説明

複合部材の製造方法および同方法により製造される複合部材

【課題】 生産性が高く、環境対策設備が不要で、低コストで製造でき、作業環境および自然環境によく、島繊維間に空隙が均等に確保される複合部材の製造方法および同方法により製造される複合部材を提供する。
【解決手段】 成形収縮率が島部成分≧海部成分の関係にあり、海部2に複数の島部3が点在している態様からなる径断面海島構造の樹脂製棒状体1を押し出し成形し、この棒状体1を適宜長さにカットし、カットされた棒状部材4における一方の元側部5の海部2と島部3を一体化させた状態で、他方の先側部6の海部2を同先側部6における島部3を残して引き取ることにより、元側部5端から複数の島繊維8がそれぞれ空隙9を保ち独立して林立した繊維群10を有する複合部材11を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刷毛,歯間ブラシ,クリーナー等に有用な複合部材の製造方法および同方法により製造される複合部材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な刷毛の場合、天然毛製の刷毛は生産性が極めて低く高価であり、合成繊維からなる刷毛についても生産性が高いとはいえず、キューティクルや凹凸がない上に、繊維間の空隙が少ないために化粧料や薬液などの液体を十分に含み取ることができない不都合がある。
特許文献1には、径断面海島構造のモノフィラメントは植毛のカット長にされた後、または植毛後、そのブラシ毛材の先端部を苛性ソーダ水溶液などの加水分解薬剤に浸漬し、該溶出成分(海部)を部分的または全体を溶出することで繊維の先端のみが極細繊維(島部)に分割された特殊な先端形状を作成することができると記載されている。
ところで、このような海部の溶解除去は時間がかかり、完全に溶解し難いため、生産性が低い。たとえば、アルカリやギ酸による溶解は、溶解して除去するべき海部の体積が過大であるため、溶解に時間がかかりすぎてしまい、生産性が低く、海部の溶解作業により、極細繊維(島部)は溶解液によるダメージを少なからず受けることになる。また、海部がポリビニルアルコール等の水溶性樹脂では、熱水に浸漬することで比較的短時間で溶解除去できる反面、元側部を熱水の蒸気からシャットアウトすることができずに、元側部が軟化してしまい曲がりを生じていた。
さらに、前記した溶解除去手法にともない、設備面でも溶解装置や廃液処理装置や廃ガス処理装置などの環境対策を採り入れた大型のものになるので設備負担が大きく、製造コストが高い問題がある。
【特許文献1】特開平7−231813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする課題は、第1には、生産性が高く、溶解装置や廃液処理装置や廃ガス処理装置等の環境対策設備が不要で、低コストで製造でき、作業環境が良好で、自然環境にもよく、しかも、元側部に曲がりが発生しないようにして、島繊維間に適度な空隙を均等に確保することができる複合部材の製造方法を、第2には、さらに、島繊維が林立する元側部端の径断面を簡単に整えられる複合部材の製造方法を、第3には、さらに、元側部における海部と島部が一体化した状態を機械的作業で済ませられ、作業環境および自然環境にもよい複合部材の製造方法を、第4には、さらに、元側部における海部と島部が一体化した状態を比較的に容易な作業で済ませられる複合部材の製造方法を、第5には、さらに、島繊維間の空隙を通じて内部供給可能に成形可能である複合部材の製造方法を、第6には、元側部に曲がりがなく、島繊維間に適度な空隙を均等に確保して、化粧料や薬液等の各種の粉体や液体を十分に含み取れる複合部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は前記した課題を達成するため、複合部材の製造方法では、以下の構成にしたことを特徴とする。
1.成形収縮率が島部成分≧海部成分の関係にあり、海部に複数の島部が点在している態様からなる径断面海島構造の樹脂製棒状体を押し出し成形し、この棒状体を適宜長さにカットし、カットされた棒状部材における一方の元側部の海部と島部を一体化させた状態で、他方の先側部の海部を同先側部における島部を残して引き取ることにより、元側部端から複数の島繊維がそれぞれ空隙を保ち独立して林立した繊維群を有する複合部材を形成するようにしてあることを特徴とする。
