説明

色温度調整装置、それを使用した色温度調整設備及び色温度調整の方法

【課題】本発明は、照明用の色温度調整装置、それを備える照明設備及び色温度調整方法を提供する。
【解決手段】本発明は、それに作用する光の色温度を調整するための照明用の色温度調整装置であって、光弁構造を通過した出射光束と前記光弁構造に入った入射光束との比例を調整するための光弁構造と、入射光波長を異なる波長出射光に変換可能な少なくても1種の波長域変換素子を含む調色構造と、を備え、前記光弁構造と前記調色構造は、光の前向き経路で互いに重ならず、光源から射出され光弁構造を通過した出射光と調色構造を通過して少なくても一部が異なる波長域に変換された出射光を混成させて、色温度が元の光源と異なった混成光を形成する照明用の色温度調整装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明用の色温度調整装置、この照明用の色温度調整装置を使用した照明設備、並びに色温度調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エジソンが白熱電球を発明してから、照明の時間と空間が延びていることにつれて、人間のライフスタイルは、著しく変化し、更に、丈夫、美観、效率により優れた照明製品の開発を持続的に推進していく。
【0003】
しかしながら、人間の進化過程で陽光に適応してきたので、人工の光源照明の環境の中にいても、人間の視覚器官は、依然として自然光に近づく照射環境を好む。可視光線に対して感応する人眼の構造は、波長域及び所在環境の明暗によって変化する。可視光線が人眼に作用して光を感応させることは、光の組成及び強弱に関わるだけでなく、人の視覚器官の生理特性及び人間の心理的要因にも関わっている。そのため、「光計測学」を介して、人の視覚器官の生理特性と特定の合意された標準によって、光放射による視覚効果を評価しなければならない。
【0004】
光度測定が人の視覚器官の生理特性に依存しなければならないため、国際照明委員会(Commission Internationale de l’Eclariage;CIE)は、人眼が光に対する感応・知覚能力の評価基準を統一的に制定した。人眼の視覚関数(eye sensitivity function)V(λ))を提案し、放射線測定と光測定に合わせて変換し、色度図によって人眼が色彩に対する感知を標準化にする。1924年、CIEは、2度の小視野等のスペクトル試験において、明所視の条件における点状の光源の視覚関数を、CIE1931視覚関数として提案し、それによって図1に示すようなCIE1931色空間の色度図を導き出し得る。波長域によって人眼の視感効果が異なるため、人眼が青色スペクトル領域とインディゴ色のスペクトル領域における感度に対して、CIEは1978年において、CIE1978視覚関数を提出した。この補正された関数は、波長が460ナノメートル(nm)よりも低いスペクトル領域において、高い応答値を持つ。しかしながら、明所視のCIE1978の視覚関数が最も精確な感度描写と見なされることができるにも関わらず、測定標準を置き換えれば不便であることを考慮すると、現在、世界各国は、大部分が依然としてCIE1931色空間の色度図を参照標準とする。
【0005】
白色光は、照明の応用において、最も広く使用される光源であり、光のメタメリズム特性のため、組み合わせて白色光を形成可能な可視スペクトルを、色度図から大量に見つけられる。あらゆる白色光の特徴の最大の差異が「色温度」にあるため、色度座標に対する色温度は、白色光源の特性を描写する重要なパラメーターとなる。「色温度」とは、光源スペクトル分布がある黒体(如何なる温度においても、その表面に落ちた全ての波長の放射を完全に吸収する物体を指す)から放射されたスペクトルと同じである場合、この「黒体の表面の絶対温度」というパラメーターを使用して、このような光源スペクトル分布を代表することができる。簡単に言えば、色温度とは、黒体放射による光色の変化によって、定義された色の表示方式であり、単位が絶対温度K(Kelvin)である。黒体を加熱する場合、異なる温度では、その表面が異なる色の光を発し、例えば、1000Kに加熱されると、赤色を呈し、3000K以下で洗朱となり、3000K〜6500Kで白色を呈し、6500Kを超えると、光色は青色に偏る。「色温度」は、所定のスペクトルを容易に描写することができるため、照明関連産業において、常に設計基準として使用される。
【0006】
また、温度の変化につれて、黒体から放出される光の色温度は、色度図でその軌跡を描くことができ、CIE1931色空間の色度図におけるこの黒体放射スペクトルの軌跡は、「プランク軌跡(Plankian Locus)」や「黒体放射軌跡(Black Body Locus;BBL)」と呼ばれる。自然界において、白色光スペクトルは、極めてプランクスペクトルに似ている。図1に示した軌跡aa’は、CIE1931色空間の色度図におけるプランク黒体放射スペクトルの「黒体放射軌跡」及びその色温度に対応する色を表す。
【0007】
また、色温度の制御方面において、白色光照明器具を例としては、色温度によって応用領域も異なり、例えば、色温度が3300K以下である場合、「暖色光」と呼ばれ、白熱灯に似ていて且つ赤光成分が多く、温かみ、健康、快適を感じさせることができる。そのため、暖色光は、家庭、住宅、寮、ホテル等の場所、又は温度が低い場所に適用される。また、色温度が絶対温度3300K〜5300Kである場合、「寒色白色光」と呼ばれ、光線が柔らかいので、愉快、快適、落ち着くように感じさせることができる。この寒色白色光は、商店、病院、事務室、料理店、レストラン、待合室等の場所に適用される。色温度が絶対温度が5300K以上である場合、「寒色光」と呼ばれ、その光源は、最も自然光に近づき、明るく感じさせて、精神を集中させる。この寒色光は、事務室、会議室、教室、製図室、設計室、図書館の閲覧室、展覧用の陳列窓等の場所に適用される。従って、良好な白色光照明設備としては、色温度で調節できることで、その応用範囲と価値を大幅に増やすことが必要となる。
【0008】
また、照明用の白色光源が日光に近づくかどうかを評価するには、照射される物体の「演色性」も、重要なパラメーターとなる。陽光又は白熱灯に照射されている物体は、これらの光源の広帯域(Boardband)の特性のため、いわゆる「トゥルーカラー」を表示することができる。光源が物体をトゥルーカラーに表示させる程度は、光源の「演色性(color‐rendering index;CRI又はRa)」と呼ばれ、光源の演色性を定量的に評価することに用いる。標準光源を基準値として、その演色性指数Raを100とし、その他の光源の演色性指数は、何れも100より低い。演色性指数の値が大きいほど、光源の演色性が好適であることを表す。白熱灯の演色性は、98まで達せることに対し、蛍光灯の演色性は低い。人眼が進化して日光の環境に適応するため、CIEは、プランク軌跡の黒体放射スペクトルを評価の根拠として、僅かな距離でプランク軌跡に該当した日光については、その演色性の比がかなり高い。
【0009】
現代の照明設備において、最もよく見られる光源としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp;CCFL)、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)等がある。照明用の光源は、一旦製造終了になると、その色温度と演色性を容易に調整できなくなる。一般的に、白熱タングステン線電球は、色温度と演色性が良いが、使用寿命が短くて発光効率が低いし、ハロゲンランプは、白熱灯に比べて、使用寿命と発光効率が改善されたが、発する高熱及び紫外線が同様に非難される。また、白熱灯の発光原理による従来の照明設備は、発する高熱及び出荷後の固定した色温度と演色性に限定される。冷陰極蛍光ランプについては、水銀を含有するので環境保護に優しくないとともに、色温度と演色性の不足問題もある。
【0010】
近年、LEDは、小体積、好適な発光効率、長い使用寿命、速い操作反応時間、且つ熱放射なし、水銀等の有毒物質の汚染なし等のエコ的メリットを有するため、その他の従来の照明光源に比べて、かなりの優位を占めている。
【0011】
LEDは、半導体工程技術を利用してダイオードを発光の主体とする光学素子であり、電気エネルギーを光波に変換することで形成する。放射スペクトルは、単色光に属し、波長域が赤外光、可視光、紫外光を含む。LEDのスペクトルは、照明用の白色光を形成するために、赤、緑、青の3つのバンドの3原色の光を跨って、更に光線に混成しなければならず、即ち、波長域が300nm程度(約400nm〜700nm)をわたらなければならない。しかし、LED放射スペクトルの半値全幅(Full Width Half Maximum;FWHM)のエネルギー差が非常に小さいので、単一の波長の単色光しか放出できない。長い間に、LEDは、3原色における青色の発光バンドでの輝度が優れないことに限定されて、フルカラー映像と白色光照明を達成できない。
【0012】
LEDの白色光照明を実現するために、現在、業界の利用する方法は、2つに分けられる。その1つとしては、異なる波長を放出するLEDチップを組み合わせる。例えば、赤・緑・青のLEDの組み合わせ、又は青光・黄緑光のLEDの組み合わせによって、一部のLEDを通過した電流を別々に制御して、光拡散フィルム層を介して、個別に放出された光を白色光に混成する。別の方法としては、例えば、半導体、蛍光体又は染料のような波長域を変換可能な材料を利用して、単色光のLEDに合わせることで、白色光を放出する目的を達成する。このような白色光による発光技術において、比較的に進んでいた技術は、蛍光体材料を単色光LEDと合わせて利用する技術である。1996年、日亜化学工業株式会社(Nichia Chemical)は、青色(GaIn1‐xN)LEDを黄色光の放出するイットリウムアルミニウムガーネット(yttrium aluminum garnet;YAG)蛍光体に合わせて利用することで、白色光源にすることを開発した。黄色蛍光体材料は、青色LEDから放出した青光の一部を吸収する後、長波長域の黄色光を放出し、最後、2種類の光色を白色光に混成する。このような方法では、1組の同色のLEDチップがあれば済む。常用の別の蛍光体としては、テルビウムアルミニウムガーネット(terbium aluminum garnet;TAG)蛍光体があり、その発光効率がYAGより悪いことに引き換えて、演色性が好ましい。現在、波長域を変換可能な材料を単色LEDに合わせて利用することで、白色光源を取得する方法は、依然として、主に青色LEDを黄色のYAGやTAG蛍光体に合わせて利用することである。
【0013】
しかしながら、新規のLED光源は、やはり従来の照明に完全に取って代わることができない。主な原因は、現在市販されているLEDランプ製品が、何れも表現する色温度を一致させる精度が足りないから、製品同士に色温度の差異の発生が避けられない。市販の白色光LEDは、一般的に、青光LEDと黄色蛍光体で混成して調色する。現行の青光LED工程技術は、ほぼ完成されたが、蛍光体に合わせて白色光に混成する場合、青光と黄色蛍光体による光束(luminous flux)の配分における大な不確実性のため、予定の色温度領域から逸れることがあって、製品ごとに出荷色温度を正確的に制御できなくなる。不確実性は、例えば、蛍光体の製造時の配分比例、蛍光体の分布の均一度、量産時の点接着時間、異なる特性のLEDへの対応によるものである。蛍光体をLEDに合わせた方法で仕上げた白色光源の現在の量産技術によれば、一般的に、依然として±200K以上の色温度の誤差がある。しかしながら、人眼の光源色温度に対する変化量が、±100K以上となれば、感じることができる。なお、敏感な人であれば、50Kより高い色温度差異にも容易に気付くことができる。そのため、現在、普通の照明製品の色度に対する許可差異は、100Kから50Kまでに厳しくなって、白色光LEDは、上記各不確実性の要素に限定されて、生産高が大幅に減少し、不良なサンプルが安値で販売されなければならなくなる。
【0014】
図2は、異なる色温度での白色光LED色度を規制するANSI C78.377A固体照明の仕様書(Specifications for the Chromaticity of Solid State Lighting Products for Electric Lamps)のCIE1931色度座標と色の許容差の図である。中間カーブは、図1に示したaa’曲線の一部の黒体放射軌跡BBLであり、BBLの上下に沿って位置する各小方眼は、辺長が約50Kで、各小方眼内の色度が何れも「同一の色温度」と見なされることを表し、それは、人眼で同一の方眼における色温度に対して差異が感じられないからである。普通の照明用の白色光灯源は、その色温度が少なくても図示したある領域になければならない。現在、複数のLEDチップからなる室内照明用の光源は、その1つのLEDチップが破損すると、全ての光源色温度の整合性を達成するように、全部のLEDチップを取り替える必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記から分かるように、市販の白色光LEDは、大部分が青光LEDと黄色蛍光体で混成して調色するが、製品ごとに出荷色温度を正確的に制御できない欠点を持っている。その原因としては、青光と黄色光の光束の配分において、極大な不安定度が存在するからである。なお、各バッチの白色光源の所定色温度は、蛍光体を一定の比例で調節することで仕上げ、パッケージングされると、この比例を自分で変えることができなくなる。この方法によれば、白色光源の色温度を随意に調節して変化させることができないため、この照明設備の応用価値が大幅に低下する。なお、室内照明としては、適切な光度、快適な光照射野、空間・時間色均一性を有すべきであるが、従来のLEDランプは、一般的に、空間における色かぶりの問題がある。空間における色かぶりとは、LEDランプの中間が青寄りで周囲が黄寄りの「黄色の暈」が発生し、延いては、ある角度で極めて高い色温度の光ビームを形成し、人体に悪影響に与えるものである。
