説明

荷役物運搬機用グローブ、荷役物運搬機用グローブユニット及び荷役物運搬機

【課題】 昇降部に吊り下げられた荷物を把持する際の把持力を検出しやすく、作業者の意図する吊上げ力を発生させて持上げ力を軽減させることのできる荷役物運搬機用グローブ及び荷役物運搬機用グローブユニット、並びにそれらを用いた荷役物運搬機を提供する。
【解決手段】 右手用グローブ10Rに取り付けられる検出部20は、把持部11の手のひらHPとの接触側に配置される圧力センサ21と、圧力センサ21の感圧面側に直接接触する形で配置される感圧調整部22と、圧力センサ21の感圧面側とは反対側に配置されるセンサ基板23とを備えている。圧力センサ21と感圧調整部22とセンサ基板23とが保護部材24によって包囲され、このようにして保護部材24で包まれた検出部20が、面ファスナ25を介し、把持部11に対して着脱可能に装着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷役物運搬機用のグローブ及びグローブユニットに関し、またそのグローブ又はグローブユニットを用いた荷役物運搬機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、アーム式、ホイスト式等の荷役物運搬機の昇降部に荷物を吊り下げ、油圧シリンダ等の駆動力によって荷物を容易に昇降移動することができる。その際、荷役物運搬機の昇降部を昇降操作するための作動スイッチを有する作業用グローブ(作業手袋)が使用される場合がある(特許文献1参照)。また、このような荷役物運搬機では、昇降部に吊り下げられた荷物を作業者が反重力方向に持ち上げる持上げ力と、昇降部が荷物を吊り上げる吊上げ力とを荷物の重量に釣り合わせることによって、荷物をさらに容易に昇降移動することができる。その際、荷物を把持し持ち上げる際の把持力や持上げ力を検出する検出部を有する作業用グローブ(作業手袋)が、荷役物運搬機の昇降部に保持されるとともに、作業者の手に装着されて使用される場合がある(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開昭49−118148号公報
【特許文献2】特開2005−1870号公報
【0004】
これらに開示された技術によれば、作業者が操作ボックスに設置された操作レバー等の操作具を操作する場合に比べて、スイッチや検出部に対して至近距離から作業者の意図に沿って操作できる利点がある。その反面、単にスイッチや検出部がグローブに設けられるだけであると、スイッチの操作量(操作フィーリング)と昇降部の作動量とに乖離を生じたり、作業者の意図した操作量と検出部でのセンサ検知量とに乖離を生じたりすることがある。そのため必ずしも作業者の意図した通りに荷役物運搬機が作動せず、初心者の場合には操作ミスを誘発するおそれがあり、一方熟練者の場合には、作業能率の低下や歩留りの悪化等を招来するおそれがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、昇降部に吊り下げられた荷物を把持する際の把持力を検出しやすく、作業者の意図する吊上げ力を発生させて持上げ力を軽減させることのできる荷役物運搬機用グローブ及び荷役物運搬機用グローブユニット、並びにそれらを用いた荷役物運搬機を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る荷役物運搬機用グローブは、
昇降部に吊り下げられた荷物を作業者が反重力方向に持ち上げる持上げ力と、前記昇降部が荷物を吊り上げる吊上げ力とを荷物の重量に釣り合わせることによって荷物を昇降移動する荷役物運搬機において、前記昇降部に保持されるとともに作業者の手に装着されて使用され、荷物を把持する際の把持力を検出する検出部を有するグローブであって、
前記検出部は、
作業者が荷物を把持する把持部の手のひらとの接触側に配置され、荷物を把持する把持力を検出するための板状、シート状又は袋状の圧力センサと、
その圧力センサの感圧面と一体化される形で、又は感圧面側に直接若しくは他部材を介して間接的に接触する形で配置され、流動性を有する流体又は弾性変形可能な半固体若しくは固体を含む感圧調整部と、
前記圧力センサの感圧面側とは反対側に配置され、その圧力センサを実装するためのセンサ基板とを備え、
前記検出部により荷物を把持する把持力を検出して、前記吊上げ力及び/又は昇降速度の調整を可能とすることを特徴とする。
【0007】
