説明

落下防止金具

【課題】荷重がかかっても変形や鉄筋からの脱落のおそれがなく、安定した固定状態を保つことができる落下防止金具を提供すること。
【解決手段】固定ボルト11がほぼ中央に設けられた基板部12と、その基板部12の上下両側縁部の位置でそれぞれ一方側に向けて互いに対向状態に形成された一対のフック部13,14とを有し、固定ボルト11を締め付けることで固定ボルト11先端と一対のフック部13,14内周縁とにより鉄筋に固定される落下防止金具1であって、基板部12の下側縁部に上端が接続される掛止片部15を設けるとともに、その掛止片部15には固定ボルト11の軸心から垂下した位置上に安全帯のフックを掛止する掛止孔15aが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型枠工事等の高所作業を行う際に用いる安全帯のフックを掛止する落下防止金具に関する。
【背景技術】
【0002】
高所作業が伴う工事現場において、作業者は墜落事故を防止するため、安全帯を着用するとともに、そのフックを柱主筋等の鉄筋に固定した落下防止金具に掛止して作業する。かかる落下防止金具には、固定ボルトがほぼ中央に設けられた基板部と、その基板部から連設された両側板部にそれぞれ形成された一対の鉄筋係合用フック部とを有し、固定ボルト先端と一対の鉄筋係合用フック部内周縁とにより鉄筋を挟持することでその鉄筋に固定させるものがある(例えば、特許文献1,2参照。)。そして、これら落下防止金具は、鉄筋の側方から取り付けることができるため、作業性が良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−159583号公報
【特許文献2】特開2001−115653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の落下防止金具は、金具自体を90度回転させて、基板部に設けた固定ボルトを締め付けることで鉄筋に装着するものであって、基板部の左右両側に延出する両延出部にそれぞれ安全帯係止孔が形成されているため、直線上に並ぶ金具の両フック部および固定ボルトにおける鉄筋への各当接位置から左右にずれた位置で負荷が掛かることになる。これにより、金具には捩れが作用し、フック部等が変形するという問題がある。また、その変形により鉄筋から金具を取り外すことが困難になることも想定される。さらに、鉄筋への装着状態において、左側に位置する安全帯係止孔に安全帯のフックを掛止させた場合、負荷が掛かることに伴い、金具が鉄筋から外れる方向に捩れる(回転する)ことになるため、フック部等が変形するだけでなく、最悪、金具が鉄筋から脱落する虞もある。
【0005】
一方、特許文献2の落下防止金具は、金具本体の基板部に別途、安全帯のフック等を掛止するための安全帯係止用リングを固着したものである。そして、その安全帯係止用リングは、固定ボルトが基板部の中央部に設けられているため、特許文献1の金具と同様、直線上に並ぶ金具本体の両フック部等における鉄筋への各当接位置からずれた位置に固着されることなり、前述した点と同様の問題が生じる虞がある。また、安全帯係止用リングの両端部がそれぞれ基板部の鉛直方向に亘って固着されているため、同リングに負荷が掛かった際、直接、その両端部から基板部を介して金具本体にせん断力が作用することになる。これにより、両フック部と固定ボルトがせん断変形するとともに、鉄筋から金具が滑り落ちる可能性もある。
【0006】
そこで、本発明は、荷重がかかっても変形や鉄筋からの脱落のおそれがなく、安定した固定状態を保つことができる落下防止金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明の落下防止金具は、固定ボルトがほぼ中央に設けられた基板部と、その基板部の上下両側縁部の位置でそれぞれ一方側に向けて互いに対向状態に形成された一対のフック部とを有し、固定ボルト先端と一対のフック部内周縁とにより鉄筋を挟持することで該鉄筋に固定される落下防止金具であって、前記基板部の下側縁部に上端が接続される掛止片部を設けるとともに、その掛止片部には固定ボルトの軸心から垂下した位置上に安全帯のフックを掛止する掛止孔が形成されていることを特徴とする。これにより、掛止孔に荷重がかかっても、力点(掛止孔)と、支点(鉄筋と固定ボルトとの接触点)と、作用点(鉄筋と各フック部内周縁との接触点)とが同一平面上に並び、各点に作用する力の方向もその平面と平行になるので、左右方向の捩れによる変形がフック部に発生することもなく、鉄筋に対して常に安定した固定状態を保つことができる。
