説明

芳香パンティストッキング

【課題】 従来の芳香パンティストッキングはストッキング全体あるいは部分に芳香を含侵あるいは付着させたものはあったが、ストッキングに施した模様部分が香りを放つもの、しかもその模様と同じ香りを放つものは無かった。
【解決手段】 本発明による芳香パンティストッキングは、美的要素としての模様部分から芳香を放ち、その模様は、芳香を含侵させた繊維で刺繍され、又は芳香を含侵させて編織した模様片で貼着し、又は無芳香で編織された模様部分に好みの芳香を定着・含侵させ、その定着は、接着剤を混入させた液状の芳香成分を噴霧により、又は模様部分を帯電させて芳香成分を含有する微粒子を静電付着させる。前記模様は植物の柄であり前記芳香はその植物と同じ香りを放つ。また、前記模様はストライプあるいはタイツ模様でありその模様は芳香を含侵させた繊維で編織される。更に前記模様は、防菌、防湿あるいは防臭の施されたパンティストッキングに施され、前記芳香は虫除けになる香りをも放つものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は芳香パンティストッキングに関し、特に無芳香パンティストッキングに美的要素として施した模様の部分から芳香を放つことを特徴とする芳香パンティストッキングに関する。
【背景技術】
【0002】
芳香パンティストッキングの従来技術として、活性炭素繊維(繊維状活性炭)などの吸着作用や分子ふるい作用を利用してマイクロカプセルなどから揮発する香りなどを長く持続させることを特徴とする「特開2005−133268号公報」や、香料入りマイクロカプセルを編地の略々全面に均一に付着せしめた芳香ストッキングの「特開平1−201501号公報」がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これら従来の芳香パンティストッキングあるいは芳香ストッキングは、ストッキング全体あるいは部分的に芳香を含侵あるいは付着させたものではあるが、ストッキングに施した模様部分が香りを放ち、しかもその模様と同じ香りを放つものではなかったので、美的要素としての模様がそれ以上に引き立つものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による芳香パンティストッキングは、第1に、無芳香パンティストッキングにおいて、美的要素として施した模様の部分から芳香を放つ。
本発明による芳香パンティストッキングは、第2に、前記模様が、芳香を含侵させた繊維で縫い付けられたものである。
本発明による芳香パンティストッキングは、第3に、前記模様は、前記無芳香パンティストッキングに芳香を含侵させた繊維で編織された模様片を貼着したものである。
本発明による芳香パンティストッキングは、第4に、前記芳香パンティストッキングの前記模様が、前記無芳香パンティストッキングの原繊維と同じ無芳香繊維で編織され、その無芳香の前記模様の部分に好みの芳香を定着あるいは含侵させる。
本発明による芳香パンティストッキングは、第5に、前記模様部分への芳香の定着を、接着剤を混入させた液状の芳香成分を噴霧により定着させる。
本発明による芳香パンティストッキングは、第6に、前記模様部分への芳香の定着を、前記模様部分を帯電させ、その帯電した部分に芳香成分を含有する微粒子を静電作用によって付着させる。
本発明による芳香パンティストッキングは、第7に、前記模様部分への芳香の含侵を液状の芳香成分を噴霧により付着させる。
本発明による芳香パンティストッキングは、第8に、前記模様が植物の柄であり、前記芳香はその植物と同じ香りを放つものである。
本発明による芳香パンティストッキングは、第9に、前記模様が縦のストライプあるいはラインであり、それら縦の模様は芳香を含侵させた繊維で編織される。
本発明による芳香パンティストッキングは、第10に、前記模様がタイツ模様であり、そのタイツ模様を編織する繊維の一部を間引き的に芳香成分を含侵させた繊維で編織する。
本発明による芳香パンティストッキングは、第11に、前記模様が股間部あるいは足の爪先に施された防菌、防湿あるいは防臭の前記無芳香のパンティストッキングに施される。
本発明による芳香パンティストッキングは、第12に、前記芳香が虫除けになる香りを放つものであることを特徴とする
【発明の効果】
【0005】
第1に、本発明の請求項1〜8の芳香パンティストッキングによれば、美的要素として施した模様部分から模様と同じ植物の香りの芳香を放つので、その芳香と模様との相乗効果で脚線部をより綺麗に見せることができるとともに周囲の第三者に好感ないし快感を与えることができる。
第2に、本発明の請求項9、10の芳香パンティストッキングによれば、模様自体が香りに対応しない模様なので、その模様部分に好みの香りを適用することができる。
第3に、本発明の請求項11の芳香パンティストッキングによれば、防菌、防湿あるいは防臭の無芳香パンティストッキングに芳香を施すので、他の嫌な臭いに邪魔されることなくより純粋な香りの芳香を放つことができる。
