説明

被試験物の固定用基台

【課題】 JIS規格試験等の試験を行う際、被試験物のサイズや形状によらず、該被試験物を基台に簡単に支持固定することができ、もって該試験を簡便に行うことが可能な被試験物の固定用基台を提供する。
【解決手段】 被試験物の固定用基台は、被試験物を載置するための被試験物載置面7が設けられた基台本体1を有し、上記被試験物載置面7に、断面T字状をなすT溝6を所定方向に延びるように設け、上記T溝6内には、該T溝6の形状に対応する断面逆T字形状のTナットブロック2の複数個を摺動可能に挿入することで、上記被試験物載置面7上における上記被試験物の移動を抑制する固定手段を、該Tナットブロック2に螺着可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、浴槽内いす、ポータブルトイレ、和式洋式変換便座、立設手すり等の主として老人や身体障害者等が使用する福祉用具あるいは家具等の被試験物の強度を測定する場合に、該被試験物を固定するために使用される固定用基台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、上記のような福祉用具に関しては、JIS規格の制定が進められている。福祉用具のJIS規格としては、下記の規格がある。
JIS T 9257 福祉用具−入浴台
JIS T 9258 福祉用具−浴室内すのこ及び浴槽内すのこ
JIS T 9259 福祉用具−浴槽内いす
JIS T 9260 福祉用具−入浴用いす
JIS T 9261 福祉用具−ポータブルトイレ
JIS T 9262 福祉用具−和式洋式変換便座
これらJIS規格では、安定性試験、静的強度試験、耐衝撃試験、耐久性試験等の試験方法および要求性能が規定されている。
また立設手すりに関しては、例えば財団法人ベターリビングの「優良住宅部品性能試験方法書」に「補高・動作補助手すり」や「墜落防止手すり」に関して試験方法が記載されている。
この種の試験を行う試験機は、基台に被試験物を固定しておいて、加負荷装置によって荷重、衝撃等を加えることによって、被試験物の強度、耐久性、安全性等を試験するものであるが、従来、基台に被試験物を固定する手段としては、該試験機の枠体に抑止板を掛け渡し、該抑止板の両端を枠体にボルトによって締結をする方式(特許文献1)や、該試験機の枠体にストッパーとしてアングル鋼材を差し渡し、両端をシャコ万力によって固定する方式、あるいは立設手すりの試験機の場合は、試験機の基台上に別体の手すり固定枠を取り付けていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−95841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の方法にあっては、抑止板の両端を枠体にボルトによって締結する構成では、枠体の両側に複数個のボルト穴を別設することが必要であるが、この方式では複数個のボルト穴の位置、間隔によって被試験物の寸法が規制され、如何なる幅の被試験物にも適用することが出来ないこと、またアングル鋼材の両端をシャコ万力によって固定する方式では、如何なる被試験物の幅にも適用可能であるが、枠体からアングル鋼材の両端がはみ出したり、シャコ万力が邪魔になったりする等、試験する場合に安全性、作業性の点で問題があり、また基台上に別体の固定枠を設置する方式では、固定枠の取り付けにかなりの手間がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決して、被試験物の寸法に係わらず、簡単に該被試験物を基台に固定することを目的とし、上記目的を達成する手段として、被試験物を載置するための被試験物載置面7が設けられた基台本体1を有し、上記被試験物載置面7に、断面T字状をなすT溝6を所定方向に延びるように設け、上記T溝6内には、該T溝6の形状に対応する断面逆T字形状のTナットブロック2の複数個を摺動可能に挿入することで、上記被試験物載置面7上における上記被試験物の移動を抑制する固定手段を、該Tナットブロック2に螺着可能に構成されている被試験物の固定用基台、あるいは、被試験物を載置するための被試験物載置面7が設けられた基台本体1を有し、上記被試験物載置面7に、断面T字状をなすT溝6を所定方向に延びるように設け、上記T溝6の形状に対応する断面逆T字形状の摺動ブロックと、該摺動ブロックから上方に差し出されたネジ軸と、からなるTボルトブロックの複数個を、該摺動ブロックを介して摺動自在に上記T溝6内に挿入し、上記Tボルトブロックのネジ軸に対し、スリットが設けられた固定板を、該スリットを介して挿通し、上記固定板の上側から上記ネジ軸にナットを螺着し、上記被試験物載置面上における上記被試験物の移動を抑制する固定手段を、上記固定板と上記基台本体1の被試験物載置面7との間で挟持固定するようにした被試験物の固定用基台を提供するものである。
