説明

表示装置およびテレビジョン装置

【課題】樹脂フレームが変形するのを抑制することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】この液晶テレビジョン装置(表示装置)100は、液晶表示パネル2の後面側に液晶表示パネル2の辺に沿うように設けられる金属製のヒートシンク10と、ヒートシンク10の側面を覆うとともに、前後方向に重なるように配置される枠状の樹脂フレーム15とを備える。そして、枠状の樹脂フレーム15のヒートシンク10に対して前後方向に対向する部分には、凸部15aが形成されており、枠状の樹脂フレーム15の凸部15aに対応するヒートシンク10の部分には、凸部15aに対して前後方向に係合して凸部15aの前後方向と直交する方向への移動を規制する孔部10gが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置およびテレビジョン装置に関し、特に、樹脂フレームを備える表示装置およびテレビジョン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂フレームを備える表示装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、金属板から形成される略箱状のフレームケースと、フレームケースと前後方向(フレームケースの底面と直交する方向)に重なるように配置されるモールドフレーム(樹脂フレーム)とを備える液晶表示装置(表示装置)が開示されている。この液晶表示装置では、フレームケースの端部は、フレームケースの端部が折り返されて略U字形状の断面を有するとともに、モールドフレームの端部も略U字形状のフレームケースの端部がはめ込まれるように略U字形状の断面を有するように構成されている。また、フレームケースの略U字形状の端部(外側面)には、前後方向と直交する左右方向(フレームケースの底面に沿った方向)に貫通するように固定孔が設けられるとともに、モールドフレームの略U字形状の端部(内側面)には、前後方向と直交する左右方向でかつフレームケースに向かって突出するように固定突起が設けられている。そして、フレームケースの固定孔にモールドフレームの固定突起が係合することにより、モールドフレームの前後方向(フレームケースの底面と直交する方向)の移動が規制されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−162232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の表示装置では、フレームケースの固定孔とモールドフレーム(樹脂フレーム)の固定突起とが、前後方向と直交する左右方向に沿って設けられているため、モールドフレームの前後方向の移動は規制される一方、モールドフレームに外力が加わることに起因して、モールドフレームの端部(外側面)が、前後方向と直交する左右方向に変形する(外側に向かって広がる)という問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、樹脂フレームが変形するのを抑制することが可能な表示装置およびテレビジョン装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による表示装置は、表示パネルの後面側に表示パネルの辺に沿うように設けられる金属製の後面金属部材と、後面金属部材の側面を覆うとともに、前後方向に重なるように配置される枠状の樹脂フレームとを備え、枠状の樹脂フレームの後面金属部材に対して前後方向に対向する部分には、第1係合部が形成されており、枠状の樹脂フレームの第1係合部に対応する後面金属部材の部分には、第1係合部に対して前後方向に係合して第1係合部の前後方向と直交する方向への移動を規制する第2係合部が形成されている。
【0008】
この第1の局面による表示装置では、上記のように、枠状の樹脂フレームの後面金属部材に前後方向に対して対向する部分に、第1係合部を形成し、枠状の樹脂フレームの第1係合部に対応する後面金属部材の部分に、第1係合部に対して前後方向に係合して第1係合部の前後方向と直交する方向への移動を規制する第2係合部を形成することによって、枠状の樹脂フレームに外力が加わることに起因して枠状の樹脂フレームが前後方向と直交する方向(外側)に向かって広がるように変形しようとする場合にも、樹脂フレームの第1係合部が前後方向と直交する方向に移動するのが後面金属部材の第2係合部により規制されるので、樹脂フレームが変形するのを抑制することができる。また、枠状の樹脂フレームの製造時に、枠状の樹脂フレームが前後方向と直交する方向(外側)に向かって広がるように変形した場合には、樹脂フレームの第1係合部を後面金属部材の第2係合部に係合させることにより、前後方向と直交する方向(外側)に向かって広がるように変形した樹脂フレームが内側に向かって変形するので、樹脂フレームの製造時の変形を矯正することができる。
【0009】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、第1係合部は、凸部からなり、第2係合部は、凸部が嵌合する凹部または孔部からなる。このように構成すれば、凸部からなる第1係合部が凹部または孔部からなる第2係合部に嵌合することにより、凸部からなる第1係合部が前後方向と直交する方向に移動するのが凹部または孔部からなる第2係合部により規制されるので、樹脂フレームが変形するのを凸部と凹部または孔部とにより容易に抑制することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、後面金属部材は、板金からなり、第1係合部は、凸部からなり、第2係合部は、孔部からなり、板金からなる後面金属部材の孔部は、樹脂フレームの凸部が当接することにより凸部の前後方向と直交する方向への移動を規制する移動規制面を含み、孔部の移動規制面には、板金からなる後面金属部材が折り返されて形成された折り返し部が設けられている。このように構成すれば、凸部と孔部との間の間隔が板金からなる後面金属部材の厚みよりも大きい場合でも、折り返し部の厚み分、凸部と孔部との間の間隔を小さくすることができるので、凸部(樹脂フレーム)が孔部(後面金属部材)に対して移動する移動量を小さくすることができる。その結果、折り返し部を設けない場合と比べて、樹脂フレームが変形するのをより抑制することができる。
