説明

荷物の配達完了通知方法

【課題】Web上で配達完了通知依頼の予約を受け付け、配達が完了したら速やかに配達完了通知を送信できるようにする。
【解決手段】配達完了通知依頼情報を受信すると、運送情報を蓄積する集配マスタサーバにおいて、該配達識別情報と関連付けられている運送案件の運送案件レコードを配達完了通知待ちステータスとし、配達者端末(ドライバーの端末)から配達完了情報を受信すると、荷物追跡情報を蓄積する荷物追跡情報管理サーバにおいて、該配達識別情報と関連付けられている運送案件の荷物追跡情報レコードを配達完了ステータスとし、次に、集配マスタサーバに蓄積された運送情報と荷物追跡情報管理サーバが蓄積された荷物追跡情報とを照合し、新たに配達完了ステータスとなった運送案件レコードに関連付けられているIPアドレス宛に配達完了情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを利用した各種宅配サービスの提供方法、特にWeb上で配達完了通知依頼を受け付けて円滑に処理することができる荷物の配達完了通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及に伴って宅配サービスに関する様々なビジネスモデルが提案されている。その中には、Web上で宅配サービスの予約を受け付けるサービスも種々提案されている(例えば特許文献1など参照)。Web上で宅配サービスの受付ができれば、宅配業者の営業時間を気にすることなく予約することが可能になり、しかも面倒な必要事項(宅配依頼者の住所・電話番号や配送先の住所・電話番号など)の記入や連絡も簡便化されることを期待することができる。
【特許文献1】特開平11−53441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来提案されていたWeb上で宅配サービスの集荷を受け付けるビジネスモデルをみると、集荷を受け付けた後の処理工程、すなわち実際に配達を完了するまでの情報の処理手順や、配達完了後にサービス内容のチェックまで考慮している提案は少なく、円滑な宅配サービスを実現するためには未だ多くの課題が残されていた。
【0004】
そこで本発明は、インターネットを利用した宅配システムにおいて、Web上で宅配サービス利用の予約を受け付けることでき、速やかで質の高い宅配サービスを提供することができるネット利用宅配システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決するため、本発明は、配達識別情報を含む配達完了通知依頼情報を、ユーザー端末からネット利用宅配システムが受信すると、ネット利用宅配システムは、運送情報を蓄積する集配マスタサーバにおいて、該配達識別情報と関連付けられている運送案件の運送案件レコードを配達完了通知待ちステータスとするステップ、
配達識別情報を含む配達完了情報を、配達者端末からネット利用宅配システムが受信すると、ネット利用宅配システムは、荷物追跡情報を蓄積する荷物追跡情報管理サーバにおいて、該配達識別情報と関連付けられている運送案件の荷物追跡情報レコードを配達完了ステータスとするステップ、
ネット利用宅配システムは、集配マスタサーバに蓄積された運送情報と荷物追跡情報管理サーバに蓄積された荷物追跡情報とを随時又は定期的に照合し、照合の結果、配達完了通知待ちステータスの運送案件の中で新たに配達完了ステータスとなった運送案件レコードを抽出し、当該運送案件レコードに関連付けられているIPアドレス宛に配達完了情報を送信するステップ、を備えた荷物の配達完了通知方法を提案する。
【0006】
上記の荷物の配達完了通知方法において、甲がデパートを介して荷物(例えばお中元)を送る場合、荷物の集荷依頼者であるデパートのIPアドレスと、真の送り主である甲のIPアドレスとの両方を当該運送案件の運送案件レコードに関連付けておき、配達完了情報を両方のIPアドレス宛に送信するようにすることができる。
【0007】
なお、各種依頼情報の送受信は、Web或いはEメールに限らず、EDI(Electronic Data Interchange)により電子化したデータとして送受信することも可能である。
本発明において「IPアドレス」とは、インターネットに限らず、各種ネットワーク内の端末識別情報、言い換えればデータ送信先を特定し得る識別番号の意であり、Eメールアドレスを包含している。
また、本発明における「配達担当者」は、荷物の集荷及び配達をする担当者、すなわち担当地域の荷物の集荷及び配達をする者であり、宅配業界ではドライバーとも呼ばれている。
また、本発明における「配達識別情報」は、伝票番号や集荷受付番号など運送案件一件一件を識別し得る情報のことを意味している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
(実施形態1)
本実施形態のネット利用宅配システムは、個人情報登録システム、集荷システム、お届け事前通知システム、配達日時変更システム、再配達システム及び宅配管理システムを包含するものである。
【0010】
図1はこのネット利用宅配システムを実現するための一例としてのシステム構成を示した図であり、Webサーバ1と、顧客情報データベースサーバ(以下「顧客DB」という)2と、物流拠点マスタサーバ(以下「物流拠点マスタ」という)3と、集配マスタサーバ(以下「集配マスタ」という)4と、宅配管理サーバ5と、メールサーバ6と、コンピュータネットワーク(以下「ネットワーク」という)7を介してメールサーバ6に接続する多数の物流拠点サーバ8と、配達者端末9とからなり、インターネット10を介して本システムを利用するユーザーのユーザー端末11と接続している。なお、上記サーバの実体はいずれもプログラムであり、1台若しくは複数台のコンピュータに格納されている。
【0011】
Webサーバ1は、個人情報登録受付手段、集荷依頼受付手段、集荷ファイル手段(以下「集荷ファイル」という)、集荷依頼受付通知手段、集荷依頼振分け手段、配達予定通知手段、配達日時変更依頼受付手段及び配達日時変更依頼ファイル手段(以下「配達変更ファイル」という)、再配達依頼受付手段、再配達ファイル手段(以下「再配達ファイル」という)、再配達依頼受付通知手段、再配達依頼振分け手段を備えると共に、ユーザー端末11とのインターフェースとしてWeb上に図2及び図3に示す構造のWebサイト(以下「ヤマト運輸ホームページ」という。)を開設している。
【0012】
個人情報登録受付手段は、ユーザー端末11からインターネット10を介して送られてきた個人情報登録要求を受信したら、この要求に応じてヤマト運輸ホームページの「個人情報登録受付画面」をそのユーザー端末11に送信し、当該画面に従って記入されユーザー端末11から送られてきた顧客情報(住所、氏名、電話番号、E-mailアドレス等)を受信し、これを顧客DB2に送信する機能を備えている。
【0013】
集荷依頼受付手段は、ユーザー端末11からインターネット10を介して送られてきた集荷依頼要求を受信したら、この要求に応じてヤマト運輸ホームページの「集荷依頼画面」をそのユーザー端末11に送信する。そして、当該画面に従って記入されユーザー端末11から送られてきた集荷依頼情報(集荷希望日時(時間帯含む)、住所・氏名・電話番号などの集荷先情報、配達希望日時(時間帯含む)、届け先住所・届け先氏名・届け先電話番号・届け先Eメールアドレス等の届け先情報、品名・サイズなどの品物情報、支払方法など)を受信したら、受信内容にエラーがあった場合には修正した上、集荷ファイルに送信して記憶させる機能を備えている。なお、集荷依頼情報はWeb上で受け付けることも、Eメールで受け付けることも、またEDIによるデータとして受付けることも可能である。集荷依頼受付通知手段は、ユーザー端末11からインターネット10を介して送られてきた集荷依頼要求を受信したら、この要求に応じて「集荷依頼を受信した旨のメール」をインターネット10を介してそのユーザー端末11に送信する機能を備えている。集荷依頼振分け手段は、集荷依頼情報の住所をもとに物流拠点マスタ3から担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9を抽出し、この担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9の情報(IPアドレス情報)と共に集荷依頼情報を集配マスタ4に送信する。そして、営業時間内であれば、メールサーバ4及びネットワーク7を介してその担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9に集荷ファイル内の集荷依頼情報を(必要に応じて加工して)送信し、営業時間外であれば担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9には送信しない機能を備えている。なお、物流拠点マスタ3から担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9を抽出する検索キーは、上記の如く集荷依頼情報の住所であってもよいが、電話番号その他の担当地域を特定できる情報であれば採用することができる。
