説明

薬物送達デバイスの操作をシミュレートするためのデバイス

薬物送達デバイスの操作をシミュレートするためのシミュレーションデバイスはハウジング(1)及びハウジング(1)中に部分的に配列される可動エレメント(4)を含む。可動エレメントは第一の位置から第二の位置に移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物送達デバイスの操作をシミュレートするデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
薬物の自己投与を容易にするために、薬物送達デバイス、例えば、注射ペン、自己注射器又は吸入器が開発されてきた。
【0003】
薬物送達デバイス、例えば、注射ペンをシミュレートする分野においては、患者が訓練される際に、シミュレーション又は訓練のデバイスが通常使用される。
【0004】
自動注射器を使用するために個々人を訓練するための訓練デバイスが開示されている(特許文献1)。この訓練デバイスは、作動ボタンが動かされるときに手動で圧縮されそして次に解除されるばねを含む。この特許文献は、薬物の一回の投与量を送達するための使い捨てデバイスである、例えば、緊急使用のための自己注射器デバイスシミュレーターに関する。本シミュレーターは自己注射器デバイスと同じ形体であり、それはシミュレーターが自己注射器デバイスの三次元外観を複製しており、そして多くの部品を含むことを意味する。
【0005】
電子回路系に連結された電子的なシミュレートされた薬物送達デバイスが開示されている(特許文献2)
【0006】
代表的な訓練デバイスを用いて生じ得る多くの問題がある。それらはしばしば、それらがシミュレートしている実際の薬物送達デバイスに非常に緊密に似せるために設計され得る。事実、訓練補助具はしばしば、色又はラベルの変更を除いて、実際のデバイス部品が使用されて、そして薬物容器が適切なプラセボ、例えば注射用の水又は生理食塩溶液の容器で置き換えられて生産され得る。
【0007】
これは、患者が訓練補助具を実際のデバイスと取り間違え、そして薬物ではなくプラセボの投与量を送達する、又はその逆の可能性を生みだす。そのような訓練補助具は、訓練補助具が通常より少量で生産されるため、実際のデバイス機構より高価でもあり得る。実際のデバイス部品を使用することに対する更なる不利な点は、実際のデバイスを製造するためにそれ以外に利用され得たであろう製造能力を必要とすることである。
【0008】
実際の薬物送達デバイスを単にシミュレートする訓練補助具も、それらが如何なる訓練情報又は指示をも供するよりはむしろ、そのデバイスを用いた訓練を容易にするするためにのみ役立つという不都合を被る。従って、使用者は訓練補助具の操作における訓練が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,567,160号明細書
【特許文献2】米国特許出願第2008/0059133号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、単純で安価なシミュレーションデバイスを供することである。本発明の更なる目的は、追加情報及び指示を使用者に供するシミュレーションデバイスを供することである。この目的のために、薬物送達デバイスの操作をシミュレートするためのシミュレーションデバイスが供される。シミュレーションデバイスは、ハウジング及びハウジング中に部分的に配列される可動エレメントを含む。可動エレメントは、実際の薬物送達デバイスの少なくとも一つの特徴をシミュレートするために、第一の位置から第二の位置へと動き得る。「可動」とは可動エレメントが軸方向に動き得ること及び/又は回転できること及び/又は旋回できること及び/又はポップアップし得ることを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
可動エレメントは、例えば、ニードルユニット、キャップ、トリガー、スライダー、薬物カートリッジ又はカートリッジ保持部品、デバイスカバー又はボタンをシミュレートする。好ましくは、可動エレメントは、ボタンをシミュレートするボタンエレメントである。
【発明の効果】
【0012】
このシミュレーションデバイスは、実際のデバイスの特徴の全てをシミュレートしてもしなくてもよい。実際のデバイスの操作の患者の理解に対して欠かせない実際のデバイスの特徴のみをシミュレートすることが好ましい。一つの実施態様において、シミュレーションデバイスは、例えば、薬物のカートリッジから数回の投与量を送達することができる、多数回投与量ペン型注射器の使用を真似ることができる。一つの実施態様において、シミュレーションデバイスは固定された投与量のペン型注射器の使用を真似ることができる。そのようなシミュレーションデバイスは使い捨てニードルの取り付けをシミュレートすることができるかもしれない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
その選択された特徴が本発明のシミュレーションデバイスによってシミュレートすることができる実際のデバイスは、薬物、例えば、液状の薬物、で満たされたカートリッジを含む。投与量が実際の薬物送達デバイスを用いて排出されるとき、カートリッジの栓(bung)はカートリッジに沿って遠位方向に前進し、ここで医薬を送達手段、例えば、ニードルを通して追い出す。カートリッジ中の液状薬物の液圧、並びに栓及びカートリッジの内部表面の間の摩擦は栓の動きを相殺する。
【0014】
本発明のシミュレーションデバイスは、実際の薬物を使用せずに、実際の薬物送達デバイスの特徴及び操作工程をシミュレートする純粋なシミュレーションデバイスである。シミュレーションデバイスは薬物、例えば、液状の薬物、又は薬物をシミュレートする代替物、例えば、水又はプラセボを供することも投与することもできない。
【0015】
このシミュレーションデバイスによって、患者がそれから投与することを試みる、又はシミュレーションデバイスを実際の薬物送達デバイスと取り違えるリスクが排除される。更に、このシミュレーションデバイスによって、実際のデバイスの幾つかの又は全ての部品を使用することに比べて製造コストが最小化されるであろう。加えるに、シミュレーションデバイスの材料選択、サイズ、形状及びマーキングは、使用者に対してこれが実際の薬物送達デバイスではないことをはっきりとさせる。
【0016】
シミュレーションデバイスの一つの実施態様は、ハウジング中に少なくとも部分的に配列されたホイールを含む。第一の位置から第二の位置へ可動エレメントを動かすのに対応してホイールが回転するように、可動エレメントはホイールに連結される。
【0017】
一つの実施態様において、シミュレーションデバイスは、可動エレメントが動くときに変化する状態情報及び/又は指示情報を表示するために構成された表示エレメントを含む。
【0018】
一つの実施態様において、シミュレーションデバイスは、ハウジング中に少なくとも部分的に配列された滑りエレメントを含む。可動エレメント、好ましくは、ボタンエレメントは、可動エレメントを第一の位置から第二の位置へと動かすのに応じて、滑りエレメントが遠位端への方向に動かされるように、滑りエレメントに連結される。滑りエレメントは、薬物容器に沿って前進しているピストン及び/又は栓の動きをシミュレートする。
【0019】
一つの実施態様において、滑りエレメントは出発位置から最終位置へと動くように構成される、それは実際の薬物送達デバイスのカートリッジの内部のピストン又は栓エレメント、又はピストン又は栓エレメントを駆動するピストン棒の動きを見えるようにシミュレートする。
【0020】
シミュレーションデバイスの再使用可能な実施態様は、出発位置にリセットし得る滑りエレメントを含む。シミュレーションデバイスの使い捨ての実施態様は、出発位置にリセットされ得ない滑りエレメントを含む。
【0021】
好ましい実施態様において、シミュレーションデバイスは、ボタンエレメントを第一の位置から第二の位置へと動かすのに応じて滑りエレメントが遠位方向に動くように、滑りエレメントに取り外し自在に連結されたラチェットデバイスを含む。第一の位置はボタンエレメントの最も遠い近位位置である。第二の位置は、ハウジング内に完全に押し込まれるボタンエレメントの最も遠い遠位位置である。好ましくは、ラチェットデバイスは、ボタンエレメントを第二の位置から第一の位置へ動かすのに応じて、滑りエレメントが近位方向に動かないように、滑りエレメントに取り外し自在に連結される。
【0022】
一つの実施態様において、シミュレーションデバイスは、ボタンエレメントを少なくとも所与の力を用いて押すことに応じてボタンエレメントが第一の位置から第二の位置へ動かされるように、ボタンエレメント及び/又は滑りエレメントに取り外し自在に連結されたばねエレメント及び/又はダンパーエレメントを含む。プラスチック又は金属のばねが含まれることによって、実際のデバイスを操作するために要求された力をシミュレートするために、触知できるフィードバックを使用者に供することができる。例えば、もし、実際のデバイスが注射デバイスであるなら、ゴム製栓をカートリッジの長さに沿って駆動するために及び/又はニードルから薬物を排出するために力が必要になるであろう。更に、ばねエレメントは使用者に聞くことができるフィードバックを供することができる。このように、ばねエレメントは実際の薬物送達デバイスの内部的な特徴をシミュレートするために適切である。一つの実施態様において、ばねエレメントは、ボタンエレメントを第二の位置へと押した後、ボタンエレメントを第一の位置内にリセットするために設計されている。
【0023】
更なる実施態様において、シミュレーションデバイスの表示デバイスは滑りエレメントの位置を表示するために適している。滑りエレメントは、実際のデバイスのカートリッジにおける栓の移動(travel)をシミュレートする。この表示エレメントはカートリッジの透明な性質をシミュレートする。
【0024】
一つの実施態様において、シミュレーションデバイスは、実際のデバイスにおいて存在する表示エレメントをシミュレートするために構築された第二表示エレメントを含む。第二表示エレメントは、滑りエレメント及び/又はボタンエレメントの位置に対応する状態情報を表示する。この表示エレメントは、ボタンエレメントが第一の位置及び/又は第二の位置マーク(例えば、近位方向の矢マークのような記号又は色)に置かれているときに、第一方向のマーク(例えば、遠位方向の矢マークのような記号又は色)を表示し得る。これらのマークは、実際のデバイスにおいて存在する記号を複製しており、そして投与量設定をシミュレートするためにボタンエレメントを引くのか、又は投与量送達をシミュレートするためにボタンエレメントを押すのかを使用者に示すために使用され得る。或いは、この第二表示エレメントは、もし、同じ使用者の行動が続いて行われるならば、実際のデバイスによって送達されるであろう薬物投与量の容量に対応する数を表示し得る。