2.前記した1において、カットされた棒状部材における一方の元側部の海部と島部を一体化させた状態で、当該元側部と他方の先側部との間における外側面の海部にスリット状の分離線を径方向に設けて該分離線を境に元側部と先側部に区画した後、この元側部と先側部を前記分離線から折ることで海部のみを分断し、次に先側部の海部を同先側部における島部を残して引き取るようにしてあることを特徴とする。
3.前記した1または2において、元側部における海部と島部の一体化状態を、当該元側部外側面を押圧して海部と島部の接触摩擦抵抗力が先側部における海部の引き取り圧力よりも高くすることで得るようにしてあることを特徴とする。
4.前記した1または2において、元側部における海部と島部の一体化状態を、当該海部と島部双方の基端部分を接合することで得るようにしてあることを特徴とする。
5.前記した1〜4のいずれかにおいて、押し出し成形される棒状体が長手方向に貫通状の通路を有し、元側部端に前記通路が開口し且つ当該通路が複数の島繊維間の空隙と連通するようにしてあることを特徴とする。
そして、複合部材では、以下の構成にしたことを特徴とする。
6.前記した1〜5のいずれかの複合部材の製造方法により製造される複合部材を特徴とする。
【0005】
本発明における径断面海島構造とは海部に複数の島部が点在している態様を指し、かかる径断面海島構造の樹脂製棒状体は成形型から押し出し成形されて長手方向に同一の断面構造を呈している。海部と島部の比は自由であり制限されない。この海部と島部は遊離状すなわち接触しているだけで、相互にフリーであり、島部を残して海部の一部を引き取り自由であり、反対に、海部を残して島部を引き取り自由であるが、海部あるいは島部に軸線方向の負荷を加えない限り両者の接触摩擦抵抗によって海島構造が損なわれることのないようにする。
かかる海部と島部との相互にフリーな接触関係は、成形収縮率が島部成分≧海部成分の関係になるようにすることで得られ、適宜のポリマー種から海部成分そして島部成分として一種〜二種以上が用途および目的に応じて適宜用いられることになる。適宜の樹脂としては、押し出し成形で用いられるポリマーであれば制限がなく、たとえば、ポリエチレン,ポリプロピレン,フッ素系ポリマー,ポリアミド,ポリエステル,ポリメタクリル酸メチル,スチレンメタクリル酸メチルコポリマー,ポリアリレート,ポリ塩化ビニル,ポリビニルアルコール,エチレンビニルアルコールコポリマー,ポリアセタール,ポリウレタン,ポリカーボネート等が挙げられる。棒状体の径および断面形状は任意であり、目的および用途に応じて適宜選択される。島部の径および断面形状についても棒状体と同様で、たとえば丸形,角形,星形等でも、これらの組み合わせでも、同一径あるいは異なる径の組み合わせでもよく、目的および用途に応じて適宜選択されることになる。
カットされた棒状部材における元側部外側面を適宜押し型で押圧する際の押圧力は、海部と島部の接触摩擦抵抗力が先側部における海部の引き取り圧力よりも高ければよく、元側部における島部が抜けることがなく、海部と島部からなる径断面海島構造が変形しない程度になる。海部と島部の接合力についても前記した接触摩擦抵抗力と同様であり、元側部における海部と島部双方の基端部分を接着あるいは熱融着する等して一体化する。
先側部の海部を同先側部における島部を残して引き取る方法は自由であり、たとえば、適宜の箇所から機械的あるいは人為的に折って海部を分断することで引き取るようにしてもよいし、カッターあるいはその他の工具を用いてスリット状の分離線を設けて、当該分離線を境に先側部の海部のみを分断して引き取るようにしてもよい。
スリット状の分離線はカッター等で径方向に設けられるが、棒状部材を軸線回りに回転させてカッターに接触させながら転がす等することにより環状あるいは間欠環状に周設してもよいし、カッターに棒状部材外側面の片面を接触させて片側に設けるようにしてもよい。この分離線におけるスリットの深さは、島部まで達することはなく、海部にのみに形成される深さになり、かかる分離線箇所から元側部および/または先側部が折られた際に負荷が分離線のある海部に集中することで、島部を除く同海部のみが破断されて元側部と先側部に二分されるようにする。