【0014】
配達予定通知手段は、上記の集荷依頼情報内に届け先Eメールアドレスが記載されていればこのアドレスのユーザー端末11に、もし記載されていなければ集荷依頼情報内の届け先情報をもとに顧客DB2から届け先Eメールアドレスのユーザー端末11を抽出し、このEメールアドレスに集荷依頼情報の配達希望日時(表示としては配達予定日時)と配達識別情報(伝票番号など)とを含む配達情報をインターネット10を介して送信する機能を備えている。なお、このように集荷依頼情報内に配達予定通知依頼情報を含ませることも可能であるが、配達予定通知依頼手段を別に設け、配達予定通知依頼情報を単独で受信するように設計することも可能である。
【0015】
配達日時変更依頼受付手段は、上記配達予定通知手段によって配達予定日時を通知したユーザー端末11からインターネット10を介して配達日時変更依頼情報(配達希望日時(日と時間帯)及び配達識別情報を含む)を受信すると、このユーザー端末11に「配達日時変更依頼を受信した旨のメール」を送信し、受信内容にエラーがあった場合には修正した上、その配達日時変更依頼情報を配達変更ファイルに記憶させると共に、その配達日時変更依頼情報を配達識別情報と共に集配マスタ4に送信する。そして、営業時間内であれば、配達識別情報をもとに物流拠点マスタ3及び集配マスタ4から担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9、正確にはこれらのEメールアドレスを抽出させ、担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9(いずれか一つでもよい)にメールサーバ4及びネットワーク7を介してその配達日時変更依頼情報を送信し、営業時間外の場合には担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9に対しては送信しない機能を備えている。なお、配達日時変更依頼情報はWeb上で受け付けることも、Eメールで受け付けることも、またEDIによるデータとして受付けることもできる。また、配達日時変更依頼情報の必要事項の記入を促す画面をホームページ内に掲載するようにしてもよい。
【0016】
再配達依頼受付手段は、ユーザー端末11からインターネット10を介して送られてきた再配達依頼要求を受信したら、この要求に応じてヤマト運輸ホームページの「再配達依頼画面」をそのユーザー端末11に送信する。そして、当該画面に従って記入されユーザー端末11から送られてきた再配達依頼情報(お届け日・エリアコード・伝票番号(配達識別情報)・店所コードなどの配達情報、再配達希望日時(時間帯含む)、住所・氏名・電話番号・届け先Eメールアドレスなどの再届け先情報など)を受信したら、受信内容にエラーがあった場合には修正した上て再配達ファイルに記憶させる機能を備えている。なお、再配達依頼情報はWeb上で受け付けることも、Eメールで受け付けることも、またEDIによるデータとして受付けることもできる。再配達依頼受付通知手段は、ユーザー端末11からインターネット10を介して送られてきた再配達依頼要求を受信したら、「再配達依頼を受信した旨のメール(伝票番号含む)」をインターネット10を介してそのユーザー端末11に送信する機能を備えている。再配達依頼振分け手段は、伝票番号(配達識別情報)と共にその再配達依頼情報を集配マスタ4に送信すると共に、営業時間内であれば、伝票番号(配達識別情報)をもとに集配マスタ4から担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9を抽出し、メールサーバ4及びネットワーク7を介して担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9に再配達ファイル内の再配達依頼情報を(必要に応じて加工して)送信し、営業時間外であれば、担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9に送信しない機能を備えている。
【0017】
顧客DB2は、Webサーバ1の個人情報登録受付手段から送られてきた顧客情報(住所、氏名、電話番号、E-mailアドレス等)を属性毎に関係づけてデータベース化して蓄積すると共に、検索要求に応じて検索を実行し結果を送信する機能を備えている。
【0018】
物流拠点マスタ3は、宅配システムの物流拠点(支社、営業所)及び配達者(ドライバー)の属性情報(担当地域、所在地、電話番号、ネットワークアドレスなど)をデータベース化して蓄積すると共に、検索要求に応じて検索を実行し結果を送信する機能を備えている。
【0019】
集配マスタ4は、集荷依頼情報、再配達依頼情報及び配達日時変更依頼情報(これらを総称して運送情報という)、更には担当配達者端末9から送られてくる集荷完了情報及び配達完了情報(これらを総称して荷物追跡情報という)を全てデータベース化して格納すると共に、Webサーバ1や宅配管理サーバ5などからの検索要求に応じて検索を実行し、必要に応じて演算処理及び加工処理した上でその結果を送信する機能を備えている。なお、集配マスタ4の機能のうち、荷物追跡情報を別のサーバ(荷物追跡情報管理サーバ)で蓄積するように構成することも可能である。
【0020】
宅配管理サーバ5は、集配マスタ4内の集荷依頼情報と集荷完了情報、再配達依頼情報若しくは配達日時変更依頼情報と配達完了情報とを照合させ(すなわち、運送に関する依頼情報とこれに対応した荷物追跡情報とを照合させ)、集荷完了情報及び配達完了情報の存在しない依頼情報を抽出させると共に、それぞれの希望日時と実際の集荷日時若しくは配達日時との差を演算させ、必要に応じて配達者毎或いは営業所毎に集計させるなどの命令を作成し、この命令を集配マスタ4に送信し実行させる機能と共に、集配マスタ4からの結果に基づいて配達サービス内容の評価を行い得る機能を備えている。
【0021】
メールサーバ6は、少なくとも通常のメールサーバの機能は備えており、ネットワーク7に接続され本社系(Webサーバ1、顧客DB2、集配マスタ4、宅配管理サーバ5)のインターフェースとして機能し、このメールサーバ6を介して配達者端末9に直接すなわち物流拠点サーバ8を介さないで送受信することができる機能を備えている。
【0022】
ネットワーク7は、インターネットのような公衆回線網であっても専用回線網であってもよい。
【0023】
物流拠点サーバ8は、宅配担当エリア毎に設けられた宅配サービス拠点(支社、営業所、コールセンターなどを含む)に配設されたサーバであって、ネットワーク7を介して送られてきた集荷依頼情報、再配達依頼情報及び配達日時変更依頼情報を受信し記憶すると共に、これら集荷依頼情報、再配達依頼情報及び配達日時変更依頼情報をそのまま或いは加工して配達者端末9に送信する機能を備えている。また、各種依頼情報を受信した際、特殊なスクリーンセーバーを立ち上げたり、情報受信表示を点滅させるなど、画面上に注意を喚起する表示を促す機能も備えている。さらにこの物流拠点サーバ8は、営業開始時のサーバ立上げと同時に、集配マスタ4に対して新規依頼情報(集荷依頼情報、再配達依頼情報及び配達日時変更依頼情報)の送信要求を送信し、この物流拠点サーバ8が担当する新規依頼情報を受信する機能をも備えている。
【0024】
配達者端末9は、配達者(ドライバー)が携帯したり或いは配達車に設置された端末(小型コンピュータ)であり、メールサーバ6及び物流拠点サーバ8と無線で信号を送受信できる機能を備えており、メールサーバ6から直接集荷依頼情報、再配達依頼情報及び配達日時変更依頼情報を受信し記憶し画面表示することができる。また、営業開始時の立上げ(スイッチオン)と同時に、集配マスタ4又は物流拠点サーバ8に対して新規依頼情報(集荷依頼情報、再配達依頼情報及び配達日時変更依頼情報)の送信要求を送信し、この配達者端末9サーバが担当する新規依頼情報を受信する機能も備えている。さらにまた、この配達者端末9は、配達完了時刻と配達識別情報とを含む配達完了情報、及び集荷完了時刻と配達識別情報とを含む集荷完了情報を、物流拠点サーバ8並びに集配マスタ4に送信することができる機能も備えている。
【0025】
ユーザー端末11は、インターネット10に接続されている端末を全て包含するものであり、宅配依頼者の端末及び宅配先の端末のいずれも含む。また、端末の種類はコンピュータであっても携帯電話などの携帯端末であってもよい。
【0026】
以下、本実施形態におけるネットワーク利用宅配システムの処理動作について説明する。
【0027】
(個人情報の登録システム)
