複数分子の抗原に繰り返し結合する抗原結合分子
【課題】抗原結合分子の薬物動態を向上する方法、抗原結合分子の抗原への結合回数を増やす方法、薬物動態が向上した抗原結合分子、抗原結合分子の抗原への結合回数が向上した抗原結合分子、および、それらの製造法等の提供。
【解決手段】抗原に対するpH5.8でのKDとpH7.4でのKDの比であるKD(pH5.8)/KD(pH7.4)の値が2以上である抗原結合分子。抗原結合分子のpH5.8における抗原結合活性をpH7.4における抗原結合活性より弱くすることにより抗原結合分子の薬物動態を向上させる方法。
【解決手段】抗原に対するpH5.8でのKDとpH7.4でのKDの比であるKD(pH5.8)/KD(pH7.4)の値が2以上である抗原結合分子。抗原結合分子のpH5.8における抗原結合活性をpH7.4における抗原結合活性より弱くすることにより抗原結合分子の薬物動態を向上させる方法。
Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程;
(a) pH6.7〜pH10.0における抗体の抗原結合活性を得る工程、
(b) pH4.0〜pH6.5における抗体の抗原結合活性を得る工程、
(c) pH6.7〜pH10.0での抗原結合活性がpH4.0〜pH6.5での抗原結合活性より高い抗体を選択する工程、
(d) (c)で選択された抗体をコードする遺伝子を得る工程、
(e) (d)で得られた遺伝子を用いて抗体を製造する工程、
を含む、以下のいずれか;
(i) 血漿中滞留性が優れた抗体、
(ii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で抗原に2回以上結合することができる抗体、
(iii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で結合可能な抗原の数が抗原結合部位より多い抗体、
(iv) 細胞外で結合した抗原を細胞内で解離する抗体、
(v) 抗原と結合した状態で細胞内に取り込まれ、抗原と結合していない状態で細胞外に放出される抗体、または、
(vi) 血漿中抗原消失能が増加した抗体、
を含む医薬品の製造方法。
【請求項2】
以下の工程;
(a) pH6.7〜pH10.0の条件下で抗体を抗原に結合させる工程、
(b) (a)の抗原に結合した抗体をpH4.0〜pH6.5の条件下に置く工程、
(c) pH4.0〜pH6.5の条件下で解離した抗体を取得する工程、
(d) (c)で取得された抗体をコードする遺伝子を得る工程、
(e) (d)で得られた遺伝子を用いて抗体を製造する工程、
を含む、以下のいずれか;
(i) 血漿中滞留性が優れた抗体、
(ii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で抗原に2回以上結合することができる抗体、
(iii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で結合可能な抗原の数が抗原結合部位より多い抗体、
(iv) 細胞外で結合した抗原を細胞内で解離する抗体、
(v) 抗原と結合した状態で細胞内に取り込まれ、抗原と結合していない状態で細胞外に放出される抗体、または、
(vi) 血漿中抗原消失能が増加した抗体、
を含む医薬品の製造方法。
【請求項3】
以下の工程;
(a) 抗原を固定したカラムに第一のpH条件下で抗体を結合させる工程、
(b) 第一のpH条件下でカラムに結合した抗体を、第二のpH条件下でカラムから溶出する工程、
(c) 溶出された抗体を取得する工程、
(d) (c)で取得された抗体をコードする遺伝子を得る工程、
(e) (d)で得られた遺伝子を用いて抗体を製造する工程、
を含む製造方法であって、以下のいずれか;
(i) 血漿中滞留性が優れた抗体、
(ii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で抗原に2回以上結合することができる抗体、
(iii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で結合可能な抗原の数が抗原結合部位より多い抗体、
(iv) 細胞外で結合した抗原を細胞内で解離する抗体、
(v) 抗原と結合した状態で細胞内に取り込まれ、抗原と結合していない状態で細胞外に放出される抗体、または、
(vi) 血漿中抗原消失能が増加した抗体、
であって、第一のpHがpH6.7.〜pH10.0、第二のpHが4.0〜pH6.5である、第一のpHでの抗原への結合活性が第二のpHでの抗原への結合活性よりも高い抗体を含む医薬品の製造方法。
【請求項4】
以下の工程;
(a) 抗体ライブラリーを、抗原を固定したカラムに第一のpH条件下で結合させる工程、
(b) カラムから第二のpH条件下で抗体を溶出する工程、
(c) 溶出された抗体をコードする遺伝子を増幅する工程、
(d) 溶出された抗体を取得する工程、
(e) (d)で取得された抗体をコードする遺伝子を得る工程、
(f) (e)で得られた遺伝子を用いて抗体を製造する工程。
を含む製造方法であって、以下のいずれか;
(i) 血漿中滞留性が優れた抗体、
(ii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で抗原に2回以上結合することができる抗体、
(iii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で結合可能な抗原の数が抗原結合部位より多い抗体、
(iv) 細胞外で結合した抗原を細胞内で解離する抗体、
(v) 抗原と結合した状態で細胞内に取り込まれ、抗原と結合していない状態で細胞外に放出される抗体、または、
(vi) 血漿中抗原消失能が増加した抗体、
であって、第一のpHがpH6.7.〜pH10.0、第二のpHが4.0〜pH6.5である、第一のpHでの結合活性が第二のpHでの結合活性よりも高い抗体を含む医薬品の製造方法。
【請求項5】
抗体中の少なくとも1つ以上のアミノ酸をヒスチジンで置換する又は少なくとも1つのヒスチジンを挿入する工程をさらに含む請求項1〜4いずれかに記載の製造方法。
【請求項1】
以下の工程;