また、請求項2に係る発明の落下防止金具は、請求項1記載の落下防止金具において、前記掛止片部は、前記基板部に対して固定する鉄筋側とは逆の方向に角度を有して設けられていることを特徴とする。これにより、力点(掛止孔)が、固定ボルトが設けられた基板部の位置から離れた所に位置することになるので、その支点(鉄筋と固定ボルトとの接触点)の位置を中心とするモーメントが発生し、それに伴って、作用点(鉄筋とフック部内周縁との接触点)には水平方向の反力が作用する。そして、この水平反力によって鉄筋に対する係合力が増すため、金具が下方にズレ難くなり、鉄筋に対してより強固な状態で固定できる。
また、請求項3に係る発明の落下防止金具は、請求項1または請求項2記載の落下防止金具において、前記掛止片部は前記基板部から延設されていることを特徴とする。これにより、掛止片部は基板部と一体形成されることになるので、掛止片部に大きな荷重がかかっても、基板部と掛止片部との境界部が破壊することなく、掛止片部に作用する力を直接、基板部を介して固定ボルトやフック部に伝達させることができる。
また、請求項4に係る発明の落下防止金具は、請求項1〜請求項3のいずれか一の請求項に記載の落下防止金具において、前記一対のフック部の先端部には、それぞれピン挿入孔が同軸上に形成されるとともに、それらピン挿入孔に挿通する安全ピンが設けられることを特徴とする。これにより、一対のフック部がその先端部において安全ピンで連結されることになるため、フック部同士の一体性が増し、それらフック部に作用する力に伴う変形をより確実に防止できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の落下防止金具では、基板部の下側縁部に上端が接続される掛止片部を設けるとともに、その掛止片部には固定ボルトの軸心から垂下した位置上に安全帯のフックを掛止する掛止孔が形成されているため、その掛止孔に荷重がかかっても、力点(掛止孔)と、支点(鉄筋と固定ボルトとの接触点)と、作用点(鉄筋と各フック部内周縁との接触点)とが同一平面上に並び、各点に作用する力の方向もその平面と平行になるので、左右方向の捩れによる変形がフック部に発生することもなく、鉄筋に対して常に安定した固定状態を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る落下防止金具の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の落下防止金具を鉄筋に固定させた状態を示す平面図である。
【図3】図1の落下防止金具に安全ピンを装着した状態を示す正面図である。
【図4】図1の落下防止金具の本体部分を示す右側面図である。
【図5】図1の落下防止金具の本体部分を示す左側面図である。
【図6】図1の落下防止金具の本体部分を鉄筋に固定させた状態を示す底面図である。
【図7】図1の落下防止金具の使用状態とこの金具に作用する力を示す正面図である。
【図8】図1の落下防止金具の使用状態とこの金具に作用する力を示す左側面図である。
【図9】本発明に係る落下防止金具の他の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係る落下防止金具の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1〜図6は、本発明に係る落下防止金具の斜視図、平面図、正面図、右側面図、左側面図、底面図である。この落下防止金具1は、ほぼ中央に設けられたボルト孔12aおよびその裏面に固着されたナット12bに固定ボルト11が螺入する基板部12と、その基板部12の鉛直方向の上下両側縁部の位置でそれぞれ一方側に向けて互いに対向状態に形成され、鉄筋に係合する一対のフック部13,14と、上端が基板部12の下側縁部に接続される掛止片部15と、一対のフック部13,14の先端部にそれぞれ形成されたピン挿入孔13b,14bに挿通される安全ピン16とを有する。なお、本発明の落下防止金具1は、様々な径の異形鉄筋2に適用可能であり、図2の平面図および図6の底面図には、その異形鉄筋2を挟持した状態を示している。
