説明

衣料用粉末洗剤組成物及びその製造方法

【課題】洗浄時の洗浄力が維持でき、且つ泡立ち性が優れ、しかもすすぎ工程において泡がすばやく消え、すすぎが速やかに完了する衣料用粉末洗剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)(A−1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩及び/又は(A−2)アルキル硫酸塩を含む界面活性剤、(B)炭素数12の高級アルコール及び/又は炭素数14の高級アルコール、(C)リン酸塩、(D)固体の無機化合物を、特定条件で含有する衣料用粉末洗剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣料用粉末洗剤組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類の洗濯方法としては、大きく分けて手洗い洗濯と洗濯機洗濯の2種類がある。近年では洗濯機の普及により洗濯機洗濯が増加する傾向にあるが、汚れ落ちや経済性の観点から、依然、手洗い洗濯に対するニーズも多い。また、世界的にみても水資源の少ない地域では出来るだけ少ない水で洗濯できるように手洗い洗濯を採用する場合が多い。
【0003】
手洗い洗濯及び洗濯機洗濯、中でも手洗い洗濯においては、洗浄力に加え、洗浄時の泡立ちの豊かさ、及び洗浄後のすすぎのし易さが重要な課題である。手洗い洗濯においては、洗い始めた瞬間からしっかり泡が立つこと(以下、速泡性という場合もある)が洗いやすさにつながり、速泡性を求められている。また、水資源の少ない地域においては、すすぎ工程においてすばやく泡が消え、少量の水ですすぎが完了する洗濯が強く望まれる。しかしながら、速泡性を改善するために速泡性の高い活性剤を使用した場合はすすぎ性が悪化する。また、すすぎを改善する場合は泡切れのよい界面活性剤を使用する必要があるが、このような界面活性剤を用いた場合、洗浄時の泡立ち性が大きく損なわれる。特に手洗い洗濯の場合、洗浄時に泡立ちが良くない場合は洗剤を足すケースもあることから、手洗い洗濯においては洗浄時の泡立ちの豊かさと洗浄後のすすぎのし易さの両立が重要な課題であった。特許文献1には、非イオン界面活性剤、特定の陰イオン界面活性剤、及び炭素数8〜18の脂肪酸又はその塩を特定条件で含有する洗浄剤組成物が、洗浄時の洗浄力、及び泡立ち性が優れ、しかもすすぎ工程においてすばやく泡が消え、すすぎが速やかに完了する洗浄剤組成物であることが開示されている。
【0004】
一方、従来、洗浄剤用のビルダーとしてトリポリリン酸ナトリウム等のリン酸塩が主に使用されてきた。トリポリリン酸ナトリウムはキレート性能など洗浄剤用ビルダーとして非常に優れた性能を有するが、リンを有するためこれを含んだ洗浄後の廃水がそのまま放流されることによって河川や湖沼の富栄養化現象の一因となる。そのためトリポリリン酸ナトリウムを用いない洗剤の開発が行われてきた。リン酸塩を低減した組成物の試みとして、特許文献2〜4の組成物が知られているが、洗浄力、泡立ち、泡切れといった基本性能は何れも満足のいくレベルではない。とりわけ、高硬度の洗濯水を用いる場合には、ビルダー成分を低減すると、優れた洗浄力、泡立ち、泡切れを実現することは困難であった。
【0005】
また、特許文献5には、洗浄性界面活性剤、洗浄ビルダー、および水性洗濯溶液中の粒状洗剤組成物の溶解度を改良するための、有効量の6℃〜70℃の融点を有する脂肪族アルコールを含んでなる粒状洗剤組成物が開示されているが、泡立ち(速泡性)と泡切れの両立についての言及はない。更に、特許文献6には、アニオン界面活性剤、特定の非イオン化合物、およびベタイン、脂肪酸アミド、アミンオキシド、脂肪族アルコールから選ばれるビルダーを含んでなる、高起泡性の手洗い用洗濯組成物が開示されているが、泡切れについての言及はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−89107号公報
【特許文献2】国際公開第2004/041982号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2011/005904号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2011/005623号パンフレット
【特許文献5】特表平10−500166号公報
【特許文献6】国際公開第1995/35361号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、洗浄時の洗浄力が維持でき、且つ速泡性が優れ、しかもすすぎ工程において泡がすばやく消え、すすぎが速やかに完了する衣料用粉末洗剤組成物及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
(A)(A−1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩〔以下、(A−1)成分という〕及び(A−2)アルキル硫酸塩〔以下、(A−2)成分という〕を含む界面活性剤〔以下、(A)成分という〕5〜40質量%、
(B)炭素数12の高級アルコール及び/又は炭素数14の高級アルコール〔以下、(B)成分という〕0.1〜3質量%、
(C)リン酸塩0〜8質量%、並びに
(D)固体の無機化合物〔以下、(D)成分という〕40〜90質量%を含有し、
(A−1)成分と(A−2)成分の質量比〔(A−1)成分/(A−2)成分〕が0/10〜6.5/3.5であり、
(A)成分中の(A−1)成分及び(A−2)成分の合計質量が60質量%以上であり、
(A−2)成分と(B)成分の質量比〔(A−2)成分/(B)成分〕が8/1〜60/1である、
衣料用粉末洗剤組成物に関する。
【0009】
また、本発明は、
(A)(A−1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩〔以下、(A−1)成分という〕及び(A−2)アルキル硫酸塩〔以下、(A−2)成分という〕を含む界面活性剤〔以下、(A)成分という〕5〜40質量%(配合原料中の割合)、
(B)炭素数12の高級アルコール及び/又は炭素数14の高級アルコール〔以下、(B)成分という〕0.1〜3質量%(配合原料中の割合)、
(C)リン酸塩0〜8質量%(配合原料中の割合)、並びに
(D)固体の無機化合物〔以下、(D)成分という〕40〜90質量%(配合原料中の割合)を配合してなる衣料用粉末洗剤組成物であって、
配合原料における(A−1)成分と(A−2)成分の質量比〔(A−1)成分/(A−2)成分〕が0/10〜6.5/3.5であり、
(A)成分中の(A−1)成分及び(A−2)成分の合計質量が60質量%以上であり、
配合原料における(A−2)成分と(B)成分の質量比〔(A−2)成分/(B)成分〕が8/1〜60/1である、
衣料用粉末洗剤組成物に関する。
【0010】
また、本発明は、上記本発明の衣料用粉末洗剤組成物を含む洗浄水を接触させた被洗浄物を手洗いする手洗い洗濯方法に関する。
【0011】
また、本発明は、上記本発明の衣料用粉末洗剤組成物の製造方法であって、
衣料用粉末洗剤組成物が、(A)成分として(A−1)成分を、(D)成分として水溶性のアルカリ無機塩を含有し、
(A−1)成分の酸前駆体である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸と(D)成分である水溶性のアルカリ無機塩とを混合することにより、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸と水溶性のアルカリ無機塩とが乾式中和する工程を有し、
該乾式中和する工程の前、工程中又は工程の後に(B)成分を添加して、得られる粒子群中に(B)成分を含有させ、
(B)成分を含有する前記粒子群と、他の成分とを混合する、
衣料用粉末洗剤組成物の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、環境に対する負荷が高いリン酸塩の使用量を低減しながら、洗浄時の洗浄力が維持でき、且つ速泡性が優れ、しかもすすぎ工程においてすばやく泡が消え、すすぎが速やかに完了する衣料用粉末洗剤組成物が提供される。このような本発明の効果は、高硬度の洗濯水で洗浄、すすぎを行う場合でも得られる。更に、本発明によれば、(B)成分をより均一に配合することができる衣料用粉末洗剤組成物の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔(A)成分〕
本発明の(A)成分は界面活性剤であり、少なくとも(A−2)成分のアルキル硫酸塩を含む。また、(A−1)成分の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩と(A−2)成分のアルキル硫酸塩を含むこともできる。
【0014】
本発明の(A−1)成分は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩である。洗浄性能、泡立ち性の観点から、(A−1)成分は、炭素数10〜15のアルキル基を有するものが好ましい。(A−1)成分を構成する塩はナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩、及びマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩などを挙げることができるが、洗浄性能、泡立ち性、溶解性の観点からアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウムがより好ましい。
【0015】
本発明の(A−2)成分は、アルキル硫酸塩であり、アルキル基の炭素数は10〜16が好ましく、12〜16がより好ましく、12〜15がより好ましい。(A−2)成分は、全アルキル基中の炭素数12〜15の直鎖アルキル基の割合が50質量%以上であるアルキル硫酸塩が好ましい。再生産可能な原料を用いることで環境負荷を低減するという観点から、全アルキル基中の直鎖アルキル基の割合は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、95質量%以上が更に好ましく、97質量%以上が更に好ましく、99質量%以上がより更に好ましく、100質量%、すなわち(A−2)成分が直鎖アルキル硫酸塩であることが最も好ましい。
【0016】
