説明

観賞植物の処理

【課題】観賞植物の寿命を延ばし、活力を向上させる方法を提供する。
【解決手段】第1の形態においては、1種以上のシクロプロペン化合物の全ての合計濃度が液体組成物1リットルあたりシクロプロペン化合物0.3〜300ミリグラムである、1種以上のシクロプロペン化合物を含む液体組成物と、観賞植物とを接触させることを含む観賞植物を処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は観賞植物の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの場合、観賞植物の寿命を延ばすことが望まれる。多くの場合、観賞植物の全般的な活力を向上させることも望まれる。
【0003】
米国特許出願公開第2005/0261132号は、植物または植物の部分を、シクロプロペンおよび金属錯化剤を含む組成物と接触させることを記載する。米国特許出願公開第2005/0261132号は、観賞植物の寿命を延ばすであろう方法において観賞植物をどのように処理するかの課題に取り組んでいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0261132号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、観賞植物を処理して、例えば、以下の1以上:外観の劣化、花の器官脱離の開始、つぼみの器官脱離の開始、花のしおれの開始、つぼみのしおれの開始、またはこれらの組み合わせを遅らせることにより、観賞植物の寿命を延ばす方法を提供することである。本発明の別の目的は、観賞植物を処理して、その全体的活力を向上させる方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の形態においては、1種以上のシクロプロペン化合物を含む液体組成物と観賞植物とを接触させることを含み、前記1種以上のシクロプロペン化合物の全ての合計濃度が前記液体組成物1リットルあたりシクロプロペン化合物0.3〜300ミリグラムである、観賞植物を処理する方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、1種以上のシクロプロペン化合物の使用を伴う。本明細書において使用される場合、シクロプロペン化合物は、式:
【化1】

(式中、各R、R、RおよびRは独立して、Hおよび式:
−(L)−Z
の化学基からなる群から選択され;nは0〜12の整数である)
を有するあらゆる化合物である。各Lは2価の基である。好適なL基には、例えば、H、B、C、N、O、P、S、Siまたはこれらの混合から選択される1種以上の原子を含む基が挙げられる。L基内の原子は互いに、単結合、二重結合、三重結合またはこれらの混合によって連結されうる。各L基は線状、分岐、環式、またはこれらの組み合わせであることができる。いずれか1つのR基(すなわち、R、R、RおよびRのいずれか1つ)においては、ヘテロ原子(すなわち、HでもCでもない原子)の総数は0〜6である。
独立して、いずれか1つのR基においては、非水素原子の総数が50以下である。
【0008】
各Zは1価の基である。各Zは独立に、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロラート(chlorate)、ブロマート(bromate)、ヨーダート(iodate)、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオおよび化学基G(ただし、Gは3〜14員環系である)からなる群から選択される。
【0009】
化学基Gとして好適な環系は置換されていても良く、または非置換であっても良く;これらは芳香族(例えば、フェニルおよびナフチルなど)または脂肪族(不飽和脂肪族、部分飽和脂肪族もしくは飽和脂肪族など)であることができ;かつこれらは炭素環式または複素環式であることができる。
【0010】
、R、RおよびR基は、独立に、好適な基から選択される。R、R、RおよびR基は、互いに同じであってもよく、またはそれらの任意の数のものが他のものと異なっていてもよい。R、R、RおよびRの1以上として使用するのに好適な基は、シクロプロペン環に直接結合されていてもよいし、または介在する基、例えば、ヘテロ原子含有基などを介してシクロプロペン環に結合されていてもよい。
【0011】
本明細書において使用される場合、着目した化学基の1以上の水素原子が置換基によって置き換えられている場合に、着目した化学基が「置換」されていると称される。好適な置換基には、例えば、アルキル、アルケニル、アセチルアミノ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシイミノ、カルボキシ、ハロ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アルキルスルホニル、アルキルチオ、トリアルキルシリル、ジアルキルアミノ、およびこれらの組み合わせが挙げられる。存在する場合には、単独でまたは他の好適な置換基と組み合わせて存在することができる追加の好適な置換基は
−(L)−Z
(式中、mは0〜8であり、LおよびZは本明細書において上に定義されている)である。着目した1つの化学基上に2以上の置換基が存在する場合には、各置換基は異なる水素原子と置き換わることができるか、または1つの置換基が別の置換基に結合し、この別の置換基が、着目した化学基に結合することができ、またはこれらの組み合わせであってよい。
【0012】
