説明

衣類用パッケージ

【課題】陳列展示・販売時には中身が見える状態に変化させ、販売後は中身を隠して体裁良く包装でき、ギフトパッケージにも適した衣類用パッケージを提供すること。
【解決手段】商品Aの背面側に当接される台紙部分1と、台紙部分1の上下に台紙部分1の表側へ折り返し可能に連設された上下フラップ部分2,3と、台紙部分1の左右両側に台紙部分1の表側へ折り返して互いに重ね合わせ可能に連設された商品Aを被覆する左右の蓋部材4,5とを備えており、上下フラップ部分2,3には、商品Aの四隅を差し込むためのスリット2b、2c、3b、3cが形成され、左右の蓋部分4,5の一方には係止突起4bが形成され、他方には該係止突起4bを差し込み係止するためのスリット5bが形成され、左右の蓋部分4,5は、台紙部分1の裏側へ折り返して重ね合わせ係止突起4bを前記スリット5bに差し込み係止可能としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンティストッキング等の衣類用パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パンティストッキング等のギフトパッケージは、キャラメル箱型、封筒型タイプが一般的である(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】登録実用新案第3129353号公報
【特許文献2】特開平10−95458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のキャラメル箱形や封筒型タイプのパッケージは、商品を封入してしまえば中身の確認が困難であり、確認を容易とするために中身を出すと、商品と箱や封筒等のパッケージが遊離するため、中身を出した状態でパッケージと共に体裁良く陳列展示したり、販売することができないという問題点があった。なお、箱や封筒等のパッケージを部分的又は全体的に透明プラスチック製とすれば、中身の確認は可能であるが、これでは、包装コストが高くなると共に、包装後においても透明部分から中身が見えるため、ギフトパッケージとしての品位を低下させるという問題点があった。
【0004】
本発明は、従来技術の上記問題点に鑑みて開発されたもので、陳列展示・販売時には中身が見える状態に変化させることができ、販売後は中身を隠して体裁良く包装することができ、ギフトパッケージにも適した衣類用パッケージを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために本発明は、商品の背面側に当接される台紙部分と、台紙部分の上下に台紙部分の表側へ折り返し可能に連設された上下フラップ部分と、台紙部分の左右両側に台紙部分の表側へ折り返して互いに重ね合わせ可能に連設されて前記台紙部分の表面側に配置された商品を被覆する左右の蓋部材とを備えており、
前記上下フラップ部分には、台紙部分の表側に折り返した際、商品の四隅を差し込むためのスリットが形成されており、
また、前記左右の蓋部分の一方には係止突起が形成され、他方には該係止突起を差し込み係止するためのスリットが形成されていると共に、前記左右の蓋部分は、前記台紙部分の裏側へ折り返して重ね合わせ前記係止突起を前記スリットに差し込み係止可能としてあることを特徴としている。
【0006】
前記左右の蓋部分は、台紙部分の左右方向中央付近又は一端部で互いに召し合わせ状に重ね合わせ係止可能な幅寸法とされている。
また、前記上部フラップ部分の左右方向中央部には吊り下げ用フック部が形成されている。
さらに、前記商品は袋詰めされたパンティストッキングに適用して好適である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、台紙部分の上下に上下フラップ部分を表側に折り返し可能に連設しており、このように台紙部分の表側に折り返した際、該上下フラップ部分には、商品の四隅を差し込むためのスリットを形成しているため、該スリットに商品の四隅を差し込むことによって、蓋部分とは関係なく商品を台紙部分に一体的に係止保持させることができ、しかも、商品の四隅を台紙部分と上下フラップ部分とで表裏両側から被覆保護して商品の四隅が台紙部分の裏側に露出することを防止することができ、商品の四隅の損傷も防止することができる。
【0008】
また、本発明のパッケージは、全体を、紙1枚で構成することができ、又、のり貼り工程も要しないので、キャラメル箱形のパッケージよりも包装資材の使用量を少なくすることができ、包装コストの削減が可能である。しかも、本発明のパッケージは、販売時にはPOP、販売後にはギフトパッケージとして活用することができる。即ち、左右の蓋部分を台紙部分の裏側に折り返して重ね合わせて係止するように変化させることにより、中身の商品を露出したままでパッケージと共に体裁良く立て掛け展示し、又は、吊り下げて陳列展示し、販売することができ、また、左右の蓋部分を台紙部分の表側に折り返して重ね合わせて係止することにより、中身の商品を隠して体裁良く包装することができるため、ギフト用のパッケージとして好適となる。
