説明

袋詰め装置

【課題】封筒のような袋体の搬送と同時に開口を開いて物品を袋体内に収容することにより、袋体内への物品の収容を効率よく確実に行うことができる袋詰め装置を提供する。
【解決手段】袋体ホッパー(12)と、袋体引き出し手段(13)と、物品ストッパー(15)とを備え、袋体ホッパーは、袋体引き出し手段側に袋体引き出し口(12e)とフラップ係止部(12f)とを備え、袋体引き出し手段は、物品を載置するテーブル12aと、袋体の反フラップ側開口縁を把持する袋体把持部材(20)と、フラップを持ち上げて封筒の開口を拡開させるフラップ保持部材とを備えている。袋体引き出し手段をテーブルの先端が袋体引き出し口に進入する前進位置と、袋体把持部材で袋体を把持して後退した後退位置とに往復動させることにより、袋体引き出し口から引き出される袋体で、テーブル上に載置した物品を覆い被すようにして袋体内に収容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋詰め装置に関し、詳しくは、物品、例えば印刷物等のシート状の物品を袋体である封筒内に収容するための袋詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイレクトメール等のシート状の物品を封筒内に挿入する袋詰め装置としては、一般に、封筒を1枚1枚所定位置に移動させて封筒の開口を開いた状態に保持するとともに、物品をプッシャー等の押し込み機によって封筒内に押し込む機構のものが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特表2003−533411号公報(図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の装置では、封筒をホッパーから1枚1枚所定位置に搬送してから開口を物品が挿入可能な状態に開くため、封筒が完全に開かなかったり、封筒が破れたりすることがあり、また、シート状の物品を押し込む際に物品や封筒が僅かに傾いていると物品のエッジが封筒に接触して物品や封筒に損傷を与えることがあった。
【0004】
そこで本発明は、封筒のような袋体の搬送と同時に開口を開いて物品を袋体内に収容することにより、袋体内への物品の収容を効率よく確実に行うことができる袋詰め装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の袋詰め装置は、袋体の開口を閉塞するフラップを上にした状態の袋体を積層状態でストックする袋体ホッパーと、該袋体ホッパー内から袋体を引き出す袋体引き出し手段と、袋体内に収納する物品を保持する物品ストッパーとを備え、前記袋体ホッパーは、前記袋体を載置可能な大きさの底板部を有する箱型容器からなり、該箱形容器の前記袋体引き出し手段側の側面底部側には袋体引き出し口が開口し、該袋体引き出し口の上部内面には箱形容器内にストックされた袋体のフラップの先端を係止するフラップ係止部が設けられ、前記袋体引き出し手段は、前記物品を載置するテーブルと、該テーブルの袋体ホッパー側の先端下部に設けられてテーブルの先端下面に当接して袋体の反フラップ側開口縁を把持する把持位置とテーブルの先端下面から離れる解放位置とに移動可能な袋体把持部材と、テーブルの先端上面に先端が当接する下降位置と先端がテーブルの先端上面から離れる上昇位置とに移動可能なフラップ保持部材と、該袋体引き出し手段をテーブルの先端が前記袋体引き出し口に進入する前進位置と前記袋体把持部材で把持した袋体を袋体ホッパーから完全に引き出した状態の後退位置とに直線的に往復動させるガイド手段及び駆動手段とを備え、前記物品ストッパーは、前記袋体引き出し手段が後退位置にあるときの前記テーブルの先端位置で前記物品の反袋体ホッパー側に当接して物品の移動を規制する位置に設けられており、前記駆動手段によって袋体引き出し手段を袋体ホッパー側に前進させて前進位置に到達したときには、テーブル上に物品が載置されるとともに、フラップ保持部材の先端とテーブルの先端とが当接状態で前記袋体引き出し口を通って袋体の開口内に進入し、同時に、前記袋体把持部材が把持位置に移動して該袋体把持部材とテーブル下面との間で袋体の反フラップ側開口縁を把持し、前記駆動手段によってテーブルを後退させたときに、テーブル上の物品が物品ストッパーによって後方への移動を規制された状態で、フラップ保持部材の下面が物品上面に当接してフラップ保持部材の先端側が上方に移動することにより袋体のフラップを上昇させて袋体の開口を物品が挿入可能な状態に拡開し、袋体把持部材でテーブルの先端に把持されて袋体引き出し口から引き出される袋体内に物品を収容し、前記後退位置に到達したときに、袋体把持部材が解放位置に移動して袋体を解放することを特徴としている。
