説明

衣料

【課題】 運動の際に着用者の膝関節又は肘関節を保護する。
【解決手段】 人体に着用される衣料であって、前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の膝蓋骨又は肘頭に対応する位置に位置し、緊締力を付与する第1部分と、前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の膝蓋骨又は肘頭に対応する位置の周囲に位置し、前記第1部分よりも大きい緊締力を付与する第2部分と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体に着用される衣料に関する。
【背景技術】
【0002】
コンディショニングウェアなど、人体に着用された際に人体の筋肉に緊締力を付与する衣料は既に知られている。このような衣料は、上記緊締力により筋肉をサポートし、例えば、筋肉の疲労の軽減やスポーツ障害の防止を目的として着用される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−192903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、運動時において膝関節には体重と衝撃がかかる。また、膝関節は、前後方向への体重移動、体幹の回転、側方への屈曲など複雑な動きをコントロールするのに重要な役割を果たしている。こうした動きを可能にするため、膝関節を構成する骨は重要な靭帯が接続しているが、これらの靭帯は体重と衝撃及び複雑な動きにより損傷を招くことがある。
【0005】
同様に、肘関節は、伸ばした肘を曲げる屈曲動作、曲げた肘を伸ばす伸展動作、肘から前腕部を内側に回旋させ手のひらを下方に向ける回内動作、肘から前腕部を外側に回旋させ手のひらを上方に向ける回外動作などの複雑な動きをコントロールするのに重要な役割を果たしている。こうした動きを可能にするため、肘関節を構成する骨は重要な靭帯が接続しているが、これらの靭帯はこれらの動きを複合的に行う際に局所的な負荷が特定の部位にかかってしまうことで損傷を招くことがある。
【0006】
本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、運動の際に着用者の膝関節又は肘関節を保護する衣料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、主たる発明は、人体に着用される衣料であって、前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の膝蓋骨に対応する位置に位置し、緊締力を付与する第1部分と、前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の膝蓋骨に対応する位置の周囲に位置し、前記第1部分よりも大きい緊締力を付与する第2部分と、を備えることを特徴とする衣料である。
【0008】
また、主たる発明は、人体に着用される衣料であって、衣料が人体に着用された際に、前記人体の肘頭に対応する位置に位置し、緊締力を付与する第10部分と、前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の肘頭に対応する位置の周囲に位置し、前記第10部分よりも大きい緊締力を付与する第11部分と、を備えることを特徴とする衣料である。
【0009】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】トップス10を前方(腹側)から見た図である。
【図2】トップス10を後方(背側)から見た図である。
【図3】パンツ20を前方(腹側)から見た図である。
【図4】パンツ20を後方(背側)から見た図である。
【図5A】肘関節の骨格について前方から見たときの模式図である。
【図5B】図5Aに対応する部分におけるトップス10の強緊締部と中緊締部の配置を示す図である。
【図6A】肘関節の骨格について後方から見たときの模式図である。
【図6B】図6Aに対応する部分におけるトップス10の強緊締部と中緊締部の配置を示す図である。
【図7A】肘を伸展したときの状態を示す図である。
【図7B】肘を直角に屈曲したときの状態を示す図である。
【図7C】肘を約140度に屈曲したときの状態を示す図である。
【図8A】上腕骨111、橈骨112及び尺骨113、並びに内側副側靭帯121の骨格図である。
【図8B】トップス10とトップス10を着用した人の内側側副靭帯121との位置関係を示す図である。
【図9A】野球のピッチャーの投球動作を示す図である。
【図9B】その投球動作の際の肘の骨格の状態を示す図である。
【図10】橈骨112及び尺骨113、並びに橈骨輪状靭帯122の骨格図である。
【図11A】トップス10とトップス10を着用した人の橈骨輪状靭帯122との位置関係を示す前方図である。
【図11B】トップス10とトップス10を着用した人の橈骨輪状靭帯122との位置関係を示す後方図である。
【図12】パンツ20とパンツ20を着用した人の膝蓋骨222との位置関係を示す前方図である。
【図13】パンツ20とパンツ20を着用した人の膝蓋骨222との位置関係を示す上方図である。
【図14】パンツ20とパンツ20を着用した人の膝蓋骨222との位置関係を右膝内側方向から示す図である。
【図15A】大腿骨221、脛骨223及び腓骨224、並びに膝関節の内側側副靭帯211及び外側側副靭帯212の骨格図である。
【図15B】パンツ20とパンツ20を着用した人の内側側副靭帯211及び外側側副靭帯212との位置関係を示す前方図である。
【図16】右膝関節が外側に反るような力(外反ストレス)を受けたときの骨格の状態を示す図である。
【図17】右膝関節が内側に反るような力(内反ストレス)を受けたときの骨格の状態を示す図である。
【図18A】大腿骨221、脛骨223及び腓骨224、並びに前十字靭帯213の骨格図である。
【図18B】パンツ20とパンツ20を着用した人の前十字靭帯213との位置関係を示す前方図である。
【図19A】右膝関節が旋回していないときの膝関節の骨格の状態を示す図である。
【図19B】右膝関節が外側に旋回したときの膝関節の骨格の状態を示す図である。
【図19C】右膝関節が内側に旋回したときの膝関節の骨格の状態を示す図である。
【図20A】上腕二頭筋の骨格筋図である。
【図20B】トップス10とトップス10を着用した人の上腕二頭筋151、152との位置関係を示す前方図である。
【図21A】円回内筋153の骨格筋図である。
【図21B】トップス10とトップス10を着用した人の円回内筋153との位置関係を示す前方図である。
【図22A】上腕三頭筋154、155の骨格筋図である。
【図22B】トップス10とトップス10を着用した人の上腕三頭筋154、155との位置関係を示す前方図である。
【図23A】手関節屈筋である尺側手根屈筋156と橈側手根屈筋157の骨格筋図である。
【図23B】トップス10とトップス10を着用した人の尺側手根屈筋156及び橈側手根屈筋157との位置関係を示す前方図である。
【図24A】手関節伸筋である尺側手根屈筋158と、長橈側手根屈筋159と、短橈側手根屈筋160との骨格筋図である。
【図24B】トップス10と、トップス10を着用した人の尺側手根屈筋158、長橈側手根屈筋159及び短橈側手根屈筋160との位置関係を示す前方図である。
【図25A】手指屈筋の浅指屈筋161の骨格筋図である。
【図25B】トップス10とトップス10を着用した人の浅指屈筋161との位置関係を示す前方図である。
【図26A】手指伸筋の総指伸筋162の骨格筋図である。
【図26B】トップス10と、トップス10を着用した人の総指伸筋162との位置関係を示す前方図である。
【図27A】短内転筋251及び長内転筋252の骨格筋図である。
【図27B】パンツ20とパンツ20を着用した人の短内転筋251及び長内転筋252との位置関係を示す前方図である。
【図28A】大内転筋253の骨格筋図である。
【図28B】パンツ20とパンツ20を着用した人の大内転筋253との位置関係を示す前方図である。
【図29A】薄筋254の骨格筋図である。
【図29B】パンツ20とパンツ20を着用した人の薄筋254との位置関係を示す前方図である。
【図30A】恥骨筋255の骨格筋図である。
【図30B】パンツ20とパンツ20を着用した人の恥骨筋255との位置関係を示す前方図である。
【図31A】内側広筋256の骨格筋図である。
【図31B】パンツ20とパンツ20を着用した人の内側広筋256との位置関係を示す前方図である。
【図32A】強緊締部の編組織を示した図である。
【図32B】中緊締部の編組織を示した図である。
【図32C】弱緊締部の編組織を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも次のことが明らかにされる。
【0012】
先ず、人体に着用される衣料であって、前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の膝蓋骨に対応する位置に位置し、緊締力を付与する第1部分と、前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の膝蓋骨に対応する位置の周囲に位置し、前記第1部分よりも大きい緊締力を付与する第2部分と、を備えることを特徴とする衣料である。
かかる構成の衣料を人体に着用すると、運動の際に着用者の膝関節を保護することができる。
【0013】
また、上記の衣料であって、前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の膝窩に対応する位置に位置し、緊締力を付与する第3部分と、前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の膝窩に対応する位置の周囲に位置し、前記第3部分よりも大きい緊締力を付与する第4部分と、を備えることを特徴とする衣料である。