本ネット利用宅配システムを利用するためには個人情報の登録をすることが必要となる。本システムの利用を希望するユーザーの方で未登録の方は、インターネット10を介してWeb上の「ヤマト運輸ホームページ」にアクセスし、ヤマト運輸ホームページ内の「集荷/再配達受付ボタン」をクリックして「集荷/再配達受付サイト」に移動する。そしてこの「集荷/再配達受付サイト」のトップページ内に配設された「未登録の方」のボタンをクリックする。クリックと同時にそのユーザーのユーザー端末11からインターネット10を介して“個人情報登録要求”がWebサーバ1に送信され、この要求を受信したWebサ−バ1は「個人情報登録受付画面」をそのユーザー端末11に送信する。ユーザーが当該画面の記入項目内に必要事項(住所、氏名、電話番号、E-mailアドレス等)を記入し確認ボタンを押すと、ユーザー端末11からWebサーバ1に"顧客情報(住所、氏名、電話番号、E-mailアドレス等)"が送られ、これを受信したWebサイトは顧客DB2に顧客情報を送信し、顧客DB2は顧客情報を蓄積しデータベース化する。なお、個人情報登録情報は「集荷/再配達受付サイト」内の個人情報登録修正ページにアクセスすれば修正することができる。また、以上のように登録された個人情報と関連づけて本システムの利用履歴を顧客DB2に蓄積し、過去の利用履歴の照会があった際にはそのユーザーに利用履歴をWeb上などで閲覧できるようにシステム構築することもできる。
【0028】
(集荷システム)
個人情報登録を済ませたユーザーは、「集荷/再配達受付サイト」にアクセスし、そのトップページ内に配置された「個人情報登録済の方」のボタンをクリックすると「電話番号を記入を促す画面」が表示される。ここで、登録済電話番号を記入し確認ボタンをクリックすれば、ユーザー端末11(以下「集荷依頼端末11」という)からインターネット10をWebサーバ1に“集荷依頼要求”が送信され、これを受けてWebサーバ1は「集荷依頼画面」を集荷依頼端末11に送信する。ユーザーは、当該画面の記入項目内に必要な集荷依頼情報(集荷希望日時(時間帯含む)、住所・氏名・電話番号などの集荷先情報、配達希望日時(時間帯含む)、届け先住所・届け先氏名・届け先電話番号・届け先Eメールアドレス等の届け先情報、品名・サイズなどの品物情報、支払方法など)を記入して確認ボタンを押せば集荷依頼手続きを済ませることができる。
【0029】
ユーザーが必要な集荷依頼情報を記入して確認ボタンを押すと、集荷依頼端末11からWebサーバ1にその集荷依頼情報が送信され、これを受信したWebサーバ1は受信内容にエラーがあるかをチェックし、エラーがあれば修正した上で集荷ファイルに記憶させると同時に、その集荷依頼端末11に対し「集荷依頼を受信した旨のメール(配達識別情報を含む)」をインターネット10を介して送信する。また、Webサーバ1は、集荷依頼情報内の住所をもとに物流拠点マスタ3から担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9を抽出し、この担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9の情報(アドレス情報)と共に集荷依頼情報を集配マスタ4に送信する。そして、集荷依頼情報を受け付けた時間が営業時間内であれば、Webサーバ1は、メールサーバ4及びネットワーク7を介してその担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9に集荷ファイル内の集荷依頼情報を(必要に応じて加工して)送信し、営業時間外であれば担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9には送信しない。
【0030】
担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9は、営業時間内であれば、Webサーバ1から集荷依頼情報を随時受信することができ、送られてきた集荷依頼情報を画面で確認して即座に集荷計画を立てることができる。特に、配達者(ドライバー)は集荷経路中で受信してその場で集荷計画を修正することができるから、急ぎの集荷依頼にも対応することができ、更には集荷依頼情報の電話番号などから集荷依頼者と直接通信することもできる。また、営業時間外に入った集荷依頼については、営業開始時に担当物流拠点サーバ8及び配達者端末9を立上げる(スイッチオン)と同時に、集配マスタ4に対して新規集荷依頼情報の送信要求を送信し、物流拠点サーバ8及び配達者端末9は担当する新規依頼情報を受信することができる。なお、ユーザーのプリンターで送り状が印刷できるソフトウェアを提供し、集荷を依頼したユーザーが必要事項が記入された送り状を各自で印刷できるようにすることもできる。さらには、Web上で集荷依頼を申し込んだ際に運賃の見積もり及び決済ができるようにシステム構築することもできる。
【0031】
(お届け事前通知システム)
上記の如く集荷依頼端末11からWebサーバ1に集荷依頼情報が送信されると、これを受信したWebサーバ1は、上記処理に加えて、集荷依頼情報内に届け先Eメールアドレスが記載されていればこのアドレスの、もし記載されていなければ集荷依頼情報内の届け先情報をもとに顧客DB2から抽出した届け先Eメールアドレスのユーザー端末11(以下「届け先端末11」という)に、集荷依頼情報の配達希望日時(表示としては配達予定日時)と配達識別情報とを含む配達情報をインターネット10を介して送信する。
【0032】
(配達日時変更)
上記の配達情報を受信した届け先端末11は、インターネット10を介して配達日時変更依頼情報(配達識別情報含む)をWebサーバ1に送信することができる。配達日時変更依頼情報(配達希望日時及び配達識別情報を含む)を受信したWebサーバ1は、届け先端末11に対して「配達日時変更依頼を受信した旨のメール」を送信し、また、受信内容にエラーがあった場合には修正した上、その配達日時変更依頼情報を配達変更ファイルに記憶させると共に、その配達日時変更依頼情報を配達識別情報と共に集配マスタ4に送信する。そして、営業時間内であれば、配達識別情報をもとに物流拠点マスタ3及び集配マスタ4から担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9を抽出し、担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9にメールサーバ4及びネットワーク7を介してその配達日時変更依頼情報を送信し、営業時間外の場合には担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9に対しては送信しない。
【0033】
担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9は、営業時間内であれば、Webサーバ1から配達日時変更依頼情報を随時受信することができ、送られてきた配達日時変更依頼を画面で確認して即座に配達計画の修正を図ることができる。特に、配達者(ドライバー)は配達途中で受信してその場で配達計画を修正することができるから、急な配達日時変更依頼にも対応することができ、無駄なく効率の良い配達サービスを提供することができる。また、配達日時変更依頼情報の電話番号などから届け先と直接通信することもできる。また、営業時間外に入った配達日時変更依頼情報については、営業開始時に担当物流拠点サーバ8及び配達者端末9を立上げる(スイッチオン)と同時に、集配マスタ4に対して新規配達日時変更依頼情報の送信要求を送信し、物流拠点サーバ8及び配達者端末9は担当する新規依頼情報を受信することができる。
【0034】
(再配達システム)
個人情報の登録を済ませているユーザーは、「集荷/再配達受付サイト」にアクセスし、そのトップページ内に配置された「個人情報登録済の方」のボタンをクリックすると「電話番号を記入を促す画面」が表示される。ここで、登録済電話番号を記入し確認ボタンをクリックすれば、ユーザー端末11(以下「再配達依頼端末11」という)からインターネット10をWebサーバ1に“再配達依頼要求”が送信され、これを受けてWebサーバ1は「再配達依頼画面」を再配達依頼端末11に送信する。ユーザーは、当該画面の記入項目内に必要な再配達依頼情報(お届け日・エリアコード・伝票番号(配達識別情報)・店所コードなどの配達情報、再配達希望日時(時間帯含む)、住所・氏名・電話番号・届け先Eメールアドレスなどの再届け先情報など)を記入して確認ボタンを押せば、再配達依頼手続きを済ませることができる。なお、必要な再配達依頼情報としては、少なくとも伝票番号(配達識別情報)と再配達希望日時とが含まれていればよいから、従来の再配達依頼手続きに比べれば一段と簡便にすることができる。
【0035】
