説明

蒸散防止塗膜材料、蒸散防止塗膜、および栽培方法

【課題】 本発明は、植物の栽培に用いる土壌や固形培地の上に塗布することで、植物の根域部分の養液蒸散を防止し、蒸発熱による根域部分の低温化を防止することを可能とする蒸散防止塗膜材料、蒸散防止塗膜、および栽培方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 太陽光に曝されることより硬化して水に不溶性となる塗膜材料を、植物が栽培されている土壌や培地の上から植物の根域部分まで塗布し、形成される塗膜により植物の根域部分まで土壌や培地を被覆することで、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の栽培に用いる土壌や固形培地の上に塗布することで、土壌や固形培地の養液蒸散を防止し、断熱効果を発現する蒸散防止塗膜材料、蒸散防止塗膜、および栽培方法に関するするものである。
【背景技術】
【0002】
古くから野菜などの農作物の栽培は、降雨依存型である露地栽培の方法が主に用いられてきた。しかしながら、上述の露地栽培は、異常気象や水不足などの影響を受け易いため、農作物の計画的生産をより安定的に行うことができる方法が求められている。
【0003】
農作物の計画的生産をより安定的に行える方法として、養液を含んだ土壌や、ロックウールなどの固形培地で植物を栽培する養液栽培がある。養液栽培では、一定期間、養液を保持する必要があり、例えば、土壌や培地をフィルムで包んで養液蒸散を防止している(特許文献1)。
【0004】
ここで、上述のような、土壌や培地をフィルムで包んで養液蒸散を防止する方法においては、図2に示すように、植物の茎近傍である根域部分において、フィルムに孔が開けられており、栽培される植物は、この孔から茎や葉を大気に露出している。
【0005】
また、農作物の栽培においては、植物の根域部分を一定の温度以上に保つことで農作物の収量が増える場合があり、それゆえ、冬場や春先などに、植物の根域部分の温度が低下しないように、熱源を用いて植物の根域部分を加温する栽培も行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平3−180125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のような土壌や培地をフィルムで包んで養液蒸散を防止する方法では、植物の茎近傍である根域部分においてフィルムに孔が開けられているため、この孔から養液が蒸散してしまい、肝心の根域部分において蒸散防止効果が低いという課題がある。
【0008】
また、上述のように、根域部分においてフィルム孔から養液が蒸散してしまうと、その蒸発熱により根域部分が低温化し、収量が減少してしまうという恐れもある。一方、熱源を用いて根域部分を加温する栽培では、光熱費が増大してしまうという課題がある。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、上述のような植物の根域部分の養液蒸散を防止し、蒸発熱による根域部分の低温化を防止することを可能とする蒸散防止塗膜材料、蒸散防止塗膜、および栽培方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、種々研究した結果、太陽光に曝されることより硬化して水に不溶性となる塗膜材料を、植物が栽培されている土壌や培地の上から植物の根域部分まで塗布し、形成される塗膜により植物の根域部分まで土壌や培地を被覆することで、上記課題を解決できることを見出して本発明を完成したものである。
【0011】
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、植物が栽培されている土壌や培地の上から塗布され、太陽光に曝されることより硬化して、水に不溶性となることを特徴とする蒸散防止塗膜材料である。
【0012】
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記塗膜材料が、天然高分子からなる主剤と、架橋剤からなる助剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の蒸散防止塗膜材料である。
【0013】
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記主剤がデンプンであり、前記助剤が、アジピン酸、リン酸、コハク酸、リン酸エステルナトリウムのいずれか一種を含むことを特徴とする請求項2に記載の蒸散防止塗膜材料である。
【0014】
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記主剤がゼラチンであり、前記助剤が、グルタルアルデヒド、水溶性カルボジイミド、ビスエポキシ化合物、ホルマリンのいずれか一種を含むことを特徴とする請求項2に記載の蒸散防止塗膜材料である。
【0015】