【0016】
また、現在、赤、青、緑の3色によるLED光源を用いて、回路を利用して3つのLED光源の間の相対強度を制御することで、白色のLED光を取得することもある。しかしながら、3色の光源の減衰率が異なる(赤色光が速い)ため、このような光源は、所定の時間で使用した後、明らかな色ずれ(colour shift)現像が発生することがよくある。LEDを含めて、現行の様々な光源は、照明設備、又は波長域の調節・変化においても、その色温度と演色性の変化及び調整に、やはり極大な問題が存在し、又は完全に操縦できないことがある。光源の質量、その製品の応用(例えば、照明)価値、実用性を向上させるために、例えば、現行の照明に用いられる光源設備に、やはり極大な困難が存在し、克服される必要がある。従って、光源に対して、その最終の出射光スペクトルの分布又は波長域を如何に正確的に調節して変化させることは、照明の応用において、極めて価値があるだけではなく、光源質量が高く要求されるその他の如何なる光応用領域に応用することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一実施例は、それに作用する光の色温度を調整するための照明用の色温度調整装置であって、光弁構造に作用する前記光の第1入射光及び第1出射光の光束の比例を調整するための光弁構造と、調色構造に作用する前記光に対して、第1波長域を有する第2入射光から、第2波長域を有する第2出射光に変換するための少なくても1つの波長域変換素子を含む調色構造と、を備え、前記光弁構造と前記調色構造は、前記光の前向き経路で互いに重ならず、前記第1出射光と前記第2出射光を混成させて、色温度が前記光と異なった混成光を形成する照明用の色温度調整装置を提供する。
【0018】
本発明の別の実施例によると、前記光弁構造と前記調色構造は、共に前記光の前向き経路に垂直する平面に位置する。
【0019】
本発明の一実施例は、光源と、上記の照明用の色温度調整装置と、を備える照明設備を提供する。
【0020】
本発明の一実施例は、第1光源を提供するステップと、光弁構造に作用する前記第1光源における第1入射光及び第1出射光の光束の比例を調整するための光弁構造を提供するステップと、調色構造に作用する前記第1光源に対して、第1波長域を有する第2入射光から、第2波長域を有する第2出射光に変換するための少なくても1つの波長域変換素子を含む調色構造を提供するステップと、前記第1出射光と前記第2出射光を混成させて、色温度が前記第1光源と異なった混成光を形成するステップと、を備える色温度調整方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
添付図面に合わせて明細書の内容を参照すると、本発明の上述又はその他の態様、特徴及びその他のメリットを、より明確に理解することができる。
【0022】
【図1】CIE1931色空間の色度図と例示実施例におけるプランク黒体放射スペクトルの色度座標と色温度調整を示す。
【図2】異なる色温度での白色光LED色度を規制するANSI C78.377A固体照明の仕様書のCIE1931色度座標と色の許容差の図である。
【図3】本発明の照明用の色温度調整装置の実施例の模式図である。
【図4】本発明の照明用の色温度調整装置の別の実施例の模式図である。
【図5】本発明の照明用の色温度調整装置の別の実施例の模式図である。
【図6】本発明の照明用の色温度調整装置の別の実施例の模式図である。
【図7】本発明の照明用の色温度調整装置の別の実施例の模式図である。
【図8】本発明の照明用の色温度調整装置の別の実施例の模式図である。
【図9】本発明の照明用の色温度調整装置の別の実施例の模式図である。
【図10】液晶層構造の模式図である。
【図11】(A)NWモードの90TN型液晶セルの基本的な構成を示す。(B)NBモードの90TN型液晶セルの基本的な構成を示す。
【図12】電圧の大小が液晶セルの光透過量変化に対する曲線を示す。
【図13】本発明の一例示実施例の照明用の色温度調整装置を示す。
【図14】(A)図13に基づいて、CD線に沿っている断面模式図である。(B)図13に基づいて、CD線に沿っている断面模式図である。
【図15】(A)本発明による照明用の色温度調整装置の例示実施例である。(B)本発明による照明用の色温度調整装置の例示実施例である。
【図16】(A)本発明による照明用の色温度調整装置の例示実施例である。(B)本発明による照明用の色温度調整装置の例示実施例である。
【図17】本発明による照明用の色温度調整装置の例示実施例である。
【図18】CIE1931色度図、実施例の色度座標、色温度調整である。
【図19】CIE1931色度図、実施例の色度座標、色温度調整である。
【図20】CIE1931色度図、実施例の色度座標、色温度調整である。
【図21】(A)蛍光体分布のパターンを例示する図である。(B)蛍光体分布のパターンを例示する図である。(C)蛍光体分布のパターンを例示する図である。(D)蛍光体分布のパターンを例示する図である。(E)蛍光体分布のパターンを例示する図である。(F)蛍光体分布のパターンを例示する図である。
【図22】本発明の実施例による照明用の色温度調整装置を示す。
【図23】(A)本発明の実施例による照明用の色温度調整装置と設備を示す。(B)本発明の実施例による照明用の色温度調整装置と設備を示す。
【図24】(A)本発明の実施例による照明用の色温度調整装置と設備を示す。(B)本発明の実施例による照明用の色温度調整装置と設備を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の複数の例示実施例について、添付図面に合わせて詳細に説明する。しかしながら、当業者であれば、本発明の領域から逸脱しない限り、修正や変動を加えることができる。しかしながら、本発明の例示実施例を提供して、当業者に本発明の開示した内容をより明らかに理解させる。注意すべきなのは、本発明は、様々な形式で具体的に実施することができるので、例示実施例は、本発明を限定するものとして解釈すべきではない。正確に言えば、これらの実施例を提供して、この開示を完全で完備なものにし、当業者に対して本発明の範囲を完全に表現した。図面において、明確に表示するために、目的形状とサイズを誇張することがあり、同一の符号は、図面にわたって、同一又は同じようなユニットを表すことに用いる。
【0024】
本発明の例示実施例によると、本発明は、色温度調整装置及び方法、並びに前記色温度調整装置を使用する設備を開示する。簡単に言えば、透光率(入射/出射光の比例)を連続して調整可能なを液晶セル(LC cell)、又はダイクロガラスを「光弁」として、また、パターン化可能な蛍光体層、又は波長域変換素子を「調色構造」として、合わせて利用して、色温度を正確的に調節して変化させ、本発明の装置及び設備に、光源色温度を「連続」可能で「正確」的に調節して変化させることのできる機能を持たせる。また、本発明の実施例によると、単一の光源を使用する場合、その最終の出射光スペクトルの分布又は波長域を正確的に調節して変化させ、本来多くの光源で取得可能な光源效果を達成する。
【0025】
色温度を「正確」的に制御することとは、本発明の照明用の色温度調整装置によって、照明に用いられる出射光に混成した色温度を、上下の誤差が50Kの色温度の範囲内(±50K)に制御し、BBLに沿って調整して(BlacK Body Locus領域)、ANSI C78.377Aの標準に適うようにする。
【0026】
本発明の波長域制御方法によると、1種以上の蛍光体材料を利用して付加し、光弁手段に合わせて個別の光束を調整することで、所望の色温度の光を混成し得る以外、光波長域の削減手段(例えば、特定の波長域を吸収する材料を加える)を利用して、特定の波長域を吸収してその光束を低下させることで、混成光の色温度や波長域を調整する。また、本発明の一実施例によると、前記調色構造は、干渉の手段によって、入射光波長域を変えることで、調色の目的を達成するものである。
【0027】
本発明の一実施例の装置、設備及び方法によると、図3に示すような照明用の色温度調整装置300は、色温度を制御しようとする光(第1光源301からの光)と、光弁構造303と、調色構造302と、を備え、前記光弁構造303と前記調色構造302は、前記光の前向き経路で互いに重ならない。
【0028】
図3に示すように、前記第1光源301からの前記光の一部、つまり、前記光弁構造303に作用する前記光の第1入射光305は、前記光弁構造303を通過した後、第1出射光306として前記光弁構造303から射出される。前記光弁構造303は、前記光弁構造に作用する前記光の前記第1入射光305及び前記第1出射光306の光束の比例を調整することに用いる。
【0029】
図3に示すように、第1光源301からの前記光の別の部分、つまり、前記光弁構造302に作用する前記光の第2入射光307は、前記調色構造302を通過した後、第2出射光308として前記調色構造302から射出される。前記調色構造302は、前記調色構造に作用する前記光に対して、第1波長域を有する前記第2入射光307から、第2波長域を有する前記第2出射光308に変換することに用いる。
【0030】
最後、前記第1出射光306と前記第2出射光308との両者は、混成されて、色温度が前記光と異なった混成光を形成する。
【0031】
本発明の別の実施例の装置、設備及び方法によると、前記第2波長域は、第1波長域を含み、即ち、前記第2出射光308は、依然として一部の変換されていない第1光源301の波長域を含む。つまり、前記調色構造302に入った第1光源301の光は、前記第2入射光307になり、その一部が前記調色構造における前記波長域変換素子によって波長域を変換されたが、元の第2入射光307(即ち、第1光源301)の波長域を維持する部分が依然として存在するため、前記調色構造から射出する前記第2出射光308に、前記第2入射光307の第1波長域よりも広範囲で第1波長域を含む第2波長域を持たせる。
【0032】
本発明の一実施例によると、前記第1出射光306と前記第2出射光308との混成光は、更に、前記第1光源301が光弁構造303と調色構造302を通過せずに射出した元の光304と混成する。
【0033】
本発明の別の実施例の装置、設備及び方法によると、図4に示すような照明用の色温度調整装置400は、第2光源411からのその他の光410を更に備え、前記その他の光410は、上述の前記第1出射光406、前記第2出射光408、光弁構造と調色構造を通過せずに前記第1光源401から射出した元の光404の4つに混成して、色温度が前記光と異なる混成光を形成する。
【0034】
本発明の別の実施例によると、光源としては、異色の組み合わせ、又は白色光と単色や異色の色光との組み合わせを使用する。
【0035】
本発明の別の実施例によると、図5に示すように、前記調色構造502は、光の前向き経路で重ならずに前記光弁構造503と同一の平面に位置し、且つ前記光弁構造503に隣接するようにその両側に位置することで、前記光源501からの前記光を、前記光弁構造503及び前記調色構造502によって、第1出射光及び前記第2出射光に別々に変換して、色温度が前記光と異なった混成光に混成する。
【0036】
本発明の別の実施例によると、図6に示すように、光源601と、調色構造602(領域A)と、調色構造604(領域C)と、光弁構造603(領域B)と、を備え、前記2つの調色構造と前記光弁構造の3つは、光の前向き経路において、重ならずに同一の平面に位置し、領域Aと領域Cは、領域Bを両者の間に挟む。注意すべきなのは、領域Aと領域Cは、異なる波長域変換素子を含む調色構造であるので、元の光源601から各前記調色構造602、前記調色構造604に入射した前記光を、それぞれ異なった波長域に変換して、前記光弁構造603を通過した前記光とともに、色温度が前記光と異なった所望の混成光に混成する。前記調色構造604(領域C)は、光束面積が前記調色構造602(領域A)のより小さく、それは主に、前記調色構造602(領域A)が主要な調色効果を発揮して、前記調色構造604(領域C)が更に前記混成光色温度に提供する微調整効果を発揮するためである。従って、本実施例によれば、より柔軟的で微細な光混成操作を行うことができる。
【0037】
また、本発明の別の実施例によると、図7に示すように、第2光源705を更に備えるので、元々A、BとC領域からの3種の異なった波長域の光以外、如何なる物件の構造も通過せずに前記第2光源705から直接に射出した別種の光線も一斉に混成に加える。
【0038】
また、本発明の別の実施例によると、図8に示すように、光源801と、調色構造802と、光弁構造803と、を備え、前記2つの調色構造802は、光の前向き経路で重ならずに前記光弁構造803と同一の平面に位置し、且つ前記光弁構造803に隣接せずにその両側に位置することで、前記光源801からの前記光を、前記光弁構造803及び前記調色構造802によって、第1出射光、前記第2出射光、上述2つの構造の間を通過し前記光源801に射出した前記光に別々に変換して、3つの出射光を色温度が前記光と異なった混成光に混成する。
【0039】