ユーザーが必要なし配達依頼情報を記入して確認ボタンを押すと、再配達依頼端末11からWebサーバ1にその再配依頼情報が送信され、これを受信したWebサーバ1は受信内容にエラーがあるかチェックし、エラーがあれば修正した上で再配達ファイルに記憶させると同時に、再配達依頼端末11に対しては「再配達依頼を受信した旨のメール(伝票番号含む)」をインターネット10を介して送信する。また、Webサーバ1は、集荷依頼情報内の住所をもとに物流拠点マスタ3から担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9を抽出し、この担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9の情報(アドレス情報)と共に集荷依頼情報を集配マスタ4に送信する。そして、再配達依頼情報を受け付けた時間が営業時間内であれば、Webサーバ1は、伝票番号(配達識別情報)と共にその再配達依頼情報を集配マスタ4に送信すると共に、営業時間内であれば、伝票番号(配達識別情報)をもとに集配マスタ4から担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9を抽出し、メールサーバ4及びネットワーク7を介して担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9に再配達ファイル内の再配達依頼情報を(必要に応じて加工して)送信するが、営業時間外であれば、Webサーバ1は、担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9に送信しない。
【0036】
担当物流拠点サーバ8及び担当配達者端末9は、営業時間内であれば、Webサーバ1から再配達依頼情報を随時受信することができ、送られてきた再配達依頼情報を画面で確認して即座に配達計画を立てることができる。特に、配達者(ドライバー)は配達経路中で受信してその場で配達計画を修正することができ、急ぎの再配達依頼にも対応することができるから、従来は難しかった配達日と同日中の再配達依頼にも充分に対応することが可能となる。また、営業時間外に入った再配達依頼については、営業開始時に担当物流拠点サーバ8及び配達者端末9を立上げる(スイッチオン)と同時に、集配マスタ4に対して新規再配達依頼情報の送信要求を送信し、物流拠点サーバ8及び配達者端末9は担当する新規依頼情報を受信することができる。
【0037】
(宅配管理システム)
配達者(ドライバー)は、集荷及び配達を完了した時点で、配達完了時刻と配達識別情報とを含む集荷・配達完了情報を配達者端末9から物流拠点サーバ8及び集配マスタ4に送信し、集配マスタ4は、送られてきた集荷・配達完了情報を全てデータベース化して格納する。そして、定期的或いは必要な時に、宅配管理サーバ5は、集配マスタ4内の集荷依頼情報と集荷完了情報、再配達依頼情報若しくは配達日時変更依頼情報と配達完了情報とを照合させ、集荷完了情報及び配達完了情報の存在しない依頼情報を抽出させると共に、それぞれの希望日時と実際の集荷日時若しくは配達日時との差を演算させ、必要に応じて配達者毎或いは営業所毎に集計させるなどの命令を作成し、この命令を集配マスタ4に送信し実行させると共に、集配マスタ4からの結果に基づいて配達サービス内容の評価を行うことができる。この際の評価としては、例えば一定時間以上の差があった配達事件を抽出してリストを作成したり、警告書を作成したりなど任意に設定することができる。
【0038】
(実施形態2)
本実施形態のネット利用宅配システムは、上記同様の個人情報登録システム及び宅配管理システムを包含すると共に、集荷システム、お届け事前通知システム、配達日時変更システム及び再配達システムを各種依頼情報をより円滑に配達者端末に送信できるように改良し、かつ配達希望日時依頼システム、伝票発行システム及び配達完了通知システムを追加してなるネット利用宅配システムである。
【0039】
図4は、本実施形態のネット利用宅配システムを実現するためのシステム構成例を示した図であり、本例のシステムは、Webサーバ21に顧客DB22、物流拠点マスタ23、集配マスタ24、荷物追跡情報管理サーバ25及び印刷サーバ26を接続する一方、Webサーバ21をインターネット10及びコンピュータネットワーク(以下「ネットワーク」という)27に接続し、インターネット10を介して多数のユーザー端末11と接続し、ネットワーク27を介して多数の物流拠点サーバ28及び配達者端末29と接続してある。また、集配マスタ24には宅配管理サーバ30を接続してある。
【0040】
先ず、顧客DB22、物流拠点マスタ23、集配マスタ24、荷物追跡情報管理サーバ25及び印刷サーバ26について説明する。
【0041】
顧客DB22は、ユーザーが予め登録した集荷先或いは届け先の住所に対応した担当地域識別情報(全国を細かく区分して各区分に付与したコード情報。例えば郵便番号+細区分コードなどでコード化することができる。)、ユーザーの氏名や電話番号情報、住所情報、プリンタ機種、IPアドレスなどのユーザー登録情報(言い換えれば送り主情報)のほか、届け先の氏名或いは名称・住所・電話番号・IPアドレスなどの届け先情報、利用履歴情報やクレーム履歴その他の付加情報(例えば、指定預け先情報や家族構成、ユーザーがお年寄であるなど任意である。)を含む「顧客情報」を互いに関連づけて顧客情報レコード単位で保存する機能を備えている。この顧客DB22には、ネットワーク27を介して物流拠点サーバ28及び配達者端末29がアクセス可能であり、これら物流拠点サーバ28及び配達者端末29は利用履歴情報やクレーム履歴その他の付加情報などの顧客情報を随時更新することができる。また、インターネット10を介してユーザー端末11からもアクセス可能である。この顧客DB22には、ユーザーが複数の送り主情報及び届け先情報を登録することができ、ユーザーは顧客DB22内の各自のユーザーの登録情報を閲覧することができる。更に、該当の登録情報項目をクリックすればその登録情報がWebサーバ21に送られ、各種依頼情報内に組み込むことができる。
【0042】
物流拠点マスタ23は、担当地域識別情報(顧客DB22と共通)、担当地域名、班名、配達担当者である担当ドライバー名(コード)、車両番号、車両種類(例えば冷蔵機能付の有無)、その配達者端末29の電話番号情報、当該配達者端末29のIPアドレスなどの「担当情報」を互いに関連づけて単位レコード毎に保存している。この物流拠点マスタ23には、ネットワーク27を介して物流拠点サーバ28及び配達者端末29がアクセス可能であり、物流拠点サーバ28及び配達者端末29は物流拠点マスタ23が保存している担当情報及びその関連付けを随時変更することができる。例えば、突然、大量の荷物の集荷依頼があったり、ドライバーの体調不良や交通渋滞、交通事故などがあったりして急に担当ドライバーの担当地域を変更せざるを得ないような場合でも、物流拠点サーバ28や配達者端末29が物流拠点マスタ23にアクセスして担当変更を行なうことにより実際の担当状況をリアルタイムに反映させることができる。
【0043】
本例の集配マスタ24は、上記実施形態の集配マスタ4における荷物追跡情報蓄積機能を荷物追跡情報管理サーバ25に委ね、Webサーバ21から送られてくる集荷依頼情報(;集荷依頼に必要な情報を意味し、例えば住所(担当地域識別情報)・氏名・電話番号・集荷希望時間帯などの集荷先情報、届け先住所・届け先氏名・届け先電話番号・届け先IPアドレス等の届け先情報、配達希望時間帯・品名・サイズなどの品物情報などを含む。)、再配達依頼情報、配達日時変更依頼情報、荷物状態を示すステータス情報、返品情報、損傷情報、紛失情報、誤着情報など運送に関する各種情報(これを総称して「運送情報」という)を伝票番号や集荷依頼受付番号などの配達識別情報と関連付けて運送案件毎に蓄積する機能と、Webサーバ21や宅配管理サーバ5などからの検索要求に応じて検索を実行し、必要に応じて演算処理及び加工処理した上でその結果を送信する機能を備えている。また、集配マスタ24は、随時或いは所定時間毎に、荷物追跡情報管理サーバ25に対して「運送状態の問い合わせ要求」を送り、集配マスタ24内の「運送情報」と荷物追跡情報管理サーバ25内の「荷物追跡情報」とを集荷受付番号や伝票番号などの「配達識別情報」をキーとして照合し、運送案件すなわち「運送案件レコード」のステータスの変更を行なう機能を備えている。
【0044】
荷物追跡情報管理サーバ25は、発送確認(発店確認)、着店確認、配達完了などの荷物を預かってから当該荷物を荷受人に配達するまでの各段階のステータスをそれぞれ示す確認情報、更には持出情報、損傷情報、誤着情報、転送情報、返品情報などの情報(これらを「荷物追跡情報」という。)などを定期的又はリアルタイムに物流拠点サーバ28及び配達者端末29から収集し、運送案件毎に伝票番号や集荷依頼受付番号などの配達識別情報と関連付けて一つのレコード単位として蓄積・管理する機能を備えている(各レコード単位を「荷物追跡情報レコード」という。)。例えば、配達者である担当ドライバーが荷物(商品)を集荷したら、当該ドライバーはその場で配達者端末29から「集荷済情報」「配達完了情報」「不在情報」等を荷物追跡情報管理サーバ25に送信する。これを受けた荷物追跡情報管理サーバ25はその運送案件の「荷物追跡情報レコード」のステータスを「発送確認」「配達完了」或いは「不在」などに変更する機能を備えている。また、「運送状態の問い合わせ要求」があると、蓄積している荷物追跡情報(好ましくはステータスが新たに更新されている荷物追跡情報レコードの荷物追跡情報のみ)を送信する機能を備えている。