上記T溝6内にTナットブロック2の複数個を摺動可能に挿入する構成においては、上記固定手段として、複数個のボルト貫通穴32および/またはボルト貫通スリットが貫設された鋼材からなるストッパー30を使用し、上記ストッパー30は、上記T溝6内で摺動させることで上記被試験物載置面7の所定位置に配置された上記Tナットブロック2の複数個に対し、上記ボルト貫通穴32および/またはボルト貫通スリットを介し、ボルトを用いて止着されており、被試験物の下縁を上記ストッパー30に当接支持させるようにする。
あるいは固定手段として、ボルト貫通穴32および/またはボルト貫通スリットが複数個貫設された台座42を使用する場合には、上記T溝6内で摺動させることで上記被試験物載置面7の所定位置に配置された上記Tナットブロック2の複数個に対し、上記台座42のボルト貫通穴32および/またはボルト貫通スリットを介し、ボルトを用いて止着されており、被試験物を上記台座42に支持固定させるようにする。
上記T溝6内にTボルトブロックの複数個を摺動可能に挿入する構成においては、上記固定板に更にネジ穴56を設け、上記ネジ穴56に座板57上に回転可能に立設されているねじ軸を螺着し、該座板57は上記基台本体1の被試験物載置面7上に載置する構成を採用することが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
〔作用〕
請求項1に記載の発明において、基台本体1の被試験物載置面7に載置されている被試験物を固定するには、上記被試験物のサイズ、形状に対応して、複数個のTナットブロック2を上記被試験物載置面7に設けられているT溝6に沿って摺動させて所定位置に配置し、その上で該被試験物の固定手段をねじ止めする。
請求項2に記載の発明において、該被試験物の固定手段が鋼材からなるストッパー30である場合には、該ストッパー30に設けられた複数個のボルト貫通穴32および/またはボルト貫通スリットを介して、ボルトを用い、所定位置に配置した上記複数個のTナットブロック2に止着する。
請求項3に記載の発明においては、上記被試験物の固定手段が、台座42である場合には、所定位置に配置した上記複数個のTナットブロック2に該台座42の複数個のボルト貫通穴32および/またはボルト貫通スリットを介してボルトを用い、止着する。
請求項4に記載の発明において、基台の被試験物載置面7に載置されている被試験物を固定するには、上記被試験物のサイズ、形状に対応して複数個のTボルトブロックを上記被試験物載置面7に設けられているT溝6に沿って摺動させて所定位置に配置し、その上でナットを締め付けて固定板を押圧することによって、上記固定板と上記基台本体1の被試験物載置面7との間で該被試験物の固定手段を挟持固定する。
請求項5に記載の発明においては、上記固定板に更にネジ穴56を設け、上記ネジ穴56に上記基台本体1の被試験物載置面7上に載置されている座板57上に回転可能に立設されているネジ軸を螺着する。この場合には上記固定板は二点支持されることになるので、ぐらつきがなく安定するから、該被試験物の固定手段に対する固定力が増大する。
【0007】
〔効果〕
本発明においては、被試験物のサイズや形状によらず、基台に簡単に固定でき、固定手段も試験する際の作業に殆ど干渉しないから、試験を効率よく安全簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】基台本体を示す側面図。
【図2】基台本体を示す一部を拡大した斜視図。
【図3】機枠を示す斜視図。
【図4】加負荷手段を示す斜視図。
【図5】取付具及び軸棒挟持具を示す平断面図。
【図6】取付具及び軸棒挟持具を示す側断面図。
【図7】固定手段としてのストッパーを示す斜視図。
【図8】ストッパーを基台本体に固定した状態を示す断面図。
【図9】別形態のストッパーを示す斜視図。
【図10】固定手段としての支柱を示す一部を拡大した斜視図。
【図11】固定手段としての支柱を示す一部を拡大した斜視図。
【図12】支柱を基台本体に固定した状態を示す断面図。
【図13】支柱に被試験物である手すりを支持した状態を示す平面図。
【図14】支柱に被試験物である手すりを支持した状態を示す平面図。
【図15】別形態の支柱を示す側面図。
【図16】別形態の支柱を示す一部を拡大した斜視図。
【図17】固定手段としてのTボルトブロックを示す三面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の被試験物の固定用基台の一実施例を示す。