好適なR、R、RおよびR基には、例えば、下記の基のいずれかの置換体または非置換体が挙げられる:脂肪族、脂肪族−オキシ、アルキルカルボニル、アルキルホスホナト、アルキルホスファト、アルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルカルボキシル、アルキルアミノスルホニル、シクロアルキルスルホニル、シクロアルキルアミノ、ヘテロサイクリル(すなわち、少なくとも1つのヘテロ原子を環内に有する芳香族もしくは非芳香族環式基)、アリール、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロラト、ブロマト、ヨーダト、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ、アセトキシ、カルボエトキシ、シアナト、ニトラト、ニトリト、ペルクロラト、アレニル;ブチルメルカプト、ジエチルホスホナト、ジメチルフェニルシリル、イソキノリル、メルカプト、ナフチル、フェノキシ、フェニル、ピペリジノ、ピリジル、キノリル、トリエチルシリル、およびトリメチルシリル。
【0013】
好適なR、R、RおよびR基には、1以上のイオン化可能な置換基を含むものが挙げられる。このようなイオン化可能な基は非イオン化形態または塩形態であることができる。
【0014】
およびRが一緒になって、二重結合によってシクロプロペン環の第3番炭素原子に結合されている単一の基になっている実施形態も意図される。このような化合物のいくつかは米国特許出願公開第2005/0288189号に記載されている。
【0015】
ある実施形態においては、R、R、RおよびRの1以上が水素である1種以上のシクロプロペンが使用される。ある実施形態においては、R、R、RおよびRのそれぞれが水素またはメチルである。ある実施形態においては、Rが(C−C)アルキルであり、R、RおよびRのそれぞれが水素である。ある実施形態に置いては、Rがメチルであり、R、RおよびRのそれぞれが水素であり、このシクロプロペン化合物は、本明細書において「1−MCP」と称される。
【0016】
ある実施形態においては、1気圧で50℃以下;または25℃以下;または15℃以下の沸点を有するシクロプロペン化合物が使用される。独立に、ある実施形態においては、1気圧で−100℃以上;−50℃以上;または−25℃以上;または0℃以上の沸点を有するシクロプロペン化合物が使用される。
【0017】
本発明の実施は、1種以上のシクロプロペン化合物を含む組成物(本明細書において、「CP組成物」と称される)を伴う。ある実施形態においては、CP組成物は1種以上の分子封入剤(molecular encapsulating agent)を含む。好適な分子封入剤には、例えば、有機および無機分子封入剤が挙げられる。好適な有機分子封入剤には、例えば、置換シクロデキストリン、非置換シクロデキストリン、およびクラウンエーテルが挙げられる。好適な無機分子封入剤には、例えば、ゼオライトが挙げられる。好適な分子封入剤の混合物も好適である。本発明のある実施形態においては、封入剤は、アルファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリン、またはこれらの混合物である。本発明のある実施形態においては、特に、シクロプロペン化合物が1−メチルシクロプロペンの場合には、封入剤はアルファ−シクロデキストリンである。好ましい封入剤は、使用されるシクロプロペン化合物(単一種または複数種)の構造に応じて変化するであろう。シクロデキストリン、またはシクロデキストリンの混合物、シクロデキストリンポリマー、修飾シクロデキストリン、またはその混合物も本発明に従って使用されうる。いくつかのシクロデキストリンは、例えば、ミシガン州エイドリアンのWacker Biochem Inc.および他の供給者から入手可能である。
【0018】
ある実施形態においては、少なくとも1種の分子封入剤が1種以上のシクロプロペンを封入する。分子封入剤の分子中に封入されたシクロプロペン化合物または置換シクロプロペン化合物分子は、本明細書において「シクロプロペン化合物分子封入剤複合体」と称される。シクロプロペン化合物分子封入剤複合体は任意の手段によって製造されうる。製造の一方法においては、例えば、米国特許第6,017,849号に開示される方法を用いて、シクロプロペン化合物を分子封入剤の溶液またはスラリーと接触させ、次いで、複合体を単離することによって、このような複合体は製造される。
【0019】
本発明は理論によって限定されないが、CP組成物が水性であり、分子封入剤がシクロプロペン化合物を封入する実施形態の少なくともいくつかにおいては、その封入複合体が疎水性相互作用によって安定化されることが考えられる。すなわち、このような実施形態においては、特定のシクロプロペン化合物が相対的に非極性でありかつ水にほとんど溶けず、一方、分子封入剤は相対的に非極性の内部空洞および相対的に親水性の外側を有する分子である。このような実施形態においては、シクロプロペン化合物は、分子封入剤の内部空洞にエネルギー的に有利な環境を見つけると考えられる。
【0020】
存在する場合には、分子封入剤の量は、シクロプロペン化合物のモル数に対する分子封入剤のモル数の比率によって有用に特徴づけられうる(すなわち、分子封入剤のモル数をシクロプロペン化合物のモル数で割った場合に得られる結果の数)。ある実施形態においては、シクロプロペン化合物のモル数に対する分子封入剤のモル数の比率は0.1以上;または0.2以上;または0.5以上;または0.9以上である。独立して、このような実施形態のいくつかにおいては、シクロプロペン化合物のモル数に対する分子封入剤のモル数の比率は2以下;または1.5以下である。ある実施形態においては、シクロプロペン化合物のモル数に対する分子封入剤のモル数の比率は0.9〜1.5である。