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記水溶性カルボジイミドが、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、若しくは1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド−メト−p−トルエンスルホナートであることを特徴とする請求項4に記載の蒸散防止塗膜材料である。
【0016】
また、本発明の請求項6に係る発明は、前記主剤がセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースのいずれか一種を含むものであり、前記助剤が、二つ以上の酸塩化物を有する化合物、二つ以上のアルデヒド基を有する化合物、二つ以上のエポキシ基を有する化合物、二つ以上のハロゲン基を有する化合物、エポキシ基とハロゲン基を有する化合物のいずれか一種を含むことを特徴とする請求項2に記載の蒸散防止塗膜材料である。
【0017】
また、本発明の請求項7に係る発明は、前記二つ以上の酸塩化物を有する化合物が、マロニルジクロリド、コハク酸クロリド、グルタルジクロリド、塩化テレフタロイルのいずれか一種を含むことを特徴とする請求項6に記載の蒸散防止塗膜材料である。
【0018】
また、本発明の請求項8に係る発明は、前記二つ以上のアルデヒド基を有する化合物が、グルタルアルデヒドであることを特徴とする請求項6に記載の蒸散防止塗膜材料である。
【0019】
また、本発明の請求項9に係る発明は、前記二つ以上のエポキシ基を有する化合物が、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルのいずれか一種を含むことを特徴とする請求項6に記載の蒸散防止塗膜材料である。
【0020】
また、本発明の請求項10に係る発明は、前記二つ以上のハロゲン基を有する化合物が、二塩化エタン、テトラメチレンクロロブロマイド、ジブロモプロパン、ジブロモブタンのいずれか一種を含むことを特徴とする請求項6に記載の蒸散防止塗膜材料である。
【0021】
また、本発明の請求項11に係る発明は、前記エポキシ基とハロゲン基を有する化合物が、エピクロルヒドリンであることを特徴とする請求項6に記載の蒸散防止塗膜材料である。
【0022】
また、本発明の請求項12に係る発明は、請求項1〜11に記載の養液栽培用塗膜材料を、植物が栽培されている土壌や培地の上から塗布し、太陽光に曝すことより硬化させて、水に不溶性としたことを特徴とする蒸散防止塗膜である。
【0023】
また、本発明の請求項13に係る発明は、前記塗膜が、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプン、デンプングルコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウムのいずれか一種を含むことを特徴とする請求項12に記載の蒸散防止塗膜である。
【0024】
また、本発明の請求項14に係る発明は、請求項1〜11に記載の蒸散防止塗膜材料を、植物が栽培されている土壌や培地の上から植物の根域部分を含む領域に塗布し、太陽光に曝すことより硬化させて、水に不溶性の塗膜とし、植物の根域部分を含む領域の養液蒸散を防止することを特徴とする栽培方法である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、太陽光に曝されることより硬化して水に不溶性となる塗膜材料を、植物が栽培されている土壌や培地の上から塗布し、形成される塗膜によって土壌や培地を被覆することで、土壌や培地からの養液蒸散を防止することができる。
【0026】
また、本発明によれば、対象とする土壌や培地の中の所望の箇所にのみ塗膜を形成することができ、塗膜材料を無駄に消費することなく効率良く養液蒸散を防止することができる。
【0027】
また、本発明によれば、塗膜材料を植物の根域部分にも塗布することができ、形成される塗膜により植物の根域部分の土壌や培地を被覆することで、根域部分の養液蒸散防止効果を向上させることができる。
【0028】
また、本発明によれば、植物の根域部分の土壌や培地を塗膜で被覆することで、養液蒸散による蒸発熱により根域部分が低温化してしまう弊害を防止することができ、さらに、塗膜による断熱効果で、根域部分の温度を一定の温度以上に保つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る塗膜材料を塗布して塗膜を形成した固形培地の例を示す説明図である。
【図2】従来のフィルムを被せた固形培地の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(養液栽培用塗膜材料)
まず、本発明に係る蒸散防止塗膜材料について説明する。本発明に係る蒸散防止塗膜材料は、植物が栽培されている土壌や培地の上から塗布され、太陽光に曝されることより硬化して、水に不溶性となることを特徴とするものである。
【0031】
上述の蒸散防止塗膜材料は、高分子からなる主剤と、架橋剤からなる助剤を含み、前記高分子は天然高分子であることが、人体や環境への安全性の面から好ましい。
【0032】
