説明

補強インサート付グローブ

【課題】人間の手を受け入れることができる運動用グローブを提供する。
【解決手段】グローブ100は、掌側部分及び手の甲部分を有する外側グローブシェル102と人差指被覆部106、中指被覆部108、薬指被覆部110、小指被覆部112並びに親指被覆部114を形成するように一体に結合される内側グローブライナー104を備えている。グローブウェブ部材118は、親指被覆部114と人差指被覆部106との間に結合され、かつ延在する。中間層は、外側グローブシェル102と内側グローブライナー104との間に配置される。1つ以上の低弾性補強インサート120,122.124は、外側グローブシェル102の掌側部分130に付着される。インサート120,122.124は、外側グローブシェル102の伸長量を制限することによるグローブの反復使用後も、外側グローブシェル102の一体性を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運動用グローブに関するものである。より詳細には、本発明は1つ以上の一体性を向上させたインサート付の運動用グローブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
様々な運動用グローブが、スポーツにおいて、パフォーマンスを向上するために広く使用されている。野球やソフトボールのようなスポーツでは、選手は一般的に、飛球、送球、ライナーを捕り、ゴロをさばくために、投げ手でない方の手にグローブをつける。グローブは一般的に、皮革のような耐久性のある外側シェル、内側ライナー及び1つ以上の中間層でできている。中間層は、従来、フェルト又は皮革でできており、そのグローブに対して緩衝性、支持性及び剛性を与えるものである。
【0003】
皮革製グローブは、従来、軟化物質を皮革に塗布する「慣らし」処理によって、選手のパフォーマンスに適合するように形作られる。次いで、グローブは、所望の位置に拘束され、又はその他の態様で保持することができる。ある一定の時間が経過した後、グローブは乾き、所望の形状を持つようになる。名前が暗示するように、グローブの慣らしは、グローブの構造的一体性に、悪影響を及ぼす。グローブ、及び特に外側シェルの一体性は、グローブの繰り返しの開閉及び通常使用中の捕球又はさばいた球からの衝撃によっても、悪影響を受ける。慣らし処理中に、又は通常使用中に加わる力は、とりわけグローブ層を伸長させることによって、グローブの構造的一体性を劣化させる。グローブ層の伸長及び損傷を引き起こす力が継続的に加わることで、やがて、グローブの交換が必要となる。
【発明の概要】
【0004】
本概要は、以下の詳細な説明で更に記述される概念の中から選定されたものを簡潔に紹介するものである。本概要は、特許請求の範囲に記載された発明特定事項の重要な特徴又は本質的特徴を特定するよう意図しておらず、また、特許請求の範囲に記載された発明特定事項の範囲の決定を補助することを意図するものでもない。
【0005】
人間の手を受け入れることができる運動用グローブが提供される。グローブは、掌側部分及び手の甲部分を有する外側グローブシェルを備えている。掌側部分は、掌部分、四指部分、及び親指部分を有する。外側グローブシェル及び内側グローブライナーは、人差指被覆部、中指被覆部、薬指被覆部、小指被覆部、親指被覆部並びに人間の手を受け入れることができる開口部分を一体に形成するように結合される。開口部分は、四指被覆部の反対に位置し、かつ四指被覆内に指を伸ばした状態で、及び親指被覆内に親指を伸ばした状態で使用者がグローブを装着するとき、ほぼ使用者の手首に対応する。グローブウェブ部材は、親指被覆部と人差指被覆部との間を結合し、かつ延在する。中間層は、外側グローブシェルと内側グローブライナーとの間に位置する。中間層は、グローブに対して緩衝性及び剛性を与える。低弾性補強インサートは、外側グローブシェルの掌部分の内側表面に付着される。前記インサートは、外側グローブシェルより低い弾性を有し、インサートは、外側グローブシェルの伸長量を制限することによるグローブの反復使用後も、外側グローブシェルの一体性を維持する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、本発明の一実施例に従う外側グローブシェルの掌側部分の内側表面に付着される3つの補強インサート付模範的運動用グローブの斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例に従う外側グローブシェルの掌側部分の内側表面に付着される6つの補強インサート付模範的運動用グローブの展開斜視図である。