第4に、本発明の請求項12の芳香パンティストッキングによれば、芳香そのものが虫除けになるので、ストッキングの上から蚊に刺されること等を予防することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明を実施するための第1の最良の形態は、無芳香のパンティストッキングに芳香のある植物や果物の美的な柄模様を施し、かつその柄模様部分にその柄模様と同じ植物や果物の芳香を、縫い付け、含侵、付着あるいは吹付け等により定着させることである。
本発明を実施するための第2の最良の形態は、無芳香のパンティストッキングにストライプ模様やタイツ模様を施す際に、それら模様部分のみを予め好みの香料を含侵させた繊維により編織する。
本発明を実施するための第3の最良の形態は、前記第1および第2の最良の形態における模様柄の部分に虫除けの香料を含侵あるいは付着させる。
【実施例】
【0007】
次に、本発明を実施するための最良の形態の実施例について、図面を参照して説明する。
図1および図4は、本発明を実施するための第1の最良の形態である第1の実施例および第2の実施例を示す図である。
図2および図3は、本発明を実施するための第2の最良の形態である第3の実施例および第4の実施例を示す図である。
先ず、第1の実施例である図1を参照すると、芳香パンティストッキングは、ベルト部10とパンティ部11とストッキング部12とから構成され、さらにパンティ部11には股間部110が施され、ストッキング部12には芳香花柄121および爪先部120が施される。
ここで、芳香花柄121は、無芳香、無柄のパンティストッキングに美的要素としての芳香を放つ花柄模様をストッキングの側面部分に施したものである。この芳香を放つ花柄模様は、予め香料を含侵させた繊維で直接ストッキングに刺繍するか、予め香料を含侵させた繊維で編織した花柄模様チップをストッキングに貼り付けることにより定着させる。後者の手段を用いれば、一旦貼り付けた模様柄を剥がして別の芳香を放つ模様柄に替えることができ、また、洗濯時に模様柄が剥がれたり香料が落ちたりしても容易に張り替えることができる。また、前者の刺繍による模様柄の香料が落ちた場合でも、その模様柄と同じ香りの香料をスプレー等により吹き付けることによって、その刺繍柄を引き続き使用できる。ここで、芳香を放つ模様柄としては代表的なものに花柄、果物柄等の植物柄がある。植物でなくても、美的要素があり芳香を放つものの柄であればどんなものでも適用が可能である。
また、この実施例における模様柄は着色された柄でもよい。ストッキングの側面に設けるので、正面付近に設けるよりは違和感が少ないからである。もちろん、柄模様およびその大きさ、着色加減等により美的要素を損なわなければ正面付近に設けることも可能である。また、図1では、花柄模様を略々直線的に一列に設けているが、柄模様およびその大きさ、着色加減等により任意に並べることも可能である。
次に、第2の実施例である図4を参照すると、図4は芳香パンティストッキングの正面図である。ストッキング部12に施される無芳香花柄124は、ストッキング部12を編織する繊維と同じ繊維で柄としては略々無色無芳香で編織する。略々無着色で設けるのは、ストッキングの略々正面であるため着色すると目立ちすぎ違和感を与える恐れがあるからでる。しかし、完全に無着色に限定されるものではなく、あまり目立たない淡い色で美的要素を損なわなければ、着色することも可能である。また、この実施例では花柄も略直線的に一列に配置されているが、柄模様およびその大きさあるいは着色加減により美的を損なわなければ任意に並べることも可能である。
また、本実施例における模様柄は無芳香ストッキングと同じ繊維で編織され無芳香なので、その柄模様部分への香料の付着は、香料に接着剤を混入させて吹き付け付着させれば、香料が落ちにくく洗濯等で吹き付けた香料が落ちた場合でも再度の香料の吹き付けは模様柄部分だけで済むので大して手間はかからない。また、この実施例では、模様柄を無芳香花柄124で例示しているが、模様をシンプルな柄(例えば、単なる水玉模様)にすれば本実施例における花柄に対応じた香りの香料を吹き付けなくても好みに応じた任意の香りの香料を吹き付けることが可能である。
さらに、本実施例における無芳香花柄124部分への香料の付着は、この無芳香花柄124部分を静電帯電させ、その帯電部分に香料を着色含侵させた軽量の微粒子(例えば、発砲スチロール等)を静電付着させることも可能である。
次に、第3の実施例である図2を参照すると、図2はストッキング部12の模様柄がタイツ柄であり、そのタイツ柄を構成する編織の一部を一定の間隔を空けて予め香料を含侵させた繊維で編織することにより芳香を放つようにしたものである。従って、該香料を含侵させた繊維で編織された部分は花柄等の模様ではないため、花柄等の香りに合わせなくても好みに応じた任意の香りの香料を適用することができる。