【0045】
印刷サーバ26は、プリンタ型式毎の印刷データ作成情報をデータベース化して蓄積する伝票印刷データベース31と、顧客毎の各種ユニーク印刷データをデータベース化して蓄積する印刷情報データベース32とを備え、「伝票発行依頼情報」及び「伝票記入情報(住所・氏名・電話番号などの送り主情報、届け先住所・届け先氏名・届け先電話番号等の届け先情報、配達希望時間帯・品名・サイズなどの品物情報、商品区分(すなわち、クール宅急便(登録商標)、宅急便(登録商標)、発払・着払、コレクト、タイムサービスなどの運送サービスの種類)など)」に基づいて「伝票印刷情報」を作成し、これを送信する機能を備えている。具体的には、例えばWebサーバ21が受信した電話番号などの顧客識別情報(顧客を識別し得る情報)から顧客DB22に依頼者のプリンタ型式を問い合わせ、そのプリンタ型式に合った印刷データ作成情報を伝票印刷データベース31に問い合わせ、この印刷データ作成情報に沿って「伝票記入情報」を編集してそのプリンタ型式に合った「伝票印刷情報」を作成する機能を備えている。但し、「伝票発行依頼情報」内に直接プリンタ型式を特定し得る情報を含ませることも、又、プリンタ型式を自動的に読み取るインターフェースを付加することもできる。印刷サーバ26はまた、「ユニーク印刷発行依頼情報」に基づいて「ユニーク印刷情報」を作成しこれを送信する機能を備えている。具体的には、「ユニーク印刷発行依頼情報」内の電話番号などの顧客識別情報或いはこれとは別にWebサーバ21が受信した電話番号などの顧客識別情報に基づいて、これに関連付けられたユニーク印刷データを印刷情報データベース32に問い合わせ、抽出されたユニーク印刷データを抽出し、必要に応じて編集して送信する機能を備えている。なお、ユニーク印刷データとは、荷物に貼付する伝票以外、すなわち請求書、納品書などの各種帳票、広告、企画書などの顧客毎に異なる印刷データのことを意味している。
【0046】
物流拠点サーバ28及び配達者端末29は、上記実施形態のものと同様であるが、配達者端末29には、通話機能、データ送受信機能、及び受信したデータを蓄積する機能を備えた端末を使用することができる。この場合、通話機能に関してはハンズフリー機能を備え、例えば運転中も安全に通話することができ、通話しながらデータをモニタで確認することもできるものが好ましい。また、配達者端末29には各種機能を付加することができる。例えば、住所や氏名などによって蓄積データをソートできる機能や、クレジットカードを読み取るクレジットカード決済機能、バーコードを読み取るバーコード読み取り機能、データを近くのプリンターに転送する機能、或いは伝票や領収書などを印刷できるプリンター機能などを付加することができる。
【0047】
Webサーバ21は、個人情報登録受付手段、集荷依頼受付手段、集荷依頼受付通知手段、配達予定通知依頼受付手段、配達予定通知手段、配達日時変更依頼受付手段、再配達依頼受付手段、再配達依頼受付通知手段、配達希望日時受付手段、配達完了通知依頼受付手段、配達完了通知手段、印刷発行依頼受付手段及び印刷情報送付手段を備えており、ユーザー端末11とのインターフェースとして、Web上に図5に示すような構成のWebサイト(以下「ヤマト運輸ホームページ」という。)を開設している。
【0048】
以下、Webサーバ21が備えている各手段について、上記のWebサーバ1と特に異なる点について説明する。
【0049】
Webサーバ21の集荷依頼受付手段は、集荷依頼振分け手段の機能も兼ね備えており、送り主のユーザー端末11(これを送り主端末11という)からインターネット10を介して「集荷依頼情報(集荷依頼に必要な情報を意味し、例えば住所・氏名・電話番号・集荷希望時間帯などの集荷先情報、届け先住所・届け先氏名・届け先電話番号・届け先IPアドレス等の届け先情報、配達希望時間帯・品名・サイズなどの品物情報などを含む。)」を受信したら、受信した電話番号(集荷依頼情報内の電話番号であっても、これとは別個に受信したものでもよい)をもとに顧客DB22に「担当地域識別情報」を検索させ、抽出された「担当地域識別情報」をもとに「担当配達者端末29のIPアドレス」を物流拠点マスタ23に検索させ、営業時間内であれば得られた「担当配達者端末29のIPアドレス」に「集荷依頼情報」を送信し、営業時間外であれば担当配達者端末29には送信しない機能を備えている。また、受信した全ての「集荷依頼情報」を、必要に応じて「担当配達者端末29のIPアドレス」と共に、集配マスタ24に送信して蓄積させる機能を有している。また、顧客DB22に担当地域識別情報を抽出させると同時に、当該ユーザーの利用履歴その他の付加情報を抽出させ、抽出された付加情報も担当配達者端末29又は集配マスタ24に送信する機能を備えている。なお、集荷依頼情報はWeb上で受け付けることも、Eメールで受け付けることも、またEDIによるデータとして受付けることも可能である。
【0050】
配達予定通知依頼受付手段は、集荷依頼情報と共に或いはこれとは別に「配達予定通知依頼情報(配達予定通知依頼に必要な情報)」を受信すると、この「配達予定通知依頼情報」を集配マスタ24に送信してその運送案件レコードを配達予定通知待ちステータスとする機能を備えている。なお、配達予定通知依頼情報はWeb上で受け付けることも、Eメールで受け付けることも、またEDIによるデータとして受付けることも可能である。配達予定通知手段は、集配マスタ24内の運送情報と荷物追跡情報管理サーバ25内の荷物追跡情報との照合の結果、新たに発送状態となった配達予定通知待ちステータスの運送案件レコードを抽出し、この運送案件レコードに関連付けられた届け先IPアドレス宛に、少なくとも伝票番号等の配達識別情報と配達希望時間帯とを含む「配達情報」を送信する機能を備えている。
【0051】
配達日時変更依頼受付手段は、配達日時変更依頼振り分け手段の機能も兼ね備えており、届け先のユーザー端末11(これを届け先端末11という)からインターネット10を介して「配達日時変更依頼情報(配達日時変更依頼に必要な情報を意味し、少なくとも伝票番号と配達希望時間帯を含む)」を受信したら、伝票番号をもとに集配マスタ24に「届け先住所或いは担当地域識別情報」を抽出させ、得られた「届け先住所或いは担当地域識別情報」をもとに物流拠点マスタ23に「担当配達者端末29のIPアドレス」を抽出させ、営業時間内であれば得られた「担当配達者端末29のIPアドレス」宛に「配達日時変更依頼情報」を送信し、営業時間外であれば「担当配達者端末29のIPアドレス」宛には「配達日時変更依頼情報」を送信しない機能を備えている。また、受信した全ての「配達日時変更依頼情報」を集配マスタ24に送信して蓄積させる機能を有している。なお、配達日時変更依頼情報はWeb上で受け付けることも、Eメールで受け付けることも、またEDIによるデータとして受付けることも可能である。
【0052】
再配達依頼受付手段は、再配達依頼振分け手段の機能も兼ね備えており、届け先端末11から送られてきた「再配達依頼情報(再配達依頼に必要な情報を意味し、少なくとも伝票番号と再配達希望時間帯含む)」を受信したら、その伝票番号に関連付けられた「届け先住所或いは担当地域識別情報」を集配マスタ24に抽出させ、得られた「届け先住所或いは担当地域識別情報」をもとに物流拠点マスタ23に「担当配達者端末9のIPアドレス」を抽出させ、営業時間内であれば当該IPアドレス宛に「再配達依頼情報」を送信し、営業時間外であれば当該IPアドレス宛には「再配達依頼情報」を送信しない機能を備えている。また、受信した全ての「再配達依頼情報」を集配マスタ24に送信して蓄積させる機能を有している。なお、再配達依頼情報はWeb上で受け付けることも、Eメールで受け付けることも、またEDIによるデータとして受付けることも可能である。
【0053】
配達希望日時受付手段は、配達希望時間帯情報と伝票番号とを受信すると、これら配達希望時間帯情報と伝票番号を集配マスタ24に送信して運送案件レコードを新たに作成させると共にその運送案件レコードを発送確認待ちステータスとする機能を備えている。
【0054】
配達完了通知依頼受付手段は、集荷依頼情報と共に或いはこれとは別に「配達完了通知依頼情報(配達完了通知依頼に必要な情報を意味する)」を受信すると、この「配達完了通知依頼情報」を集配マスタ24に送信してその運送案件レコードを配達完了通知待ちステータスとする機能を備えている。なお、配達完了予定通知依頼情報はWeb上で受け付けることも、Eメールで受け付けることも、またEDIによるデータとして受付けることも可能である。配達完了通知手段は、集配マスタ24内の運送情報と荷物追跡情報管理サーバ25内の荷物追跡情報との照合の結果、新たに配達完了状態となった配達完了通知待ちステータスの運送案件レコードを抽出し、この運送案件レコードに関連付けられたIPアドレス宛に少なくとも配達完了時間を含む配達完了情報を送信する機能を備えている。
