説明

計量包装システムとそれに用いられる計量機及び包装機

【課題】 計量機と包装機の両方を同じ動作速度にて動作させることができる計量包装システムを提供する。
【解決手段】 組合せ秤制御部10は、第1の速度に応じた第1の周期の間隔で到来する排出信号出力予定時刻を設定し、この時刻に排出信号aを出力し、包装機制御部20から出力される排出要求信号bを認識するべき理想の時刻として第1の周期の間隔で到来する基準時刻を設定し、この基準時刻に基づいて組合せ秤本体2の動作のタイミングを制御する。包装機制御部20は、第1の速度に応じた包装機本体2の動作の周期内において所定のタイミングで排出要求信号bを出力し、排出信号aに基づいて包装機本体2の動作のタイミングを制御する。さらに、組合せ秤制御部10は、排出要求信号入力認識時刻と基準時刻との間に生じる時間差が小さくなるように、排出信号出力予定時刻と基準時刻とのうちのいずれかを設定しなおす調整処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被計量物を計量して包装する計量包装システムとそれに用いられる計量機及び包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
組合せ秤等の計量機によって計量された菓子類等の被計量物は、包装機によって袋詰めされるのが一般的である。このような計量包装システムでは、例えば、組合せ秤の下方に包装機が設置されており、組合せ秤により計量されて排出される被計量物が包装機にて包装される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来の計量包装システムでは、例えば組合せ秤で計量された被計量物が包装機へ供給され、包装機にて包装されて袋詰めされるという、組合せ秤と包装機との連係動作を可能にするため、組合せ秤と包装機のいずれか一方をスレーブ側、他方をマスター側の装置とし、組合せ秤と包装機間で相互に信号の授受を行うように構成されている。例えば、包装機では、所定のタイミングで組合せ秤に対して被計量物の排出を要求する排出要求信号を出力し、組合せ秤では、所定のタイミングで包装機に対して被計量物の排出を知らせる排出信号を出力するようにしている。これらの排出信号及び排出要求信号の授受は、組合せ秤及び包装機の各々の制御部の間で、例えばLANによる通信によって行われる。
【0004】
ここで、包装機をマスター側の装置とし、組合せ秤をスレーブ側の装置とする構成では、例えば、組合せ秤の動作速度(計量済み被計量物の1分間の排出回数)を110回/分、包装機の動作速度(1分間の包装回数)を100回/分というように、包装機を組合せ秤よりも遅い動作速度に設定する。この場合、組合せ秤では、包装機から排出要求信号が入力されるより前に、被計量物の排出準備が完了して待機状態になっており、包装機から入力される排出要求信号に応答して、即座に被計量物を排出するとともに包装機へ排出信号を出力する。包装機では、組合せ秤から入力される排出信号を確認して組合せ秤から排出された被計量物の包装動作を行う。
【0005】
このように、包装機をマスター側、組合せ秤をスレーブ側の装置とする構成では、包装機からの排出要求信号に基づいて組合せ秤の排出動作が開始される。この場合、例えば組合せ秤において、包装機からの排出要求信号を認識するときのタイミングに揺らぎが生じる。ここで、例えば、組合せ秤と包装機とを同じ動作速度に設定して動作させた場合には、包装機からの排出要求信号を認識したときのタイミングの揺らぎが大きいときに、組合せ秤の排出動作の開始が遅れて組合せ秤に待ち時間が発生する。さらに組合せ秤からの排出信号の出力タイミングが遅れるとともに、包装機においても排出信号を認識するときのタイミングに揺らぎが生じることにより、包装機の包装動作の開始が遅れて包装機にも待ち時間が発生する。したがって、両者に待ち時間が発生し、実質的な速度が大幅に低下することになる。そこで、例えば組合せ秤に、予め最長の揺らぎ時間を予測し、それに基づいて包装機からの排出要求信号が認識されるべきタイミングを設定しておいた場合には、組合せ秤が排出要求信号を認識したときの揺らぎ時間が短いときに、組合せ秤の排出準備が完了していない場合が発生する。このような場合が発生することのないようにするため、マスター側の包装機をスレーブ側の組合せ秤よりも遅い動作速度に設定している。
【0006】
また、組合せ秤をマスター側の装置とし、包装機をスレーブ側の装置とする構成では、例えば、組合せ秤の動作速度を100回/分、包装機の動作速度を110回/分というように、組合せ秤を包装機よりも遅い動作速度に設定する。この場合、包装機では、組合せ秤の排出準備が完了するより前に、排出要求信号を組合せ秤に出力して待機状態になっており、組合せ秤は、排出準備が完了すると、包装機からの排出要求信号が入力されていることを確認して被計量物を排出するとともに包装機へ排出信号を出力する。包装機では、組合せ秤から入力される排出信号に応答して組合せ秤から排出された被計量物の包装動作を行う。
【0007】
このように、組合せ秤をマスター側、包装機をスレーブ側の装置とする構成では、組合せ秤からの排出信号に基づいて包装機の包装動作が開始される。この場合、例えば包装機において、組合せ秤からの排出信号を認識するときのタイミングに揺らぎが生じる。ここで、例えば、組合せ秤と包装機とを同じ動作速度に設定して動作させた場合には、組合せ秤からの排出信号を認識したときのタイミングの揺らぎが大きいときに、包装機の包装動作の開始が遅れて包装機に待ち時間が発生する。さらに次の包装機からの排出要求信号の出力タイミングが遅れるとともに、組合せ秤においても排出要求信号を認識するときのタイミングに揺らぎが生じることにより、組合せ秤の排出動作の開始が遅れて組合せ秤にも待ち時間が発生する。したがって、両者に待ち時間が発生し、実質的な速度が大幅に低下することになる。そこで、例えば包装機に、予め最長の揺らぎ時間を予測し、それに基づいて組合せ秤からの排出信号が認識されるべきタイミングを設定しておいた場合には、包装機が排出信号を認識したときの揺らぎ時間が短いときに、組合せ秤からの被計量物が包装機の袋に完全に収まっていないうちに包装機の包装動作が開始されて包装動作に支障が生じる場合が発生する。このような場合が発生することのないようにするため、マスター側の組合せ秤をスレーブ側の包装機よりも遅い動作速度に設定している。