【0025】
一つの実施態様において、シミュレーションデバイスは、更なる指示情報又はフィードバックを使用者に表示するために構築された、例えば、滑りエレメント及び/又はボタンエレメントの位置に相当する、実際のデバイスには存在しない追加の表示エレメントを含む。例えば、表示エレメントは、シミュレートされた準備量が完了されるべきことを使用者に指示し得て、又はシミュレートされた注射の完了を使用者に伝え得る。この例において、表示エレメントは、滑りエレメントが出発位置に位置合わせされるときに出発状態マークを、及び/又は滑りエレメントが最終位置に位置合わせされるときに最終状態マークを表示するであろう。表示エレメントは状態情報を数字でも又はテキスト形でも供し得る。例えば、表示エレメントはシミュレーションデバイスに残っているシミュレートされた投与量の数又は残っているシミュレートされた薬物の量を数字的に指示するために使用され得る。
【0026】
好ましくは、少なくとも一つの表示エレメントは、表示された情報が窓を通して見えるように、(例えば、ハウジング中に)窓を含む。この窓は、覆いが取り外された開口部であり得て、又は透明な材料によって覆われ得る。一つの実施態様において、投与量目盛は薬物容器の刻まれた目盛に似せるために供される。
【0027】
一つの実施態様において、シミュレーションデバイスはニードルユニットを取り外し自在に取り付けるために適するハブエレメントを含む。尚、ニードルユニットは、実際のデバイスに対して使用されるものと同じ実際のニードル、又はニードルダミーを意味する。好ましくは、ニードルユニットは、訓練セッション中の負傷を防ぐのを助けるニードルダミーを意味する。ニードルを取り付けること及び取り外すことは、ニードルハブを用いてニードルを正しい方向に置きそして配列するために細かな手先の器用さが必要であるため、注射ペンの使用者にとって、特に困難な操作である。もし、これが実際のペンを用いて訓練されると、それはカートリッジ隔壁の突き刺し及びあり得る損傷の原因になり得る。従って、もし、ニードルの取り付け及び取り外しを訓練するためにシミュレーションデバイスが使用され得るならば、それは都合がよい。
【0028】
一つの実施態様において、シミュレーションデバイスの少なくとも一つのエレメントはプラスチックでできている。一つの実施態様において、シミュレーションデバイスの少なくとも一つのエレメントは積層された複合発泡ボードでできている。一つの実施態様において、シミュレーションデバイスの少なくとも一つのエレメントは紙又は厚紙でできている。
【0029】
好ましくは、シミュレーションデバイスの大部分の又は全てのエレメントは安価な材料、最も好ましくは、厚紙でできている。シミュレーションデバイスのために使用され得る別の材料は射出成形プラスチックである。このように、実際の薬物送達デバイスの各パッケージにおいて訓練補助具として役立つための、又は患者の訓練を助けるために、例えば、医者、看護士又は薬剤師のようなヘルスケアの専門家に、又は直接、患者にシミュレーションデバイスを供するためのシミュレーションデバイスを含むことが可能であろう。
【0030】
シミュレーションデバイスのコストは低コスト材料、例えば、カード、複合発泡体又はカード、低コストのプラスチック成形物又は圧縮成形物を使用することによって低減され得る。好ましい実施態様において、シミュレーションデバイスのハウジングは少なくとも二層を有するカードとして形成される。一つの実施態様において、シミュレーションデバイスの少なくとも一つのエレメントは折り畳まれている。カードは、カードの全ての又は部分が、訓練補助具が意図される実際の薬物送達デバイスに似せるように、印刷されるであろう。カードは追加の指示、警告又は説明の伝言を含んでもよいし含まなくてもよい。
【0031】
追加的に又は代替法として、コストは、実際のデバイスの正しい使用を教えるために不可欠な医薬デバイスの様相のみをシミュレートすることによって、及びシミュレーションデバイスを複雑にし得て、かつ患者の習得に著しく加わるものがないデバイスの他の特徴を意図的に省略することよって低減され得る。得られたシミュレーションデバイスは実際のデバイスに似ているであろうが、必ずしも3D(三次元外観)において、又は材料の使用において似ている必要はない。シミュレーターは「作業指示冊子」内に統合され得て、それは三次元の又は可動な部品、例えばポップアップ部品を含み得る。これによって例えば、付属の指示カード又は冊子の部分である、実際のデバイスの部分ではない追加の指示又は動く機構又は表示窓を含むための機会が与えられる。
【0032】
一つの実施態様において、一旦、滑りエレメントがその端部位置に達すると、シミュレーションデバイスはその出発状態にリセットすることができない。この使い捨てシミュレーションデバイスは、実際の薬物送達デバイスが再使用できないことを示すのに適している。好ましい実施態様において、シミュレーションデバイスは実際のデバイスの寿命状態の終了を再現するであろう。例えば、一旦、シミュレートされた投与量の全てが送達されてしまうと、ボタンエレメントが第二の位置から第一の位置へと移動することはできないであろう。
【0033】
しかしながら、医院又は病院において繰り返して示すために要求されるであろう再使用可能なシミュレーションデバイスは、プラスチックのようなより頑丈な材料を用いてよりよく具体化され得るであろう。聞くことができるクリッカー又はプラスチックばねのような幾つかの機構は、カードよりもむしろプラスチック部品を使用することによってのみ可能となり得る。
【0034】
更なるの実施態様において、シミュレーションデバイスは一つのハウジング内で複数のデバイスをシミュレートするために好適なように供される。例えば、ハウジングは多数のボタンエレメント及び滑りエレメントを含み得る。
【0035】
他の特徴は、添付図面と併せて考慮した場合、以下の詳細な記述から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】薬物送達デバイスの機能をシミュレートするためのシミュレーションデバイスの実施態様の透視図である。
【図2】図1に示された通りの実施態様を製造するのに適した発泡ボード部材の平面図を示す。
【図3】図2に示された部材から組立てられる実施態様の中間層及び最下層の平面図である。
【図4】A〜Fは、図1〜3において図示されたシミュレーションデバイスの操作における多くの工程を説明する図である。
【図5A】「閉」位置における、厚紙でできたシミュレーションデバイスの更なる実施態様を示す図である。
【図5B】「開」位置における、図5Aのシミュレーションデバイスの実施態様を示す図である。
【図6】図5に示された厚紙シミュレーションデバイスの実施態様を製造するために使用することができる部材間の折り曲げ又は分割のどちらかを示す実線の輪郭線を有する二次元の平らなブランクを示す図である。
【図7】Aは、切り抜かれた滑りエレメントを示す図である。Bは、ボタンエレメントを形成する折り曲げボタン部材を示す。
【図8】図5に示されたシミュレーションデバイスのカードハウジングの第二層中に形成されたガイド中に配置された滑りエレメント及びボタンエレメントを示す図である。
【図9】スライダーの実施態様を示す図である。
【図10】ハウジングの実施態様を示す図である。
【図11】A及びBは、ニードルユニットの取り付けをシミュレートするためのシミュレーションデバイスの実施態様を示す図であり、ここでシミュレーションデバイスはスライダー及びハウジングを含む。
【図12】シミュレーションデバイス用の回転ホイールの実施態様を示す図である。
【図13】A〜Cは、ホイールを含むシミュレーションデバイスを示す図である。
【図14】A及びBは、ポップアップカードとして設計されたシミュレーションデバイスを示す図である。図14Aは折り曲げポップアップカードを示す。図14Bは開いたポップアップカードを示す。
【図15】A及びBは、ヒンジ止めセクションを有する実施態様を示す図である。
【図16】A及びBは、角度のある折り目を有する実施態様を示す図である。
【図17】角度のある折り目を有する更なる実施態様を示す図である。
【図18】A〜Dは、ドライパウダーディスク吸入器をシミュレートするシミュレーションデバイスの実施態様を示す図である。
【0037】
図1に、薬物送達デバイス又は薬剤送達デバイス、例えば注射ペン、の機能をシミュレートするためのシミュレーションデバイスの実施態様の透視図が示されている。
【0038】
シミュレーションデバイスは、遠位端及び近位端を有するハウジング1を含む。スロット2は、遠位端であるハウジング1の前方部から、近位端であるハウジング1の後方部へと延びている。ハウジング1の後方部の近くに位置するスロット2の第一の部分は、ハウジング1の部分であるハウジングカバー13によって覆われている。ハウジング1の前方部の近くに位置するスロット2は外側から見ることができる。
【0039】
ボタングリップ44を含むプッシュプルボタンエレメント4(図3を参照)は、ボタングリップ44だけが見ることができるように、ハウジング1の後方部のスロット2の中に部分的に位置する。ボタンエレメントは第一の位置内に引き込まれ、そして第二の位置内に押し込まれるように構成される。図1は、第二の(遠位)位置にある押されたボタンエレメントを示す。
【0040】
滑りエレメント3はハウジング1のスロット2中に配置されている。図1において、滑りエレメント3は、ハウジング1の前方部に位置するスロット2の見える部分に滑りエレメント3の小さい部分だけを見ることができるように、出発位置に配置されている。ボタンエレメント3を第二の位置から第一の位置へ引いた後、次いで、ボタンエレメントを第一の位置から第二の位置へと遠位方向に動かすのに応じて、滑りエレメント3が遠位方向に移動する。言い換えれば、ボタングリップ44をハウジング1内に押し込むことによって、滑りエレメント3が矢印で示された方向に進む。
【0041】
滑りエレメント3はスロット2の内部を単に遠位に滑る。ボタンエレメント4が第一の位置から第二の位置へと動かされるとき、乾燥摩擦が滑りエレメントの遠位への動きと反対に作用する。
【0042】