【0006】
さらに、前記袋体ホッパーは、前記フラップ保持部材の先端とテーブルの先端とが袋体の開口内に進入したときに、袋体引き出し口を上昇させる昇降手段を有していること、また、前記物品ストッパーの上端から反袋体ホッパー側に連続して前記物品を載置する物品載置部が設けられ、前記テーブルの後端には、袋体引き出し手段の前進時に物品の後端縁に当接し、袋体引き出し手段が前進位置に到達したときに、物品載置部上の物品を前記物品ストッパーより袋体ホッパー側のテーブル上に落下させる押動部が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の袋詰め装置によれば、袋体を袋体ホッパーから引き出すのと同時に開口を開状態とし、開口が開いた状態の袋体を移動させて袋体で物品を覆うようにして物品を袋体内に収容するので、物品の袋詰めを円滑に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の袋詰め装置を、印刷物のようなシート状の物品を袋体である封筒内に詰め込む封筒詰め装置に適用した一形態例に基づいて説明する。図1は封筒詰め装置の一形態例を示す正面図、図2は封筒引き出し手段が作動開始前の後退位置にある状態を示す説明図、図3は封筒引き出し手段が前進位置に前進した状態を示す説明図、図4は封筒ホッパーから封筒を引き出すときの状態を示す要部の拡大図、図5は封筒引き出し手段が後退している状態を示す説明図、図6は封筒内に物品を収容した作動終了時の状態を示す説明図である。
【0009】
本形態例に示す封筒詰め装置は、フラップ11aを上にした状態の多数の封筒11を積層状態でストックする封筒ホッパー12と、該封筒ホッパー12内から封筒11を1枚ずつ引き出す封筒引き出し手段13と、封筒11内に収容するシート状物品14の後端(反封筒ホッパー側端面)を保持する物品ストッパー15と、該物品ストッパー15の上部後方に連続して設けられた物品載置部16と、物品収容後の封筒11を搬送する払出コンベア17及び搬送コンベア18とを架台19上に配置したものであって、封筒引き出し手段13及び払出コンベア17は、架台上に設置されたサーボモータ19aで駆動されるボールスクリュー19bにより、ガイドレール(LMガイド)19cに沿って前記封筒ホッパー12に近接する位置(前進位置)と封筒ホッパー12から離れた位置(後退位置)とに直線的に往復動可能に形成されている。
【0010】
前記封筒ホッパー12は、前記封筒11の長さ寸法及び幅寸法に対応した底板12aの四辺に側壁12b,12c,12dをそれぞれ立設して上方を開口させた箱型容器からなるもので、封筒引き出し手段13に対向する側壁12dは、上部が封筒引き出し手段13側に傾斜した状態に設けられるとともに、この側壁12dの下部から底板12aにわたって封筒引き出し口12eが開口している。また、側壁12dの下部で封筒引き出し口12eの上部には、フラップ11aを開いた状態の封筒11を、その開口11bを封筒引き出し口12eに向けて箱形容器内に投入し、封筒11の底縁を側壁12dに対向する側壁12bの内面に当接させたときに、フラップ11aの先端内面が係止して封筒11のフラップ11aを封筒引き出し口12eの上方に保持するフラップ係止部12fと、フラップ11aの先端縁が当接して封筒11が引き出し方向上方に移動することを防止する係止段部12gとが設けられている。さらに、この封筒ホッパー12は、架台19の両側に立設した一対の支柱19dに支軸12hを介して回動可能に保持されるとともに、該支柱19dに対して封筒引き出し手段13側に設けられた昇降手段としてのカム機構19eにより封筒引き出し口12e側が上下動するように形成されている。
【0011】