【0021】
ある実施形態においては、CP組成物は1種以上のキレート剤を含む。キレート剤は、それぞれが金属原子と配位結合を形成できる原子または基を少なくとも2つ有する化合物であり、キレート剤の1分子は1つの金属原子と2以上の配位結合を形成することができる。
【0022】
1種以上のキレート剤が使用される実施形態においては、好適なキレート剤には、例えば、有機キレート剤および無機キレート剤が挙げられる。ある実施形態においては、例えば、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸のようなリン酸塩であるキレート剤が使用される。ある実施形態においては、アミノカルボン酸、1,3−ジケトン、ヒドロキシカルボン酸、ポリアミン、アミノアルコール、芳香族複素環式塩基、フェノール、アミノフェノール、オキシム、シッフ塩基、硫黄化合物、またはこれらの混合物から選択されるキレート剤が使用される。ある実施形態においては、1種以上のアミノカルボン酸、1種以上のヒドロキシカルボン酸、1種以上のオキシム、またはそれらの混合物から選択されるキレート剤が使用される。ある実施形態においては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、N−ジヒドロキシエチルグリシン(2−HxG)、エチレンビス(ヒドロキシフェニルグリシン)(EHPG)、またはこれらの混合物を含むキレート剤が使用される。ある実施形態においては、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、5−スルホサリチル酸、またはこれらの混合物を含むキレート剤が使用される。ある実施形態においては、ジメチルグリオキシム、サリチルアルドキシム、またはこれらの混合物を含むキレート剤が使用される。ある実施形態においては、EDTAが使用される。
【0023】
酸であるキレート剤が使用される実施形態においては、その酸は中性形態で、もしくは塩の形態で、またはこの組み合わせで存在しうる。塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムまたはこれらの混合物をはじめとする任意の対イオンを有しうる。ある実施形態においては、マグネシウムもしくはカルシウムまたはこれらの混合物が使用される。
好適なキレート剤の混合物も好適である。
【0024】
キレート剤が使用される実施形態においては、キレート剤の量は、CP組成物の全重量を基準にして、10重量%以下;または8重量%以下;または6重量%以下である。独立して、ある実施形態においては、金属錯化剤の量は、CP組成物の全重量を基準にして0.1重量%以上;または0.2重量%以上;または0.5重量%以上である。ある実施形態においては、金属錯化剤の量は、CP組成物の全重量を基準にして、0.5%〜6%である。
【0025】
本発明は観賞植物(ornamental plants)の処理を伴う。本明細書において使用される場合、「観賞植物」は、土壌に根を張り生きている、その美的アピールについて商業的価値を有する植物である。ある観賞植物は、収穫されることができかつ商業的価値を有する農作物(すなわち、1以上の生産物または1以上の植物の部分)を生じさせるので、作物としてのさらなる価値を有する。ある実施形態においては、観賞植物の花、葉、香り、果実、茎、皮またはこれらの組み合わせの1以上の美的アピールのために、1種以上の観賞植物が選択される。
【0026】
ある実施形態においては、1種以上の観賞植物がその外観に関して選択される。これらのいくつか(本明細書においては「花観賞植物」と称される)は、その花の外観に関して選択される。
【0027】
ある実施形態においては、観賞植物は以下のものから選択される:アカシア(Acacia)、アキレア(Achillea)、アフリカンボックスウッド(African Boxwood)、アフリカンリリー(African Lily)、セントポーリア(African Violet)、アガパンサス(Agapanthus)、アゲラタム(Ageratum)、アゲラタムヒューストニム(Ageratum houstonim)、ネギ(Allium)、アルピナ(Alpina)、アルストロメリア(Alstroemeria)、アマランサスヒポコンドリアクス(Amaranthus hypochondriacus)、アマリリス(Amaryllis)、ドクゼリモドキ(Ammi majus)、トリカブト(Anconitum)、アネモネ(Anemone)、アニゴザンサス(Anigozanthus)、ラークスパー(Annual Delphinium)、アンスリウム(Anthurium)、キンギョソウ(Antirrhinum majus)、アスパラガス(Asparagus)、シオン(Aster)、シロクジャク(Aster spp.)、アスチルベ(Astilbe)、ツツジ(Azalea)、オノエマンテマ(Baby’s Breath)、センニチコウ(Bachelor’s Button)、バンクシア(Banksia)、ベゴニア(Begonia)、ベルフラワー(Bellflower)、モルセラ(Bells of Ireland)、ビッグフラックス(Big Flax)、クラスペディア(Billy Buttons)、リアトリス(Blazing Star)、ケマンソウ(Bleeding Heart)、ボロニア(Boronia)、ブバルディア(Bouvardia)、ブルーム(Broom)、ブッドレア(Buddleia)、ミシマサイコ(Bupleurum)、フサフジウツギ(Butterfly Bush)、コチョウラン(Butterfly Orchid)、カリフォルニアペッパーベリー(California