ハウジング1の前方部のスロット2の覆われていない部分は、外側から見ることができ、そして状態表示7として役立つ。滑りエレメント3の位置は、カートリッジに沿ってシミュレートされた栓がどこまで進んだかを示す。滑りエレメント3の位置は、透明窓14(示されていない)上に印刷された投与量目盛と共に、どれだけのシミュレートされた投与量がシミュレーションデバイス中に残っているかを示す。滑りエレメント3の動きは、実際の薬物送達デバイスのカートリッジ中の栓の動きをシミュレートする。カートリッジ中の栓の位置はカートリッジ中の薬物の残量を示す。
【0043】
ハウジングカバー13中の窓5は、どの方向にボタンエレメントが動かすべきかを示す方向指示表示として役立つ。方向指示窓5における表示はボタンエレメントの位置に依存して変化する。図1は方向指示窓5中の矢印を示す。この矢印はボタンエレメントが近位に引かれるべきであることを示す。ボタンエレメントを引いた後、ボタンエレメントが遠位に押されるべきことを示している方向指示窓5中に別の矢印が見えるようになる。
【0044】
ハブエレメント6はハウジング1の前方に配置される。ハブエレメント6は、連結手段の上に/そこからニードルを取り付け及び取り外しをシミュレートすることを目的として、患者がニードル又はニードルダミーをハブエレメントの上に取り付けること、及びニードル又はニードルダミーを取り外すことを練習できるように、連結手段を含み得る。好ましくは、ハブエレメントは実際の薬物送達デバイスと類似のニードル連結手段、例えばねじ山、バヨネットロック又はスナップロックなどを使用する。
【0045】
例えシミュレーションデバイスが、ニードル結合手段の完全3D形を特徴としていないとしても、ハブエレメントの種々の実施態様が、ニードルユニットの取り付け及び取り外しをシミュレートするのに適している。ニードルを取り付けるための連結手段を供するためのねじ山の十分な部分を模倣するため、ハブエレメント上に鋸歯状の縁を有する厚紙シミュレーションデバイスが製造され得る。同様に、シミュレーションデバイスの実質的に厚紙の実施態様に加えられるプラスチックの実施態様又はプラスチックのニードルハブは、連結手段、例えばねじ山に類似した鋸歯状の縁又は全く完全な又は部分的なセクションを特徴とすることもできる。どちらの場合も、ニードルの内部(遠位)端は、カートリッジのセプタム(septum)を穿刺する代りに、シミュレーションデバイス中の空気スペースに入る。
【0046】
図1に示された実施態様は、固定投与量注射デバイスである実際のペン注射器を似せてそしてシミュレートするために設計されている。実際のペン注射器の実施態様は、薬物のカートリッジから固定された数の投与量を送達し得る。一旦、投与量が設定されると、それは薬物を送達することなしにはキャンセルすることができない。この注射器ペンをシミュレートしているシミュレーションデバイスの実施態様は、ペン投与量ボタンが比較的簡単にシミュレーションすることができるプルプッシュによって操作されるため、ペンに特によく適している。
【0047】
図1に示されたシミュレーションデバイスは、固定投与量注射ペンに基づく訓練補助具として役立つ。シミュレーションデバイスのボタンエレメントは、実際の注射デバイスの動いているプルプッシュ投与量ボタンをシミュレートしている。注射ペンの設定は、ボタングリップを近位方向へ引っ張ることによってシミュレートされる。投与量が排出されるときに、各投与量に対して固定された距離だけカートリッジに沿って前進するカートリッジの栓は、ボタングリップ44が押されるときに、スロット2に沿って前進する滑りエレメント3によってシミュレートされる。
【0048】
示されていないシミュレーションデバイスの別の実施態様は、回転するボタングリップを有する。これは単純な射出成形品又は厚紙チューブを用いて得ることができる。回転するボタングリップを有するシミュレーションデバイスは、インスリンの送達のために使用されるもののような可変投与量注射ペンを含む多くの薬物送達デバイスをシミュレートするために使用することができる。
【0049】
一つの更なる実施態様は、実際の薬物送達デバイスの内部機能の幾つかをシミュレートするために適している。例えば、投与量の設定及び/又は送達中に、ゴム栓をカートリッジの長さに沿って動かすために要する力、又は実際の薬物送達デバイスによって出される音が、触覚又は聴覚フィードバックを備えるシミュレーションデバイスにおいて、プラスチック又は金属のばねの介在物によってシミュレートされ得る。ばねは、ボタンエレメントを押すために所与の圧力が必要であるようなボタンエレメントに連結することができる。代替の実施態様では、ばねは滑りエレメントに連結される。一つの実施態様において、ばねは、例えばばねを滑りエレメントと前方ハウジング壁の間に位置決めすることによって、ボタンエレメントを押すことに応じて圧縮されるように配置される。或いは、ばねは、ボタンエレメントを押すことに応じてばねが圧縮されない又は伸ばされるように配置される。
【0050】
シミュレーションツールは患者を訓練するために、そしてデモンストレーション目的のために使用される。患者に薬物送達デバイスが与えられるとき、その患者はこのデバイスの安全で正しい使用の医療専門家による訓練を受ける必要がある。それに加えて、又は訓練が与えられない場合、患者はデバイスの使用の練習から恩恵を得られ得る。そのような練習には、ボタンがどこまで動くかを見ること、操作中デバイスの任意の変化、例えば状態表示窓におけるフィードバック/印刷を観察すること、投与量目盛又は残りの投与量インジケーターを読むこと、ニードルの取り付け及び取り外しが含まれ得る。もし、この練習が実際の薬物含有デバイスを使用して実行されるならば、その患者は薬物を浪費することになり、そして患者がデバイスを損傷したり、又は配慮の足りない若しくは安全でない仕方でふるまうというリスクがある。
【0051】
シミュレーションデバイスの一つの実施態様は、色、印刷、外部の動く部材及び全体サイズに関して、実際の薬物送達デバイスに非常に似せるように設計される。各々の異なる薬物送達デバイスは、それ自体の型のシミュレーションデバイスを有することになる。シミュレーションデバイスは実際のデバイスよりもはるかに簡単であり、そして従ってコストがかからない。シミュレーションデバイスは必ずしも実際のデバイスと同じ3D形状を有しなくてもよく、そして如何なる薬物又は液体も含有しなくてよい。
【0052】
図1に示される通りの実施態様は三層の発泡ボードでできている。発泡ボードは、最上層及び最下層並びに最上層と最下層の間にサンドイッチされた充填材料の層を含むサンドイッチ構造をとる複合体である。充填材料の層は発泡層、例えば、二枚の厚紙の間に積層された発泡プラスチックである。この材料の利点は、発泡ボードの三層がシミュレーションデバイスに実際の薬物送達デバイスと類似の厚みを与えることである。従って、より薄い材料の使用に比べて、シミュレーションデバイスの形状は実際のデバイスの三次元形状により近く似せられる。しかしながら、実際のデバイスの形状の正確な複製品であるシミュレーションデバイスは、実際のデバイスの正しい操作において患者を訓練するためには恐らく不必要である。従って、カード又は厚紙のようなより安価な材料が置き換えられ得る。
【0053】
図2は、図1に示されたような実施態様を製造するのに適した発泡ボード部材の平面図を示す。
【0054】
シミュレーションデバイスの実施態様は三層の発泡ボード部材でできている。最下層、中間層及び最上層の部材がある。
【0055】
シミュレーションデバイスの最下層は二つの部材を含む。ハブセクションの底部61を含むハウジングの底部部材11は基体として機能する。ボタングリップの底部441は、ハウジング1と同じ厚みをボタングリップ44に与えるために備えられる。
【0056】
シミュレーションデバイスの中間層は三つの部材を含む。ハブセクションの上部部材62を含むハウジングの壁セクション12は、ハウジングの壁を画成し、そしてボタンエレメント及び滑りエレメントの移動に対して限界を与える。ハウジング壁セクション12は、逆止めラチェットの歯止めとして作用するよう構成された可撓性アーム15を含む。ハウジング壁セクション12はハウジングの底部部材11に接着される。ハウジングアーム15は接着剤が無しのままにされ、ハウジングの底部部材11に接着されない。
【0057】
滑りエレメント3は一組のラチェット歯31、32、33、39を含む直線的なラックとして構成される。
【0058】
ボタンセクションの中間層部材42は、ボタングリップの中間層部材442、ロックエレメント43及び延長したラチェットアーム45を含む。ボタンエレメントの位置を示すために適したマーク51、52は、ボタンエレメントの中間層部材42上に印刷される。これらのマークはシミュレーションデバイスの方向指示窓5中に見ることができる。
【0059】
ロックエレメント43の幅は、ボタングリップ44が引っ張られるときに引き出されるボタンエレメントの部材41の幅よりも大きい。従って、ロックエレメント43は、ハウジング壁セクション12の後方の内壁122に達したら、ボタンエレメントの近位移動を停止させ、そして内壁122はロックエレメント43の近位運動を停止させる。ボタングリップ44がハウジングの後方の端に達するとき、及び/又はロックエレメント43がハウジング壁セクション12の内壁における停止部コーナー123に達するとき、ボタンエレメントの遠位運動が停止される。
【0060】
シミュレーションデバイスの最上層は三つの部材を含む。第一のハウジングカバー13は、ボタンエレメント上のマーク51、52を見ることができる方向指示窓として機能する開口部5を含む。マーク51、52の一つが、方向指示窓5のボタンエレメントの位置に依存して現れる。
【0061】
第一のハウジングカバー13は、ハウジング1の後方の近くに位置するスロット2を覆う。一つの実施態様において、第一のハウジングカバー13は、中間層部材をリセットするためのアクセスを供するように、中間層及び最下層にヒンジ止めされる。
【0062】
第二のハウジングカバー14は、カートリッジラベル又は段階を付けた投与量目盛が印刷され得る透明な材料、例えばセロファンでできた投与量目盛71を含む。ふれておくべきは、第二のハウジングカバー14が図1に示された実施態様では示されていないということである。
【0063】
ボタングリップの上部部材443は、ハウジング1と同じ厚みをボタングリップ44に与えるためにボタングリップの中間層442に接着される。
【0064】
外側から見ることができる表面は、シミュレーションデバイスが意図される実際の薬物送達デバイスに似せるように形づくられてそして印刷され得る。
【0065】