前記封筒引き出し手段13は、前記物品14を載置するテーブル13aと、該テーブル13aにおける封筒ホッパー12側の先端下部に設けられた封筒把持部材20と、テーブル13aにおける先端上部に設けられたフラップ保持部材21と、テーブル13aの後端部から立ち上がって前記物品載置部16を跨ぐように設けられた物品押動部22と、前記ボールスクリュー19b及びガイドレール19cのそれぞれに対応したスリーブ13b及びスライダ13cとを有している。テーブル13aの長さ寸法は、シート状物品14の長さより大きく形成され、幅寸法は、物品14の幅寸法より僅かに大きく、封筒11の内側幅寸法より僅かに小さな寸法に形成されている。また、テーブル13aの先端より後方の両側には、物品14の幅寸法に等しい間隔を有する一対の側部ガイド部材13dが物品載置部16よりも高い位置まで立設している。
【0012】
封筒把持部材20は、テーブル下面両端に設けられた軸受部材20aに軸支されたアーム20bの先端に、マグネット20cを埋め込んだ把持部20dを設けたものであって、アーム20bが軸受部材20a側を中心として回動することにより把持部20dが把持位置と解放位置とに上下動し、把持部20dが上昇したときにマグネット20cが封筒11の反フラップ側開口縁を挟んでテーブル13aの下面に磁着し、磁力によって封筒11を把持するように形成されている。また、アーム20bの基端部にはタイミングカム20eが設けられ、このタイミングカム20eと、ガイドレール19cに沿うように設けられたタイミングガイド20f(後退位置のみ図示し、前進位置は省略。)とによってアーム20bを回動させるようにしている。
【0013】
前記フラップ保持部材21は、前記軸受部材20aに軸支されたアーム21aの先端に薄板からなる挿入片21bを回動可能な状態で取り付けたものであって、挿入片21bは、封筒引き出し手段13が前進位置にあるときには、挿入片21bの先端下面がテーブル13aの先端上面に当接した下降位置となり、封筒引き出し手段13が前進位置から後退位置に向かって後退するときには挿入片21bの下面が物品14の上面に当接してテーブル14aの先端上面から離れた状態となり、封筒引き出し手段13が後退位置にあるときには前記物品載置部16の上面に先端下面が当接してテーブル14aの先端上面から離れた上昇位置になるように形成されている。
【0014】
前記物品ストッパー15は、封筒引き出し手段13が後退位置にあるときの前記テーブル13aの先端に対応した位置に、テーブル13aの上面に対して垂直に設けられており、物品ストッパー15の上端から後方に向かって板状の前記物品載置部16が一体的に設けられている。また、前記払出コンベア17は、封筒引き出し手段13が後退位置にあるときに、封筒ホッパー12と封筒引き出し手段13との間に位置するように形成されている。
【0015】
次に、このように形成した封筒詰め装置の動作を説明する。まず、図2に示すように、封筒引き出し手段13が後退位置にある作動前の状態において、フラップ11aを上にし、開口11bを封筒引き出し口12eに向けた状態で封筒11を封筒ホッパー12内に重ねた状態で投入するとともに、封筒11内に収容されるシート状物品14を物品載置部16に配置する。このとき、封筒11は、底縁が側壁12bの内面に当接し、両側縁が側壁12cに当接し、フラップ11aの先端内面がフラップ係止部12fに係止し、フラップ11aの先端縁が係止段部12gに当接又は近接した状態で、封筒ホッパー12の箱型容器内に積層状態(図示省略)でストックされる。また、物品14は、両側が側部ガイド部材13dに挟まれて後端が物品押動部22に当接又は近接した状態で物品載置部16に載置される。
【0016】
図2に示す状態からサーボモータ19aを作動させて封筒引き出し手段13を封筒ホッパー12に向けて前進させると、物品載置部16上の物品14は、後端を物品押動部22に押されて封筒引き出し手段13と共に前進し、物品載置部16から物品ストッパー15より前方のテーブル13a上に落ち込んだ状態となる。また、フラップ保持部材21は、挿入片21bの先端が物品載置部16上面から下方のテーブル13aの上面に落下し、挿入片21bの先端下面がテーブル13a上面に当接するとともに、挿入片21bの先端とテーブル13aの先端とが略同じ位置に重なった状態となる。この重合状態の挿入片21b及びテーブル13aの先端は、封筒引き出し手段13が前進位置に近付くと封筒ホッパー12の封筒引き出し口12e内に進入し、先端内面がフラップ係止部12fに係止されて上向きに反った状態となっているフラップ11aの下方で、かつ、封筒11の反フラップ側の面よりも上方位置に入り込み、フラップ保持部材21の挿入片21b先端とテーブル13aの先端とが封筒11内に所定量進入した状態となる。