【0012】
各フック部13,14は、例えば、呼び径D22〜D32の異形鉄筋2に適用させるため、それぞれ、それら各径の異形鉄筋2の外周面に係合するような内周縁に形成される。また、それら内周縁にあって、固定ボルト11が螺入する基板部12側とは反対側の位置に、凹部13a,14aを設けている。これにより、異形鉄筋2に金具1を固定した際、各フック部13,14の内周縁と凹部13a,14aとの境界部分である凹部13a,14a両側の角部の2点が異形鉄筋2の外周面に当接した状態で挟持されるため、より強固に金具1を固定させることができる。なお、特段、これら凹部13a,14aを設けなくても、各フック部13,14と固定ボルト11の3点で異形鉄筋2を挟持し、強固な状態で金具1を固定させることができる。
【0013】
また、各フック部13,14の先端部には、固定ボルト11の軸線の延長線に対して鉛直方向に直交する軸線を中心としたピン挿入孔13b,14bがそれぞれ形成されている。そして、それらピン挿入孔13b,14bに安全ピン16を通すことにより、フック部13,14の自由端側である先端部が安全ピン16で連結されるため、フック部同士の一体性が増し、それらフック部13,14に作用する力に伴う変形をより確実に防止できる。ここで、安全ピン16は、円柱状の部材の両端部を互いに略90度異なる方向に潰して、上部平坦部16aと、フック部13,14間の長さを有する円柱部16bと、下部平坦部16cとからなる。なお、上部平坦部16aは下部平坦部16dよりも幅広に潰している。そのため、各フック部13,14に形成されたピン挿入孔13b,14bの形状は、それぞれ、安全ピン16の円柱部16bが通る円形孔と、円柱部16bより幅広の下部平坦部16cが通り、上部平坦部16aは通過できない幅を有する長孔とからなる。これにより、安全ピン16をピン挿入孔13b,14bに挿入するに際して、下側のピン挿入孔14bに安全ピン16の下部平坦部16cが完全に通った後に安全ピン16を90度回転させることで、各フック部13,14から安全ピン16が抜け出すことを完全に防止する。なお、上側のフック部13には、安全ピン16の上部平坦部16aにその一端が連結されたチェーン16dの他端を連結するための連結孔13cが形成されている。なお、図4〜図6では、チェーン16dおよび安全ピン16を省略して図示している。
【0014】
掛止片部15は、基板部12の下側縁部にその上端が接続されて設けられるとともに、固定ボルト11の軸心から垂下した位置上に安全帯のフックを掛止する掛止孔15aが形成されている。ここで、上側のフック部13と掛止片部15は、それぞれ基板部12から延設されて構成、すなわち一枚の金属板を折り曲げて構成されており、下側のフック部14は基板部12の下側縁部内側の位置に溶接で固着されている。そのため、掛止片部15が基板部12に溶接等によって接合している場合とは異なり、掛止孔15aに荷重がかかっても、その境界部が破壊するようなこともなく、掛止片部15に作用する力を直接、基板部12を介して固定ボルト11やフック部13,14に伝達させることができる。また、掛止片部15は、基板部12に対して他方側、すなわちフック部13,14が形成される方向とは反対方向に約30度の角度αで折り曲げられている。これにより、後述するように、折り曲げ角度αが0度の場合とは異なって、固定ボルト11の軸心位置を中心とするモーメントが発生し、それに伴って、異形鉄筋2とフック部13,14内周縁との接触点に水平方向の反力が作用する。そして、これら水平反力によって異形鉄筋2に対する固定度が増すため、この金具1が下方にズレ落ち難くなり、より強固な状態で固定できる。