を位置させても給水されない場合、前記いずれかの自動給水装置を用いて、電源線cと入力信号線dとを電気的に接続するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、人体検知センサの検知領域に人体を位置させても給水されない場合、人体検知センサに接続される電源線と入力信号線とを電気的に接続して、電磁弁を駆動させて、給水の有無を確認するようにしたので、人体検知センサにおける故障の有無を最初に診断することで、電源回路、制御回路、電磁弁を診断するか否かを判断できるようになる。したがって、故障診断作業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る自動給水装置の一実施形態を示す図であり、人体検知センサのリード線付き接続用コネクタを外して、電磁弁の電源線および信号線を、ジャンパ線付き検査用コネクタで接続した状態を示すブロック回路図。
【図2】図1の自動給水装置を備えた洗面台の概略図。
【図3】人体検知センサのリード線付き接続用コネクタが中継端子から取り外されたことを検知するコネクタ検知手段と、該コネクタ検知手段の検知信号に基づいて、電磁弁を強制的に駆動させる電磁弁駆動回路を備えたブロック回路図。
【図4】図3のブロック回路図の動作説明図であり、(a)は、人体検知センサのリード線付き接続用コネクタが取り外されたことを検知して、電磁弁が駆動する際の制御回路のフローチャート、(b)は、人体検知センサのリード線付き接続用コネクタが取り外されたことを検知して、電磁弁が駆動するタイミングチャートを示す図。
【図5】外部(ケースの内壁)に、電源線cと入力信号線dとの間に手動スイッチを接続したブロック回路図。
【図6】従来の自動給水装置のブロック回路図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る自動給水装置の一実施形態について図1を参照しながら説明する。なお、本実施形態においては、自動給水装置を備えた洗面台を例にとって説明する。
【0021】
本実施形態に係る自動給水装置Aは、図1に示すように、後述する通水路9に配置される電磁弁1と、発光回路21および受光回路22によって人体を検知する人体検知センサ2と、人体検知センサ2の受光回路22の検知信号に基づいて電磁弁1を駆動させて、通水路9の通水を制御する制御回路5と、電磁弁1、人体検知センサ2、制御回路5に電源を供給する電源回路6とが配置されるとともに、人体検知センサ2と制御回路5との間に、相互の信号を送受信するための中継端子4、および、該中継端子4に接続されるリード線付き接続用コネクタ3が配置されている。
【0022】
そして、中継端子4およびリード線付き接続用コネクタ3によって、人体検知センサ2の発光回路21に、電源回路6の電源線aおよび制御回路5の出力信号線bが電気的に接続されるとともに、人体検知センサ2の受光回路22に、電源回路6の電源線cおよび制御回路5の入力信号線dが電気的に接続されている。
【0023】
そして、制御回路5から人体検知センサ2の発光回路21に、出力信号線bを通して発光制御信号が出力されるとともに、人体検知センサ2の受光回路22から制御回路5に、入力信号線dを通して前記検知信号が入力される。
【0024】
電磁弁1は、人体検知センサ2の検知信号に基づいて駆動し、通水路9における流量を調整できる構成になっている。そして、電磁弁1は、電源回路6の電源線eと、制御回路5の出力信号線fとが接続され、該出力信号線fと入力信号線dとが制御回路5において電気的に接続されることによって、駆動するように構成されている。
【0025】
人体検知センサ2は、赤外線を発光する発光回路21と、該発光回路21からの赤外光を受光する受光回路22とを有する赤外線センサが使用されている。そして、人体検知センサ2は、赤外光が人体(胴部、手、足のうちいずれか)に向けて発光するように、給水口8の近傍に配置されている。すなわち、給水口8の近傍に人体検知領域が形成され、この人体検知領域に人体が位置することによって、赤外光が遮られて、赤外光の光量(電圧)が変化する。この変化した信号が、検知信号として制御回路5に入力信号線dを通って入力される。
【0026】
リード線付き接続用コネクタ3は、人体検知センサ2の発光回路21および受光回路22に一端部が接続されたリード線31と、該リード線31の他端部に取り付けられたコネクタ32とを有している。そして、リード線付き接続用コネクタ3は、制御回路5と人体検知センサ2とを電気的に接続している。