棒状体は、長手方向に通路を有していてもよいし、そうでなくてもよい。通路は、長手方向に貫通状に押し出し成形されていればよく、一本でも複数本であってもよく、成形される複合部材における元側部端に開口し且つ複数の島繊維間の空隙と連通していればよい。この通路の径および断面形は、液を毛細管誘導可能にしてもよいし、液等が通過可能であればよく、制限されない。
【発明の効果】
【0006】
A.請求項1により、生産性が高く、溶解装置や廃液処理装置や廃ガス処理装置等の環境対策設備が不要であるため、低コストで製造できる。
処理が必要な廃液および廃ガスを出さないので、作業環境が著しく改善されるし、自然環境にやさしい。
島繊維が溶解液でダメージを受けず、元側部に曲がりがなく、島繊維間に適度な空隙を均等に確保することができるので、化粧料や薬液等の各種の粉体や液体を十分に含み取れるようにできる。
B.請求項2により、さらに、海部のみの分断を容易にすることができ、島繊維が林立する元側部端の径断面を簡単に整えることができる。
C.請求項3により、さらに、元側部外側面を押圧することで同部における海部と島部が一体化した状態になるため、機械的作業で済ませられる。
D.請求項4により、さらに、元側部における海部と島部の一体化状態を、当該海部と島部双方の基端部分を接合することで得ているため、作業が容易に済む。
E.請求項5により、さらに、通路から島繊維間の空隙を通じて液体等を内部供給できる複合部材を安価に量産することができる。
F.請求項6により、島繊維間に適度な空隙を均等に確保していることで、化粧料や薬液等の各種の粉体や液体を十分に含み取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1には本発明の複合部材の製造方法における実施の1形態を例示しており、以下の各工程を経て製造してある。
第1工程(図1の(a)参照)
押し出し成形装置(図示セズ)を運転することで、成形収縮率が島部成分≧海部成分の関係にあって、海部2に複数の島部3がほぼ等間隔状に点在している態様からなる径断面海島構造の棒状体1を押し出し成形する。
第2工程(図1の(b)参照)
この棒状体1から適宜長さの棒状部材4をカットする。
第3工程(図1の(c)参照)
カットされた棒状部材4における一方の元側部5外側面を押し型14で押圧して、元側部5の海部2と島部3の接触摩擦抵抗力が他方の先側部6における海部2の引き取り圧力よりも高くなるようにすることで、元側部5の海部2と島部3を一体化した状態にする。
第4工程(図1の(d)参照)
元側部5の海部2と島部3が一体化した状態下で、棒状部材4における海部2で形成されている外側面4aにスリット状の分離線7を径方向に周設して該分離線7を境に元側部5と先側部6に区画する。
第5工程(図1の(e)参照)
元側部5の海部2と島部3が一体化した状態下で、元側部5に対して先側部6の海部2を前記分離線7から折る。
第6工程(図1の(f)参照)
元側部5の海部2と島部3が一体化した状態下で、先側部6の海部2を、同先側部6における島部3を残して引き取ることにより、元側部端5aから複数の島繊維8がそれぞれ互いに空隙9を保ち独立して林立した繊維群10を有する複合部材11(図2参照)を形成してある。
【0008】
前記した各工程を経て製造された複合部材11は、元側部端5aから37本の島繊維8がそれぞれ軸線方向に直線的にまっすぐ伸び、互いに元側から先側まで均等に空隙9を保ちながら独立して林立した島繊維8からなる繊維群10を有するものであった。
以下に複合部材11のデータの一例を示す。
外径:2.0mm
全長:50mm
元側部長さ:30mm
繊維群長さ:20mm
島部径:0.2mm
海部:ポリメタクリル酸メチル樹脂(デルペットSR6200旭化成製)成形収縮率0.3%
島部:ポリエチレン樹脂(ハイゼックス5305E三井化学製)成形収縮率3.0%
島数:37
海/島=63/37(面積比%)
【0009】
図3には本発明の複合部材の製造方法における実施の他の1形態を例示しており、以下の各工程を経て製造してある。
第1工程(図3の(a)参照)
押し出し成形装置(図示セズ)を運転することで、成形収縮率が島部成分≧海部成分の関係にあって、長手方向に貫通した一本の通路13を軸線上に有し、海部2に複数の島部3がほぼ等間隔状に点在している態様からなる径断面海島構造の棒状体1を押し出し成形する。