【図3】図3は、模範的構成において付着される6つの補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図4】図4は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図5】図5は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図6】図6は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図7】図7は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図8】図8は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図9】図9は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図10】図10は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図11】図11は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図12】図12は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図13】図13は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図14】図14は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図15】図15は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図16】図16は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図17】図17は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図18】図18は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図19】図19は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図20】図20は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図21】図21は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図22】図22は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図23】図23は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図24】図24は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図25】図25は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図26】図26は、追加の模範的構成において付着される補強インサートを有する外側グローブシェルの掌側部分の内側表面の斜視図である。
【図27】図27は、本発明の一実施例に従うグローブ層を示す、グローブの部分断面における側面図である。
【図28】図28は、本発明の一実施例に従う3つのインサートを有するグローブ層を示す、グローブの部分断面における側面図である。
【図29】図29は、補強インサートが中間層に付着される本発明の一実施例に従うグローブ層を示す、グローブの部分断面における側面図である。
【図30】図30は、補強インサートが中間層に付着される本発明の一実施例に従う3つのインサートを有するグローブ層を示す、ローブの部分断面における側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、添付の図面を参照しつつ以下に詳細に説明される。
野球及びソフトボールにおいて使用される従来のグローブにおいて、グローブ層、特に外側グローブシェルは、しばしば損傷し、経時的に構造的一体性が劣化する。構造的一体性は、とりわけ、グローブ層を伸長することによって、悪影響を受け得る。本発明は、従来のグローブと比較して通常使用中に外側グローブシェルの伸長量を大きく減少させる低弾性の補強インサートを有する運動用グローブを提供する。本発明の各実施例は、図1〜30に示す。
【0008】
図1は、運動用グローブ100を示す。グローブ100は、外側グローブシェル102を備えている。外側グローブシェル102は、皮革や合成皮革のような耐久性のある材料でできている。内側グローブライナー104は、実質的に外側グローブシェル102の内側にあり、外側グローブシェル102と結合することで、人差指被覆部106、中指被覆部108、薬指被覆部110、小指被覆部112、親指被覆部114、及び開口部分116を形成する。開口部分116は、ヒトの手を受け入れることができ、また、指被覆部106、108、110及び112の反対に位置する。