かかる構成の衣料を人体に着用すると、大腿後方と下腿後方の筋肉が膝屈曲時に圧迫されるのを抑制することができる。
【0014】
また、上記の衣料であって、前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の膝蓋骨の上端部に相当する高さ位置であって大腿部側周に対応する位置に位置し、かつ、前記人体の膝蓋骨の下端部に相当する高さ位置であって下腿部側周に対応する位置に位置し、前記第1部分よりも大きい緊締力を付与する第5部分を備えることを特徴とする衣料である。
かかる構成の衣料を人体に着用すると、膝屈伸運動時の膝蓋骨の上下滑動を許容しつつ、膝蓋骨を大腿骨の関節面に安定させることができる。
【0015】
また、上記の衣料であって、前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の2つの膝関節が相互に対向する前記膝関節の側面上であって、前記膝蓋骨の上端部に相当する高さ位置と前記膝蓋骨の下端部に相当する高さ位置との間に位置し、前記第1部分よりも大きい緊締力を付与する第6部分を備えることを特徴とする衣料である。
かかる構成の衣料を人体に着用すると、膝関節における外反ストレスを抑制することができる。
【0016】
また、上記の衣料であって、前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の2つの大腿部及び下腿部が相互に対向する前記大腿部及び下腿部の側面上であって、前記人体の股部に対応する位置と前記人体の脛骨の末端の内果に対応する位置との間に位置し、前記第1部分よりも大きい緊締力を付与する第7部分を備えることを特徴とする衣料である。
かかる構成の衣料を人体に着用すると、膝関節における外反ストレスの抑制効果を大きくすることができる。
【0017】
また、上記の衣料であって、前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の外側広筋に対応する領域を上下に分断するように横断する位置に位置し、緊締力を付与する第8部分と、前記衣料が前記人体に着用された際に、前記外側広筋に対応する領域のうち前記第8部分が位置する位置以外の位置に位置し、前記第8部分よりも小さい緊締力を付与する第9部分と、を備えることを特徴とする衣料である。
かかる構成の衣料を人体に着用すると、膝関節において水平面上での捻れ方向の運動によって生じる前十字靭帯に対する緊張ストレスを抑制することができる。
【0018】
また、上記の衣料であって、衣料が人体に着用された際に、前記人体の肘頭に対応する位置に位置し、緊締力を付与する第10部分と、前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の肘頭に対応する位置の周囲に位置し、前記第10部分よりも大きい緊締力を付与する第11部分と、を備えることを特徴とする衣料である。
かかる構成の衣料を人体に着用すると、運動の際に着用者の肘関節を保護することができる。
【0019】
また、上記の衣料であって、前記衣料を前記人体に着用し、前記人体の肘関節を屈曲させた際に、前記肘関節の上腕部と前腕部とが対向する面の面上であって、前記肘関節の橈骨輪状靭帯に対応する位置に位置し、緊締力を付与する第12部分と、前記衣料を前記人体に着用し、前記人体の肘関節を屈曲させた際に、前記肘関節の上腕部と前腕部とが対向する面の面上であって、前記肘関節の橈骨輪状靭帯に対応する位置の周囲に位置し、前記第12部分よりも大きい緊締力を付与する第13部分と、を備えることを特徴とする衣料である。
かかる構成の衣料を人体に着用すると、上腕前方と前腕前方の筋肉が肘屈曲時に圧迫されるのを抑制することができる。
【0020】
また、上記の衣料であって、前記人体の肘頭の上端部に相当する高さ位置であって上腕部側周に対応する位置に位置し、かつ、前記人体の肘頭の下端部に相当する高さ位置であって前腕部側周に対応する位置に位置し、前記第10部分よりも大きい緊締力を付与する第14部分を備えることを特徴とする衣料である。
かかる構成の衣料を人体に着用すると、肘屈伸運動時の肘頭の突出を許容しつつ、安定させることができる。
【0021】
また、上記の衣料であって、前記人体の肘関節が前記人体の胴部に対向する前記肘関節の側面上であって、前記肘頭の上端部に相当する高さ位置と前記肘頭の下端部に相当する高さ位置との間に位置し、前記第10部分よりも大きい緊締力を付与する第15部分を備えることを特徴とする衣料である。
かかる構成の衣料を人体に着用すると、肘が外側に反るときに内側側副靭帯にかかる外反ストレスを抑制することができる。
【0022】
また、上記の衣料であって、前記人体の上腕部上端内側に対応する位置と前記人体の伸筋支帯に対応する位置との間に位置し、前記第10部分よりも大きい緊締力を付与する第16部分を備えることを特徴とする衣料である。
かかる構成の衣料を人体に着用すると、外反ストレスの抑制効果を大きくすることができる。
【0023】
===本実施形態の衣料の形状===
本発明の衣料の一例として、図1及び図2に示す上半身用のコンディショニングウェア(以下、トップス10)、及び、図3及び図4に示す下半身用のコンディショニングウェア(以下、パンツ20)について、それぞれ説明する。
【0024】
図1はトップス10を前方(腹側)から見た図であり、図2はトップス10を後方(背側)から見た図である。図3はパンツ20を前方(腹側)から見た図であり、図4はパンツ20を後方(背側)から見た図であり、図5はパンツ20を横から見た図である。なお、上記の各図には、人体に着用された状態のトップス10若しくはパンツ20が示されている。
【0025】
トップス10は、図1及び図2に示すように、胴部11と、胴部11に縫合された左右一対の腕部12と、を有する、シャツ型のコンディショニングウェアである。パンツ20は、図3及び図4に示すように、腰部21と、腰部に隣接する左右一対の脚部22と、を有する、履き込み型のコンディショニングウェアである。本実施形態のトップス10及びパンツ20は、いずれも、伸縮性を有する生地からなる衣料であり、人体に着用された際に人体にフィットして人体の所定の部位(所定の部位については後述する)に緊締力を付与する。ここで、緊締力とは、生地の張力によって生じ、靭帯や筋肉を締め付けて靭帯や筋肉を制動するような力のことである。
【0026】
そして、本実施形態のトップス10及びパンツ20は、図1〜図4に示すように、互いに伸縮度合いが異なる3種類の生地部分を有する。すなわち、本実施形態のトップス10及びパンツ20は、いずれも、互いに伸縮度合いが異なる3種類の部分(図1〜図4中、白、グレー、黒色にて塗り分けられた部分)を有している。ここで、伸縮度合いとは、伸縮し易さのことである。伸縮度合いが小さい(伸縮し難い)とは、元の状態(外力が付与されていない状態)を維持し易い生地の性質(つまり、大きな外力を加えないと伸びず、伸びた状態で外力が解放された場合には、元の状態に戻り易い性質)を表し、伸縮度合いが大きい(伸縮し易い)とは、元の状態を維持し難い生地の性質(つまり、小さな外力で伸び、伸びた状態で外力が解放された場合に、元の状態に戻り難い性質)を表す。
【0027】
本実施形態では、トップス10及びパンツ20の各々の生地の伸縮度合いが3段階に設定されているため、トップス10及びパンツ20の各々が人体に着用された際に筋肉に付与される緊締力が、3段階に設定されていることになる。なお、当然のことながら、当該緊締力は、生地の伸縮度合いが大きくなるほど弱くなる。このため、トップス10及びパンツ20の各々は、最も伸縮度合いが小さいために最も強い緊締力を筋肉に付与する生地部分(以下、強緊締部)と、最も伸縮度合いが大きいために最も弱い緊締力を筋肉に付与する生地部分(以下、弱緊締部)と、伸縮度合いが強緊締部より大きく、且つ、弱緊締部より小さいために、強緊締部より弱く、且つ、弱緊締部より強い緊締力を筋肉に付与する生地部分(以下、中緊締部)と、を有することになる。なお、図1〜図4中、白く塗られた部分が強緊締部に、グレーで塗られた部分が中緊締部に、黒く塗られた部分が弱緊締部に、それぞれ相当する。
【0028】
以下、トップス10及びパンツ20の各々について、強緊締部、中緊締部、及び、弱緊締部の配置について、トップス10又はパンツ20が人体に着用された状態での上記配置について説明する。ここで、人体の所定部位(例えば、所定の筋肉、骨など)に対応する位置とは、前記所定部位を覆う位置のことを意味する(つまり、人体の所定部位に対応する位置の奥に当該所定部位が存在する)。
【0029】
なお、人体の相対的位置関係について、上下とは、頭部に近い方が上であり、手指又は足指に近い方が下であるとする。また、前後とは、顔や腹が向いている方が前であり、背が向いている方が後ろである。また、腕部において、胴部に対向している側が内側であり、その内側の反対側が外側である。脚部において、もう一方の脚部に対向している側が内側であり、その内側の反対側が外側である。
【0030】
<<トップス10>>
本実施形態のトップス10では、図1及び図2に示すように、強緊締部、中緊締部、及び、弱緊締部が、それぞれ、人体の中心軸を中心として左右対称に連携された状態で配置されている。以下、トップス10における強緊締部、中緊締部、及び、弱緊締部の各々の配置について説明する。
【0031】
<強緊締部の配置>
トップス10の長袖部前面では、図1に示すように、肘関節の中心部分(橈骨輪状靭帯に対応する位置であって、図1中、記号y12にて示した部分)を除き、肘関節の中心部分y12の外縁部分x19a、x19bから手首にかけての部分(図1中、記号x19cにて示した部分)に配置されている。
【0032】