【0008】
上記の組合せ秤と包装機との間で授受される信号のタイミングの揺らぎは、組合せ秤及び包装機において、それぞれの信号を入出力し認識する制御部での内部処理や、ノイズ等によって生じる。
【特許文献1】特開昭61−7423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように組合せ秤等の計量機と包装機とを備えた計量包装システムでは、計量機及び包装機のそれぞれの制御部において、両方の間で授受される信号(排出信号、排出要求信号)を認識するタイミングに揺らぎが生じるため、計量機と包装機の両者を同じ速度に設定して動作させることが困難であった。したがって、計量機と包装機とが同等の最高速度を有する構成であっても、マスター側の装置を、最高速度で動作させることができなかった。
【0010】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、実質的な速度の大幅な低下を招くことなく、計量機と包装機の両方を同じ動作速度に設定して動作させることができる計量包装システムとそれに用いられる計量機及び包装機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の計量包装システムは、被計量物の重量を計量し排出するための一連の動作を繰り返し行う装置本体、及び、設定される動作速度に応じて前記装置本体の動作を制御する制御部を有する計量機と、前記計量機から排出される被計量物を包装するための一連の動作を繰り返し行う装置本体、及び、設定される動作速度に応じて前記装置本体の動作を制御する制御部を有する包装機とを備え、前記計量機と前記包装機とのうちのいずれか一方を第1装置とし、他方を第2装置とし、前記第1装置の制御部と前記第2装置の制御部とに同じ動作速度である前記第1の速度が設定されている場合に、前記第1装置の制御部は、前記第1の速度に応じた前記第1装置の装置本体の前記一連の動作の周期である第1の周期の間隔で到来する第1信号出力予定時刻を設定し、この第1信号出力予定時刻に第1信号を前記第2装置の制御部へ出力するとともに、前記第2装置の制御部から出力される第2信号の入力を認識したときの時刻である第2信号入力認識時刻とそれぞれ対応し、前記第2信号を認識するべき理想の時刻として前記第1の周期の間隔で到来する基準時刻を設定し、この基準時刻に基づいて前記第1装置の装置本体に行わせる前記一連の動作のタイミングを制御するように構成され、前記第2装置の制御部は、前記第1の速度に応じた前記第2装置の装置本体の前記一連の動作の周期内において設定される所定のタイミングで前記第2信号を前記第1装置の制御部へ出力し、前記第1装置の制御部から入力される前記第1信号に基づいて前記第2装置の装置本体に行わせる前記一連の動作のタイミングを制御するように構成され、さらに、前記第1装置の制御部は、前記第2信号入力認識時刻とこの時刻に対応する前記基準時刻との間に生じる時間差が小さくなるように、前記第1信号出力予定時刻と前記基準時刻とのうちのいずれかを設定しなおす調整処理を行うように構成されている。
【0012】
この構成によれば、第1装置の制御部において、第2信号入力認識時刻とそれに対応する基準時刻との時間差を求めてこの時間差が小さくなるように、第1信号出力予定時刻と基準時刻とのうちのいずれかを設定しなおす(更新する)ことにより、第1装置と第2装置である計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。このようにして計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことにより、両者に生じる待ち時間を少なく抑えることができ、実質的な速度の大幅な低下を招くことなく、計量機と包装機の両方を同じ設定速度で動作させることができる。したがって、計量機と包装機とが同等の最高速度を有する構成であれば、計量機と包装機とを最高速度で動作させることが可能になる。
【0013】
また、前記第1装置の制御部は、前記基準時刻に基づいて行う前記第1装置の装置本体の前記一連の動作のタイミングの制御を、前記一連の動作のうちの一動作の開始時刻を前記基準時刻に基づいて制御することにより行うように構成され、前記第2装置の制御部は、前記第1信号に基づいて行う前記第2装置の装置本体の前記一連の動作のタイミングの制御を、前記一連の動作のうちの一動作の開始時刻を前記第1信号の入力を認識したときの時刻に基づいて制御することにより行うように構成されていてもよい。
【0014】
また、前記第1装置の制御部は、最初に入力される前記第2信号を認識したときの前記第2信号入力認識時刻を、前記第1の周期で到来する基準時刻のうちの最初の基準時刻に決めるように構成されていてもよい。
【0015】
このようにして、運転(動作)開始時における計量機と包装機との動作のタイミングを合わせることができる。
【0016】
また、前記第1装置の制御部が行う前記調整処理は、前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻とこの時刻に対応する前記基準時刻との前記時間差を求め、この時間差が予め定められた範囲である第1の範囲の範囲外の場合であって、前記第2信号入力認識時刻が前記基準時刻よりも早い時刻であるときには、次に求められる前記時間差が前記第1の範囲内になるように前記第1信号出力予定時刻をあとへずらした時刻に更新し、前記第2信号入力認識時刻が前記基準時刻よりも遅い時刻であるときには、次に求められる前記時間差が前記第1の範囲内になるように前記基準時刻をあとへずらした時刻に更新するようにしてもよい。
【0017】
この構成によれば、第1装置の制御部において、第2信号入力認識時刻とそれに対応する基準時刻との時間差を求め、この時間差が第1の範囲の範囲外の場合において、第2信号入力認識時刻が基準時刻よりも早い時刻であるときには、第1信号出力予定時刻を、あとへずらした時刻に更新することにより、第1装置に待ち時間を生じさせることなく第1装置と第2装置すなわち計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。また、第2信号入力認識時刻が基準時刻よりも遅い時刻であるときには、基準時刻を、あとへずらした時刻に更新することにより、第2装置に待ち時間を生じさせることなく第1装置と第2装置すなわち計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。