【0009】
グローブウェブ部材118は、人差指被覆部106と親指被覆部114との間を結合し、かつ延在する。グローブウェブ部材118は、実質的に一体物として、又は織物として、あるいは係合し、又は重ねられて結合する一片以上の材料で構成することができる。グローブウェブ部材118は、ボールを捕球し、さばき及び/又は保持するよう使用されるグローブ100の「ポケット」を作る。
【0010】
グローブ100は、左手を受け入れるように設計されている。右手を受け入れるように設計されたグローブも想定され、本発明の範囲内である。単純化のために、図面には、左手を受け入れるように設計されたグローブのみが示されている。
【0011】
ある実施例では、内側グローブライナー104は、外側グローブシェル102よりも薄い皮革、又は合成皮革でできている。内側グローブライナー104は、複数の材料片から形成することができ、グローブ100の内側表面の相当部分又は全てを構成することができる。グローブを装着するとき、使用者の指が接触する四指被覆部106、108、110及び112並びに親指被覆部114の部分は、内側グローブライナー104の一部分となることができる。内側グローブライナー104及び外側グローブシェル102は、他の場所の間で、開口部分116に沿って結合することができる。
【0012】
グローブ100は、外側グローブシェル102と内側グローブライナー104との間に、1つ以上の中間層(図1に示さず)を有する。中間層はグローブ100に対して緩衝性、支持性、及び剛性を与える。ある実施例では、中間層はフェルト又は皮革でできている。ある一定量の剛性又は緩衝性を与えるために特別な厚さが望まれる場合、付加的な中間層又はより厚い中間層を使用して、所望の厚さを得ることができる。ある実施例では、外側グローブシェル102は、掌領域をより薄くして、付加的な衝撃性を付与する。
【0013】
外側グローブシェル102は、掌側部分130及び手の甲部分(図1に示さず)を備えている。掌側部分130は、掌部分132、親指部分134並びに指部分136、138、140及び142を備えている。低弾性補強インサート120、122及び124はそれぞれ、掌側部分130(図1に示さず)の内側表面に付着される。インサート120は、親指部分134に付着され、インサート122は指部分142に付着され、そしてインサート124は掌部分132に付着される。補強インサート120、122及び124は、外側グローブシェル102の伸長量を制限することにより、グローブの反復使用後も、外側グローブシェル102の一体性を維持する。外側グローブシェル102の一体性が維持されることで、望まれるよりも簡単に一緒に潰れ、又は望ましい方法で潰れないことにより生ずる性能への悪影響を減少させる。
【0014】
本明細書における「低弾性」とは、低弾性インサートが付着される又は取り付けられる材料の弾性より低い弾性を意味する。ゆえに、グローブ100に関して、低弾性補強インサート120、122及び124は外側グローブシェル102の掌部分130の内側表面に付着されることから、インサート120、122及び124は、外側グローブシェル102の弾性よりも低い。インサート120、122及び124の低弾性は、インサートが付着される外側グローブシェル102の弾性を効果的に減少させ、それゆえ外側グローブシェル102が伸長できる量を減少させる。
【0015】
ある実施例では、グローブは少なくとも1つの補強インサートを有する。他の実施例では、グローブは少なくとも2つの補強インサートを有する。低弾性補強インサート120、122、及び124は、それらが取り付けられる外側グローブシェル102の部分の一体性を維持する任意の柔軟な低弾性材料でできている。一実施例では、前記材料は、空気及び水に対して浸透性がある。ある実施例では、インサート120、122及び124は柔軟な、不織ポリエステル材料でできている。特定の例では、インサート120、122及び124は、不織ポリエステル材料(Texon International Group, Ltd製)でできている。
【0016】
インサート120、122及び124は、縫製、積層又は他の方法によって、外側グローブシェル102の掌側部分130の内側表面に付着することができる。ある実施例では、補強インサートは、選定される位置において外側グローブシェル102の掌部分130の内側表面に付着され、かつ形成される。これにより、選定位置におけるグローブの一体性を維持し、選定位置のグローブの折り目が最小化される。補強インサートの選定位置も、選定位置以外に所望位置においてグローブに折り目をつけさせるよう選定することができる。
【0017】