第2工程(図1の(b)参照)
この棒状体1から適宜長さの棒状部材4をカットする。
第3工程(図1の(c)参照)
カットされた棒状部材4における一方の元側部5外側面を押し型14で押圧して、元側部5の海部2と島部3の接触摩擦抵抗力が他方の先側部6における海部2の引き取り圧力よりも高くなるようにすることで、元側部5の海部2と島部3を一体化した状態にする。
第4工程(図1の(d)参照)
元側部5の海部2と島部3が一体化した状態下で、棒状部材4における海部2で形成されている外側面4aにスリット状の分離線7を径方向に周設して該分離線7を境に元側部5と先側部6に区画する。
第5工程(図1の(e)参照)
元側部5の海部2と島部3が一体化した状態下で、元側部5に対して先側部6の海部2を前記分離線7から折る。
第6工程(図1の(f)参照)
元側部5の海部2と島部3が一体化した状態下で、先側部6の海部2を、同先側部6における島部3を残して引き取ることにより、元側部端5aから複数の島繊維8がそれぞれ互いに空隙9を保ち独立して林立した繊維群10を有し且つ元側部端5aに通路13が開口して当該通路13が複数の島繊維8間の空隙9と連通している複合部材12(図4参照)を形成してある。
【0010】
前記した各工程を経て製造された複合部材12は、元側部端5aから36本の島繊維8がそれぞれ軸線方向に直線的にまっすぐ伸び、元側部5内の通路13が複数の島繊維8間の空隙9と連通し、互いに元側から先側まで均等に空隙9を保ちながら独立して林立した島繊維8からなる繊維群10を有するものであった。
以下に複合部材12のデータの一例を示す。
外径:2.2mm
全長:50mm
元側部長さ:30mm
繊維群長さ:20mm
島部径:0.2mm
通路径:0.4mm
海部:ビニルアルコール系樹脂(エクセバールCP7000クラレ製)成形収縮率0.6%
島部:ポリプロピレン樹脂(プライムポリプロF113G三井化学製)成形収縮率1.8%
島数:36
海/島=70/30(面積比%)
【0011】
図5には本発明の複合部材の製造方法における実施の他の1形態を例示しており、以下の各工程を経て製造してある。
第1工程から第2工程までは前記した図1における第1工程および第2工程と同じであるため説明を省略する。
第3工程
カットされた棒状部材4における一方の元側部5と他方の先側部6を持ち(図5の(a)参照)、元側部5と先側部6を適宜箇所から折り、当該折り位置の海部2のみを分断し、元側部5の海部2と島部3が一体化した状態下で、先側部6の海部2を、同先側部6における島部3を残して引き取ることにより、元側部端5aから複数の島繊維8がそれぞれ互いに空隙9を保ち独立して林立した繊維群10を有する複合部材15(図5の(b)参照)を形成してある。
【0012】
前記した各工程を経て製造された複合部材15は、元側部端5aから37本の島繊維8がそれぞれ軸線方向に直線的にまっすぐ伸び、互いに元側から先側まで均等に空隙9を保ちながら独立して林立した島繊維8からなる繊維群10を有するものであった。
以下に複合部材15のデータの一例を示す。
外径:2.2mm
全長:50mm
元側部長さ:30mm
繊維群長さ:20mm
島部径:0.2mm
海部:ビニルアルコール系樹脂(エクセバールCP7000クラレ製)成形収縮率0.6%
島部:ポリプロピレン樹脂(プライムポリプロF113G三井化学製)成形収縮率1.8%
島数:37
海/島=70/30(面積比%)
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の複合部材の製造方法における実施の1形態を工程順に例示している斜視図で、(a)は押し出し成形した棒状体を、(b)は棒状体からカットしてある棒状部材を、(c)は棒状部材の元側部を押し型で押圧して、元側部の海部と島部を一体化してある状態の棒状部材を、(d)は元側部の海部と島部が一体化した状態下で、外側面にスリット状の分離線を径方向に周設してある棒状部材を、(e)は元側部の海部と島部が一体化した状態下で、元側部に対して先側部の海部を分離線から折って破断してある棒状部材を、(f)は元側部の海部と島部が一体化した状態下で、先側部の海部を、同先側部における島部を残して引き取ることにより、元側部端から複数の島繊維がそれぞれ空隙を保ち独立して林立した繊維群を有する複合部材を、それぞれ示している。
