説明

見込みかぶり厚さ測定器具

【課題】直接目盛りを当てることが難しい箇所におけるかぶり厚さをコンクリート打設前に測定することが可能な見込みかぶり厚さ測定器具を提供する。
【解決手段】所定方向に長く当該所定方向に沿って目盛りが設けられた目盛り部、及び、前記目盛り部の一方の端に設けられ、前記目盛り部とともに前記所定方向に移動して前記鉄筋に当接される鉄筋当接部、を有する移動部材と、前記所定方向に長く、前記移動部材の前記所定方向への移動をガイドするガイド部、及び、前記ガイド部の一方の端に設けられ、前記鉄筋と対向する前記型枠の内面に当接される型枠当接部、を有するガイド部材と、を備え、前記移動部材が、前記ガイド部に沿って移動されて前記鉄筋当接部が前記鉄筋に当接され、かつ、前記型枠当接部が前記内面に当接されているときの、前記ガイド部の他方の端が位置する前記目盛りにて前記見込みかぶり厚さが示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形成される鉄筋コンクリート構造物にて、見込まれるかぶり厚さを測定するための見込みかぶり厚さ測定器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基準板上に身長大の測定バーを固着し、測定バーの上部に、測定バーと直角をなす測定定規が上下調整自在に収蔵され、測定バーの下方には、測定バーと直角をなし、帯筋と係合する支持アームが測定定規と同方向に突出された鉄筋被り厚さ測定器が知られている。この鉄筋被り厚さ測定器は、基準板の側端面を柱型墨に合わせて測定バーを床上に立設し、支持アームを調整することにより、測定バーと鉛直に配置された主筋とを平行に配置し、支持アームより上方の測定定規にて主筋が位置する目盛りを読むことにより見込まれる鉄筋被り厚さを測定している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61―146707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の鉄筋被り厚さ測定器は、型枠外に露出している柱の主筋に、目盛りのついた測定定規を近づけているので、直接目盛りを読むことができる。しかしながら、上記従来の鉄筋被り厚さ測定器では、例えば、梁のスターラップ筋の下端やスラブの下端筋ように型枠内に埋もれている部分の見込み被り厚さを測定することはできないという課題がある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、直接目盛りを当てることが難しい箇所におけるかぶり厚さをコンクリート打設前に測定することが可能な見込みかぶり厚さ測定器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために本発明の見込みかぶり厚さ測定器具は、
形成される鉄筋コンクリート構造物にて見込まれるかぶり厚さをコンクリート打設前の型枠と鉄筋との間隔にて測定するための見込みかぶり厚さ測定器具であって、
所定方向に長く当該所定方向に沿って目盛りが設けられた目盛り部、及び、
前記目盛り部の一方の端に設けられ、前記目盛り部とともに前記所定方向に移動して前記鉄筋に当接される鉄筋当接部、
を有する移動部材と、
前記所定方向に長く、前記移動部材の前記所定方向への移動をガイドするガイド部、及び、
前記ガイド部の一方の端に設けられ、前記鉄筋と対向する前記型枠の内面に当接される型枠当接部、
を有するガイド部材と、
を備え、
前記移動部材が、前記ガイド部に沿って移動されて前記鉄筋当接部が前記鉄筋に当接され、かつ、前記型枠当接部が前記内面に当接されているときの、前記ガイド部の他方の端が位置する前記目盛りにて前記見込みかぶり厚さが示されることを特徴とする見込みかぶり厚さ測定器具である。
【0007】
このような見込みかぶり厚さ測定器具によれば、目盛り部の一方の端に設けられた鉄筋当接部と、ガイド部の一方の端に設けられた型枠当接部とを、所望の見込みかぶり厚さ測定箇所に配置して、移動部材を所定方向に移動させて鉄筋当接部が鉄筋に当接されており、かつ、型枠当接部が型枠の内面に当接されていると、ガイド部の他方の端が位置する目盛りにて見込みかぶり厚さが示されるので、型枠と鉄筋との間などの狭い部位の目視できないような箇所であっても、ガイド部の他方の端側にて見込みかぶり厚さを容易に測定することが可能である。
【0008】