本実施例における固定用基台は、被試験物が載置固定される基台本体1と、該被試験物等を固定するために使用されるTナットブロック2と、を備えている。
図1及び図2に示すように、上記基台本体1は、平面視で四角形状をなし、基礎板3と、該基礎板3の上面に配置されている複数個の表面板4とを有している。
上記表面板4は、平面視で正方形状の座部4Aと、該座部4Aの頂部に配された平面視で正方形板状の板部4Bと、からなり、平面視で該座部4Aの面積よりも該板部4Bの面積を大きくすることにより、その周縁部に蟻溝5が形成されている。また複数個の表面板4は、互いの間に若干の間隙を介するようにして上記基礎板3の上面に碁盤目状に配置されており、ネジ4Cを用いることで該基礎板3に固定されている。そして、隣り合う一対の表面板4の間には、相対する蟻溝5により、断面T字形状のT溝6が形成されている。
【0010】
上記複数個の表面板4の上面により、固定用基台の被試験物載置面7が形成される。
上記T溝6は、該複数個の表面板4が碁盤目状に配置されているため、平面視で四角形状をなす被試験物載置面7上で、縦方向及び横方向に延びる格子状をなすように設けられている。
また上記T溝6は、上記座部4Aと、上記板部4Bと、が平面視で正方形状に形成されていることにより、基台本体1の何れの箇所においてもT溝6の断面形状が全て同一になっており、上記被試験物載置面7の縦方向及び横方向の何れの方向においてもT溝6相互の間隔(つまりT溝6間のピッチ)が全て同一になっている。
【0011】
図2に示すように、上記Tナットブロック2は、上記T溝6に対応する断面逆T字形状に形成されている。該Tナットブロック2にはネジ穴8が、該Tナットブロック2の上面で開口し、かつ該Tナットブロック2の厚み方向(上記基台本体1の厚み方向でもあり、略鉛直方向)に設けられている。上記Tナットブロック2は複数個が準備されており、上記基台本体1の上記T溝6内に挿入されて使用され、また該T溝6内を摺動自在に構成されている。
【0012】
上記固定用基台は、機枠9と合わせることで被試験物の試験装置を構成する。
図3に示すように、上記機枠9は、四角枠状の底枠10と、該底枠10の四隅からそれぞれ立設された枠柱11と、上記枠柱11の上端に差し渡された四角枠状の天枠12とからなる。
上記底枠10は、所定のサイズに設定されることで、その内側に上記固定用基台の基台本体1が適嵌されている。
上記枠柱11の2つの外側面には、加負荷手段を取り付けるためのレール13がそれぞれ1本ずつ取り付けられている。またレール13の外面には、該加負荷手段の上下位置を合わせるための目盛り(図示略)が設けられている。
【0013】
上記加負荷手段は、被試験物に負荷を与えて安定性や強度を測定するためのものであり、その一例を以下に示す。
図4に示すように、加負荷手段は、エアシリンダー14と、該エアシリンダー14のロッド15に取り付けられている押圧板16と、該エアシリンダー14を支持する取着枠17と、からなる。
上記取着枠17は、上下二本の横桟18,18と、該上下二本の横桟18,18を両端部で連結する各一対ずつの縦桟19,19と、該一対の縦桟19,19に支持されて外方に差し出された回転軸棒21,21とからなる。
上記エアシリンダー14は、ロッド15を外部へ差し出した状態で支持枠22内に収容されており、押圧板16は、支持枠22の外側に配置されている。該支持枠22は、エアシリンダー14のロッド15が上記取着枠17の横桟18,18と直交する方向へ延びるようにして、ボルト23を用いて上記取着枠17の横桟18,18に固定されている。
【0014】
上記取着枠17は、上記機枠9に対し、図5,図6に示すような、取付具24と、軸棒挟持具25とを用いて固定される。
上記取付具24は、その根端部に上記レール13の溝に適嵌されるT字形状の取付座24Aが突設されており、該取付座24Aを上記レール13内に挿入することで、該レール13に対して上下動自在とされる。
上記取付具24には、第1固定ハンドル26Aが設けられており、該第1固定ハンドル26Aを締め付けることで、該第1固定ハンドル26Aから延びる固定ネジ26Bの先端が上記レール13の内面に圧接されて、該取付具24が上記レール13の所定位置に固定される。
上記取付具24の上面には、取付凹部24Bが設けられている。上記軸棒挟持具25は、その根端部にフランジ25A,25Bが上下に差し出されており、該下側のフランジ25Bが上記本体部24Bの取付凹部24Bに挿入される。そして、上記取付具24には第2固定ハンドル27が設けられており、該第2固定ハンドル27を締め付けることで、該取付具24の取付凹部24Bに挿入された上記軸棒挟持具25のフランジ25Bが固定される。