(A−2)成分を構成する塩はナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩、及びマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩などを挙げることができるが、洗浄性能、泡立ち性、溶解性の観点からアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウムがより好ましい。
【0017】
(A−1)成分及び(A−2)成分以外の(A)成分としては、高級アルコールのエトキシル化物の硫酸エステル塩、パラフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸塩等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド等の非イオン界面活性剤、モノ又はジアルキルアミン及びそのポリオキシエチレン付加物、モノ又はジ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、カルボベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。中でも、非イオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(アルキル基の炭素数:10〜15、アルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドの平均付加モル数:1〜25、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜15、より好ましくは2〜10、より好ましくは4〜8)がより好ましい。
【0018】
〔(B)成分〕
本発明の(B)成分は炭素数12の高級アルコール及び/又は炭素数14の高級アルコールであり、泡立ち、消泡性の観点から、炭素数12の高級アルコールが好ましい。
【0019】
〔(C)成分〕
本発明の(C)成分はリン酸塩であり、リン酸塩としては、無機リン酸塩が挙げられ、具体的にはオルトリン酸塩、メタリン酸塩、トリメタリン酸塩、ピロリン酸塩、及びトリポリリン酸塩から選ばれる1種以上のリン酸塩が挙げられる。塩は、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。
【0020】
〔(D)成分〕
本発明の(D)成分は固体の無機化合物、好ましくは(C)成分以外の固体の無機化合物であり、炭酸塩及び非晶質ケイ酸塩等の水溶性のアルカリ無機塩、硫酸塩、金属塩化物、ホウ酸塩等の水溶性の中性無機塩、アルミノケイ酸塩、粘土鉱物等の水不溶性の無機塩が挙げられる。(D)成分は、炭酸塩及び非晶質ケイ酸塩からなる群から選ばれる水溶性のアルカリ無機塩、硫酸塩及び金属塩化物からなる群から選ばれる水溶性の中性無機塩、並びに、アルミノケイ酸塩及び粘土鉱物からなる群から選ばれる水不溶性の無機塩、から選ばれる1種以上が好ましい。より好ましくは、炭酸塩、硫酸塩及びアルミノケイ酸塩から選ばれる1種以上の無機化合物、更に好ましくは炭酸塩及び硫酸塩から選ばれる1種以上の無機化合物((D−1)成分ともいう)である。
【0021】
ここで、炭酸塩としては、炭酸アルカリ金属塩及び炭酸水素アルカリ金属塩から選ばれる1種以上の炭酸塩を挙げることができる。具体的には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム及び過炭酸ナトリウムから選ばれる1種以上の炭酸塩挙げることができる。また、非晶質ケイ酸塩としては、非晶質ケイ酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0022】
硫酸塩としては、硫酸アルカリ金属塩及び亜硫酸アルカリ金属塩から選ばれる1種以上の硫酸塩を挙げることができる。具体的には、硫酸ナトリウム及び亜硫酸ナトリウムから選ばれる1種以上の硫酸塩を挙げることができる。また、金属塩化物としては塩化ナトリウム、塩化カリウムを、ホウ酸塩としては過ホウ酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0023】
アルミノケイ酸塩としては、結晶性アルミノケイ酸塩、非晶質アルミノケイ酸塩から選ばれる1種以上のアルミノケイ酸塩を挙げることができる。具体的には、チャバザイト、モンデナイト、エリオナイト、ホージャサイト、クリノプチロライト等の天然ゼオライト、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、L型ゼオライト、オメガ型ゼオライト、P型ゼオライト、MAP型ゼオライト等の合成ゼオライト等を挙げることができる。また、粘土鉱物としては、タルク、パイロフィライト、スメクタイト(サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイトなど)、バーミキュライト、雲母(金雲母、黒雲母、チンワルド雲母、白雲母、パラゴナイト、セラドナイト、海緑石など)、緑泥石(クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ペナンタイト、スドーアイト、ドンバサイトなど)、脆雲母(クリントナイト、マーガライトなど)、スーライト、蛇紋石鉱物(アンチゴライト、リザーダイト、クリソタイル、アメサイト、クロンステダイト、バーチェリン、グリーナライト、ガーニエライトなど)、カオリン鉱物(カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイトなど)などが挙げられる。なかでも、柔軟性の観点で、タルク、スメクタイト、膨潤性雲母、バーミキュライト、クリソタイル、カオリン鉱物などが好ましく、スメクタイトがより好ましく、モンモリロナイトがさらに好ましい。
【0024】
〔衣料用粉末洗剤組成物〕
本発明の衣料用粉末洗剤組成物は、(A)成分を5〜40質量%含有し、洗浄性能、泡立ち性、消泡性の観点から、(A)成分の含有量は、組成物中、8〜30質量%が好ましく、10〜27質量%がより好ましく、12〜25質量%がより好ましく、12〜20質量%が更に好ましい。また、本発明の衣料用粉末洗剤組成物は、(A)成分を5質量%以上、洗浄性能、泡立ち性、消泡性の観点から、好ましくは8質量%以上、更に10質量%以上、更に12質量%以上、そして、40質量%以下、洗浄性能、泡立ち性、消泡性の観点から、好ましくは30質量%以下、更に27質量%以下、更に25質量%以下、更に20質量%以下含有する。
【0025】
洗浄性能、泡立ち性、消泡性の観点から、特に消泡性及び洗浄性の観点から、中でも消泡性の観点から、(A)成分中の(A−1)成分及び(A−2)成分の合計質量は60質量%以上であり、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、95質量%以上がより更に好ましい。また、当該合計質量は97質量%以上でも良く、99質量%以上でも、更に100質量%でも良い。
【0026】
(A−1)成分と(A−2)成分の質量比〔(A−1)成分/(A−2)成分〕は0/10以上であり、1.2/8.8以上が好ましく、2/8以上がより好ましく、2.5/7.5以上がより好ましく、3/7以上がより好ましく、3.5/6.5以上がより好ましく、4/6以上がより好ましい。また、該質量比は6.5/3.5以下であり、6/4以下が好ましく、5.5/4.5以下がより好ましく、5.2/4.8以下がより好ましく、5/5以下がより好ましい。また、洗浄性能、泡立ち性、消泡性の観点から、(A−1)成分と(A−2)成分の質量比〔(A−1)成分/(A−2)成分〕は0/10〜6.5/3.5であり、0/10〜6/4が好ましく、1.2/8.8〜6/4がより好ましく、2/8〜6/4がより好ましく、2.5/7.5〜6/4がより好ましく、3/7〜5.5/4.5がより好ましく、3.5/6.5〜5.2/4.8がより好ましく、4/6〜5/5がより好ましい。
【0027】
本発明の衣料用粉末洗剤組成物は、(B)成分を0.1〜3質量%含有し、泡立ち性、消泡性の観点から、(B)成分の含有量は、組成物中、0.2〜1.5質量%が好ましく、0.3〜1.2質量%がより好ましく、0.5〜1質量%が更に好ましい。また、本発明の衣料用粉末洗剤組成物は、(B)成分を0.1質量%以上、泡立ち性、消泡性の観点から、好ましくは0.2質量%以上、更に0.3質量%以上、更に0.5質量%以上、そして、3質量%以下、泡立ち性、消泡性の観点から、好ましくは1.5質量%以下、更に1.2質量%以下、更に1質量%含有する。特に泡立ち性の観点から、(B)成分の含有量は、本発明の衣料用粉末洗剤組成物中、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上である。一方、消泡性の観点から、(B)成分の含有量は、本発明の衣料用粉末洗剤組成物中、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.2質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。また、(B)成分の含有量は、本発明の衣料用粉末洗剤組成物中、1質量%未満でも良く、更に0.8質量%以下でも良い。
【0028】
洗浄性能、泡立ち性、消泡性の観点から、(A−2)成分の質量と(B)成分の質量比〔(A−2)成分]/(B)成分〕は8/1〜60/1であり、10/1〜40/1が好ましく、12/1〜25/1がより好ましい。また、洗浄性能、泡立ち性、消泡性の観点から、(A−2)成分の質量と(B)成分の質量比〔(A−2)成分]/(B)成分〕は8/1以上であり、好ましくは10/1以上、更に12/1以上であり、そして、60/1以下であり、好ましくは40/1以下、更に25/1以下である。特に消泡性の観点から、(A−2)成分の質量と(B)成分の質量比〔(A−2)成分]/(B)成分〕は、好ましくは10/1以上、より好ましくは12/1以上である。一方、泡立ち性の観点から、(A−2)成分の質量と(B)成分の質量比〔(A−2)成分]/(B)成分〕は、好ましくは40/1以下、より好ましくは25/1以下である。
【0029】
本発明では、(A)成分、(B)成分の含有量及び比率を特定範囲にすることで、従来、比較的多量に配合していた環境に高負荷であるリン酸塩の配合量を低減することができる。本発明では、環境負荷低減の観点から(C)成の含有量は、組成物中、0〜8質量%、また、0質量%以上、8質量%以下であり、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がより好ましく、0質量%が更に好ましい。
【0030】