例えば、グローブが親指被覆部と指被覆部との間から、掌の中央を横切る対角線上で折り目をつけないことが望ましい場合には、低弾性補強インサートを、外側グローブシェル102の掌側部分130における掌部132に付着することができる。インサートは、外側グローブシェル102が、伸長し、経時的に一体性が劣化し、また展開するための折り目をつけることを防ぐ。同様に、もし折り目が特定領域に望まれる場合、補強インサートを、所望の折り目のいずれの側においても外側グローブシェル102に付着することができる。これにより、折り目は、インサートが付着されたところでは展開することを防ぐが、所望位置では折り目を展開させることができる。
【0018】
ある実施例では、グローブ100は、野球もしくはソフトボールの捕手用ミット又は一塁手用ミットである。グローブは、一般的に、別個の指被覆部として明らかに見分けられる指被覆部、すなわち被覆部106、108、110及び112を有し、これらは1つ以上の点において一体に結合される。例えば、被覆部106、108、110及び112は、被覆部の端部近くにおいて一体に縫い合わせられる。グローブの指被覆部は、指被覆部の全長に沿って一体に結合する必要はない。被覆部の端部近くで結合するけれども、指被覆部106、108、110及び112は、例えば、それぞれの指被覆部の長さの大部分に沿って一体に結合されない。
【0019】
対照的に、ミットの指被覆部は、一般的に、外側グローブシェルの掌側部分を主として見たとき、別個の指被覆部として明確に視認することができない。ミットの外側グローブシェルにおける掌側部分の指部分は、一般的に、連続的な材料片を形成するよう一緒に結合される。例えば、グローブ100が一塁手用ミットである場合、外側グローブシェル102の掌側部分130における指部分136、138、140及び142は1つの連続片になる。指被覆部106、108、110、及び112は、掌側部分130を主として見たときには、指被覆部として別個に視認されないけれども、なお存在する。指被覆部106、108、110及び112は、外側グローブシェル102の手の甲部分が見られるとき、別個の被覆部として視認される。
【0020】
図2は、グローブ100の分解斜視図であって、グローブ100を形成するために一体に結合される模範的な層を示す。外側グローブシェル102の掌側部分130の内側表面に付着されるのは、低弾性補強インサート120、122及び124である。本明細書を通して、インサートは、掌側部分130の内側表面に取り付けられるよう示され、記述される。掌側部分130の内側表面は、グローブを装着するとき使用者の手に接近する表面であり、グローブが意図されるように使用されるときには一般的に視認されない。インサートを掌側部分130の外側表面に取り付けられることができるので、グローブを装着する間も、インサートが見えるようにすることも考えられる。ある実施例では、掌側部分130は複数層で構成され、またインサートを層の間に埋設する。他の実施例では、インサートは、少なくとも1つの中間層に付着されることで、中間層が伸縮して一体性が劣化することを防ぐ。更なる実施例において、インサートは外側グローブシェル102の手の甲部分に付着することができる。
【0021】
中間層200は、小指中間層部分202、指中間層部分204及び親指中間層部分206の3片を備えている。他の実施例では、中間層200は、外側グローブシェル102の掌側部分130の範囲と実質的に同じ範囲を有する1つの連続する材料片である。指中間層部分204は、グローブ100の3つの指被覆部に対して緩衝性及び剛性を与える。ある実施例では、指中間層部分204は、各指被覆部に対応する1つとして、3片に分解することができる。図2に示すように、小指中間層部分202、指中間層部分204及び親指中間層部分206は、使用者の指が届かない場所において、グローブ100に対する剛性を与える。例えば、親指中間層部分206は、受け入れた親指が届かないグローブ100に対して剛性を与えるために、受け入れた親指と並んで置かれ、かつ、親指を越えて延在するように形作られている。このように、中間層200は、受け入れた手が届かない場所においてグローブを「塞ぐ」。
【0022】
グローブ100は、多数の片で構成された多数の中間層を含むことができる。ある実施例では、中間層は、グローブの特定部分(例えば、グローブの掌、親指、指先のみ)において存在のみする。他の実施例では、追加の中間層が、追加の緩衝性及び剛性を与えるために、グローブの特定部分又はグローブ全体に存在する。
【0023】
図2に示すように、中間層200の各片は、複数の層を含む。ある実施例では、複数の層は、所望の厚さを得るために使用される。内側グローブライナー部分208、210及び212は、内側グローブライナーを形成するよう一体に結合される。内側グローブライナーは、グローブ100を正しく装着するときに使用者の手が主に接触するグローブ100の部分である。手の甲部分214及び216は、外側グローブシェル102の手の甲部分を形成する。外側グローブシェル102の手の甲部分は、外側グローブシェル102の掌側部分130と結合し、図2に示す残りの層は、手の甲部分と掌側部分130との間に付着される。