【0009】
このように、本発明によれば、陳列展示・販売時には中身が見える状態に変化させることができ、販売後は中身を隠して体裁良く包装することができ、ギフトパッケージにも適した衣類用パッケージを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る衣類用パッケージの実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図4は、本発明の第1実施形態を示しており、1は台紙部分、2は上側フラップ部分、3は下側フラップ部分、4は左側蓋部分、5は右側蓋部分、6は吊り下げ用フック部を示しており、全体が1枚の板紙を裁断して一連一体に形成されている。
台紙部分1は、商品Aの背面側に当接される部分であって、商品の輪郭形状に対応してやや大き目のサイズとされ、本実施形態においては、縦長の長方形(横幅:17cm、縦幅:23cm)とされている。
【0011】
上下フラップ部分2,3は、台紙部分1の上下に台紙部分1の表側へ折り返し可能に連設されており、横幅(左右方向の幅)を台紙部分1と同幅とされ、縦幅(上下方向の幅)を短く(本実施形態では4cm)されている。なお、上下フラップ部分2,3と台紙部分1との境界部分には横方向の折り目2a、3aが形成されている。そして、上下フラップ部分2,3には、台紙部分1の表側に折り返した際、商品Aの四隅を差し込むためのスリット2b、2c、3b、3cが左右方向両側に円弧状の切り目として形成されている。また、上部フラップ部分2の左右方向中央部には吊り下げ用フック部6が切り起こし形成されている。なお、この吊り下げ用フック部6は、包装後の形態では、上部フラップ部分2と共に台紙部分1の表側へ折り返されて収納可能とされている。
【0012】
左右の蓋部分4,5は、台紙部分1の左右両側に台紙部分1の表側へ折り返して互いに重ね合わせ可能に連設されており、台紙部分1の表面側に配置された商品Aを被覆するために設けられている。なお、左右の蓋部分4,5と台紙部分1との境界部分には、縦方向の折り目4a、5aが形成されている。この左右の蓋部分4,5の一方には係止突起4bが上下方向中央部に舌片状に形成され、他方には係止突起4bを差し込み係止するためのスリット5bが上下方向中央部に円弧状に形成されている。そして、左右の蓋部分4,5は、台紙部分1の裏側へも折り返して重ね合わせることができるように構成されており、その際、前記係止突起4bを前記スリット5bに差し込み係止可能としてある。
【0013】
第1実施形態では、左右の蓋部分4,5は、台紙部分1の左右方向中央付近で互いに召し合わせ状に重ね合わせ係止可能な幅寸法とされている。この第1実施形態における左右の蓋部分4,5の具体的な寸法は、台紙部分1の横幅の1/2より大き目の幅(上側となる蓋部分4の横幅は約11cm、下側となる蓋部分5の横幅は約10cm)とされ、上側となる蓋部分4の自由端は、上下方向両端から上下方向中央部に向けて山形に突出した形状とされている。なお、下側となる蓋部分5の自由端は、上下方向に平行な直線形状とされている。
【0014】
台紙部分1の表側に折り返した蓋部分4,5の表側となる面には、図示を省略しているが、花柄模様、絵画模様、装飾図形、文字、記号等のデザイン模様による装飾を施すものである。台紙部分1の裏側に当該装飾を施すことも勿論可能である。これにより、衣類用パッケージとして、特に、ギフトパッケージとして好適なデザイン模様を印刷しておくものである。
本発明において対象とするパッケージ商品Aは、例えば、台紙等に折り畳み巻回された状態で袋詰めされた衣類商品全般に適用可能であり、本実施形態では、このように袋詰めされたパンティストッキングに適用した場合を例示している。
【0015】
図5〜図8は本発明の第2実施形態を示すもので、主要部の構成は前記第1実施形態と同様であるため、同一部材には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。但し、第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、左右の蓋部分4,5が、台紙部分1の左右方向一端部(図5〜図8では左側端部としているが、右側端部でもよい)で互いに召し合わせ状に重ね合わせ係止可能な幅寸法とされている点である。この場合、上側となる蓋部分4の横幅は台紙部分1と同幅とされており、下側となる蓋部分5の横幅は短く(本実施形態では4cm)され、スリット5bは台紙部分1に対する折り目5aの位置に形成されている。