このように、荷役物運搬機用グローブの検出部では、流動性を有する流体(例えば粘性流体)又は弾性変形可能な半固体若しくは固体(例えばシリコーン等のゲル状半固体材料)を含む感圧調整部が、圧力センサ(例えば板状の感圧センサ)の感圧面と一体化されて、あるいは感圧面側に接触して配置されているので、作業者の把持力が加わったときその圧力を圧力センサへ円滑に伝達できる。すなわち、圧力センサの感圧面側には流動性の流体又は弾性変形可能な半固体若しくは固体を含む感圧調整部が一体的配置又は対向配置されるので、圧力センサの感圧面に対して中央部のみならず周辺部にわたって広い範囲で信号出力が可能となる。このとき、感圧調整部はこのような流動性の流体等を含むため、固体状のゴム材料等に比べて感圧面積が実質的に拡大されるとともに、出力信号が均等化され、安定したセンサ出力が得られる。しかも、荷物を把持して圧力センサを押圧する感覚が流動性の流体等を介して作業者にも伝わるので、操作性も向上する。
【0008】
すなわち、荷物を把持する把持力を圧力センサが検出しやすくなり、かつその操作感覚が作業者に伝わりやすくなるので、作業者の意図する吊上げ力を発生させて持上げ力を軽減させることができる。したがって、初心者の場合でも操作ミスや故障・怪我等を誘発しにくくなり、熟練者の場合には、作業能率を向上させて歩留りをよくすることができる。
【0009】
また、圧力センサの感圧面側とは反対側(グローブの表面に近い側)には、圧力センサを実装するためのセンサ基板が配置されているので、荷物の荷重等の外部からの力が圧力センサに直接作用することがなく、これらの力を把持力と誤検出することが防止できる。
【0010】
以上のように、本発明に係る荷役物運搬機用グローブは、主として製造工場内での部品・半製品・製品・治具等の移動時や土木・建設工事現場での資材・道具類の移動時等に、荷役物運搬機の昇降部に保持されるとともに作業者の手に装着されて用いられる。その際、荷物(搬送対象物)をそのままの状態で、あるいは箱、袋、包み紙等に包装した状態で把持して搬送することができる。したがって、上記した以外の用途でも広範囲に使用できる。例えば、医療や介護の現場において患者等の移動のために用いることもできる。
【0011】
なお、圧力センサとして、感圧導電性ゴムセンサ等の感圧センサ、ストレンゲージ(ひずみセンサ)、圧電素子等を用いることができ、これらによって圧力を例えば電圧、電流、電気抵抗といった電気量に変換して検知することができる。
【0012】
したがって、感圧調整部に収容する流動性の流体等は、使用する圧力センサに合わせて選択される。例えば、感圧センサに対してシリコーン等の半固体高分子材料製のゲル状材料を用いることによって、感圧面全体にわたって均一(一様で平坦)な出力信号分布が得られる。
【0013】
このような荷役物運搬機用グローブにおいて、感圧調整部は、感圧面側に接触して配置され、弾性変形可能なゲル状材料を含むゲル収容部に形成されるとともに、検出部は、圧力センサとゲル収容部とセンサ基板とを包む保護部材が面ファスナ等の装着部材を介し、把持部に対して着脱可能に装着されることがある。上記したように、圧力センサに対してシリコーン等の半固体高分子材料製のゲル状材料を用いることによって、感圧面全体にわたって均一(一様で平坦)な出力信号分布が得られるので、把持力の検出が安定する。また、保護部材で覆われた検出部が把持部に対して着脱可能であるため、作業ごと、荷物ごと、及び/又は作業者ごとに準備されたグローブに検出部(圧力センサ)だけを装着(付け替え)すれば、直ちに荷役物運搬作業を開始できる。したがって、作業効率を飛躍的に向上させることができる。
【0014】
なお、保護部材が、熱及び水蒸気の流通を許容し、水分の流通を阻止又は抑制することのできる透湿・防水性素材(例えば「フュージョン」[旭化成登録商標])で構成されている場合には、グローブ内部で発生する汗等の水分が検出部内に浸入することが阻止(抑制)されるので、ショートによる圧力センサからの信号出力途絶を防止できる。
【0015】
このとき、圧力センサを、ゲル収容部を介して把持力が加えられたことによる電気抵抗の変化を検知する板状又はシート状の感圧センサで構成することができる。圧力センサを板状又はシート状の感圧センサで構成することによって、把持部を相対的に薄く形成することができ、装着性をよくして違和感をなくすことができるから、操作性も向上する。
【0016】
さらに、ゲル状材料は、シリコーン等の半固体高分子材料で構成され、圧力センサの感圧面の全面を覆っていることが望ましい。ゲル状材料が圧力センサの感圧面全面を覆うことによって、感圧面の位置による検出圧力の差(偏差)を小さくすることができ、把持力の検出が一層安定する。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る荷役物運搬機用グローブは、
昇降部に吊り下げられた荷物を作業者が反重力方向に持ち上げる持上げ力と、前記昇降部が荷物を吊り上げる吊上げ力とを荷物の重量に釣り合わせることによって荷物を昇降移動する荷役物運搬機において、前記昇降部に保持されるとともに作業者の手に装着されて使用され、荷物を把持する際の把持力を検出する検出部を有するグローブであって、