【0024】
低弾性補強インサートは、数及び位置を問わず、外側グローブシェル102の掌側部分130の内側表面に付着されることができる。ある実施例では、補強インサートは、実質的に、掌側部分130の全範囲に及ぶ。図3〜26は、様々な模範的構成において付着される低弾性補強インサートを有する外側グローブシェルの模範的掌側部分の内側表面を示す。図3〜26におけるインサートは、濃淡で示される。追加の構成も可能である。
【0025】
図3は外側グローブシェルの掌側部分130の内側表面を示し、掌部分302、親指部分304、及び指部分306、308、310及び312を含む。掌部分302は、掌側部分300が一部であるグローブを装着するとき使用者の掌と対応する掌側部分300の領域とほぼ同等の範囲を有する。親指部分304及び指部分306、308、310及び312はそれぞれ、掌部分302から延在する。低弾性補強インサート314、316、318、320、322及び324は、掌側部分300の伸長量を大きく減少させるよう、掌側部分300の掌部分302、親指部分304及び指部分306、308、310及び312にそれぞれ、付着される。インサート316、318、320、322及び324は、実質的に、掌側部分300の対応する指又は親指と同じ長さである。
【0026】
図4は、外側グローブシェルの掌側部分400の内側表面を示す。図3の掌側部分300と比較すると、掌側部分400は、ウェブ部分402を含む。
【0027】
図5〜26は、掌側部分の内側表面に付着される低弾性補強インサートの様々な構成を示す。掌側部分は、図3の掌側部分300、又は、ウェブ部分を有する図4の掌側部分400のいずれかと同様に形作られる。図5〜26に示すインサートの数、形状、及び位置は、模範的なものである。追加の構成は本発明の意図するところであり、かつ本発明の範囲内の事項である。
【0028】
ある実施例では、図5及び6に示す実施例のように、複数のインサートは、掌部分に付着される。複数のインサートを掌部分に取り付けるとき、インサートは、選定される位置において掌部分に形作り、付着することができる。それによって、選定位置のグローブの一体性は維持され、選定位置におけるグローブの折り目を最小化することができる。他の実施例において、図9及び12のように、インサートは部分的に掌部分に付着される。図9及び12において、材料の1つの連続片であるインサートは3つの指部分に付着され、そしてインサートは中間層の掌部分上に部分的に留まる。図10において、インサートは中間層のウェブ部分上に配置される。図示されていない他の実施例では、指部分に付着されるインサートは、指部分の長さの部分にのみ延在する。図示されていない更なる実施例では、補強インサートは、補強インサートが付着される掌側部分の範囲と実質的に同じ範囲を有する。上述した様に、外側グローブシェルの掌側部分における内側表面に付着される低弾性補強インサートの数、形状、及び位置は、様々に考えられる。
【0029】
図27は、部分グローブ断面500における正面図であって、外側グローブシェルの掌側部分の内側表面に付着される低弾性補強インサートを有するグローブ100の層を示す。中間層200は、外側グローブシェルの掌側部分130と内側グローブライナー104との間に埋設する。低弾性補強インサート502は、掌側部分130の内側表面に付着される。図27において、層130、200及び104は、層の間に空間を有して示される。ある実施例では、層130、200及び104は一体に結合される。他の実施例では、中間層200は省略し、又は追加の中間層が組み込まれる。
【0030】
図28はグローブ100の部分断面600における側面図であって、グローブ100を構成する層及びインサートを示す。中間層200は、外側グローブシェル102の掌側部分130と内側グローブライナー104との間に埋設する。低弾性補強インサート120、122及び124は、掌側部分130の内側表面に付着される。掌側部分130の掌部分に付着される補強インサート124の厚さは、掌側部の親指及び小指にそれぞれ付着されるインサート120及び122よりも薄い。このような構成は、対応する親指及び小指被覆部が、グローブの掌部より僅かに高い程度の緩衝性及び剛性を維持することを可能にする。
【0031】
図29は部分グローブの断面700の側面図であって、中間層200に付着される低弾性補強インサート702を有するグローブ100の層を示す。例えば、インサート502は、中間層200の一体性を向上させる。中間層200は、外側グローブシェル102の掌側部分130と内側グローブライナー104との間に埋設する。上述したように、低弾性インサートは、それらが付着される材料の弾性よりも低い弾性を有する。図29では、インサート502はそれゆえ中間層200の弾性よりも低い弾性を有する。