更に、本発明の別の実施例によると、図9に示すように、光源901と、調色構造902と、2つの光弁構造903と、2つの隔板904と、を備え、前記2つの光弁構造903は、光の前向き経路で調色構造902と重ならず、同一の平面にも位置しないで、且つ前記調色構造902の両側に位置する。前記隔板904によって、前記光源901からの前記光が前記調色構造902を通過してから、また光弁構造903を通過することはなく、前記光弁構造903及び前記調色構造902によって、第1出射光及び前記第2出射光に別々に変換され、色温度が前記光と異なった混成光を混成する。
【0040】
本発明の実施例によると、図3〜図9に示した光弁構造と調色構造が光源に対する位置は、要求に応じて調整することができる。例えば、光弁構造が調色構造の間に位置し、又は調色構造が光弁構造の間に位置するものも同様に、上記各実施例に適用でき、上記各実施例の図面において、光弁構造の位置と調色構造の位置を交換すればよい。
【0041】
本発明の一実施例によると、前記光弁構造は、電気で物質の変化を誘発し、更に、その光透過性、屈折率等の光学特性に影響して変化させるものである。ここで、電気で物質の変化を誘発することとは、(1)酸化還元、(2)電気誘発相変化、(3)電気誘発の物質の構造や密度の変化、(4)電気誘発の物質(材料)の親水性・疎水性の変化、を含むが、それらに限定されるものではない。上記電気誘発の物質変化によって、所定のある一段のスペクトル(例えば、ある色)の透過、屈折、反射の量にしか影響しないように操縦することができる。即ち、入射光光源全体の光弁ではなく、入射光中のある特定のバンドの光弁として、所定波長に対して、拡大や吸収に選択的に行うことができる。
【0042】
本発明の一実施例によると、前記光弁構造は、機械、電子、延いては化学の方式に限らず、その素子を通過した入射/出射光の比例を制御できるもの、例えば、液晶層構造、微小電気機械(Micro Electro Mechanical Systems;MEMS)ユニット、電子ペーパー、圧電装置/材料、インク電気湿潤素子、ダイクロガラス及びこれらの組み合わせ等であれば、何れも本発明の実施例に好適に用いられる。これらの光弁構造の組み合わせ方式としては、立体構造であってよい。
【0043】
本発明の一実施例によると、前記光弁構造によって特定の領域を通過して入射光と出射光の透過比例が制御された出射光と、前記調色構造に入射して波長域変換素子で波長域が変換される出射光と、全ての出射光(元の光源の光も含む)を混成させて、混成しようとする出射光の色温度を調整し得る。前記波長域変換素子は、波長域変換材料又は波長域変換構造セルである。
【0044】
本発明の一実施例によると、調色構造の前記波長域変換材料として、特定のホトルミネセンス材料(Photoluminescence;PL)を使用して、波長域を変換させることができる。
【0045】
また、「ホトルミネセンス材料(PL)」とは、材料が電磁波(例えば、青光、紫外光、レーザー光、X光又は電子ビーム)に照射されて、エネルギーが十分である光を吸収すると、電子が十分のエネルギーを取って励起状態に遷移することができ、電子が基底状態に戻る時に放出したエネルギーの形式が光であれば、「ホトルミネセンス効果」と呼ばれる。
【0046】
上記PL特性を持つ材料において、蛍光体(Phosphors)以外、代替可能な他の材料もあり、基本的に、入射光を特定の波長等に変換可能な材料であれば、何れも運用でき、例えば:(a)フォトルミネッセンス効果を持つ蛍光染料(例えば、DCM、CV670等(種類については、「Exciton」ウェブページのwww.exciton.com/wavelength_chart.html参照)、(b)障壁型の材料:顔料(pigment)と染料(dye)が挙げられる。普通の染料は、ある特定のバンドの光を完全に吸収する特性を持つため、光源における不要のバンドを濾過して、特定のバンドの光のみを残させて、来源としての光と混成することができる。蛍光体の代わりに、障壁型の材料を利用すれば、光源の使用效率が低下する場合があるが、本発明の蛍光体の代わりの材料として用いることができる。
【0047】
本発明の一実施例によると、前記蛍光体は、酸化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、窒化物蛍光体、亜鉛化合物含有蛍光体、半導体蛍光体、有機蛍光体、フォトルミネッセンス染料、又はこれらの組み合わせである。
【0048】
本発明の一実施例によると、前記染料は、吸収型染料、フォトルミネッセンス型染料、又はこれらの組み合わせである。
【0049】
また、波長域変換材料(例えば、蛍光体材料等)の添加物としては、フォトルミネッセンス特性を持つ「量子ドット(quantum dot)」(例えば、GaAs、CdSe、CdS等)、又は量子ドットをその他の蛍光体、染料、顔料の中に入れった組み合わせであってよい。材料の尺度が100ナノメートル以下のグレード程度になる場合、前記材料のサイズが、自体の電子フェルミ波長よりも小さければ、「量子ドット」と呼ばれる。量子ドットは、その電子が閉じ込め作用(「量子閉じ込め効果」(quantum confinement effect)と呼ばれる)を受けるため、エネルギー準位が原子のような非連続状態になるので、量子ドットは、同時に人工原子と呼ばれ、尺度によって異なるエネルギー準位が発生できるため、量子ドットの尺度の大小を変えることで、「電子遷移」によって励起された後で放射した可視光線の波長、即ち、光の色を変えることができる。しかしながら、量子ドットは、フォトルミネッセンス効果が、材料特性ではなく、サイズ依存特性であるので、室内照明に用いる場合、色温度調整応用において、波長域変換材料としての効能が僅かしかない、且つコストも高いので、波長域変換材料にドープして、色温度調整を補佐するものとして使用することだけである。
【0050】
本発明の代わりの別の実施例によると、調色構造における前記波長域変換素子は、波長域変換構造素子からなる。例えば、波長域変換構造素子は、元の光を2つの薄板に入射して、波長域変換材料を利用せず、干渉の手段を使用し且つ2つの薄板状の材料の間隙を調整することで、入射光の波長域の変換を達成する。
【0051】
本発明の一実施例によると、前記波長域変換構造セルは、コレステリック液晶、ブルー相液晶、ホログラフィック高分子分散型液晶(Holographic PDLC)材料、カラーインク電気湿潤素子、又は微小電気機械ユニットからなる素子である。
【0052】
基本的には、本発明の例示実施例における色温度を調整することに用いられる「パラメーター条件」は、「蛍光体塗布面積/各色の比率」、「駆動電極/蛍光体の相対的な位置と面積」、「偏光板面積/互いの相対的な位置/蛍光体との相対的な位置」、「ノーマリホワイト(normally white、NW)」/ノーマリブラック(normally black、NB)、「光源の色」等を含むが、上述の条件に限定されるものではない。各パラメーター条件が何れも最適化された後、この出射光源は、クールホワイトとウォームホワイトの2つの色温度の間に正確的に調整されることができる。例としては、パラメーター条件は、蛍光体の占める領域の大小、又はそのドーピング濃度であってよい。波長域変換素子によって波長を変換された後、黄色光の光束が過剰となって、色温度を特定の色温度の白色光に調整できなくなる場合、上記蛍光体のパラメーター条件を調整して、異なる波長域の通過光束の混成比例を変えることで、達成しようとする特定の白色光色温度を形成することができる。
【0053】
本発明の一実施例によると、どのような色温度の光源を使用することを決める場合、波長域変換材料として蛍光体の色の取り合わせについては、図1に示したCIE1931色空間の色度図を参照することができる。図1に示すように、色度図の中間カーブは「黒体放射軌跡(BBL)」である。この線が赤緑青の光の3原色の光によって混成した白色光領域に通過して、この領域における右の領域は、ウォームホワイト光であり、左領域は、クールホワイト光で、普通の照明用の白色光源は、少なくても、色度座標がこの領域に落ちなければ、照明の応用価値は持っていない。従って、光源色度及び蛍光体の色を選択する場合、両者の色度が色度図における位置の結び線をこの領域を通過させなければならない。更に、この結び線とBBLに交点を持たせることが可能である場合、光源の強度又は蛍光体による光の励起強度を調整することで、混成した光源の色度をちょうど前記交点に落ちさせることができる。例えば、図1に示した線分bb’は、450nm波長の青色LED光源(色温度の座標がb点である)と、CIE1931色度座標(CC,CC)=(0.4204,0.5563)の黄緑色蛍光体(色温度の座標がb’点である)の2つの端点を合わせて構成されるが、bb’線分における任意の点も、2つの端点の光源から異なる比例で混成し得ることができる。それがBBLとの交点の色温度は、αである。また、線分cbの場合、色温度の座標がb点である450nmの青色LED光源を純粋な黄色蛍光体(色温度の座標がc点である)の2つの端点を合わせて構成されることができ、それがBBLとの交点の色温度はβであり、暖色光の座標である。同様に、紫色光源、緑色光源を選用して、上記線分の左側の端点を変えて、更に、BBLとの交点の色温度を調整することもできる。
【0054】
しかしながら、黄色蛍光体のみを青色LEDに合わせて白色光を形成する場合、そのスペクトル波長の分布の連続性が、真実の陽光に十分に近づくが、陽光スペクトルとの間に空隙が依然として存在する。その主な原因は、3原色における赤光源が欠乏して、色光を混成させた後で可視光線スペクトル間に空隙が現れ、光源の演色性が低くなるからである。この場合、独立の光弁構造(例えば、液晶セル)に合わせて、2種類目の色(例えば、赤色)の蛍光体(即ち、少なくても入射光源の一部を異なる波長域に変換可能なPL材料)を使用して、又は黄色蛍光体と異なる他の色の染料(dye)や顔料(pigment)を採用することで、混成光にあるバンドスペクトル(即ち、第3混色光を導入する)を増加させて、混成光の演色性を高めることができる。
【0055】
本発明の一実施例によると、前記光源は、LED、白熱灯、ハロゲンランプ、陽光、冷陰極蛍光ランプ、蛍光灯及びこれらの組み合わせの1つからなる群から選ばれるものである。前記光源は、1種又は多種の色付き光源を採用する以外、白色光源を使用することもでき、色付き光源を白色光源に合わせて使用することもできる。本発明の実施例によると、色温度をずれさせる白色光源は、光弁構造を調整することで、混成した光をBBL領域に正確的に落ちさせる。同様に、色度座標が既知の白色光源(LED光源に限定されるものではない)に対して、対応する色光の蛍光体を選択して、この白色光源と、蛍光体を励起した後で放出し波長域が変えられた光を、予定の色度範囲内の白色光を混成することができる。また、電圧によって光弁構造を操縦して、その光透過量を変えることで、混成光を元の白色光とウォームホワイト光の間で切り替えられるようにすることができる。
【0056】
本発明の照明用の色温調整装置及び方法に使用される光源は、蛍光体を作用させて、少なくても入射光波長域の一部を別の出射光の波長域に変換させる十分な光源強度があれば、基本的に、既存の全ての照明光源であってよい。LED光源を例として、現行の高効率LED製品において、青光LED工程技術がほぼ完成された以外、その他の色光のLED(例えば、白色光LED等)は、工程が不安定であるため、発光効率が青光LEDのより低い、製品の良品率もよくない、同じバッチの製品において、予定の色温度領域から逸れるサンプルが常に現れるし、また良品のLED製品であっても、蛍光体に合わせて白色光を混成する場合、蛍光体の入れる量の誤りで、予定の色温度領域から逸れる可能性もあり、白色光LEDは、この2種の不確実性の要素に限定されるため、生産高が大幅に減少して、不良なサンプルが安値で販売されなければならなくなる。しかしながら、本発明の実施例における装置によって白色光を調整すれば、このような状况は発生せず、色度図において、蛍光体とLEDの色度座標との結び線が、図2に示した領域を通過すれば、微調整電圧によって光が液晶を通過した通過量を制御することで、色温度の座標を正確的に制御して、ある特定の領域に落ちさせる目的を達成することができる。
【0057】
本発明の一実施例によると、光弁として液晶層構造は、少なくても1つの液晶セルを含む。ここで、「液晶層構造」とは、2枚の透明基板と、その内側に挟まれる透明電極と、液晶分子を含み液晶層と、2枚の透明基板の外側に選択的に別々に加える偏光板からなる構造である。「液晶セル」とは、前記液晶層において、バイアスを独立してかけて液晶層を通過する電場を調整でき、更に液晶分子配列のねじれと傾斜角度やその相安定状態を変えることで、液晶セルのグレースケールを調整する目的を達成する。
【0058】
液晶は、長棒状の分子であり、光線の偏光方向を改めてガイドし、又は光線の一部を通過させないように阻止する役割を持つ。現在、主流の液晶の種類としては、一般的に、糸状液晶(即ち、Nematic LC、又はネマチック液晶と呼ばれる)、層状液晶、強誘電性液晶、コレステリック液晶(Cholesteric LC;CLC)、ブルー相液晶、円盤状液晶、高分子分散型液晶(Polymer Dispersed LC;PDLC)等を含むが、ネマチック液晶は、日常生活に最も広く応用され、例えば、ディスプレイに用いられる。
【0059】
現在、ディスプレイにおいて、液晶の運用が非常に多様化であり、設計によって、液晶分子は、多種の異なる駆動モードによって操作されることができ、例えばツイストネマチック(Twist Nematic;TN液晶分子が90度やその他の角度で回転する)、スーパーツイストネマチック(Super TN;STN;液晶分子が240〜270角度等の大角度で回転する)、面内スイッチ(In‐Plane Switch;IPS)、フリンジ電場スイッチング(Fringe Field Switdhing;FFS)、垂直配向型(Vertical Alignment;VA)、多区域垂直配向型(Multi‐domain VA;MVA)、光学的補償曲げ(Optically Compensated Bend;OCB)、電気制御複屈折(Electrically Controlled Birefringence;ECB)、軸対称配向マイクロセル(Axially Symmetric Aligned Microcell;ASM)モード等が挙げられ、最も基本的な構成は、90TNモードであるが、その他の各モードも、例えば、視点拡張、迅速な反応等のような特別な優勢を持っている。