【0018】
この場合、前記調整処理において、前記第1信号出力予定時刻を更新するときには前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記基準時刻を更新するときには前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新するようにしてもよい。
【0019】
また、前記第1装置の制御部が行う前記調整処理は、前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求め、前記第2信号の入力をa回(aは1以上の所定の整数)認識してa個の前記時間差を求めるごとに、直近に求められたb個(bは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新するようにしてもよい。
【0020】
これを第1の調整処理とする。この調整処理は、「前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻に対応する前記基準時刻から前記第2信号入力認識時刻を減算することにより前記時間差を求め、前記第2信号の入力をa回(aは1以上の所定の整数)認識してa個の前記時間差を求めるごとに、直近に求められたb個(bは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新する」ことと等価である。
【0021】
この構成によれば、第1装置の制御部において、第2信号入力認識時刻とそれに対応する基準時刻との時間差を求め、さらに順次求められる時間差の平均値を求め、この平均値に基づいて、第2信号入力認識時刻が平均して基準時刻よりも早い時刻であるときには、第1信号出力予定時刻を、時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、第1装置に待ち時間を生じさせることなく第1装置と第2装置すなわち計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。また、第2信号入力認識時刻が平均して基準時刻よりも遅い時刻であるときには、基準時刻を、時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、第2装置に待ち時間を生じさせることなく第1装置と第2装置すなわち計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。
【0022】
また、前記第1装置の制御部が行う前記調整処理は、前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求め、前記第2信号の入力をn回(nは所定の複数)認識してn個の前記時間差を求めるごとに、前記n個の時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新するようにしてもよい。
【0023】
これを第2の調整処理とする。この調整処理は、「前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻に対応する前記基準時刻から前記第2信号入力認識時刻を減算することにより前記時間差を求め、前記第2信号の入力をn回(nは所定の複数)認識してn個の前記時間差を求めるごとに、前記n個の時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新する」ことと等価である。
【0024】
この第2の調整処理は、第1の調整処理において、a=b=nとした場合に相当する。
【0025】
また、前記第1装置の制御部が行う前記調整処理は、前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求め、前記第2信号の入力を認識して前記時間差を求めるごとに、直近に求められたm個(mは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新するようにしてもよい。
【0026】
これを第3の調整処理とする。この調整処理は、「前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻に対応する前記基準時刻から前記第2信号入力認識時刻を減算することにより前記時間差を求め、前記第2信号の入力を認識して前記時間差を求めるごとに、直近に求められたm個(mは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新する」ことと等価である。
【0027】
この第2の調整処理は、第1の調整処理において、a=1、b=mとした場合に相当する。
【0028】
また、前記第1装置の制御部が行う前記調整処理は、前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求める時間差算出処理と、前記時間差が予め定められた範囲である第1の範囲の範囲外の場合であって、前記時間差が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の時間分あとへずらした時刻に更新する第1の処理と、前記時間差が前記第1の範囲の範囲内である場合には、前記第2信号の入力をa回(aは1以上の所定の整数)認識してa個の前記時間差を求めるごとに、直近に求められたb個(bは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新する第2の処理とを有し、前記第1の処理を行ったときには、前記第2の処理による前記第2の信号の入力の認識回数を零にし、前記第1の処理の後に求められる前記時間差のみを前記第2の処理の対象にするようにしてもよい。
【0029】