図3は、図2に示された最下層及び中間層の部材を含む実施態様の平面図である。滑りエレメント3及びボタンエレメント4は出発位置に配置されている。
【0066】
滑りエレメント3は、ハウジングアーム15が滑りエレメント3の第一の歯31の前の窪みに係合するように位置している。ボタンエレメント4は第二の(押し込まれた)位置にある。ボタンエレメント4のラチェットアーム45は第二の歯32の前の窪みに係合されている。
【0067】
ボタンエレメント4が引かれると、ラチェットアーム45は、第二の歯32の上に偏向し、又は滑り上り、そしてその上を滑り、そして次の歯33の前の窪み内に(例えば、アーム45の弾性によって)強制的に戻される。ボタンが近位方向に引かれるとき、滑りエレメント3も、ハウジングアーム15によって近位方向に動くことができない。
【0068】
ボタンエレメント4が遠位方向に押されると、ボタンエレメントのラチェットアーム45の角が、それを第二の歯32に対してもたれさせ、そのため、ボタンエレメント4が移動するにつれて、滑りエレメント3を遠位方向に強制的に動かす。ハウジングアーム15は、アームの弾性で第一の歯31の上に偏向し、又は滑り上り、そしてその上を滑り、それを次の歯32の前の窪み内へ強制的に戻す。一つの実施態様において、ラチェット部材の相対的な動きは、弾性変形によるよりもむしろラック又は歯止めの湾曲又は捩じれによって達成される。
【0069】
ボタンエレメント4の繰り返される引っ張り及び押し込みによる滑りエレメント3の段階的な移動は、ラチェットアーム45が最後の歯39の上を滑りきるまで続く。更に、滑りエレメント3はハウジングの前壁に達しており、それが滑りエレメント3の移動を制限する。
【0070】
図4A〜4Fは、シミュレーションデバイスの操作における種々の工程を図示する。
【0071】
使用者のステップ、滑りエレメント3をシミュレートしている栓の動き、及びシミュレーションデバイスの方向指示窓5の内容物は、ペン注射器の実際の実施態様に類似している。
【0072】
図1及び3に関連して述べたような訓練補助具の初期状態は、図4Aに示されている。ボタングリップ44は押し込まれた状態にある。滑りエレメント3はその最も近位位置にある。方向指示窓5において、近位方向を指し示している矢印を見ることができる。
【0073】
薬物の投与量設定をシミュレートするには、使用者はボタンエレメント4のボタングリップ44を、図4Bに示されるように、その最も近位位置へと引っ張り出す。ボタンエレメント4の動きは、ロックエレメント43がハウジングの中間層12の内壁122上のスロットの端部に達するときに止められる。ボタンエレメント4を近位へ引っ張った後、遠位方向に向いている矢印が方向指示窓5中に表示される。この矢印は、デバイスの操作の次の工程を行なうためのボタンエレメント4の次の動きがボタングリップ44を遠位に押すことになることを使用者に示す。ボタンエレメント4が近位に引かれると、ラチェットアーム45の端部が滑りエレメント3の一つの歯の上で曲がり、そしてボタンエレメントの内側のストローク上にこの歯を直ぐ係合できるよう跳ね戻る。ラチェットアーム45の材料がこれを達成するために実際に可撓性である必要はない。可撓性は、適切な折り目付け(scoring)又は折り曲げによってカード実施態様で達成することができる。滑りエレメント3は、ボタンエレメント4と共に外側に向かって移動することが、滑りエレメント3及びハウジング壁の間の摩擦の組合せによって、及びハウジング壁セクション12のハウジングアーム15で係合されていることによってできない。
【0074】
投与量の投与をシミュレートするには、使用者は、図4Cに示されるように、ボタングリップ44を遠位に完全に中へ押し戻す。ボタンエレメント4の遠位への移動は停止部コーナー123がハウジング壁セクション12の内壁上に到達することによって制限される。近位方向に向いている矢印が状態窓中に表示される。ラチェットアーム45の端部は、滑りエレメント3の係合した歯に抗して駆動する。滑りエレメント3は、一回の投与量の注射をシミュレートする一工程ずつ前進させられる。滑りエレメントが動くにつれて、ハウジングアーム15は曲がり、次のラチェット歯が通過することを可能にする。可撓性は、カード実施態様において適切な設計及びアームの可能な折り目付け又は折り曲げによって達成することができる。
【0075】
投与量の設定及び投与のシミュレーションは、滑りエレメント3が完全に前進するまで繰り返すことができ、ここで滑りエレメント3は、図4Eに示されるように、実際のデバイスのプランジャーが実際のデバイスのカートリッジの端部に到達することをシミュレートする。
【0076】
一つの実施態様において、図4Eに示されるように、一旦、滑りエレメント3がその最終位置に達しても、シミュレーションデバイスはその出発状態にリセットすることができず、そのことによって、やはりその端部位置においてロックされそしてリセットすることができない使い捨て薬物送達デバイスをシミュレートする。図4Fは滑りエレメント3が最終位置に位置する別の実施態様を示す。この実施態様において、第一のハウジングカバー13は、中間層部材をリセットするためのアクセスを供するように中間層及び最下層にヒンジ止めされている。最上層のハウジングカバー13は、滑りエレメント3にアクセスするために、そしてそれを出発位置に戻すために開けられ、そのことによってリセット可能な薬物送達デバイスをシミュレートし、又は訓練目的のためのシミュレーションデバイスの反復使用を可能にする。
【0077】
シミュレーションデバイスの反復使用について多くのオプションがある。シミュレーションデバイスの一つの実施態様は、再使用を防ぐための部材が全くない十分に単純なものである。或いは、シミュレーションデバイスの各使用がシミュレーションデバイスに作用を有する場合、例えばピストンをシミュレートしている滑りエレメントを前進させる場合、その作用を逆転させる、滑りエレメントをリセットさせるためのリセット機構があり得る。リセット機構の別の実施態様は、ラチェットアーム45及びハウジングラチェット15の係合を一時的に解くための手段を備えることであり、それによって、それをその最初の位置に戻すために滑りエレメント3が近位方向に簡単に押し戻されることを可能にする。シミュレーションデバイスの別の実施態様は、シミュレーションデバイスのエレメントが最初の位置にリセット又は該位置で再組立できるように、シミュレーションデバイスの完全な又は部分的な解体を可能にするように構成される。
【0078】
更なる実施態様は上記シミュレーションデバイスに示されていない最終投与量停止部を含む。最終投与量停止部は、ボタンエレメント4をロックして、そして最終投与量の投薬(dispense)がシミュレートされた後の、近位方向又は遠位方向へのボタンエレメント4の更なる動きができないように構成される。
【0079】
図5Aは、多数の厚紙層でできているシミュレーションデバイスの「閉」位置における更なる実施態様を示す。ハウジング1は、ハウジング1に対する滑りエレメント3及びボタンエレメントの移動を誘導する誘導機構を有する実質的に矩形のカードとして形成される。実際のデバイスの絵がカード上に印刷されている。
【0080】
カードは線110に沿って折り曲げられることによってカードの少なくとも一部をカバーするために適したフラップ100を含む。フラップ100の開閉は、実際のデバイスの異なる状態をシミュレートするために使用することができる。例えば、「閉」位置にフラップ100を有するこの実施態様において、フラップ100は実際のデバイスの絵のカートリッジ及びニードル部分を覆う。フラップ100の見ることができる外側表面は、実際のデバイスのキャップの絵が印刷されている。従って、「閉」カード位置において、使用者はそのキャップが付けられた状態で実際のデバイスの絵を見ることになる。
【0081】
図5Bは「開」位置における、シミュレーションデバイスの実施態様を示す。フラップ100が開けられると、カード上に印刷された実際のデバイスの絵の一部が現れる。例えば、「開」位置におけるフラップ100を有するこの実施態様において、使用者は、取り付けられたニードルを伴うそのキャップをはずされた状態で実際のデバイスの絵を見ることになる。
【0082】
更なる指示又は警告情報がフラップ100の外側及び内側の表面の両方上に印刷又は表示され得る。例えば、図5Bの実施態様においては、フラップ100の内側面はニードルの取り付けのための指示を保持し得る。
【0083】
更なる実施態様において、フラップ100に類似した追加のフラップが含まれ得る。これらのフラップの表面は、デバイスの更なる状態、例えばニードル取り付け前の中間の未キャップ状態(フラップ100の図示された実施態様に先立つ工程)又はそれに続くニードル除去段階(フラップ100の図示された実施態様に続く工程)を示すために使用され得る。更なる実施態様において、これらの更なるフラップはデバイス使用者指示書の完全セットを含むシミュレーションデバイス/冊子を形成する。従って、使用者は指示書を読みそしてそれと同時にシミュレーションデバイスを用いて実際のデバイスの使用を練習することができる。
【0084】
例えば指示情報などの更なる情報もカード上のテキスト領域501中に印刷される。
【0085】
ボタンエレメント及び滑りエレメント3も厚紙でできている。プルプッシュボタンエレメントは、ボタングリップ44を見ることができそして動かすことができるように、カード1のガイド形体(guide feature)中に位置している。図5A及び図5Bに示されるように、ボタンエレメントは押し込まれた状態にある。滑りエレメント3は、ガイド形体中に位置し、そしてボタンエレメントを遠位に押すのに応じて滑りエレメント3が遠位方向に移動するよう、ボタンエレメントに取り外し自在に連結されている。
【0086】
ハウジング1は、カードに印刷された薬物送達デバイスの絵の遠位端に位置する方向指示窓5を含む。この方向指示窓5は実際のデバイスと同様の形体をシミュレートする。状態窓77は滑りエレメント3の位置を示す。状態窓77は、滑りエレメント3の位置を表示している印刷されたカートリッジ保持具中の切り抜き(cut-out)として形成され、ここで滑りエレメント3は、薬物送達デバイスのカートリッジの栓(ピストンエレメント)の移動をシミュレートする。
【0087】
更なる窓8及び9は、追加情報、説明、フィードバック又は警告をシミュレーションデバイスの操作中に使用者に表示するために使用される。これらの更なる窓8及び9、並びにそれらが供する情報は、実際の薬物送達デバイスにおいては存在しない。任意の数又は形又は位置のこれらの更なる窓は、実際のデバイスの操作に関する最も適切な情報を使用者に伝えるために備え得る。