本発明の衣料用粉末洗剤組成物は、(D)成分を40〜90質量%含有し、生産性、泡立ち性、溶解性の観点から、45〜89質量%が好ましく、50〜87質量%がより好ましく、60〜85質量%がより好ましく、65〜85質量%がより好ましく、70〜85質量%がより好ましく、74〜82質量%が更に好ましい。また、本発明の衣料用粉末洗剤組成物は、(D)成分を40質量%以上、90質量%以下含有し、生産性、泡立ち性、溶解性の観点から、好ましくは45質量%以上、更に50質量%以上、更に60質量%以上、更に65質量%以上、更に70質量%以上、更に74質量%以上、そして、好ましくは89質量%以下、更に87質量%以下、更に85質量%以下、更に82質量%以下含有する。更に、本発明の衣料用粉末洗剤組成物は、(D−1)成分、即ち、炭酸塩及び硫酸塩から選ばれる1種以上の無機化合物を、好ましくは45〜85質量%、より好ましくは50〜80質量%、より好ましくは55〜75質量%、より好ましくは60〜70質量%含有する。また、本発明の衣料用粉末洗剤組成物は、(D−1)成分、即ち、炭酸塩及び硫酸塩から選ばれる1種以上の無機化合物を、好ましくは45質量%以上、更に50質量%以上、更に55質量%以上、更に60質量%以上、また、85質量%以下、更に80質量%以下、更に75質量%以下、更に70質量%含有する。
【0031】
本発明の衣料用粉末洗剤組成物は、(A)成分、(B)成分、必要に応じて(C)成分、(D)成分、及び必要に応じて配合される成分を、前記した含有量を配合原料中の割合と読み替えた割合で配合してなる衣料用粉末洗剤組成物であってもよい。その場合の(A−1)成分/(A−2)成分質量比、(A)成分中の(A−1)成分及び(A−2)成分の合計質量、(A−2)成分/(B)成分の質量比も前記範囲と同様である。また、いずれの好ましい態様も、前記範囲から選択することができる。
【0032】
本発明の組成物には、洗剤の分野で公知の漂白剤(漂白活性化剤等)、再汚染防止剤、柔軟化剤、還元剤、蛍光増白剤、抑泡剤、香料、酵素(セルラーゼ、プロテアーゼ、ペプチナーゼ、リパーゼ、デキストラナーゼ、アミラーゼ等)、着色剤等を含有させることができる。
【0033】
本発明の組成物は、溶解性、生産性の観点で、組成物中の水分(JIS K 3362:2008記載の過熱減量法による)は、0.5〜10質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜8質量%がより好ましく、3〜6質量%が更に好ましい。同様の理由により、本発明の組成物中の水分(JIS K 3362:2008記載の過熱減量法による)は、0.5質量%以上、更に1質量%以上、更に2質量%以上、更に3質量%以上が好ましく、そして、10質量%以下、更に8質量%以下、更に6質量%以下が好ましい。
【0034】
本発明の組成物は、溶解性の点で、見掛け密度(JIS K 3362:2008により規定された方法で測定する見掛け密度)が1600g/L以下であることが好ましく、1300g/L以下であることがより好ましく、1000g/L以下であることが更に好ましい。また、利便性や廃棄物(製品の収容、包装に用いる箱等)低減の点で、見掛け密度は300g/L以上であることが好ましく、350g/L以上であることがより好ましく、400g/L以上であることが更に好ましい。
【0035】
本発明の組成物は、溶解性の点で、JIS Z 8801の標準篩を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる質量分率から求める平均粒径が150〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは150〜800μm、更に好ましくは180〜600μmである。また、本発明の組成物は、溶解性の点で、JIS Z 8801の標準篩を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる質量分率から求める平均粒径が150μm以上、更に180μm以上、そして、1000μm以下、更に800μm以下、更に600μm以下であることが好ましい。
【0036】
本発明の組成物は、洗浄性能、衣料に対する低損傷性の点で、JIS K 3362:2008記載の20℃で測定する0.1質量%水溶液のpHが8〜12であることが好ましく、9〜11.5であることがより好ましく、9.5〜11であることが更に好ましく、10〜11であることがより更に好ましい。また、本発明の組成物は、洗浄性能、衣料に対する低損傷性の点で、JIS K 3362:2008記載の20℃で測定する0.1質量%水溶液のpHが8以上、更に9以上、更に9.5以上、更に10以上、そして、12以下、更に11.5以下、更に11以下であることが好ましい。
【0037】
本発明の組成物は、流動性及び非ケーキング性の点で、表面被覆剤により表面改質を行うことが好ましい。
【0038】
本発明の組成物は、公知の方法で製造することができる。例えば、噴霧乾燥法、ドライ中和法、乾燥造粒法、ドライブレンド法、流動層乾燥法、薄膜乾燥法、押出し造粒法、転動造粒法、攪拌造粒法、圧密造粒法、界面活性剤担持法又はこれらから選択して組み合わせた方法を適用して、製造することができる。
【0039】
例えば、本発明の組成物は、(A)成分である界面活性剤、(C)成分であるリン酸塩、(D)成分である無機化合物の混合物中に、加熱した(B)成分を添加し、混合することで、製造することができる。しかしながら、(B)成分を他の成分と均一に混合する観点及び(B)成分のハンドリング性を向上させる観点から、予め(B)成分を含有する粒子群を製造しておき、他の成分と混合する製造方法が好ましい。即ち、本発明の組成物は、(B)成分を含有する粒子群を他の成分と混合する製造方法により製造されることが好ましい。
【0040】
(B)成分を含有する粒子群は、(A−1)成分の酸前駆体である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸と(D)成分である水溶性のアルカリ無機塩とを混合して、乾式中和する際に、(B)成分を添加することで製造することができる。この粒子群は、本発明の衣料用粉末洗剤組成物が、(A)成分として(A−1)成分を、(D)成分として水溶性のアルカリ無機塩を含有する場合に用いられる。(B)成分の添加は、乾式中和する工程の前、工程中及び工程の後のいずれか1工程又は2工程以上で添加することができるが、得られる粒子の収率の観点から、工程の後が好ましい。
【0041】
具体的には、1)水溶性のアルカリ無機塩に(B)成分を添加した後、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸と混合、乾式中和しても良く、2)水溶性のアルカリ無機塩に(B)成分と直鎖アルキルベンゼンスルホン酸とを同時に又はこれらの混合物を添加、乾式中和してもよく、3)水溶性のアルカリ無機塩と直鎖アルキルベンゼンスルホン酸とを混合、乾式中和した後に、(B)成分を添加しても良い。これらの方法において、(C)成分、(D)成分を、必要に応じて適宜分配して使用できる。
【0042】
(B)成分を添加する速度としては、(B)成分を含有する粒子群の過度の凝集を抑制する観点から、水溶性のアルカリ無機塩100kgに対して(B)成分を1〜80kg/分で添加することが好ましく、2〜60kg/分で添加することがより好ましく、3〜50kg/分で添加することが更に好ましい。また、(B)成分を添加する速度としては、(B)成分を含有する粒子群の過度の凝集を抑制する観点から、水溶性のアルカリ無機塩100kgに対して(B)成分を1kg/分以上、更に2kg/分以上、更に3〜50kg/分で添加することが好ましく、そして、80kg/分以下、更に60kg/分以下、更に50kg/分以下で添加することが好ましい。また、かかる(B)成分の添加方法としては、連続的または複数回に分割して行ってもよい。
【0043】
ここで用いられる水溶性のアルカリ無機塩としては、炭酸アルカリ金属塩及び炭酸水素アルカリ金属塩から選ばれる1種以上の炭酸塩が好ましく、具体的には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム及び過炭酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上の炭酸塩が好ましい。水溶性のアルカリ無機塩の中でも、ハンドリングの容易さ及び入手のし易さ、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸との反応性及び得られる洗剤添加用粒子群のハンドリング性の観点から、炭酸ナトリウムが好ましく、ライト灰が更に好ましい。なお、アルカリ無機塩についての水溶性とは、25℃の水に対する溶解度が0.5g/100g以上であることを意味する。
【0044】
水溶性のアルカリ無機塩の量は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の中和に必要な量(中和当量)より実質的に多い量が好ましく、例えば、好ましくは中和当量の1〜150倍であり、より好ましくは3〜125倍、特に好ましくは4〜100倍である。また、水溶性のアルカリ無機塩の量は、前記中和当量の1倍以上、更に3倍以上、更に4倍以上が好ましく、そして、150倍以下、更に125倍以下、更に100倍以下が好ましい。
【0045】
(B)成分を含有する粒子群は、さらに表面改質剤を添加して表面改質を行っても良い。表面改質剤としては、粒子の表面改質に通常用いられる公知のものが使用でき、結晶性又は非晶質アルミノケイ酸塩(ゼオライト)、方解石、ケイソウ土、シリカ等が好適に用いられ、ゼオライトが好ましい。また表面改質剤の量は、改質前の粒子群100質量部に対して、10〜40質量部が好ましく、15〜35質量部がより好ましい。また表面改質剤の量は、改質前の粒子群100質量部に対して、10質量部以上、更に15質量部以上が好ましく、そして、40質量部以下、更に35質量部以下が好ましい。これらの表面改質剤は、(D)成分であってもよい。従って、(B)成分を含有する粒子群は、(D)成分であるアルミノケイ酸塩を含有することができる。
【0046】
得られる粒子群中の(B)成分の含有量は、得られる粒子のハンドリング性の観点から、3.5〜20質量%が好ましく、4〜18質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましく、5〜13質量%がより更に好ましい。また、得られる粒子群中の(B)成分の含有量は、得られる粒子のハンドリング性の観点から、3.5質量%以上、更に4質量%以上、更に5質量%以上が好ましく、そして、20質量%以下、更に18質量%以下、更に15質量%以下、更に13質量%が好ましい。