また、トップス10の胴部前面では、図1に示すように、強緊締部が首元から脇下に向けて襷掛け状に配置されている。つまり、強緊締部は、トップス10の前面において、襟ラインに沿って斜めに延び胸鎖関節に対応する位置辺りで合流している部分(図1中、記号x11にて示した部分)と、当該部分x11の合流位置から再び分岐して脇下に向かって斜め下方に延びた部分(図1中、記号x12にて示した部分)を有している。また、強緊締部は、胸鎖関節に対応する位置辺りから肩に向かって鎖骨に沿うように伸びた部分(図1中、記号x13にて示した部分)を有している。さらに、トップス10の前面では、強緊締部が、脇下から胴部11の裾に向けて襷掛け状に配置されている。具体的に説明すると、強緊締部は、トップス10の前面において、脇下の下方位置から斜め下方に延びて臍に対応する位置辺りにて合流した部分(図1中、記号x14にて示した部分)と、当該部分x14の合流位置から再び分岐して寛骨の上前腸骨棘に対応する位置に向かって斜め下方に延びた部分(図1中、記号x15にて示した部分)と、を有している。
【0033】
一方、トップス10の長袖部後面では、図2に示すように、肘関節の中心部分(肘頭に対応する位置であって、図2中、記号y14にて示した部分)を除き、肘関節の中心の外縁部分x20a、x20bから手首にかけての部分(図2中、記号x20cにて示した部分)に配置されている。
【0034】
また、トップス10の胴部後面では、図2に示すように、強緊締部が、首元周りに配置されている。また、強緊締部は、トップス10の後面において、肩甲骨内側縁に対応する位置から脇下に向かって斜め下方に延びた部分(図2中、記号x16にて示した部分)と、当該部分x16の中途位置から胸椎の中心に対応する位置に向かって延び、当該位置から脇下の下方位置に向かって斜めに延びた部分(図2中、記号x17にて示した部分)と、を有している。なお、部分x17は、脇下の下方位置において部分x14と連結している。さらに、強緊締部は、トップス10の後面において、脇下の下方位置から骨盤中央(詳しくは、腰仙椎部の基部)に対応する位置に向かって斜め下方に延びた部分(図2中、記号x18にて示した部分)と、当該部分x18に隣接し胴部11の裾まで延びた部分(図2中、記号x19にて示した部分)と、を有している。なお、部分x19は、胴部11の裾部において部分x15と連結している。これにより、胴部11の裾部における強緊締部の配置位置が、骨盤(詳しくは、腰仙骨部)を取り囲むような位置になっている。
【0035】
<中緊締部の配置>
トップス10の長袖部では、図1及び図2に示すように、肘関節前面の中心部分(橈骨輪状靭帯に対応する位置であって、図1中、記号y12にて示した部分)、肘関節後面の中心部分(肘頭に対応する位置であって、図2中、記号y14にて示した部分)、浅指屈筋及び深指屈筋の筋腹に対応する部分(図1及び図2中、記号y13にて示した部分)に配置されている。
【0036】
また、中緊締部は、肩上方を覆って上腕を取り巻くように配置されている。つまり、中緊締部は、トップス10の前面及び後面の双方において、肩峰に対応する位置から上腕骨頭に対応する位置を通過して脇下周辺に向かって延びた部分(図1及び図2において、記号y11にて示す部分)を有している。
【0037】
<弱緊締部の配置>
トップス10の長袖部では、図1及び図2に示すように、弱緊締部が、上腕二頭筋の長頭の筋腹に対応する部分(図1及び図2中、記号z16にて示した部分)に配置されている。
【0038】
また、トップス10の前面では、図1に示すように、弱緊締部が、胸郭部中央に対応する位置から臍に対応する位置よりもやや上方の位置まで幅広く配置されている。つまり、弱緊締部は、トップス10の前面において、強緊締部の部分x12及び部分x14に包囲され横隔膜に対応する位置周辺を覆う部分(図1中、記号z11にて示す部分)を有している。また、弱緊締部は、トップス10の前面において、胴部11の裾から略三角形状に広がった部分(図1中、記号z12にて示す部分)と、強緊締部の部分x11及び部分x12と中緊締部の部分y11との間において脇下から肩前方を覆う部分(図1中、記号z13にて示す部分)と、を有している。
【0039】
一方、トップス10の後面では、図2に示すように、弱緊締部が、胸椎の中心に対応する位置よりやや下側から腰上部まで幅広く配置されている。つまり、弱緊締部は、トップス10の後面において、強緊締部の部分x17及び部分x18に包囲され横隔膜に対応する位置周辺を背面側から覆う部分(図1中、記号z14にて示す部分)を、有している。また、弱緊締部は、トップス10の後面において、強緊締部の部分x17と中緊締部の部分y11との間において脇下から肩後方を覆う部分(図1中、記号z15にて示す部分)を有している。さらに、図1及び図2に示すように、弱緊締部は、腕部12の中央から腕部12の裾よりもやや上側の位置にかけて上腕を取り囲む部分(図1及び図2中、記号z16にて示す部分)と、脇腹を覆う部分(図1及び図2中、記号z17にて示す部分)とを有している。
【0040】
<<パンツ20>>
本実施形態のパンツ20では、図3及び図4に示すように、強緊締部、中緊締部、及び、弱緊締部が、それぞれ、人体の中心軸を中心として左右対称に連携された状態で配置されている。以下、パンツ20における強緊締部、中緊締部、及び、弱緊締部の各々の配置について説明する。
【0041】
<弱緊締部の配置>
弱緊締部は、図4に示すように、パンツ20の後面において大殿筋の筋腹に対応する部分(図4中、記号z21にて示した部分)と、パンツ20の側面において大腿の側面下部を覆う部分(図3及び図4中、記号z22にて示した部分)と、下腿後面においてヒラメ筋の筋腹に対応する部分(図4中、記号z23にて示した部分)と、を有している。
【0042】
<中緊締部の配置>
中緊締部は、図3に示すように、パンツ20の前面において腰部21の上端から逆三角形状に広がった部分(図3中、記号y21にて示した部分)と、骨盤前方で交差して大腿上部に繋がれた強緊締部(後述する部分x24、x28)に包囲された部分(図3中、記号y22にて示した部分)と、膝蓋骨に対応する部分(図3中、記号y27にて示した部分)と、下腿内側部におけるヒラメ筋の筋腹に対応する部分(図3中、記号y28、y29にて示した部分)を有している。
【0043】
また、中緊締部は、図4に示すように、パンツ20の後面において、大腿の後方で大腿二頭筋の長頭の筋腹に対応する部分(図4中、記号y25にて示した部分)と、腰部21の上端から腰仙関節に対応する位置辺りまで逆三角形状に広がった部分(図4中、記号y26にて示した部分)と、膝窩に対応する部分(図4中、記号y30にて示した部分)と、下腿後面においてヒラメ筋の筋腹に対応する部分z23の外縁部分(図4中、記号y31にて示した部分)を有している。
【0044】
また、中緊締部は、大腿の側面下部を覆う部分z22の外縁部分(図3及び図4中、記号y23、y24にて示した部分)を有している。
【0045】
<強緊締部の配置>
図3に示すように、パンツ20の前面では、強緊締部が、腸骨稜に対応する位置から大腿の鼠径部に対応する位置に向かって襷掛け状に配置されている。つまり、強緊締部は、パンツ20の前面において、腸骨稜に対応する位置において部分x22と連結し、その連結位置から斜め下方に延びて臍に対応する位置よりも幾分上方の位置にて合流した部分(図3中、記号x28にて示した部分)と、当該部分x28の合流位置から再び分岐して鼠径部に対応する位置に向かって延びた部分(図1中、記号x29にて示した部分)と、を有している。また、図3及び図5に示すように、大転子に対応する位置辺りから大腿の前方に向かって延びた部分(すなわち、部分x24)が、大腿の前方まで回り込み鼠径部に沿って恥骨結合に対応する位置まで延びている。また、部分x24は、図3に示すように、大腿前面において大腿上部を覆っている。
【0046】
また、強緊締部は、下腿部前面において、膝部内側面x29aから膝関節内側x29bを経て足首部内側面x29eへ延びるとともに、これと平行して膝部外側面x28から膝関節外側x29c及び下腿部外側x29dを経て足首部外側面x29eへ延びている。また、強緊締部は、下腿部上部x29f(すなわち、膝関節の下縁)および下腿部下部x29g(足首関節の上縁)において側周する。
【0047】
一方、パンツ20の後面では、図4に示すように、強緊締部が、恥骨に対応する位置から仙骨に対応する位置まで引き上げられてから腸骨稜の外側上方に対応する位置に向かうように、略V字状に配置されている。つまり、強緊締部は、パンツ20の後面において、恥骨に対応する位置から逆三角形状に広がって仙腸関節に対応する位置周辺を覆う部分(図4中、記号x21にて示した部分)と、当該部分x21から左右に分岐して腸骨稜に対応する位置に向かって斜め上方に延びた部分(図4中、記号x22にて示した部分)と、を有している。また、強緊締部は、腰部21の幅方向端部において前記部分x22と連結し、大転子に対応する位置辺りまで幅広く延びた部分(図4中、記号x23にて示した部分)を有している。そして、強緊締部は、図3及び図4に示すように部分x23の下端部から分岐して、大腿の前方に向かって延びた部分(図3中、記号x24にて示した部分)と、大腿の後方に向かって延びた部分(図4中、記号x25にて示す部分)と、をそれぞれ形成している。
【0048】
さらに、強緊締部は、パンツ20の後面において、恥骨結合に対応する位置から坐骨結節に対応する位置を通過するように延びた部分(図4中、記号x26にて示す部分)と、恥骨結合に対応する位置から大腿内側を覆う部分(図4中、記号x30aにて示す部分)とを有する。なお、部分x26及び部分x30aは、いずれも部分x25と連結している。また、部分x30aは、恥骨結合に対応する位置から三角形状に広がり、部分x30aと連結した部分x25は、膝関節の中緊締部y30の外縁まで達している。
【0049】