この構成によれば、第1装置の制御部において、第2信号入力認識時刻とそれに対応する基準時刻との時間差を求め、この時間差が第1の範囲の範囲外の場合において、第2信号入力認識時刻が基準時刻よりも早い時刻であるときには、第1信号出力予定時刻を、時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、第1装置に待ち時間を生じさせることなく第1装置と第2装置すなわち計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。また、第2信号入力認識時刻が基準時刻よりも遅い時刻であるときには、基準時刻を、時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、第2装置に待ち時間を生じさせることなく第1装置と第2装置すなわち計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。
【0030】
さらに、時間差が第1の範囲の範囲内である場合が連続しているときに、順次求められる時間差の平均値を求め、この平均値に基づいて、第2信号入力認識時刻が平均して基準時刻よりも早い時刻であるときには、第1信号出力予定時刻を、時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、第1装置に待ち時間を生じさせることなく第1装置と第2装置すなわち計量機と包装機との動作のタイミングの微調整を行うことができる。また、第2信号入力認識時刻が平均して基準時刻よりも遅い時刻であるときには、基準時刻を、時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、第2装置に待ち時間を生じさせることなく第1装置と第2装置すなわち計量機と包装機との動作のタイミングの微調整を行うことができる。
【0031】
また、前記第1装置が前記計量機であり、前記第2装置が前記包装機であり、前記第1信号は前記計量機から前記包装機に対し被計量物の排出を知らせる排出信号であり、前記第2信号は前記包装機から前記計量機に対し被計量物の排出を要求する排出要求信号であるように構成してもよい。
【0032】
また、前記第1装置が前記包装機であり、前記第2装置が前記計量機であり、前記第1信号は前記包装機から前記計量機に対し被計量物の排出を要求する排出要求信号であり、前記第2信号は前記計量機から前記包装機に対し被計量物の排出を知らせる排出信号であるように構成してもよい。
【0033】
また、本発明の計量機は、被計量物の重量を計量し包装機へ排出するための一連の動作を繰り返し行う装置本体と、設定される動作速度に応じて前記装置本体の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部には前記包装機と同じ動作速度である第1の速度が設定されており、前記包装機が、前記制御部から出力される第1信号に基づいて、前記装置本体から排出される被計量物を包装するために行う一連の動作のタイミングが制御されるように構成されているとともに、前記第1の速度に応じた前記一連の動作の周期内において設定された所定のタイミングで第2信号を前記制御部へ出力するように構成されている場合に、前記制御部は、前記第1の速度に応じた前記装置本体の前記一連の動作の周期である第1の周期の間隔で到来する第1信号出力予定時刻を設定し、この第1信号出力予定時刻に第1信号を前記包装機へ出力するとともに、前記包装機から出力される第2信号の入力を認識したときの時刻である第2信号入力認識時刻とそれぞれ対応し、前記第2信号を認識するべき理想の時刻として前記第1の周期の間隔で到来する基準時刻を設定し、この基準時刻に基づいて前記装置本体に行わせる前記一連の動作のタイミングを制御するように構成され、さらに、前記制御部は、前記第2信号入力認識時刻とこの時刻に対応する前記基準時刻との間に生じる時間差が小さくなるように、前記第1信号出力予定時刻と前記基準時刻とのうちのいずれかを設定しなおす調整処理を行うように構成されている。
【0034】
この構成によれば、制御部において、第2信号入力認識時刻とそれに対応する基準時刻との時間差を求めてこの時間差が小さくなるように、第1信号出力予定時刻と基準時刻とのうちのいずれかを設定しなおす(更新する)ことにより、計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。このようにして計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことにより、両者に生じる待ち時間を少なく抑えることができ、実質的な速度の大幅な低下を招くことなく、計量機と包装機の両方を同じ設定速度で動作させることができる。したがって、計量機と包装機とが同等の最高速度を有する構成であれば、計量機と包装機とを最高速度で動作させることが可能になる。
【0035】
また、前記制御部が行う前記調整処理は、前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻とこの時刻に対応する前記基準時刻との前記時間差を求め、この時間差が予め定められた範囲である第1の範囲の範囲外の場合であって、前記第2信号入力認識時刻が前記基準時刻よりも早い時刻であるときには、次に求められる前記時間差が前記第1の範囲内になるように前記第1信号出力予定時刻をあとへずらした時刻に更新し、前記第2信号入力認識時刻が前記基準時刻よりも遅い時刻であるときには、次に求められる前記時間差が前記第1の範囲内になるように前記基準時刻をあとへずらした時刻に更新するようにしてもよい。
【0036】
この構成によれば、制御部において、第2信号入力認識時刻とそれに対応する基準時刻との時間差を求め、この時間差が第1の範囲の範囲外の場合において、第2信号入力認識時刻が基準時刻よりも早い時刻であるときには、第1信号出力予定時刻を、あとへずらした時刻に更新することにより、計量機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。また、第2信号入力認識時刻が基準時刻よりも遅い時刻であるときには、基準時刻を、あとへずらした時刻に更新することにより、包装機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。
【0037】