【0016】
上記第1実施形態及び第2実施形態において、商品Aは、台紙部分1の表側に折り返した上下フラップ部分2,3のスリット2b、2c、3b、3cに商品Aの四隅を差し込んで保持させるものである(図2、図6参照)。
この場合、台紙部分1の表側に折り返した上下フラップ部分2,3のスリット2b、2c、3b、3cに商品Aの四隅を差し込むことによって、蓋部分4,5とは関係なく商品Aを台紙部分1に一体的に係止保持させることができる。
これによって、左右の蓋部分4,5を台紙部分1の裏側に折り返して重ね合わせて係止するように変化させることにより、中身の商品Aを露出したままでパッケージと共に体裁良く立て掛け展示し、又は、吊り下げて陳列展示し、販売することができる(図3、図7参照)。
【0017】
また、左右の蓋部分4,5を台紙部分1の表側に折り返して重ね合わせて係止することにより、中身の商品Aを隠して体裁良く包装することができる(図4、図8参照)。これによって、本発明のパッケージは、ギフト用のパッケージとして好適となる。
また、本発明のパッケージは、商品Aの四隅を台紙部分1と上下フラップ部分2,3とで表裏両側から被覆保護して商品Aの四隅が台紙部分1の裏側に露出することを防止することができ、商品Aの四隅の損傷も防止することができる。
本発明の衣類用パッケージは、以上の実施形態からなるが、本発明は、これらの実施形態にのみ制約されるものではなく、適宜、変更して実施することができる。例えば、上下フラップ部分2,3のスリット2b、2c、3b、3cの形状は、円弧状以外に傾斜直線状や他の形状を採用してもよい。また、蓋部分4,5の形状も、種々の扉形状に変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態の衣類用パッケージの蓋部分を開いた状態の正面図である。
【図2】第1実施形態のパッケージの展開正面図である。
【図3】第1実施形態の衣類用パッケージの陳列展示状態の正面図である。
【図4】第1実施形態の衣類用パッケージの販売後包装状態の正面図である。
【図5】第2実施形態の衣類用パッケージの蓋部分を開いた状態の正面図である。
【図6】第2実施形態のパッケージの展開正面図である。
【図7】第2実施形態の衣類用パッケージの陳列展示状態の正面図である。
【図8】第2実施形態の衣類用パッケージの販売後包装状態の正面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 台紙部分
2、3 上下フラップ部分
4、5 左右の蓋部分
6 吊り下げ用フック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の背面側に当接される台紙部分と、台紙部分の上下に台紙部分の表側へ折り返し可能に連設された上下フラップ部分と、台紙部分の左右両側に台紙部分の表側へ折り返して互いに重ね合わせ可能に連設されて前記台紙部分の表面側に配置された商品を被覆する左右の蓋部材とを備えており、
前記上下フラップ部分には、台紙部分の表側に折り返した際、商品の四隅を差し込むためのスリットが形成されており、
また、前記左右の蓋部分の一方には係止突起が形成され、他方には該係止突起を差し込み係止するためのスリットが形成されていると共に、前記左右の蓋部分は、前記台紙部分の裏側へ折り返して重ね合わせ前記係止突起を前記スリットに差し込み係止可能としてあることを特徴とする衣類用パッケージ。
【請求項2】
前記左右の蓋部分は、台紙部分の左右方向中央付近又は一端部で互いに召し合わせ状に重ね合わせ係止可能な幅寸法とされていることを特徴とする請求項1に記載の衣類用パッケージ。
【請求項3】
前記上部フラップ部分の左右方向中央部には吊り下げ用フック部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の衣類用パッケージ。
【請求項4】
前記商品は袋詰めされたパンティストッキングであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の衣類用パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−23905(P2010−23905A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189906(P2008−189906)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】