Pepperberry)、カラー(Calla Lily)、カンパニュラ(Campanul)、キャンディタフト(Candytuft)、フウリンソウ(Canterbury Bells)、カーネーション(Carnation)、カルサムス(Carthamus)、カスピア(Caspia)、カトレア(Cattleya)、セロシア(Celosia)、ケイトウ(Celosia argenta)、ヤグルマギク(Centaurea cyanus)、カメラウシウム(Chamelaucium)、チムニーベル(Chimney Bells)、キク(Chrysanthemum)、ショクヨウギク(Chrysanthemum x morifolium)、クラーキア(Clarkia)、チドリソウ(Consolida ambigua)、スズラン(Convallaria)、コーラルベル(Coral Bell)、コルディリネ(Cordyline)、コレオプシス(Coreopsis)、ヤグルマソウ(Cornflower)、クラスペディア(Craspedia)、カーリーウイロー(Curly Willow)、シクラメン(Cyclamen)、シンビジウム(Cymbidium)、シンビジウム(Cymbidium Orchid)、ラッパスイセン(Daffodil)、デイジー(Daisy)、デイジーマム(Daisy Mums)、ワスレグサ(Daylily)、デルフィニウム(Delphinium)、デンドロビューム(Dendrobium)、デンドロビューム(Dendrobium Orchid)、ビジョナデシコ(Dianthus barbatus)、カーネーション(Dianthus caryophyllus)、ミニチュアカーネーション(Dianthus caryophyllus nana)、リュウゼツラン(Dragon’s Tongue)、ドラムスティック(Drumstick)、エンスージアズム(Enthusiasm)、エリカ(Erica spp)、トルコギキョウ(Eustoma grandiflorum)、ヘリコニア(False Bird of Paradise)、ヒトツバショウマ(False Spirea)、ゴデチア(Farewell−To−Spring)、アンスリウム(Flamingo Flower)、アゲラタム(Floss Flower)、フリージア(Freesia)、フリージアハイブリッド(Freesia x hybrida)、(Fuji or spider Mums)フジまたはスパーダーキク、リアトリス(Gay Feather)、ヒトツバエニシダ(Genista spp.)、ゼラニウム(Geranium)、ガーベラ(Gerbera)、ガーベラ(Garbera spp.)、ジンジャー(Ginger)、グラジオラス(Gladiolus)、グラジオラスハイブリッドナヌス(Gladiolus hybrid nanus)、ゴーツビアード(Goat’s Beard)、ゴデチア(Godetia)、セイタカアワダチソウ(Golden Rod)、ガーンジーリリー(Guersney Lily)、ギプ(Gyp)、シュッコンカスミソウ(Gypsophila paniculata)、ヘリコーニア(Hanging Helicona)、ヒース(Heath)、ヘザー(Heather)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、ヘリコニア(Heliconia spp.)、ヒッペアストルム(Hippeastrum)、ギボウシ(Hosta)、アジサイ(Hydrangea)、イベリスアマラ(Iberis amara)、インパチェンス(Impatiens)、インカリリー(Inca Lily)、アイリス(Iris)、アイリス(Iris spp.)、アイボリーリリー(Ivory Lily)、カネノナルキ(Jade plant)、ジャフェットオーキッド(Japhette Orchid)、キズイセン(Jonquil)、カランコエ(Kalanchoe)、カンガルーポー(Kangaroo Paw)、ナップウイード(napweed)、ラークスパー(Larkspur)、スイートピー(Lathyrus odoratus)、ラバンデュラ(Lavandula)、ラベンダー(Lavender)、リアトリス(Liatris)、ライラック(Lilac)、ユリ(Lilium spp.)、スズラン(Lilly−of−the−Valley)、ユリ(Lily)、ステルンベルギア(Lily of the Field)、アガパンサス(Lily of the Nile)、リモニウム(Limonium)、スターチス(Limonium spp.)、トルコギキョウ(Lisianthus)、ロブスタークロウ(Lobster Claw)、ニゲラ(Love in the mist)、アマランス(Love−lies−bleeding)、ストック(Mattholia incana)、ミモザ(Memosa)、ミニチュアカーネーション(Minature Carnation)、ミニカーネーション(Mini Carnation)、ミニチュアグラジオラス(Miniature Gladiolus)、モルセラ(Moluccella laevis)、ヨウシュトリカブト(Monkshood)、サンセベリア(Mother−in−law tongue)、ムサ(Musa)、ヤブコウジ科(Myrsine)、マートル(Myrtle)、ミルトス(Myrtus)、スイセン(Narcissus)、ネフロレピス(Nephrolepis)、ネリネ(Nerine)、ネリネリリー(Nerine Lily)、ニゲラ(Nigella)、ラン(Orchid)、アリウム・クリストフィー(Ornamental Onion)、オーニソガラム(Ornithogalum)、ボタン(Paeonia)、ペインテッドトング(Painted Tongue)、ボタン(Peony)、ユリズイセン(Peruvian lily)、ペチュニア(Petunia)、コチョウラン(Phalaenopsis)、フィロデンドロン(Philodendron)、フロックス(Phlox)、スカビオサ(Pincushion Flower)、ピット(Pitt)、ピットスポラム(Pittosporum)、ピクシーカーネーション(Pixie Carnation)、ポインセチア(Pointsettia)、チューベローズ(Polianthes tuberosa)、ポンポンキク(Pompon Chrysanthemum)、アネモネ(Poppy Anemone)、ポリウム(Porium)、プロテア(Protea spp.)