また、強緊締部は、下腿部後面において、膝部内側面x30bから足首部内側面(図4中、記号x30gにて示す部分)を経て足首部分(図4中、記号x30eにて示す部分)へ延びるとともに、これと平行して膝部外側面(図4中、記号x30cにて示す部分)から下腿部外側面(図4中、記号x30dにて示す部分)を経て足首部外側面(図4中、記号x30eにて示す部分)へ延びている。また、強緊締部は、下腿部上部(すなわち、膝関節の下縁であって、図4中、記号x30fにて示す部分)および下腿部下部(足首関節の上縁であって、図4中、記号x30eにて示す部分)において側周する。
【0050】
以上のように、本実施形態のパンツ20では、強緊締部が、骨盤を取り囲み骨盤の前方で交差してから大腿部に連結し、さらに下腿部に繋がれるように配置されている。
【0051】
==本実施形態の衣料が付与する緊締力と靭帯及び骨格との関係==
コンディショニングウェアは、人体に着用されることにより、人体の靭帯及び骨に緊締力を付与して靭帯及び骨をサポートする。
【0052】
<<トップス10がサポートする肘関節部と、肘関節部に付与される緊締力との関係>>
まず、このコンディショニングウェアにより肘関節の靭帯に緊締力を付与する場合について説明する。
【0053】
<肘屈伸運動>
図5Aは肘関節の骨格について前方から見たときの模式図であり、図5Bは図5Aに対応する部分におけるトップス10の強緊締部と中緊締部の配置を示す図である。図5Bに示すように、トップス10では、肘関節の屈曲部分y12(橈骨輪状靭帯に対応する部分であって、「第12部分」に相当)に縦長の楕円形状の中緊締部が配置され、その中緊締部の周囲に位置する部分x19a、x19b、x19d、x19e(「第13部分」に相当)に強緊締部が配置されている。
【0054】
また、図6Aは肘関節の骨格について後方から見たときの模式図であり、図6Bは図6Aに対応する部分におけるトップス10の強緊締部と中緊締部の配置を示す図である。図6Bに示すように、トップス10では、肘関節の肘頭に対応する部分y14(「第10部分」に相当)に縦長の楕円形状の中緊締部が配置され、その中緊締部の周囲に位置する部分x20a、x20b、x20d、x20e(「第11部分」に相当)に強緊締部が配置されている。
【0055】
また、肘頭の上端部に相当する高さ位置であって上腕部側周に対応する部分x19d、x20d(「第14部分」に相当)と、肘頭の下端部に相当する高さ位置であって前腕部側周に対応する部分x19e、x20e(「第14部分」に相当)に強緊締部が配置されている。
【0056】
図7A〜図7Cは、肘関節を屈伸運動時の尺骨肘頭の動きを模式的に示した図である。図7Aは肘を伸展したときの状態を示し、図7Bは肘を直角に屈曲したときの状態を示し、図7Cは肘を約140度に屈曲したときの状態を示す。
【0057】
図7A〜図7Cに示すように、肘関節の前方に対しては、トップス10の部分y12に中緊締部が配置されているので、トップス10を着用すれば、肘屈曲時に上腕前面の筋肉や前腕前面の筋肉に対する圧迫を緩和することができる。
【0058】
また、図7A〜図7Cに示すように、肘は屈曲又は伸展の動作時に尺骨近位端である肘頭が、上腕骨滑車の周りを非常に広く動き、伸展状態から屈曲するのに伴い、突出する動きをする。そこで、肘関節の後方については、トップス10の部分y14に中緊締力が配置されているので、トップス10を着用すれば、肘頭の突出する動きを許容しつつ、肘頭の突出を適度なものとなるように抑制することができる。
【0059】
<肘外反ストレス>
図8Aは、上腕骨111、橈骨112及び尺骨113、並びに内側副側靭帯121の骨格図である。同図に示すように、内側副側靭帯121の一端は上腕骨111の上腕骨内顆111aに付着し、他端は尺骨113の尺骨内側面113aに付着する。
図8Bは、トップス10とトップス10を着用した人の内側側副靭帯121との位置関係を示す図である。同図に示すように、トップス10では、内側側副靭帯121に対応する部分x19b(「第15部分」に相当)に強緊締部が配置されている。
【0060】
図9Aは、野球のピッチャーの投球動作を示す図であり、図9Bは、その投球動作の際の肘の骨格の状態を示す図である。図9A及び図9Bの矢印で示すように、肘が外側に反り返ることによって、内側側副靭帯にストレスがかかる。しかし、トップス10には強緊締部が肘関節内側において上下方向に配置されているので、トップス10を着用していれば内側側副靭帯にストレスを抑制することができる。
【0061】
なお、上腕部内側に対応する部分y11aから部分x19bを経て手首部内側に対応する部分x19cにかけての部分(「第16部分」に相当)に、部分y12又はy14以上の緊締力を有する中緊締部又は強緊締部を配置すれば、上記外反ストレス抑制にかかるより大きな効果を得られる。
【0062】
<回内・回外運動>
図10は、橈骨112及び尺骨113、並びに橈骨輪状靭帯122の骨格図である。同図に示すように、内側副側靭帯121は、橈骨112の上部側周において橈骨112と尺骨113を縛着するように周回する。また、内側副側靭帯121の一端は尺骨113の橈骨切痕前縁113aに付着し、他端は尺骨113の橈骨切痕後縁113bに付着する。
【0063】
図11Aは、トップス10とトップス10を着用した人の橈骨輪状靭帯122との位置関係を示す前方図であり、図11Bは、トップス10とトップス10を着用した人の橈骨輪状靭帯122との位置関係を示す後方図である。図11A及び図11Bに示すように、トップス10では、橈骨輪状靭帯122に対応する部分x19a、x19e、x19b、x20a、x20e、x20bに強緊締部が配置されている。
【0064】
橈骨輪状靭帯には、肘の回内動作及び回外動作において、橈骨の尺骨に対する位置を安定させる働きがある。トップス10では、肘関節の前腕上部において側周する部分に強緊締部が配置されている。よって、トップス10は、橈骨輪状靭帯の作用を補助することができ、もって円滑な肘関節の回内運動及び回外運動を導くことができる。
【0065】
<<パンツ20がサポートする脚部及び膝関節部と、それらに付与される緊締力との関係>>
<膝屈伸運動>
図12は、パンツ20とパンツ20を着用した人の膝蓋骨222との位置関係を示す前方図であり、図13は、パンツ20とパンツ20を着用した人の膝蓋骨222との位置関係を示す上方図であり、また、図14は、パンツ20とパンツ20を着用した人の膝蓋骨222との位置関係を右膝内側方向から示す図である。
【0066】
図12〜図14に示すように、パンツ20では、膝蓋骨222に対応する楕円形の部分y27(「第1部分」に相当)に中緊締部が配置される。なお、膝蓋骨222は、膝の屈伸運動に応じて上下に滑動するが、部分y27は、膝蓋骨222が滑動する範囲に対応して配置されている。また、図14に示すように、パンツ20では、膝窩225に対応する楕円形の部分y30(「第3部分」に相当)に中緊締部が配置される。
【0067】
一方で、部分y27の周囲に位置する部分x29b、x29c、x29i、x29j(「第2部分」に相当)と、部分y30の周囲に位置する部分x30b、x30c、x30i、x30j(「第4部分」に相当)に強緊締部が配置されている。また、膝関節の上縁に対応し大腿骨の側周に対応する部分x29i、x30i(「第5部分」に相当)に強緊締部が配置され、膝関節の下縁に対応し下腿骨の側周に対応する部分x29j、x30j(「第5部分」に相当)に強緊締部が配置されている。
【0068】
人が直立している際には、膝蓋骨が外側方向へずれようとする力が加わる。しかし、パンツ20には膝蓋骨222に対応する部分y27に中緊締力部が配置され、その周囲に強緊締力部が配置されているので、パンツ20を着用していれば膝蓋骨222を大腿骨221の関節面に安定させることができる。
【0069】
また、膝屈曲位では、膝蓋骨が前方に突出しようとする。これに対して、膝蓋骨222が対応する部分y27においては中緊締部が配置され、膝蓋骨222が対応する部分の周囲においては強緊締部が配置されているので、パンツ20を着用していれば膝蓋骨の前方への突出を抑制することができる。
【0070】
さらに、屈伸運動の際には、膝蓋骨222は膝関節で上下に滑動する。膝蓋骨222が滑動する範囲には中緊締力の部分y27が配置されているので、パンツ20を着用していても、膝蓋骨222は円滑に滑動することができる。一方で、膝関節後方面では、前方面と同様に中緊締部が配置されているので、パンツ20を着用していても、膝屈曲時に大腿後方と下腿後方の筋肉が圧迫されるのを緩和することができる。
【0071】
<膝外反及び膝内反>
図15Aは、大腿骨221、脛骨223及び腓骨224、並びに膝関節の内側側副靭帯211及び外側側副靭帯212の骨格図である。同図に示すように、内側副側靭帯211の一端は大腿骨内顆上方221aに付着し、他端は脛骨内顆下方223aに付着する。また、外側側副靭帯212一端は大腿骨外顆上方221bに付着し、他端は腓骨頭224aに付着する。
【0072】
図15Bは、パンツ20とパンツ20を着用した人の内側側副靭帯211及び外側側副靭帯212との位置関係を示す前方図である。同図に示すように、パンツ20では、内側側副靭帯211に対応する部分x29b(「第6部分」に相当)に強緊締部が配置される。加えて恥骨結合に対応する部分213から足関節部内顆214までに連続的に対応する部分x29a、x29b、x29d、x29e(「第7部分」に相当)に強緊締部が配置されている。
【0073】
図16は、右膝関節が外側に反るような力(外反ストレス)を受けたときの骨格の状態を示す図である。同図に示すように、内側側副靭帯211は、外反ストレスを受けると、伸びて損傷してしまうことがある。しかし、パンツ20には内側側副靭帯211に対応する部分x29cに強緊締部が配置され、さらにその上下方向に強緊締部である部分x29aと部分x29dと部分x29eとが配置されているので、パンツ20を着用していれば内側側副靭帯211を外反ストレスから保護することができる。
【0074】