【0055】
印刷情報依頼受付手段は、送り主端末11からインターネット10を介して送られてきた「伝票発行依頼情報(伝票発行依頼に必要な情報を含む)」を受信すると、「伝票発行依頼情報」及び「伝票記入情報」(これは「伝票発行依頼情報」と共に或いはこれとは別個に例えば「集荷依頼情報」として送られてくる。)を印刷サーバ26に送信する機能を備えている。また、印刷情報依頼受付手段は、送り主端末11からインターネット10を介して送られてきた「ユニーク印刷発行依頼情報(印刷データ種類、必要に応じてプリンタ種類や顧客識別情報などを含む)」を受信すると、この「ユニーク印刷発行依頼情報」と電話番号等の顧客識別情報を印刷サーバ26に送信する機能を備えている。そして、印刷情報送付手段は、印刷サーバ26から送られてきた「伝票印刷情報」又は「ユニーク印刷データ」を送り主端末11、或いは「伝票発行依頼情報」或いはこれに付属する情報の内容によっては配達担当者である担当ドライバーの車両に搭載されているプリンタに送信する機能を備えている。また、印刷情報送付手段は、「集荷依頼情報」及び「伝票発行依頼情報」内に伝票番号が含まれてない場合には、伝票番号を発行し、伝票番号を付した「伝票印刷情報」を送り主端末11に送信する機能をも備えている。
【0056】
宅配管理サーバ30は、集配マスタ24内の集荷依頼情報、再配達依頼情報、配達日時変更依頼情報などの依頼情報と、各依頼情報に対応する荷物追跡情報とをを照合させ、集荷完了情報及び配達完了情報の存在しない依頼情報を抽出すると共に、それぞれの希望日時と実際の集荷日時若しくは配達日時との差を演算させ、必要に応じて配達者毎或いは営業所毎に集計させるなどの命令を作成し、この命令を集配マスタ24に送信し実行させる機能と共に、集配マスタ24からの結果に基づいて配達サービス内容の評価を行い得る機能を備えている。
【0057】
以下、本例のネットワーク利用宅配システムの処理動作の一例について説明する。
【0058】
個人情報の登録システムについては、上記実施形態と同様であるが、印刷発行システムを利用するユーザーはプリンタ型式(機種)を登録しておくのが好ましい。但し、印刷発行依頼情報内にプリンタ型式を含ませることもできる。
【0059】
(集荷受付システム)
個人情報登録を済ませたユーザーは、「集荷/再配達受付サイト」にアクセスすると、「電話番号(顧客番号)及びパスワードを入力を促すボックス」が表示されるから、登録済電話番号及び登録済パスワードを入力して「集荷受付ボタン」をクリックする。すると、Webサーバ21から「集荷受付画面」が集荷依頼者の送り主端末11に送信される。
【0060】
この「集荷受付画面」内には、図6に示すように、送り主情報(住所・氏名・電話番号・集荷希望時間帯などの集荷先情報を含む)の入力を促す送り主情報入力欄と、届け先情報(届け先住所・届け先氏名・届け先電話番号・届け先IPアドレス等)の入力を促す届け先情報入力欄と、荷物情報(配達希望時間帯、品名・サイズなどの品物情報など)の入力を促す荷物情報入力欄と共に、集荷依頼ボタン、伝票発行依頼ボタン、配達予定通知依頼ボタン、配達完了通知依頼ボタンが配設されている。なお、送り主情報や届け先情報が顧客DB22に登録されている場合には、ユーザーが顧客DB22内の登録情報を閲覧し該当箇所をクリックすることで入力が完了となり、これらの情報を一々入力する手間を省くことができる。
【0061】
ここで、上記「集荷受付画面」内の集荷受付に必要な情報を入力して「集荷依頼ボタン」をクリックすれば、上記の記入情報がWebサーバ21に送信され、Webサーバ21は少なくとも集荷依頼に必要な「集荷依頼情報」を含んでいるか否かを判定し、含んでいなければ必要事項の入力を促し、含まれていれば、受信した電話番号をもとに顧客DB22に「担当地域識別情報」及び利用履歴情報などの「付加情報」を問い合わせ、抽出された「担当地域識別情報」に関連付けられた「担当配達者端末29のIPアドレス」を物流拠点マスタ23に抽出させ、営業時間内であれば抽出された「担当配達者端末29のIPアドレス」宛に「集荷依頼情報」及び「付加情報」を送信する。
【0062】
以上のようにして「集荷依頼情報」及び「付加情報」を担当配達者端末29に送信すれば、集荷依頼情報を迅速かつ適切な担当配達者に届けることができ、例えば、緊急の集荷依頼に対しても迅速に対応できる。「付加情報」を確認した上で集荷に行くことができるから、クレーム履歴や問題履歴、或いは特別な要求などが含まれていてもそれを考慮した質の高い対応をとることができる。なお、営業時間外の処理については、上記の実施形態と同様である。また、「集荷依頼情報」を受信した担当配達者が受信内容を確認した後、「集荷依頼を了解した旨の情報」を担当配達者端末29からWebサーバ21、或いはWebサーバ21及び管轄物流拠点サーバ28に送信すると、Webサーバ21から送り主端末11に「担当配達者が集荷依頼の内容を受信し了解している内容のメール」が送信されるようにシステム設計することもできる。
【0063】
(お届け事前通知システム)
上記「集荷受付画面」内の各入力欄に必要項目を入力した上で「配達予定通知依頼ボタン」をクリックすると、「配達予定通知依頼情報(伝票番号或いは集荷受付番号などの配達識別情報を含む)」がWebサーバ21に送信され、Webサーバ21は少なくとも配達予定通知に必要な情報を含んでいるか否かを判定し、含んでいなければ必要事項の入力を促し、含まれていれば「配達予定通知依頼情報(伝票番号或いは集荷受付番号などの配達識別情報を含む)」を集配マスタ24に送信する。これを受けた集配マスタ24は、その配達識別情報に関連付けられた運送案件の運送案件レコードを配達予定通知待ちステータスとする。
【0064】
他方、上記の「集荷依頼情報」を配達者端末29で受信して集荷にうかがい、集荷を終えた担当配達者(ドライバー)が配達者端末29から「集荷済情報(伝票番号含む)」を荷物追跡情報管理サーバ25に送信すると、これを受けた荷物追跡情報管理サーバ25はその運送案件の「荷物追跡情報レコード」を「発送確認」ステータスに更新する。集配マスタ24と荷物追跡情報管理サーバ25とは、随時或いは所定時間毎に、集配マスタ24内の「運送情報」と荷物追跡情報管理サーバ25内の「荷物追跡情報」とを照合し、「運送案件レコード」のステータスの更新を行なっているから、配達予定通知待ちステータスの「運送案件レコード」が新たに「発送確認」ステータスとなると、この運送案件レコードに関連付けられた届け先IPアドレス宛に、少なくとも伝票番号と配達希望時間帯とを含む「配達情報(例えば、伝票番号、配達予定時間帯、商品区分、商品等の金額、品名、送り主名・住所・Eメールアドレス・メッセージ、届け先名など)」を「配達予定通知メール(Eメール)」として送信される。この際、「配達予定通知メール」内に「集荷/再配達受付サイト」内の「配達日時変更受付ページ」とリンクした「配達日時変更依頼ボタン」を埋め込んでおくのが好ましい。
【0065】
このようにして「配達予定通知メール」を届け先端末11に送信するようにすれば、発送状態が確認された運送案件のみ配達予定を届け先に通知することができるから、配達予定通知があったにもかかわらず荷物が届かないという不都合を無くすことができる。仮に発送状態を確認しなければ、例えば集荷依頼を受付けた後にキャンセルされるような場合、配達予定通知があったにもかかわらず荷物が届かないことが予想される。なお、配達予定通知依頼時における伝票番号の入力は、ユーザーが予め伝票番号付伝票(送り状)を入手しているか、或いはその前に伝票発行システムを利用して伝票(送り状、伝票番号付)を印刷している場合に可能である。その他の場合は、集荷受付番号などの配達識別情報を付して配達予定通知依頼情報を送信するか、或いは荷物集荷時に受領した伝票の伝票番号を入力して配達予定通知依頼を行なうことができる。
【0066】
(配達日時変更システム)
「配達予定通知メール」を受信した届け先端末11は、インターネット10を介して「配達日時変更依頼情報」をWebサーバ21に送信することができる。具体的には、「集荷/再配達受付サイト」から「配達日時変更受付ページ」にアクセスするか、或いは「配達予定通知メール」内の「配達日時変更依頼ボタン」をクリックして「配達日時変更受付ページ」に直接アクセスし、この「配達日時変更受付画面」内に必要事項すなわち「配達日時変更依頼情報(伝票番号及び配達希望時間帯など)」を入力して確認ボタンをクリックする。すると、この「配達日時変更依頼情報(伝票番号及び配達希望時間帯などを含む)」がWebサーバ21に送られ、これを受信したWebサーバ21は、配達日時変更に必要な情報を含んでいるか否かを判定し、含んでいなければ必要事項の入力を促し、含まれていれば、伝票番号に関連付けられた「担当地域識別情報」を集配マスタ24に問い合わせ、得られた「担当地域識別情報」をもとに物流拠点マスタ23に「担当配達者端末29のIPアドレス」を問い合わせ、営業時間内であれば、当該IPアドレス宛に「配達日時変更依頼情報(伝票番号及び配達希望時間帯などを含む)」を送信する。なお、営業時間外の処理については、上記の実施形態と同様である。なお、届け先に送信する「配達予定通知メール」内に配達者端末29の電話番号を含めておけば、これを受信した届け先の方が配達者端末29に直接電話して配達日時の変更依頼をすることができるようにすることもできる。また、「配達日時変更依頼情報」を受信した担当配達者が受信内容を確認した後、「配達日時変更依頼を了解した旨の情報」を担当配達者端末29からWebサーバ21、或いはWebサーバ21及び管轄物流拠点サーバ28に送信すると、Webサーバ21から届け先端末11に「担当配達者が配達日時変更依頼の内容を受信し了解している内容のメール」が送信されるようにシステム設計することもできる。