【0032】
図30はグローブ100の部分断面800の側面図であって、グローブ100を構成する層及びインサートを示す。中間層200は、外側グローブシェル102と内側グローブライナー104との間に埋設する。低弾性補強インサート120、122及び124は、中間層200に付着される。補強インサート124は、親指被覆部及び小指被覆部にそれぞれ埋設するインサート120及び122よりも薄い。このような構成は、対応する親指及び小指被覆部が、グローブの掌部より僅かに高い程度の緩衝性及び剛性を維持することを可能にする。
【0033】
本発明は、野球グローブ、ソフトボールグローブ、ティーボールグローブ及び物体をさばいたり捕ったりするために使用される他のグローブを含む。
【0034】
本発明を特定の実施例に関して説明してきたが、かかる実施例は制限的というよりむしろ例示的であることを意図するものである。代替例は、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明が属する分野の当業者にとって明白である。
【0035】
前述から、本発明は掲げる全ての目的及び目標を達成するよう良く適合され、システムと方法に明らかであり固有である他の利点を有することが理解できる。特定の特徴及びその組合せは、有益であり、他の特徴及びその組合せと関係なく用いることができる。これは、特許請求の範囲の意図するところであり、かつ特許請求の範囲内の事項である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の手を受け入れることができる運動用グローブであって、外側グローブシェル、内側グローブライナー、グローブウェブ部材、中間層及び低弾性補強インサートを備え、
前記外側グローブシェルは、掌側部分及び手の甲部分を有し、前記掌側部分は掌部分、四指部分、及び親指部分を有し、
前記内側グローブライナーは、実質的に内側にあり、人差指被覆部、中指被覆部、薬指被覆部、小指被覆部、親指被覆部、並びに人間の手を受け入れることができる開口部分を形成するように外側グローブシェルに結合され、
前記開口部分は、四指被覆部の反対に位置し、かつ四指被覆内に指を伸ばした状態で、及び親指被覆内に親指を伸ばした状態で使用者がグローブを装着するとき、ほぼ使用者の手首に対応し、
前記グローブウェブ部材は、親指被覆部と人差指被覆部との間を結合され、かつ、延在し、
前記中間層は、外側グローブシェルと内側グローブライナーとの間にあって、グローブに対する緩衝性及び剛性を与えており、
前記低弾性補強インサートは、外側グローブシェルの掌側部分の内側表面に付着され、外側グローブシェルよりも低い弾性を有し、外側グローブシェルの伸長量を制限することによるグローブの反復使用後も、外側グローブシェルの一体性を維持する
ことを特徴とする運動用グローブ。
【請求項2】
前記補強インサートが、柔軟で、かつ不織のポリエステル材料でできている請求項1記載の運動用グローブ。
【請求項3】
前記補強インサートが、接着剤を用いて、外側グローブシェルの掌側部分の内側表面に付着される請求項1記載の運動用グローブ。
【請求項4】
前記補強インサートが、選定位置でグローブの一体性を維持するように選定される位置において、選定位置におけるグローブの折り目が最小化されるように、外側グローブシェルの掌側部分の内側表面に形作られ、付着される請求項1記載の運動用グローブ。
【請求項5】
グローブは野球グローブ又はソフトボールグローブのうちの1つである請求項1記載の運動用グローブ。
【請求項6】
前記グローブはミットであり、前記外側グローブシェルの掌側部分における四指は連続片を一体に形成するよう結合される請求項1記載の運動用グローブ。
【請求項7】
前記補強インサートは、親指部分又は指部分のうちの少なくとも1つに付着される請求項1記載の運動用グローブ。
【請求項8】
掌側部分の内側表面に付着される追加の補強インサートを少なくとも1つ更に備えており、少なくとも1つの補強インサートは親指部分に付着され、少なくとも1つの補強インサートは指部分に付着される請求項1記載の運動用グローブ。
【請求項9】
少なくとも1つの中間層を更に備えている請求項1記載の運動用グローブ。
【請求項10】
前記補強インサートは、前記外側グローブシェルの掌側部分の範囲と実質的に同じ範囲を有する請求項1記載の運動用グローブ。
【請求項11】
前記補強インサートは掌側部分の掌部分に付着される請求項1記載の運動用グローブ。
【請求項12】
掌側部分の内側表面に付着される追加の補強インサートを少なくとも1つ更に備え、少なくとも1つの追加の補強インサートが掌部分に付着される請求項11記載の運動用グローブ。
【請求項13】
掌側部分の内側表面に付着される追加の補強インサートを少なくとも1つ更に備え、少なくとも1つの追加の補強インサートは親指部分又は指部分に付着される請求項11記載の運動用グローブ。