【0047】
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸と(B)成分との質量比(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸/(B)成分)は、得られる粒子のハンドリング性の観点から、1/10〜10/1が好ましく、1/4〜4/1がより好ましく、1/3〜3/1がより好ましく、2/5〜5/2がより好ましく、2/3〜2/1がさらに好ましく、1/1〜3/2がさらに好ましい。また、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸と(B)成分との質量比(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸/(B)成分)は、得られる粒子のハンドリング性の観点から、1/10以上、更に1/4以上、更に1/3以上、更に2/5以上、更に2/3以上、更に1/1以上が好ましく、そして、10/1以下、更に4/1以下、更に3/1以下、更に5/2以下、更に2/1以下、更に3/2以下が好ましい。
【0048】
(B)成分を含有する粒子群の製造には、攪拌造粒機が好適に用いられ、バッチ式のものとして、レディゲミキサー((株)マツボー製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)、バーチカルグラニュレータ((株)パウレック製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、ゲーリッケミキサー(明治機械(株)製)等が挙げられる。連続式のものとして、連続式レディゲミキサー(中速ミキサー:滞留時間が比較的長い)や、高速ミキサー(滞留時間が比較的短い)としてCBリサイクラー(Loedige製)、タービュライザー(ホソカワミクロン(株)製)、シュギミキサー((株)パウレック製)、フロージェットミキサー((株)粉研製)等が挙げられる。
【0049】
以上の製造方法は、本発明の衣料用粉末洗剤組成物のうち、(A)成分として(A−1)成分を、(D)成分として水溶性のアルカリ無機塩を含有するものを製造する方法である。そして、本発明の衣料用粉末洗剤組成物の成分との関係で説明すると、
(A−1)成分の酸前駆体である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸と(D)成分である水溶性のアルカリ無機塩とを混合することにより、(A−1)成分の酸前駆体と水溶性のアルカリ無機塩とが乾式中和する工程を有し、
該乾式中和する工程の前、工程中又は工程の後に(B)成分を添加して、得られる粒子群中に(B)成分を含有させ、
(B)成分を含有する前記粒子群と、他の成分とを混合する、
衣料用粉末洗剤組成物の製造方法、である。
【0050】
この方法では、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸は、衣料用粉末洗剤組成物の最終組成における(A−1)成分の一部に相当する量を用いてもよい。また、(B)成分は、衣料用粉末洗剤組成物の最終組成における(B)成分の全量に相当する量を用いるのが好ましい。また、水溶性の無機塩は、衣料用粉末洗剤組成物の最終組成における水溶性の無機塩の一部に相当する量を用いてもよい。直鎖アルキルベンゼンスルホン酸や水溶性の無機塩を、それぞれ衣料用粉末洗剤組成物の最終組成の一部の量で用いる場合、残部は、(B)成分を含有する粒子群と混合される。
【0051】
本発明は、本発明の衣料用粉末洗剤組成物を含む洗浄水を接触させた被洗浄物を手洗いする手洗い洗濯方法に関する。本発明の衣料用粉末洗剤組成物を用いた手洗い洗濯方法としては、被洗浄物である衣料(布帛その他の繊維製品を含んでもよい)に、本発明の衣料用粉末洗剤組成物から調製した洗浄水を接触、浸漬させて手洗いする方法が挙げられる。接触時間及び/又は浸漬時間が長いと洗浄効果が高く、5〜15分接触及び/又は浸漬するとより良好な効果が得られる。特に汚れた部分に直接組成物を塗布して5〜15分放置すると更に高い効果が得られる。洗浄水は、本発明の組成物及び水を含有するものが用いられる。洗浄水は、本発明の組成物と水とを、本発明の組成物/水=10/1〜1/3,000、更に1/1〜1/2,000の質量比で混合して得たものが好ましい。衣料(被洗浄物)の質量に対する洗浄水の質量は、好ましくは2〜100倍、より好ましくは3〜50倍、特に好ましくは5〜25倍である。また、衣料(被洗浄物)の質量に対する洗浄水の質量は、好ましくは2倍以上、更に3倍以上、更に5倍以上、そして、好ましくは100倍以下、更に50倍以下、更に25倍以下である。本発明に係る洗浄水を接触させた衣料を十分に手でこすり洗いすると良好な洗浄力が得られるばかりか豊かな泡立ちがあるため、視覚的に好ましい。こすり洗いなどの手洗い後は、洗浄水から衣料(被洗浄物)を取り出し、絞って水を切るか脱水機を用いて水を切り、新しい水〔以下すすぎ水という〕に再度浸漬させる。すすぎ水は、洗面器などにためた水でも流水でもどちらでも良い。被洗浄物に対するすすぎ水の質量は、すすぎに用いたすすぎ水の全量基準で、好ましくは2〜1,000倍、より好ましくは5〜500倍、特に好ましくは10〜100倍である。また、衣料に対するすすぎ水の質量は、すすぎに用いたすすぎ水の全量基準で、好ましくは2倍以上、更に5倍以上、更に10倍以上、そして、好ましくは1,000倍以下、更に500倍以下、更に100倍以下である。すすぎ水を浸漬させた段階で衣料に残存している界面活性剤などが、すすぎ水に再溶解するため、泡立ちが見られる。この操作を数回繰り返すと泡立ちがなくなりすすぎ終了となる。手洗いによる一般的な洗濯では、例えば通常の洗剤を用いた場合には一般的に5回以上必要となるが、本発明では3回以下ですすぎを終了でき、非常に少ないすすぎ水ですすぎを終了させることができる。
【0052】
本発明では、洗浄水として本発明の組成物及び水を含有するものを用い、手洗いした被洗浄物を水ですすぐことが好ましい。すなわち、本発明の手洗い洗濯方法は、本発明の衣料用粉末洗剤組成物と水とを含む洗浄水を接触させた被洗浄物を手洗いする工程、及び手洗いした被洗浄物を水ですすぐ工程を有することが好ましい。本発明では、洗浄水の調製に用いる水の硬度及び/又はすすぎに用いる水の硬度は、洗浄力とすすぎ性の観点から、1°DH〜50°DHが好ましく、より好ましくは2°DH〜50°DH、より好ましくは3°DH〜50°DH、より好ましくは5°DH〜50°DH、より好ましくは8°DH〜50°DH、より好ましくは10°DH〜50°DHである。また、洗浄水の調製に用いる水の硬度及び/又はすすぎに用いる水の硬度は、洗浄力とすすぎ性の観点から好ましくは1°DH以上、更に2°DH以上、更に3°DH以上、更に5°DH以上、更に8°DH以上、更に10°DH以上であり、そして、好ましくは50°DH以下である。
【0053】
本発明の態様を以下に例示する。
<1> (A)(A−1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩〔以下、(A−1)成分という〕及び(A−2)アルキル硫酸塩〔以下、(A−2)成分という〕を含む界面活性剤〔以下、(A)成分という〕5質量%以上、40質量%以下、
(B)炭素数12の高級アルコール及び/又は炭素数14の高級アルコール〔以下、(B)成分という〕0.1質量%以上、3質量%以下、
(C)リン酸塩0〜8質量%、並びに
(D)固体の無機化合物〔以下、(D)成分という〕40質量%以上、90質量%以下、を含有し、
(A−1)成分と(A−2)成分の質量比〔(A−1)成分/(A−2)成分〕が0/10〜6.5/3.5、好ましくは0/10〜6/4であり、
(A)成分中の(A−1)成分及び(A−2)成分の合計質量が60質量%以上であり、
(A−2)成分と(B)成分の質量比〔(A−2)成分/(B)成分〕が8/1〜60/1である、衣料用粉末洗剤組成物。
【0054】
<2> (A)成分を8質量%以上、更に10質量%以上、更に12質量%以上、そして、40質量%以下、更に30質量%以下、更に27質量%以下、更に25質量%以下含有する、前記<1>記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0055】
<3> (B)成分を0.2質量%以上、更に0.3質量%以上、更に0.5質量%以上、そして、1.5質量%以下、更に1.2質量%以下、更に1質量%含有する、前記<1>又は<2>記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0056】
<4> (C)成分を7質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは0質量%含有する、前記<1>〜<3>のいずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0057】
<5> (D)成分を45質量%以上、更に50質量%以上、更に60質量%以上、更に65質量%以上、更に70質量%以上、更に74質量%以上、そして、89質量%以下、更に87質量%以下、更に85質量%以下、更に82質量%以下含有する、前記<1>〜<3>のいずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0058】
<6> (A)(A−1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩〔以下、(A−1)成分という〕及び(A−2)アルキル硫酸塩〔以下、(A−2)成分という〕を含む界面活性剤〔以下、(A)成分という〕5〜40質量%(配合原料中の割合)、
(B)炭素数12の高級アルコール及び/又は炭素数14の高級アルコール〔以下、(B)成分という〕0.1〜3質量%(配合原料中の割合)、
(C)リン酸塩0〜8質量%、並びに
(D)固体の無機化合物〔以下、(D)成分という〕40〜90質量%(配合原料中の割合)を配合してなる衣料用粉末洗剤組成物であって、
配合原料における(A−1)成分と(A−2)成分の質量比〔(A−1)成分/(A−2)成分〕が0/10〜6.5/3.5、好ましくは0/10〜6/4であり、
(A)成分中の(A−1)成分及び(A−2)成分の合計質量が60質量%以上であり、
配合原料における(A−2)成分と(B)成分の質量比〔(A−2)成分/(B)成分〕が8/1〜60/1である、衣料用粉末洗剤組成物。
【0059】