前記検出部は、
作業者が荷物を把持する把持部の手のひらとの接触側に配置され、流動性を有する圧力測定用流体が充填された流体充填袋として形成される感圧調整部と、
手の甲の外側を巡り両端で前記把持部に対して筒状又は袋状をなして接続される接続部に配置され、前記感圧調整部と連通して前記把持力が加えられたことによる前記感圧調整部の内部圧力の変化を検知する流体圧センサで構成された圧力センサとを備え、
前記検出部により荷物を把持する把持力を検出して、前記吊上げ力及び/又は昇降速度の調整を可能とすることを特徴とする。
【0018】
このように、検出部の感圧調整部は流動性を有する圧力測定用流体(例えば空気)が充填された流体充填袋(例えば空気充填袋)として形成され、圧力センサは把持力が加えられたことによる感圧調整部の内部圧力の変化を検知する流体圧センサで構成されているので、検出部の構成が簡素化される。したがって、把持部の手のひらとの接触側に配置される感圧調整部が手のひらの全面をカバーするように広く形成される場合でも、圧力センサを接続部に配置することによってグローブ(把持部)を相対的に薄く形成することができ、装着性をよくして違和感をなくすことができるから、操作性も向上する。例えば、空気圧センサの場合、圧力測定用の空気がそのまま感圧調整部(空気充填袋)に収容する流動性の流体として用いられるので、作業者の把持力が加わったときその圧力を圧力センサ(空気圧センサ)へ円滑に伝達でき、広い範囲で信号出力が可能となる。このとき、感圧調整部にはこのような流動性の流体(空気等)が充填されているため、固体状のゴム材料等に比べて感圧面積が実質的に拡大されるとともに、出力信号が均等化され、安定したセンサ出力が得られる。しかも、荷物を把持して感圧調整部を押圧する感覚が流動性の流体を介して作業者にも伝わるので、操作性も向上する。
【0019】
すなわち、荷物を把持する把持力を検出部の圧力センサで検出しやすくなり、かつその操作感覚が感圧調整部を通じて作業者に伝わりやすくなるので、作業者の意図する吊上げ力を発生させて持上げ力を軽減させることができる。したがって、初心者の場合でも操作ミスや故障・怪我等を誘発しにくくなり、熟練者の場合には、作業能率を向上させて歩留りをよくすることができる。
【0020】
そして、検出部の感圧調整部は、少なくとも手のひら側の人差し指の付け根付近と小指の付け根付近とにおいて、把持部に装着されていることが望ましい。例えば、両手で荷物を持ち上げたり吊り下げたり挟み込んだりする際に、荷物を把持するために自然に力を出す(力が掛かる)部分に対応して感圧調整部を設けることができるので、把持力を感度よく検出できる。
【0021】
また、検出部の感圧調整部は、手のひらの全面と接触可能な広さを有して把持部に装着されていてもよい。このように、手のひらの全面に感圧調整部を設けることによって、圧力検知領域が広くなり、把持力の調整がより精密にできるようになる。
【0022】
次に、上記課題を解決するために、本発明に係る荷役物運搬機用グローブユニットは、
以上で述べた荷役物運搬機用グローブと、それらから検出部を除いて構成される荷役物運搬機用グローブとが、いずれか一方を右手用とし他方を左手用として、一双に組み合わせて使用されることを特徴とする。
【0023】
このように、例えば、作業内容に応じて、あるいは作業者の利き手に応じて、左右のうちいずれか一方のグローブにのみ検出部を取り付けることによって、製造コストの低減を図ることができる。また、検出信号が片手側からのみ出力されるので、信号処理や演算処理の単純化を図ることができ、グローブユニットひいては荷役物運搬機を安価に提供できる。
【0024】
さらに、上記課題を解決するために、本発明に係る荷役物運搬機は、
以上で述べた荷役物運搬機用グローブ、又は一双の荷役物運搬機用グローブユニットが、昇降部に保持されるとともに作業者の手に装着されて使用され、
検出部により荷物を把持する把持力を検出して、吊上げ力及び/又は昇降速度の調整を可能とすることを特徴とする。
【0025】
これによって、荷役物運搬機の用途に応じて、あるいは作業内容に応じて、グローブ1個(検出部付き)の片手仕様と、グローブ2個(両側検出部付き)の両手仕様と、グローブ2個(片側検出部付き)の両手仕様(グローブユニット)とを使い分けることができ、適用範囲が広くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(実施例1)