【0011】
上記孔部の移動規制面に折り返し部が設けられている表示装置において、好ましくは、折り返し部は、後方に向かって折り返されるように構成されており、後面金属部材の前方に枠状の樹脂フレームが配置された状態で、後面金属部材の折り返し部の後方側の端部は、凸部のうち移動規制面に当接する当接部の後方側の端部よりも後方に位置するように構成されている。このように構成すれば、凸部の当接部が、折り返し部の後方側の端部に接触するのが防止されるので、凸部の当接部が折り返し部の端部(角部)に接触して破損するのを防止することができる。
【0012】
上記孔部の移動規制面に折り返し部が設けられている表示装置において、好ましくは、枠状の樹脂フレームの凸部は、孔部の移動規制面に当接する当接部とは反対側に設けられ、凸部を補強するための補強部を含む。このように構成すれば、樹脂からなる凸部に負荷がかかった場合でも、凸部が折れるのを補強部により抑制することができる。
【0013】
上記凸部が補強部を含む表示装置において、好ましくは、補強部は、凸部の当接部が延びる方向と直交する方向に延びるようにリブ状に形成されている。このように構成すれば、当接部が延びる方向と直交する方向に凸部に負荷がかかった場合でも、凸部が折れるのをリブ状の補強部により容易に抑制することができる。
【0014】
上記第1係合部が凸部からなる表示装置において、好ましくは、枠状の樹脂フレームの凸部の後方側の先端部は、面取りされている。このように構成すれば、樹脂フレームの凸部が後面金属部材の孔部に挿入される際に、面取りされた凸部の後方側の先端部が誘い(ガイド)になるので、樹脂フレームの凸部を後面金属部材の孔部にスムーズに挿入することができる。
【0015】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、光源をさらに備え、後面金属部材は、光源から発生される熱を放熱するためのヒートシンクを含む。このように構成すれば、光源から発生される熱を放熱するためのヒートシンクを第2係合部を形成するための後面金属部材として流用することにより、部品点数を削減しながら、樹脂フレームが変形するのを抑制することができる。
【0016】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、枠状の樹脂フレームの後面金属部材とは反対側に配置されるベゼルをさらに備え、ベゼルは、表示領域の4辺のうちの所定の辺に沿うように配置されており、枠状の樹脂フレームの第1係合部と、第1係合部に係合する第2係合部とは、表示領域の4辺のうちのベゼルが配置されない辺に配置されている。ベゼルが配置されている辺ではベゼルによって樹脂フレームの変形が抑制される一方、ベゼルが配置されない辺では、樹脂フレームが変形しやすくなる。本発明では、ベゼルが配置されない辺に樹脂フレームの第1係合部と第1係合部に係合する第2係合部とを配置することにより、樹脂フレームの変形しやすい部分の変形を抑制することができるので、ベゼルが配置されていない辺を有する構造に特に有効である。
【0017】
この発明の第2の局面によるテレビジョン装置は、テレビジョン放送を受信可能な受信部と、受信部により受信したテレビジョン放送を表示する表示パネルと、表示パネルの後面側に表示パネルの辺に沿うように設けられる金属製の後面金属部材と、後面金属部材の側面を覆うとともに、前後方向に重なるように配置される枠状の樹脂フレームとを備え、枠状の樹脂フレームの後面金属部材に対して前後方向に対向する部分には、第1係合部が形成されており、枠状の樹脂フレームの第1係合部に対応する後面金属部材の部分には、第1係合部に対して前後方向に係合して第1係合部の前後方向と直交する方向への移動を規制する第2係合部が形成されている。
【0018】
この第2の局面によるテレビジョン装置では、上記のように、枠状の樹脂フレームの後面金属部材に前後方向に対して対向する部分に、第1係合部を形成し、枠状の樹脂フレームの第1係合部に対応する後面金属部材の部分に、第1係合部に対して前後方向に係合して第1係合部の前後方向と直交する方向への移動を規制する第2係合部を形成することによって、枠状の樹脂フレームに外力が加わることに起因して枠状の樹脂フレームが前後方向と直交する方向(外側)に向かって広がるように変形しようとする場合にも、樹脂フレームの第1係合部が前後方向と直交する方向に移動するのが後面金属部材の第2係合部により規制されるので、樹脂フレームが変形するのを抑制することができるテレビジョン装置を提供することができる。また、枠状の樹脂フレームの製造時に、枠状の樹脂フレームが前後方向と直交する方向(外側)に向かって広がるように変形した場合には、樹脂フレームの第1係合部を後面金属部材の第2係合部に係合させることにより、前後方向と直交する方向(外側)に向かって広がるように変形した樹脂フレームが内側に向かって変形するので、樹脂フレームの製造時の変形を矯正することができるテレビジョン装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記のように、樹脂フレームが変形するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置を前側から見た全体斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置を後ろ側から見た全体斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の背面図(後面図)である。
【図4】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の分解斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のヒートシンク、反射シートおよび反射シートホルダを後方から見た図である。