【0017】
そして、図4に示すように、封筒引き出し手段13が前進位置に到達すると、前記封筒把持部材20が作動して把持部20dがテーブル13aの下面に向かって上昇し、マグネット20cがテーブル13aの下面に磁着することによって封筒11の反フラップ側開口縁11cが把持部20dとテーブル13aとの間に把持された状態となる。さらに、封筒引き出し手段13が前進位置に到達して封筒把持部材20が作動するのと同時に前記カム機構19eが作動し、封筒ホッパー12の封筒引き出し口12e側が上方に押し上げられる。このとき、封筒11は、反フラップ側開口縁11cがテーブル13aの下面に保持された状態になっているので封筒引き出し口12eが上昇したときに開口11bが下方に引っ張られ、フラップ11aの先端内面がフラップ係止部12fから外れて封筒引き出し口12eから突出し、封筒11内に進入した挿入片21bの上面に重なった状態となる。
【0018】
図5に示すように、上述の状態で封筒引き出し手段13が後退を開始すると、把持部20dとテーブル13aとの間に把持された封筒11は、テーブル13aの後退に伴って封筒引き出し口12eを通って封筒ホッパー12から引き出される。このとき、図4及び図5に想像線で示すように、一つ上の封筒におけるフラップ11aの先端内面はフラップ係止部12fに係止するとともに、先端縁が係止段部12gに当接して引き出し方向上方に移動することが防止されているので、2枚以上の封筒11が封筒ホッパー12から引き出されることはない。また、テーブル13a上のシート状物品14は、後端が物品ストッパー15に当接して後方への移動が規制され、両側が側部ガイド部材13dによって側方への移動や傾斜が規制された状態となっている。
【0019】
封筒引き出し手段13が後退して挿入片21bの下方にシート状物品14が位置する状態になると、シート状物品14の高さ(厚さ)に応じて挿入片21bの先端側が上方に回動し、挿入片21bの先端で封筒11のフラップ11aを上方に持ち上げ、シート状物品14がスムーズに進入可能な状態に封筒11の開口11bを拡開させる。このとき、テーブル13aの幅寸法がシート状物品14の幅寸法より僅かに大きく形成されているので、封筒11は物品14に接触することなく封筒ホッパー12から引き出され、封筒ホッパー12から引き出されて移動するのと同時にシート状物品14を封筒11内に収容していく状態となる。また、封筒11の開口11bをテーブル13aと挿入片21bとで機械的に拡げているので、従来の真空吸着に比べて封筒11の開口11bを確実に拡開させることができ、開口11bの拡開量はシート状物品14の高さによって決まるので、開口11bを開きすぎることはなく、したがって封筒11を破損することもない。
【0020】
シート状物品14は、その後端が物品ストッパー15に当接して後方への移動が規制され、シート状物品14の両側はテーブル13aの先端より後方に設けられてテーブル13aと共に後退する側部ガイド部材13dにガイドされて封筒11の開口内に進入する直前まで位置決めされているので、シート状物品14が傾いたりすることはなく、シート状物品14のエッジが封筒11に接触してシート状物品14や封筒11に損傷を与えることはない。
【0021】
図6に示すように、封筒引き出し手段13が後退位置に到達する直前又は到達時に、封筒把持部材20が作動して把持部20dがテーブル13aの下面から下方に離れ、封筒11の把持を解いて封筒11を解放する。また、フラップ保持部材21は、挿入片21bが物品ストッパー15より後方に後退することによって封筒11の開口11bから外れる。同時に、封筒11の底部側(封筒ホッパー12側)は、テーブル13aによる支持がなくなるため、自身の重量によって下方の払出コンベア17上に落下し、払出コンベア17から搬送コンベア18を介して次の工程、例えばフラップ11aを閉じて封をする工程に搬送される。シート状物品14を収容した封筒11が払出コンベア17から搬送コンベア18に送り出されると、再び封筒引き出し手段13が前進を開始し、上記同様の動作を繰り返して封筒11内に物品14を詰め込んでいく。
【0022】