図17は、右膝関節が内側に反るような力(内反ストレス)を受けたときの骨格の状態を示す図である。同図に示すように、外側側副靭帯212は、内反ストレスを受けると、伸びて損傷してしまうことがある。しかし、パンツ20には外側側副靭帯212に対応する部分x29cに強緊締部が上下方向に配置されているので、パンツ20を着用していれば外側側副靭帯212を内反ストレスから保護することができる。
【0075】
<膝旋回運動>
図18Aは、大腿骨221、脛骨223及び腓骨224、並びに前十字靭帯213の骨格図である。同図に示すように、前十字靭帯213の一端は大腿骨外顆の内側面221cに付着し、他端は脛骨前方顆間区の内方223bに付着する。
図18Bは、パンツ20とパンツ20を着用した人の前十字靭帯213との位置関係を示す前方図である。図18Bに示すように、パンツ20では、膝関節の上部に位置する部分x29f(すなわち、大腿部の下方であって、「第8部分」に相当)に強緊締部が側周するように配置される。また、同図に示すように外側広筋の筋腹に対応する部分z22、y23、y24(「第9部分」に相当)とには、弱緊締部と中緊締部がそれぞれは位置される。
【0076】
図19Aは右膝関節が旋回していないときの膝関節の骨格の状態を示す図であり、図19Bは、右膝関節が外側に旋回したときの膝関節の骨格の状態を示す図であり、図19Cは、右膝関節が内側に旋回したときの膝関節の骨格の状態を示す図である。同図に示すように、下腿部が外側又は内側に旋回すると緊張ストレスを受けてしまい、前十字靭帯213は伸びて損傷してしまうことがある。しかし、パンツ20には膝関節の上部に位置する部分x29fに強緊締部が配置されているので、パンツ20を着用していれば前十字靭帯213を緊張ストレスから保護することができる。一方で、外側広筋の筋腹に対応する部分z22、y23、y24には弱緊締部と中緊締部が配置されているので、外側広筋の柔軟な収縮が確保されている。
【0077】
==本実施形態の衣料が付与する緊締力と骨格筋との関係==
次に、このコンディショニングウェアにより、骨格筋に緊締力が付与する場合について説明する。
【0078】
骨格筋は、人体の支柱となる骨格に付着し、人間の運動において骨格を直接的に動かすことにより骨格間の関節の動きを実現している。そして、骨格筋の両端部に位置し、骨に付着している部位が骨格筋の起始部及び停止部である。ここで、起始部とは、骨格筋の両端部のうち、人体の中心により近い側の端部であり、停止部とは、人体の中心からより離れた側の端部である。換言すると、関節が動く際、当該関節を構成する骨(より詳しくは、関節を構成する一対の骨のうちの一方の骨)の動きの支点となる側の端部が起始部であり、当該骨を動かすために動く側の端部が停止部である。なお、一部の骨格筋については、骨格筋の両端部のうち、骨盤により近い側の端部が起始部であり、骨盤からより離れた側の端部が停止部である。
【0079】
ところで、骨格筋が大きな負荷を受けた状態で上記の動き(筋収縮)を行い続けると、骨格筋は硬化し(柔軟性が失われ)、筋力も低下してしまう。骨格筋の柔軟性の低下が進行すると、着用者の運動能力の低下を招く虞がある。骨格筋の柔軟性が低下した状態でスポーツ等の運動を行うと、所謂スポーツ障害が起こり易くなる。具体的に説明すると、骨格筋の柔軟性が低下した状態での運動においては、筋線維を覆う筋膜の炎症や肉離れ等、骨格筋自体の損傷が起こり易くなる。また、骨格筋の柔軟性の低下により、骨格筋の腱に掛かる牽引力(骨格筋を骨格筋が付着している骨から引き離そうとする力)が強くなる結果、腱炎や剥離骨折が起きる可能性もある。更に、骨格筋の柔軟性が低下した状態での運動では、骨格筋が付着した骨により構成される関節において骨位置がずれ易くなる結果、関節内での圧迫摩擦等による関節軟骨の損傷や関節包炎が起こり易くなる。
【0080】
以上のような骨格筋の動きの特性を踏まえ、骨格筋の疲労の軽減やスポーツ障害の予防を目的としてコンディショニングウェアが着用される。その一方で、コンディショニングウェアの着用者がコンディショニングウェアを着用したままの状態で運動する場合、コンディショニングウェアの緊締力によってサポートされる筋肉は、当該緊締力を受けながらも前記着用者の目的とする運動に適合するように伸縮できることが求められる。
【0081】
しかし、従来のコンディショニングウェアは、関節を確実に固定する(関節の、ある方向への動きを制限する)等の目的のために骨格筋全域に強い緊締力を付与するものであった。このため、骨格筋の膨張や伸縮が過度に制限され、前記骨格筋が本来の筋力を発揮することができなくなる虞があった。また、骨格筋の伸縮が過度に制限される結果、腕や脚の可動範囲が狭くなり、着用者に動き難さを感じさせてしまっていた。
【0082】
一方、骨格筋に付与する緊締力が弱くしてしまうと、骨格筋の起始部、及び、起始部が付着する関節が固定され難くなり振れ易くなってしまう。そして、着用者が運動する間に筋肉の起始部が振れてしまうと、筋肉はその伸展方向に伸展し難くなり、更に筋肉の動きの支点が定まらなくなってしまう。このため、運動中の着用者の体勢(フォーム)が崩れ易くなり、崩れた体勢のまま運動を継続すると、筋肉の柔軟性が失われ(すなわち、筋肉が硬くなり)、筋肉疲労を起こし易くなってしまう。かかる場合には、上述のスポーツ障害を誘発する虞もある。
【0083】
これに対し、本実施形態のコンディショニングウェア(すなわち、トップス10及びパンツ20)は、異なる強さの緊締力を骨格筋に付与する3種類の部分を備え、各部分の配置が前述のように設定されている。この結果、本実施形態のコンディショニングウェアが人体に着用された際、人体の骨格筋に付与される緊締力は、骨格筋の部位に応じて変わることになる。
【0084】
具体的に説明すると、本実施形態では、コンディショニングウェアが人体に着用された際に、緊締力の強い部分が、人体の骨格筋の起始部及び停止部に対応する位置に位置して、強い緊締力を起始部及び停止部に付与する。一方、緊締力の弱い部分が、骨格筋の起始部と停止部との間の筋肉部分(所謂、筋腹)に対応する位置に位置して、相対的に弱い緊締力を筋腹に付与する。
【0085】
このように、本実施形態では、骨格筋の起始部は強い緊締力が付与されるため、起始部は、より強い緊締力によって制動される(つまり、固定される)。これにより、骨格筋の動きの支点が定まる。この結果、骨格筋が正常な可動範囲内において動く(筋収縮する)ようになる。換言すると、骨格筋の動きの支点であり骨格筋の起始部が付着する関節の位置が定まることにより、関節を構成する骨に付着した骨格筋の停止部が適切に動く結果、停止部が付着した骨も正常に動くようになる。さらに、筋肉は、筋肉の起始部が固定されると、筋肉の伸展方向に伸展し易くなるという生理学的性質を有している。
【0086】
以上の効果により、起始部に強い緊締力が付与された骨格筋は、本来の伸張力を発揮することが可能となる。骨格筋は本来の伸張力を発揮できれば効率良く筋収縮するため、骨格筋の疲労を軽減することが可能となる。他方、骨格筋の筋腹は相対的に弱い緊締力が付与されるため、筋腹を緊締する力が弱くなり、筋腹が緊締力に抗して膨張し易くなる。この結果、筋腹は効率良く筋力を生み出すことが可能になる。
【0087】
また、骨格筋は、柔軟に伸縮して本来の筋力を発揮することが可能になる。このように、骨格筋が正常な可動範囲内で柔軟に伸縮することが可能になることにより、骨格筋の動きが着用者の目的とする運動に適合するようになり、以って、骨格筋の疲労の軽減やスポーツ障害の予防を図ることが可能になる。
【0088】
以下、上記の内容について、トップス10とパンツ20とに分けて具体的に説明する。
【0089】
<<トップス10が付与する緊締力と骨格筋との関係>>
<上腕二頭筋>
図20Aは、上腕二頭筋の骨格筋図である。同図に示すように、上腕二頭筋短頭151は、起始部を肩甲骨烏口突起131に、停止部を橈骨粗面133に有する。また、上腕二頭筋長頭152は、起始部を肩甲骨関節上結節132に、停止部を橈骨粗面133に有する。
図20Bは、トップス10とトップス10を着用した人の上腕二頭筋151、152との位置関係を示す前方図である。同図に示すように、上腕二頭筋151、152の起始部において中緊締部の部分y11が位置し、この起始部は部分y11によって緊締力が付与される。また、上腕二頭筋151、152の停止部において強緊締力の部分x19aが位置し、この停止部は部分x19aによって緊締力が付与される。一方で、上腕二頭筋151、152の筋腹には弱緊締部の部分z16が位置し、この筋腹には部分z16によって緊締力が付与される。
【0090】
以上のように、上腕二頭筋151、152のケースでは、起始部及び停止部に付与される緊締力は、筋腹に付与される緊締力よりも強くなっている。これにより、上腕二頭筋151、152が、起始部及び停止部において固定されつつ、正常な可動範囲において柔軟に伸縮するようになる結果、トップス10を着用すれば肘関節の伸展動作及び屈曲動作にそれぞれ適合するように伸縮することができる。
【0091】
<円回内筋>
図21Aは、円回内筋153の骨格筋図である。同図に示すように、円回内筋153は、起始部を上腕骨内顆に、停止部を上腕骨外側面に有する。
図21Bは、トップス10とトップス10を着用した人の円回内筋153との位置関係を示す前方図である。同図に示すように、円回内筋153の起始部において強緊締部の部分x19bが位置し、この起始部は部分x19bによって緊締力が付与される。また、円回内筋153の停止部において中緊締力の部分y13が位置し、円回内筋153の停止部は部分y13によって緊締力が付与される。一方で、円回内筋153の筋腹には強緊締部の部分x19eが位置し、円回内筋153の筋腹には部分x19eによって緊締力が付与される。
【0092】
以上のように、円回内筋153のケースでは、起始部及び停止部に所定の緊締力が付与される。これにより、円回内筋153が起始部及び停止部において固定される結果、トップス10を着用すれば肘関節の伸展動作及び屈曲動作を適切に行うことができる。
【0093】
<上腕三頭筋>