、エキナセア(Purple Coneflower)、ネコヤナギ(Pussy Willow)、クイーンアンズレース(Queen Ann’s Lace)、ラナンキュラス(Ranunculus)、ラットルスネーク(Rattlesnake)、レッドリボン(Red Ribbons)、バラ(Rosa spp.)、バラ(Rose)、ルドベキア(Rudbeckia)、ベニバナ(Safflower)、サリクス(Salix)、サルビア(Salvia)、サンセベリア(Sansevieria)、サテンフラワー(Satin Flowers)、スカビオサ(Scabiosa)、シヌス(Schinus)、イソマツ(Sea lavender)、セダム(Sedum)、シェルフラワー(Shell Flowers)、スネークプラント(Snake Plant)、キンギョソウ(Snapdragon)、ソリダゴ(Solidago)、ソリダスター(Solidaster spp.)、クワガタソウ(Speedwell)、スパイダーリリー(Spider Lily)、スパーダーマム(Spider Mums)、スプレーカーネーション(Spray Carnation)、オオアマナ(Star of Bethlehem)、イソマツ(Statice)、ステンアメゾン(Stenamezon)、ストック(Stock)、サマーズダーリン(Summer’s Darling)、サンフラワー(Sunflower)、スイートピー(Sweet Pea)、アメリカナデシコ(Sweet William)、タマシダ(Sword Fern)、ライラック(Syringa vulgaris)、テイルフラワー(Tailflowers)、エフデギク(Tassel flower)、ブプレウルム(Thouroughwax)、ユウギリソウ(Throatwort)、トラケリウム(Trachelium)、モクセイシダ(Tree Fern)、テッポウユリ(Trumpet Lily)、チュベローズ(Tuberose)、チューリップ(Tulip)、チューリップ(Tulipa)、ベロニカ(Veronica)、ワトル(Wattle)、ワックスフラワー(Waxflower)、ワイルドプランテーン (Wild Plantain)、ワイルドフラワー(Wildflower)、ウルフスベーン(Wolfsbane)、ヒャクニチソウ(Youth and Old Age)、オランダカイウ(Zantedeschia)、ジニア(Zinna)、ヒャクニチソウ(Zinnia elegans)、シャコバサボテン(Zygocactus)およびこれらの混合。
【0028】
ある実施形態においては、本発明の実施において処理される植物には、その処理の時点で開花している1種以上の花観賞植物が挙げられる。このような実施形態のいくつかにおいては、花の寿命が延ばされるか、または植物の活力が高められるか、またはその両方である。活力の向上が起こる場合には、それは処理の直後に起こることができ、またはそれは後に、場合によっては、花が植物から落ちた後で、および/または場合によっては4週間後に、観察されることができる。
【0029】
本発明の実施において、植物は、生長培地に根を張る時に処理される。成長培地は天然、人工、またはこれらの組み合わせであってよい。好適な成長培地には、例えば、土壌、人工成長培地、およびこれらの混合物が挙げられる。人工成長培地は、有機成分、または鉱物成分、またはその両方を含むことができる。人工成長培地は固体または液体(すなわち、水耕成長培地)、またはその組み合わせであることができる。ある好適な成長培地には、例えば、コンポスト(例えば、堆肥にされた庭ゴミ)、ピートモス、松樹皮、パーライト、砂、バーミキュライト、コイア、ロックウール、発泡体、またはこれらの組み合わせが挙げられる。ある実施形態においては、成長培地は土壌である。
【0030】
本発明の実施においては、観賞植物はあらゆる場所で処理されうる。ある実施形態においては、観賞植物は建物外または閉鎖環境外で処理される。別の実施形態においては、観賞植物は閉鎖環境内、例えば、温室、別の建物、輸送用容器、またはトラック内で処理される。
【0031】
独立して、観賞植物が根付く成長培地が任意の構成であっても、観賞植物は処理されうる。ある実施形態においては、成長培地は地面にあり、例えば、水平な地面、または起立した床に、またはこれらの組み合わせにある。ある実施形態においては、成長培地は、容器内に、例えば、植木鉢、薄い箱(flat)、別の何らかの容器、またはこの組み合わせ内にある。ある実施形態においては、各容器内の成長培地は80cm以下の深さを有する。ある実施形態においては、各容器内の成長培地は50cm以下、または25cm以下、または15cm以下の深さを有する。ある実施形態においては、成長培地は容器が必要ないくらい充分に固い。このような固い成長培地には、例えば、発泡体(例えば、Oasis商標成長培地など)、またはロックウールまたはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0032】