なお、掛止片部15の折り曲げ角度αは約30度に限定されるものではなく、90度以下であれば問題はないが、掛止片部15に作用する力を基板部12等にスムーズに伝達させるためには45度以下にするのが望ましい。これは、90度を超えると、固定ボルト11を締め付ける際に掛止片部15が邪魔になったり、あるいは掛止片部15の掛止孔15aに安全帯のフック(図示せず)を掛止する際に、固定ボルト11の頭部が邪魔になるからである。さらに、折り曲げ角度αが45度を超えてしまうと、掛止片部15に荷重がかかった際に、基板部12との境界部に応力が集中する虞があるからである。また、掛止孔15aの下側の内周縁は、半円弧状に形成されており、その最下位部が固定ボルト11の軸心から垂下、すなわち鉛直線上に位置されている。なお、掛止孔15aの下側の形状は、半円弧状に限らず、V字状などでも良い。
【0015】
図7は本発明に係る落下防止金具1の使用状態とこの金具1に作用する力を示す正面図、図8はその左側面図である。なお、異形鉄筋2は簡略化して図示している。図7および図8に示すように、落下防止金具1は、各フック部13,14を異形鉄筋2に係合し、固定ボルト11を締め付けることで、各フック部13,14の内周縁と固定ボルト11の先端とにより異形鉄筋2を挟持した状態で固定される。この固定状態で、掛止片部15の掛止孔15aに安全帯のフック3を引っ掛け、そのフック3に鉛直方向下向きの荷重Pが作用したものと仮定する。ここで、フック3が掛止される掛止孔15aの最下位部を点A、異形鉄筋2に接している固定ボルト11の先端部を点B、異形鉄筋2に接している一対のフック部13,14の内周縁部をそれぞれ点C,点Dとした場合、点Aには、鉛直方向に下向きの荷重Pが、点B〜Dには、それぞれ同上向きの垂直反力Vb,Vc,Vdが作用する。しかも、点A〜Dは、図8に示すように、固定ボルト11の軸心を通り、異形鉄筋2の中心軸に沿った同一平面上に位置し、かつ、点Aにかかる荷重Pと、点B〜Dに作用する各垂直反力Vb,Vc,Vdの方向も、それぞれ、その平面と平行に作用する。そのため、本実施形態の落下防止金具1は、掛止孔15aに荷重Pがかかっても、基板部の左右両側に延出する両延出部にそれぞれ安全帯係止孔が形成された特許文献1の金具や、基板部の左右一方側に安全帯係止用リングを固着した特許文献2の金具とは異なり、左右方向への捩れや異形鉄筋2から外れる方向への回転が発生することはない。よって、各フック部13,14の変形や金具1が異形鉄筋2から脱落することもなく、常に安定した固定状態で異形鉄筋2に金具1を固定させることができる。
【0016】
さらに、図7において、点Aを力点、点Bを支点、点Cと点Dをそれぞれ作用点とし、点Aから基板部12までの水平距離をLとした場合、力点Aに作用する荷重Pにより固定ボルト11の軸線位置、すなわち支点Bを通る水平の基準線を中心とする反時計回りのモーメントM(=P・L)が発生する。また、そのモーメントMに伴って、作用点Cには異形鉄筋2側に向けて水平方向に引き戻す力、すなわち異形鉄筋2に対して水平方向の反力Hcが作用する。そして、この水平反力Hcにより異形鉄筋2とフック部13との係合力が増すため、落下防止金具1が下方にズレ難くなり、異形鉄筋2に対してより強固に固定されることになる。なお、作用点Dにおいても、モーメントMに伴ってフック部14を先端側に押し出すような力が作用するが、異形鉄筋2からは離れる方向であるため、前述したような水平反力は生じない。さらに、フック部14に作用する力は異形鉄筋2に接する固定ボルト11(支点B)によって殆ど打ち消されてしまうが、各フック部13,14の先端部に安全ピン16を挿通させることで、それらフック部13,14同士の一体性が増すため、その僅かな力に伴う金具1の変形も確実に防止できる。また、本実施形態の落下防止金具1については、点Aから基板部12までの水平距離Lを長くすれば、すなわち基板部12に対する掛止片部15の折り曲げ角度αを大きくすると、モーメントMが大きくなり、それに応じて点Cに作用する水平反力Hcも大きくなる。従って、基板部12に対する掛止片部15の折り曲げ角度αが90度に近づくほど、金具1が下方にズレ落ちることを防止する点では有効だが、45度を超えて折り曲げた場合や、90度を超えて折り曲げた場合においてそれぞれ生じる不都合な点は上述した通りである。