図22Aは、上腕三頭筋154、155の骨格筋図である。同図に示すように、上腕三頭筋短頭154は、起始部を上腕骨後面上方135に、停止部を尺骨肘頭137に有する。また、上腕三頭筋長頭155は、起始部を肩甲骨関節下結節136に、停止部を尺骨肘頭137に有する。
【0094】
図22Bは、トップス10とトップス10を着用した人の上腕三頭筋154、155との位置関係を示す前方図である。同図に示すように、上腕三頭筋短頭154の起始部において中緊締部の部分y11が位置し、この起始部は部分y11によって緊締力が付与される。また、上腕三頭筋短頭154の停止部において強緊締力の部分x19dが位置し、上腕三頭筋短頭154の停止部は部分x19dによって緊締力が付与される。一方で、上腕三頭筋短頭154の筋腹には弱緊締部の部分z16が位置し、上腕三頭筋短頭154の筋腹には部分z16よって緊締力が付与される。また、同図に示すように、上腕三頭筋長頭155の起始部において強緊締部の部分x16が位置し、この起始部は部分x16によって緊締力が付与される。また、上腕三頭筋長頭155の停止部において強緊締力の部分x19dが位置し、上腕三頭筋長頭155の停止部は部分x19dによって緊締力が付与される。一方で、上腕三頭筋長頭155の筋腹には弱強緊締部の部分z15と中緊締部の部分y11が位置し、上腕三頭筋長頭155の筋腹には部分z15と部分y11によって緊締力が付与される。
【0095】
以上のように、上腕三頭筋154、155のケースでは、起始部及び停止部に付与される緊締力は、筋腹に付与される緊締力よりも強くなっている。これにより、上腕三頭筋154、155が、起始部及び停止部において固定されつつ、正常な可動範囲において柔軟に伸縮するようになる結果、トップス10を着用すれば肘関節の伸展動作及び屈曲動作にそれぞれ適合するように伸縮することができる。
【0096】
<手関節屈筋>
図23Aは、手関節屈筋である尺側手根屈筋156と橈側手根屈筋157の骨格筋図である。同図に示すように、尺側手根屈筋156は、起始部を上腕骨内顆138に、停止部を第五中手骨139に有する。また、橈側手根屈筋157は、起始部を上腕骨内顆138に、停止部を第二中手骨140に有する。
【0097】
図23Bは、トップス10とトップス10を着用した人の尺側手根屈筋156及び橈側手根屈筋157との位置関係を示す前方図である。同図に示すように、尺側手根屈筋156の起始部において強緊締部の部分x19bが位置し、この起始部は部分x19bによって緊締力が付与される。一方で、尺側手根屈筋156の筋腹には中緊締部の部分y13が同じ高さに位置し、尺側手根屈筋156の筋腹には部分y13が伸縮することによって、側周方向には中程度の緊締力が付与される。
【0098】
また、同図に示すように、橈側手根屈筋157の起始部において強緊締部の部分x19cが位置し、この起始部は部分x19cによって緊締力が付与される。一方で、橈側手根屈筋157の筋腹には中緊締部の部分y13が同じ高さに位置し、橈側手根屈筋157の筋腹には部分y13が伸縮することによって、側周方向には中程度の緊締力が付与される。
【0099】
以上のように、尺側手根屈筋156及び橈側手根屈筋157のケースでは、起始部に付与される緊締力は、筋腹に付与される緊締力よりも強くなっている。これにより、尺側手根屈筋156及び橈側手根屈筋157が、起始部において固定されつつ、正常な可動範囲において柔軟に伸縮するようになる結果、トップス10を着用すれば手関節の伸展動作及び屈曲動作にそれぞれ適合するように伸縮することができる。
【0100】
<手関節伸筋>
図24Aは、手関節伸筋である尺側手根屈筋158と、長橈側手根屈筋159と、短橈側手根屈筋160との骨格筋図である。同図に示すように、尺側手根屈筋158は、起始部を上腕骨外顆141に、停止部を第五中手骨144に有する。また、長橈側手根屈筋159は、起始部を上腕骨外顆141に、停止部を第二中手骨142に有する。また、短橈側手根屈筋160は、起始部を上腕骨外顆141に、停止部を第三中手骨143に有する。
【0101】
図24Bは、トップス10と、トップス10を着用した人の尺側手根屈筋158、長橈側手根屈筋159及び短橈側手根屈筋160との位置関係を示す前方図である。同図に示すように、尺側手根屈筋158の起始部において強緊締部の部分x19aが位置し、この起始部は部分x19aによって緊締力が付与される。一方で、尺側手根屈筋158の筋腹には中緊締部の部分y13が位置し、尺側手根屈筋158の筋腹には部分y13によって緊締力が付与される。
【0102】
また、同図に示すように、長橈側手根屈筋159の起始部において強緊締部の部分x19aが位置し、この起始部は部分x19aによって緊締力が付与される。一方で、長橈側手根屈筋159の筋腹には中緊締部の部分y13が位置し長橈側手根屈筋159の筋腹には部分y13によって緊締力が付与される。
【0103】
また、同図に示すように、短橈側手根屈筋160の起始部において強緊締部の部分x19aが位置し、この起始部は部分x19aによって緊締力が付与される。一方で、短橈側手根屈筋160の筋腹には中緊締部の部分y13が位置し短橈側手根屈筋160の筋腹には部分y13によって緊締力が付与される。
【0104】
以上のように、尺側手根屈筋158、長橈側手根屈筋159及び短橈側手根屈筋160のケースでは、起始部に付与される緊締力は、筋腹に付与される緊締力よりも強くなっている。これにより、尺側手根屈筋158、長橈側手根屈筋159及び短橈側手根屈筋160が、起始部において固定されつつ、正常な可動範囲において柔軟に伸縮するようになる結果、トップス10を着用すれば手関節の伸展動作及び屈曲動作にそれぞれ適合するように伸縮することができる。
【0105】
<手指屈筋>
図25Aは、手指屈筋の浅指屈筋161の骨格筋図である。同図に示すように、浅指屈筋161は、起始部を上腕骨内顆145に、停止部を第二〜第五の中節骨146に有する。
【0106】
図25Bは、トップス10とトップス10を着用した人の浅指屈筋161との位置関係を示す前方図である。同図に示すように、浅指屈筋161の起始部において強緊締部の部分x19bが位置し、この起始部は部分x19bによって緊締力が付与される。一方で、浅指屈筋161の筋腹には中緊締部の部分y13が同じ高さに位置し、浅指屈筋161の筋腹には部分y13が伸縮することによって、側周方向には中程度の緊締力が付与される。
【0107】
以上のように、浅指屈筋161のケースでは、起始部に付与される緊締力は、筋腹に付与される緊締力よりも強くなっている。これにより、浅指屈筋161が、起始部において固定されつつ、正常な可動範囲において柔軟に伸縮するようになる結果、トップス10を着用すれば手関節の伸展動作及び屈曲動作にそれぞれ適合するように伸縮することができる。
【0108】
<手指伸筋>
図26Aは、手指伸筋の総指伸筋162の骨格筋図である。同図に示すように、総指伸筋162は、起始部を上腕骨外顆147に、停止部を第二〜第五の末節骨148に有する。
【0109】
図26Bは、トップス10と、トップス10を着用した人の総指伸筋162との位置関係を示す前方図である。同図に示すように、総指伸筋162の起始部において強緊締部の部分x19aが位置し、この起始部は部分x19aによって緊締力が付与される。一方で、総指伸筋162の筋腹には中緊締部の部分y13が位置し、総指伸筋162の筋腹には部分y13によって緊締力が付与される。
【0110】
以上のように、総指伸筋162のケースでは、起始部に付与される緊締力は、筋腹に付与される緊締力よりも強くなっている。これにより、総指伸筋162が、起始部において固定されつつ、正常な可動範囲において柔軟に伸縮するようになる結果、トップス10を着用すれば手関節の伸展動作及び屈曲動作にそれぞれ適合するように伸縮することができる。
【0111】
<<パンツ20が付与する緊締力と骨格筋との関係>>
<短内転筋及び長内転筋>
図27Aは、短内転筋251及び長内転筋252の骨格筋図である。同図に示すように、短内転筋251は、起始部を恥骨232に、停止部を大腿骨粗線234に有する。また、長内転筋252は、起始部を恥骨231に、停止部を大腿骨粗面233に有する。
【0112】
図27Bは、パンツ20とパンツ20を着用した人の短内転筋251及び長内転筋252との位置関係を示す前方図である。同図に示すように、短内転筋251の起始部において強緊締部の部分x29aが位置し、この起始部は部分x29aによって緊締力が付与される。また、短内転筋251の停止部において強緊締力の部分x29kが位置し、この停止部は部分x29kによって緊締力が付与される。一方で、短内転筋251の筋腹には弱緊締部の部分z22及び中緊締部の部分y23、y24が同じ高さに位置し、短内転筋251の筋腹には部分z22並びに部分y23及び部分y24が伸縮することによって、側周方向には中程度の又は弱い緊締力が付与される。
【0113】
また、同図に示すように、長内転筋252の起始部において強緊締部の部分x29aが位置し、この起始部は部分x29aによって緊締力が付与される。また、長内転筋252の停止部において強緊締力の部分x29kが位置し、この停止部は部分x29kによって緊締力が付与される。一方で、長内転筋252の筋腹には弱緊締部の部分z22及び中緊締部の部分y24が同じ高さに位置し、長内転筋252の筋腹には部分z22及びy24が伸縮することによって、側周方向には中程度の又は弱い緊締力が付与される。
【0114】
以上のように、短内転筋251及び長内転筋252のケースでは、起始部及び停止部に付与される緊締力は、筋腹に付与される緊締力よりも強くなっている。これにより、短内転筋251及び長内転筋252が、起始部及び停止部において固定されつつ、正常な可動範囲において柔軟に伸縮するようになる結果、パンツ20を着用すれば肘関節の伸展動作及び屈曲動作にそれぞれ適合するように伸縮することができる。
【0115】
<大内転筋>
図28Aは、大内転筋253の骨格筋図である。同図に示すように、大内転筋253は、起始部を恥骨235に、停止部を大腿骨粗線236に有する。