固い成長培地の品物の形態の成長培地、または植木鉢または薄い箱内にある成長培地に根付いた観賞植物は持ち運び可能であることが意図される。通常、このような植木鉢、薄い箱、または固い成長培地の品物は、個々の人によって、持ち上げられ、運ばれることができる。
【0033】
ある実施形態においては、本発明の実施において処理される植物には、薄い箱または植木鉢において処理され、その後で消費者によって地面の土壌に植えられる、花壇植え植物(flowering bedding plants)の1種以上が挙げられる。ある実施形態においては、本発明の実施において処理される植物には、その葉の外観に通常価値がありその花には価値がない植物である、観葉植物の1種以上が挙げられる。ある実施形態においては、本発明の実施において処理される植物には、処理されるときに植木鉢にあり、かつ消費者によって購入された後でも、通常、植木鉢内に留められる、顕花鉢物植物(flowering pot plants)の1種以上が挙げられる。ある実施形態においては、本発明の実施において処理される植物には、植木鉢または薄い箱内で処理され、その後消費者によって地面に植えられる、作物苗(nursery crops)、例えば、一年生植物、二年生植物および多年生植物などが挙げられる。ある実施形態においては、本発明の実施において処理される植物には、芝草が挙げられる。ある実施形態においては、本発明の実施において処理される植物には、1種以上の花壇植え植物、1種以上の観葉植物、1種以上の顕花鉢物植物、1種以上の作物苗、芝草、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0034】
本明細書においては、組成物が、1気圧の圧力で10℃〜30℃の温度範囲にわたって液体状態である場合には、その組成物は液体であると見なされる。
【0035】
本明細書においては、組成物が、その組成物の重量を基準にして50重量%以上の水を含む場合には、その組成物は「水性」であると見なされる。
【0036】
本発明の実施は、液体CP組成物の使用を伴う。ある実施形態においては、その液体CP組成物は水性組成物である。ある実施形態においては、その液体CP組成物は、その液体CP組成物の重量を基準にして、75重量%以上、または85重量%以上、または90重量%以上、または95重量%以上の量の水を含む。
【0037】
本明細書において使用される場合、語句「の量のシクロプロペン化合物」とは、2種以上のシクロプロペン化合物が存在する場合には、全てのシクロプロペン化合物の合計がその量で存在することを意味すると見なされる。
【0038】
液体CP組成物は、液体CP組成物1リットルあたりシクロプロペン0.3〜300ミリグラムの量のシクロプロペン化合物を含む。ある実施形態においては、液体CP組成物は、0.5以上;または1以上;または2以上;または5以上;または10以上(液体CP組成物1リットルあたりのシクロプロペンのミリグラム数)の量のシクロプロペン化合物を含む。独立して、ある実施形態においては、液体CP組成物は、250以下;または200以下;または150以下;または100以下;または90以下;または50以下(液体CP組成物1リットルあたりのシクロプロペンのミリグラム数)の量のシクロプロペン化合物を含む。ある実施形態においては、液体CP組成物は、液体CP組成物1リットルあたりシクロプロペン5〜50ミリグラムの量のシクロプロペン化合物を含む。
【0039】
ある実施形態においては、水性液体CP組成物中の水以外の成分は水全体に分布している。水以外の各成分は、他の成分から独立して、水中に溶解されることができ、または水中に分散されることができ、または水中に乳化されることができ、またはこれらの組み合わせであることができる。
【0040】
場合によっては、CP組成物中に、1種以上のアジュバント、例えば、エキステンダー、顔料、充填剤、バインダー、可塑剤、滑剤、界面活性剤、湿潤剤、展着剤、分散剤、固着剤(Stickers)、接着剤、消泡剤、増粘剤、輸送剤(transport agents)、および乳化剤などを含むのが望まれる。
【0041】
独立して、ある実施形態においては、CP組成物は1種以上のアルキルアルコールを含む。ある実施形態においては、CP組成物はアルキル基が6以下の炭素原子、または3以下の炭素原子を有するアルキルアルコールの1種以上を含む。
【0042】
ある実施形態においては、1種以上の界面活性剤が使用される。好適な界面活性剤には、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、およびこれらの混合物が挙げられる。ある実施形態においては、1種以上の非イオン性界面活性剤が使用される。いくつかの好適な非イオン性界面活性剤は、例えば、アルキルフェノキシエトキシラート、およびシリコーン界面活性剤である。ある実施形態においては、シリコーン界面活性剤が使用される。ある実施形態においては、トリシロキサンアルコキシラートが使用される。ある好適なトリシロキサンアルコキシラートは、例えば、ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、アルファ−メチル−オメガ−(3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−((トリメチルシリル)オキシ)−1−ジシロキサニル)プロピル)(登録番号27306−78−1)、GEシリコーンからSilwet商標L−77として入手可能がある。好適な界面活性剤の混合物も好適である。
【0043】