この場合、前記調整処理において、前記第1信号出力予定時刻を更新するときには前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記基準時刻を更新するときには前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新するようにしてもよい。
【0038】
また、前記制御部が行う前記調整処理は、前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求め、前記第2信号の入力をa回(aは1以上の所定の整数)認識してa個の前記時間差を求めるごとに、直近に求められたb個(bは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新するようにしてもよい。
【0039】
この構成によれば、制御部において、第2信号入力認識時刻とそれに対応する基準時刻との時間差を求め、さらに順次求められる時間差の平均値を求め、この平均値に基づいて、第2信号入力認識時刻が平均して基準時刻よりも早い時刻であるときには、第1信号出力予定時刻を、時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、計量機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。また、第2信号入力認識時刻が平均して基準時刻よりも遅い時刻であるときには、基準時刻を、時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、包装機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。
【0040】
また、前記制御部が行う前記調整処理は、前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求める時間差算出処理と、前記時間差が予め定められた範囲である第1の範囲の範囲外の場合であって、前記時間差が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の時間分あとへずらした時刻に更新する第1の処理と、前記時間差が前記第1の範囲の範囲内である場合には、前記第2信号の入力をa回(aは1以上の所定の整数)認識してa個の前記時間差を求めるごとに、直近に求められたb個(bは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新する第2の処理とを有し、前記第1の処理を行ったときには、前記第2の処理による前記第2の信号の入力の認識回数を零にし、前記第1の処理の後に求められる前記時間差のみを前記第2の処理の対象にするようにしてもよい。
【0041】
この構成によれば、制御部において、第2信号入力認識時刻とそれに対応する基準時刻との時間差を求め、この時間差が第1の範囲の範囲外の場合において、第2信号入力認識時刻が基準時刻よりも早い時刻であるときには、第1信号出力予定時刻を、時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、計量機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。また、第2信号入力認識時刻が基準時刻よりも遅い時刻であるときには、基準時刻を、時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、包装機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。
【0042】
さらに、時間差が第1の範囲の範囲内である場合が連続しているときに、順次求められる時間差の平均値を求め、この平均値に基づいて、第2信号入力認識時刻が平均して基準時刻よりも早い時刻であるときには、第1信号出力予定時刻を、時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、計量機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミングの微調整を行うことができる。また、第2信号入力認識時刻が平均して基準時刻よりも遅い時刻であるときには、基準時刻を、時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、包装機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミングの微調整を行うことができる。
【0043】
また、前記第1信号は前記制御部から前記包装機に対し被計量物の排出を知らせる排出信号であり、前記第2信号は前記包装機から前記制御部に対し被計量物の排出を要求する排出要求信号であるように構成してもよい。
【0044】
また、前記制御部は、前記基準時刻に基づいて行う前記装置本体の前記一連の動作のタイミングの制御を、前記一連の動作のうちの前記包装機へ被計量物を排出する動作の開始時刻を前記基準時刻に基づいて制御することにより行うように構成されていてもよい。
【0045】
また、前記装置本体は、それぞれ供給される被計量物を一時保持して排出するための複数のホッパを有し、前記制御部は、前記ホッパに供給されている被計量物の重量を組合せた合計である組合せ重量値が所定重量範囲内である前記ホッパの組合せを求める組合せ処理を行い、それにより求められた組合せの前記ホッパの被計量物を前記包装機へ排出させるように前記装置本体を制御するように構成されていてもよい。
【0046】
この場合、計量機は組合せ秤である。
【0047】
また、本発明の包装機は、計量機から排出される被計量物を包装するための一連の動作を繰り返し行う装置本体と、設定される動作速度に応じて前記装置本体の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部には前記計量機と同じ動作速度である第1の速度が設定されており、前記計量機が、前記制御部から出力される第1信号に基づいて、被計量物の重量を計量し前記装置本体へ排出するために行う一連の動作のタイミングが制御されるように構成されているとともに、前記第1の速度に応じた前記一連の動作の周期内において設定された所定のタイミングで第2信号を前記制御部へ出力するように構成されている場合に、前記制御部は、前記第1の速度に応じた前記装置本体の前記一連の動作の周期である第1の周期の間隔で到来する第1信号出力予定時刻を設定し、この第1信号出力予定時刻に第1信号を前記計量機へ出力するとともに、前記計量機から出力される第2信号の入力を認識したときの時刻である第2信号入力認識時刻とそれぞれ対応し、前記第2信号を認識するべき理想の時刻として前記第1の周期の間隔で到来する基準時刻を設定し、この基準時刻に基づいて前記装置本体に行わせる前記一連の動作のタイミングを制御するように構成され、さらに、前記制御部は、前記第2信号入力認識時刻とこの時刻に対応する前記基準時刻との間に生じる時間差が小さくなるように、前記第1信号出力予定時刻と前記基準時刻とのうちのいずれかを設定しなおす調整処理を行うように構成されている。