かかる見込みかぶり厚さ測定器具であって、前記ガイド部は、前記所定方向に貫通する中空部を有し、前記目盛り部は、前記中空部内に収容されるとともに、前記ガイド部の他方の端から突出されており、前記目盛りは前記目盛り部の外周に設けられていることが望ましい。
このような見込みかぶり厚さ測定器具によれば、ガイド部の、所定方向に貫通する中空部に収容されている目盛り部の外周に目盛りが設けられているので、移動部材が所定方向移動した際にガイド部から露出した目盛りを読むことにより見込みかぶり厚さを測定することが可能である。
【0009】
かかる見込みかぶり厚さ測定器具であって、前記型枠当接部は、前記所定方向と直交する型枠当接面を有し、前記鉄筋当接部は、前記所定方向と直交する鉄筋当接面を有し、前記鉄筋当接部が前記鉄筋に当接され、かつ、前記型枠当接部が前記内面に当接されているときに、前記ガイド部の前記他方の端は、前記型枠当接面と前記鉄筋当接面との間隔を示す前記目盛り部の前記目盛りに位置することが望ましい。
このような見込みかぶり厚さ測定器具によれば、型枠当接部の型枠当接面と鉄筋当接部の鉄筋当接面はいずれも所定方向と直交しているので、鉄筋当接部が鉄筋に当接され、かつ、型枠当接部が内面に当接されていると、鉄筋当接部と型枠当接部との間隔が、鉄筋と型枠の内面との間隔、すなわち見込みかぶり厚さとなる。このため、鉄筋当接部が鉄筋に当接され、かつ、型枠当接部が内面に当接されているときの、ガイド部の他方の端が、位置する目盛りを読むことにより、見込みかぶり厚さをより正確に測定することが可能である。
【0010】
かかる見込みかぶり厚さ測定器具であって、前記型枠当接面の面積は、前記ガイド部の、前記所定方向と直交する断面における外形形状の面積より大きいことが望ましい。
このような見込みかぶり厚さ測定器具によれば、型枠の内面に当接される型枠当接面の面積は、ガイド部の、所定方向と直交する断面における外形形状の面積より大きいので、ガイド部を型枠内面に直接当接させるより安定すると共に、型枠内面に対し、ガイド部及び目盛り部とを垂直に配置することができるので、より正確な見込みかぶり厚さを測定することが可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、直接目盛りを当てることが難しい箇所におけるかぶり厚さをコンクリート打設前に測定することが可能な見込みかぶり厚さ測定器具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る見込みかぶり厚さ測定器具の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るかぶり厚さ測定器具を用いて梁のスターラップ筋の下端における見込みかぶり厚さを測定している状態を説明する図である。
【図3】本発明に係るかぶり厚さ測定器具を用いてスラブ下端筋の下端における見込みかぶり厚さを測定している状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
本発明に係る見込みかぶり厚さ測定器具は、形成される鉄筋コンクリート構造物の見込みかぶり厚さをコンクリート打設前の型枠と鉄筋との間隔にて測定するための器具である。本実施形態では、施工される鉄筋コンクリート構造物としての屋内梁におけるスターラップ筋の下端における見込みかぶり厚さを測定する例について説明する。
【0015】
本実施形態の見込みかぶり厚さ測定器具10は、所定方向に移動可能に設けられ、梁に埋設される鉄筋52としてのスターラップ筋52aに当接される移動部材11と、移動部材11の所定方向の移動をガイドするガイド部材15とを有している。
【0016】
移動部材11は、所定方向に長い丸棒状をなし、外周面に目盛り12aが設けられた目盛り部12と、目盛り部12の一方の端に設けられ、目盛り部12と直角をなすように設けられて板状をなし、スターラップ筋に52aに当接される鉄筋当接面13aを有する鉄筋当接部13とを有している。
【0017】
ガイド部材15は、所定方向に長い中空部を有する円筒状をなすガイド部16と、ガイド部16の一方の端に設けられ、ガイド部16と直角をなすように設けられて円盤状をなし、型枠53の底となる下内面53aに当接される型枠当接面17aを有する型枠当接部17と、を有している。ここで、ガイド部16の中空部の内径は、目盛り部12の外形より僅かに大きく形成されており、型枠当接部17の型枠当接面17aの面積は、ガイド部16の長手方向と直交する断面における外形形状をなる外形円の面積より大きく形成されている。以下の説明においては、移動部材11の一方の端である、鉄筋当接部13が設けられている側の端、及び、ガイド部材15の一方の端である型枠当接部17が設けられている側の端を先端といい、移動部材11及びガイド部材15の他方の端を後端という。