【0067】
(再配達システム)
個人情報登録を済ませたユーザーは、「集荷/再配達受付サイト」にアクセスすると、「電話番号(顧客番号)及びパスワードを入力を促すボックス」が表示されるから、登録済電話番号及び登録済パスワードを入力して「再配達受付ボタン」をクリックすれば、これを受けてWebサーバ21から「再配達受付画面」が届け先端末11に送信される。なお、「電話番号(顧客番号)及びパスワード」を入力しなくても、伝票番号などの配達識別情報を入力すれば、Webサーバ21から「再配達受付画面」が届け先端末11に送信されるように設計することも可能である。
【0068】
「再配達受付画面」内には、送り主の住所・氏名・電話番号などの送り主情報、届け先住所・届け先氏名・届け先電話番号・届け先IPアドレス等の届け先情報入力欄、さらには荷物の品名・サイズなどの品物情報などの配達情報が表示されると共に、再配達依頼情報の入力を促す欄が表示される。この際、「再配達受付画面」内に届け先住所を変更したい方のための入力欄を設けることも可能である(例えば「お届け先を変更される場合はこちらに」などのコメントと共に)。そこで、「再配達受付画面」の必要項目(例えば、お届け日・エリアコード・伝票番号・店所コードなどの配達情報、再配達希望時間帯など)に必要情報(すなわち再配達依頼情報)を入力した上で「再配達依頼ボタン」をクリックすると、かかる「再配達依頼情報」がWebサーバ21に送信され、Webサーバ21は必要な情報を含んでいるか否かを判定し、含んでいなければ必要事項の入力を促し、含まれていれば、伝票番号に関連付けられた「担当地域識別情報」を集配マスタ24に問い合わせ、得られた「担当地域識別情報」をもとに物流拠点マスタ23に「担当配達者端末29のIPアドレス」を問い合わせ、営業時間内であれば、当該IPアドレス宛に「再配達依頼情報」を送信する。なお、営業時間外の処理については、上記の実施形態と同様である。また、「再配達依頼情報」を受信した担当配達者が受信内容を確認した後、「再配達依頼を了解した旨の情報」を担当配達者端末29からWebサーバ21、或いはWebサーバ21及び管轄物流拠点サーバ28に送信すると、Webサーバ21から届け先端末11に「担当配達者が再配達依頼の内容を受信し了解している内容のメール」が送信されるようにシステム設計することもできる。
【0069】
以上のようにして「再配達依頼情報」を担当配達者端末29に送信すれば、再配達依頼情報を迅速かつ適切な担当配達者に届けることができ、例えば、緊急の再配達依頼に対しても迅速に対応できる。また、必要な再配達依頼情報としては、少なくとも伝票番号と再配達希望日時(時間帯)とが含まれていればよいから、従来の再配達依頼手続きに比べて一段と簡便にすることができる。
【0070】
(配達希望日時依頼システム)
例えば、通信販売で商品を購入した場合、通信販売業者が購入者に対して予め伝票番号を連絡しておく場合がある。このような場合に、集荷依頼とは別に、荷受人すなわち届け先側が配達希望日時を直接指定できるようにしたシステムである。
【0071】
個人情報登録を済ませたユーザー(荷受人)は、「集荷/再配達受付サイト」にアクセスすると、「電話番号(顧客番号)及びパスワードを入力を促すボックス」が表示されるから、登録済電話番号及び登録済パスワードを入力して「配達希望日時依頼受付ボタン」をクリックすれば、これを受けてWebサーバ21から「配達希望日時受付画面」が届け先端末11に送信される。なお、「電話番号(顧客番号)及びパスワード」を入力しなくても、伝票番号などの配達識別情報を入力すれば、Webサーバ21から「配達希望日時受付画面」が届け先端末11に送信されるように設計することも可能である。
【0072】
「配達希望日時受付画面」内には、伝票番号入力欄及び配達希望時間帯入力欄のほか、必要に応じて送り主の住所・氏名・電話番号などの送り主情報入力欄、届け先住所・届け先氏名・届け先電話番号・届け先IPアドレス等の届け先情報入力欄、さらには荷物の品名・サイズなどの品物情報などの配達情報入力欄が表示される。そこで、当該画面内に必要情報(例えば、伝票番号と配達希望時間帯)を入力した上で「配達希望日時依頼ボタン」をクリックすると、これらの入力情報がWebサーバ21に送信され、Webサーバ21は必要な情報を含んでいるか否かを判定し、含んでいなければ必要事項の入力を促し、含まれていれば、これらの情報は集配マスタ24に送られる。これを受けた集配マスタ24は、配達希望時間帯情報と伝票番号とを関連づけて新たな運送案件レコードを作成すると共にその運送案件レコードのステータスを「発送確認待ち」とする。他方、上記の如く、集配マスタ24と荷物追跡情報管理サーバ25とは、随時或いは所定時間毎に、集配マスタ24内の「運送情報」と荷物追跡情報管理サーバ25内の「荷物追跡情報」との照合が行なわれており、「発送(出荷)確認待ち」ステータスの運送案件レコードが「発送(出荷)確認」されると、集配マスタ24内の「運送案件レコード」のステータスを変更すると共に、この運送案件レコードに関連付けられた届け先IPアドレス宛に「発送が確認された旨のメール」が送信される。次に、集配マスタ24内の「運送情報」と荷物追跡情報管理サーバ25内の「荷物追跡情報」との照合の結果、上記の運送案件レコードのステータスが「着店」ステータス(すなわち、届け先側の事業所或いは荷物集配センターに荷物が届いた状態)となった時点で、伝票番号に関連付けられた「担当地域識別情報」を集配マスタ24に問い合わせ、得られた「担当地域識別情報」をもとに物流拠点マスタ23に「担当配達者端末29のIPアドレス」を問い合わせ、営業時間内であれば、当該IPアドレス宛に「配達希望時間帯情報」を送信する。なお、営業時間外の処理については、上記の実施形態と同様である。また、「配達希望時間帯情報」を受信した担当配達者が受信内容を確認した後、「配達希望時間依頼を了解した旨の情報」を担当配達者端末29からWebサーバ21、或いはWebサーバ21及び管轄物流拠点サーバ28に送信すると、Webサーバ21から届け先端末11に「担当配達者が配達希望時間依頼の内容を受信し了解している内容のメール」が送信されるようにシステム設計することもできる。
【0073】
(配達完了通知システム)
上記「集荷受付画面」内の各入力欄に必要項目を入力した上で「配達完了通知依頼ボタン」をクリックすると、「配達完了通知依頼情報(伝票番号或いは集荷受付番号などの配達識別情報を含む)」がWebサーバ21に送信され、Webサーバ21は少なくとも配達完了通知に必要な情報を含んでいるか否かを判定し、含んでいなければ必要事項の入力を促し、含まれていれば「配達完了通知依頼情報(伝票番号或いは集荷受付番号などの配達識別情報を含む)」を集配マスタ24に送信する。これを受けた集配マスタ24は、その配達識別情報に関連付けられた運送案件の運送案件レコードを配達完了通知待ちステータスとする。
【0074】
配達を終えた担当配達者(ドライバー)が配達者端末29から「配達完了情報」を荷物追跡情報管理サーバ25に送信すると、これを受けた荷物追跡情報管理サーバ25はその運送案件の「荷物追跡情報レコード」を「配達完了」ステータスに更新する。集配マスタ24内の「運送情報」と荷物追跡情報管理サーバ25内の「荷物追跡情報」との照合の結果、配達完了通知待ちステータスの「運送案件レコード」が新たに「配達完了」ステータスとなると、この運送案件レコードに関連付けられた届け先IPアドレス宛に少なくとも配達完了時間を含む「配達完了情報」が送信される。なお、例えば甲さんが乙デパートを介して丙さんにお中元を贈る場合、直接の集荷依頼者は乙デパートとなるが、真の送り主は甲さんである。このような場合には「配達完了情報」は甲さんと乙デパートの両方に送信するのが好ましいから、一つの運送案件レコードに関連づけて「配達完了情報」の送信先IPアドレスを複数設定することができ、複数の端末宛に「配達完了情報」を送信することができるようにするのが好ましい。
【0075】