【0060】
図10は、液晶層構造1000を示す模式図である。2枚の透明基板1004、1005の対向する表面に、電圧を印加して透明基板の間に電場を発生させるための透明電極インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide;ITO)1001、1002がめっきされ、インジウムスズ酸化物に配向層(alignment layer)1011、1012が塗布され、その上に液晶分子の配列をガイドするための微細な溝が分布され、2層の透明基板の間にスペーサー(Spacer)1003によって均一に仕切られた後、液晶分子によって液晶(Liquid Crystal;LC)層1006の残りの領域を完全に充填し、その後、素子の運用上の要求に応じて、一般的に、90TNの液晶の場合は、素子全体の上下の両側に偏光方向が互いに垂直である2枚の偏光板(Polarizer)1007、1008を更に貼ることができる。上下の2枚の透明基板上のインジウムスズ酸化物電極に適切な電圧をかける場合、液晶セル内で発生する電場は、液晶分子を電場の方向へ連続的にねじらせて、最後に電場の方向と平行して配列させるようにすることができる。光が第1偏光板を通過した後、偏光された直線偏光が続いてかける電圧に応じて配列方向が変えられた液晶分子を通過すると、その偏光状態は、かける電圧につれて変化し、最後は第2偏光板の直線偏光効果に合わせてることで、通過した出射光は、グレースケールを代表する異なる輝度を発生する。これは、最も基本的な90TN構成の液晶セルである。この液晶層構造の実施例によって、入射光束と出射光束の比例を調節して、本発明の色温度調整方法における「光弁」として使用することができる。
【0061】
印加電圧が存在しない条件で、液晶セルは、光透過状態(light‐permeable state)又は非光透過状態であり、液晶セルの動作モードは、ノーマリホワイト(normally white;NW)とノーマリブラック(normally black;NB)の2つに分けることができる。
【0062】
本発明の一例示実施例によると、図11(A)及び図11(B)に示すように、TN型液晶を例として、本発明の液晶セルのNWモードとNBモードの基本的な構成と光透過動作モードを別々例示して説明する。図11(A)において、上下の2層の配向層の溝方向が互いに垂直であるため、液晶分子がこの2枚の基板の間で90度でねじられて配列され、大体、通過した偏光光線の偏光方向を液晶のねじれに沿って90度をねじらせる。従って、上下の両面の偏光板を互いに垂直にさせ、且つ各面前記液晶の配向方向と平行して配列させると、入射光は、液晶セル全体を容易に通過して、光透過状態(「明状態」と呼ばれる)を形成することができ、印加電圧がない条件で光透過状態となるTN液晶素子は、NWのTN液晶素子と呼ばれる。また、NWモードとNBモードは、2枚の偏光板の相対的な安置位置のみで異なり、偏光方向が互いに垂直する2枚の偏光板を、互いに平行するように変えると、NBモード(図11(B))となる。NWモードを使用する場合、光が全て通過する状態は印加電圧がない初期状態であれば、光エネルギーの損失と電圧駆動の浪費を減少することができる。しかしながら、応用の場合、実際の要求に応じて、NBモードの液晶素子の設計を採用することもできる。
【0063】
図12は、電圧の大小が液晶セルの光透過量変化に対する曲線を示し、ここで駆動電圧の大小は、容易に説明するために例示されたものにすぎない、実際の駆動電圧が液晶の種類やその他のパラメーターに関連して変わることがある。液晶セルが全明状態から完暗状態になる過程において、縦軸は、通過率(T(%))であり、横軸は、両側の電極に印加する電圧(V)である。全明状態(一般的に、透光率>90%に定義される)は、図において印加電圧が1.75Vより低い場合の状態であり、完暗状態は、3.5Vより高い場合の状態であり、対応する電圧値の範囲が1.75V〜3.0Vの間にあるグレースケール状態(図12に示した虚線の間の領域)が存在する。光線が全明から全暗になり、「全明」は、白色の意味があって、「全暗」は、黒色の意味があるので、全明と全暗の間にある「連続的な」過渡状態は、「グレースケール」の状態と呼ばれる。電圧をこの範囲の間に調整すれば、電圧を僅かに増加し、又は低下させることで、光の通過量の大きさを連続的に調整して、液晶の素子を光弁とすることができる。
【0064】
本発明の別の実施例によると、図10に示すように、2つの透明基板が液晶層1006に対する外側に使用する偏光板1007、1008としては、従来の吸収型偏光板以外、「非吸収型偏光板」を採用して、光源を調整する場合の光束の損失を低下させることもできる。非吸収型偏光板の原理は、多層膜によって、互いに垂直するPEとPM波を干渉して、PE波を消失させ、PM波を向上させる現象にすることで、偏光の機能を達成し、又は、例えば、非吸収型の散乱式偏光片のように、光通過軸として、主材、副材の屈折率が一致(match)である方向を利用し、干渉により光波が消失(回収)する軸として、屈折率が不一致(mismatch)で通過軸と垂直する方向を利用することで、偏光の機能を達成し、回収した光エネルギーを更に利用して入射光にする。一般的には、非吸収型偏光板は、一般的に、透明度が1.5倍以上に高められることができるため、非吸収型偏光板によって光の光透過率を増加して、照明の效率を高めることができる。
【0065】
本発明の一実施例の照明用の色温度調整装置1300によると、図13に示すように、第1透明基板1304と第2透明基板1305との間に、液晶分子と間隙物1315からなる液晶層1306が挟まれることで、液晶層構造1310を形成する。液晶層1306は、グレースケールを調整可能な複数の液晶セル(LC cell)1322を含み、第1透明基板1304、第2透明基板1305の上に位置する1対の透明電極1301及び1302に合わせて、液晶セル1322に電圧を印加することで、透明電極の間のこれらの液晶セル1322における液晶分子の配列(ねじれ)の方向を変えることができる。第1透明基板1304、第2透明基板1305は、それぞれ液晶層に対する外側に偏光板1307及び1308をに有し、本実施例において、偏光板の分極方向は、90TN液晶層における液晶分子の配列に対して、ノーマリホワイト(NW)の状態となり、つまり、印加電圧がない条件で、前記液晶セル1322は、光透過状態となる。各前記液晶セル1322に印加した電圧を変えるによって、液晶セルのグレースケールを連続的に変化して、更に、各前記液晶セル1322を通過した出光束を制御する。
【0066】
本発明の実施例によると、前記第1透明基板、第2透明基板は、剛性又は可撓性薄板、或いは弧度を有する物件であってよい。また、前記第1透明基板、第2透明基板は、ガラス、石英、ポリメタクリル酸メチル(polymethylmetharylate;PMMA)、ポリスチレン(polystyrene;PS)、メタクリル酸メチル・スチレン共重(methyl methacrylate‐co‐styrene;MS)、ポリカーボネート(polycarbonate;PC)、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane;PDMS)から選ればれるものからなるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
図14(A)、図14(B)は、図13のCD線に沿っている断面模式図であり、図13の実施例を使用した色温度調整方法を説明することに用いる。図14(A)は、LED青光光源1431を使用し、前記光源の光線の一部は、光弁構造としての液晶セル1422(B領域)に入って前記光線の一部の通過光束を調整し、光源からの光線の別の一部は、調色構造としての黄色蛍光体層1430(A領域)に入って波長域を変換し、A領域に入った前記光線の一部は、一部のみが黄色光波長域に変換されることに対して、別の一部が依然としてLED光源からの青色光波長域である。黄色蛍光体層に入って黄色光波長域に変換される青色入射光の比率は、蛍光体の選用した材料、蛍光体層における蛍光体の濃度、又は蛍光体層の厚さ等のパラメーターによって制御されることができる。最後、A領域とB領域の出射光は、更に、白色光に混成する。図14(A)のB領域は、電気を印加しない条件で光束が最も大きい状況であり、続いて、図14(B)において、光弁構造としての液晶セル1422(B領域)に対して、駆動電圧で青光の光束を制御することで、青色光と黄色光の出射光の比例を正確的に混成して、所望の色温度の白色光を取得する。正確に言えば、液晶セル1422によって、混成光における青光光束と固定光束の蛍光体(A領域)を通過した黄/青光の混成比例を精確的に調整して、所望の色温度を連続で正確的に調整する目的を達成することができる。また、黄色蛍光体層1430の面積Aとしては、液晶セル1422より大きい又は小さい面積を選択することができる。また、黄色蛍光体層1430領域Aと蛍光体層が塗布されない領域Bとの総面積比の大きさについては、実際の応用方面の要求又は所望の色温度に応じて決める必要がある。図14(A)、図14(B)において、4つのLED光源を含むことが示されたが、概略に説明するためのものにすぎない、数がこれに限定されるものではない。また、厳密に言えば、前記黄色蛍光体層1430は、黄緑色蛍光体であるべきであるが、容易に説明するために、依然として黄色蛍光体層と呼ばれる。本実施例において、前記波長域変換材料は、上述の黄色蛍光体層、即ち、第1波長域変換材料である。
【0068】
図18に示すように、線分pqは、450nm波長の青色LED光源をCIE1931色度座標(CCx,CC)=(0.4204,0.5563)の黄色蛍光体の2つの端点に合わせて構成され、色度座標のpはB領域の純粋な青光で、色度座標のqはA領域の黄青混成光であるが、pq線分での任意の点も、2つの端点の光源を異なる比例で混成することで取得することができ、BBLとの交点の色温度はγである。図18に示すように、γを初めの色温度に設定され(B領域が駆動されていない場合)、A領域からの黄/青光とB領域からの青光が白色光に混成され、B領域の電圧が向上すると、青光の光透過量は次第に減少し、この場合、混成光は、元の白色光の色温度γからqへ移動して黄寄りの色光に次第に変化し、電圧が青光領域(B領域)閉鎖まで上がると(図14(B)に示すように)即ち、B領域の青光が完全に遮断される場合、光の来源は、A領域の黄光/青光の混成光(色度座標のq)しかなく、即ち、透過した光線は、黄色/青色の混成光となる。
【0069】
本発明の代わりの別の実施例によると、黄色蛍光体の代わりに、オレンジ寄りの黄色の蛍光体を使用し、青色LED光源と混成した光は、より暖かい暖色光に偏る。また、寒色光(>5300K)の光源に対して、純粋な黄色蛍光体及び/又はオレンジ寄りの黄色の蛍光体を使用して、混成した出射光を寒色白色光(>3300K)、暖色光又はより暖かい暖色光となるように調整することができる。また、本発明の他の代わりの実施例としては、紫光光源を選用して、蛍光体が黄緑色蛍光体を採用し、又は緑光光源を使用して、赤色蛍光体を選択し、何れも所望の白色の混成光を混成し得る。
【0070】
また、本発明の代わりの実施例によると、2つの偏光板は、電圧が印加しない条件で前記液晶セルが非光透過状態であるノーマリブラック(NB)モードのように配列される。図14(A)、図14(B)の示した実施例と異なって、本実施例における2枚の偏光板は、図11(B)のように互いに平行して配列するので、基本的に、電圧を印加しない場合に光線が液晶セル(NBモード)を通過することは全くできない、それでも、電圧が駆動される過程中の現象は、依然として図18によって解釈することができる。両者の差異は、ノーマリブラック(NB)とノーマリホワイト(NW)に対して印加電圧を上がる効果が正反対である。初めの色温度をxに設定することは、図14に示した領域Bにおいて電圧によって液晶を駆動して光の輝度を最大値にさせる(NBのモードでの操作)場合、黄光と青光で混成した初めの白色光の色温度座標はxである。xはBBL曲線から遠くない下方に位置する(図18参照)。操作の仕方は、青光領域の電圧を次第に低下させ、青光が次第に遮断されることで、混成光を次第に元の白色光(色温度のx)から黄/青光から混成した黄色寄りの光(色温度のq)になり、混成光の色は、図18に示した点線の経路のようにq点方向へ移動し、移動の過程中にBBL曲線との交点の色温度はγであり、γの色温度座標は寒色白色光である。こうやって、液晶を調整することによって素子の色温度をBBLの曲線に正確的に微調整することができる。代わりの別の実施例は、その代わりに純粋な黄色蛍光体層材料を使用して実施し、混成光は、次第に元の白色光からBBL曲線における暖色光(即ち、図1に示した色温度のβ付近)になる。
【0071】