図28Bは、パンツ20とパンツ20を着用した人の大内転筋253との位置関係を示す前方図である。同図に示すように、大内転筋253の起始部において強緊締部の部分x29aが位置し、この起始部は部分x29aによって緊締力が付与される。また、大内転筋253の停止部において強緊締力の部分x29kが位置し、この停止部は部分x29kによって緊締力が付与される。一方で、大内転筋253の筋腹には弱緊締部の部分z22及び中緊締部の部分y24が同じ高さに位置し、大内転筋253の筋腹には部分z22及びy24が伸縮することによって、側周方向には中程度の又は弱い緊締力が付与される。
【0116】
以上のように、大内転筋253のケースでは、起始部及び停止部に付与される緊締力は、筋腹に付与される緊締力よりも強くなっている。これにより、大内転筋253が、起始部及び停止部において固定されつつ、正常な可動範囲において柔軟に伸縮するようになる結果、パンツ20を着用すれば肘関節の伸展動作及び屈曲動作にそれぞれ適合するように伸縮することができる。
【0117】
<薄筋>
図29Aは、薄筋254の骨格筋図である。同図に示すように、薄筋254は、起始部を恥骨238に、停止部を頸骨鵞足239に有する。
図29Bは、パンツ20とパンツ20を着用した人の薄筋254との位置関係を示す前方図である。同図に示すように、薄筋254の起始部において強緊締部の部分x29aが位置し、この起始部は部分x29aによって緊締力が付与される。また、薄筋254の停止部において強緊締力の部分x29jが位置し、この停止部は部分x29jによって緊締力が付与される。一方で、薄筋254の筋腹には弱緊締部の部分z22及び中緊締部の部分y23、y24が同じ高さに位置し、薄筋254の筋腹には部分z22並びに部分y23及び部分y24が伸縮することによって、側周方向には中程度の又は弱い緊締力が付与される。
【0118】
以上のように、薄筋254のケースでは、起始部及び停止部に付与される緊締力は、筋腹に付与される緊締力よりも強くなっている。これにより、薄筋254が、起始部及び停止部において固定されつつ、正常な可動範囲において柔軟に伸縮するようになる結果、パンツ20を着用すれば肘関節の伸展動作及び屈曲動作にそれぞれ適合するように伸縮することができる。
【0119】
<恥骨筋>
図30Aは、恥骨筋255の骨格筋図である。同図に示すように、恥骨筋255は、起始部を恥骨240に、停止部を恥骨筋線241に有する。
図30Bは、パンツ20とパンツ20を着用した人の恥骨筋255との位置関係を示す前方図である。同図に示すように、恥骨筋255の起始部において強緊締部の部分x29aが位置し、この起始部は部分x29aによって緊締力が付与される。また、恥骨筋255の停止部において強緊締力の部分x29kが位置し、この停止部は部分x29kによって緊締力が付与される。一方で、恥骨筋255の筋腹には弱緊締部の部分z22及び中緊締部の部分y23、y24が同じ高さに位置し、恥骨筋255の筋腹には部分z22並びに部分y23及び部分y24が伸縮することによって、側周方向には中程度の又は弱い緊締力が付与される。
【0120】
以上のように、恥骨筋255のケースでは、起始部及び停止部に付与される緊締力は、筋腹に付与される緊締力よりも強くなっている。これにより、恥骨筋255が、起始部及び停止部において固定されつつ、正常な可動範囲において柔軟に伸縮するようになる結果、パンツ20を着用すれば肘関節の伸展動作及び屈曲動作にそれぞれ適合するように伸縮することができる。
【0121】
<内側広筋>
図31Aは、内側広筋256の骨格筋図である。同図に示すように、内側広筋256は、起始部を大腿骨骨幹部前面の上方242に、停止部を脛骨結節243に有する。
図31Bは、パンツ20とパンツ20を着用した人の内側広筋256との位置関係を示す前方図である。同図に示すように、内側広筋256の起始部において強緊締部の部分x29aが位置し、この起始部は部分x29aによって緊締力が付与される。また、内側広筋256の停止部において強緊締力の部分x29kが位置し、この停止部は部分x29kによって緊締力が付与される。一方で、内側広筋256の筋腹には弱緊締部の部分z22及び中緊締部の部分y23、y24が同じ高さに位置し、内側広筋256の筋腹には部分z22並びに部分y23及び部分y24が伸縮することによって、側周方向には中程度の又は弱い緊締力が付与される。
【0122】
以上のように、内側広筋256のケースでは、起始部及び停止部に付与される緊締力は、筋腹に付与される緊締力よりも強くなっている。これにより、内側広筋256が、起始部及び停止部において固定されつつ、正常な可動範囲において柔軟に伸縮するようになる結果、パンツ20を着用すれば肘関節の伸展動作及び屈曲動作にそれぞれ適合するように伸縮することができる。
【0123】
==強緊締部、中緊締部、及び、弱緊締部の形成方法==
本実施形態のトップス10及びパンツ20の各々は、既に説明したように、筋肉の各部位に付与する緊締力を当該各部位に応じて変えるために、互いに伸縮度合いが異なる3種類の部分(すなわち、強緊締部、中緊締部、及び、弱緊締部)を備えている。そして、本実施形態では、トップス10及びパンツ20の各々の生地の編組織を切替えることにより(つまり、編み分けを行うことにより)、前記トップス10及びパンツ20の各々に前記3種類の部分を形成している。ここで、生地の編組織を切替える(編み分けを行う)とは、生地内における編目の密度(度目密度)、地糸や挿入糸の種類、及び、各種類の糸の存在比率を変えることである。
【0124】
以下、本実施形態のトップス10及びパンツ20の各々における、前記3種類の部分の形成方法について、図32A〜図32Cを参照しながら説明する。図32Aは、強緊締部の編組織を示した図である。図32Bは、中緊締部の編組織を示した図である。図32Cは、弱緊締部の編組織を示した図である。なお、図32A〜図32Cには、それぞれ、矢印にて、各編組織の縦方向(図中、コース方向)及び横方向(図中、ウェール方向)を示している。
【0125】
本実施形態では、トップス10及びパンツ20の生地が、無縫製型横編機によって製造される。そして、当該無縫製型横編機による生地の製造工程において、3種類の編み分けを行うことにより、完成した生地に、互いに伸縮度合いが異なる3種類の部分が形成される。本実施形態では、生地内の度目密度を3段階に変化させるとともに、編組織を作るために使用されるナイロン系繊維、及び、ポリウレタン系繊維(通称、スパンデックス)の各々の存在比率を3段階に変化させている。
【0126】
また、本実施形態では、生地内の度目密度を変化させる方法として、編組織を形成する際の針抜きを行う回数を変化させている。編組織を形成する際に針抜きを全く行わない場合には、前記編組織の縦方向の各部(コース)に連続した編目(ウェール)が並ぶ。一方、針抜きを行った場合、当該針抜きを行った箇所には編目が編成されず、編目の並びが不連続になる。そして、各コースにおいてウェールが編成されない箇所が多い部分であるほど(すなわち、各コースを編成する際の針抜き回数が多い部分であるほど)、生地の収縮性が高くなる。したがって、本実施形態では、図32A〜図32Cに示すように、各コースを編成する際の針抜き回数を、トップス10及びパンツ20の生地中、強緊締部に相当する部分の編組織において最も多くし、中緊締部に相当する部分の編組織において2番目に多くし、弱緊締部に相当する部分の編組織において最も少なくする(本実施形態では、弱緊締部に相当する部分の編組織については針抜きを行わない)。
【0127】
また、ナイロン系繊維及びポリウレタン系繊維の各々の存在比率については、より高弾性なポリウレタン系繊維の存在比率が高い部分ほど、生地の伸張抵抗が高くなる。したがって、本実施形態では、ポリウレタン系繊維の存在比率を、強緊締部に相当する部分の編組織において最も高くし、中緊締部に相当する部分の編組織において2番目に高くし、弱緊締部に相当する部分の編組織において最も低くする。
【0128】
以上のような編分けにより、トップス10及びパンツ20の各々の生地に、互いに伸縮度合いが異なる3種類の部分が形成されることになる。この結果、完成品であるトップス10やパンツ20には、強緊締部、中緊締部、及び、弱緊締部が備えられることになる。
【0129】
ところで、トップス10やパンツ20に、強緊締部、中緊締部、及び、弱緊締部を備える方法としては、上記の方法以外に、例えば、同一の編組織からなる生地(すなわち、編み分けを行っていない生地であり、以下、無変調生地)の裏側に、強緊締部、中緊締部、及び、弱緊締部の配置に応じて、他の生地を縫い付ける方法(所謂、裏打ち縫合)も考えられる。つまり、無変調生地の、強緊締部に相当する部分の裏側には、伸縮度合いが比較的小さい生地を縫い付け、前記無変調生地の、中緊締部に相当する部分の裏側には、伸縮度合いが比較的大きい生地を縫い付ける方法であってもよい。
【0130】
但し、無変調生地に他の生地を縫い付けて製造されたトップス10やパンツ20を着用すると、無変調生地の裏側に生地が重ねられた分、着用者の皮膚に対する着圧が強くなり、着用者に圧迫感を与えてしまう。また、無変調生地の裏側に生地を縫い付けられることにより形成される縫い目が着用者の皮膚に押し付けられる結果、当該皮膚に前記縫い目の痕が付き、前記着用者に不快感を与えてしまう。
【0131】
これに対し、本実施形態のトップス10やパンツ20では、強緊締部、中緊締部、及び、弱緊締部が編み分けによって同一の生地に形成されているため、生地の縫い合わせによって生じる着圧の上昇が回避される。また、前述したように、本実施形態のトップス10やパンツ20の各々の生地は無縫製型横編機により製造されるため、裏打ち縫合の場合と比較して、縫い目の数が格段に少なくなる。このため、トップス10やパンツ20が着用された際に、着用者の皮膚に縫い目の痕が付くのを抑制することが可能になる。したがって、本実施形態のトップス10やパンツ20は、着用された際に適宜な着用感を着用者に与え、長時間の着用に適したコンディショニングウェアである。