上述の天然高分子としては、例えば、デンプン、ゼラチン、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースのいずれか一種、若しくはこれらを数種含むものが挙げられる。
【0033】
助剤には、主剤に応じて各種架橋剤を用いることができ、例えば、主剤がデンプンの場合には、アジピン酸、リン酸、コハク酸、リン酸エステルナトリウムなどを用いることができる。例えば、デンプンは無水酢酸と無水アジピン酸でエステル化し、デンプン分子間のいくつかの水酸基がアジピン酸で架橋される。デンプン分子の水酸基のうち、いくつかはアセチル化される。
【0034】
また、主剤がゼラチンの場合には、グルタルアルデヒド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩や1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド−メト−p−トルエンスルホナート等の水溶性カルボジイミド、ビスエポキシ化合物、ホルマリンなどを架橋剤に用いることができる。
【0035】
また、主剤がセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースの場合には、マロニルジクロリドや、コハク酸クロリド、グルタルジクロリド、塩化テレフタロイル等のように二つ以上の酸塩化物を有する化合物、グルタルアルデヒド等のように二つ以上のアルデヒド基を持つ化合物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルや、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル等のように二つ以上のエポキシ基を持つ化合物、二塩化エタンや、テトラメチレンクロロブロマイド、ジブロモプロパン、ジブロモブタン等のように二つ以上のハロゲン基を有する化合物、エピクロルヒドリン等のようにエポキシ基とハロゲン基を有する化合物等から選ばれる架橋剤を用いることができる。
【0036】
上述の主剤と助剤の配合比率(重量比)は、主剤が90〜99.9重量%に対し、助剤が概ね0.1〜10重量%である。なお、本発明に係る蒸散防止塗膜材料の塗布直前の形態は液体状であり、例えば、上述の配合比率の主剤と助剤を、5〜10重量%含有する水溶液として用いられる。
(養液栽培用塗膜)
次に、本発明に係る蒸散防止塗膜について説明する。
【0037】
本発明に係る蒸散防止塗膜は、上述の蒸散防止塗膜材料を、植物が栽培されている土壌や培地の上から塗布し、太陽光に曝すことより硬化させて、水に不溶性としたものである。
【0038】
本発明に係る蒸散防止塗膜材料は、始めからフィルム状になってはおらず、液状の蒸散防止塗膜材料を噴霧や滴下、塗工などの方法で、土壌や培地の上から塗布し、太陽光に曝すことより硬化した膜を形成するため、狭い箇所や複雑な形態に対しても被覆性のよい膜を形成し易い。
【0039】
例えば、図1に示すように、上述の蒸散防止塗膜材料を、植物の茎近傍の根域部分まで噴霧方法により塗布し、太陽光に曝せば、形成される本発明に係る蒸散防止塗膜は、植物の根域部分まで土壌や培地を被覆する形態の塗膜になる。
【0040】
それゆえ、本発明に係る蒸散防止塗膜は、従来の土壌や培地を包む有孔フィルムに比べて、植物の根域部分の養液蒸散防止効果を向上させることができる。
【0041】
また、植物の根域部分の土壌や培地を塗膜で被覆することで、養液蒸散による蒸発熱により根域部分が低温化してしまう弊害を防止することができ、さらに、塗膜による断熱効果で、根域部分の温度を一定の温度以上に保つことが可能となる。
【0042】
本発明に係る蒸散防止塗膜の具体例としては、例えば、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプン、デンプングルコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウムのいずれか一種、若しくはこれらを数種含むものが挙げられる。
【0043】
上述のような、架橋デンプンは、分子式
(C6105)n(C682)x(C23O)y
で表され、その性質として、架橋開始温度が低く、加熱時に膨潤しにくいことが挙げられる。また、離水などのデンプン老化が遅く、耐酸性を有するという性質も有する。
(栽培方法)
次に、本発明に係る栽培方法について説明する。
【0044】
本発明に係る栽培方法は、上述の蒸散防止塗膜材料を、植物が栽培されている土壌や培地の上から植物の根域部分を含む領域に塗布し、太陽光に曝すことより硬化させて、水に不溶性の塗膜とし、植物の根域部分を含む領域の養液蒸散を防止することを特徴とするものである。
【0045】
本発明によれば、塗膜材料を植物の根域部分にも塗布することができ、形成される塗膜により植物の根域部分の土壌や培地を被覆することで、根域部分の養液蒸散防止効果を向上させることができる。
【0046】
また、本発明によれば、植物の根域部分の土壌や培地を塗膜で被覆することで、養液蒸散による蒸発熱により根域部分が低温化してしまう弊害を防止することができ、さらに、塗膜による断熱効果で、根域部分の温度を一定の温度以上に保つことが可能となる。