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係るグローブユニットと荷役物運搬機を用いた荷役運搬作業を例示する斜視図、図2はその部分拡大図である。図1に示すように、荷役物運搬機1の昇降アーム5(昇降部)に吊り下げられた荷物L(荷役物;搬送対象物)を作業者が反重力方向に持ち上げる際に、昇降アーム5では荷物Lを吊り上げる吊上げ力を発生する。このとき、作業者の持上げ力と昇降アームの吊上げ力とを荷物の重量に釣り合わせることによって、すなわち吊上げ力により持上げ力をアシストすることによって、荷物Lを容易に昇降移動することができる。
【0027】
具体的には、台座2に旋回台3が支承され、旋回台3上に固定配置された本体部4に昇降アーム5が取り付けられている。昇降アーム5の先端部(下端部)には、二又状の吊下げ枠6に沿って移動可能な一対の吊下げベルト7,7(連結具)と、各吊下げベルト7,7の先端部(下端部)に取り付けられるフック8,8(接続具)とを介して、左右一双のグローブ10L,10R(荷役物運搬機用グローブ;図4参照)からなるグローブユニット10(荷役物運搬機用グローブユニット)が吊り下げ保持されている。
【0028】
図2に示すように、グローブユニット10を構成する何れか一方のグローブ(例えば、右手用グローブ10R)は、荷物Lを把持する際の把持力を検出する検出部20を有している。荷役運搬作業の際、グローブユニット10は作業者の手Hに装着されて使用され、右手用グローブ10Rの検出部20により荷物Lを把持する把持力を検出して、吊上げ力又は昇降速度の調整を可能としている。
【0029】
図3は荷役物運搬機の制御ブロック図を示す。荷役物運搬機1の制御部30では、右手用グローブ10Rの検出部20により検出される把持力に応じた吊上げ力(アシスト力)と上昇速度を演算し、切換弁40を駆動制御するための制御信号を出力する。空気圧シリンダ50(昇降シリンダ)は切換弁40の駆動制御によって供給される空気量(空気圧)に応じて昇降アーム5を昇降する。
【0030】
例えば、作業者が荷物Lを反重力方向に持ち上げる際には、検出部20による把持力は増大して(相対的に大きく)検出される。したがって、制御部30は把持力の増加度合に応じた吊上げ力と上昇速度を発生するようにa位置からb位置へ切換弁40を駆動制御し、空気圧シリンダ50を作動させて、昇降アーム5で荷物Lを上昇させる。一方、作業者が荷物Lを重力方向に降ろす際には、検出部20による把持力は減少して(対的に小さく)検出される。したがって、制御部30は把持力の減少度合に応じた負の吊上げ力と下降速度を発生するように切換弁40をa位置からc位置へ駆動制御し、空気圧シリンダ50を作動させて、昇降アーム5で荷物Lを下降させる。
【0031】
次に、図4は本発明に係るグローブユニットの一例を示す正面図、図5はその背面図、図6は右手用グローブの把持部及び接続部の断面図、図7は検出部の断面図である。図4及び図5に示すように、グローブユニット10を構成する左右のグローブ10L,10Rはそれぞれ、作業者が荷物Lを把持する把持部11と、手の甲HB(図6参照)の外側を巡り両端で把持部11に対して筒状(又は、図6(b)において手のひらHPの先の手指HFの先端側が閉じられた袋状)をなして接続される接続部12とを有している。また、各グローブ10L,10Rには、接続部12のさらに手の甲HBの外側において、手の甲HBの外側を巡り両端で把持部11及び接続部12に対して環状をなして接続されるループ部材13が配置されている(図6(a)参照)。
【0032】
図6に示すように、各グローブ10L,10Rの把持部11は、主体をなす生地111を挟んで、その生地111に対して荷物Lとの接触側に配置される外側部材112と、生地111に対して作業者の手のひらHP及び手指HFとの接触側に配置される内側部材113とが、それぞれ接着剤層115によって接着されて積層・一体化されている。把持部11の生地111は、高強度・高弾性率繊維(例えば炭素繊維、具体的には「トレカ」[東レ登録商標]等)を用いた強化布で構成され、グローブ10L,10Rの安全性と耐久性とを高めてある。外側部材112は、合成ゴム材料(例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR))で板状(又はシート状)に形成され、荷物Lと直接接触する。内側部材113は、高分子材料(例えば、シリコーン)で板状(又はシート状)に形成され、作業者の手指HFと直接接触する。
【0033】
このように、荷物Lを把持する際に外側部材112は荷物Lとの間で、一方、内側部材113は作業者の手指HFとの間で、それぞれ滑り止めとして機能する。また、生地111を挟んで外側部材112と内側部材113とが3層の積層状に一体形成されているので把持部11が強化され、昇降アーム5(図1参照)に吊り下げられた荷物Lを把持部11により安定して把持することにより、検出部20で検出される把持力に応じ作業者の意図する吊上げ力を発生させて持上げ力を軽減させることができる。さらに、荷物Lと接触する外側部材112及び作業者の手指HFと接触する内側部材113の摩擦係数は、いずれも生地111の摩擦係数よりも大きいため、昇降アーム5に吊り下げられた荷物Lを一層安定して把持することができる。