【図6】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のヒートシンクおよび反射シートホルダを前方から見た図である。
【図7】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のベゼルの斜視図である。
【図8】図3の300−300線に沿った断面図である。
【図9】図3の400−400線に沿った断面図である。
【図10】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の樹脂フレームの後面図である。
【図11】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のヒートシンクの後面図である。
【図12】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の樹脂フレームの凸部の斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の樹脂フレームの凸部の平面図である。
【図14】図13の500−500線に沿った断面図である。
【図15】図13の600−600線に沿った断面図である。
【図16】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のヒートシンクの孔部の斜視図である。
【図17】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のヒートシンクの孔部に樹脂フレームの凸部が挿入された状態を示す平面図である。
【図18】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のブロック図である。
【図19】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の樹脂フレームの変形の抑制を説明するための図である。
【図20】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の樹脂フレームの変形の矯正を説明するための図である。
【図21】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のヒートシンクの第1変形例を示す図である。
【図22】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のヒートシンクおよび樹脂フレームの第2変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図18を参照して、本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置100の構成について説明する。なお、液晶テレビジョン装置100は、本発明の「表示装置」および「テレビジョン装置」の一例である。
【0023】
本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置100は、図1〜図3に示すように、矩形形状を有するとともに、枠状の前部筐体1と、前部筐体1に収納された液晶表示パネル2と、液晶テレビジョン装置100全体を支持するスタンド部材3とを備えている。また、前部筐体1およびスタンド部材3は、共に樹脂製である。なお、液晶表示パネル2は、本発明の「表示パネル」の一例である。
【0024】
また、図2および図3に示すように、前部筐体1の後面側(矢印Y2方向側)には、板金(SECC:電気亜鉛めっき鋼板)からなる金属製のリアフレーム4が配置されている。また、リアフレーム4は、図3に示すように、後方から見て、矩形形状を有している。
【0025】
また、金属製のリアフレーム4の裏面側には、樹脂製のカバー部材5が取り付けられている。このカバー部材5は、後方から見て、矩形形状を有しているとともに、前部筐体1およびリアフレーム4よりも小さく形成されている。
【0026】
また、カバー部材5は、後面から見て、リアフレーム4の後面(背面)の外周部近傍が逆U字形状に露出するようにリアフレーム4の後面を覆っている。なお、リアフレーム4の後面の外部に露出された領域401と、カバー部材5とにより後部筐体が構成されている。また、リアフレーム4の外部に露出された領域401は、LED光源6aおよび回路基板8の発熱素子81(図4参照)から発生する熱を外部に放熱する放熱部として機能するように構成されている。なお、LED光源6aは、本発明の「光源」の一例である。
【0027】
また、図3および図4に示すように、リアフレーム4の裏面側のカバー部材5が取り付けられている領域402には、装置全体に電力を供給する機能を有する回路基板7と、信号処理を行う回路基板8とがX方向に所定の間隔を隔てて並べて取り付けられている。なお、回路基板8には、通常の使用状態において、熱が発生するICなどの発熱素子81が取り付けられている。
【0028】
また、リアフレーム4の後面(矢印Y2方向側の表面)のうち回路基板8の発熱素子81に対応する領域には、カバー部材5の内面に向かって突出するサーマルパッド取付部41が形成されている。また、リアフレーム4のサーマルパッド取付部41と、回路基板8の発熱素子81との間には、発熱素子81から発生した熱をリアフレーム4側に放熱させるためのサーマルパッド(図示ぜず)が配置されている。また、サーマルパッドは、シリコーンポリマーとセラミックとの混合材などからなる。
【0029】
また、図4、図5および図6に示すように、リアフレーム4の前方(矢印Y1方向側)には、板金(SECC)からなる反射シートホルダ9aと、反射シートホルダ9bと、反射シートホルダ9cと、板金(SECC)からなる1つのヒートシンク10とが配置されている。また、反射シートホルダ9a、9b、9cおよびヒートシンク10の前方(矢印Y1方向)には、反射シート11、導光板12、光拡散シート13、レンズシート14、枠状の樹脂フレーム15、液晶表示パネル2を駆動させる液晶表示パネル駆動用基板2aが取り付けられた液晶表示パネル2、および、3つのベゼル16(ベゼル16b、16cおよび16d、図7参照)が配置されている。なお、ヒートシンク10は、本発明の「後面金属部材」の一例である。