【0088】
図5A及び5Bの実施態様において、更なる窓8は、滑りエレメント3が出発位置に位置するとき、「P」を表示する。滑りエレメント3が最終位置に位置するとき、「X」が表示される。これらの記号の意味についての情報はテキスト領域(text field)502中に印刷される。例えば、テキスト領域は次のテキスト「P−主要投与量(体内に注射してはならない)、X−ペンが空」、並びに1つ又は複数の窓中に現れるインジケーター又は記号に関する別の情報を含み得る。
【0089】
図5A及び5Bの実施態様において、更なる窓9は、ボタングリップ44が押されるときの、図5に示されていないクリック記号を示す。クリック記号の表示は、投与量グリップが押されるときに実際のデバイスがクリックすることを示す。
【0090】
シミュレーションデバイスは、シミュレーションデバイスをその最初の位置にリセットする手段を全く持たない使い捨てデバイスとして具現化される。このことは、プロモーション又は訓練の目的のため、又は全てのデバイスが、訓練補助具として機能するシミュレーションデバイスと共に供給される場合、適切である。それはまた、最後の投与量が投薬された後に廃棄すべき使い捨て薬物送達デバイスをシミュレートするためにも役に立つ。
【0091】
図5A及び図5Bの実施態様の更なる特徴は、最後のシミュレートされた投与量が実行された後にシミュレーションデバイスがロックアウトされるようになることである。これは、ボタンエレメント4が押し込まれた位置にロックされ、そして更なるシミュレートされた投与量を設定するためにもはや引くことができないことを意味する。シミュレーションされている実際の薬物送達デバイスにおいても同じ最終投与量ロックアウトが存在する。従って、シミュレーションデバイス及び実際のデバイスは同じように働く。
【0092】
図6は、図5A及び図5Bに示される通りのシミュレーションデバイスを製造するために使用される部材10、3、40の形状を示す実線の輪郭線を有する平らな厚紙ブランクの実施態様を示す。輪郭線は部材10、3、40をどこで切断するかをマークする。
【0093】
ハウジング部材10は、ハウジングの最下層を形成する第一の部分101、ハウジングの中間層を形成する第二の部分102及びハウジングの最上層を形成する第三の部分103を含む。第三の部分103における切り抜き部はハウジング1の窓5、77、8、9を形成する。
【0094】
第一及び第三の部分101、103は実質的に矩形であり、そしてカードのサイズを有する。
【0095】
ハウジング部材10の第二の部分102は第一の垂直カット21及び第二の垂直カット22を含む。曲がった第三のカット23は第一のカット21の頂部を横切り、第一カット21の頂部の両側上に位置する第一及び第二のフラップ24、25を形成する。第二カット22と近くのエッジの間のカードの部分は除かれて更なるフラップ26、27を形成する。
【0096】
第一及び第二のフラップ24、25はラチェットデバイスの部材を形成する。垂直カット21、22は後述の滑りエレメント3及びボタンエレメント4の移動を誘導するガイド形体を形成する。
【0097】
第二の部分102の隣に位置するハウジング部材10の更なる部材100は、折り曲げられたカードの少なくとも部分を覆うために適するフラップとして役立つ。フラップ100はオプションの切り抜き78を特徴とする。このオプションの切り抜きによって、さもなければフラップ100によって覆われることになるハウジング部材10の部分を使用者が見ることができるようになり、より詳しく実際の注射デバイスを表すことができる。
【0098】
ハウジング部材10は、ハウジング部材10の第三の部分103の一つの側に位置する接着剤ラップ29を含む。ハウジング1は、第三の部分103が第一の部分101上に配置される第二の部分102上に配置されるようにハウジング部材10を折り曲げることによって製造される。接着剤ラップ29はそれらをフラップ100の第一の部分101に接着することによって折り曲げを固定する。場合により、第三の部分103もハウジング部材10の第二の部分102に接着される。
【0099】
滑りエレメント3は、一組の歯を有する第一の直線状のラック301及び更なる一組の歯を有する第二の直線状のラック302を含み、ここでラック301、302は平行に配置される。
【0100】
マーク81、82は滑り部品の底部領域に印刷される。マーク「P」は、滑りエレメント3が出発位置に位置するとき、ハウジングの窓8中に見ることができる。「X」は、滑りエレメント3が最終位置に位置するとき、ハウジングの窓8中に表示される。
【0101】
ボタン部材40はボタングリップを含むボタンエレメント4のような形状をした中央領域400を含む。グリップフラップ401は中央領域400のボタングリップ領域の隣に位置する。ボタン部材40は、ボタン部材40の各々上部及び底部上に位置するボタンフラップ402、403を含む。固定タグ405を有するループフラップ404は中央領域400の前方上部上に位置する。
【0102】
左及び右矢印51、52は中央領域400の上に印刷される。矢印51、52の一つは、ボタンが完全に引き出されるか又は完全に押し込まれるときに、ハウジング1の方向指示窓5中に表示され、ボタングリップ44を押すのか引くのかを示す。
【0103】
図7Aは切り抜き滑りエレメント3を示す。図7Bはボタンエレメント4を形成する折り曲げられたボタン部材40を示す。折り曲げられたボタンエレメント4は滑りエレメント3に取り外し自在に連結される。明確化の理由で、連結されないが折り曲げられたボタンエレメント4が図7Bに示されている。
【0104】
ボタングリップ44は、中央領域400のボタングリップ領域の上にフラップ401を折り曲げることよって形成される。ループフラップ404は下方に曲げられている。固定タグ405は、ループを形成するために、中央領域400の底部に位置する切り抜き406を通して引っ張られる。ボタン部材40の上部と底部のフラップ402、403は下方に折り曲げられる。折り曲げられたループとフラップ402、403は滑りエレメント3の移動を誘導する凹部を形成する。
【0105】
図8は、カードハウジング1の第二層102中に垂直のカット21、22によって形成されたガイド中に配置された滑りエレメント3及びボタンエレメント4を示す。
【0106】
滑りエレメント3は下方に曲げられたフラップ402、403によって形成された凹部中に位置している。位置合わせは、第一のラック301と第二のラック302の間のスロットを通してループフラップ404を引くことによって実行される。ループフラップ404は、切り抜き406を通して固定タグ405を引くことによって下方に曲げられそして固定される。ループフラップ404が下方に曲げられることによって、トップフロントコーナー47が、第二のラック302の歯の上を滑るのに適する角度で傾いて形成される。ボタンエレメント4のコーナー47及び第二のラック302は逆止め第二のラチェットデバイスを形成する。
【0107】
次いで、ボタンエレメント4の前方及び後方部分がカード1の中間層102の前に位置するように、そして第一と第二のカット21、22の間のボタンエレメント4の中間部分がカード1の中間層102の後ろに位置するように、第一及び第二のカット21、22を通してボタンエレメント4が引かれる。
【0108】
曲がったカット23によって形成された第一のフラップ24は滑りエレメント3の第一のラック301の背後に位置する。曲がったカット23によって形成された第二のフラップ25はその前に位置する。第二のフラップ25及び第一のラック301は逆止め第一のラッチデバイスを形成する。
【0109】
滑りエレメント3は、逆止め第一のラッチデバイスによって固定されることにより、ボタンエレメント4と共に外側に移動することができない。
【0110】
投与量設定のシミュレーションは以下のように実行される。
【0111】
ボタンエレメント4を引く前に、第二のフラップ25の端部は第一のラック301の歯の前の窪み中に係合される。ボタンエレメント4のコーナー47は第二のラック302の歯の前方の窪み中に係合される。
【0112】
ボタンエレメント4が引かれると、コーナー47は第二ラック302の歯に沿って滑り、その結果、滑り運動に適合するために第二のラック302がその長さに沿って湾曲し及び/又は捩じれる。一旦、コーナー47が歯を超えて移動してしまうと、第二のラック302は、コーナー47が次の歯の前方の窪みと係合する際に、その元の湾曲しておらず、捩じれていない状態に戻る傾向にある。滑りエレメント3は、ボタンエレメント4の方向に動かない。それは、第一のラック301の歯の前方の窪み中に係合している第二フラップ25がこの動きを防止するためである。
【0113】
第一の位置内にボタンエレメント4を引いた後、クリック記号91、例えば耳の記号及び言葉「クリック」がカードの窓9中に表示される。クリック記号91は、ボタンエレメント4が最初の位置に引かれたときに窓9中にそれが現れるようにボタンエレメント4上に位置する。クリック記号9の表示は投与量の設定後のクリックをシミュレートしている。
【0114】
ボタンエレメント4が押されると、コーナー47の角がそれが第二ラック302の歯に重みがかかる結果になり、ここでボタンエレメント4が動かされるのと同じ方向に滑りエレメント3の動きが強いられる。ボタンエレメント4が押されると、第二のフラップ25が第一ラック301の歯に沿って滑り、スベリ運動に適合するために、第一のラック301をその長さに沿って湾曲させ及び/又は捩じる結果となる。一旦、第二のフラップ25が歯を超えて移動してしまうと、第一のラック301は、フラップ25が次の歯の前方の窪みと係合する際に、その元の曲がっておらず捩じれていない状態に戻る傾向になる。滑りエレメント3の遠位への動きは、投与量の投与をシミュレートするための状態窓77中で見ることができる。
【0115】
ボタンエレメント4の引っ張り及び押し込みによって滑りエレメント3の段階的な移動が、ラチェットデバイスが最後の歯の上方を滑り終わるまで実行される。
【0116】
一旦、ラチェットデバイスが最後の歯の上方を滑り終わると、シミュレーションデバイスはロックアウトされた状態に入り、そこでボタンエレメント4はその内側に向かう位置に保持され、そして更なる動きができない。これは、第一のラック301と第二のラック302の間にねじ山が切られたループフラプ404が、第一のラック301と第二のラック302の間に形成されたスロットの端部と接触する点まで滑りエレメント3が前進したときに達成される。このポイントで、滑りエレメント3に対するボタンエレメントの更なる動きができない。ハウジング1に対する滑りエレメント3の相対的な動きは第一のラック301の最終の歯の第二のフラップ25との係合によってできない。