上記実施形態における集荷システム、配達日時変更システム、再配達システム及び配達希望日時依頼システムでは、それぞれの依頼情報を担当配達者端末29のみに送信するように説明しているが、同時に当該担当配達者端末29を管轄する物流拠点サーバ28にも送信するようにするのが好ましい。各物流拠点が管轄地域のサービス状況を管理する上で重要であるばかりか、担当配達者端末29がデータを受信できない場合、物流拠点サーバ28で一旦データを蓄積して受信可能となったら当該担当配達者端末29にデータを送信するようにすることも可能である。
【0076】
(伝票発行システム)
上記の「集荷受付画面」内の各入力欄に必要事項(但し、伝票記載事項の全てが入力されていなくてもよい)を入力した上で「伝票発行依頼ボタン」をクリックすると、「入力情報(住所・氏名・電話番号などの送り主情報、届け先住所・届け先氏名・届け先電話番号等の届け先情報、配達希望時間帯・荷物種類・サイズなどの品物情報、商品区分(すなわち、クール宅急便、宅急便、発払・着払、コレクト、タイムサービスなどの運送サービスの種類)などの伝票記入情報)」と「伝票発行依頼情報」とがWebサーバ21に送信され、Webサーバ21は必要な情報を含んでいるか否かを判定し、含んでいなければ必要事項の入力を促し、含まれていれば、「入力情報」と「伝票発行依頼情報」とが印刷サーバ26に送信される。これを受けた印刷サーバ26は、「入力情報」と「伝票発行依頼情報」とに基づいてユーザーの使用するプリンタ型式に合った「伝票印刷情報」を作成し、これをWebサーバ21を介して送り主端末11に送信する。そして、送り主端末11が、受信した「伝票印刷情報」を送り主端末11に接続しているプリンタに送信して印刷すれば、例えば、図7に示すように「入力情報」が所定位置に印字された伝票(送り状)を発行することができる。また、設定によっては、例えば図8に示すように、一枚の普通紙(例えばA4サイズ)内に「貼付票」「配達票」「お客様控え兼領収書」及び「売上票」を印刷するなど、「入力情報」を任意に配置して任意の形式に編集することもできる。
【0077】
この伝票発行システムにより、ユーザーの方が自宅や事務所などで簡便に伝票(送り状)を印刷することができるから出荷手続きを従来よりも簡略化することができる。また、集荷依頼情報と伝票発行依頼とを連携させることにより、集荷依頼情報入力後に改めて伝票記入情報を入力しなくてもよく、より一層手続きが簡便となっている。なお、「伝票発行依頼情報」或いは「これに付属する情報」の内容中に配達担当者である担当ドライバーの車両に搭載されているプリンタへの送信命令と当該プリンタのIPアドレスを含ませてこれをWebサーバ21に送信することにより、「伝票印刷情報」を当該車載プリンタに送信させることもできる。このようにすれば、ユーザーの自宅にプリンタが無いような場合であっても、集荷時に伝票を記載する手間及び時間を削減することができる。
【0078】
なお、図5に示すように、「集荷/再配達受付サイト」内に「伝票発行受付ページ」を設け、このページ画面内に上記「集荷受付画面」と略同様の入力欄、例えば、住所・氏名・電話番号などの送り主情報入力欄、届け先住所・届け先氏名・届け先電話番号等の届け先情報入力欄、配達希望時間帯・荷物種類・サイズなどの品物情報入力欄、クール宅急便、宅急便、発払・着払、コレクト、タイムサービスなどの運送サービスの種類を指定する商品区分入力欄など設けると共に、入力確定ボタンと集荷依頼ボタンとを配設し、入力確定ボタンをクリックすると「入力情報」と「伝票発行依頼情報」とがWebサーバ21に送信されて後は上記伝票発行システムと同様に処理される一方、集荷依頼ボタンをクリックすると、上記の「集荷受付画面」に遷移し、かつこの「集荷受付画面」内には前記入力情報が表示され、不足項目のみ入力すれば足りるように設計することも可能である。
【0079】
(宅配管理システム)
宅配管理サーバ30は、定期的或いは必要な時に、集配マスタ24内の運送情報、特に集荷依頼情報、再配達依頼情報、配達日時変更依頼情報などの各種依頼情報と、荷物追跡情報管理サーバ25内の荷物追跡情報とを照合させ、集荷完了情報及び配達完了情報の存在しない依頼情報を抽出させると共に、それぞれの希望日時と実際の集荷日時若しくは配達日時との差を演算させ、必要に応じて配達者毎或いは営業所毎に集計させるなどの命令を作成し、この命令を集配マスタ24に送信し実行させると共に、集配マスタ24からの結果に基づいて配達サービス内容の評価を行う。この際の評価としては、例えば一定時間以上の差があった配達事件を抽出してリストを作成したり、警告書を作成したりなど任意に設定することができる。
【0080】
なお、上記のネット利用宅配システムにおいて、各種依頼情報の送受信は、Web或いはEメールに限らず、EDI(Electronic Data Interchange)により電子化したデータとして送受信することも可能である。また、本発明において「IPアドレス」とは、インターネットに限らず、各種ネットワーク内の端末識別情報、言い換えればデータ送信先を特定し得る識別番号の意であり、Eメールアドレスを包含している。また、本発明における「配達担当者」は、荷物の集荷及び配達をする担当者、すなわち担当地域の荷物の集荷及び配達をする者であり、宅配業界ではドライバーとも呼ばれている。また、本発明における「配達識別情報」は、伝票番号や集荷受付番号など運送案件一件一件を識別し得る情報のことを意味している。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明のネット利用宅配システムを実現するためのシステム構成の一例を示した図である。
【図2】Webサイトの構造を示した図である。
【図3】図2のWebサイトの遷移構造を示した図である。
【図4】本発明のネット利用宅配システムを実現するためのシステム構成の他例を示した図である。
【図5】図2とは異なるWebサイトの構造を示した図である。
【図6】図5のWebサイトにおける集荷受付画面の構成を示した図である。
【図7】伝票発行システムによって印刷される伝票の一例を例示した図である。
【図8】伝票発行システムによって印刷される印刷例を示した図である。
【符号の説明】
【0082】
1 Webサーバ
2 顧客情報データベースサーバ(顧客DB)
3 物流拠点マスタサーバ(物流拠点マスタ)
4 集配マスタサーバ(集配マスタ)
5 宅配管理サーバ
6 メールサーバ
7 コンピュータネットワーク(ネットワーク)
8 物流拠点サーバ
9 配達者端末
10 インターネット
11 ユーザー端末
21 Webサーバ
22 顧客情報データベースサーバ(顧客DB)
23 物流拠点マスタサーバ(物流拠点マスタ)
24 集配マスタサーバ(集配マスタ)
25 荷物追跡情報管理サーバ
26 印刷サーバ
27 コンピュータネットワーク(ネットワーク)
28 物流拠点サーバ
29 配達者端末
30 宅配管理サーバ
31 伝票印刷データベース
32 印刷情報データベース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達識別情報を含む配達完了通知依頼情報を、ユーザー端末からネット利用宅配システムが受信すると、ネット利用宅配システムは、運送情報を蓄積する集配マスタサーバにおいて、該配達識別情報と関連付けられている運送案件の運送案件レコードを配達完了通知待ちステータスとするステップ、
配達識別情報を含む配達完了情報を、配達者端末からネット利用宅配システムが受信すると、ネット利用宅配システムは、荷物追跡情報を蓄積する荷物追跡情報管理サーバにおいて、該配達識別情報と関連付けられている運送案件の荷物追跡情報レコードを配達完了ステータスとするステップ、
ネット利用宅配システムは、集配マスタサーバに蓄積された運送情報と荷物追跡情報管理サーバに蓄積された荷物追跡情報とを随時又は定期的に照合し、照合の結果、配達完了通知待ちステータスの運送案件の中で新たに配達完了ステータスとなった運送案件レコードを抽出し、当該運送案件レコードに関連付けられているIPアドレス宛に配達完了情報を送信するステップ、を備えた荷物の配達完了通知方法。
【請求項2】
甲がデパートを介して荷物を送る場合、荷物の集荷依頼者であるデパートのIPアドレスと、真の送り主である甲のIPアドレスとの両方を当該運送案件の運送案件レコードに関連付けておき、配達完了情報を両方のIPアドレス宛に送信することを特徴とする請求項1に記載の荷物の配達完了通知方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−82981(P2006−82981A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295797(P2005−295797)
【出願日】平成17年10月10日(2005.10.10)
【分割の表示】特願2004−113760(P2004−113760)の分割
【原出願日】平成13年7月31日(2001.7.31)
【出願人】(000114879)ヤマトホールディングス株式会社 (1)