本発明の照明用の色温度調整装置の別の実施例によると、図15に示すように、図15(A)と図15(B)は、LED青光光源1531を使用し、前記光源の光線の一部が光弁構造としての液晶セル1522(B領域)に入って、前記光線の一部の通過光束を調整し、光源からの光線の別の一部が調色構造としての黄色蛍光体層1530(A領域)に入って、波長域の変換を行い、A領域に入った前記の光線の一部は、一部のみが黄光バンドに変換され、別の一部光線は、依然としてLED光源からの青色光バンドである。黄色蛍光体層に入って黄光波長域に変換された青色入射光の比率は、蛍光体の選用した材料、蛍光体層における蛍光体の濃度、又は蛍光体層の厚さ等のパラメーターによって制御されることができる。本実施例において、黄色蛍光体層1530の内に赤色蛍光染料1532がドープされ、A領域の黄色蛍光体層1530の面積はB領域のよりも大きく、ここで使用した赤色蛍光染料1532とは、黄色蛍光体層にドープされて、青光によって励起されて赤色光波長範囲を放射する赤色蛍光染料であり、黄色蛍光体層1530を通過したLED青光に赤色バンドのスペクトルをも持たせる。蛍光体層に染料をドープする手段を運用すれば、LEDと黄色蛍光体層1530が色度図においてカバーする範囲を広げ、即ち、混成光の演色性を増加することができる。図19に示すように、青光光源が赤色蛍光染料(励起光の色度座標がrである)を一定量でドープした(又は、混合した)黄色蛍光体層を通過した後、A領域において元々黄色蛍光粉と反応していない青光の一部が赤色蛍光染料に吸収されて、元々A領域の黄/青色から混成する色度座標は、q点からpq線分に沿ってq’点に移動して、色度座標のr点と線を結んで比例で混成し、q’r結び線に色度座標がs’の色温度を取得する。この場合、光弁構造としての液晶素子によってB領域の青光(色度座標のp)の出射光の強度を調整し、A領域の色度座標がs’の固定出射光と混成し、即ち、s’p線分でのBBL曲線と交わるs点の色温度を正確的に調整し得、このs点は、暖色光の座標であってよいため、黄色蛍光体に適量の赤色蛍光染料をドープし、又は混合することで、最終の混成光の色温度を暖色光寄りのBBL曲線に位置させることができる。
【0072】
本発明の代わりの一実施例によると、赤色蛍光染料をドープすることの代わり、黄色蛍光体層の上方又は下方に適当な濃度と厚さの赤色蛍光体層を塗布して、領域Bを通過して強度を調節して変化可能な青光と混色し、即ち、混成光の色温度を正確的に調整して自然光のBBL曲線に位置させることができる。
【0073】
また、本発明の代わりの別の実施例によると、赤色蛍光染料をドープすることにの代わり、黄色蛍光体層の左側又はその前方、後方に適当な厚さと濃度の赤色蛍光体層を固定して、領域Bを通過し強度を調節して変化可能な青光と混色する。本実施例において、上記黄色蛍光体層とは、第1波長域変換材料であるが、赤色蛍光体層は、第2波長域変換材料であるため、本実施例に記載の照明用の色温度調整装置において、前記波長域変換材料は第1波長域変換材料と第2波長域変換材料である。
【0074】
本発明の照明用の色温度調整装置の例示実施例の別の実施例によると、図16に示すように、図16(A)と図16(B)は、LED青光光源1631(図面でBに表記される)とLED赤色光源1633(図面でRに表記される)を使用し、前記LED赤色光源1633の光線が光弁構造としての液晶セル1622(B領域)に入って前記光線の一部の通過光束を調整し、前記LED青色光源1631の光線が調色構造としての黄色蛍光体層1636(A領域)に入って波長域を変換し、A領域に入った前記光線の一部が、一部のみが黄光バンドに変換され、光線の別の一部が依然としてLED青光光源1631からの青色光バンドである。図16に示した装置の動作モードは、同様に、図18に合わせて説明することができる。図18に示すように、光弁構造としての液晶セル1622(B領域)に対して、駆動電圧で赤光の光束(色度座標のr)を制御し、A領域は固定光束の黄色蛍光体1630を通過した黄/青光の混成の比例(色度座標のq)であり、この2つの点の結び線rqとBBL曲線との交点が色温度のs点であり、rq線分、つまり2つの異なる色光の端点について言えば、2つの色光の強弱(本実施例において、即ち、領域Bの赤光通過度を調整する)を別々に調整して、rq線分における任意の色度座標の表す色温度を正確的に調整することができる。正確的に言えば、光弁構造としての液晶セルによって、混成光における赤光光束と固定光束である青色LED光源の黄色蛍光体を通過した黄/青光の混成比例を精確的に調整して、所望の色温度を連続で正確的に調整する目的を達成することができる。
【0075】
この実施例において、光源としては、異色のLEDの組み合わせを使用するが、例えば、その他の白色光と単色又は異色の色光との組み合わせも本発明の発明の内容である。
【0076】
本発明の照明用の色温度調整装置のまた他の例示実施例によると、図17に示すように、独立して駆動可能な液晶セル1722(C領域)を図17に示した装置に加え、前記液晶セルは、その下方の青色LED光源1731(図面でBに表記される)の通過光束を調整でき、このように赤色LED光源1733(図面でRに表記される)の出光量を独立して調整されることができるもとの別の液晶セル1722(B領域)に合わせることができ、B領域とC領域の混成光の色度座標を図18においてp点からr点に移動させ、この青色/赤色の混成光と固定光束である青色LED光源の黄色蛍光体を通過する黄/青光(色温度のq)とは、図18を参照して分かるように、領域Bにおける赤光を透過させる液晶セル及び領域Cにおける青光を透過させる液晶セルを別々に独立して駆動して、射出した混成光を図18に示したCIE1931色度表におけるγs線分に沿って移動させるように調整することができる。つまり、混成した出射光の色温度をBBL曲線に沿って移動させるように調整することができる。また、p点、q点及びr点は、それぞれ異なる色温度の出射光を透過するため、混成光の色度座標は、p、q及びrから囲む三角形の領域における任意の点であってよく、このように演色性も向上する。
【0077】
本発明の別の実施例によると、本発明の波長域を調節可能な装置及び方法は、光源の使用を簡素化し最適化することができる。異なる光源(非コヒレント可視光線、紫外線、赤外線、コヒレントレーザー光源)に合わせて、波長域を精確的に微調整し、又は「波長域の連続で広範囲での調整」によって複数のバンドの光源の照射に取って代わるので、複数の光波長域が異なる光源を使用する必要がなく、コストを大幅に節約する。本発明の一例示実施例によると、照明用の色温度調整装置を利用して、出射光の色度をCIE色度図に示したプランク軌跡における黒体放射スペクトルに正確で効果的に調整する。また、本発明による照明設備は、色温度が一定の照明製品に用いることができるばかりでなく、色温度を変化可能な照明設備とされることもできる。
【0078】
本発明に記載の光源とは、一般的に、特定の波長域を放出し、又は複数の波長域を混合可能な光(白熱光、CCFL、LED光源等を含む)であり、選用されたPL材料とCIE1931色度図の座標において光束の比例で変化し、所望の特定の波長域の出射光や白色光に混成するものである。本発明は、LED光源を例示として説明し、それは、LED白色光光源自体の色温度の自然光偏移(色かぶり)と演色性不足の問題は、本発明の照明用の色温度調整装置及び方法の効能を説明するのにちょうど適合するからである。上記のように、白色光LEDが色かぶりになる場合、色温度は、図2に示した領域の範囲以外に落ち、即ち、室内照明の応用上の価値は全く有しない。しかしながら、本発明の照明に用いる色温度調整装置及び方法によれば、既に色かぶりとなったLED光源又は素子を、黒体放射軌跡(BBL)における正確な色温度となるように調整することができる。しかしながら、本発明の各実施例において、LED光源を使用して説明したが、当業者であれば、本発明に開示される内容を閲読した後、本発明の装置が他の光源に対しても同じく色温度調整効能を持っていることは、理解できる。
【0079】
本発明の一実施例によると、光源を利用して、液晶層構造によって、前記蛍光体により励起された光線と「光混成」の作用となる。また、本発明は、液晶を利用して、光源をクールホワイトからウォームホワイトまでに調節し、且つ強度(射出光束)が著しく変化することがないので、裸眼では容易に気付けない(光束の変化が15%より低い)。好ましくは、色温度を調節する場合に強度の変化が7%より小さくように改善することができる。また、本発明は、電流を調整する場合のLEDの明滅、又は回路設計の複雑等の問題を克服した。
【0080】
出射光の均一な混成−拡散フィルムと導光板
本発明の例示実施例の照明用の色温度調整設備によって製造された素子は、大きさが1.5cm×1.5cmであり、特定のパターンで形成した蛍光体分布領域から混成する白色光は、青光又は黄光との光点が大きすぎるため、領域全体が均一な白色に見えないことがあり、この場合、1枚の拡散フィルム(diffusion film)を利用して、色光を均一に拡散させ、異なる色光の境界をぼんやりにして、全体の色光をより均一にすることができる。
【0081】
本発明の例示実施例の装置素子によると、拡散フィルムは、前記光源の対向する側に取り付けられる。電球を製造しようとする場合、前記拡散フィルムを電球の内層に塗布することもでき、前記拡散フィルムの代わりに、拡散板又は拡散レンズを使用してもよく、例えば、導光板(Light guide plate;LGP)を使用すれば、光線の投影モードをより多様化にすることができ、且つ導光板には、光線を四方八方へ均一に散乱可能な大量のSiO小球があり、この技術によれば、導光板に拡散板と同様な機能を持たせて、光線を各方向へ均一に散乱させることができる。また、光散乱又は光混成の均一性を向上させるように、その外部に更に拡散フィルムを貼ることができ、光透過不要な領域に至っては、反射鏡によってカバーして、元々ここから透過しようとする光を別の位置まで再び反射される。実際の応用において、前記拡散フィルム、前記拡散板又は前記拡散レンズは、前記照明用の色温度調整装置の出射光側に位置し、又は前記照明用の色温度調整装置の周りを囲む。
【0082】
色温度調整装置に対する入射光光源の位置
本発明の実施例によると、光源からの入射光は、反射式光学素子を利用して、光源を前記光弁構造(例えば、反射鏡を有する液晶層構造、ダイクロガラス、電子ペーパー、インク電気湿潤素子又は反射鏡を有する微小電気機械/圧電構造)に照射して入れることができる。本発明の実施例によると、入射光光源に対する前記調色構造及び前記光弁構造の位置は、組み合わせて機能し、又は個別に作用した後で組み合わせることで、光の色温度又は色を調整する目的を達成することができる。
【0083】
複数の光弁構造/調色構造からなる立体構造
本発明の一実施例によると、2枚以上の光弁構造(例えば、液晶層構造、ダイクロガラス)を利用して、互いに立体構成方式で設けられ、出射光と対応する調色構造に入った光束を独立して調整して、図1に示したαとβ端点の間に別の切点を導入することで、所望の色温度(例えば、BBLカーブに更に近づく色温度)に混成する。
【0084】
つまり、1つ又は複数の光弁構造と1つ又は複数の波長域変換素子は、組み合わせて立体構造となることができ、光学素子(例えば、鏡、レンズ)に合わせて、入射光を立体構造における光弁を設計に応じて別々に、又は切り替え的に導入して透過して、所望の出射光束に調整して対応する波長域変換素子に入らせることで、色光の色温度をより細部にわたって微調整して取得して、例えば、BBLカーブにより近づく目的を達成することができる。
【0085】
光経路調整構造
本発明の装置、設備又は方法の実施例によると、その光学效果を増進するようにプリズム又は特別な構造を使用することができ、輝度を増加し又は分極效果(非通過方向の偏光を通過方向の偏光に転化する)を増進するために、本発明の色温度調整装置によれば、例えば、レンズ、鏡、導光板、輝度向上フィルム(brightness enhancement film;BEF)、反射型偏光フィルム(dual brightness enhancement film;DBEF)、プリズムレンズ、偏光板、レンチキュラーフィルム(lenticular film)、及び上記素子の組み合わせのような適切な如何なる光学素子を選択的に含むことができる。
【0086】
本発明の一例示実施例によると、照明用の色温度調整装置を利用して、出射光の色度をCIE色度図に示したプランク軌跡における黒体放射スペクトルに正確で効果的に調整する。また、本発明による照明設備は、色温度が一定の照明製品に用いることができるばかりでなく、色温度を変化可能な照明設備とされることもできる。
【0087】
また、本発明の実施例によると、単一の光源を使用するだけで、最終の出射光スペクトル分布又は波長域を正確的に調節して変化させて、本来多くの光源で取得可能な光源效果を達成することができる。
【0088】
本実施例の液晶層構造は、図14の実施例のように、その中の青光光源のみを、普通の白色光光源又はLED白色光光源に置換する。
【0089】
図20に示すように、使用される白色光光源の色度座標はo点:(CC,CC)=(0.3,0.25)であり、色度座標がcの黄色蛍光体を利用して、光弁としての液晶層構造を通過した元の出射白色光と黄色光源の色度座標の結び線を線分ocにして、BBLカーブを通過してβ点に交差させ、β点は暖色光の色温度座標である。
【0090】
代わりの別の実施例は、黄色蛍光体の代わりに、オレンジ寄りの黄色の蛍光体を使用し、元の白色光と混成した光をより暖かい暖色光に偏らせる。これに対して、混成した光を寒い色光に変化させようとすれば、操作上、黄色蛍光体の代わりに、黄緑色蛍光体を使用する必要があり、黄緑色蛍光体を通過する出射光と元の白色光と混成した後、寒色白色光又は寒色光に変化させる。
【0091】
また、現在、白色光LED光源は、青緑が強く、黄緑が弱く、スペクトルの中間の黄緑の一部が凹む。また、黄光のみで青光に混成する場合、色温度が寒い寄りで、不快を感じさせる。この場合、赤色染料又は赤色蛍光体材料を加えて調色して、青光を紫寄りの光に変換して、黄光と混成させて、暖色の色温度寄りの混成光を取得することができる。