<7> 配合原料中、(A)成分の割合が、8質量%以上、更に10質量%以上、更に12質量%以上、そして、30質量%以下、更に27質量%以下、更に25質量%以下である、前記<6>記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0060】
<8> 配合原料中、(B)成分の割合が、0.2質量%以上、更に0.3質量%以上、更に0.5質量%以上、そして、1.5質量%以下、更に1.2質量%以下、更に1質量%である、前記<6>又は<7>記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0061】
<9> 配合原料中、(C)成分の割合が、7質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは0質量%である、前記<6>〜<8>のいずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0062】
<10> 配合原料中、(D)成分の割合が、45質量%以上、更に50質量%以上、更に60質量%以上、更に65質量%以上、更に70質量%以上、更に74質量%以上、そして、89質量%以下、更に87質量%以下、更に85質量%以下、更に82質量%以下である、前記<6>〜<9>のいずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0063】
<11> (A−1)成分と(A−2)成分の質量比〔(A−1)成分/(A−2)成分〕が1.2/8.8〜6/4、好ましくは2/8〜6/4、より好ましくは2.5/7.5〜6/4、より好ましくは3/7〜5.5/4.5、より好ましくは3.5/6.5〜5.2/4.8、より好ましくは4/6〜5/5である、前記<1>〜<10>のいずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0064】
<12> (A)成分中の(A−1)成分及び(A−2)成分の合計質量が80質量%以上、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは97質量%以上、より更に好ましくは99質量%以上である、前記<1>〜<11>のいずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0065】
<13> (A−2)成分と(B)成分の質量比〔(A−2)成分/(B)成分〕が10/1〜40/1、好ましくは12/1〜25/1である、前記<1>〜<12>のいずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0066】
<14> (A)(A−1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩〔以下、(A−1)成分という〕及び(A−2)アルキル硫酸塩〔以下、(A−2)成分という〕を含む界面活性剤〔以下、(A)成分という〕5質量%以上、好ましくは8質量%以上、更に10質量%以上、更に12質量%以上、そして、40質量%以下、好ましくは30質量%以下、更に27質量%以下、更に25質量%以下、
(B)炭素数12の高級アルコール及び/又は炭素数14の高級アルコール、好ましくは炭素数12の高級アルコール〔以下、(B)成分という〕0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、更に0.3質量%以上、更に0.5質量%以上、そして、3質量%以下、好ましくは1.5質量%以下、更に1.2質量%以下、更に1質量%以下、
(C)リン酸塩、好ましくは無機リン酸塩〔以下、(C)成分という〕0〜8質量%、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは0質量%、並びに
(D)固体の無機化合物、好ましくは(C)成分以外の固体の無機化合物40質量%以上、好ましくは45質量%以上、更に50質量%以上、更に60質量%以上、そして、90質量%以下、好ましくは89質量%以下、更に87質量%以下、更に85質量%以下、を含有し、
(A−1)成分と(A−2)成分の質量比〔(A−1)成分/(A−2)成分〕が0/10以上、好ましくは1.2/8.8以上、更に2/8以上、更に2.5/7.5以上、更に3/7以上、更に3.5/6.5以上、更に4/6以上、そして、6.5/3.5以下、好ましくは6/4以下、更に5.5/4.5以下、更に5.2/4.8以下、更に5/5以下であり、
(A)成分中の(A−1)成分及び(A−2)成分の合計質量が60質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上であり、
(A−2)成分と(B)成分の質量比〔(A−2)成分/(B)成分〕が8/1以上、好ましくは10/1以上、更に12/1以上、そして、60/1以下、好ましくは40/1以下、更に25/1以下である、
衣料用粉末洗剤組成物。
【0067】
<15> (A)(A−1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩〔以下、(A−1)成分という〕及び(A−2)アルキル硫酸塩〔以下、(A−2)成分という〕を含む界面活性剤〔以下、(A)成分という〕5質量%以上(配合原料中の割合)、更に8質量%以上、更に10質量%以上、更に12質量%以上、そして、40質量%(配合原料中の割合)以下、更に30質量%以下、更に27質量%以下、更に25質量%以下、
(B)炭素数12の高級アルコール及び/又は炭素数14の高級アルコール、好ましくは炭素数12の高級アルコール〔以下、(B)成分という〕0.1質量%(配合原料中の割合)以上、更に0.2質量%以上、更に0.3質量%以上、更に0.5質量%以上、そして、3質量%(配合原料中の割合)以下、更に1.5質量%以下、更に1.2質量%以下、更に1質量%以下、
(C)リン酸塩〔以下、(C)成分という〕0〜8質量%(配合原料中の割合)、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは0質量%、並びに
(D)固体の無機化合物、好ましくは(C)成分以外の固体の無機化合物〔以下、(D)成分という〕40質量%(配合原料中の割合)以上、更に45質量%以上、更に50質量%以上、更に60質量%以上、そして、90質量%(配合原料中の割合)以下、更に89質量%以下、更に87質量%以下、更に85質量%以下、
を配合してなる衣料用粉末洗剤組成物であって、
配合原料における(A−1)成分と(A−2)成分の質量比〔(A−1)成分/(A−2)成分〕が0/10以上、好ましくは1.2/8.8以上、更に2/8以上、更に2.5/7.5以上、更に3/7以上、更に3.5/6.5以上、更に4/6以上、そして、6.5/3.5以下、好ましくは6/4以下、更に5.5/4.5以下、更に5.2/4.8以下、更に5/5以下であり、
(A)成分中の(A−1)成分及び(A−2)成分の合計質量が60質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上であり、
配合原料における(A−2)成分と(B)成分の質量比〔(A−2)成分/(B)成分〕が8/1以上、好ましくは10/1以上、更に12/1以上、そして、60/1以下、好ましくは40/1以下、更に25/1以下である、
衣料用粉末洗剤組成物。
【0068】
<16> (A−2)成分が、全アルキル基中の炭素数12〜15の直鎖アルキル基の割合が50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、より好ましくは99質量%以上、より好ましくは100質量%であるアルキル硫酸塩である、前記<1>〜<15>のいずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0069】
<17> (A−1)成分及び(A−2)成分以外の(A)成分が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(アルキル基の炭素数:10〜15、アルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドの平均付加モル数:1〜25、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜15、より好ましくは2〜10、より好ましくは4〜8)である、前記<10>〜<16>のいずれかに記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0070】
<18> (C)成分が無機リン酸塩である、前記<1>〜<17>のいずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0071】
<19> (D)成分が、炭酸塩、及び非晶質ケイ酸塩からなる群から選ばれる水溶性のアルカリ無機塩、硫酸塩、及び金属塩化物からなる群から選ばれる水溶性の中性無機塩、並びに、アルミノケイ酸塩、及び粘土鉱物からなる群から選ばれる水不溶性の無機塩、から選ばれる1種以上、好ましくは炭酸塩及び硫酸塩から選ばれる1種以上である、前記<1>〜<18>のいずれかに記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0072】
<20> 組成物中の水分(JIS K 3362:2008記載の過熱減量法による)が1質量%以上、更に2質量%以上、更に3質量%以上、そして、10質量%以下、更に8質量%以下、更に6質量%以下である、前記<1>〜<19>のいずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0073】
<21> JIS K 3362:2008記載の20℃で測定する0.1質量%水溶液のpHが8以上、更に9以上、更に9.5以上、更に10以上、そして、12以下、更に11.5以下、更に11以下である、前記<1>〜<20>の何れか記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【0074】
<22> 前記<1>〜<21>の何れか1項に記載の衣料用粉末洗剤組成物を含む洗浄水を接触させた被洗浄物を手洗いする手洗い洗濯方法。
【0075】
<23> 洗浄水が前記組成物と水とを含有し、かつ手洗いした被洗浄物を水ですすぐことを行い、洗浄の調製に用いる水の硬度及び/又はすすぎに用いる水の硬度が1°DH〜50°DHである、前記<21>記載の手洗い洗濯方法。
【0076】