【0027】
中継端子4は、電源回路6の電源線a,cおよび制御回路5の出力信号線b,入力信号線dと、人体検知センサ2の発光回路21の電源線b,出力信号線b、および、受光回路22の電源線c,入力信号線dとがリード線付き接続用コネクタ3を介して接続されるように構成されている。
【0028】
制御回路5は、人体検知センサ2の発光回路21からの赤外光の光量が、受光回路22において変化した場合、すなわち、人体検知センサ2の人体検知領域に人体が位置して、赤外光の光量が変化した場合、電磁弁1に駆動信号を送信して給水を行うように構成されている。
【0029】
電源回路6は、流水によって発電する発電機、および、該発電機によって給電される蓄電池(図示せず)を有する主電源と、複数の乾電池が直列接続されて構成される直流電源回路を有する補助電源とを備えている(図示せず)。そして、電源回路6は、通常、主電源から、制御回路5、人体検知センサ2、電磁弁1に電源を供給し、蓄電池の容量が所定値以下となった場合に、補助電源から、制御回路5、人体検知センサ2、電磁弁1に電源を供給するように構成されている。
【0030】
ジャンパ線付き検査用コネクタ7は、リード線付き接続用コネクタ3を取り外した中継端子4に接続されるコネクタ71を有し、該コネクタ71は、電磁弁1に接続される、電源回路6の電源線cと制御回路5の入力信号線dとを電気的に接続するジャンパ線72が配線されている。
【0031】
ここで、上述した自動給水装置を備えた洗面台の構成について簡単に図2を参照して説明する。該洗面台Bは、壁面に取り付けられた洗面器(図示せず)と、該洗面器の上方に配置された給水口8と、該給水口8に一端部側が連通するとともに、給水源に他端部側が連通する通水路9と、該通水路9の途中に配置された前記自動給水装置Aの電磁弁1と、給水口8の近傍に配置された前記自動給水装置Aの人体検知センサ2と、電磁弁1および人体検知センサ2を制御する制御部が内設された制御箱10とを備えている。
【0032】
つぎに使用態様について説明する。給水口8の下方に手を差し入れても給水が行われない場合、すなわち、故障が生じた場合、制御箱10を開いて、最初に、中継端子4からリード線付き接続用コネクタ3を取り外し、ジャンパ線付き検査用コネクタ7を中継端子4に接続して、給水の有無を確認する。この際、給水が行われれば、人体検知センサ2のみが故障であると診断できる。給水が行われない場合、電源回路6、制御回路5(基板)、電磁弁1のいずれが故障しているのかを順次診断する。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に係る自動給水装置は、故障が生じた場合、最初に、リード線付き接続用コネクタ3を中継端子4から取り外し、該中継端子4にジャンパ線付き検査用コネクタ7を接続して、電磁弁1を駆動させて、給水の有無を確認することで、人体検知センサ2のみに故障があると診断できるので、故障診断作業を短時間で処理できるようになる。
【0034】
なお、本発明に係る自動給水装置は、前記実施の形態に限定することなく種々変更することができる。
【0035】
例えば、前記実施形態の場合、電磁弁1に接続される、電源回路6の電源線cと制御回路5の入力信号線dとを電気的に接続するものとして、ジャンパ線付き検査用コネクタ7を使用したが、図3に示すように、リード線付き接続用コネクタ3が中継端子4から取り外されたことを検知するコネクタ検知手段41を中継端子4に配置するとともに、該コネクタ検知手段41の検知信号に基づいて、電磁弁1を強制的に駆動させる強制駆動手段42を配置するようにしてもよい。
【0036】
係る自動給水装置によれば、故障箇所を診断する場合、図4(a)に示すように、最初に、人体検知センサ2のリード線付き接続用コネクタ3を中継端子4から取り外す。すなわち、リード線付き接続用コネクタ3が中継端子4から取り外されたか否かをコネクタ検知手段41によって検知し(S1)、この検知信号に基づいて、制御回路5から強制駆動手段42に駆動信号を出力して、電磁弁1を強制駆動する(S2)。
【0037】
コネクタ検知手段41として、有接点のスイッチング素子(例えばリミットスイッチ)、または、無接点のスイッチング素子(例えばトランジスタ)が使用され、リード線付き接続用コネクタ3が中継端子4から取り外されると、図4(b)に示すように、スイッチング素子からHI信号が出力され、このHI信号の立ち上がりを起点にして、電磁弁1を所定時間(5秒程度)駆動させる駆動信号(所定幅を有するパルス信号)が制御回路5から強制駆動手段42に出力され、電磁弁1が強制駆動する。この強制駆動によって給水が行われれば、電源回路6、制御回路5、電磁弁1には、異常はなく、人体検知センサ2のみに故障があると判断できる。