このように、テーブル13a上に載置したシート状物品14の後方への移動を物品ストッパー15により規制した状態で、テーブル13aの先端に封筒11の反フラップ側開口縁11cを封筒把持部材20で把持するとともに、フラップ保持部材21で封筒11の開口を拡開させた状態でテーブル13aを直線移動させて封筒11内に物品14を収容するように形成したことにより、テーブル13a、封筒把持部材20及びフラップ保持部材21を含む封筒引き出し手段13を直線的に往復動させるだけで、封筒ホッパー12から封筒11を引き出しながら封筒11内にシート状物品14を収容することができる。
【0023】
これにより、封筒11及びシート状物品14が複雑な動きをすることなく、単純な動作でシート状物品14の封筒詰めを行うことができる。さらに、封筒11の移動に伴って開口11bから封筒11内に空気が進入する状態になるので、進入した空気によって封筒11の底部側が膨らんだ状態になり、封筒11内へのシート状物品14の収容をより円滑に行うことができる。同時に、シート状物品14は封筒11内に収容される際に移動することがないので、プッシャーで腰の弱いシート状物品を押し込むときのようにシート先端が風圧でめくれ上がったりすることがなく、封筒11内へのシート状物品14の収容を確実に行うことができる。
【0024】
なお、本形態例では、袋体として封筒を、物品として印刷物のようなシート状の物品を例示して説明したが、袋体や物品はこれらに限るものではなく、各種物品を各種袋体内に詰め込むものに適用することができる。特に、物品を袋体内に押し込むのではなく、開口を開いて移動する袋体で静止状態の物品を覆うようにして収容するので、腰の弱い物品も確実に袋体内に収容することができる。さらに、物品上に他の物品を載置した状態、例えばダイレクトメールのような印刷物の上に見本品や景品のような小物品を載置した状態であっても、袋詰めの際に小物品が移動しないので、見本品等が印刷物上から落下するようなことはなく、印刷物と見本品等の小物品とを確実に袋体内に収容することができる。
【0025】
また、封筒のようにフラップの腰が比較的強いものの場合には、袋体ホッパー(封筒ホッパー12)の引き出し口(封筒引き出し口12e)から袋体を引き出す際に、前述のように引き出し口を上昇させてフラップの係止状態を解除することにより、引き出し口から袋体を一つ一つ確実に引き出すことができるが、フラップの腰が弱い場合には引き出し口を上昇させなくても袋体を一つ一つ引き出すことが可能である。
【0026】
さらに、テーブル上に物品を載置する手段として、本形態例では物品ストッパーに連続して設けた物品載置部を使用したが、他の搬送手段を使用してテーブル上に物品を載置することも可能であり、従来から利用されている物品搬送手段を任意に選択して用いることができる。また、ホッパー内への袋体の投入も任意の手段で行うことが可能であり、これらの袋体の投入や物品の載置を手動で行うこともできる。
【0027】
また、本形態例では、袋体引き出し手段(封筒引き出し手段13)の駆動に、最適な速度に調整可能なサーボモータを使用したが、エアシリンダ等を用いることも可能であり、フラップ保持部材の作動や袋体ホッパーの昇降手段としてカム機構を利用したが、これらもモーターやエアシリンダ等で駆動することが可能である。加えて、袋体の反フラップ側開口縁の把持に磁力を利用したが、袋体を形成する材料の種類や開口縁の形状によっては、単に開口縁を挟み込むだけでもよく、テーブルの下面や把持部の当接面に適宜な滑り止めを設けておくこともできる。さらに、袋体ホッパーや袋体引き出し手段等を最大の袋体や物品に対応する大きさに形成し、これらに小さな袋体や物品に対応した部品を着脱可能な状態に形成しておくことにより、大きさが異なる袋体や物品の袋詰めに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の袋詰め装置を封筒詰め装置に適用した一形態例を示す正面図である。
【図2】封筒引き出し手段が作動開始前の後退位置にある状態を示す説明図である。
【図3】封筒引き出し手段が前進位置に前進した状態を示す説明図である。
【図4】封筒ホッパーから封筒を引き出すときの状態を示す要部の拡大図である。
【図5】封筒引き出し手段が後退している状態を示す説明図である。
【図6】封筒内に物品を収納した作動終了時の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0029】