【0034】
なお、荷物Lと接触する外側部材112の摩擦係数が手指HFと接触する内側部材113の摩擦係数よりも大きく設定されているので、荷物Lの把持の安全性がさらに高められる。また、内側部材113の厚さが外側部材112の厚さよりも薄く形成されているので、荷物Lと接触する外側部材112における耐久性の向上と、手指HFと接触する内側部材113における操作性(操作フィーリング)の向上とを同時に達成することができる。
【0035】
このような把持部11のさらに内側(すなわち、内側部材113の手のひらHPとの接触側)には、手のひらHPと直接接触する補強部材114が上記した3層構造体と縫い合わせられて積層状に一体形成されている。つまり、各グローブ10L,10Rの把持部11のうち、手のひらHP部分は補強部材114を含む4層の積層状に一体化構成されている。そして、この補強部材114は、生地111と同様に高強度・高弾性率繊維(例えば炭素繊維、具体的には「トレカ」[東レ登録商標]等)を用いた強化布で構成されている。このように、把持部11の手のひらHP部分は4層一体化構造によりさらに強化され、長期間にわたり荷物Lを安全に把持して把持力を検出できる。
【0036】
ところで、右手用グローブ10Rの補強部材114は、右手小指の付け根付近における手のひらHPとの接触部位が切除(切除部分114a;図4参照)されている。そして、切除部分114aから露出する内側部材113と補強部材114とに跨って、上記した検出部20が面ファスナ25(装着部材)を介して着脱可能に装着されている(図4参照)。同様に、右手人差し指の付け根付近における手指HFとの接触部位の内側部材113にも、上記した検出部20が面ファスナ25を介して着脱可能に装着されている(図4参照)。このように、手Hで荷物Lを持ち上げたり吊り下げたり挟み込んだりする際に、荷物Lを把持するために自然に力を出す(力が掛かる)部分である小指の付け根付近と人差し指の付け根付近とに対応して、それぞれ検出部20を設けているので、作業者の把持力を感度よく検出できる。
【0037】
さらに、各グローブ10L,10Rの把持部11の補強部材114は、接続部12において手の甲HBと接触する接触部材121を構成するために、手の甲HBに沿って延長形成されている。そして、接続部12の接触部材121は手の甲HBに対応して部分的に切除される(切除部121a;図5参照)とともに、その接触部材121の外側には、背面部材122が接触部材121と縫い合わせられて積層状に一体形成されている。この背面部材122は、熱及び水蒸気の流通を許容し、水分の流通を阻止又は抑制することのできる透湿・防水性素材(例えば、「フュージョン」[旭化成登録商標]等)をメッシュ状に編むことによって通気性を向上させてある。
【0038】
主として荷物Lを把持するための把持力が作用する把持部11の生地111及び補強部材114と、荷物Lを持ち上げるための持上げ力が作用する接続部12の接触部材121とに、このような高強度・高弾性率繊維を用いることによって、各グローブ10L,10Rの安全性と耐久性とをともに高めることができる。また、背面部材122を透湿・防水性素材で構成することによって、把持部11と接続部12とで囲まれた各グローブ10L,10Rの内部空間内の蒸れを解消できる。したがって、両手Hにグローブ10L,10Rを装着し、長時間にわたって連続作業を行う場合でも、作業者は安全で快適な環境で作業を続けることができる。
【0039】
さらに、ループ部材13は、昇降アーム5の下端部に連結された吊下げベルト7に対して、把持部11が横向き、上向き、下向き等に姿勢変更自在となるように、フック8を介して吊り下げ保持されている(図1参照)。つまり、荷物Lを把持する作業者の手Hの姿勢変化に追従して、昇降アーム5に対するループ部材13の連結位置が移動可能とされている。したがって、例えば作業者が手H(手首)を回転させれば、把持部11の姿勢変更に伴ってループ部材13の連結位置が移動可能となるので、荷物Lの大きさ、形状、重量等が異なっても、作業者は無理のない作業姿勢で荷物Lを把持することができる。
【0040】
図7に示すように、右手用グローブ10Rに取り付けられる各検出部20,20は、把持部11の手のひらHPとの接触側に配置される圧力センサ21と、圧力センサ21の感圧面側に直接(又は袋等の容器に収容されて間接的に)接触する形で配置される感圧調整部22と、圧力センサ21の感圧面側とは反対側に配置されるセンサ基板23とを備えている。圧力センサ21は、感圧調整部22を介して把持力が加えられたことによる電気抵抗の変化を検知する板状(又はシート状)の感圧センサで構成されている。感圧調整部22は、弾性変形可能な半固体高分子材料であるゲル状材料(例えばシリコーン)を含むゲル収容部に形成されるとともに、圧力センサ21の感圧面の全面を覆っている。センサ基板23は、圧力センサ21を実装するとともに、圧力センサ21で検知された検出信号を外部出力するためのリード線W(信号線)を有している。そして、圧力センサ21と感圧調整部22とセンサ基板23とが保護部材24によって包囲され、このようにして保護部材24で包まれた検出部20が、面ファスナ25(装着部材)を介し、把持部11に対して着脱可能に装着されている。