【0018】
ガイド部16の先端は、筒状をなす周面が円周方向における一部が長手方向に沿って切除されている。本実施形態の場合には、ガイド部16の型枠当接部17が設けられている先端部には、断面における外形の輪郭が半円形状をなすように切除されて、長手方向に所定長さの開口部16aが設けられている。
【0019】
移動部材11は、目盛り部12が、ガイド部材15のガイド部16の中空部に収容されるとともに、開口部16aから鉄筋当接部13が突出した状態で、所定方向、すなわち長手方向に移動可能に設けられている。このため、ガイド部16に設けられている開口部16aは、測定を希望する見込みかぶり厚さの最大値より長い範囲で移動部材11がガイド部材15に対して移動できるように形成されている。開口部16aは必ずしも断面における外形の輪郭が半円形状でなくても良く、移動部材11が中空部内にて滑らかに移動及び回動可能であれば構わない。
【0020】
目盛り部12は、ガイド部16の中空部に収容されて、鉄筋当接部13と型枠当接部17とが最も近づいた状態で、目盛り部12の後端が、ガイド部16の後端より突出して、突出した目盛り部12を測定者が掴んで操作できるように構成されている。また、目盛り部12が、ガイド部16の中空部に収容されて、鉄筋当接部13と型枠当接部17とが最も近づいた状態では、この状態における鉄筋当接面13aと型枠当接面17aとの距離を示す目盛り12aにガイド部16の後端16bが位置しており、移動部材11の移動に伴って、目盛り12aが設けられた目盛り部12が引き出されることにより、鉄筋当接面13aと型枠当接面17aとの距離が、ガイド部16の後端16bが位置する目盛り12aにより示されるように構成されている。
【0021】
図2は、本発明に係る見込みかぶり厚さ測定器具を用いて梁のスターラップ筋の下端のかぶり厚さを測定している状態を説明する図である。
【0022】
本実施形態の見込みかぶり厚さ測定器具10を用いて、例えば、図2に示すように、梁のスターラップ筋52aの下端のかぶり厚さを確認する場合には、梁に埋設される梁用の鉄筋52が型枠53内に配置された状態で行われる。
【0023】
具体的には、鉛直断面が矩形状をなす梁の型枠53内には、梁用の鉄筋52である、上下に配置された各々複数本の梁主筋52bに、これら複数本の梁主筋52bを囲むように矩形状に屈曲された複数のスタータップ筋52aが、梁の長手方向に所定の間隔にて配置されて鉄線(不図示)で結束されている。鉄筋52が梁用の型枠53内に配筋された状態では、型枠53の底をなす下内面53aとスターラップ筋52aの外周面との間隔が、例えば40mm以上となるように梁主筋52b及びスターラップ筋52aの配設作業が行われている。
【0024】
見込みかぶり厚さ測定器具10を用いて梁用の型枠53の下内面53aとスターラップ筋52aの外周面との間隔を測定する場合には、例えば、作業者は、鉄筋52の上方から型枠53の側面と鉄筋52との間に見込みかぶり厚さ測定器具10の鉄筋当接部13と型枠当接部17とが設けられている先端側を下方に向けて挿入する。
【0025】
見込みかぶり厚さ測定器具10の型枠当接部17の型枠当接面17aが、梁用の型枠53の下内面53aに当接した後に、目盛り部12の先端から水平方向に突出する鉄筋当接部13がスターラップ筋52aの下方に位置するように移動させる。
【0026】
次に、作業者は、ガイド部材15の型枠当接面17aが梁用の型枠53の下内面53aから離れないように支えつつ、目盛り部12の後端側の部位、すなわちガイド部材15より上方に突出している部位を掴んで移動部材11を上方に引き上げる。そして、移動部材11の鉄筋当接面13aがスターラップ筋52aに当接したときに、ガイド部16の後端16bが示す目盛り12aを読み取る。読み取った値は、鉄筋当接面13aと型枠当接面17aとの距離、すなわち、見込みかぶり厚さを示しているので、作業者は容易に見込みかぶり厚さを測定することができる。
【0027】
図3は、本発明に係る見込みかぶり厚さ測定器具を用いてスラブ下端筋の下端のかぶり厚さを測定している状態を説明する図である。
【0028】
本実施形態の見込みかぶり厚さ測定器具10を用いて、例えば、図3に示すように、スラブ筋54の下端の見込みかぶり厚さを確認する場合には、スラブに埋設されるスラブ筋54が型枠55内に配置された状態で行われる。