【0117】
シミュレーションデバイスの代替実施態様は、ボタンエレメントの第一の位置から第二の位置への一つの動きのみを可能にする。この実施態様は使い捨て自動注射器のトリガーをシミュレートするのに適している。
【0118】
図9、10、11A及び11Bは、ニードルユニットを取り付けることをシミュレートするシミュレーションデバイスの実施態様、及びこのシミュレーションデバイスの部材を示す。本シミュレーションデバイスはスライダー81及びハウジング82を含む。
【0119】
図9は、ハウジング82内に挿入すべく設計されるプッシュプルスライダー81の実施態様を示す。スライダー81の一つの実施態様は厚紙でできている。
【0120】
スライダー81は第一の状態を示している第一の情報領域83及び第二の状態を示している第二の情報領域84を含む。第一の情報領域83はニードルを有しないハブエレメントを示す。第二の情報領域84はハブエレメントに取り付けられたニードルユニットを示す。スライダー81の延長部分はハンドル85を形成する。矢印はハンドル85の上に印刷される。
【0121】
図10は窓86を有するハウジング82を示す。シミュレーションデバイスの使用についての情報はハウジング82上のテキスト領域503中に印刷されている。テキスト領域503は、テキスト「ニードル取り付けを示すために引け」を含み得る。
【0122】
ハウジング82の一つの実施態様は厚紙でできている。ハウジング82は上部及び底部の厚紙層を含む。これらの層の上部エッジ821及び底部エッジ822は、スライダー81に対するガイドが形成されるように結合される。スライダー81は、ハンドル85の少なくとも部分がハウジング82の外側に置かれるように、ハウジング82の内側に位置する。
【0123】
図11Aは、ハウジング82の内側に位置するスライダー81を示す。ハンドル85の小さな部分及び矢印は見ることができる。ハブエレメントを示す第一の情報領域83は窓86中に見ることができる。
【0124】
ハンドル85がハウジング82の外に引き出されるよう、ハンドル85が、矢印によって示された通りのこの方向へと引かれるとき、スライダー81は軸方向に動く。次いで、取り付けられたニードルユニットを示す第二の情報領域84は窓86の中に見ることができる。
【0125】
スライダー81の一つの実施態様は、第二の情報領域84を窓86中に見ることができるときに、スライダー81の更なる動きを止めるために適する停止手段を含む。一つの実施態様において、スライダーがハウジング82の連結した側部エッジ824によって止められ、ここで連結された側部エッジ824は停止手段を形成する。
【0126】
スライダー81は、ハンドル85が引っ張り方向と反対方向に押されるとき後方に動く。一つの実施態様において、スライダー81の動きは、ハウジング82の連結された側部エッジ823又は側壁によって止められる。
【0127】
図12、13A、13B、13Cは、回転ホイールを含むシミュレーションデバイスを示す。このシミュレーションデバイスは再使用でき、そしてデバイスが注射のために準備される場合、ニードルユニットをハブエレメントに取り付ける工程を説明する。
【0128】
図12はホイール91の実施態様を示す。絵文字、テキスト領域95、96、97及び矢印98を示す情報領域92、93、94はホイール91上に印刷される。
【0129】
図13Aはハウジング82内部に位置するホイール91を示す。ホイール91は、ホイール91が回転可能なようにハウジング82と連結される。ホイール91の回転軸は、ホイールのセグメント91Aがハウジング82から突き出すように、ハウジング82の中心に位置付けられていない。このセグメント91Aが接線方向に移動するとき、ホイール91は回転する。矢印98はこの接線方向の動きを示す。
【0130】
ハウジング82は第一の窓86A及び第二の窓86Bを有する。シミュレーションデバイスの使用のための情報は、ハウジング82上のテキスト領域504中に印刷される。テキスト領域504は、テキスト「回転してニードル取り付け工程を示せ」を含み得る。
【0131】
図13Aはシミュレーションデバイスの第一の状態を示す。ホイール91は、情報領域92が第一の窓86A中に見えるように位置する。対応する第一のテキスト領域95は第二の窓95中に見ることができる。第一の情報領域92は、ハブエレメントを示す。対応するテキスト領域95は、ニードルを取り付けるための以下の工程を説明する。第一のテキスト領域95は、テキスト「ニードルをデバイス上にねじ込め」を含み得る。
【0132】
ホイール91のセグメント91Aが移動するとき、ホイール91は回転する。次いで、第二の情報領域93及び対応する第二のテキスト領域96は各々、第一及び第二の窓86A、86B中で見ることができる。セグメント91A上に見ることができる矢印98は回転方向を示す。
【0133】
図13Bは、第二の情報領域93及び対応する第二のテキスト領域96を見ることができるシミュレーションデバイスの第二の状態を示す。第二の情報領域93はニードルを保護するためのカバーを有するニードルユニットを示し、ここでニードルユニットはハブユニットに取り付けられる。対応する第二のテキスト領域96はニードルを取り付けるための以下の工程を説明する。第二のテキスト領域はテキスト「ニードルの外側のカバーを除去せよ」を含み得る。
【0134】
ホイールのセグメント91Aが移動するとき、第三の情報領域94及び対応する第三のテキスト領域97を、第一及び第二の窓86A、86B中に各々見ることができる。
【0135】
図13Cは、第三の情報領域94及び対応する第三のテキスト領域97を見ることができるシミュレーションデバイスの第三の状態を示す。第三の情報領域94はハブエレメントに取り付けられる、カバーされていないニードルを示す。対応する第三のテキスト領域96は現状を説明する。第三のテキストはテキスト「ニードルは注射準備完了」を含み得る。
【0136】
図14A及び14Bは、ポップアップカードとして設計されたシミュレーションデバイスを示す。図14Aは折り曲げられたポップアップカードを示す。図14Bは開いたポップアップカードを示す。
【0137】
ポップアップカードは厚紙で作ることができる。ポップアップカードは、折り曲げられたカードが平らであり、そして開いたポップアップカードが三次元配置に変わるように連結された平面エレメントを含む。
【0138】
カードは、第一のヒンジ205を形成する折り曲げを介して連結されたカード上部201及びカード底部202を含む。カードが開かれるとき、カード上部201は第一のヒンジ205の周りのカード底部202に対して回転する。
【0139】
カードは、第二のヒンジ215を形成する折り曲げを介して連結された上部エレメント211及び底部エレメント212を有するポップアップエレメントを含む。上部エレメント211は第三のヒンジ216を介してカード上部201と連結される。底部エレメント212は第四のヒンジ217を介してカード底部202と連結される。一つの実施態様において、上部及び底部エレメント211、212は第二のヒンジ215の反対側のエッジ上に位置する重なり(lap)を含み、ここで重なりは折り曲げられる。重なりをカード上部及び底部201、202に接着することによって第三及び第四のヒンジ216、217が形成される。
【0140】
カードが折り曲げられる場合、ポップアップエレメントの上部エレメント211は底部エレメント212上に折り曲げられる。これらの上部及び底部エレメント211、212は、カード上部201とカード底部202の間にサンドイッチされる。第三及び第四のヒンジ216、21は、第一と第二のヒンジ205、215の間に位置する。
【0141】
ポップアップカードが開かれるとき、カード上部201は、第一のヒンジ205の周りでカード底部202に対して第一の方向に回転する。ポップアップエレメントの上部エレメント211は、底部エレメント212に対して第二の方向に回転し、ここで第二の方向は第一の方向に対して反対にある。
【0142】
カード上部201が90度を通って回転していると、ポップアップエレメントの上部エレメント211は、カード底部202に平行に又は略平行に位置し、そしてポップアップエレメントの底部エレメント212は、カード上部201に平行に又は略平行に位置する。ポップアップカードを開くと、平らな折り曲げられたカードが三次元配置に変わり、ここでポップアップエレメントが実際のデバイス、例えば送達ペン、に類似して形成される。一つの実施態様において、ポップアップエレメントは実際のデバイスに似せるために印刷される。
【0143】
図15A及び15Bはヒンジ付きセクション233を有する実施態様を示す。この実施態様は平面ユニット231及びレバー232を含む。平面ユニット231及びレバー232はヒンジ付きセクション233を介して連結される。ヒンジ付きセクション233は第一のヒンジ234を介して平面ユニット231に連結され、そして第二ヒンジ235を介してレバー232に連結される。第一のヒンジ234及び第二のヒンジ235は平行に配置される。
【0144】
この配置が折り曲げられる場合、ヒンジ止めセクション233は平面ユニット231とレバー232の間にサンドイッチされる。レバー231が、第二のヒンジ235から第一のヒンジ234への方向である軸方向内に引かれるとき、ヒンジ止めセクション233は、平面ユニット231に対して第一の方向に(例えば、時計回りに)回転し、そしてレバー232は、ヒンジ止めセクション233に対して第一の方向とは反対の第二の方向に(例えば、反時計回りに)回転する。この回転のために、ヒンジ止めセクション233は回転し、そしてレバー232は平面ユニット231から離れて持ち上げられる。
【0145】
レバー232が、引っ張り方向とは反対の方向に後方に移動する、ヒンジ止めセクション233は、平面ユニット231に対して第二の方向に回転し、そしてレバー232は、ヒンジ止めセクション233に対して第一の方向に回転する。この配置は、ヒンジ止めセクション233が後方部ユニット231とレバー232の間にサンドイッチされるように折り曲げられる。
【0146】
上記配置はデバイスの可動部材をシミュレートするために適している。
【0147】