<24> 洗浄水の調製に用いる水の硬度及び/又はすすぎに用いる水の硬度が、好ましくは1°DH〜50°DH、より好ましくは2°DH〜50°DH、より好ましくは3°DH〜50°DH、より好ましくは5°DH〜50°DH、より好ましくは10°DH〜50°DHである、前記<22>又は<23>記載の手洗い洗濯方法。
【0077】
<25> (A)(A−1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩〔以下、(A−1)成分という〕及び(A−2)アルキル硫酸塩〔以下、(A−2)成分という〕を含む界面活性剤〔以下、(A)成分という〕5〜40質量%、
(B)炭素数12の高級アルコール及び/又は炭素数14の高級アルコール〔以下、(B)成分という〕0.1〜3質量%、
(C)リン酸塩0〜8質量%、並びに
(D)固体の無機化合物〔以下、(D)成分という〕40〜90質量%を含有し、
(A−1)成分と(A−2)成分の質量比〔(A−1)成分/(A−2)成分〕が0/10〜6.5/3.5であり、
(A)成分中の(A−1)成分及び(A−2)成分の合計質量が60質量%以上であり、
(A−2)成分と(B)成分の質量比〔(A−2)成分/(B)成分〕が8/1〜60/1である、
組成物の、衣料用粉末洗剤としての使用。
【0078】
<26> (A)(A−1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩〔以下、(A−1)成分という〕及び(A−2)アルキル硫酸塩〔以下、(A−2)成分という〕を含む界面活性剤〔以下、(A)成分という〕5〜40質量%、
(B)炭素数12の高級アルコール及び/又は炭素数14の高級アルコール〔以下、(B)成分という〕0.1〜3質量%、
(C)リン酸塩0〜8質量%、並びに
(D)固体の無機化合物〔以下、(D)成分という〕40〜90質量%を含有し、
(A−1)成分と(A−2)成分の質量比〔(A−1)成分/(A−2)成分〕が0/10〜6.5/3.5であり、
(A)成分中の(A−1)成分及び(A−2)成分の合計質量が60質量%以上であり、
(A−2)成分と(B)成分の質量比〔(A−2)成分/(B)成分〕が8/1〜60/1である、
組成物の、手洗い洗濯用粉末洗剤としての使用。
【0079】
<27> 前記<1>〜<21>いずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物の製造方法であって、
衣料用粉末洗剤組成物が、(A)成分として(A−1)成分を、(D)成分として水溶性のアルカリ無機塩を含有し、
(A−1)成分の酸前駆体と水溶性のアルカリ無機塩とを混合することにより、(A−1)成分の酸前駆体と水溶性のアルカリ無機塩とが乾式中和する工程を有し、
該乾式中和する工程の前、工程中又は工程の後に(B)成分を添加して、得られる粒子群中に(B)成分を含有させ、
(B)成分を含有する前記粒子群と、他の成分とを混合する、
衣料用粉末洗剤組成物の製造方法。
【0080】
<28> (B)成分を含有する粒子群中の(B)成分の含有量が、好ましくは3.5〜20質量%であり、より好ましくは4〜18質量%、さらに好ましくは5〜15質量%、更により好ましくは5〜13質量%である、前記<27>記載の衣料用粉末洗剤組成物の製造方法。
【0081】
<29> (A−1)成分の酸前駆体と(B)成分との質量比〔(A−1)成分の酸前駆体/(B)成分〕が、好ましくは1/10〜10/1、より好ましくは1/4〜4/1、更に好ましくは1/3〜3/1、より更に好ましくは2/5〜5/2、より更に好ましくは2/3〜2/1、さらにより好ましくは1/1〜3/2がである、前記<27>又は<28>記載の衣料用粉末洗剤組成物の製造方法。
【0082】
<30> (B)成分を含有する粒子群が、前記乾式中和する工程の前、工程中及び工程の後のいずれか1工程又は2工程以上で、(B)成分を添加して得られる粒子である、前記<27>〜<29>いずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物の製造方法。
【実施例】
【0083】
下記成分を表1、2に示す配合で用いて、下記の方法で衣料用粉末洗剤組成物を調製し、以下の評価を行った。結果を表1、2に示す。
【0084】
・LAS:アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製、直鎖アルキル(炭素数12〜14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム)
・AS:アルキル基の炭素数が12〜14のアルキル硫酸エステル(花王(株)製、エマール10P、全アルキル基中の直鎖アルキル基の割合が100質量%)
・非イオン界面活性剤1:アルキル基の炭素数が12〜14の第1級アルコールへオキシエチレンを平均6モル付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王(株)、エマルゲン108)
・非イオン界面活性剤2:アルキル基の炭素数が12〜14の第1級アルコールへオキシエチレンを平均20モル付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王(株)、エマルゲン121)
・C12アルコール:ラウリルアルコール(花王(株)製、カルコール2098)
・C14アルコール:ミリスチルアルコール(花王(株)製、カルコール4098)
・C10アルコール:デシルアルコール(花王(株)製、カルコール1098)
・C16アルコール:セチルアルコール(花王(株)製、カルコール6098)
・トリポリリン酸ナトリウム:トリポリリン酸ナトリウム(下関三井化学(株)製)
・炭酸ナトリウム:デンス灰(セントラル硝子(株)製)
・炭酸水素ナトリウム:炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業(株)製)
・非晶質ケイ酸ナトリウム:けい酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)
・A型ゼオライト:「ゼオビルダー」(ゼオビルダー社製、メジアン径:3.0μm)
・硫酸ナトリウム:無水中性芒硝(四国化成工業(株)製)
・塩化ナトリウム:塩化ナトリウム(和光純薬工業(株)製)
・層状粘土鉱物:ランドロジルDGA212(ズード・ケミ社製)
・漂白活性化剤:GA-10B(日東化成工業(株)製)
・ポリアクリル酸ナトリウム:40質量%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液(花王(株)製、オリゴマーD、質量平均分子量:1万)を有効分が表中の値となるように用いた。
・蛍光染料:チノパールCBS-X(BASFジャパン(株)製)
・酵素:プロテアーゼ造粒物(花王(株)製、KAP)
【0085】
<粉末洗剤組成物の製造方法>
実施例1〜14、比較例1〜11
レディゲミキサー(松阪技研(株)製、容量20L)を用いて、洗剤組成物を5kg単位で製造した。表1、2に従い炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、非晶質ケイ酸ナトリウム、AS、LASを表1、2に記載した量で上記レディゲミキサーにより混合した。液体原料(水、非イオン界面活性剤、ポリアクリル酸ナトリウム水溶液)を表1、2に記載した量で2分間かけて加えた。なお、非イオン界面活性剤は40℃に加熱した状態で添加した。さらに1分間ミキサーを作動させることにより造粒した粒子を1180μmスクリーンで篩い分けし、篩上品はフィッツミル粉砕機(DKA-6:ホソカワミクロン製)で粉砕処理を行った。得られた粒子に、ドラムミキサーを用いて、高級アルコール、ゼオライト、漂白活性化剤、層状粘土鉱物、酵素及び香料をブレンドした。なお、高級アルコールは40℃に加熱した状態で添加した。これにより得られた実施例1〜14、比較例1〜11の粒子は、見掛け密度が700〜1100g/L、平均粒径が180〜600μm、0.1質量%水溶液のpHが10〜11であった。
【0086】
<評価用肌着の調製方法>
市販肌着2.5kg〔グンゼ社製(YG1614丸首Lサイズ 木綿100%)〕を洗濯機(Panasonic製 NA-F70PB1 '2008)で、水温20℃、炭酸カルシウム換算で89.5mg/L[ドイツ硬度で5°DH]の硬水を用いて洗濯を5回繰り返して処理剤を除去した〔洗濯条件:水量54L、洗い12分、すすぎ2回(ためすすぎ)、脱水5分〕。その際に、非イオン界面活性剤(炭素数12の1級アルコールにオキシエチレンを平均6モル付加させたもの)、非晶質ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウムを1:1:3(質量比)で混合したものを0.5g/Lで使用した。その後、水温20℃、炭酸カルシウム換算で89.5mg/Lの硬水を用いて、2槽式洗濯機(HITACHI製、PS-H35L‘2008)で、流水すすぎを行った。すすぎを止めた際に完全に泡がなくなるまですすぎを行い、処理剤及び洗浄成分を除去したものを自然乾燥にて乾燥させ評価用肌着として使用した。
【0087】
<評価>
(1)泡立ち性評価
モデル円形洗面器(底面の直径(内径)25cm、高さ15cmの円柱のアクリル製容器)に、水温20℃、炭酸カルシウム換算で179mg/Lの硬水[ドイツ硬度で10°DH]を〔塩化カルシウムCaCl2・2H2Oを1.58gと硫酸マグネシウムMgSO4・6H2Oを1.45gにイオン交換水を加えて10Lとしたもの、Ca/Mg=6/4(モル比)〕3L注入する。次に粉末洗剤組成物を(A)成分が合計で750ppmになるように添加し、溶解させる。次いでそこに下記に示す調製油を加温(60℃)して、3枚で1gになるように(1枚当り約0.33g)襟元にスポイド(φ:2mm)を用いて滴下した肌着を投じ、洗浄液に完全に浸る状態で15分間放置する。放置後、肌着1枚に付き襟元を50回もみ洗い(襟元同士を擦り合わせながら1往復(約1秒)で1回と換算)する。その後、肌着を取り出さず、水に浸けたままの状態での泡高さを計測する。モデル円形洗面器を平面からみて4分割(扇形に4等分)したそれぞれの領域において、外側から水面からの泡高さを物差しなどを使用して各領域で1箇所(合計4箇所)の泡高さを測定し、その平均値を算出する。そして同様の評価を3名で行い、この3人の平均値を評価基準とした。
【0088】
洗い工程時の速泡性が良くない場合は、揉みにくく、また視覚的に洗浄力不足と認知され、泡立ちをよくするために洗剤を足して泡を増やそうとするケースもある。そのために、一回あたりの洗剤の使用量が増加してしまうことがある。25〜39歳の中国人の女性(N=20)に泡立ちに関してアンケートを行った結果、泡高さが0.5cm以上の場合、35%の女性が満足すると答え、1.0cm以上で80%の女性が満足すると答え、1.5cm以上で90%の女性が満足すると答えた。この結果から、洗浄時の泡高さは1.0cm以上が好ましい。