【0132】
==その他の実施例==
以上、上記の実施形態に基づきトップス10及びパンツ20について説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0133】
例えば、本発明の実施形態は、上記の実施形態における形状(トップス及びパンツの外形形状や、強緊締部、中緊締部、及び、弱緊締部の形状や配置等)や生地の材質に限定されるものではない。
【0134】
また、例えば、肘関節を中心に肘を保護する肘サポーターや、膝関節を中心に膝を保護する膝サポーターであってもよい。
【0135】
また、上記の実施形態では、人体に着用されることにより、主として、人体の骨格筋に緊締力を付与するコンディショニングウェアについて説明した。但し、本発明のコンディショニングウェアは、人体に着用された際、人体の、骨格筋以外の筋肉(例えば、表皮等に付着した筋肉であり、以下、非骨格筋と呼ぶ)に緊締力を付与することとしてもよい。かかるコンディショニングウェアにおいて、コンディショニングウェアの第一パーツが、前記非骨格筋の起始部に対応する位置に位置して起始部に緊締力を付与し、前記コンディショニングウェアの第二パーツが、前記第一パーツにより緊締力が付与される前記非骨格筋の筋腹に対応する位置に位置して、前記第一パーツが前記起始部に付与する緊締力よりも小さい緊締力を前記筋腹に付与することとしてもよい。
【符号の説明】
【0136】
10 トップス
11 胴部
12 腕部
20 パンツ
21 腰部
22 脚部
111 上腕骨
111a 上腕骨内顆
112 橈骨
113 尺骨
113a 尺骨内側面
121 内側側副靭帯
122 橈骨輪状靭帯
131 肩甲骨烏口突起
132 肩甲骨関節上結節
133 橈骨粗面
135 上腕骨後面上方
136 肩甲骨関節下結節
137 尺骨肘頭
151 上腕二頭筋短頭
152 上腕二頭筋長頭
153 円回内筋
154 上腕三頭筋短頭
155 上腕三頭筋長頭
156 尺側手根屈筋
157 橈側手根屈筋
158 尺側手根屈筋
159 長橈側手根屈筋
160 短橈側手根屈筋
161 浅指屈筋
162 総指伸筋
211 内側側副靭帯
212 外側側副靭帯
213 前十字靭帯
213 恥骨結合に対応する部分
214 足関節部内顆
221 大腿骨
221a 大腿骨内顆上方
221b 大腿骨外顆上方
221c 大腿骨外顆の内側面
222 膝蓋骨
223 脛骨
223a 脛骨内顆下方
223c 脛骨前方顆間区の内方
224 腓骨
224a 腓骨頭
225 膝窩
231 恥骨
232 恥骨
233 大腿骨粗面
234 大腿骨粗線
235 恥骨
236 大腿骨粗線
238 恥骨
239 頸骨鵞足
240 恥骨
241 恥骨筋線
242 大腿骨骨幹部前面の上方
243 脛骨結節
251 短内転筋
252 長内転筋
253 大内転筋
254 薄筋
255 恥骨筋
256 内側広筋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に着用される衣料であって、
前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の膝蓋骨に対応する位置に位置し、緊締力を付与する第1部分と、
前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の膝蓋骨に対応する位置の周囲に位置し、前記第1部分よりも大きい緊締力を付与する第2部分と、
を備えることを特徴とする衣料。
【請求項2】
請求項1に記載の衣料であって、
前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の膝窩に対応する位置に位置し、緊締力を付与する第3部分と、
前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の膝窩に対応する位置の周囲に位置し、前記第3部分よりも大きい緊締力を付与する第4部分と、
を備えることを特徴とする衣料。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の衣料であって、
前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の膝蓋骨の上端部に相当する高さ位置であって大腿部側周に対応する位置に位置し、かつ、
前記人体の膝蓋骨の下端部に相当する高さ位置であって下腿部側周に対応する位置に位置し、
前記第1部分よりも大きい緊締力を付与する第5部分を備えることを特徴とする衣料。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の衣料であって、
前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の2つの膝関節が相互に対向する前記膝関節の側面上であって、前記膝蓋骨の上端部に相当する高さ位置と前記膝蓋骨の下端部に相当する高さ位置との間に位置し、
前記第1部分よりも大きい緊締力を付与する第6部分を備えることを特徴とする衣料。
【請求項5】
請求項1〜3の何れかに記載の衣料であって、
前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の2つの大腿部及び下腿部が相互に対向する前記大腿部及び下腿部の側面上であって、前記人体の股部に対応する位置と前記人体の脛骨の末端の内果に対応する位置との間に位置し、
前記第1部分よりも大きい緊締力を付与する第7部分を備えることを特徴とする衣料。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の衣料であって、
前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の外側広筋に対応する領域を上下に分断するように横断する位置に位置し、緊締力を付与する第8部分と、
前記衣料が前記人体に着用された際に、前記外側広筋に対応する領域のうち前記第8部分が位置する位置以外の位置に位置し、前記第8部分よりも小さい緊締力を付与する第9部分と、
を備えることを特徴とする衣料。
【請求項7】
人体に着用される衣料であって、
衣料が人体に着用された際に、前記人体の肘頭に対応する位置に位置し、緊締力を付与する第10部分と、
前記衣料が前記人体に着用された際に、前記人体の肘頭に対応する位置の周囲に位置し、前記第10部分よりも大きい緊締力を付与する第11部分と、
を備えることを特徴とする衣料。
【請求項8】
請求項7に記載の衣料であって、
前記衣料を前記人体に着用し、前記人体の肘関節を屈曲させた際に、前記肘関節の上腕部と前腕部とが対向する面の面上であって、前記肘関節の橈骨輪状靭帯に対応する位置に位置し、緊締力を付与する第12部分と、
前記衣料を前記人体に着用し、前記人体の肘関節を屈曲させた際に、前記肘関節の上腕部と前腕部とが対向する面の面上であって、前記肘関節の橈骨輪状靭帯に対応する位置の周囲に位置し、前記第12部分よりも大きい緊締力を付与する第13部分と、
を備えることを特徴とする衣料。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の衣料であって、
前記人体の肘頭の上端部に相当する高さ位置であって上腕部側周に対応する位置に位置し、かつ、
前記人体の肘頭の下端部に相当する高さ位置であって前腕部側周に対応する位置に位置し、
前記第10部分よりも大きい緊締力を付与する第14部分を備えることを特徴とする衣料。
【請求項10】
請求項7〜9に記載の衣料であって、
前記人体の肘関節が前記人体の胴部に対向する前記肘関節の側面上であって、前記肘頭の上端部に相当する高さ位置と前記肘頭の下端部に相当する高さ位置との間に位置し、
前記第10部分よりも大きい緊締力を付与する第15部分を備えることを特徴とする衣料。
【請求項11】
請求項7〜9の何れかに記載の衣料であって、
前記人体の上腕部上端内側に対応する位置と前記人体の伸筋支帯に対応する位置との間に位置し、
前記第9部分よりも大きい緊締力を付与する第16部分を備えることを特徴とする衣料。

【図9A】
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【図9B】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29A】
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【図29B】
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【図30A】
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【図30B】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32A】
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【図32B】
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【図32C】
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【公開番号】特開2010−275644(P2010−275644A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126923(P2009−126923)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(500349591)有限会社ディーガム (6)
【出願人】(390010917)ヨネックス株式会社 (31)
【Fターム(参考)】