【0092】
これにより、本発明の照明用の色温度調整装置の例示実施例を利用して、BBLから離れ且つ人眼が識別可能な任意の不自然の白色光に対して、その色度値をBBLのカーブに正確的に調整し、又はその他の任意の所望の色度座標に調整することができる。
【0093】
本発明の代わりの一実施例によると、青光光源の一部のみの代わりに、白色光光源を使用する。
【0094】
本発明の例示実施例によると、光弁構造と調色構造の分布パターンは、図21に示すようなものである。白色領域は、光弁構造を表し、斜線の領域は、調色構造を表示し、測量によって調色構造の黄色蛍光体層の領域及び青光LED領域のそれぞれの単位面積の光透過量を得ることで、黄色蛍光体が色温度調整装置の領域全体に占める必要のある比例を正確的に計算して、混成した白色光に予定の色度を持たせることができ、その後、印加電圧によって液晶セル(光弁構造)を駆動して、透過光の光束を調整することができ、例えば、青光透過光の光束を調整して、色度に対して微細な調整をして所望の色温度を達成することができる。
【0095】
図21(A)と図21(B)は、本発明の照明用の色温度調整装置の例示実施例を示し、図において、斜線領域の大きさの比例は模式的なものであり、実際的に運用する場合、上記のように、蛍光体層の波長の変換率及び光源の色温度に応じて、所望の色温度について計算して適切な比例を取得すべきである。
【0096】
そのうち、図21(C)〜図21(F)は、本発明の照明用の色温度調整装置の別の例示実施例を示し、調色構造の蛍光層に対してより微細な切断を行って、単位を小さくして分布をより均一にすることでより好ましい混合光の效果を取得することができる。代わりの別の実施例によると、図21(E)に示すように、照明装置を内から外までA、B、Cの3つの領域に分け、液晶セル(A領域とC領域)は、バックライトの通過率の大きさを調整して、蛍光体層(B領域)を通過した光と所望の色温度を混成することに用いることができる。この方法によれば、設計については図21(E)に示すように、領域Cがこの応用において小面積(約15%)を占め、C領域の液晶セルを調整することで、周囲に位置するC領域の光透過度を中心に位置するA領域の光透過度よりも低くすることができ、LEDランプの周りの色かぶりが大きい領域の出光量を大幅に低下させることができることで、従来のLEDランプによくある空間の色かぶりの問題を調整することができる。
【0097】
代わりの別の実施例によると、図21(B)に示すように、LEDランプの周り(A領域)の色かぶりが大きい領域の光量を低下させることで、従来のLEDランプによくある空間の色かぶりの問題を調整しようとする場合、LEDの光の強度による損失を低減するように、設計上、図21(B)に示した領域Aがこの応用において小面積(約15%ほど)のみを占めるようにする必要がある。また、面積領域が大きい(約85%)の領域Bの内に、2種(又は以上)の色の同心円の蛍光体層を計画して、蛍光体層(B領域)と液晶セルの領域(A領域)を通過した光を、適切な光学素子に合わせた後、所望の色温度の出射光に均一に混成するようにすることができる。
【0098】
代わりの別の実施例によると、図21(A)〜図21(F)に示すように、白色領域における光弁としての液晶セルの代わりに、微小電気機械(MEMS)ユニット、ダイクロガラス、インク電気湿潤素子、電子ペーパー又はこれらの組み合わせを使用することができる。また、代わりの別の実施例によると、図21(A)〜図21(F)に示すように、調色構造をパターン化する蛍光調色層の代わりに、染料又は蛍光体と染料との組み合わせを使用することができる。
【0099】
本発明の例示実施例によると、図21(E)に示すように、照明装置を内から外までA、B、Cの3つの領域に分け、本実施例において、A、B、Cの3つの領域の面積は、大きさが一定の関係を持っていない。領域Aは、前記光を直接に通過させる中空又は透明板であり、前記光、蛍光体層(B領域)を通過した光、液晶セル(C領域)を通過した光との3つの光線は、所望の色温度に混成する。そのうち、前記透明板は、剛性又は可撓性薄板、又は弧度を有する物件(例えば、レンズ等)であってよく、ガラス、石英、ポリスチレン(polystyrene;PS)、メタクリル酸メチル・スチレン共重(methyl methacrylate‐co‐styrene;MS)、ポリカーボネート(polycarbonate;PC)、ポリメタクリル酸メチル(polymethylmetharylate;PMMA)、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane;PDMS)から選ればれるものからなるが、これらに限定されるものではない。
【0100】
また、代わりの別の実施例によると、図13に示した実施例と異なって、蛍光調色層のパターン化は図21(B)に示すように、大きい領域A(約85%)を周りに配置して、小さい領域B(約15%)を内にして、更に、適切な光学素子に合わせて使用して、色光をより容易に均一に混成させることができる。図21(B)において、領域Aが蛍光体層を有するように置き換えることもでき、A領域の内に2種(又は以上)の色の同心円の蛍光体層の設置を計画することもでき、純粋な液晶セルからなる領域を領域Bに置き換える。なお、図21(E)に示すように、領域を3つの領域A、B、Cに分けるが、ここで、この領域AとCは、異色の蛍光体層からなることに置き換えて、純粋な液晶セルの領域を領域Bに置き換え、A、B、Cの3つの領域面積の大きさに対して、一定に限定されるものではなく、同様に、適切な光学素子に合わせて、異色の出射光を均一に混成させることができる。
【0101】
本発明の一実施例によると、図22に示すように、照明用の色温度調整装置2200は、ベースとしての透明板2204を備え、透明板2204の表面が領域A及びBに分けられ、領域Aの表面に黄色蛍光体が塗布され、領域Bにおいて光弁構造としての微小電気機械ユニット2201があり、電圧を印加しない場合に表面を完全にカバーする4枚のルーバー2202を含み、それぞれ互いに独立して圧電材料2203によって、制御素子2205を介して下方の透明板2204との間の開弁角度を別々に回転して操縦することで、ルーバーを通過する光束を調整する。
【0102】
本発明の代わりの一実施例によると、ルーバー(即ち、光弁構造)2202は、長さが図22に示したものの半分であり、つまり、光弁2202は、独立して操作する2つのユニットに分けられ、下方の透明基板との間の開弁角度を別々に回転して操縦することで、ルーバーを通過する光束を調整する。本発明の代わりの別の実施例によると、各ルーバー2202は、10枚の長さと幅が等しい方形の鱗片に分けられ、各方形の鱗片の間にも下方の透明基板との間の開弁角度を独立して操縦して調整することができる。また、方形の鱗片の表面に対して、ミラーコーティングを実施して、この微小電気機械ユニットからなる光弁を光の反射モードに変わって操作させることができる。
【0103】
本実施例において、ルーバーの開弁方式は、回転に限定されるものではなく、実際の要求に応じて、微小電気機械ユニット(Micro Electro Mechanical System(MEMS)element)の滑り、平行移動、昇降等の運動方式で下方の透明基板との間の距離を変えることで、ルーバーを通過する光束を調整することができる。また、例えば、鏡、レンズのような他の光学素子を運用して、圧電材料に合わせて、印加電圧によってそのサイズディメンションの特性を変えることで、入射光と出射光(透過光又は反射光の形式であってよい)との光束の比例を調整することもできる。
【0104】
照明設備
本発明の照明用の色温度調整設備の一例示実施例によると、図23(A)に示すように、前記照明用の色温度調整設備2310の照明用の色温度調整装置2311は、液晶層構造2312と、蛍光体層2314と、を含む。照明用の色温度調整設備2310は、更に、外殻2318の中に設けられるLED光源2316を備えるが、外殻2318の内表面の全面にミラーコーティング2319がメッキされ、左、右及び下方へのLED光源の光線を色温度調整装置2311へ反射する。
【0105】
本発明の別の照明用の色温度調整設備の代わりの実施例によると、図23(B)に示すように、前記照明用の色温度調整設備2320は、LED光源2326と、照明用の色温度調整装置2321と、外殻2328と、を備える。前記照明用の色温度調整装置2321は、液晶層構造2322と、蛍光体層2324と、を含む。前記照明用の色温度調整設備2320は、照明用の色温度調整装置2321おける液晶層構造2322に接触しないようにそれぞれの間に距離dを持つLED光源2326を備える。LED光源2326との距離は、図23(A)に示した設備2310に示したものより大きいので、光源の強度が同一である条件で、液晶層構造2322の所在の環境温度Tは、液晶層構造2312の環境温度Tより低い。また、本実施例における外殻2328の底面に、ミラーコーティングがメッキされていない。
【0106】
また、前記導光板の概念を利用して、任意の形状を設計しよく、例えば、円柱状の場合、導光「柱」を透過した光線は、柱の中で均一に散乱して、全体の導光柱が均一に「明るく」ようになる。
【0107】
本発明の照明用の色温度調整設備の別の例示実施例によると、図24(A)に示すように、前記照明用の色温度調整設備の半球の電球2410は、ベース2418と、外殻2417と、を備え、拡散浸透層2411は、電球2410の内層に均一に塗布される。図に示すように、導光柱LGP2412の中に、サイズが異なるシリカ(SiO)粒子2413が分散され、本発明の例示実施例による照明用の色温度調整設備2410によって混成した光を、球体の電球全体に伸びて拡散させることができる。本実施例におけるLED光源2415と液晶層構造2416とは、互いに離れるだけではなく、設備における液晶層構造の所在の環境温度を低下させるように、その間に透明断熱材2414を選択的に設置こともできる。
【0108】
本発明の照明用の色温度調整設備の別の例示実施例によると、図24(B)に示すように、前記円柱ランプ2420は、図23(A)に示したものと同じような照明用の色温度調整設備2430を備え、照明用の色温度調整設備2430は、LED光源2425と、外殻2427と、照明用の色温度調整装置のダイクロガラス2426と、を備える。図に示すように、導光柱LGP2422は、円柱状を呈して、混成した出射光を円柱全体の表面から均一に透過することができる。そのため、この円柱状LGP2422は、「ランプ」として使用するように設計することもでき、導光板LGPの概念を追加すると、本発明による照明用の色温度調整設備は、より多くの範囲までより広く運用されることができるようになる。
【0109】
光の強度を調整する方面において、従来の白熱タングステン線電球又は料理店内でよく見られるカップランプは、何れも普通の簡易の調光器(即ち、電圧を一定にし、抵抗を変えて通過の電流を調節して変化させる)を利用して光源の強弱を正確で連続的に調節して変化させることができる。また、LEDそのものは、ダイオードであり、その電流の電圧に対する特性曲線が指数関数で増加するため、従来の調光器によって光の強度を任意的に制御して変化させることはできない。現在、市販のLED電球は、ほとんど光の強度を段階的に調節して変化させ、例えば、8段で強度を変えるもの等があり、このような方式では、簡易な調光器の代わりに、別に複雑な制御モジュールを使用する必要があるため、コストが大幅に増加する。現在、光の強度を連続的に調節して変化させる機能を持つ市販のLED電球は、低い発光強度で、絶え間なくちらつき、この現象によって、LED電球の寿命が減少し、人の感覚器官を傷つけることがある。
【0110】
電球のスイッチと可変抵抗のノプを統合して(ラッチ式(latch type)ノプを利用する)、可変抵抗を調整することで、液晶素子(光弁構造)の両端の電圧を変えて、更に、液晶素子を通過する光束を変えるように、混成光の色温度を連続的に変え、又は出射光の強度を連続的に調整することのみに用いることができる。本発明の代わりの一実施例によると、電球2410のベースに、「環状ノプ」が配置されることができ、前記環状ノプを調整することで可変抵抗の大きさを変えることができ、このように、混成光の色温度を連続的に変え、又は出射光の強度を連続的に調整することに用いることもできる。
【0111】
本発明の一実施例によると、電球スイッチを、回路を制御するように製造することができ、電圧を制御することで前記光弁構造又は前記調色構造を通過する光束を変化させ、このように、混成光の色温度を連続的に変え、又は出射光の強度を連続的に調整することのみに用いることができる。
【0112】
本発明の代わりの別の実施例によると、調色構造は、波長域変換材料を利用せず、干渉の手段(前記のように、2つの薄板状の材料の間隙を調整する)によって、入射光の波長域の変換を達成する。
【0113】
本発明の代わりの別の実施例によると、水銀蒸気が放電して蛍光粉を励起して動作させる蛍光ランプの代わりに、LED光源に本発明による色温度調整装置を加えて、外観が従来の蛍光ランプと同じような導光円柱の両端に設け、この導光円柱の内に光を均一に散乱させる粒子(その表面に光をより均一に分布させる拡散フィルムを貼ることもできる)を有する。長いランプの実施例については、両端の以外、ランプの中間の内部にLED光と色温度調整装置を更に加えることもできる。
【0114】