界面活性剤を使用する実施形態の中では、いくつかの実施形態は、液体CP組成物の全重量を基準にして、0.005重量%以上;または0.01重量%以上の量の界面活性剤を使用する。独立して、界面活性剤を使用する実施形態の中では、いくつかの実施形態は、液体CP組成物の全重量を基準にして、1重量%以下;または0.3重量%以下;または0.1重量%以下の量の界面活性剤を使用する。ある実施形態においては、液体CP組成物の全重量を基準にして0.01重量%〜0.1重量%の量で界面活性剤が使用される。
【0044】
本発明の実施において、液体CP組成物は植物と接触させられる。この接触は、例えば、噴霧、浸漬、霧化、またはこれらの組み合わせをはじめとするあらゆる方法によって行われることができる。ある実施形態においては、噴霧が使用される。
【0045】
使用される液体CP組成物の量は、液体CP組成物のミリリットル単位での体積を、この液体CP組成物が適用される平方メートル単位での面積で割った値として特徴づけられ得る。液体CP組成物が接触させられる植物が植木鉢、または薄い箱、または他の容器内にある場合には、使用される液体CP組成物の量を計算するのに使用される面積は、複数容器間の何もない空間を含んで、その容器を取り囲む外周によって形成される形状の総面積である。
【0046】
ある実施形態においては、使用される液体CP組成物の量は、20ml/m以上;または50ml/m以上;または100ml/m以上である。独立して、ある実施形態においては、使用される液体CP組成物の量は、2000ml/m以下;または1000ml/m以下;または500ml/m以下である。ある実施形態においては、使用される液体CP組成物の量は100ml/m〜500ml/mである。
【0047】
本明細書および特許請求の範囲の目的のために、本明細書において開示されるそれぞれの操作は、他に特定されない限りは25℃で行われるものと理解される。
【実施例】
【0048】
(他に示されない限りは)、3.8%の活性成分である1−MCPを含み、並びにデキストロース、アルファ−シクロデキストリン、およびアミノ酸塩も含むAFxRD−038粉体を使用して噴霧適用がなされた。示された比率は活性成分についてのものであり、例えば、1リットルあたり5mgの活性成分である。噴霧された液体は、(他に示されない限りは)、水に添加されたAFxRD−038を含んでいた。AFxRD−038粉体はアグロフレッシュインコーポレーテッド(AgroFresh Inc.)から得られた。使用された水は、(他に示されない限りは)、水道水であった。適用は500mlの噴霧ボトルにおいて、観賞植物産業において成長調節剤の適用に典型的な割合で、すなわち200ml/mで行われた。噴霧は、配合物の混合の5〜15分以内に行われた。植物は、エチレンに曝露(2ppmで周囲温度で約16時間)される前に、1〜4時間乾燥させられた。
【0049】
「周囲温度」とは本明細書においては15℃〜28℃を意味する。
界面活性剤Silwet商標L−77(以下「界面活性剤」と称する)が、場合によって含まれ、効力に対する界面活性剤の影響を評価した。Silwet商標L−77は純粋な液体の形態で使用された。以下に示される「ml/L」としての量は純粋なSilwet商標L−77のミリリットル/液体CP組成物のリットルを意味する。
【0050】
試験される植物は花壇用植物(すなわち、6パックトレイ内で成長した顕花植物)または顕花鉢物植物を含んでいた。以下のそれぞれの実施例において複数の同種の植物が試験された。測定値には小文字(例えば、「a」または「ab」)が付けられ、これらの文字は結果についての統計学的分析の結果を示す。例えば、実施例6における「9日目」の結果においては、0mg/Lの1−MCPでの結果(文字「a」)は5および10mg/Lでの結果(文字「b、c、dおよび/またはe」、文字「a」ではない)と統計学的に異なる。
【0051】
実施例1
1−MCP溶液で噴霧され、エチレンに曝露されたインパチェンス(品種不明、直径10cm(4インチ)の植木鉢内)およびシクラメン植物(品種不明、直径11.5cm(4.5インチ)の植木鉢内)の、見た目の外観および花またはつぼみの器官脱離。
【0052】
【表1】

注1:0=劣悪;5=優秀
注2:1=劣悪;5=優秀
300mg/Lでの処理はインパチェンスに対して植物毒性を生じさせた。
【0053】
実施例2
カランコエ(品種不明)、「キャンディストライプ」フロックスおよび「ソネット」キンギョソウ(全ては直径10cm(4インチ)の植木鉢内)が、Silwet商標L−77界面活性剤(比重1.007)を含むかまたは含まない1−MCP溶液で噴霧され、エチレンに曝露された。
カランコエについては、発明者は、枯れた花が植物上に留まっているかどうかにかかわらず、1以上の花がしおれて枯れた植物のパーセントを観察した。フロックスおよびキンギョソウについては、発明者は、1以上の花または1以上のつぼみが器官脱離を受けた植物のパーセントを観察した。
【0054】
【表2】

【0055】
5mg/Lの1−MCPの割合は、エチレンに対する保護をもたらすのに充分であった。50mg/Lの1−MCPの割合は、カランコエまたはキンギョソウの花には何ら植物毒性を生じさせなかったが、フロックスおよびキンギョソウに対して最も高い割合で、開花した小花(open florets)に対して植物毒性を生じさせた。
【0056】
実施例3
界面活性剤を含まない1−MCP溶液で噴霧され、エチレンに曝露されたカンパニュラ(植木鉢内)のつぼみのしおれおよび花の器官脱離(%)。発明者は、1以上のつぼみまたは1以上の花が、しおれまたは器官脱離またはその両方を受けた植物のパーセントを観察した。
【0057】
【表3】

【0058】
