説明

複数ペットシーツ式ペットトイレと立体的ペットシーツ

【課題】従来のシート状のペットシーツを一枚載置するペットトイレは、シーツ全体をまんべんなく利用しない為、不経済であり、複数回排泄する為に、不衛生だった。
また、飼育環境の変化に合わせてトイレの形状を変更する事ができなかった。
ペットシーツにおいては、立体的である多角形板状部材の上面、及び側面に密着し、板状部材の側面部に生地の余りを生じさせないペットシーツが存在しなかった。
【解決手段】複数のペットシーツ2と各ペットシーツを固定するシーツ固定部材3と、各シーツ固定部材を隙間なく整列させる基盤部材4からなるペットトイレ1。
上記ペットトイレのペットシーツは、多角形シーツ固定部材の上面、及び、側面に密着する為に、容易に立体形状を形成できる事を特徴とするペットシーツ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用トイレと、トイレシーツに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ペットのトイレは排泄物を受ける為の、矩形のシート状のペットシーツと、そのペットシーツを載置し、固定する事が出来る一つの浅底のトレイで構成されている。
【0003】
このペットシーツは、ペットの排泄物を確実に受ける為に十分な大きさにする必要がある。容易に入手できる市販品のペットシーツでは、最も小さいレギュラーサイズと呼ばれるペットシーツの大きさが、30cm×45cm程度である。
【0004】
レギュラーサイズのペットシーツであっても、1回の排泄にて、全ての水分吸収面が、利用されることは無い。その為、複数回の排泄後にペットシーツは交換される。
【0005】
ペットが、複数回ペットシーツを利用する上で、ペットシーツの利用されていない部分を探し出して、まんべんなくペットシーツ全体を利用する事は無い。ペットは、ペットシーツの特定部分を限定的に使用する傾向がある為、ペットシーツが効率的に利用される前に交換しなければならない。
【0006】
ペットシーツを無駄なく利用するにはシーツを部分的に交換可能にする方法が考えられる。しかし、シーツを分割して部分的に交換できるようにした場合、次の3つの問題が新たに発生してしまう。
【0007】
一つ目の問題は、複数のシーツを並べた場合に、シーツとシーツの境界面から、排泄物がペットシーツの底面側に流出してしまう事である。
【0008】
二つ目の問題は、一つ目の排泄物の流出を防ぐ為に、シーツに厚みと強度を持たせた板状にし、シーツとシーツの境界を密着させる事が考えられるが、この方法では、ペットシーツ製造原料が増えてしまう事で、不経済となり、環境にも良くない。
【0009】
三つ目の問題は、シート状のペットシーツがペットにより剥がされない様に固定する必要があるが、複数のシーツをメッシュ状のパネル等で上から固定した場合、メッシュ状のパネル部材は不衛生となり、シーツの交換にも手間がかかる。
【0010】
現状のシート状のペットシーツの構造を大きく変更した場合、製造原料が増加し、環境にも良くない。その為、実用に適さなかった。
本発明は、上記の技術上の課題を解決し、実用的なペットトイレを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ペットがシーツ全体をまんべんなく利用しない為、不経済だった。
ペットがペットシーツへ複数回の排泄をする場合、ペットの体に排泄物が付着し不衛生だった。
飼育環境の変化に合わせてトイレの形状を変更する事ができなかった。
立体的である多角形板状部材の上面、及び側面に密着し、板状部材の側面部に生地の余りを生じさせないペットシーツが存在しなかった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るペット用トイレシステムは、複数のペットシーツと、各々のペットシーツが平面を成すように固定する為の多角形板状のシーツ固定部材と、このシーツ固定部材を隙間なく並べる為の基盤部材からなる。
【0013】
基盤部は一つ、または複数の部材から構成される。基盤部材同士は該側面において自由に結合でき、任意の形状の平面を形成できる。さらに、基盤部材同士の側面を直角に結合する事で、壁面を形成できる。
【0014】
シーツ固定部材は、基盤部材の上面に載置した時に固定される。シーツ固定部材は基盤部材から着脱自在であり、シーツ固定部材を基盤部材から取り外した上で、向きを変えて設置し直す事ができる。また、同一形状の別のシーツ固定部材と配置換えできる。
【0015】
本発明のペットトイレでは、ペットシーツとペットシーツの境界面に隙間が生じた場合、排泄物がシーツ間の隙間からペットシーツの底面側に流出する恐れがある。
このペットシーツが従来の単なる矩形のシートの場合、本発明を実現が困難となる為、ペットシーツに簡単な加工を施す。
【0016】