【0041】
このように、荷物Lを把持するために自然に力を出す(力が掛かる)部分である手のひらHP側の人差し指の付け根付近と小指の付け根付近とに対応して、検出部20の圧力センサ21を設けているので、両手Hで荷物Lを持ち上げたり吊り下げたり挟み込んだりする際の把持力を感度よく検出できる。また、感圧調整部22がシリコーン等のゲル状材料で構成され、そのゲル状材料は圧力センサ21の感圧面全面を覆っているので、把持力を受けたときに感圧面全面に広がるようにほぼ全体が変形してその把持力を受け止めることができる。これによって、圧力センサ21(検出部20)では、感圧面全体にわたって均一(一様で平坦)な出力信号分布が得られるとともに、感圧面の位置による検出圧力の差(偏差)を小さくすることができ、把持力の検出が安定する。
【0042】
さらに、保護部材24で覆われた検出部20が把持部11に対して着脱可能であるため、作業ごと、荷物ごと及び作業者ごとに準備されたグローブ10に検出部20(圧力センサ21)だけを装着(付け替え)すれば、直ちに荷役物運搬作業を開始でき、作業効率を向上させることができる。なお、保護部材24を、上記した背面部材122(図6参照)に用いた透湿・防水性素材(例えば「フュージョン」[旭化成登録商標])で構成する場合には、右手用グローブ10R内部で発生する汗等の水分の検出部20内への浸入を阻止(抑制)できるので、電気的なショートによる圧力センサ21からの信号出力途絶を防止できる。
【0043】
(実施例2)
次に、図8は本発明に係るグローブユニットの他の例を示す正面図、図9はその背面図、図10は右手用グローブの把持部及び接続部の断面図である。図8及び図9に示すように、グローブユニット10’(荷役物運搬機用グローブユニット)を構成する左右のグローブ10L’,10R’(荷役物運搬機用グローブ)はそれぞれ、作業者が荷物Lを把持する把持部11と、手の甲HB(図10参照)の外側を巡り両端で把持部11に対して筒状(又は、図10において手のひらHPの先の手指HFの先端側が閉じられた袋状)をなして接続される接続部12とを有している。また、各グローブ10L’,10R’の縁部には、その縁部から外方に突出し方向転換して元の縁部に戻る方向転換部材14(取付部材)が固定配置されている。具体的には、方向転換部材14は、その両端部が把持部11と接続部12との少なくとも一方の縁部に縫い付けられて、フック8(接続具)を吊り下げ保持している。このようにして、フック8は、昇降アーム5(昇降部)の下端部に連結された吊下げベルト7(連結具)と、グローブ10L’,10R’の方向転換部材14とを接続している(図1参照)。
【0044】
図10に示すように、各グローブ10L’,10R’の把持部11は、主体をなす生地111を挟んで、その生地111に対して荷物Lとの接触側に配置される外側部材112と、生地111に対して作業者の手のひらHP及び手指HFとの接触側に配置される内側部材113とが、それぞれ接着剤層115によって接着されて積層・一体化されている。さらに、各グローブ10L’,10R’の把持部11の生地111は、接続部12において手の甲HBと接触する接触部材121を構成するために、手の甲HBに沿って延長形成されている。そして、接続部12の接触部材121は手の甲HBに対応して部分的に切除される(切除部121a;図9参照)とともに、その接触部材121の外側には、背面部材122が接触部材121と縫い合わせられて積層状に一体形成されている。
【0045】
主として荷物Lを把持するための把持力が作用する把持部11の生地111と、荷物Lを持ち上げるための持上げ力が作用する接続部12の接触部材121とに、高強度・高弾性率繊維を用いることによって、各グローブ10L’,10R’の安全性と耐久性とをともに高めることができる。また、背面部材122を透湿・防水性素材で構成することによって、把持部11と接続部12とで囲まれた各グローブ10L’,10R’の内部空間内の蒸れを解消できる。したがって、両手Hにグローブ10L’,10R’を装着し、長時間にわたって連続作業を行う場合でも、作業者は安全で快適な環境で作業を続けることができる。
【0046】