【0030】
また、図5および図6に示すように、反射シートホルダ9a、反射シートホルダ9b、反射シートホルダ9cおよびヒートシンク10は、それぞれ、液晶表示パネル2の表示領域の4辺(矢印Z1方向、矢印Z2方向、矢印X1方向および矢印X2方向の辺)に沿って配置されている。
【0031】
また、図6に示すように、ヒートシンク10には、リアフレーム4(矢印Y2方向側)に向かって突出するように絞り加工により形成された第1絞り部分10aと第2絞り部分10bとが設けられている。なお、第1絞り部分10aは、ヒートシンク10とリアフレーム4とを面接触(図8および図9参照)させるために設けられている。また、第1絞り部分10aの後述するネジ挿入穴10cが設けられる部分(矢印Z1方向側の部分)は、ヒートシンク10と反射シートホルダ9aとを面接触させるために設けられている。また、第2絞り部分10bは、ヒートシンク10と反射シートホルダ9bとを面接触させるために設けられている。第1絞り部分10aには、反射シートホルダ9aを取り付けるためのネジ挿入穴10cが形成されている。また、第1絞り部分10aには、リアフレーム4を取り付けるためのネジ挿入穴10dが形成されている。また、第2絞り部分10bには、反射シートホルダ9bを取り付けるためのネジ挿入穴10cが形成されている。また、ヒートシンク10の上端部および下端部には、ベゼル16を取り付けるためのネジ挿入穴10eが形成されている。
【0032】
また、図5に示すように、反射シートホルダ9aおよび反射シートホルダ9bの左端には、それぞれ、ヒートシンク10を取り付けるためのヒートシンク取付用ネジ穴91aおよびヒートシンク取付用ネジ穴91bが形成されている。また、反射シートホルダ9aおよび反射シートホルダ9bの右端には、それぞれ、反射シートホルダ9cを取り付けるための反射シートホルダ取付用ネジ穴92aおよび反射シートホルダ取付用ネジ穴92bが形成されている。また、ネジ30(図4参照)がヒートシンク10のネジ挿入穴10cを介して、反射シートホルダ9aのヒートシンク取付用ネジ穴91aおよび反射シートホルダ9bのヒートシンク取付用ネジ穴91bに取り付けられることにより、ヒートシンク10と、反射シートホルダ9aおよび反射シートホルダ9bとが固定されている。また、ネジ30が反射シートホルダ9cのネジ挿入穴91cを介して、反射シートホルダ9aの反射シートホルダ取付用ネジ穴92aおよび反射シートホルダ9bの反射シートホルダ取付用ネジ穴92bに取り付けられることにより、反射シートホルダ9aおよび反射シートホルダ9bと、反射シートホルダ9cとが固定されている。
【0033】
また、ネジ30がベゼル16のネジ挿入穴16aおよびヒートシンク10のネジ挿入穴10eを介して、反射シートホルダ9aおよび反射シートホルダ9bの左端にそれぞれ形成されたネジ挿入穴93aおよびネジ挿入穴93bに取り付けられることにより、ベゼル16(3つのベゼル16b〜16d(図7参照)のうち、矢印Z1方向側に配置されるベゼル16bと、矢印Z2方向側に配置されるベゼル16c)と、ヒートシンク10と、反射シートホルダ9aと、反射シートホルダ9bとが固定される。また、ネジ30がベゼル16のネジ挿入穴16aおよび反射シートホルダ9cの上端部のネジ挿入穴92cを介して、反射シートホルダ9aの右端に形成されたネジ挿入穴93aに取り付けられるとともに、ネジ30がベゼル16のネジ挿入穴16aおよび反射シートホルダ9cの下端部のネジ挿入穴92cを介して、反射シートホルダ9bの右端に形成されたネジ挿入穴93bに取り付けられることにより、ベゼル16(3つのベゼル16b、ベゼル16cおよびベゼル16d)と、反射シートホルダ9aと、反射シートホルダ9bと、反射シートホルダ9cとが固定される。
【0034】
また、図8および図9に示すように、ヒートシンク10の前方(矢印Y1方向)には、後述するヒートシンク10の略U字形状の断面を有する端部10f(側面101f、側面101fに接続される面102f)を覆うとともに、前方(矢印Y1方向)に重なるように枠状の樹脂フレーム15が配置されている。ここで、本実施形態では、図8および図10に示すように、枠状の樹脂フレーム15のヒートシンク10に前後方向(Y方向)に対向する面には、凸部15aが形成されている。なお、凸部15aは、本発明の「第1係合部」の一例である。また、凸部15aは、樹脂フレーム15の矢印X2方向側の辺に4つ設けられている。なお、凸部15aは、後述するネジ30により、リアフレーム4が前部筐体1に対して固定される際に、ネジ30が貫通する穴状の共締め部151の近傍に設けられている。また、図8および図11に示すように、樹脂フレーム15の凸部15aに対応するヒートシンク10の部分には、凸部15aに対して前後方向(Y方向)に係合(嵌合)して凸部15aの前後方向と直交する方向(X方向)への移動を規制する孔部10gが形成されている。なお、孔部10gは、本発明の「第2係合部」の一例である。また、図11に示すように、孔部10gは、ヒートシンク10に4つ設けられている。なお、樹脂フレーム15の凸部15aと、凸部15aに係合するヒートシンク10の孔部10gとは、表示領域(図6の破線参照)の4辺のうちのベゼル16が配置されない辺(矢印X2方向側の辺)に配置されている。
【0035】