注意すべきなのは、グレースケールを調整するように、画素のフィルターに入った3原色の光量を制御して、前記画素で所望の色を取得して、バックライト光源(例えば、LED、CCFL)に合わせて使用する液晶層は、既に液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)に運用されている。しかしながら、「ディスプレイ」とは、ディスプレイがN×M個の画素によって、識別可能な情報を人眼に映して、人間の視覚的持続の間に特定の画面(即ち、動的画面)を呈し、つまり、識別又は理解可能な情報(又は、画面)を送らなければならない。従って、全てのディスプレイは、複雑な駆動回路を必要とする。駆動回路は、16ミリ秒(ms)の時間の内に、3原色の要求する信号がディスプレイの全ての画素を走査し終わるように要求され、一般的に、N、Mが何れも少なくても100〜200を超えるから、はじめてディスプレイという機能を有する。でなければ、解像度不足(情報量の表現不足)の問題がある。
【0115】
これに対して、照明用のパターン化色制御層に合わせ使用する(本発明の)液晶セルは、数百個の画素も、複雑な駆動回路も必要ない、また、液晶の反応時間を速くすることも必要もない。また、液晶セルとLCDとの最も大きい区別は、液晶セルが識別可能な画面又は情報を、人間に送る必要がないことにある。一方、ディスプレイに用いられるLCは、高画質が要求されるため、所要の液晶材料は、速い反応時間、高コントラスト、広視角等の特性を持たなければならないため、LC材料そのもの安定性に対する要求が極めて高い。他には、(液晶セルの)LC配向層は、無機コーティングの方式で製造でき、また無機配向層のメリットは、従来の配向層材料よりも高温に耐える機能を持つことであるので、わりに室内照明の応用に適合する。他には、高エネルギーイオンビームを利用して、材料の表面を衝突する配向方法も好ましい。
【0116】
以上をまとめていえば、(本発明の)液晶セルとLCDの液晶層とを設ける目的が全く異なるので、両者に設けられる電圧駆動でグレースケールを調整する液晶セルの数は全然違い。画面を表示できるために、最低限の条件を整えなければならない、数個の光シャッターとしての液晶セルだけで決して達成できない。ディスプレイ用のLCと異なり、本発明の照明用の色温度調整装置の液晶層構造は、素子全体の光透過效率と、光源による熱に対する最大許容温度と、を考慮する必要がある。また、本発明の液晶セルは、ノーマリホワイトNWとノーマリブラックNBという2種のモードで、入射光源を明から暗に調整し、又は暗から明に調整することができる。より重要なのは、従来のLCDのフィルターは、バックライト光源を赤青緑の3原色又は4つの色に完全に変換するために、副画素においてその他の波長域を吸収する。従って、バックライト光源の光束は、LCDの3色のフィルターを通過した後、各副画素での強度消耗が一般的に70%を超え、さらに、偏光板を通過して少なくても50%以上の光が吸収されるので、その出射光の強度(元のバックライトの強度に対して)がせいぜい15%しか残らない、また、その他の光学フィルム等に更に吸収されると、光の通過率は15%よりも低くなる。これに対して、本発明による照明用の色温度調整装置及び方法は、光源の一部を、波長域変換材料(例えば、蛍光体)によって異なる波長域に変換して、元の光源の他の部分(例えば、液晶セルを通過した光)と混成するため、明細書に記載するように、駆動されて偏光片を有する領域は、液晶素子全体の面積の25%を占めれば、その光束の損失は、一般的に15%の上下になる。さらに、上記例の従来の偏光片の代わりに、非吸収型偏光片を使用すれば、その光束の損失は、約7%以下に減少する。また、この方法を応用して、光源の色温度を正確的に「微調整」する場合、相対的に、駆動しようとする液晶の領域面積がより小さくすることができるため、光束の損失が7%よりも低くなることができる。勿論、光弁としてダイクロガラスを直接に採用すれば、偏光片を使用する必要がなく、光束の損失率が約3〜5%以下まで減少することができ、つまり、光の通過率が95%以上に達することができる。以上をまとめると、経済的で省エネの手段によって、如何なる光源を「陽光」の色温度に調整することができるため、人間の生活スタイルを大幅に変えることができる。
【0117】
光波自体が電磁特性を有し、またその他のエネルギー形式の間で自由的に変換(例えば、熱、位置エネルギー)できるため、本発明の実施例によって、その波長域を正確的に調整することができれば、人間の生活における各領域に広く応用されることができる。例としては、本発明の色温度を正確的に調整する装置と設備は、各種の領域に応用されることができ、各種の室内外照明(電気スタンド/テーブルランプ等)の用途以外、更に、例えば、屋外の建築に投影することと広告看板の照明、交通信号装置、車用ランプ、医療用途(例えば、レーザーホワイトニング、細菌/病毒/かびの繁殖を抑え又は培養、抗がん、特定のアレルゲンを照射して分解する等)、人間への応用(情景空間の照明、元気回復、睡眠促進、視力補助等)、エネルギー(電池等)、信号伝送(光ファイバ、連続調節結合素子、異なる周波数の光波を区分する分周器等)、安全施設(脱出装置等)、検出分析(材料の非破壊の検出、分光計等)、光学素子(マイクロディスプレイ(micro display)光源、光学読み書きヘッド素子等)、農業応用と生態養殖(栽培、果物育成/温室育種、魚/エビ/カニ/貝等の漁業養殖と捕獲等)、軍事用途(夜視/ヘッドアップディスプレイ等)、航空飛行(警告と照明等)、原野でのサバイバル(照明と信号等)等の領域に広く運用されることができる。
【0118】
本発明の実施例の色温度調整装置、設備と方法によると、医療領域において、異なる色温度(即ち、異なる波長域の混成)のレーザー光源を提供して、しみとり(老人斑、色素斑、肝斑、色素沈着、血管腫)、母斑と毛の除き、皮膚を削り、電磁波によるしわ取り、毛孔収縮に用いることができる。近年、流行のカクテルレーザー治療法とは、波長パワーが異なるレーザー光(例えば、細白、ルミナスワン、瞬時美白のパルス光、ルビーレーザー、パルスダイレーザー等)を放出するレーザー機セットを合わせて、しみとり、母斑と毛の除き、皮膚を削り、毛孔収縮等の効能を達成し、最後、ビスクドールのような白皙で緊致な肌質と皮膚色を取得する。
【0119】
また、本発明の一実施例によると、ダイナミック光医療の用途に用いることができる。ダイナミック光医療は、元々は皮膚の悪性黒色腫の増殖を抑制するために開発され、照射光源のパワーを低下させることで、最近、既に医療美容の領域に大幅に応用されている。ダイナミック光とは、波長633nmの赤光及び413nmの青光の2種の異なる色光の光源を含み、可視スペクトルにおいて、波長が最も長い赤光は、浸透力が強いため、ダイナミック赤光が真皮層に入ることができ、毛細血管を拡張して強化して血液循環を促進し、線維芽細胞を刺激して膠原線維構造を強化する機能を有するが、細かいじわを淡くする目的を達成することができ、また、極めて乾燥又は敏感肌質の治療に運用することもでき、例えば、効果的に保湿し、又はビタミンC含有のスキンケア製品を塗抹した後で、赤光を照射すると、表皮細胞の活性化を促進して、治療及び保湿の効果を達成することができる。ダイナミック青光は、主に、青春天然痘として一般的に知られているにきびの治療に用いられる。にきびの起因は、一般的に、皮脂を分解可能なアクネ菌の過度増殖で、毛嚢の皮脂腺が炎症することにある。このようなアクネ菌は、「ポルフィリン」という蛍光物質を発生させる可能性があり、特定の波長の青光を照射すると、このようなポルフィリンを変性させて、アクネ菌を殺して、にきびを治療する目的を達成することができる。
【0120】
研究によると、特定の色温度又は波長の光波を照射することは、(幹)細胞の分化/複製/増殖/細胞組織の培養、及び生物医学/生理学等の関連研究に寄与する。本発明の実施例によると、調整されて特定の波長を有する混成光を細胞の一部に集中して照射し、例えば、頭皮を照射して、細胞を活性化/再生して、毛嚢細胞を活性化し又は毛嚢の近隣の血液循環を促進して増加することに用いられ、髪を成長させ又は髪の質を強化/粗大化し、脂漏を低減する目的を達成する。
【0121】
本発明の実施例によると、目にかかわる病気の手術と治療に用いることができる。例えば、照度の強度を増加せずに、異なる波長域の光を硝子体に連続的に導入して、飛蚊症を誘発する寄り集まりを砕け、又は水晶体を導入して白内障を誘発する混濁体を砕ける、又は特定の光波長を吸収させて分解させることができる。緑内障は、眼内の房水の流動性が悪いため、眼圧が上昇して、視神経が圧迫されることで誘発されるので、特定の波長域によって照射して、眼内の房水の正常流動を促進して眼圧を低下させることができる。
【0122】
本発明の実施例によると、例えば(光学)望遠鏡、(光学)顕微鏡のレーザー光源(異なる蛍光蛋白質の波長を励起することができる)、内視鏡の撮影/検出/治療/手術の場合の切り替え可能な波長域の補助光源、皮膚癌の検出、特定の光源によって悪性腫瘍の段階的手術で取られた検体「切片」を照射して、組織切片の色を分析すること、尿(尿蛋白)のスペクトルの検出のような、医用又は光学機器に用いることができる。本発明の実施例によると、色温度(又は、光波長域)が正確的に調整された光源は、犯罪鑑識に用いることができ、人類によって、組織(例えば、血痕)と人工化学物質(例えば、繊維)がマルチバンドの光源に照射された後、特定の色を表示する可能性がある。
【0123】
本発明の実施例によると、色温度(又は、波長域)を連続で調整可能な光は、細胞培養/臓器組織等の生理的な試験研究(例えば、光ファイバが体内に導入された後の照射/収集/反応の分析)に用いることができる。また、化学/物理(ラマン又はFTIR分光計)/材料(干渉計で測定する材料の厚さ、3次元トポロジー表面検光子)/化学工業/光電/生物(HPLC)/試験管による散乱(scattering)(分子が反応してダイナミック行為が発生する過程を実験で理解する)等の試験研究の領域に用いられることもできる。
【0124】
特定の波長を有するレーザー光は、蛍光染料に染色されて一定の蛍光反応性を有する蛋白、アミノ酸、及び蛍光染色されたセル組織を励起することができ、現在、既に染料を使用して、腫瘍の領域を確定し得、例えば、青、緑の光を使用して蛍光染料に染色された組織細胞を照射する。また、本発明の一実施例によると、単一の電力光源に対して、波長を変換し、可変バンドの光で人体組織中の被検出領域を照射する。正常と異常の細胞の蛋白質に対して、多種の異なる波長反応の蛍光染料によって染色した後、本発明の一実施例の波長域を微調整して精確的に選択可能な電力光源をによれば、極めて少量の癌細胞に対しても、両者の間の界線を確定できるようになって、病期診断を行う手術において、悪性腫瘍又は異常の組織をできるだけ切除する。例えば、ある特定の癌細胞のみが特定の蛍光染料(例えば、特定の波長域の黄緑光が激しく反応する)に反応する場合、手術中でレーザー光源を特定の比例の黄光と緑光に調節することができ、前記特定の癌細胞を有する細胞組織を捜して、位置決め処理をすることができる。
【0125】
本発明の実施例によると、例えば、歯科用固定材の中の光触媒硬化(photo curing)を必要とする材料の光源として用いることができる。
【0126】
別の研究よると、特定の色温度や波長の光は、動物/植物の成長を加速し、又は影響することができる。本発明の実施例によると、特定の環境で(例えば、温室/養魚池)異なる時間で植物/動物を照射する波長域を調整して変換させて、植物/動物の成長に最も有利である照明環境を営造することができる。本発明の実施例によると、漁業養殖又は漁業作業を行う場合、特定の波長域光を照射して、作物の成長を加速し、又は光の下に集めて捕獲に寄与する。
【0127】
本発明の実施例によると、波長域調整素子又は方法ステップは、調色構造に特定の波長を吸収する材料又は素子を加えて、その光束を低下させることで、混成光の色温度又は波長域を調整することができる。例えば、物件又は食品包装材料に、時間につれて安定して分解して崩壊(decay)する特定のバンドを吸収する材料を加えるように混成光の色を設計することに合わせて、前記調光構造を照射して通過した後の混成光を時間につれて変化させることで、インジケータ(indicator)として、又はLED光源を含むタイマーに設計する。従って、この物件が既に使用された時間又は食品期限が既に切れたことを示すことができる。
【0128】
本発明の実施例によると、軍事用途に用いることができ、例えば、ミリタリー赤外線暗視鏡及び額帯鏡ゴーグル(near‐eye goggle)は、異なる波長の入射光を濾過吸収/強化するによって、視覚映像の情報処理を強化する目的を達成することができる。また、本発明の実施例によると、空港(公共の場)安全検査に用いることができ、例えば、赤外線バンドで入国した旅客を照射して体温を測定して、公衆衛生を検査する。その他の方面において、大型の宇宙望遠鏡にも、又は小型のアマチュア望遠鏡にも、本発明実施例の色温度調整可能な装置を利用することができ、星を光源として、スペクトルを連続的に切り替え、観察しようとするスペクトル領域の一部に対して、その強度を変え、又はその波長域を変換し、例えば、赤外スペクトルの他のスペクトルへの変換等の応用が挙げられる。
【0129】
本発明の実施例によると、カーボンナノチューブの物理、化学及び力学特性を利用して、光弁構造としてカーボンナノチューブ(又は、その他の材料のナノチューブ)又は方向性を有する量子ドットを使用するし、光源としてはナノチューブLED(カーボンナノチューブに電気をつけると発光する)を利用することもできる。また、カーボンナノチューブに合わせて特定の成分と接続して、散熱に用いることができる。
【0130】