上記軸棒挟持具25には軸孔28が設けられている。該軸孔28には、上記取着枠17の回転軸棒21,21が挿入される。そして上記軸棒挟持具25に対して上記取着枠17を、上記回転軸棒21,21を回転軸として回転させることにより、上記取着枠17を所定の角度に調整することができる。また上記軸棒挟持具25には締付ネジ29が設けられており、該締付ネジ29を締め付けることで、該軸孔28が縮径し、取着枠17の回転を規制し、固定することが可能となる。
【0015】
本実施例では固定手段として、図7に示すような底面部31Aと、正面部31Bとからなる断面L字状の鋼材からなるストッパー30を使用する。該ストッパー30の底面部31Aには、3個のボルト貫通穴32が設けられている。また該3個のボルト貫通穴32相互の間隔は、上記T溝6間のピッチと同一になるように設定されている。
上記ストッパー30の固定については、上記基台本体1のT溝6内のTナットブロック2の3個を所定位置に移動させる。次いで、Tナットブロック2のネジ穴8と、ストッパー30のボルト貫通穴32とを相互に位置合わせしつつ、図8に示すように、該ボルト貫通穴32を介してボルト33をネジ穴8に螺入し、締め付けることで、基台本体1の被試験物載置面7にストッパー30を固定する。
上記のようにストッパー30を基台本体1上の所定位置に固定した後、例えばJIS T9261 福祉用具ポータブルトイレの性能試験を行う。
即ち、後方安定性試験であれば、被試験物であるポータブルトイレの後脚を上記ストッパー30にあてがい、該ポータブルトイレの座面に質量60kgのおもりを載せた状態として、該ポータブルトイレの背もたれ中央部に対し、上記加負荷手段の押圧板16を介して140Nの水平力を後方に加える。
【0016】
図9に示すように、固定手段である上記ストッパー30Aは、ボルト貫通穴32に代えて、ボルト貫通スリット32Aを設けてもよい。該ストッパー30Aにおいても、該ボルト貫通スリット32Aを介してボルト33をネジ穴8に螺入して基台本体1に固定する。
【0017】
被試験物が手すりの場合について説明する。
該手すりにおいては、固定手段として台座42が使用される。
図10に示すように、台座42は、四隅にボルト貫通穴43が設けられた板状をなし、その中央部分に固定筒42Aが凸設されている。また、これらボルト貫通穴43相互の間隔は、上記T溝6間のピッチと同一になるように設定されている。
上記手すり40は、支柱41を有しており、該支柱41の下端は、上記台座42の固定筒42Aに挿入されている。
図11に示すように、上記支柱41の上端には、手すり40の手すり棒44を挿通して支持する支持筒41Aが取り付けられている。
図12に示すように、上記ボルト貫通穴43を介してボルト33をTナットブロック2のネジ穴8に螺入することにより、上記手すり40の支柱41は、上記台座42を介して基台本体1の所定位置に固定される。
上記支柱41は、例えば図13に示すように直線状に3個配置され、あるいは図14に示すようにくの字状に3個配置され、各支柱41の間に手すり棒44が架設されて、手すり40が構成される。そして該手すり棒44の所定個所を上記加負荷手段の押圧板16を用いて所定の力で押圧することにより、該手すり40における支柱41や手すり棒44の変形の度合い等を試験する。
【0018】
図15に示すように高低差を有する手すり40Aに対しては、上記支柱41を、内筒41Aと外筒41Bとからなる望遠鏡状に伸縮可能なものとすることで、高低を調節する。
また図16に示すように、上記台座42は、ボルト貫通穴43に代えてボルト貫通スリット43Aが設けられたものとしてもよい。
【0019】
図17には他の実施例が示される。
本実施例においては、被試験物の移動を抑制するための固定手段59を被試験物載置面7上に固定するべく、断面逆T字形状の摺動ブロック50から上方にネジ軸51を差し出してなるTボルトブロック52を用いる。該Tボルトブロック52のネジ軸51は、固定板53に設けられたスリット54に挿通されており、また該ネジ軸51には締め付けナット55が螺着されている。
更に上記固定板53の安定化を図るべく、該固定板53の根端部にネジ穴56が設けられ、該ネジ穴56に対して、座板57から立設したネジ軸58が螺入されている。
上記構成にあっては、上記Tボルトブロック52の摺動ブロック50を上記基台本体1のT溝6内に挿入し、所定位置にて上記締め付けナット55を締め付けて固定板53を下方に押圧することで、被試験物の固定手段59を基台本体1の被試験物載置面7と、該固定板53との間に挟持固定する。また同時に、ネジ軸58の該固定板53のネジ穴56に対する螺合度を調節し、座板57を上記基台本体1の被試験物載置面7上に載置することで該固定板53の根端部を支持する。