【0089】
*調製油
ラウリン酸1質量%、ミリスチン酸7.1質量%、ペンタデカン酸5.3質量%、パルチミチン酸14.2質量%、ヘプタデカン酸1質量%、ステアリン酸3.6質量%、オレイン酸17.8質量%、トリオレイン30質量%、パルミチン酸n−ヘキサデシル5質量%、スクアレン15質量%を約60℃に加温し、均一に溶解混合したものを調整油とした。
【0090】
(2)すすぎ性評価
モデル円形洗面器(底面の直径(内径)25cm、高さ15cmの円柱状のアクリル製容器)に、すすぎ水として、水温20℃、炭酸カルシウム換算で179mg/Lの硬水(前記泡立ち性評価で用いたものと同様に調製したもの)5Lを注入し、上記泡立ち性評価で絞った肌着3枚を投入する。肌着をすすぎ水中でほぐした後、ほぐした肌着を1枚ずつエリの部分を持って浴中から上に持ち上げ(浴中から洗面器上約5cmの高さまで衣類全体が抜け切るまで持ち上げる)、その後再び浴中へ戻す。このような上下運動によるすすぎを1枚の肌着につき10回繰り返した後、肌着の含水量が肌着に対して100〜140%程度になるように洗面器から10cm上で絞り、3枚の肌着のすすぎ、脱水が終わった直後のすすぎ水の液面状態を観察し、下記の基準でポイントをつけ、すすぎ性を評価した。
ポイント
6:液面全体を泡高さ1cm以上の泡が残っている
5:液面全体に泡が残っている(1cm未満)
4:液面の1/2程度に泡(1cm未満)が残っている
3:液面の1/4程度に泡(1cm未満)が残っている
2:液面に細かい泡が残っている
1:液面に泡が残っていない
【0091】
すすぎ工程時の泡切れが良くないと、泡が切れるまで何度もすすぎを実施するために回数が増えてしまう。結果として、多量の水を消費してしまうことになる。このような観点からすすぎ時の泡が少ないことが好ましく、上記のポイントで3ポイント以下が好ましく
、2ポイント以下がより好ましく、1ポイントが更に好ましい。
【0092】
【表1】

【0093】
【表2】

【0094】
実施例17
レディゲミキサーFKM−130D(松坂技研(株)製、容量130L、ジャケット付き)に炭酸ナトリウム(ライト灰:セントラル硝子(株)製、メジアン径100μm)21.97kgを投入し、主翼55rpm(フルード数Fr.:0.85、周速:1.44m/s)、チョッパー3600rpm(周速30m/s)、ジャケット温度40℃の条件で、1分間混合した。
【0095】
<高級アルコール混合工程>
ミキサーを前記と同条件で作動させながら、60℃にしたC12アルコール(ラウリルアルコール、花王(株)製、カルコール2098)3.25kgを0.48分間で加えた。引き続きミキサーを前記と同条件で1分間作動させ混合した。
【0096】
<乾式中和工程>
ミキサーを前記と同条件で作動させながら、予め混合させて60℃にした直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(直鎖アルキル基の炭素数10〜14:平均分子量322)3.12kg及び98%硫酸0.31kgを1.4分間で加えた。なお、上記のLASはSO3ガススルホン化法により製造されたものであり、LAS中1.5質量%の硫酸を含有するものであった。
【0097】
LAS添加後、引き続きミキサーを同条件で3.0分間作動させ、中和反応及び造粒操作を完結させた。また、LASの添加開始後0.5分より機内の通気(300L/min、25℃)を行った。
【0098】
<表面改質工程>
中和反応及び造粒操作が完了した時点で、続いて表面改質剤としてA型ゼオライト3.25kgを加え、ミキサーと通気を前記と同条件で1分間作動させ表面改質処理を行い、造粒品を得た。
【0099】
得られた造粒品は、平均粒径が158μm、1000μm篩上の粒子率(表中、1000μmONと表記する)が4.0質量%、125μm篩下の粒子率(表中、125μmPASSと表記する)が25.5質量%、見掛け密度が815g/Lの粒子であった。
【0100】
<その他の工程>
表面改質された造粒品19.4kgを、ジャイロシフターGS−B2−25((株)徳寿工作所製、目開き1180μm)で分級操作を行った。分級操作後の篩上の粒子を回収し、A型ゼオライト0.6kgとともに、フィッツミルDKA−6(ホソカワミクロン(株)製、周速60m/s)で粉砕し、得られた粉砕物を分級操作後の篩下の粒子と混合し洗剤添加用粒子群1を得た。
【0101】
得られた洗剤添加用粒子群1は、平均粒径が134μm、1000μm篩上の粒子率が0.7質量%、125μm篩下の粒子率が45.5質量%、見掛け密度が821g/L、破壊荷重が110gfの粒子であり、粒子の粘着性が低減された優れた物性の粒子であった。
【0102】
得られた洗剤添加用粒子群1と下記成分とを混合した組成が表4に示す通りとなるように、下記の方法で衣料用粉末洗剤組成物を製造した。
【0103】
<後添加用の成分>
・LAS−Na:アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製、直鎖アルキル(炭素数12〜14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム)
・AS−Na:アルキル基の炭素数が12〜14のアルキル硫酸エステル(花王(株)製、エマール10P、全アルキル基中の直鎖アルキル基の割合が100質量%)
・炭酸ナトリウム:デンス(セントラル硝子(株)製)
・非晶質ケイ酸ナトリウム:けい酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)
・A型ゼオライト:「ゼオビルダー」(ゼオビルダー社製)
・硫酸ナトリウム:無水中性芒硝(四国化成工業(株)製)
・ポリアクリル酸ナトリウム:40質量%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液(花王(株)製、オリゴマーD、質量平均分子量:1万)を有効分が表中の値となるように用いた。
【0104】
<衣料用洗剤組成物の製造方法>
レディゲミキサー(松阪技研(株)製、容量20L)及びドラムミキサーを用いて、表4に示す衣料用洗剤組成物を5kg単位で製造した。
【0105】
具体的には、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、非晶質ケイ酸ナトリウム、LAS−Na、AS−Naを上記レディゲミキサーにより混合した。その後、液体原料(ポリアクリル酸ナトリウム水溶液、水)を加えた。得られた混合物粒子をジャイロシフターGS−B2−25((株)徳寿工作所製、目開き1180μm)で分級操作を行った。分級操作後の篩上の粒子を回収し、フィッツミルDKA−6(ホソカワミクロン(株)製、周速60m/s)で粉砕し、得られた粉砕物を分級操作後の篩下の粒子と混合した。更にその分級操作で得られた粒子に、ドラムミキサー(容量75L)を用いて、前記製造方法で得られた洗剤添加用粒子群1、A型ゼオライト及び香料をブレンドし、衣料用洗剤組成物を得た。
【0106】
実施例18〜20
実施例17と同じ方法により、表3の洗剤添加用粒子群2〜4を得、更に実施例17と同じ方法により表4の衣料用洗剤組成物を製造した。
【0107】
実施例21
レディゲミキサーFKM−130D(松坂技研(株)製、容量130L、ジャケット付き)に炭酸ナトリウム(ライト灰:セントラル硝子(株)製、メジアン径100μm)19.80kgを投入し、主翼55rpm(フルード数Fr.:0.85、周速:1.44m/s)、チョッパー3600rpm(周速30m/s)、ジャケット温度40℃の条件で、1分間混合した。
【0108】
<乾式中和工程>
ミキサーを前記と同条件で作動させながら、予め混合させて60℃にした直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(直鎖アルキル基の炭素数10〜14:平均分子量322)3.69kg及び98%硫酸0.28kgを1.6分間で加えた。なお、上記のLASはSO3ガススルホン化法により製造されたものであり、LAS中1.5質量%の硫酸を含有するものであった。
【0109】
LAS添加後、引き続きミキサーを同条件で3.5分間作動させ、中和反応及び造粒操作を完結させた。また、LASの添加開始後0.5分より機内の通気(300L/min、25℃)を行った。
【0110】
<高級アルコール混合工程>
ミキサーと通気を前記と同条件で作動させながら、60℃にしたC12アルコール(ラウリルアルコール、花王(株)製、カルコール2098)1.63kgを0.23分間で加えた。引き続きミキサーを前記と同条件で1分間作動させ混合した。
【0111】
<表面改質工程>
中和反応及び造粒操作が完了した時点で、続いて表面改質剤としてA型ゼオライト6.5kgを加え、主翼55rpm(フルード数Fr.:0.85、周速:1.44m/s)、チョッパー1800rpm(周速15m/s)のミキサー条件で1分間作動させ表面改質処理を行い、造粒品を得た。
【0112】
得られた造粒品は、平均粒径が208μm、1000μm篩上の粒子率が5.6質量%、125μm篩下の粒子率が19.3質量%、見掛け密度が684g/Lの粒子であった。
【0113】
<その他の工程>
表面改質された造粒品19.4kgを、ジャイロシフターGS−B2−25((株)徳寿工作所製、目開き1180μm)で分級操作を行った。分級操作後の篩上の粒子を回収し、A型ゼオライト0.6kgとともに、フィッツミルDKA−6(ホソカワミクロン(株)製、周速60m/s)で粉砕し、得られた粉砕物を分級操作後の篩下の粒子と混合し洗剤添加用粒子群5を得た。更に、実施例17と同じ方法により衣料用洗剤組成物を製造した。
【0114】
実施例22〜24
実施例21と同じ方法により、表3の洗剤添加用粒子群5〜8を得た。更に、実施例17と同じ方法により表4の衣料用洗剤組成物を製造した。
【0115】
(B)成分を含有する洗剤添加用粒子群は、破壊荷重が低く、取扱い性に優れており、容易に、本発明の衣料用洗剤組成物を製造することができた。表3に、実施例17〜24の製造工程での原料仕込量、洗剤添加用粒子群の組成、洗剤添加用粒子群の物性、造粒品(表中、中間造粒品と表記する)の物性を示した。各物性は以下の方法で測定したものである。
【0116】
<見掛け密度>