(a) pH6.7〜pH10.0における抗体の抗原結合活性を得る工程、
(b) pH4.0〜pH6.5における抗体の抗原結合活性を得る工程、
(c) pH6.7〜pH10.0での抗原結合活性がpH4.0〜pH6.5での抗原結合活性より高い抗体を選択する工程、
(d) (c)で選択された抗体をコードする遺伝子を得る工程、
(e) (d)で得られた遺伝子を用いて抗体を製造する工程、
を含む、以下のいずれか;
(i) 血漿中滞留性が優れた抗体、
(ii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で抗原に2回以上結合することができる抗体、
(iii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で結合可能な抗原の数が抗原結合部位より多い抗体、
(iv) 細胞外で結合した抗原を細胞内で解離する抗体、
(v) 抗原と結合した状態で細胞内に取り込まれ、抗原と結合していない状態で細胞外に放出される抗体、または、
(vi) 血漿中抗原消失能が増加した抗体、
を含む医薬品の製造方法。
【請求項2】
以下の工程;
(a) pH6.7〜pH10.0の条件下で抗体を抗原に結合させる工程、
(b) (a)の抗原に結合した抗体をpH4.0〜pH6.5の条件下に置く工程、
(c) pH4.0〜pH6.5の条件下で解離した抗体を取得する工程、
(d) (c)で取得された抗体をコードする遺伝子を得る工程、
(e) (d)で得られた遺伝子を用いて抗体を製造する工程、
を含む、以下のいずれか;
(i) 血漿中滞留性が優れた抗体、
(ii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で抗原に2回以上結合することができる抗体、
(iii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で結合可能な抗原の数が抗原結合部位より多い抗体、
(iv) 細胞外で結合した抗原を細胞内で解離する抗体、
(v) 抗原と結合した状態で細胞内に取り込まれ、抗原と結合していない状態で細胞外に放出される抗体、または、
(vi) 血漿中抗原消失能が増加した抗体、
を含む医薬品の製造方法。
【請求項3】
以下の工程;
(a) 抗原を固定したカラムに第一のpH条件下で抗体を結合させる工程、
(b) 第一のpH条件下でカラムに結合した抗体を、第二のpH条件下でカラムから溶出する工程、
(c) 溶出された抗体を取得する工程、
(d) (c)で取得された抗体をコードする遺伝子を得る工程、
(e) (d)で得られた遺伝子を用いて抗体を製造する工程、
を含む製造方法であって、以下のいずれか;
(i) 血漿中滞留性が優れた抗体、
(ii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で抗原に2回以上結合することができる抗体、
(iii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で結合可能な抗原の数が抗原結合部位より多い抗体、
(iv) 細胞外で結合した抗原を細胞内で解離する抗体、
(v) 抗原と結合した状態で細胞内に取り込まれ、抗原と結合していない状態で細胞外に放出される抗体、または、
(vi) 血漿中抗原消失能が増加した抗体、
であって、第一のpHがpH6.7.〜pH10.0、第二のpHが4.0〜pH6.5である、第一のpHでの抗原への結合活性が第二のpHでの抗原への結合活性よりも高い抗体を含む医薬品の製造方法。
【請求項4】
以下の工程;
(a) 抗体ライブラリーを、抗原を固定したカラムに第一のpH条件下で結合させる工程、
(b) カラムから第二のpH条件下で抗体を溶出する工程、
(c) 溶出された抗体をコードする遺伝子を増幅する工程、
(d) 溶出された抗体を取得する工程、
(e) (d)で取得された抗体をコードする遺伝子を得る工程、
(f) (e)で得られた遺伝子を用いて抗体を製造する工程。
を含む製造方法であって、以下のいずれか;
(i) 血漿中滞留性が優れた抗体、
(ii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で抗原に2回以上結合することができる抗体、
(iii) FcRnを発現する細胞を含む動物での測定で結合可能な抗原の数が抗原結合部位より多い抗体、
(iv) 細胞外で結合した抗原を細胞内で解離する抗体、
(v) 抗原と結合した状態で細胞内に取り込まれ、抗原と結合していない状態で細胞外に放出される抗体、または、
(vi) 血漿中抗原消失能が増加した抗体、
であって、第一のpHがpH6.7.〜pH10.0、第二のpHが4.0〜pH6.5である、第一のpHでの結合活性が第二のpHでの結合活性よりも高い抗体を含む医薬品の製造方法。
【請求項5】
抗体中の少なくとも1つ以上のアミノ酸をヒスチジンで置換する又は少なくとも1つのヒスチジンを挿入する工程をさらに含む請求項1〜4いずれかに記載の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2012−224633(P2012−224633A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160692(P2012−160692)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【分割の表示】特願2011−268497(P2011−268497)の分割
【原出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(000003311)中外製薬株式会社 (228)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【分割の表示】特願2011−268497(P2011−268497)の分割
【原出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(000003311)中外製薬株式会社 (228)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]