なお上記固定手段59は、上記被試験物載置面7と上記固定板53との間に挟持固定可能な形状のものであれば特に限定されず、望ましくは板状のもの、あるいは周縁から鍔状(フランジ状)部分が延設されているものであり、その形状の具体例としては、上記のストッパー30や台座42に似た形状のものが挙げられる。また上記固定手段59が上記のストッパー30や台座42に似た形状のものである場合、上記したボルト貫通穴32,43やボルト貫通スリット32A,43Aが設けられていないものであっても、固定手段59であるストッパーや台座を被試験物載置面7上に固定することが可能である。さらに、上記したように手すり40を固定するべく台座を複数使用する際に該複数の台座の厚さが相互に異なるような場合であっても、本実施例では複数の台座をそれぞれ固定することが可能であり、本実施例は、厚さにばらつきがある固定手段59に対応できるという利点を有する。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明にあっては、試験を行う際、被試験物のサイズや形状によらず、該被試験物を基台に簡単に支持固定することができ、もってJIS規格試験等の試験を簡便に行うことが可能になるから、本発明は産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 基台本体
2 Tナットブロック
6 T溝
7 被試験物載置面
30 ストッパー
42 台座
32,43 ボルト貫通穴
32A,43A ボルト貫通スリット
50 摺動ブロック
51 ネジ軸
52 Tボルトブロック
53 固定板
54 スリット
55 締め付けナット
56 ネジ穴
57 座板
58 ネジ軸



【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験物を載置するための被試験物載置面が設けられた基台本体を有し、
上記被試験物載置面に、断面T字状をなすT溝を所定方向に延びるように設け、
上記T溝内には、該T溝の形状に対応する断面逆T字形状のTナットブロックの複数個を摺動可能に挿入することで、
上記被試験物載置面上における上記被試験物の移動を抑制する固定手段を、該Tナットブロックに螺着可能に構成されている
ことを特徴とする被試験物の固定用基台。
【請求項2】
上記固定手段は、ボルト貫通穴および/またはボルト貫通スリットが複数個貫設された鋼材からなるストッパーであり、
上記ストッパーは、上記T溝内で摺動させることで上記被試験物載置面の所定位置に配置された上記Tナットブロックの複数個に対し、上記ボルト貫通穴および/またはボルト貫通スリットを介し、ボルトを用いて止着されており、
被試験物の下縁を上記ストッパーに当接支持させるようにした
請求項1に記載の被試験物の固定用基台。
【請求項3】
上記固定手段は、ボルト貫通穴および/またはボルト貫通スリットが複数個貫設された台座であり、
上記台座は、上記T溝内で摺動させることで上記被試験物載置面の所定位置に配置された上記Tナットブロックの複数個に対し、上記ボルト貫通穴および/またはボルト貫通スリットを介し、ボルトを用いて止着されており、
被試験物を上記台座に支持固定させるようにした
請求項1に記載の被試験物の固定用基台。
【請求項4】
被試験物を載置するための被試験物載置面が設けられた基台本体を有し、
上記被試験物載置面に、断面T字状をなすT溝を所定方向に延びるように設け、
上記T溝の形状に対応する断面逆T字形状の摺動ブロックと、該摺動ブロックから上方に差し出されたネジ軸と、からなるTボルトブロックの複数個を、該摺動ブロックを介して摺動自在に上記T溝内に挿入し、
上記Tボルトブロックのネジ軸に対し、スリットが設けられた固定板を、該スリットを介して挿通し、
上記固定板の上側から上記ネジ軸にナットを螺着し、
上記被試験物載置面上における上記被試験物の移動を抑制する固定手段を、上記固定板と上記基台本体の被試験物載置面との間で挟持固定するようにした
ことを特徴とする被試験物の固定用基台。
【請求項5】
上記固定板には更にネジ穴が設けられており、
上記ネジ穴には、座板から回転可能に立設されたネジ軸が螺着されており、
上記座板は上記基台本体の被試験物載置面上に載置されている
請求項4に記載の被試験物の固定用基台。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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