本発明の実施例によると、照明用の色温度調整装置及び方法を、人工太陽光の製造、つまり、太陽光シミュレーション装置を製造して、太陽エネルギーの実験、又は太陽灯又は日光浴ベッド(又は、日焼けマシン)に用いることができる。太陽灯の応用において、皮膚色素が敏感の光波長域を調整するによって、皮膚の日焼け(sun tanning)という目的を達成し、皮膚に良くない波長域を除いて、皮膚癌の発生の危険を低下させることもできる。本発明の一実施例によると、低価で実験用の日光シミュレーションを製造することができ、現在のサンシャインエミュレータ原理は、高エネルギーでプラズマの発生を励起して、補正装置に合わせて、フルスペクトル(経時変化の可視光線スペクトルと低強度UV、IRスペクトルを含む)光源を取得する。太陽光は、全体として言えば、黄緑色に寄り、本発明の実施例によると、ハロゲンランプと白熱灯光源との組み合わせ、又はLED白色光光源とIRやUV光源との組み合わせを利用して、黄緑色蛍光体層を含む調光構造を加えて、青光の強度を低下させることで、擬似の太陽光を取得することができる。
【0131】
本発明の実施例によると、波長が調整された光源は、音光娯楽効果のある物件に用いることができ、例えば、玩具又はゲーム機が挙げられる。また、宝石鑑定において、本発明の色温度(光波長域)を連続で正確的に調整可能な装置は、所望の特別な光源を提供することができる。
【0132】
本発明の実施例によると、色温度(光波長域)を調整可能な装置を化学/光合成の反応機構に運用する。例えば、化学工業/工業/プラスチック(高分子)原料の製造と製品合成、石油原料の分裂と合成、薬物合成等の工程において、反応時に特定の波長域の光を照射することで、化学反応を加速/促進することができる。また、本発明の別の実施例によると、化学工業/食品産業において、例えば、パンの製造/酒の醸造等の方面において、酵母に対して特定の波長域の光を照射して、酵母活性と発酵反応の行いを加速し、又は影響して操縦することができる。
【0133】
本発明の実施例によると、半導体フォトリソグラフィ工程にフォトレジストを使用する露光機(例えば、深紫外線光源による浸潤露光)において、本発明の照明(光照射)設備を使用して、光波長域を連続的に調節して変化させて光源コストを節約することができる。また、光源の波長域の変化の多様性のため、各種の潜在的なフォトレジストの研究開発及び露光/現像技術の発展を促進することができる。
【0134】
本発明では複数の例示実施例を合わせて説明し描写したが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の領域と精神から逸脱しない限り、多様の修正や変更を加えることができるは、理解すべきである。例えば、本発明における光束を連続的に調整するための光弁の代わりに、その他の類似の従来の技術に変化して使用することができる。又は、例えば、CIE1931色度図については、要求に応じて、BBLの座標の参照として、その他のCIE色度図を使用することもできる。
【符号の説明】
【0135】
300、400、500、600、700、800、900、1300、2200、2311、2321 照明用の色温度調整装置
301、401、701 第1光源
302、402、502、602、604、702、704、802、902 調色構造
303、403、503、603、703、803、903 光弁構造
304、404 調色構造と光弁構造を通過しない元の光
305、405 第1入射光
306、406 第1出射光
307、407 第2入射光
308、408 第2出射光
410 その他の光
411、705 第2光源
501、601、801、901 光源
904 隔板
1000、1310、2312、2322、2416 液晶層構造
1001、1002、1301、1302 透明電極
1003、1315 スペーサー
1004、1005 透明基板
1006、1306 液晶層
1007、1008、1307、1308 偏光板
1011、1012 配向層
1304 第1透明基板
1305 第2透明基板
1322、1422、1522、1622、1722 液晶セル
1330、1430、1530、1630、1730 黄色蛍光体層
1431、1531、1631、1731 LED青光光源
1532 赤色蛍光染料
1633、1733 LED赤色光源
2201 微小電気機械ユニット
2202 ルーバー
2203 圧電材料
2204 透明板
2205 制御素子
2310、2320、2430 照明用の色温度調整設備
2314、2324、2419、2428 蛍光体層
2316、2326、2415、2425 LED光源
2318、2328、2417、2427 外殻
2319 ミラーコーティング
2410 電球
2411 拡散浸透層
2412、2422 導光柱
2413 シリカ粒子
2414 透明断熱材
2418 ベース
2420 円柱ランプ
2426 ダイクロガラス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それに作用する光の色温度を調整するための照明用の色温度調整装置であって、
光弁構造に作用する前記光の第1入射光及び第1出射光の光束の比例を調整するための光弁構造と、
調色構造に作用する前記光に対して、第1波長域を有する第2入射光から、第2波長域を有する第2出射光に変換するための少なくても1つの波長域変換素子を含む調色構造と、
を備え、
前記光弁構造と前記調色構造は、前記光の前向き経路で互いに重ならず、前記第1出射光と前記第2出射光を混成させて、色温度が前記光と異なった混成光を形成する照明用の色温度調整装置。
【請求項2】
前記第2波長域は、前記第1波長域を含む請求項1に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項3】
前記混成光は、更に、前記装置に作用していない一部の前記光と混成する請求項1に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項4】
前記光弁構造と前記調色構造は、共に前記光の前向き経路に垂直する平面に位置する請求項1に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項5】
前記光弁構造と前記調色構造は、共に前記光の前向き経路に垂直する平面に隣接するように位置する請求項1に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項6】
前記光弁構造は、微小電気機械ユニット、ダイクロガラス、電子ペーパー、インク電気湿潤素子、液晶層構造などの部材、及びこれらの部材組み合わせからなる群から選ばれる平面光弁構造で、又は複数の前記部材からなる立体光弁構造である請求項1に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項7】
前記波長域変換素子は、波長域変換材料又は波長域変換構造セルである請求項1に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項8】
前記液晶層構造は、
第1側及び第2側を有する第1透明基板と、
第1側及び第2側を有する第2透明基板と、
前記第1透明基板の第2側と前記第2透明基板の第1側との間に介し、グレースケールを調整可能な少なくても1つの液晶セルを含む液晶層と、
前記液晶層における前記少なくても1つのグレースケールを調整可能な液晶セルに対して、電圧を印加するためのバイアスセルと、
を含む請求項6に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項9】
前記第1透明基板の第1側の一部、又は前記第2透明基板の第2側の一部の少なくても1つは、偏光板を含む請求項8に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項10】
前記波長域変換材料は、第1波長域変換材料、又は第1波長域変換材料と第2波長域変換材料である請求項7に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項11】
前記第1波長域変換材料又は第2波長域変換材料は、蛍光体、染料、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるものである請求項10に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項12】
前記波長域変換構造セルは、コレステリック液晶、ブルー相液晶、ホログラフィック高分子分散型液晶(Holographic PDLC)材料、カラーインク電気湿潤素子、又は微小電気機械ユニットからなる素子である請求項7に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項13】
前記混成光の色温度は、CIE1931色度図における黒体放射軌跡にある請求項1に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項14】
前記蛍光体は、酸化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、窒化物蛍光体、亜鉛化合物含有蛍光体、半導体蛍光体、有機蛍光体、フォトルミネッセンス染料、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるものである請求項11に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項15】
前記染料は、吸収型染料、フォトルミネッセンス型染料、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるものである請求項11に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項16】
前記混成光は、更に、少なくても1つのその他の光と混成する請求項1に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項17】
制御回路、ラッチ式ノプ、環状ノプ、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる制御素子を更に備える請求項1に記載の照明用の色温度調整装置。
【請求項18】
光を発する第1光源と、
請求項1に記載の照明用の色温度調整装置と、
を備える照明設備。
【請求項19】
拡散フィルム、拡散板、拡散レンズ、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる光拡散部材を更に備える請求項18に記載の照明設備。
【請求項20】
前記第1光源は、発光ダイオード(LED)、白熱灯、ハロゲンランプ、陽光、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)、蛍光灯、及びこれらの組み合わせからなる少なくても1つの群から選ばれるものである請求項18に記載の照明設備。
【請求項21】
前記LED光源は、白色光LED又は青光LEDである請求項20に記載の照明設備。
【請求項22】
前記色温度調整装置による前記混成光と直接に混成するための他の光を発する第2光源を更に備える請求項18に記載の照明設備。
【請求項23】
第1光を発する第1光源を提供するステップと、
光弁構造に作用する前記第1光における第1入射光及び第1出射光の光束の比例を調整するための光弁構造を提供するステップと、
調色構造に作用する前記第1光に対して、第1波長域を有する第2入射光から、第2波長域を有する第2出射光に変換するための少なくても1つの波長域変換素子を含む調色構造を提供するステップと、
前記第1出射光と前記第2出射光を混成させて、色温度が前記第1光と異なった混成光を形成するステップと、
を備える色温度調整方法。
【請求項24】
前記混成光は、更に、前記光弁構造又は前記調色構造に作用していない一部の前記第1光と混成する請求項23に記載の色温度調整方法。
【請求項25】
前記光弁構造は、微小電気機械ユニット、ダイクロガラス、電子ペーパー、インク電気湿潤素子、液晶層構造などの部材、及びこれら部材の組み合わせからなる群から選ばれるものである請求項23に記載の色温度調整方法。
【請求項26】
前記第1光を発する前記第1光源は、発光ダイオード(LED)、白熱灯、ハロゲンランプ、陽光、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)、蛍光灯、及びこれらの組み合わせからなる少なくても1つの群から選ばれるものである請求項23に記載の色温度調整方法。
【請求項27】
前記LED光源は、白色光LED光源又は青光LED光源である請求項26に記載の色温度調整方法。
【請求項28】
前記混成光と混成するための第2光を発する第2光源を提供するステップを更に備える請求項23に記載の色温度調整方法。
【請求項29】
前記波長域変換素子は、波長域変換材料又は波長域変換構造セルである請求項23に記載の色温度調整方法。
【請求項30】
前記波長域変換材料は、蛍光体(phosphor)、染料、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるものである請求項29に記載の色温度調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−105746(P2013−105746A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−246018(P2012−246018)
【出願日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【出願人】(512289463)普朗克股▲分▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】