図10に示すように、右手用グローブ10R’に取り付けられる検出部20’は、把持部11の手のひらHPとの接触側に配置される感圧調整部22’と、接続部12に配置される圧力センサ21’とを備えている。感圧調整部22’は、流動性を有する所定圧の空気(圧力測定用流体)が充填された空気充填袋(流体充填袋)に形成されるとともに、手のひらHPの全面と接触可能な広さを有して把持部11の内側部材113に装着されている。圧力センサ21’は、チューブ26(連通管)を介して感圧調整部22’と連通され、把持力が加えられたことによる感圧調整部22’の内部圧力の変化を検知する空気圧センサ(流体圧センサ)で構成されるとともに、背面部材122の外面に装着されている。なお、検出部20’にはセンサ基板は不要であり、検出信号を外部出力するためのリード線W(信号線)は圧力センサ21’から延出されている。
【0047】
このように、圧力測定用の空気がそのまま感圧調整部22’に収容する流動性の流体として用いられるので、検出部20’の構成が簡素化され、作業者の把持力が加わったときその圧力を圧力センサ21’へ円滑に伝達でき、広い範囲で信号出力が可能となる。また、把持部11の手のひらHPとの接触側に配置される感圧調整部22’が手のひらHPの全面をカバーするように広く形成されていても、圧力センサ21’を接続部12に配置することによって把持部11を相対的に薄く形成することができる。感圧調整部22’には空気が充填されているため、感圧面積が実質的に拡大されるとともに、出力信号が均等化され、安定したセンサ出力が得られる。しかも、荷物Lを把持して感圧調整部22’を押圧する感覚が空気を介して作業者にも伝わるので、操作性も向上する。
【0048】
なお、実施例2(図8〜図10)において実施例1(図4〜図7)と共通する機能を有する部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0049】
以上の実施例では、
(1)検出部付きの右手用グローブと検出部なしの左手用グローブとを組み合わせたグローブユニット仕様;
を用いた場合について説明した。この仕様では、例えば、作業内容に応じて、あるいは作業者の利き手に応じて、左右のうちいずれか一方のグローブにのみ検出部を取り付けることによって、製造コストの低減を図ることができる。また、検出信号が片手側からのみ出力されるので、信号処理や演算処理の単純化を図ることができ、グローブユニットひいては荷役物運搬機を安価に提供できる。
【0050】
あるいは、
(2)検出部付きの片手用グローブ仕様;
(3)一双の検出部付きグローブ仕様;
を用いてもよい。このうち、検出部付きの片手用グローブ仕様の場合、最も安価な荷役物運搬機用グローブを提供できる。他方、一双の検出部付きグローブ仕様の場合、一方の検出部に故障等が生じても他方の検出部によって把持力の検出が可能となり、安全性が向上する。
【0051】
しかも、各検出部がいずれのグローブ(の把持部)にも着脱可能とすれば、荷役物運搬機の用途に応じて、あるいは作業内容に応じて、以上に述べた(1)〜(3)の各仕様を使い分けることができ、適用範囲がさらに広くなる。
【0052】
なお、本発明は、実施例に記載したミトンタイプのグローブ以外に、手指HF部分が個々の指毎に袋状に形成されたグローブや、把持部11と接続部12とが筒状に形成され手指HF部分を有しない(保護しない)グローブにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係るグローブユニットと荷役物運搬機を用いた荷役運搬作業を例示する斜視図。
【図2】図1の部分拡大図。
【図3】図1の荷役物運搬機の制御ブロック図。
【図4】本発明に係るグローブユニットの一例を示す正面図。
【図5】図4の背面図。
【図6】右手用グローブの把持部及び接続部のA−A断面図及びB−B断面図。
【図7】検出部の断面図。
【図8】本発明に係るグローブユニットの他の例を示す正面図。
【図9】図8の背面図。
【図10】右手用グローブの把持部及び接続部のC−C断面図及びD−D断面図。
【符号の説明】
【0054】
1 荷役物運搬機
2 台座
3 旋回台
4 本体部
5 昇降アーム(昇降部)
6 吊下げ枠
7,7 吊下げベルト(連結具)
8,8 フック(接続具)
10 グローブユニット(荷役物運搬機用グローブユニット)
10R 右手用グローブ(荷役物運搬機用グローブ)
10L 左手用グローブ(荷役物運搬機用グローブ)
11 把持部
111 生地
112 外側部材
113 内側部材
114 補強部材
114a 切除部分
115 接着剤層
12 接続部
121 接触部材
121a 切除部
122 背面部材
13 ループ部材
14 方向転換部材(取付部材)
20 検出部
21 圧力センサ(感圧センサ)
22 感圧調整部(ゲル収容部)
23 センサ基板
24 保護部材
25 面ファスナ(装着部材)
L 荷物(荷役物;搬送対象物)