【0038】
また、図5に示すように、電源回路6の電源線cと制御回路5の入力信号線dとの間に、電磁弁1を手動でオン・オフする手動スイッチSWを接続するようにしてもよい。そして、故障箇所を診断する場合、最初に、手動スイッチSWを外部から手動でオン操作する。すなわち、電磁弁1の電源線cと信号線dとが手動スイッチSWによって電気的に接続される。
【0039】
そして、この手動スイッチSWをオンした際に、給水が行われれば、電磁弁1、制御回路5、電源回路6を診断することなく、人体検知センサ2のみが故障であると診断できる。但し、この手動スイッチSWは、作業者のみがオン・オフ操作できるように、例えば、制御箱10の内壁に取り付けることが好ましい。
【0040】
また、前記実施形態の場合、人体検知センサ2として赤外線センサを備えた自動給水装置Aを例にとって説明したが、超音波センサ、または、可視光センサを備えた自動給水装置であってもよく、発光された光を、遮断したり、反射したりすることで、人体を検知する光学式センサを備えた自動給水装置であってもよい。
【0041】
また、前記実施形態の場合、自動給水装置として、洗面台を例にとって説明したが、トイレの自動水洗装置であっても、同様の効果を奏することは言うまでもない。
【符号の説明】
【0042】
1,50…電磁弁、2,60…人体検知センサ、3…リード線付き接続用コネクタ、4,65…中継端子、5,66…制御回路、6,67…電源回路、7…ジャンパ線付き検査用コネクタ、8…給水口、9…通水路、10…制御箱、21,61…発光回路、22,62…受光回路、31,63…リード線、32,64…コネクタ、41…コネクタ検知手段、42…電磁弁1の強制駆動手段、72…ジャンパ線、A…自動給水装置、B…洗面台、a,c…電源線、b…出力信号線、d…入力信号線、SW…手動スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通水路(9)に配置される電磁弁(1)と、発光回路(21)および受光回路(22)によって人体を検知する人体検知センサ(2)と、人体検知センサ(2)の受光回路(22)の検知信号に基づいて電磁弁(1)を駆動させて、通水路(9)の通水を制御する制御回路(5)と、電磁弁(1)、人体検知センサ(2)、制御回路(5)に電源を供給する電源回路(6)とが配置されるとともに、
人体検知センサ(2)と制御回路(5)との間に、相互の信号を送受信するための中継端子(4)、および、該中継端子(4)に接続されるリード線付き接続用コネクタ(3)が配置され、
中継端子(4)およびリード線付き接続用コネクタ(3)によって、人体検知センサ(2)の発光回路(21)に、電源回路(6)の電源線(a)および制御回路(5)の出力信号線(b)が電気的に接続されるとともに、人体検知センサ(2)の受光回路(22)に、電源回路(6)の電源線(c)および制御回路(5)の入力信号線(d)が電気的に接続され、
制御回路(5)から人体検知センサ(2)の発光回路(21)に、出力信号線(b)を通して発光制御信号が出力されるとともに、人体検知センサ(2)の受光回路(22)から制御回路(5)に、入力信号線(d)を通して前記検知信号が入力される自動給水装置において、
リード線付き接続用コネクタ(3)を取り外した中継端子(4)に接続され、電源回路(6)の電源線(c)と制御回路(5)の入力信号線(d)とを電気的に接続するジャンパ線付き検査用コネクタ(7)を備えたことを特徴とする自動給水装置。
【請求項2】
通水路(9)に配置される電磁弁(1)と、発光回路(21)および受光回路(22)によって人体を検知する人体検知センサ(2)と、人体検知センサ(2)の受光回路(22)の検知信号に基づいて電磁弁(1)を駆動させて、通水路(9)の通水を制御する制御回路(5)と、電磁弁(1)、人体検知センサ(2)、制御回路(5)に電源を供給する電源回路(6)とが配置されるとともに、
人体検知センサ(2)と制御回路(5)との間に、相互の信号を送受信するための中継端子(4)、および、該中継端子(4)に接続されるリード線付き接続用コネクタ(3)が配置され、