図16A及び16Bは角度を持った折り曲げを有する配置を示す。この配置は平面ユニット231及びレバー232を含む。ヒンジ止めセクションは第一、第二及び第三の三角形のセクション241、242、243を含み、ここで各々は直角二等辺三角形として形成される。第一の三角形のセクション241の一方の側は第一のヒンジ251を介して平面ユニット231に連結される。第二の三角形のセクション242の斜辺は第二のヒンジ252を介して第一の三角形のセクション241の斜辺に連結される。第三の三角形のセクション243の側は第三のヒンジ253を介して第二の三角形のセクション242の側に連結される。第三の三角形のセクション243の斜辺は第四のヒンジ254を介して第二の三角形のセクション232を用いて連結される。
【0148】
図16Aは折り曲げられた配置を示す。図16Bはレバー232を軸方向に引いた後の開かれた配置を示す。図16Bは第一及び第三のヒンジ251、253が引っ張り方向に直交して配置されることを示す。第二及び第四のヒンジ252、254は角度を持って配置される。
【0149】
レバー232及びヒンジ止めセクション241、242、243は、第二、第三及び第四のヒンジ252、253、254を形成している三つの折り曲げを有する折り曲げられたストライプでできている。鎖線は、一つの方向に折り曲げることを示し、そして点線は反対方向に折り込まれて折り曲げを形成することを示す。
【0150】
レバー232が引かれると、レバー232及び三角形のセクション241、242、243が、同じ面又は略同じ面において互いに隣接して位置するように、三角形のセクション241、242、243は、ヒンジ251、252、253、254の周りを回転する。
【0151】
レバー232が引かれた後、第二及び第三の三角形のセクション242、243は90度を通して、但し反対方向に回転されている。
【0152】
図17は角度を持った折り曲げを有する更なる実施態様を示す。この配置は、第二の三角形のセクション242上に配置されたストライプ244によって、図16A及び16Bに示された配置と異なる。この配置が折り曲げられると、ストライプ244は引っ張り方向とは直交する方向に延びる。
【0153】
レバー232が引かれると、ストライプ244は、第二の三角形のセクション242が回転するのと同じ方向に回転する。レバー232が後方に動かされると、ストライプ244は動いてその最初の位置へ戻る。
【0154】
上記シミュレーションデバイスは、デバイスの回転部材をシミュレートするために使用される。
【0155】
図5A及び5Bに示されたようなシミュレーションカードの一つの実施態様は、図14A、14B、15A、15B、16A、16B、及び17に示されたようなポップアップエレメント及び/又は折り曲げられたエレメントを更に含む。
【0156】
シミュレーションデバイスの更なる実施態様は、使用者がフラップに連結されたレバーを引くと突然さっとひっくり返る(flip over)フラップを含む。
【0157】
ポップアップ配置及び折り曲げられた配置の実施態様は電子音響効果を含む。チップ、スピーカー及びバッテリーを含む電子デバイスは、挨拶状において使用される音響効果と類似し得る音響効果を発生させるのに適している。
【0158】
一つの実施態様において、音響効果はシミュレートされた使用の重要な段階でトリガーされる。一つの実施態様において、音響効果、例えばクリック、は聞き取れるフィードバックとして生み出される。一つの実施態様において、音響効果は言葉での指示、フィードバック又は警告である。
【0159】
図18A、18B、18C及び18Dは、ドライパウダーディスク吸入器をシミュレートするシミュレーションデバイスの実施態様を示す。このシミュレーションデバイスは吸入者を訓練するために適している。
【0160】
シミュレーションデバイスは外部カバーの開閉、作動レバーの動き及び投与量カウンターのカウントダウンをシミュレートするために構成される。
【0161】
シミュレーションデバイスはグリップセクション620を有するハウジング600及び外部カバー610を含む。ハウジング600は投与量情報を示すための窓630を含む。この場合、60回の投与量が利用可能であることを意味する初期投与量情報「60」が示される。回転可能な投与量カウンターホイール635はハウジング600の内部に位置する。投与量情報を指示するための数字は投与量カウンターホイール635上に備えられる。窓630に示される投与量情報は、窓630に対する投与量カウンターホイール635の位置に依存する。
【0162】
シミュレーションデバイスの一つの実施態様は、実際のデバイスと同じサイズ及び同じ二次元の形を有する。代替実施態様は、実際のデバイスよりも大きい指示カードとして設計されている。そのような指示カードは、回転する層の旋回軸として作用する中央リベット又はスタッドを有する複数のカード層を含む。シミュレーションデバイスの一つの実施態様は、逆止めラチェットとして具現化され得るラチェットを含む。
【0163】
回転可能な外部カバー610は、実際のデバイスには備えられない伝言窓640を含む。
【0164】
図18Aは閉位置における外部カバー610を示す。使用者情報を供するテキスト領域は伝言窓640中で見ることができる。テキスト領域はテキスト「カバーを外して開けよ」を含み得る。
【0165】
可動作動レバー650及びマウスピース670(図18Aにおいては図示されていないが、図18Bにおいては図示されている)は閉じられた外部カバー610の下方に位置する。
【0166】
外部カバー610は、作動カバー610の下方に位置する作動レバー650と連結される。一つの実施態様において、作動レバー650は外部カバー610中の折り曲げ又はラッチ中に係合される。
【0167】
外部カバー610が開けられると、外部カバー610は作動レバー650を第一の位置(未設定位置)内へと引っ張る。作動レバー650のこの相対的動きは、それが外部カバー610の背後に隠されているため、使用者によって見ることができない。一旦、作動レバーが第一の位置に達すると、外部カバー610は作動レバー650との接触を離れてぶつかり、そして自由になって回転し続ける。
【0168】
図18Bは、外部カバー610を開いた後のシミュレーションデバイスを示す。
【0169】
外部カバー610は開いた位置内へと回転している。この回転によって、別のテキスト領域を伝言窓640中に見ることができる。このテキスト領域はテキスト「カバーを回転して閉じよ」を含み得る。
【0170】
作動レバー650の近くに位置する第二の伝言窓660は使用者情報を供する。もし、図18Bに示されるように、作動レバー650が第一の位置に位置する場合、第一の情報が示される。作動レバー650が第二の位置に位置するときに第二の情報が示される。一つの実施態様において、作動レバー650は、第一の情報及び第二の情報を含む回転可能なホイール665に連結され、ここでホイール665はハウジング600の内部に位置する。第一及び第二の情報はホイール665上にテキスト及び/又は絵文字として印刷される。
【0171】
一つの実施態様において、伝言窓660は、「レバーを引き投与量を設定せよ」含む第一のテキスト領域510及び第二の位置へと作動レバー650が動かされる方向を示す矢印を示す。
【0172】
投与量を設定するシミュレーションのために、作動レバー650は第二の位置内に移動する。作動レバー650は例えば30度の角度を通して回転される。
【0173】
図18Cは、作動レバー650を第二の位置(設定位置)内に動かした後のシミュレーションデバイスを示す。
【0174】
作動レバー650が第二の位置に動くと、別のテキスト領域520が第二の伝言窓660中に示される。テキスト領域520はテキスト「吸入準備ができた」を含み得る。
【0175】
作動レバー650及び/又はホイール665はロストモーション(lost motion)部材を介して投与量カウンターホイール635に連結される。ロストモーション部材は入力運動をより小さい出力運動に変換するために構成される。一つの実施態様において、投与量カウンターホイール635は、作動レバー650が回転する角度よりも小さな角度を通して回転し、例えば作動レバー650が30度を通して回転するとき、投与量カウンターホイール635は6度を通して回転するだけである。投与量カウンターホイール635の回転のために、窓630に示された投与量情報が変わる。
【0176】
図18Dは外部カバー610を閉じた後のシミュレーションデバイスを示す。使用者によって見られないが、作動レバー650は第二の位置中に留まる(これはこのポイントで機構がレバーをリセットする実際のデバイスとは異なる)。外部カバー610は作動レバー650の上方に突き当たる。そのようにして、外部カバー610は作動レバーと接触し、作動レバー650を動かす準備ができ、次に外部カバー610が開かれる。
【0177】
使用者は、投与量カウンターが0に達するまで上記シミュレーションを繰り返すことができる。次いで、カウンターホイールは係合を解かれそして0に留まる。
【0178】
他の実施例も請求の範囲内にある。異なる実施態様のエレメントを、本明細書において特に述べられていない実施例を形成するために組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0179】
1 ハウジング
2 スロット
13 ハウジングカバー
3 滑りエレメント
4 ボタンエレメント
44 ボタングリップ
5 方向指示窓
6 ハブエレメント
7 表示エレメント
8、9 窓
10 ハウジング部材
11 ハウジングの底部材
12 ハウジング壁セクション
13、14 ハウジングカバー
15 ハウジングアーム
31、32、33、39 ラチェット歯
21、22、23 カット
24、25、26、27 フラップ
29 接着剤ラップ
40 ボタン部材
61 ハブエレメントの底部
62 ハブエレメントの上部
41 ボタンエレメントの部分
42 ボタンセクションの中間部
43 ロックエレメント
45 伸ばされたラチェットアーム
47 コーナー
51、52、81、82、91 マーク
71 投与量目盛
77 状態窓
78 フラップ中の窓
81 スライダー
82 ハウジング
83 第一の情報領域
84 第二の情報領域
85 ハンドル
86、86A、86B 窓
91 回転しているホイール
91A ホイールのセグメント
92、93、94 情報領域
95、96、97 テキスト領域
98 矢印
100 フラップ
101、102、103 ハウジングの層
110 折り曲げ線
122 内壁
123 停止部コーナー
201、202 カード上部、底部カード
211、212 上部、底部エレメント
205、215、216、217 ヒンジ
231 平面ユニット