【0048】
この構成によれば、制御部において、第2信号入力認識時刻とそれに対応する基準時刻との時間差を求めてこの時間差が小さくなるように、第1信号出力予定時刻と基準時刻とのうちのいずれかを設定しなおす(更新する)ことにより、計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。このようにして計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことにより、両者に生じる待ち時間を少なく抑えることができ、実質的な速度の大幅な低下を招くことなく、計量機と包装機の両方を同じ設定速度で動作させることができる。したがって、計量機と包装機とが同等の最高速度を有する構成であれば、計量機と包装機とを最高速度で動作させることが可能になる。
【0049】
また、前記制御部が行う前記調整処理は、前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻とこの時刻に対応する前記基準時刻との前記時間差を求め、この時間差が予め定められた範囲である第1の範囲の範囲外の場合であって、前記第2信号入力認識時刻が前記基準時刻よりも早い時刻であるときには、次に求められる前記時間差が前記第1の範囲内になるように前記第1信号出力予定時刻をあとへずらした時刻に更新し、前記第2信号入力認識時刻が前記基準時刻よりも遅い時刻であるときには、次に求められる前記時間差が前記第1の範囲内になるように前記基準時刻をあとへずらした時刻に更新するようにしてもよい。
【0050】
この構成によれば、制御部において、第2信号入力認識時刻とそれに対応する基準時刻との時間差を求め、この時間差が第1の範囲の範囲外の場合において、第2信号入力認識時刻が基準時刻よりも早い時刻であるときには、第1信号出力予定時刻を、あとへずらした時刻に更新することにより、包装機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。また、第2信号入力認識時刻が基準時刻よりも遅い時刻であるときには、基準時刻を、あとへずらした時刻に更新することにより、計量機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。
【0051】
この場合、前記調整処理において、前記第1信号出力予定時刻を更新するときには前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記基準時刻を更新するときには前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新するようにしてもよい。
【0052】
また、前記制御部が行う前記調整処理は、前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求め、前記第2信号の入力をa回(aは1以上の所定の整数)認識してa個の前記時間差を求めるごとに、直近に求められたb個(bは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新するようにしてもよい。
【0053】
この構成によれば、制御部において、第2信号入力認識時刻とそれに対応する基準時刻との時間差を求め、さらに順次求められる時間差の平均値を求め、この平均値に基づいて、第2信号入力認識時刻が平均して基準時刻よりも早い時刻であるときには、第1信号出力予定時刻を、時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、包装機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。また、第2信号入力認識時刻が平均して基準時刻よりも遅い時刻であるときには、基準時刻を、時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、計量機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。
【0054】
また、前記制御部が行う前記調整処理は、前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求める時間差算出処理と、前記時間差が予め定められた範囲である第1の範囲の範囲外の場合であって、前記時間差が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の時間分あとへずらした時刻に更新する第1の処理と、前記時間差が前記第1の範囲の範囲内である場合には、前記第2信号の入力をa回(aは1以上の所定の整数)認識してa個の前記時間差を求めるごとに、直近に求められたb個(bは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新する第2の処理とを有し、前記第1の処理を行ったときには、前記第2の処理による前記第2の信号の入力の認識回数を零にし、前記第1の処理の後に求められる前記時間差のみを前記第2の処理の対象にするようにしてもよい。
【0055】
この構成によれば、制御部において、第2信号入力認識時刻とそれに対応する基準時刻との時間差を求め、この時間差が第1の範囲の範囲外の場合において、第2信号入力認識時刻が基準時刻よりも早い時刻であるときには、第1信号出力予定時刻を、時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、包装機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。また、第2信号入力認識時刻が基準時刻よりも遅い時刻であるときには、基準時刻を、時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、計量機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる。