見掛け密度は、JIS K 3362により規定された方法で測定する。造粒品の見掛け密度は、ジャイロシフター((株)徳寿工作所製、目開き1180μm)を用いて分級を行い、1180μm以上の粒子群を除去した後の見掛け密度とし、洗剤添加用粒子群の見掛け密度は、ジャイロシフター((株)徳寿工作所製、目開き1180μm)を用いて、分級を行い、1180μm以上の粒子群をフィッツミルDKA−6(ホソカワミクロン(株)製、周速60m/s)で粉砕し、得られた粉砕物を分級操作後の篩下の粒子群と混合する。このようにして得られた混合物を洗剤添加用粒子群とし、その見掛け密度とする。
【0117】
<平均粒径>
平均粒径については、以下の方法により測定する。
(1)平均粒径が125μm以上のものについては、JIS Z 8801−1の標準篩(目開き2000〜125μm)を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる質量分率からメジアン径を算出する。より詳細には、目開き125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1400μm、2000μmの9段の篩と受け皿を用いて、受け皿上に目開きの小さな篩から順に積み重ね、最上部の2000μmの篩の上から100gの粒子群を添加し、蓋をしてロータップ型ふるい振とう機(HEIKO製作所製、タッピング156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、5分間振動させたあと、それぞれの篩及び受け皿上に残留した該粒子群の質量を測定し、各篩上の該粒子群の質量割合(%)を算出する。受け皿から順に目開きの小さな篩上の該粒子群の質量割合を積算していき、合計が50%となる粒径を平均粒径とする。
【0118】
(2)平均粒径が80μm以上125μm未満の物については、目開き45μm、63μm、90μm、125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1400μm、2000μmの12段の篩と受け皿を用いて同様の測定を行い、平均粒径の算出を行う。
【0119】
(3)平均粒径が80μm未満のものについては、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920((株)堀場製作所製)を用い、該粒子群を溶解させない溶媒に分散させて測定したメジアン径を平均粒径とする。
【0120】
尚、本発明においては造粒品粒子群並びに洗剤添加用粒子群の平均粒径は全粒の平均粒径とする。
【0121】
<破壊荷重>
破壊荷重の測定については、以下の方法により測定する。
直径40mmのシリンダーに50mLのサンプルを均一に充填し、ピストンで1kgの荷重をかけて3分間静置することにより、粒子群を円筒状に成形する。成形したサンプルをシリンダーから取り出し、この成形したサンプルを崩壊させるのに要する力をレオメーター(株式会社レオテック製)を用いて測定する。この力を破壊荷重と定義する。一般に、この破壊荷重の値が小さい程、粒子群の粘着性が小さく、凝集性も小さく、自由流動性に優れる為、ハンドリング性に優れる。
【0122】
ジャイロシフター((株)徳寿工作所製、目開き1180μm)を用いて、分級を行い、1180μm以上の粒子群をフィッツミルDKA−6(ホソカワミクロン(株)製、周速60m/s)で粉砕し、得られた粉砕物を分級操作後の篩下の粒子群と混合する。このようにして得られた混合物を洗剤添加用粒子群とし、その破壊荷重とする。
【0123】
【表3】

【0124】
【表4】

【0125】
*1 洗剤添加用粒子群中のLAS−Naと、洗剤添加用粒子群と混合したLAS−Naとであり、質量%はその合計量に基づくものである。
*2 洗剤添加用粒子群中の炭酸ナトリウム(ライト灰)と、洗剤添加用粒子群と混合した炭酸ナトリウム(デンス灰)とであり、質量%はその合計量に基づくものである。
*3 洗剤添加用粒子群中のゼオライトと、洗剤添加用粒子群と混合したゼオライトとであり、質量%はその合計量に基づくものである。
*4 洗剤添加用粒子群中の硫酸ナトリウムと、洗剤添加用粒子群と混合した硫酸ナトリウムとであり、質量%はその合計量に基づくものである。
【0126】
表4の衣料用粉末洗剤組成物は、何れも、実施例4と同等の泡立ち性能、すすぎ性能を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(A−1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩〔以下、(A−1)成分という〕及び(A−2)アルキル硫酸塩〔以下、(A−2)成分という〕を含む界面活性剤〔以下、(A)成分という〕5〜40質量%、
(B)炭素数12の高級アルコール及び/又は炭素数14の高級アルコール〔以下、(B)成分という〕0.1〜3質量%、
(C)リン酸塩0〜8質量%、並びに
(D)固体の無機化合物〔以下、(D)成分という〕40〜90質量%を含有し、
(A−1)成分と(A−2)成分の質量比〔(A−1)成分/(A−2)成分〕が0/10〜6.5/3.5であり、
(A)成分中の(A−1)成分及び(A−2)成分の合計質量が60質量%以上であり、
(A−2)成分と(B)成分の質量比〔(A−2)成分/(B)成分〕が8/1〜60/1である、
衣料用粉末洗剤組成物。
【請求項2】
(C)リン酸塩を0〜3質量%含有する、請求項1記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【請求項3】
(A)(A−1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩〔以下、(A−1)成分という〕及び(A−2)アルキル硫酸塩〔以下、(A−2)成分という〕を含む界面活性剤〔以下、(A)成分という〕5〜40質量%(配合原料中の割合)、
(B)炭素数12の高級アルコール及び/又は炭素数14の高級アルコール〔以下、(B)成分という〕0.1〜3質量%(配合原料中の割合)、
(C)リン酸塩0〜8質量%(配合原料中の割合)、並びに
(D)固体の無機化合物〔以下、(D)成分という〕40〜90質量%(配合原料中の割合)を配合してなる衣料用粉末洗剤組成物であって、
配合原料における(A−1)成分と(A−2)成分の質量比〔(A−1)成分/(A−2)成分〕が0/10〜6.5/3.5であり、
(A)成分中の(A−1)成分及び(A−2)成分の合計質量が60質量%以上であり、
配合原料における(A−2)成分と(B)成分の質量比〔(A−2)成分/(B)成分〕が8/1〜60/1である、
衣料用粉末洗剤組成物。
【請求項4】
(C)リン酸塩を0〜3質量%(配合原料中の割合)配合してなる、請求項3記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【請求項5】
(A−2)成分が、全アルキル基中の炭素数12〜15の直鎖アルキル基の割合が50質量%以上であるアルキル硫酸塩である、請求項1〜4のいずれかに記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【請求項6】
(A−1)成分及び(A−2)成分以外の(A)成分が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(アルキル基の炭素数:10〜15、アルキレンオキシドの平均付加モル数:2〜10)である、請求項1〜5のいずれかに記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【請求項7】
(D)成分が、炭酸塩、及び非晶質ケイ酸塩からなる群から選ばれる水溶性のアルカリ無機塩、硫酸塩、及び金属塩化物からなる群から選ばれる水溶性の中性無機塩、並びに、アルミノケイ酸塩、及び粘土鉱物からなる群から選ばれる水不溶性の無機塩、から選ばれる1種以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【請求項8】
組成物中の水分(JIS K 3362:2008記載の過熱減量法による)が1〜10質量%である、請求項1〜7のいずれかに記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【請求項9】
JIS K 3362:2008記載の20℃で測定する0.1質量%水溶液のpHが8〜12である、請求項1〜8のいずれかに記載の衣料用粉末洗剤組成物。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載の衣料用粉末洗剤組成物を含む洗浄水を接触させた被洗浄物を手洗いする手洗い洗濯方法。
【請求項11】
洗浄水の調製に用いる水の硬度及び/又はすすぎに用いる水の硬度が1°DH〜50°DHである、請求項10記載の手洗い洗濯方法。
【請求項12】
洗浄水が前記組成物と水とを含有し、かつ手洗いした被洗浄物を水ですすぐことを行い、洗浄の調製に用いる水の硬度及び/又はすすぎに用いる水の硬度が1°DH〜50°DHである、請求項10記載の手洗い洗濯方法。
【請求項13】
請求項1〜9いずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物の製造方法であって、
衣料用粉末洗剤組成物が、(A)成分として(A−1)成分を、(D)成分として水溶性のアルカリ無機塩を含有し、
(A−1)成分の酸前駆体である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸と(D)成分である水溶性のアルカリ無機塩とを混合することにより、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸と水溶性のアルカリ無機塩とが乾式中和する工程を有し、
該乾式中和する工程の前、工程中又は工程の後に(B)成分を添加して、得られる粒子群中に(B)成分を含有させ、
(B)成分を含有する前記粒子群と、他の成分とを混合する、
衣料用粉末洗剤組成物の製造方法。
【請求項14】
(B)成分を含有する粒子群中の(B)成分の含有量が、3.5〜20質量%である、請求項13記載の製造方法。
【請求項15】
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸と(B)成分との質量比〔直鎖アルキルベンゼンスルホン酸/(B)成分〕が、1/10〜10/1である、請求項13又は14記載の製造方法。

【公開番号】特開2013−100460(P2013−100460A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−197481(P2012−197481)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】