11…封筒、11a…フラップ、11b…開口、11c…反フラップ側開口縁、12…封筒ホッパー、12a…底板、12b,12c,12d…側壁、12e…封筒引き出し口、12f…フラップ係止部、12g…係止段部、12h…支軸、13…封筒引き出し手段、13a…テーブル、13b…スリーブ、13c…スライダ、13d…側部ガイド部材、14…シート状物品、15…物品ストッパー、16…物品載置部、17…払出コンベア、18…搬送コンベア、19…架台、19a…サーボモータ、19b…ボールスクリュー、19c…ガイドレール、19d…支柱、19e…カム機構、20…封筒把持部材、20a…軸受部材、20b…アーム、20c…マグネット、20d…把持部、20e…タイミングカム、20f…タイミングガイド、21…フラップ保持部材、21a…アーム、21b…挿入片、22…物品押動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋体の開口を閉塞するフラップを上にした状態の袋体を積層状態でストックする袋体ホッパーと、該袋体ホッパー内から袋体を引き出す袋体引き出し手段と、袋体内に収納する物品を保持する物品ストッパーとを備え、前記袋体ホッパーは、前記袋体を載置可能な大きさの底板部を有する箱型容器からなり、該箱形容器の前記袋体引き出し手段側の側面底部側には袋体引き出し口が開口し、該袋体引き出し口の上部内面には箱形容器内にストックされた袋体のフラップの先端を係止するフラップ係止部が設けられ、前記袋体引き出し手段は、前記物品を載置するテーブルと、該テーブルの袋体ホッパー側の先端下部に設けられてテーブルの先端下面に当接して袋体の反フラップ側開口縁を把持する把持位置とテーブルの先端下面から離れる解放位置とに移動可能な袋体把持部材と、テーブルの先端上面に先端が当接する下降位置と先端がテーブルの先端上面から離れる上昇位置とに移動可能なフラップ保持部材と、該袋体引き出し手段をテーブルの先端が前記袋体引き出し口に進入する前進位置と前記袋体把持部材で把持した袋体を袋体ホッパーから完全に引き出した状態の後退位置とに直線的に往復動させるガイド手段及び駆動手段とを備え、前記物品ストッパーは、前記袋体引き出し手段が後退位置にあるときの前記テーブルの先端位置で前記物品の反袋体ホッパー側に当接して物品の移動を規制する位置に設けられており、前記駆動手段によって袋体引き出し手段を袋体ホッパー側に前進させて前進位置に到達したときには、テーブル上に物品が載置されるとともに、フラップ保持部材の先端とテーブルの先端とが当接状態で前記袋体引き出し口を通って袋体の開口内に進入し、同時に、前記袋体把持部材が把持位置に移動して該袋体把持部材とテーブル下面との間で袋体の反フラップ側開口縁を把持し、前記駆動手段によってテーブルを後退させたときに、テーブル上の物品が物品ストッパーによって後方への移動を規制された状態で、フラップ保持部材の下面が物品上面に当接してフラップ保持部材の先端側が上方に移動することにより袋体のフラップを上昇させて袋体の開口を物品が挿入可能な状態に拡開し、袋体把持部材でテーブルの先端に把持されて袋体引き出し口から引き出される袋体内に物品を収容し、前記後退位置に到達したときに、袋体把持部材が解放位置に移動して袋体を解放することを特徴とする袋詰め装置。
【請求項2】
前記袋体ホッパーは、前記フラップ保持部材の先端とテーブルの先端とが袋体の開口内に進入したときに、袋体引き出し口を上昇させる昇降手段を有していることを特徴とする請求項1記載の袋詰め装置。
【請求項3】
前記物品ストッパーの上端から反袋体ホッパー側に連続して前記物品を載置する物品載置部が設けられ、前記テーブルの後端には、袋体引き出し手段の前進時に物品の後端縁に当接し、袋体引き出し手段が前進位置に到達したときに、物品載置部上の物品を前記物品ストッパーより袋体ホッパー側のテーブル上に落下させる押動部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の袋詰め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−149877(P2010−149877A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327697(P2008−327697)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000105154)株式会社GSIクレオス (31)
【Fターム(参考)】