ここで、本実施形態では、図12〜図15に示すように、枠状の樹脂フレーム15の凸部15aには、YZ平面に略沿うように、ヒートシンク10の孔部10g(後述する折り返し部10h)と当接する当接部15bが設けられている。また、図12および図13に示すように、枠状の樹脂フレーム15の凸部15aには、Z方向の両端部において当接部15bとは反対側(矢印X1方向側)に延びる凸部15aを補強するための一対の補強部15cが設けられている。また、一対の補強部15cは、凸部15aの当接部15bが延びる方向と直交する方向(X方向)に延びるようにリブ状に形成されている。図14に示すように、補強部15cの矢印X1方向側の面15dは、YZ平面に対して傾斜するように形成されている。これにより、一対の補強部15cが設けられる凸部15aの部分は、矢印Y1方向側に向かって凸部15aのX方向の幅が徐々に大きくなるように形成されている。なお、図15に示すように、補強部15cが設けられない凸部15aの矢印X1方向側の面15eは、YZ平面に沿うように形成されている。また、樹脂フレーム15の凸部15aの後方側(矢印Y2方向側)の先端部15fは、面取りされている。これにより、図14に示すように、樹脂フレーム15の凸部15aの後方側(矢印Y2方向側)の先端部15fは、略丸形形状となっている。
【0036】
図8、図14および図16に示すように、ヒートシンク10の矢印X2方向側の端部10fは、プレス加工により、略U字形状の断面を有するように構成されている。そして、孔部10gは、略U字形状のヒートシンク10の端部10fの矢印Y1方向側の面102fを切り欠くことにより形成されている。ここで、本実施形態では、板金からなるヒートシンク10の孔部10gには、板金からなるヒートシンク10が折り返されて形成された折り返し部10hが設けられている。そして、折り返し部10hは、樹脂フレーム15の凸部15aの当接部15b(図14参照)が当接することにより凸部15aの前後方向と直交する方向(X方向)への移動を規制する移動規制面10iを含んでいる。また、折り返し部10hは、後方(矢印Y2方向)に向かって折り返されるように構成されている。なお、図14に示すように、折り返し部10hが設けられる分、樹脂フレーム15の凸部15aと樹脂フレーム15の側面(内側面)15gとの間の間隔が広く形成される。これにより、樹脂フレーム15を形成する際の樹脂成形金型(図示せず)の凸部15aと側面15gとの間に対応する部分の厚みが折り返し部10hが設けられる分大きくなるので、樹脂成形金型の強度を高めることが可能となり、金型寿命を延ばすことができる。
【0037】
また、図14に示すように、ヒートシンク10の前方(矢印Y1方向)に枠状の樹脂フレーム15が配置された状態で、ヒートシンク10の折り返し部10hの後方側(矢印Y2方向側)の端部10jは、凸部15aのうち移動規制面10iに当接する当接部15bの後方側(矢印Y2方向側)の端部15hよりも後方(矢印Y2方向側)に位置するように構成されている。すなわち、折り返し部10hのY方向の高さh1は、凸部15aの当接部15bのY方向の高さh2よりも大きい(h1>h2)。また、折り返し部10hの矢印Y1方向側の屈曲部10kは、半円形状に形成されている。これにより、半円形状の折り返し部10hの屈曲部10kが誘い(ガイド)となるので、凸部15aを孔部10gに挿入する際に、凸部15aを孔部10gにスムーズに挿入することが可能となる。また、折り返し部10hの屈曲部10kの外表面を半円形状にすることにより、凸部15aが折り返し部10hに衝突することに起因して、凸部15aが削れるのを抑制することが可能となる。その結果、凸部15aが削れることにより異物(凸部15aの欠片)が発生するのを抑制することが可能となる。
【0038】
また、図14に示すように、ヒートシンク10の前方(矢印Y1方向)に枠状の樹脂フレーム15が配置された状態では、ヒートシンク10の折り返し部10hと、樹脂フレーム15の凸部15aの当接部15bとは、約0.2mm以上約0.3mm以下の間隔L1を隔てて配置されている。また、ヒートシンク10の折り返し部10hと、樹脂フレーム15の側面15gとは、約0.2mm以上約0.3mm以下の間隔L2を隔てて配置されている。なお、樹脂フレーム15の側面15gは、約1.0mmの厚みt1を有している。また、ヒートシンク10は、約0.6mmの厚みt2を有する。そして、ヒートシンク10の折り返し部10hが設けられている部分は、約1.2mm以上約1.3mm以下の厚みt3を有する。
【0039】
また、図17に示すように、ヒートシンク10の前方(矢印Y1方向)に枠状の樹脂フレーム15が配置された状態では、平面的に見て、ヒートシンク10の孔部10gと、樹脂フレーム15の凸部15aの補強部15cとは、X方向に約3mm以上約4mm以下の間隔L3を隔てて配置されている。また、平面的に見て、ヒートシンク10の孔部10gと、樹脂フレーム15の凸部15aとは、Z方向に、孔部10gに凸部15aが挿入されるのを妨げないような所定の間隔L4(たとえば、約2mm以上約3mm以下)を隔てて配置されている。
【0040】
また、図5に示すように、前部筐体1の矢印Z1方向側の辺の近傍に配置された反射シートホルダ9aの後面には、液晶表示パネル2を駆動させるための液晶表示パネル駆動用基板2aが取り付けられている。
【0041】
また、図8に示すように、導光板12の側方には、複数のLEDから構成されるバックライト用のLED光源6aが配置されている。なお、LED光源6aは、液晶テレビジョン装置100の通常の使用状態において熱が発生する。また、LED光源6aは、LED基板6bの矢印X1方向側の表面に取り付けられている。また、LED基板6bの矢印X2方向側の表面(LED光源6aが取り付けられている面とは反対側の面)は、放熱テープ(シート)6cを介して、ヒートシンク10の矢印X1方向側の表面に取り付けられている。
【0042】
また、図4に示すように、リアフレーム4の後面(底面)には、回路基板7および回路基板8の各々を取り付けるための複数の基板取付部42が形成されている。また、複数の基板取付部42の各々は、カバー部材5に向かって突出するように形成されている。また、回路基板7の外縁部には、ネジ30を挿入するための複数のネジ挿入穴7aが形成されており、複数のネジ30の各々が回路基板7のネジ挿入穴7aを介してリアフレーム4の複数の基板取付用ネジ穴4aに取り付けられることにより、回路基板7がリアフレーム4に対して固定されている。
【0043】
また、回路基板8の外縁部には、ネジ30を挿入するための複数のネジ挿入穴8aが形成されており、複数のネジ30の各々が回路基板8のネジ挿入穴8aを介してリアフレーム4の複数の基板取付用ネジ穴4aに取り付けられることにより、回路基板8がリアフレーム4に対して固定されている。