W リード線(信号線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降部に吊り下げられた荷物を作業者が反重力方向に持ち上げる持上げ力と、前記昇降部が荷物を吊り上げる吊上げ力とを荷物の重量に釣り合わせることによって荷物を昇降移動する荷役物運搬機において、前記昇降部に保持されるとともに作業者の手に装着されて使用され、荷物を把持する際の把持力を検出する検出部を有するグローブであって、
前記検出部は、
作業者が荷物を把持する把持部の手のひらとの接触側に配置され、荷物を把持する把持力を検出するための板状、シート状又は袋状の圧力センサと、
その圧力センサの感圧面と一体化される形で、又は感圧面側に直接若しくは他部材を介して間接的に接触する形で配置され、流動性を有する流体又は弾性変形可能な半固体若しくは固体を含む感圧調整部と、
前記圧力センサの感圧面側とは反対側に配置され、その圧力センサを実装するためのセンサ基板とを備え、
前記検出部により荷物を把持する把持力を検出して、前記吊上げ力及び/又は昇降速度の調整を可能とすることを特徴とする荷役物運搬機用グローブ。
【請求項2】
前記感圧調整部は、感圧面側に接触して配置され、弾性変形可能なゲル状材料を含むゲル収容部に形成されるとともに、
前記検出部は、前記圧力センサとゲル収容部とセンサ基板とを包む保護部材が面ファスナ等の装着部材を介し、前記把持部に対して着脱可能に装着されている請求項1に記載の荷役物運搬機用グローブ。
【請求項3】
前記圧力センサは、前記ゲル収容部を介して前記把持力が加えられたことによる電気抵抗の変化を検知する板状又はシート状の感圧センサで構成されている請求項2に記載の荷役物運搬機用グローブ。
【請求項4】
前記ゲル状材料は、シリコーン等の半固体高分子材料で構成され、前記圧力センサの感圧面の全面を覆っている請求項2又は3に記載の荷役物運搬機用グローブ。
【請求項5】
昇降部に吊り下げられた荷物を作業者が反重力方向に持ち上げる持上げ力と、前記昇降部が荷物を吊り上げる吊上げ力とを荷物の重量に釣り合わせることによって荷物を昇降移動する荷役物運搬機において、前記昇降部に保持されるとともに作業者の手に装着されて使用され、荷物を把持する際の把持力を検出する検出部を有するグローブであって、
前記検出部は、
作業者が荷物を把持する把持部の手のひらとの接触側に配置され、流動性を有する圧力測定用流体が充填された流体充填袋として形成される感圧調整部と、
手の甲の外側を巡り両端で前記把持部に対して筒状又は袋状をなして接続される接続部に配置され、前記感圧調整部と連通して前記把持力が加えられたことによる前記感圧調整部の内部圧力の変化を検知する流体圧センサで構成された圧力センサとを備え、
前記検出部により荷物を把持する把持力を検出して、前記吊上げ力及び/又は昇降速度の調整を可能とすることを特徴とする荷役物運搬機用グローブ。
【請求項6】
前記検出部の感圧調整部は、少なくとも手のひら側の人差し指の付け根付近と小指の付け根付近とにおいて、前記把持部に装着されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の荷役物運搬機用グローブ。
【請求項7】
前記検出部の感圧調整部は、手のひらの全面と接触可能な広さを有して前記把持部に装着されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の荷役物運搬機用グローブ。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の荷役物運搬機用グローブと、前記検出部を除いて構成される請求項1ないし7のいずれか1項に記載の荷役物運搬機用グローブとが、いずれか一方を右手用とし他方を左手用として、一双に組み合わせて使用されることを特徴とする荷役物運搬機用グローブユニット。
【請求項9】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の荷役物運搬機用グローブ、又は請求項8に記載の荷役物運搬機用グローブユニットが、前記昇降部に保持されるとともに作業者の手に装着されて使用され、
前記検出部により荷物を把持する把持力を検出して、前記吊上げ力及び/又は昇降速度の調整を可能とすることを特徴とする荷役物運搬機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−184277(P2008−184277A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−19298(P2007−19298)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000100735)アイコクアルファ株式会社 (17)