さらに、第4の実施例である図3を参照すると、図3は芳香パンティストッキングの背面図である。この実施例ではストッキング部12の後ろの模様柄が縦のストライプ柄であり、そのストライプ柄の部分を予め香料を含侵させた繊維で編織することにより芳香を放つようにしたものである。従って、第3の実施例と同様、該香料を含侵させた繊維で編織された部分は花柄等の模様ではないため、花柄等の香りに合わせなくても好みに応じた任意の香りを適用することができる。なお、このストライプ柄のストッキング部12は、女性の脚線を細く長く見せる効果があるので、そのストライプ柄が芳香を放つことにより前者の効果との相乗効果で周りの第三者に一層の美的感覚と好感あるいは快感を与えることが可能である。
続いて、本発明を実施するための第3の最良の形態である第5の実施例は、以上説明した第1の実施例〜第4の実施例において各々の実施例である図1〜図4に示すような各々の芳香を有する模様柄を、防臭、防菌、あるいは防湿を施した股間部110および爪先部120を有する無芳香パンティストッキングに施せば、他の嫌な臭いに邪魔されることなく香料そのものの純粋な香りを放つことができる。また、模様柄の部分に虫除けの香料を含侵あるいは付着させることにより、ストッキングの上から蚊等の虫に刺されること等を予防することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 本発明の第1の実施例を示す、芳香パンティストッキングの斜視図である。
【図2】 本発明の第2の実施例を示す、芳香パンティストッキングの斜視図である。
【図3】 本発明の第3の実施例を示す、芳香パンティストッキングの背面図である。
【図4】 本発明の第4の実施例を示す、芳香パンティストッキングの正面図である。
【符号の説明】
【0009】
芳香パンティストッキング
10 ベルト部
11 パンティ部
110 股間部
12 ストッキング部
120 爪先部
121 芳香花柄
122 タイツ柄
1221 芳香繊維
123 芳香ストライプ柄
124 無芳香花柄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無芳香パンティストッキングにおいて、美的要素として施した模様の部分から芳香を放つことを特徴とする芳香パンティストッキング。
【請求項2】
前記模様は、芳香を含侵させた繊維で縫い付けられたものであることを特徴とする請求項1記載の芳香パンティストッキング。
【請求項3】
前記模様は、前記無芳香パンティストッキングに芳香を含侵させた繊維で編織された模様片を貼着したものであることを特徴とする請求項1記載の芳香パンティストッキング。
【請求項4】
前記芳香パンティストッキングの前記模様は、前記無芳香パンティストッキングの原繊維と同じ無芳香繊維で編織され、その無芳香の前記模様の部分に好みの芳香を定着あるいは含侵させることを特徴とする芳香パンティストッキング。
【請求項5】
前記模様部分への芳香の定着は、接着剤を混入させた液状の芳香成分を噴霧により定着させることを特徴とする請求項4記載の芳香パンティストッキング。
【請求項6】
前記模様部分への芳香の定着は、前記模様部分を帯電させ、その帯電した部分に芳香成分を含有する微粒子を静電作用によって付着させることを特徴とする請求項4記載の芳香パンティストッキング。
【請求項7】
前記模様部分への芳香の含侵は液状の芳香成分を噴霧により付着させることを特徴とする請求項4記載の芳香パンティストッキング。
【請求項8】
前記模様は植物の柄であり、前記芳香はその植物と同じ香りを放つものであることを特徴と請求項1、2あるいは4〜7記載の芳香パンティストッキング。
【請求項9】
前記模様は、縦のストライプあるいはラインであり、それら模様の芳香を含侵させた繊維で編織されることを特徴とする請求項1記載の芳香パンティストッキング。
【請求項10】
前記模様はタイツ模様であり、そのタイツ模様を編織する繊維の一部を間引き的に芳香成分を含侵させた繊維で編織することを特徴とする請求項1記載の芳香パンティストッキング。
【請求項11】
前記芳香を有する前記模様は、股間部あるいは足の爪先に施された防菌、防湿あるいは防臭の前記無芳香パンティストッキングに施されることを特徴とする請求項1、2、3、4あるいは8記載の芳香パンティストッキング。
【請求項12】
前記芳香は、虫除けになる香りを放つものであることを特徴とする請求項1〜11記載の芳香パンティストッキング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−114607(P2009−114607A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−315231(P2007−315231)
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(504451863)
【Fターム(参考)】