基盤部材上にシーツ固定部材を隙間なく載置する為に、ペットシーツはシーツ固定部材の上面と側面に密着し、生地の余りによってシーツとシーツの境界面に隙間を生じさせない様に加工されている。例としてシーツの角部分の切除や、封筒状等の形状に加工する。これらの加工はペットシーツのカット、接着等の簡単な方法で実現できる為、従来のペットシーツに比べて、原料が大幅に増加する事がなく、簡単に作成可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、シーツ固定用部材の配置を換える、もしくは載置する向きを変える事で、排泄物によって汚れていない箇所をペットが排泄し易い箇所へ移動し、ペットシーツを無駄なく利用できる。
【0018】
また、本発明のペットトイレでは、トイレ全体が複数のペットシーツで構成されている為、排泄物により汚れた個所だけを交換できる為、経済的、かつ、衛生的である。
【0019】
基盤部材同士の並びを変える事で、ペットトイレの形状、大きさを自由に変更できる為、ペットの飼育環境に柔軟に対応できる。
【0020】
立体的である多角形板状部材の上面、及び側面に密着し、板状部材の側面部に生地の余りを生じさせないペットシーツが、簡単に製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るペット用トイレの第一実施形態の斜視図。
【図2】本発明に係るペット用トイレのペットシーツがシート状の場合の加工例。
【図3】本発明に係るペット用トイレのペットシーツが立体的な場合の加工例。
【図4】本発明に係るペット用トイレの基盤部材の連結方法の例。
【図5】本発明に係るペット用トイレのペットシーツの固定方法の例。
【図6】本発明の係るペット用トイレのシーツ固定部材と基盤部材の結合部の位置と、シーツ固定部材が回転可能となる例。
【図7】本発明の係るペット用トイレにおいて、シーツ固定部材の配置換えと回転の様子を表す平面図。
【図8】本発明の係るペット用トイレのトイレ形状の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るペット用トイレを実施する為の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0023】
本発明のペット用トイレは、複数のペットシーツを利用するペットトイレであって、主に以下の3つの要素で構成される。
【0024】
ペットシーツ、ペットシーツを平面状に緊張させて固定するシーツ固定部材、シーツ固定部材を隙間無く整列させることができる基盤部材が、主な構成要素である。
【0025】
本発明の第1実施形態に係るペット用トイレ1の全体図を図1に示す。
この実施形態では、4枚のペットシーツと4つのシーツ固定部材と4つの基盤部材から構成されている。
基盤部材はトイレが矩形状となるように連結されている。
【0026】
本発明に係るペット用トイレのシーツ固定部材は、多角形の板状の部材である。
本発明において、シーツ固定部材の材質は特に限定されず、例えば合成樹脂や木材から作成しても良い。
【0027】
このシーツ固定部材の形状に関しても別段限定はしないが、矩形、もしくは三角形が実用的である。
【0028】
また、シーツ固定部材は、その上面、及び側面が略平面となるようにする。
多くの実施形態において、シーツの周縁部をシーツ固定部材の底面で固定する必要がある為、シーツ固定部材の底面には、シーツを固定する為の手段を有する。
シーツの固定方法については、別途詳細を記載する。
【0029】
本発明に係るペット用トイレのシーツは、従来のシーツと同様の材料で構成できる。
具体例としては、高分子ポリマーの様な吸収体と、底面を成し排泄物の水分流出を防ぐ為の塩化ビニル等である。
【0030】
ただし、従来のシーツと大きく異なる点は、板状部材の上面、及び側面を水分吸収体で覆う立体構造を形成できる事である。
【0031】
シーツの形状は、シーツ固定部材の上面の形状と同様であることが、製造上の無駄を省く上で望ましい。
ただし、シーツの大きさはシーツ固定部材の上面よりも大きな面積を持つ必要がある。これは、シーツがシーツ固定部材の上面、及び、側面を覆い、シーツ固定部材の底面でシーツの余白部分を固定できる様にする為である。
【0032】
次に、シーツが立体構造を構成する為の、二つの方法を以下に例示する。
例では、矩形のシーツ固定部材を対象としているが、その他の多角形でも同様の方法で立体的なシーツを構成できる。
【0033】
ペットシーツをシート状とした場合のシーツ加工方法は、シーツの四隅の切除、四隅周辺への切れ込み、折り目付き、折り目線の印刷等である。
図2に、上記シーツの具体例を図示する
【0034】
また、シーツを初めから立体的に加工する方法で、板状部材の上面、及び側面を水分吸収体で覆う事もできる。例えば、封筒形状、シーツ裏面を通る紐、もしくは帯の端をシーツ周縁部に接着する方法、略筒状等である。
図3に、上記シーツの具体例を図示する。
【0035】
本発明に係るペット用トイレの基盤部材は、床に載置し易いように板状であることが望ましい。この基盤部材の大きさは、複数のシーツ固定部材を載置出来る大きさ、もしくは、シーツ固定部材と略同形状であり、シーツ固定部材を一つだけ載置できる大きさとしても良い。
略同形状である理由は、基盤部材同士を連結させる為の凹凸部が、基盤部材の側面に備わる可能性があるからである。
【0036】
本発明において、基盤部材の材質は特に限定されず、例えば合成樹脂や木材から作成しても良い。
【0037】