【0017】
なお、本実施形態の落下防止金具1では、上述したように、上側のフック部13と基板部12と掛止片部15は一枚の金属板を折り曲げて形成し、基板部12の下側縁部内側の位置に下側のフック部14の基端部を溶接で固着した構成だが、本発明ではこのような構成に限定されるものではない。例えば、図9(a)に示すように下側のフック部14と掛止片部15、上側のフック部13と基板部12をそれぞれ一枚の金属板を折り曲げて形成し、基板部12の下側縁部で下側のフック部14と掛止片部15の折り曲げ部分を溶接して接合するようにしても良いし、図9(b)に示すように上下のフック部13,14と基板部12とを一枚の金属板を折り曲げて形成し、基板部12の下側縁部に掛止片部15の上端を溶接して接合するようにしても良い。また、図9(c)に示すように、基板部12に対する掛止片部15の折り曲げ角度αを0度、すなわち掛止片部15を折り曲げずに基板部12と同一平面をなすようにしても良い。ただし、この場合、力点Aと固定ボルトが設けられた基板部の位置とが同じであるため、力点Aに鉛直方向の荷重Pがかかった場合、支点Bの位置を中心とするモーメントは発生しない。よって、フック部13の作用点Cにも水平反力Hcは作用しないため、金具1自体が下方にズレ易くなるものの、図8に示すように力点A、支点B、作用点C,Dが異形鉄筋2の中心軸に沿った同一平面上に存在することに変わりはないので、この落下防止金具1においても左右方向への捩れによる変形や、異形鉄筋2から外れる方向に回転することを防止できる。
【0018】
また、本実施形態の落下防止金具1では、フック部13,14の先端部にそれぞれピン挿入孔13b,14bを形成すると共に、それらピン挿入孔13b,14bに挿通する安全ピン16を設けた例を説明したが、本発明では、これに限らず、ピン挿入孔13b,14bおよび安全ピン16を省略することもできる。さらに、落下防止金具1のフック部13,14は、それぞれ逆方向に切り欠かれた形態、すなわち開口部が互いに逆方向を向いた形態を例示したが、本発明では、これに限らず、特許文献2のフック部のように同一方向に切り欠かれた形態、すなわち開口部が同一方向を向いた形態であっても勿論良い。
【符号の説明】
【0019】
1…落下防止金具、11…固定ボルト、12…基板部、13,14…フック部、15…掛止片部、15a…掛止孔、16…安全ピン、2…異形鉄筋、3…フック。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定ボルトがほぼ中央に設けられた基板部と、その基板部の上下両側縁部の位置でそれぞれ一方側に向けて互いに対向状態に形成された一対のフック部とを有し、固定ボルト先端と一対のフック部内周縁とにより鉄筋を挟持することで該鉄筋に固定される落下防止金具であって、前記基板部の下側縁部に上端が接続される掛止片部を設けるとともに、その掛止片部には固定ボルトの軸心から垂下した位置上に安全帯のフックを掛止する掛止孔が形成されていることを特徴とする落下防止金具。
【請求項2】
請求項1記載の落下防止金具において、前記掛止片部は、前記基板部に対して固定する鉄筋側とは逆の方向に角度を有して設けられていることを特徴とする落下防止金具。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の落下防止金具において、前記掛止片部は前記基板部から延設されていることを特徴とする落下防止金具。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一の請求項に記載の落下防止金具において、前記一対のフック部の先端部には、それぞれピン挿入孔が同軸上に形成されるとともに、それらピン挿入孔に挿通する安全ピンが設けられることを特徴とする落下防止金具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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