【0044】
また、リアフレーム4の後面には、外縁部に沿って、複数のネジ挿入穴4bが形成されており、複数のネジ30の各々がリアフレーム4のネジ挿入穴4bを介して前部筐体1の複数の後部筐体取付用ネジ穴1aに取り付けられることにより、リアフレーム4が前部筐体1に対して固定されている。
【0045】
また、リアフレーム4の後面には、カバー部材5を取り付けるための複数のカバー部材取付用ネジ穴4cが形成されている。また、カバー部材5には、複数のネジ挿入穴5aが形成されている。また、複数のネジ30の各々がカバー部材5の複数のネジ挿入穴5aを介して、リアフレーム4のカバー部材取付用ネジ穴4cに取り付けられることにより、カバー部材5がリアフレーム4に対して取り付けられている。なお、後面から見て、カバー部材5の左上のネジ挿入穴5aに取り付けられたネジ30は、回路基板7の左上のネジ挿入穴7aを介して、リアフレーム4の左上の基板取付用ネジ穴4aに取り付けられている。
【0046】
また、ヒートシンク10のネジ挿入穴10dに対応するリアフレーム4の部分には、ヒートシンク10に向かって窪んだ凹部4dが形成されている。また、凹部4dには、ネジ30を取り付けるためのネジ挿入穴4eが形成されている。また、ネジ30がリアフレーム4のネジ挿入穴4eを介してヒートシンク10のネジ挿入穴10dに取り付けられることにより、リアフレーム4と、ヒートシンク10とが面接触した状態で固定(圧接)されている。
【0047】
また、リアフレーム4の後面に形成されたカバー部材取付用ネジ穴4cのうちの下方に形成されたカバー部材取付用ネジ穴4cには、スピーカ取付部材17を挟み込むようにして、ネジ30によりカバー部材5が取り付けられている。また、スピーカ取付部材17には、2つのスピーカ18が取り付けられている。また、カバー部材5は、回路基板7および回路基板8と、2つのスピーカ18が取り付けられたスピーカ取付部材17とを後方から覆うように取り付けられている。
【0048】
また、リアフレーム4に取り付けられた信号処理用の回路基板8は、テレビジョン放送を受信可能な受信部(チューナー)19を有している。また、図18に示すように、液晶テレビジョン装置100では、受信部19は、液晶表示パネル2およびスピーカ18と接続されており、アンテナ200により受信されたテレビジョン放送信号(映像信号および音声信号)のうち映像信号を液晶表示パネル2に出力するとともに、音声信号をスピーカ18に出力するように構成されている。
【0049】
次に、図19を参照して、樹脂フレーム15の凸部15aと、ヒートシンク10の孔部10gにより、樹脂フレーム15の変形が抑制される様子について説明する。図19に示すように、樹脂フレーム15に対して矢印Y2方向側に負荷が加わった場合(たとえば、樹脂フレーム15の共締め部151にネジ30が挿入されネジ30が前部筐体1の後部筐体取付用ネジ穴1aに締結された場合)、樹脂フレーム15は、破線で示されるように樹脂フレーム15の側面15gが矢印X2方向に移動するように(θ1方向に広がるように)変形しようとする。このとき、樹脂フレーム15の凸部15a(当接部15b)がヒートシンク10の孔部10g(折り返し部10hの移動規制面10i)に当接することにより、樹脂フレーム15の側面15gが矢印X2方向に移動する(θ1方向に広がる)のが抑制される。これにより、樹脂フレーム15の変形が抑制される。
【0050】
次に、図20を参照して、樹脂フレーム15の凸部15aと、ヒートシンク10の孔部10gにより、製造時に変形した樹脂フレーム15が矯正される様子について説明する。図20に示されるように、製造時に樹脂フレーム15の側面15gが矢印X2方向(θ1方向)に広がるように変形したとする。そして、樹脂フレーム15の凸部15aをヒートシンク10の孔部10gに挿入することにより、樹脂フレーム15の凸部15a(当接部15b)がヒートシンク10の孔部10g(折り返し部10hの移動規制面10i)に当接し、X2方向(θ1方向)に広がるように変形していた樹脂フレーム15の側面15gが、破線で示されるように、矢印X1方向(θ2方向)側に移動する。これにより、製造時に変形した樹脂フレーム15が矯正される。
【0051】
本実施形態では、上記のように、枠状の樹脂フレーム15のヒートシンク10に前後方向に対して対向する部分に、凸部15aを形成し、枠状の樹脂フレーム15の凸部15aに対応するヒートシンク10の部分に、凸部15aに対して前後方向に係合して凸部15aの前後方向と直交する方向への移動を規制する孔部10gを形成する。これにより、枠状の樹脂フレーム15に外力が加わることに起因して枠状の樹脂フレーム15が前後方向と直交する方向(外側)に向かって広がるように変形しようとする場合にも、樹脂フレーム15の凸部15aが前後方向と直交する方向に移動するのがヒートシンク10の孔部10gにより規制されるので、樹脂フレーム15が変形するのを抑制することができる。また、枠状の樹脂フレーム15の製造時に、枠状の樹脂フレーム15が前後方向と直交する方向(外側)に向かって広がるように変形した場合には、樹脂フレーム15の凸部15aをヒートシンク10の孔部10gに係合させることにより、前後方向と直交する方向(外側)に向かって広がるように変形した樹脂フレーム15が内側に向かって変形するので、樹脂フレーム15の製造時の変形を矯正することができる。
【0052】
また、本実施形態では、上記のように、凸部15aの前後方向と直交する方向への移動を孔部10gにより規制する。これにより、凸部15aが前後方向と直交する方向に移動するのが孔部10gにより規制されるので、樹脂フレーム15が変形するのを凸部15aおよび孔部10gにより容易に抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態では、上記のように、板金からなるヒートシンク10の孔部10gは、樹脂フレーム15の凸部15aが当接することにより凸部15aの前後方向と直交する方向への移動を規制する移動規制面10iを含み、孔部10gの移動規制面10iに、板金からなるヒートシンク10が折り返されて形成された折り返し部10hを設ける。これにより、凸部15aと孔部10gとの間の間隔が板金からなるヒートシンク10の厚みよりも大きい場合でも、折り返し部10hの厚み分、凸部15aと孔部10gとの間の間隔を小さくすることができるので、凸部15a(樹脂フレーム15)が孔部10g(ヒートシンク10)に対して移動する移動量を小さくすることができる。その結果、折り返し部10hが設けられない場合と比べて、樹脂フレーム15が変形するのをより抑制することができる。