【図2】図1の工程を経て製造された複合部材の横断面図。
【図3】本発明の複合部材の製造方法における実施の他の1形態を工程順に例示している斜視図で、(a)は押し出し成形した棒状体を、(b)は棒状体からカットしてある棒状部材を、(c)は棒状部材の元側部を押し型で押圧して、元側部の海部と島部を一体化してある状態の棒状部材を、(d)は元側部の海部と島部が一体化した状態下で、外側面にスリット状の分離線を径方向に周設してある棒状部材を、(e)は元側部の海部と島部が一体化した状態下で、元側部に対して先側部の海部を分離線から折って破断してある棒状部材を、(f)は元側部の海部と島部が一体化した状態下で、先側部の海部を、同先側部における島部を残して引き取ることにより、元側部端から複数の島繊維がそれぞれ空隙を保ち独立して林立した繊維群を有し且つ元側部端に通路が開口して当該通路が複数の島繊維間の空隙と連通している複合部材を、それぞれ示している。
【図4】図3の工程を経て製造された複合部材の横断面図。
【図5】本発明の複合部材の製造方法における実施の他の1形態を工程順に例示している斜視図で、(a)は棒状体からカットしてある棒状部材を、(b)は元側部の海部と島部が一体化した状態下で、海部を適宜箇所から折って島部を残して引き取ることにより、元側部端から複数の島繊維がそれぞれ空隙を保ち独立して林立した繊維群を有している複合部材を示している。
【符号の説明】
【0014】
1 棒状体
2 海部
3 島部
4 棒状部材
4a 外側面部
5 元側部
5a 元側端部
6 先側部
7 分離線
8 島繊維
9 空隙
10 繊維群
11,12,15 複合部材
13 通路
14 押し型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形収縮率が島部成分≧海部成分の関係にあり、海部に複数の島部が点在している態様からなる径断面海島構造の樹脂製棒状体を押し出し成形し、
この棒状体を適宜長さにカットし、
カットされた棒状部材における一方の元側部の海部と島部を一体化させた状態で、他方の先側部の海部を同先側部における島部を残して引き取ることにより、
元側部端から複数の島繊維がそれぞれ空隙を保ち独立して林立した繊維群を有する複合部材を形成するようにしてあることを特徴とする複合部材の製造方法。
【請求項2】
カットされた棒状部材における一方の元側部の海部と島部を一体化させた状態で、
当該元側部と他方の先側部との間における外側面の海部にスリット状の分離線を径方向に設けて該分離線を境に元側部と先側部に区画した後、この元側部と先側部を前記分離線から折ることで海部のみを分断し、次に先側部の海部を同先側部における島部を残して引き取るようにしてあることを特徴とする請求項1記載の複合部材の製造方法。
【請求項3】
元側部における海部と島部の一体化状態を、当該元側部外側面を押圧して海部と島部の接触摩擦抵抗力が先側部における海部の引き取り圧力よりも高くすることで得るようにしてあることを特徴とする請求項1または2記載の複合部材の製造方法。
【請求項4】
元側部における海部と島部の一体化状態を、当該海部と島部双方の基端部分を接合することで得るようにしてあることを特徴とする請求項1または2記載の複合部材の製造方法。
【請求項5】
押し出し成形される棒状体が長手方向に貫通状の通路を有し、元側部端に前記通路が開口し且つ当該通路が複数の島繊維間の空隙と連通するようにしてあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の複合部材の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の複合部材の製造方法により製造される複合部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−7906(P2008−7906A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−181708(P2006−181708)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000109440)テイボー株式会社 (17)
【Fターム(参考)】