【0029】
具体的には、スラブの型枠55内には、スラブ筋54でありスラブ上端筋54aとスラブ下端筋54bとが上下に対向されると共に、所定方向に沿って複数配設された、スラブ上端筋54aの上側とスラブ下端筋54bの下側とに直交筋54cが、ほぼ直交するように配置されて鉄線(不図示)にて結束されている。スラブ用の型枠55内に配筋された状態では、型枠55の底をなす下内面55aと下側の直交筋54cの外周面との間隔が、30mm以上となるようにスラブ上端筋54a、スラブ下端筋54b、及び、直交筋54cの配設作業が行われている。
【0030】
見込みかぶり厚さ測定器具10を用いてスラブ用の型枠55の下内面55aと直交筋54cの外周面との間隔を測定する場合には、例えば、作業者は、スラブ用の鉄筋54の上方から型枠55の側面とスラブ筋54との間、または、隣り合うスラブ上端筋54a、スラブ下端筋54b、及び、直交筋54cの間に見込みかぶり厚さ測定器具10の鉄筋当接部13と型枠当接部17とが設けられている先端部を下方に向けて挿入する。
【0031】
見込みかぶり厚さ測定器具10の型枠当接部17の型枠当接面17aが、スラブ用の型枠55の下内面55aに当接した後に、目盛り部12の先端から水平方向に突出する鉄筋当接部13が下側の直交筋54cの下方に位置するように移動させる。
【0032】
次に、作業者は、ガイド部材15の型枠当接面17aが梁用の型枠55の下内面55aから離れないように支えつつ、目盛り部12の上端側の部位、すなわちガイド部材15より上方に突出している部位を掴んで移動部材11を上方に引き上げる。そして、移動部材11の鉄筋当接面13aが下側の直交筋54cに当接したときに、ガイド部16の後端16bが示す目盛り12aを読み取る。読み取った値は、鉄筋当接面13aと型枠当接面17aとの距離、すなわち、スラブ筋54の下端の見込みかぶり厚さを示しているので、作業者は容易にスラブ筋54の下端の見込みかぶり厚さを測定することができる。
【0033】
本実施形態のかぶり厚さ測定器具10によれば、目盛り部12の先端に設けられた鉄筋当接部13と、ガイド部16の先端に設けられた型枠当接部17とを、梁用の型枠53の下内面53a上、または、スラブの型枠55の下内面55a上のような見込みかぶり厚さを測定したい箇所に配置して、移動部材11を長手方向に移動させて鉄筋当接部13をスターラップ筋52aや直交筋54cに、また、型枠当接部17を型枠53、55の下内面53a、55aに当接させることにより、ガイド部16の後端16bが位置する目盛り部12の目盛り12aにて見込みかぶり厚さが示されるので、型枠53、55と鉄筋52、54との狭い部位の目視できないような箇所であっても、ガイド部16の後端16b側にて見込みかぶり厚さを容易に測定することが可能である。
【0034】
また、ガイド部16の、長手方向に貫通する中空部に収容されている目盛り部12の外周に目盛り12aが設けられているので、移動部材11の所定方向への移動量を目盛り部12に設けられた目盛り12aにより測定することが可能である。
【0035】
また、型枠当接部17の型枠当接面17aと鉄筋当接部13の鉄筋当接面13aはいずれも長手方向と直交しているので、鉄筋当接部13の鉄筋当接面13aがスターラップ筋52aや直交筋54cに当接され、型枠当接部17の型枠当接面17aが下内面53a、55aに当接されると、の鉄筋当接面13aと型枠当接面17aとの間隔が、スターラップ筋52aや直交筋54cと型枠53、55の下内面53a、55aとの間隔、すなわち見込みかぶり厚さとなる。このため、鉄筋当接面13aがスターラップ筋52aや直交筋54cに当接され、型枠当接面17aが下内面53a、55aに当接されたときの、ガイド部16の後端16bが、位置する目盛り12aを読むことにより、見込みかぶり厚さをより正確に測定することが可能である。
【0036】
また、型枠53、55の下内面53a、55aに当接される型枠当接面17aの面積は、ガイド部16の、長手方向と直交する断面における外形形状、すなわち円形状の面積より大きいので、ガイド部16を直接型枠53、55の下内面53a、55aに当接させるより安定すると共に、型枠53、55の下内面53a、55aに対し、ガイド部16及び目盛り部12とを垂直に配置することができるので、より正確な見込みかぶり厚さを測定することが可能である。
【0037】