【0054】
また、本実施形態では、上記のように、折り返し部10hは、後方に向かって折り返されるように構成されており、ヒートシンク10の前方に枠状の樹脂フレーム15が配置された状態で、ヒートシンク10の折り返し部10hの後方側の端部10jを、凸部15aのうち移動規制面10iに当接する当接部15bの後方側の端部15hよりも後方に位置するように構成する。これにより、凸部15aの当接部15bが、折り返し部10hの後方側の端部10jに接触するのが防止されるので、凸部15aの当接部15bが折り返し部10hの端部10j(角部)に接触して破損するのを防止することができる。
【0055】
また、本実施形態では、上記のように、枠状の樹脂フレーム15の凸部15aは、孔部10gの移動規制面10iに当接する当接部15bとは反対側に設けられ、凸部15aを補強するための補強部15cを含む。これにより、樹脂からなる凸部15aに負荷がかかった場合でも、凸部15aが折れるのを補強部15cにより抑制することができる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、補強部15cを、凸部15aの当接部15bが延びる方向と直交する方向に延びるようにリブ状に形成する。これにより、当接部15bが延びる方向と直交する方向に凸部15aに負荷がかかった場合(たとえば、樹脂フレーム15の側面15gが外側に広がる場合に当接部15bが延びる方向と直交する方向に凸部15aに負荷がかかる)でも、凸部15aが折れるのをリブ状の補強部15cにより容易に抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、枠状の樹脂フレーム15の凸部15aの後方側の先端部15fを、面取りする。これにより、樹脂フレーム15の凸部15aがヒートシンク10の孔部10gに挿入される際に、面取りされた凸部15aの後方側の先端部15fが誘い(ガイド)になるので、樹脂フレーム15の凸部15aをヒートシンク10の孔部10gにスムーズに挿入することができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、LED光源6aから発生される熱を放熱するためのヒートシンク10に孔部10gを形成する。これにより、LED光源6aから発生される熱を放熱するためのヒートシンク10を孔部10gを形成するための部材として流用することにより、部品点数を削減しながら、樹脂フレーム15が変形するのを抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、ベゼル16は、表示領域の4辺のうちの所定の辺(矢印X1方向側、矢印Z1方向側、矢印Z2方向側)に沿うように配置されており、枠状の樹脂フレーム15の凸部15aと、凸部15aに係合する孔部10gとを、表示領域の4辺のうちのベゼル16が配置されない辺(矢印X2方向側)に配置する。ベゼル16が配置されている辺ではベゼル16(ベゼル16b〜16d)によって樹脂フレーム15の変形が抑制される一方、ベゼルが配置されない辺では、樹脂フレーム15が変形しやすくなる。本実施形態では、ベゼルが配置されない辺に樹脂フレーム15の凸部15aと凸部15aに係合する孔部10gとを配置することにより、樹脂フレーム15の変形しやすい部分の変形を抑制することができるので、ベゼルが配置されていない辺を有する構造に特に有効である。
【0060】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0061】
たとえば、上記実施形態では、本発明の表示装置(テレビジョン装置)の一例として液晶テレビジョン装置に本発明を適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、テレビジョン装置以外のパーソナルコンピュータのモニタなどの他の表示装置や液晶テレビジョン装置以外のテレビジョン装置にも本発明を適用可能である。
【0062】
また、上記実施形態では、ヒートシンクに孔部を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図21に示すように、ヒートシンク10に孔部の代わりに樹脂フレーム15の凸部15aが挿入可能な凹部10lを設けてもよい。なお、凹部10lは、本発明の「第2係合部」の一例である。
【0063】
また、上記実施形態では、ヒートシンクに孔部を設けるとともに、樹脂フレームに凸部を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図22に示すように、ヒートシンク10に凸部10mを設けるとともに、樹脂フレーム15に孔部15i(または凹部)を設けてもよい。なお、孔部15iおよび凸部10mは、それぞれ、本発明の「第1係合部」および「第2係合部」の一例である。
【0064】
また、上記実施形態では、1つの凸部に対して2つ(一対)の補強部を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、1つの凸部に対して1つ、または、3つ以上の補強部を設けてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、ヒートシンクが配置される矢印X2方向側の辺にベゼルが設けられない例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、反射シートホルダが配置される矢印X1方向側、矢印Z1方向側および矢印Z2方向側の辺にベゼルを設けないようにしてもよい。この場合、ベゼルを設けない辺に対応する樹脂フレームに凸部(凹部または孔部)が設けられるとともに、ベゼルを設けない辺に対応する反射シートホルダに凹部または孔部(凸部)が設けられる。