【0047】
また、本発明によれば、塗膜材料を、対象とする土壌や培地の中の所望の箇所にのみ塗布することもできる。このような塗布方法により、対象とする土壌や培地の中の所望の箇所にのみ塗膜を形成することができ、塗膜材料を無駄に消費することなく効率良く養液蒸散を防止することができる。
【0048】
蒸散防止塗膜材料を塗布する方法としては、例えば、図1に示すように、液状の塗膜材料に圧力をかけて霧状に噴出させて吹きつける方法(スプレー方法)や、じょうろやホースで液状の塗膜材料を滴下する方法、はけやローラーで塗工する方法などが挙げられる。
【0049】
以上、本発明に係る蒸散防止塗膜材料、蒸散防止塗膜、および栽培方法について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0050】
1 塗膜
2 固形培地
3 植物
4 噴霧器
10 フィルム
11 孔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物が栽培されている土壌や培地の上から塗布され、太陽光に曝されることより硬化して、水に不溶性となることを特徴とする蒸散防止塗膜材料。
【請求項2】
前記塗膜材料が、天然高分子からなる主剤と、架橋剤からなる助剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の蒸散防止塗膜材料。
【請求項3】
前記主剤がデンプンであり、前記助剤が、アジピン酸、リン酸、コハク酸、リン酸エステルナトリウムのいずれか一種を含むことを特徴とする請求項2に記載の蒸散防止塗膜材料。
【請求項4】
前記主剤がゼラチンであり、前記助剤が、グルタルアルデヒド、水溶性カルボジイミド、ビスエポキシ化合物、ホルマリンのいずれか一種を含むことを特徴とする請求項2に記載の蒸散防止塗膜材料。
【請求項5】
前記水溶性カルボジイミドが、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、若しくは1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド−メト−p−トルエンスルホナートであることを特徴とする請求項4に記載の蒸散防止塗膜材料。
【請求項6】
前記主剤がセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースのいずれか一種を含むものであり、前記助剤が、二つ以上の酸塩化物を有する化合物、二つ以上のアルデヒド基を有する化合物、二つ以上のエポキシ基を有する化合物、二つ以上のハロゲン基を有する化合物、エポキシ基とハロゲン基を有する化合物のいずれか一種を含むことを特徴とする請求項2に記載の蒸散防止塗膜材料。
【請求項7】
前記二つ以上の酸塩化物を有する化合物が、マロニルジクロリド、コハク酸クロリド、グルタルジクロリド、塩化テレフタロイルのいずれか一種を含むことを特徴とする請求項6に記載の蒸散防止塗膜材料。
【請求項8】
前記二つ以上のアルデヒド基を有する化合物が、グルタルアルデヒドであることを特徴とする請求項6に記載の蒸散防止塗膜材料。
【請求項9】
前記二つ以上のエポキシ基を有する化合物が、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルのいずれか一種を含むことを特徴とする請求項6に記載の蒸散防止塗膜材料。
【請求項10】
前記二つ以上のハロゲン基を有する化合物が、二塩化エタン、テトラメチレンクロロブロマイド、ジブロモプロパン、ジブロモブタンのいずれか一種を含むことを特徴とする請求項6に記載の蒸散防止塗膜材料。
【請求項11】
前記エポキシ基とハロゲン基を有する化合物が、エピクロルヒドリンであることを特徴とする請求項6に記載の蒸散防止塗膜材料。
【請求項12】
請求項1〜11に記載の養液栽培用塗膜材料を、植物が栽培されている土壌や培地の上から塗布し、太陽光に曝すことより硬化させて、水に不溶性としたことを特徴とする蒸散防止塗膜。
【請求項13】
前記塗膜が、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプン、デンプングルコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウムのいずれか一種を含むことを特徴とする請求項12に記載の蒸散防止塗膜。
【請求項14】
請求項1〜11に記載の蒸散防止塗膜材料を、植物が栽培されている土壌や培地の上から植物の根域部分を含む領域に塗布し、太陽光に曝すことより硬化させて、水に不溶性の塗膜とし、植物の根域部分を含む領域の養液蒸散を防止することを特徴とする栽培方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−65595(P2012−65595A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213406(P2010−213406)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】