上記実施形態においては、型枠当接面17aが先に下内面53a、下内面55aに当接し、その後、鉄筋当接面13aがスターラップ筋52a、直交筋54cに当接する例について説明したが、これに限るものではない。たとえば、鉄筋当接面13aが先にスターラップ筋52a、直交筋54cに当接し、その後、当接型枠当接面17aが下内面53a、下内面55aに当接しても、また、鉄筋当接面13aと型枠当接面17aとが同時に当接してもよい。
【0038】
上記実施形態においては、ガイド部16を円筒状の部材とし、目盛り部12を丸棒状の部材として説明したが、これに限らず、ガイド部が有する中空部の断面形状や、目盛り部の断面形状が矩形状であっても構わない。また、ガイド部16の断面は、必ずしも環状でなくとも、たとえば、長手方向にスリットを有していても構わず、ガイド部が、目盛り部の長手方向の移動をガイド可能であれば構わない。
【0039】
上記実施形態においては、型枠当接部17を円盤状の部材としたが、これに限らず、矩形状であっても構わない。
【0040】
上記実施形態においては、鉄筋コンクリート構造物として、柱、梁、壁等の建築物を例に挙げて説明したが、これに限らず、土木関係の鉄筋コンクリート構造物であっても構わない。
【0041】
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0042】
10 見込みかぶり厚さ測定器具
11 移動部材
12 目盛り部
12a 目盛り
13 鉄筋当接部
13a 鉄筋当接面
15 ガイド部材
16 ガイド部
16a 開口部
16b 後端
17 型枠当接部
17a 型枠当接面
52 梁用の鉄筋
52a スターラップ筋
52b 梁主筋
53 梁の型枠
53a 下内面
54 スラブ筋
54a スラブ上端筋
54b スラブ下端筋
54c 直交筋
55 スラブの型枠
55a 下内面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
形成される鉄筋コンクリート構造物にて見込まれるかぶり厚さをコンクリート打設前の型枠と鉄筋との間隔にて測定するための見込みかぶり厚さ測定器具であって、
所定方向に長く当該所定方向に沿って目盛りが設けられた目盛り部、及び、
前記目盛り部の一方の端に設けられ、前記目盛り部とともに前記所定方向に移動して前記鉄筋に当接される鉄筋当接部、
を有する移動部材と、
前記所定方向に長く、前記移動部材の前記所定方向への移動をガイドするガイド部、及び、
前記ガイド部の一方の端に設けられ、前記鉄筋と対向する前記型枠の内面に当接される型枠当接部、
を有するガイド部材と、
を備え、
前記移動部材が、前記ガイド部に沿って移動されて前記鉄筋当接部が前記鉄筋に当接され、かつ、前記型枠当接部が前記内面に当接されているときの、前記ガイド部の他方の端が位置する前記目盛りにて前記見込みかぶり厚さが示されることを特徴とする見込みかぶり厚さ測定器具。
【請求項2】
請求項1に記載の見込みかぶり厚さ測定器具であって、
前記ガイド部は、前記所定方向に貫通する中空部を有し、
前記目盛り部は、前記中空部内に収容されるとともに、前記ガイド部の他方の端から突出されており、前記目盛りは前記目盛り部の外周に設けられていることを特徴とする見込みかぶり厚さ測定器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の見込みかぶり厚さ測定器具であって、
前記型枠当接部は、前記所定方向と直交する型枠当接面を有し、
前記鉄筋当接部は、前記所定方向と直交する鉄筋当接面を有し、
前記鉄筋当接部が前記鉄筋に当接され、かつ、前記型枠当接部が前記内面に当接されているときに、
前記ガイド部の前記他方の端は、前記型枠当接面と前記鉄筋当接面との間隔を示す前記目盛り部の前記目盛りに位置することを特徴とする見込みかぶり厚さ測定器具。
【請求項4】
請求項3に記載の見込みかぶり厚さ測定器具であって、
前記型枠当接面の面積は、前記ガイド部の、前記所定方向と直交する断面における外形形状の面積より大きいことを特徴とする見込みかぶり厚さ測定器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−72802(P2013−72802A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213169(P2011−213169)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】