基盤部材は自由に結合、分離できる様にする事で、ペットトイレ自体の形状を自由に変更可能とする。基盤部材の結合方法は限定しないが、マジックテープ、磁石、凹凸部分の嵌合による固定等が挙げられる。
【0038】
基盤部材の結合方法の例として、以下の方法を例示する。
断面形状が正方形の筒状の部材を基盤部材の側面に並行する様に取り付ける。
この正四角柱の筒の幅は、基盤部材の厚さに等しく、長さは、取り付ける基盤部材の側面長の半分程度とする。取り付け位置は、側面に向かって左右のいずれかに統一して、基盤部材の4つの側面に固定する。基盤部材を並べて配置した時に、取り付けた正四角柱の筒は、直列に並ぶ。隣り合う基盤部材の両方の筒に正四角柱の芯材を嵌通させる事で基盤部材を固定する。
この連結方法により基盤部材を水平、もしくは垂直に結合できる。
図4に上記、正四角柱の筒を取り付けた様子を例示する。
【0039】
ペットシーツをシーツ固定部材に固定する方法は限定しないが、クリップによる挟持や以下の方法を例として挙げる。
【0040】
シーツ固定部材の底面の外周に並行に走る溝を形成し、その溝に収まる枠上の芯材にてシーツを溝と芯材間に狭持することで固定することができる。
また、シーツ固定部材を弁当箱状にして蓋部と底部との間にシーツ余白部分を、巻き込むことでシーツを固定しても良い。
また、シーツの裏面に、粘着物を塗布することで、シーツ固定具を省くことも出来る。
図5にシーツ固定部材によるシーツの固定方法を例示する。
【0041】
基盤部材はシーツ固定部材を隙間無く整列させる機能と、シーツ固定部材が容易にずれて、分離し無いように固定する機能を有す。
シーツ固定部材を、基盤部材に着脱自在とする為の方法として、磁石、マジックテープ、凹凸の嵌合による結合などの手段がある。
【0042】
また、シーツ固定部材を載置する向きに自由度を与える為に、シーツ固定部材と基盤部材の結合箇所は、シーツ固定部材を水平方向に回転させても、整合する位置に配置する。
図6に回転可能なシーツ固定部材と基盤部材の様子を例示する。
【0043】
シーツ固定部材が自由に着脱可能である為、同一の形状をしたシート固定部材と自由に配置交換可能となる。
図7に配置、回転する事で排泄物の位置を変更する様子を例示する。
【0044】
図8にペットトイレの形状を二つ例示する。
【符号の説明】
【0045】
1 ペット用トイレ
2 ペットシーツ
2c ペットシーツ裏側
3 シーツ固定部材
4 基盤部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のペットシーツと、各ペットシーツに平面を形成させ、かつ、緊張した状態を保持するように固定する為のシーツ固定部材と、複数のシーツ固定部材を隙間なく連続して整列させる為の基盤部材からなるペットトイレ。
【請求項2】
前記シーツ固定部材は、多角形の板状部材である請求項1に記載のペットトイレ。
【請求項3】
前記シーツ固定部材は、底面にシーツを固定する為の固定具を備えた請求項2に記載のペットトイレ。
【請求項4】
前記ペットシーツはシート状であり、立体的である前記シーツ固定部材の上面と側面に密着し、かつ、側面にシーツの余りが生じない様に整形してある事を特徴とする請求項1〜3に記載のペットトイレ。
【請求項5】
前記ペットシーツは底面が解放された内部が中空な多角柱体であり、シーツ固定部材の上面と側面に密着し、かつ、側面にシーツの余りが生じない様に整形してある事を特徴とする請求項1〜3に記載のペットトイレ。
【請求項6】
前記シーツ固定部材と前記基盤部材は、基盤部材上面とシーツ固定部材の底面が着脱自在に結合でき、かつ、対向する結合箇所が整合する限りは、シーツ固定部材の設置向きを変更できる事を特徴とする請求項1〜5に記載のペットトイレ。
【請求項7】
多角形板状部材の上面と側面に密着し、側面にシーツの余りが生じない様に整形してあるペットシーツ。
【請求項8】
前記ペットシーツは、多角形のシート状であり、ペットシーツの角部分が切除、もしくは周縁部に切り込み、もしくは折り目、折り目線のいずれかの加工が施されている請求項7に記載のペットシーツ。
【請求項9】
前記ペットシーツは、袋状、封筒型、筒状、底面が解放された箱形のいずれかである請求項7に記載のペットシーツ。
【請求項10】
前記ペットシーツは、ペットシーツ周縁部に紐、もしくは帯が接着されている事を特徴とする請求項7〜9に記載のペットシーツ。
【請求項11】
前記ペットシーツは、裏面の一部、もしくは全体に粘着物が塗布された事を特徴とする請求項7〜9に記載のペットシーツ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−51951(P2013−51951A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208075(P2011−208075)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【特許番号】特許第4995339号(P4995339)
【特許公報発行日】平成24年8月8日(2012.8.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(511231458)
【Fターム(参考)】