【0056】
さらに、時間差が第1の範囲の範囲内である場合が連続しているときに、順次求められる時間差の平均値を求め、この平均値に基づいて、第2信号入力認識時刻が平均して基準時刻よりも早い時刻であるときには、第1信号出力予定時刻を、時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、包装機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミングの微調整を行うことができる。また、第2信号入力認識時刻が平均して基準時刻よりも遅い時刻であるときには、基準時刻を、時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新することにより、計量機に待ち時間を生じさせることなく計量機と包装機との動作のタイミングの微調整を行うことができる。
【0057】
また、前記第1信号は前記制御部から前記計量機に対し被計量物の排出を要求する排出要求信号であり、前記第2信号は前記計量機から前記制御部に対し被計量物の排出を知らせる排出信号であるように構成してもよい。
【発明の効果】
【0058】
本発明は、以上に説明した構成を有し、実質的な速度の大幅な低下を招くことなく、計量機と包装機の両方を同じ動作速度に設定して動作させることができる計量包装システムとそれに用いられる計量機及び包装機を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0060】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における計量包装システムの構成の一例を示す概略図である。
【0061】
本実施の形態の計量包装システムは、組合せ秤本体1、組合せ秤制御部10及び組合せ秤操作入力部18を有する組合せ秤と、包装機本体2、包装機制御部20及び包装機操作入力部28を有する包装機とを備えている。
【0062】
組合せ秤本体1は、装置上部の中央に、外部の供給装置から供給される被計量物を振動によって放射状に分散させる円錐形の分散フィーダ11が設けられている。分散フィーダ11の周囲には、分散フィーダ11から送られてきた被計量物を振動によって各供給ホッパ13に送りこむためのリニアフィーダ12が設けられている。リニアフィーダ12の下方には、複数の供給ホッパ13、計量ホッパ14がそれぞれ対応して設けられ、円状に配置されている。供給ホッパ13はリニアフィーダ12から送りこまれた被計量物を受け取り、その下方に配置された計量ホッパ14が空になるとゲートを開いて計量ホッパ14へ被計量物を投入する。計量ホッパ14にはロードセル等の重量センサ15が取り付けられており、この重量センサ15により計量ホッパ14内の被計量物の重量が計測される。各重量センサ15の計測値は組合せ秤制御部10へ出力される。円状に列設された計量ホッパ14の下方には、略逆円錐台形状の集合シュート16が配設され、計量ホッパ14から排出された被計量物は集合シュート16上を滑り落ち、集合シュート16の下部の排出口に設けられた集合ホッパ17によって一時保持された後、集合ホッパ17から包装機へ排出される。
【0063】
また、組合せ秤制御部10は、CPUと、このCPUの動作プログラム及び動作パラメータ等が記憶されているROM及びRAMのメモリ、タイマ等を備えたマイクロコンピュータからなり、CPUがROMに記憶されている動作プログラムを実行することにより、組合せ秤本体1の全体の動作の制御を行うとともに組合せ演算(組合せ処理)を行う。また、組合せ秤制御部10は、組合せ秤から包装機へ被計量物を排出する場合に排出信号aを包装機制御部20へ出力する。
【0064】
組合せ演算では、それぞれの重量センサ15により計測される被計量物の重量値に基づいて、複数の計量ホッパ14の中から、被計量物の重量値の合計が、予め定められた所定重量範囲(目標重量に対する許容範囲)内である計量ホッパ14の組合せ(排出組合せ)を1つ求める。所定重量範囲内にある組合せが複数存在する場合には、被計量物の重量値の合計と目標重量との差の絶対値が最も小さい計量ホッパ14の組合せを1つ求めて排出組合せに決める。
【0065】
組合せ秤操作入力部18は、例えばタッチスクリーン式のディスプレイ画面を備え、組合せ秤の操作およびその動作パラメータの設定等を行うための入力手段である。また、組合せ秤の動作状況(例えば、動作速度、物品の重量値、集計データ等)をディスプレイ画面に表示できるようになっている。
【0066】
操作者が組合せ秤操作入力部18からこの組合せ秤の動作速度を入力することにより、組合せ秤制御部10に動作速度が設定される。組合せ秤制御部10では、例えば、異なる動作速度に応じて異なる動作パラメータが記憶されており、CPUが設定された動作速度に応じた動作パラメータを用いて動作プログラムを実行することにより、設定された動作速度で動作するように組合せ秤本体1の動作の制御が行われるとともに組合せ演算が行われる。
【0067】
この組合せ秤によって所定重量範囲内の被計量物を包装機へ排出するために行われる一連の動作は、被計量物をリニアフィーダ12へ供給するための分散フィーダ11による送り動作、供給ホッパ13へ被計量物を供給するためのリニアフィーダ12による送り動作、計量ホッパ14へ被計量物を供給するための供給ホッパ13のゲート開閉動作、組合せ演算によって排出組合せに選択されている計量ホッパ14から被計量物を排出させるための計量ホッパ14のゲート開閉動作、及び、集合ホッパ17から包装機へ被計量物を排出させるための集合ホッパ17のゲート開閉動作等からなる。
【0068】