【0066】
また、上記実施形態では、板金(SECC)からなる金属製のヒートシンクを用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、LED光源または発熱素子から発生する熱を放熱することが可能であれば、板金(SECC)よりも放熱性に優れたアルミニウムまたはアルミニウム合金などの材料からなるヒートシンクを用いてもよい。この場合、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるヒートシンクの厚みを、板金(SECC)からなる金属製のヒートシンクの厚み(0.6mm)よりも大きく(たとえば1.0mm)してもよい。これにより、発熱素子から発生する熱を効果的に放熱することができる。
【符号の説明】
【0067】
2 液晶表示パネル(表示パネル)
6a LED光源(光源)
10 ヒートシンク(後面金属部材)
10g 孔部(第2係合部)
10h 折り返し部
10i 移動規制面
10j 端部
10l 凹部(第2係合部)
10m 凸部(第2係合部)
15 樹脂フレーム
15a 凸部(第1係合部)
15b 当接部
15c 補強部
15f 先端部
15h 端部
15i 孔部(第1係合部)
16、16b、16c、16d ベゼル
19 受信部
100 液晶テレビジョン装置(表示装置、テレビジョン装置)
101f 側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルの後面側に前記表示パネルの辺に沿うように設けられる金属製の後面金属部材と、
前記後面金属部材の側面を覆うとともに、前後方向に重なるように配置される枠状の樹脂フレームとを備え、
前記枠状の樹脂フレームの前記後面金属部材に対して前後方向に対向する部分には、第1係合部が形成されており、
前記枠状の樹脂フレームの前記第1係合部に対応する前記後面金属部材の部分には、前記第1係合部に対して前後方向に係合して前記第1係合部の前後方向と直交する方向への移動を規制する第2係合部が形成されている、表示装置。
【請求項2】
前記第1係合部は、凸部からなり、前記第2係合部は、前記凸部が嵌合する凹部または孔部からなる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記後面金属部材は、板金からなり、
前記第1係合部は、凸部からなり、前記第2係合部は、孔部からなり、
前記板金からなる後面金属部材の前記孔部は、前記樹脂フレームの前記凸部が当接することにより前記凸部の前後方向と直交する方向への移動を規制する移動規制面を含み、
前記孔部の前記移動規制面には、前記板金からなる後面金属部材が折り返されて形成された折り返し部が設けられている、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記折り返し部は、後方に向かって折り返されるように構成されており、
前記後面金属部材の前方に前記枠状の樹脂フレームが配置された状態で、前記後面金属部材の折り返し部の後方側の端部は、前記凸部のうち前記移動規制面に当接する当接部の後方側の端部よりも後方に位置するように構成されている、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記枠状の樹脂フレームの前記凸部は、前記孔部の前記移動規制面に当接する当接部とは反対側に設けられ、前記凸部を補強するための補強部を含む、請求項3または4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記補強部は、前記凸部の前記当接部が延びる方向と直交する方向に延びるようにリブ状に形成されている、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記枠状の樹脂フレームの前記凸部の後方側の先端部は、面取りされている、請求項2〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
光源をさらに備え、
前記後面金属部材は、前記光源から発生される熱を放熱するためのヒートシンクを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記枠状の樹脂フレームの前記後面金属部材とは反対側に配置されるベゼルをさらに備え、
前記ベゼルは、表示領域の4辺のうちの所定の辺に沿うように配置されており、
前記枠状の樹脂フレームの前記第1係合部と、前記第1係合部に係合する前記第2係合部とは、前記表示領域の4辺のうちの前記ベゼルが配置されない辺に配置されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
テレビジョン放送を受信可能な受信部と、
前記受信部により受信したテレビジョン放送を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの後面側に前記表示パネルの辺に沿うように設けられる金属製の後面金属部材と、
前記後面金属部材の側面を覆うとともに、前後方向に重なるように配置される枠状の樹脂フレームとを備え、
前記枠状の樹脂フレームの前記後面金属部材に対して前後方向に対向する部分には、第1係合部が形成されており、
前記枠状の樹脂フレームの前記第1係合部に対応する前記後面金属部材の部分には、前記第1係合部に対して前後方向に係合して前記第1係合部の前後方向と直交する方向への移動を規制する第2係合部が形成されている、テレビジョン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−101203(P2013−101203A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244365(P2011−244365)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】