0mg/Lの1−MCPにおいては、1日目と比較して7日目でのつぼみの器官脱離がより低いパーセンテージである理由は、つぼみの再成長である。
【0059】
実施例4
界面活性剤(Silwet商標L−77)を含むかまたは含まない1−MCP溶液で噴霧し、エチレンに曝露された、リーガルゼラニウム(Regal Geranium)品種である「キャメロット(Camelot)」および「ジュエル(Jewel)」における花の損失(%)。
【0060】
【表4】

注3:植物毒性が観察された
【0061】
実施例5
0.25mL/LのSilwet商標L−77界面活性剤を含む1−MCP溶液で噴霧され、エチレンに曝露された、「マゼンタ」インパチェンス(植木鉢内)のつぼみのしおれおよび花の器官脱離(すなわち、つぼみのしおれまたは花の器官脱離またはその両方を示した植物の%)。
【0062】
【表5】

【0063】
「マゼンタ」インパチェンスにおいては、Silwet商標L−77を含む、最も高い割合でさえ植物毒性は観察されなかった。
【0064】
実施例6
Silwet商標L−77を含むかまたは含まない1−MCP溶液で噴霧され、エチレンに曝露されたペチュニア(6パックトレイ内)のつぼみのしおれ。
【表6】

【0065】
実施例7
Silwet商標L−77を含むかまたは含まない1−MCP溶液で噴霧され、エチレンに曝露された「ハーク」コチョウラン(植木鉢内)の花のしおれ、つぼみのしおれおよび落下の1以上を示す植物のパーセント。
【0066】
【表7】

【0067】
1−MCP噴霧は、コチョウラン植物の閉じたおよび開いたつぼみの両方を保護した。
【0068】
実施例8:開花植物のラック
花のラックが25mg/Lを含む噴霧液体で、200ml/平方メートルの割合で噴霧された。ラックは、次いで、完全に密封されたトラック(長さ7.3メートル)内に14時間置かれた。次いで、植物がエチレンに曝露され、0(劣悪)〜2(良好)の評価スケールを用いて3および7日後に評価された。対照の植物は、前記噴霧を受けなかったことを除いて同じように処理された。結果は以下の通りであった。
【0069】
【表8】

【0070】
いずれの場合においても、噴霧された植物が、対応する対照の植物よりも統計学的に有意な程度に悪くならなかった。ほとんどの場合では、噴霧された植物は、対応する対照の植物よりも良好であった。全ての種類において、噴霧された植物が、3日目または7日目、またはその両方において対照の植物よりも良好であったことが示された。
【0071】
実施例9:低濃度噴霧後の貯蔵寿命
噴霧液体は、蒸留水中のEthylBloc商標粉体(0.14重量%の1−MCPと、アルファ−シクロデキストリンと、デキストロースとを含んでおり、Floralife Inc.から入手可能)であった。噴霧されたおよび噴霧されていない対照の植物の貯蔵寿命が観察され、次の結果を得た:
【0072】
【表9】

【0073】
実施例10:植物苗
多くの場合輸送中に品質の問題を示す、ダチュラ(Datura)(トロピカル)、ミニバラ、デルフィニウム(サンペレニアル;sun perennial)、バーベナ(Verbena)(サンペレニアル)、アスクレピアス(Asclepias)(サンペレニアル)、デロスペルマ(Delosperma)(グラウンドカバー;groundcover)、ミオソティス(Myosotis)(シェードペレニアル;shade perennial)およびプリムラ(シェードペレニアル)をはじめとする様々な植物苗が選択された。
噴霧液体は50mg/Lの1−MCPを有していた。噴霧されたおよび噴霧されていない対照の植物は、その全てが開花させられ、標準的な手順に従って箱に入れられ、商業的な条件下で運ばれた。5日後、植物は箱から出され、0(劣悪)〜2(良好)の品質の評価をした。結果は以下に示された:
【0074】
【表10】

【0075】
上記観察の後で、植物は温室に4週間おかれ再び評価された。噴霧された植物は典型的により大きく、より緑色で、かつより健康であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上のシクロプロペン化合物を含む液体組成物と観賞植物とを接触させることを含み、前記1種以上のシクロプロペン化合物の全ての合計濃度が前記液体組成物1リットルあたりシクロプロペン化合物0.3〜300ミリグラムである、観賞植物を処理する方法。
【請求項2】
観賞植物が開花中の顕花植物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
液体組成物が水性組成物である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
植物が植木鉢内にある、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
液体組成物が1種以上のキレート剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
シクロプロペン化合物のいくつかまたは全部が分子封入剤によって封入されている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1種以上のシクロプロペン化合物の全ての合計濃度が前記液体組成物1リットルあたりシクロプロペン化合物5〜50ミリグラムである、請求項1に記載の方法。

【公開番号】特開2011−45363(P2011−45363A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−161339(P2010−161339)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】