232 レバー
233 ヒンジ止めセクション
234、235 ヒンジ
241、242、243 三角形のセクション
244 ストライプ
251、252、253、254 ヒンジ
301、302 歯を有するラック
400 中央領域
401、402、403 フラップ
404 ループフラプ
405 固定タグ
406 切り抜き
441 ボタングリップの底部
442 ボタングリップの中間部
443 ボタングリップの上部
501、502、503、504、510、520 テキスト領域
600 ハウジング
610 外部カバー
630 窓
635 投与量カウンターホイール
640、660 伝言窓
650 作動レバー
665 ホイール
670 マウスピース
821 上部エッジ
822 底部エッジ
823、824 側部エッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスの操作をシミュレートするためのシミュレーションデバイスであって、ハウジング(1;600)及びハウジング(1)中に部分的に配列される可動エレメント(4;44;81;91;232;650)を含み、ここで可動エレメント(4;44;81;91;232;650)が第一の位置から第二の位置へと動き得る、シミュレーションデバイス。
【請求項2】
遠位端及び近位端を有するハウジング(1)中に少なくとも部分的に配列される滑りエレメント(3)を含み、ここで第一の位置から第二の位置に可動エレメント(4)を動かすのに応答して滑りエレメント(2)が遠位端への方向に移動するように、可動エレメント(4)が滑りエレメント(3)に連結される、請求項1に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項3】
可動エレメント(650)が回転可能である、請求項1に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項4】
ハウジング(600)中に少なくとも部分的に配列されるホイール(635;665)を含み、ここで第一の位置から第二の位置に可動エレメント(650)を動かすのに応答してホイール(635;665)が回転するように、可動エレメント(650)がホイール(635;665)に連結される、請求項3に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項5】
状態情報、及び/又は滑りエレメント(3)及び/又はホイール(635;665)及び/又は可動エレメント(4;650)が動くときに変化する指示情報を表示するように設定される表示エレメント(7;630)を含む、請求項2又は4に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項6】
可動エレメント(85)が、ニードルユニット(84)、キャップ、トリガー、スライダー、薬物カートリッジ又はカートリッジ保持部材、デバイスカバー又はボタン(ボタンエレメント4)をシミュレートする、請求項1〜5の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項7】
滑りエレメント(3)又はホイール(91;635;665)が、出発位置から最終位置へと動くように構成される、請求項1〜6の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項8】
滑りエレメント(3)又はホイール(665)が出発位置にリセットし得る、請求項7に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項9】
滑りエレメント(3)又はホイール(635)が出発位置にリセットし得ない、請求項7に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項10】
滑りエレメント(3)又はホイール(665)が最終位置に達するときに、可動エレメント(4;650)の動きが阻止される、請求項7に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項11】
滑りエレメント(3)に取り外し自在に係合するラチェットデバイス(31、32、33、39、15、45;301、302、25、47)を含む、請求項2〜10の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項12】
第二の位置から第一の位置へとボタンエレメント(4)を近位に動かすのに応じて、滑りエレメント(3)が近位方向に動かないように、ラチェットデバイス(31、32、33、39、15、45;301、302、25、47)が構成される、請求項11に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項13】
ボタンエレメント(4)及び/又は滑りエレメント(3)に連結されるばねエレメントを含む、請求項1〜12の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項14】
表示デバイス(7)が、滑りエレメント(3)又はホイール(635、665)の位置を表示するのに適する、請求項5〜15の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項15】
滑りエレメント(3)又はホイール(635、665)の位置に対応する状態情報を表示するように構成される少なくとも一つの第二の表示エレメント(8;630、660)を含む、請求項5〜14の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項16】
滑りエレメント(3)が出発位置に位置するときに、出発状態マーク(81)が表示され、及び/又は滑りエレメント(3)が最終位置に位置するときに、最終状態マーク(82)が表示される、請求項15に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項17】
可動エレメント(4)の位置に対応する状態情報を表示するように構成される少なくとも一つの第三の表示エレメント(5、9;660)を含む、請求項1〜16の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項18】
可動エレメント(4;650)が第一の位置に位置するときに、第一の方向マーク(51;510)が表示され、及び/又はボタンエレメント(4;650)が第二の位置に位置するときに、第二の方向マーク(52;520)が表示される、請求項17に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項19】
少なくとも一つの表示エレメントが窓(77、8、9、5;630、660)を含む、請求項1〜18の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項20】
窓(77、8、9、5;630、660)が、目盛を含む透明材料で覆われる、請求項19に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項21】
ニードルユニットの取り外し可能な取り付けをシミュレートするのに適したハブエレメント(6)を含む、請求項1〜20の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項22】
可動エレメント(4)及び滑りエレメント(3)がロストモーション部材を介して連結され、又は可動エレメント(650)及びホイール(635)がロストモーション部材を介して連結される、請求項2〜21の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項23】
音響効果を発生させるための手段を含む、請求項1〜22の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項24】
シミュレーションデバイスの少なくとも一つの部材がプラスチック、積層複合発泡ボード、紙又は厚紙で作られる、請求項1〜23の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項25】
少なくとも一つの部材が折り曲げられる、請求項24に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項26】
折り曲げられる部材が回転可能な部材(244)を含む、請求項25に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項27】
レバー(232)が動かされるときにヒンジ止めエレメント(233)が回転するように、ヒンジ(234)を介してシミュレーションデバイスに、そしてレバー(232)に連結されたヒンジ止めエレメント(233)を含む、請求項1〜26の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項28】
ハウジング(1)が、少なくとも二つの層(102、103)を有するカードとして形成される、請求項1〜27の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項29】
ハウジング(1)の少なくとも一部を覆うのに適した少なくとも一つのヒンジ止めフラップ(100)を含む、請求項1〜28の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項30】
ポップアップエレメント(211、212)を更に含む、請求項1〜29の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。
【請求項31】
一つのハウジング(1)内の複数のデバイスをシミュレートするのに適した、請求項1〜30の何れか1項に記載のシミュレーションデバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公表番号】特表2012−506565(P2012−506565A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532598(P2011−532598)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063596
【国際公開番号】WO2010/046319
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】