中継端子(4)およびリード線付き接続用コネクタ(3)によって、人体検知センサ(2)の発光回路(21)に、電源回路(6)の電源線(a)および制御回路(5)の出力信号線(b)が電気的に接続されるとともに、人体検知センサ(2)の受光回路(22)に、電源回路(6)の電源線(c)および制御回路(5)の入力信号線(d)が電気的に接続され、
制御回路(5)から人体検知センサ(2)の発光回路(21)に、出力信号線(b)を通して発光制御信号が出力されるとともに、人体検知センサ(2)の受光回路(22)から制御回路(5)に、入力信号線(d)を通して前記検知信号が入力される自動給水装置において、
前記制御回路(5)に、リード線付き接続用コネクタ(3)が前記中継端子(4)から取り外されたことを検知するコネクタ検知手段(41)と、該コネクタ検知手段(41)の検知信号に基づいて、電源回路(6)の電源線(c)と制御回路(5)の入力信号線(d)とを電気的に接続して、電磁弁(1)を強制的に駆動させる強制駆動手段(42)とを備えたことを特徴とする自動給水装置。
【請求項3】
通水路(9)に配置される電磁弁(1)と、発光回路(21)および受光回路(22)によって人体を検知する人体検知センサ(2)と、人体検知センサ(2)の受光回路(22)の検知信号に基づいて電磁弁(1)を駆動させて、通水路(9)の通水を制御する制御回路(5)と、電磁弁(1)、人体検知センサ(2)、制御回路(5)に電源を供給する電源回路(6)とが配置されるとともに、
人体検知センサ(2)と制御回路(5)との間に、相互の信号を送受信するための中継端子(4)、および、該中継端子(4)に接続されるリード線付き接続用コネクタ(3)が配置され、
中継端子(4)およびリード線付き接続用コネクタ(3)によって、人体検知センサ(2)の発光回路(21)に、電源回路(6)の電源線(a)および制御回路(5)の出力信号線(b)が電気的に接続されるとともに、人体検知センサ(2)の受光回路(22)に、電源回路(6)の電源線(c)および制御回路(5)の入力信号線(d)が電気的に接続され、
制御回路(5)から人体検知センサ(2)の発光回路(21)に、出力信号線(b)を通して発光制御信号が出力されるとともに、人体検知センサ(2)の受光回路(22)から制御回路(5)に、入力信号線(d)を通して前記検知信号が入力される自動給水装置において、
電源回路(6)の電源線(c)と制御回路(5)の入力信号線(d)との間に、前記電磁弁(1)を手動でオン・オフする手動スイッチ(SW)を接続したことを特徴とする自動給水装置。
【請求項4】
通水路(9)に配置される電磁弁(1)と、発光回路(21)および受光回路(22)によって人体を検知する人体検知センサ(2)と、人体検知センサ(2)の受光回路(22)の検知信号に基づいて電磁弁(1)を駆動させて、通水路(9)の通水を制御する制御回路(5)と、電磁弁(1)、人体検知センサ(2)、制御回路(5)に電源を供給する電源回路(6)とが配置されるとともに、
人体検知センサ(2)と制御回路(5)との間に、相互の信号を送受信するための中継端子(4)、および、該中継端子(4)に接続されるリード線付き接続用コネクタ(3)が配置され、
中継端子(4)およびリード線付き接続用コネクタ(3)によって、人体検知センサ(2)の発光回路(21)に、電源回路(6)の電源線(a)および制御回路(5)の出力信号線(b)が電気的に接続されるとともに、人体検知センサ(2)の受光回路(22)に、電源回路(6)の電源線(c)および制御回路(5)の入力信号線(d)が電気的に接続され、
制御回路(5)から人体検知センサ(2)の発光回路(21)に、出力信号線(b)を通して発光制御信号が出力されるとともに、人体検知センサ(2)の受光回路(22)から制御回路(5)に、入力信号線(d)を通して前記検知信号が入力される自動給水装置において、
人体検知センサ(2)の人体検知領域に人体を位置させても給水されない場合、前記請求項1乃至3のいずれか1項の自動給水装置を用いて、電源線(c)と入力信号線(d)とを電気的に接続するようにしたことを特徴とする自動給水装置の故障診断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−180701(P2012−180701A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45128(P2011−45128)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(504325623)中国企業株式会社 (16)
【Fターム(参考)】