【請求項14】
掌側部分の内側表面に付着される追加の補強インサートを少なくとも3つ更に備え、少なくとも1つの追加の補強インサートは親指部分に付着され、少なくとも2つの補強インサートはそれぞれ指部分に付着される請求項11記載の運動用グローブ。
【請求項15】
掌側部分の内側表面に付着される追加の補強インサートを少なくとも2つ更に備え、少なくとも1つの追加の補強インサートは親指部分に付着され、少なくとも1つの追加のインサートは指部分に付着される請求項11記載の運動用グローブ。
【請求項16】
掌部分に付着される補強インサートが、親指部分及び指部分に付着される補強インサートよりも薄い請求項15記載の運動用グローブ。
【請求項17】
人間の手を受け入れることができる運動用グローブであって、その運動用グローブは、外側グローブシェル、内側グローブライナー、グローブウェブ部材、少なくとも1つの中間層及び少なくとも2つの低弾性補強インサートを備えており、
前記外側グローブシェルは掌側部分及び手の甲部分を有し、前記掌側部分は掌部分、四指部分、及び親指部分を有し、
前記内側グローブライナーは、実質的に内側にあり、人差指被覆部、中指被覆部、薬指被覆部、小指被覆部、親指被覆部、並びに人間の手を受け入れることができる開口部分を形成するよう外側グローブシェルに結合され、前記開口部分は、四指被覆部の反対に位置し、かつ四指被覆内に指を伸ばした状態で、及び親指被覆内に親指を伸ばした状態で使用者がグローブを装着するとき、ほぼ使用者の手首に対応し、
前記グローブウェブ部材は、親指被覆部と人差指被覆部との間に結合され、かつ延在し、
少なくとも1つの中間層は外側グローブシェルと内側グローブライナーとの間にあり、グローブに対する緩衝性及び剛性を与え、
少なくとも2つの低弾性補強インサートは、外側グローブシェルの掌側部分の掌部分の内側表面に少なくとも付着され、インサートは外側グローブシェルよりも低い弾性を有し、インサートは外側グローブシェルの伸長量を制限することによるグローブの反復使用後も、外側グローブの一体性を維持し、インサートは、選定位置のグローブの折り目を最小化するために選定位置におけるグローブの一体性を維持するよう選定される場所において掌部分の内側表面に形作られ付着されている
ことを特徴とする運動用グローブ。
【請求項18】
前記少なくとも2つの補強インサートの選定位置は、選定位置以外に所望位置においてグローブに折り目をつけさせるよう選定される請求項17記載の運動用グローブ。
【請求項19】
人間の手を受け入れることができる運動用グローブであって、外側グローブシェル、内側グローブライナー、グローブウェブ部材、少なくとも1つの中間層及び少なくとも2つの低弾性補強インサートを備えており、
前記外側グローブシェルは掌側部分及び手の甲部分を有し、前記掌側部分は掌部分、四指部分及び親指部分を有し、
前記内側グローブライナーは、実質的に内側にあり、人差指被覆部、中指被覆部、薬指被覆部、小指被覆部、親指被覆部、並びに人間の手を受け入れることができる開口部分を形成するよう外側グローブシェルに結合され、前記開口部分は、四指被覆部の反対に位置し、かつ四指被覆内に指を伸ばした状態で、及び親指被覆内に親指を伸ばした状態で使用者がグローブを装着するとき、ほぼ使用者の手首に対応し、
前記グローブウェブ部材は、親指被覆部と人差指被覆部との間に結合され、かつ延在し、
少なくとも1つの中間層は、外側グローブシェルと内側グローブライナーとの間にあり、中間層はグローブに対する緩衝性及び剛性を備えており、
少なくとも2つの低弾性補強インサートは、外側グローブシェルの掌側部分の掌部分の内側表面に付着され、インサートは外側グローブシェルより低い弾性を有し、インサートは外側グローブシェルの伸長量を制限することによるグローブの反復使用後も、外側グローブの一体性を維持する柔軟な不織ポリエステルでできており、少なくとも1つのインサートは親指部分に付着され、少なくとも1つの掌部分又は指部分に付着されている
ことを特徴とする運動用グローブ。
【請求項20】
前記インサートは、選定位置以外に主に所望位置にグローブに折り目をつけるために選定位置でのグローブの一体性を維持するよう選定される場所において掌部分の内側表面に形作られ付着されている請求項19記載の運動用グローブ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate


【公開番号】特開2012−148076(P2012−148076A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−5578(P2012−5578)
【出願日】平成24年1月13日(2012.1.13)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)