ここで組合せ秤の動作サイクルとは、動作速度に応じて包装機へ被計量物を排出する周期、すなわち排出サイクルである。この組合せ秤の動作サイクルの時間は、例えば、計量サイクルの時間に等しい。計量サイクルとは、被計量物を排出させた集合ホッパ17へ次に排出する被計量物を供給するために、排出組合せに選択されている計量ホッパ14のゲートを開閉する排出期間と、供給ホッパ13のゲートを開いて空の計量ホッパ14へ被計量物を供給しはじめてから所定時間が経過して重量センサ15による計量ホッパ14内の被計量物の重量の計測値を確定するまでの計量期間と、その計測値を用いて組合せ演算を行って排出組合せを求める組合せ期間とからなる。
【0069】
この組合せ秤では、例えば、包装機へ被計量物を排出するために集合ホッパ17のゲートを開き始めてから所定時間(この時間が零の場合もある)経過後に、排出組合せに選択されている計量ホッパ14のゲートを開いて次に包装機へ排出するための被計量物を集合ホッパ17へ供給する。上記の所定時間が零の場合には、集合ホッパ17のゲートが開かれると同時に計量ホッパ14のゲートが開かれる。
【0070】
また、組合せ秤を高速動作させるために、その動作サイクル(排出サイクル)を、前述の計量サイクルの1/kの時間(kは、2、3等の所定の複数)としてもよい。この場合、前述の計量期間が経過していない計量ホッパ14(計量ホッパ内の被計量物の重量値)については、組合せ演算の対象とはしない。
【0071】
また、包装機本体2では、袋を製造しながら、この袋に組合せ秤本体1から排出される被計量物を充填して包装する。この包装機本体2では、包材のロール(図示せず)から引き出されたシート状の包材26が、フォーマ22によってチューブ21に巻かれて筒状に成形され、プルダウンベルト機23により吸着されて下方に送られながら、縦シール機24により筒状の包材26の重ねられた縦の縁のシール(縦シール)が行われる。そして、チューブ21の下方に配置される横シール機(一対のシールジョー)25により先行する袋の上端と後続の袋の下端とにまたがって横方向のシール(横シール)が行われる。この横シールが行われることにより、先行する袋は、前回での横シールにより下端が封止されているので上下がシールされた完全な袋となる。横シールが行われた後、組合せ秤の集合ホッパ17から排出された被計量物がチューブ21を通って筒状の袋26aに充填される。以降、上記の動作が繰り返される。
【0072】
また、包装機制御部20は、CPUと、このCPUの動作プログラム及び動作パラメータ等が記憶されているROM及びRAMのメモリ、タイマ等を備えたマイクロコンピュータからなり、CPUがROMに記憶されている動作プログラムを実行することにより、包装機の全体の動作の制御を行う。また、包装機制御部20は、組合せ秤に対し被計量物の排出を要求する排出要求信号bを組合せ秤制御部10へ出力する。
【0073】
包装機操作入力部28は、例えばタッチスクリーン式のディスプレイ画面を備え、包装機の操作およびその動作パラメータの設定等を行うための入力手段である。また、包装機の動作状況(例えば、動作速度等)をディスプレイ画面に表示できるようになっている。
【0074】
操作者が包装機操作入力部28からこの包装機の動作速度を入力することにより、包装機制御部20に動作速度が設定される。包装機制御部20では、例えば、異なる動作速度に応じて異なる動作パラメータが記憶されており、CPUが設定された動作速度に応じた動作パラメータを用いて動作プログラムを実行することにより、設定された動作速度で動作するように包装機本体2の動作の制御が行われる。
【0075】
この包装機によって組合せ秤から供給される被計量物を包装するために行われる一連の動作は、プルダウンベルト機23により包材26を下方に送る袋送り動作と、縦シール機24により縦シールを行う縦シール動作と、横シール機25により横シールを行う横シール動作とからなる。ここでは、前述のように、袋送り動作と縦シール動作とは同時に行われる。したがって、この包装機の動作サイクルは、袋送り動作及び縦シール動作を行う縦シール期間と、横シール動作を行う横シール期間と、組合せ秤から袋26aへ被計量物が供給される袋充填期間とからなる。
【0076】
以上のように構成される計量包装システムについて、以下、その動作を説明する。組合せ秤本体1の動作は組合せ秤制御部10によって制御され、包装機本体2の動作は包装機制御部20によって制御される。
【0077】
ここでは、組合せ秤と包装機とが、同じ速度に動作速度が設定されている場合について説明する。したがって、基本的には、組合せ秤の動作サイクルと包装機の動作サイクルとは同一の周期である。
【0078】
また、包装機では、組合せ秤から排出される排出信号aが入力されたことを確認してから、毎回、袋送り動作及び縦シール動作を開始する。
【0079】
図2〜図4は、本実施の形態における組合せ秤の動作を示すフローチャートである。また、図5と図6は、それぞれ、組合せ秤及び包装機の動作を示すタイミングチャートである。図5と図6には、それぞれ、組合せ秤の動作サイクルと、組合せ秤制御部10にて包装機制御部20からの排出要求信号bが入力されたことを認識した時刻を上向き矢印で示した排出要求信号認識タイミングと、組合せ秤制御部10から包装機制御部20へ排出信号aを出力した時刻を下向き矢印で示した排出信号出力タイミングと、包装機制御部20から組合せ秤制御部10へ排出要求信号bを出力した時刻を上向き矢印で示した排出要求信号出力タイミングと、包装機制御部20にて組合せ秤制御部10からの排出信号aが入力されたことを認識した時刻を下向き矢印で示した排出信号認識タイミングと、包装機の動作サイクルとが示されている。
【0080】
この計量包装システムでは、動作開始時には、例えば、組合せ秤にて包装機との動作のタイミングを合わせる。
【0081】
動作開始時、組合せ秤では、まず、ステップS1において、包装機へ1回目の被計量物の排出を行うための排出準備をする。この排出準備によって、1回目の排出組合せを求め、その排出組合せに選択されている計量ホッパ14から被計量物を排出し、包装機へ排出するための被計量物が集合ホッパ17に保持される。また、包装機においても、動作が開始され、組合せ秤から排出される1回目の被計量物の包装動作を行うために、包装機制御部20は所定のタイミングにて組合せ秤制御部10へ排出要求信号bを出力する(図5の時刻t11、図6の時刻t31)。
【0082】
次に、ステップS2において、組合せ秤制御部10では、包装機制御部20から排出要求信号bが入力されたことを認識すると、ステップS3において、その認識した時刻に基づいて、一定周期Twで到来する理想認識時刻ts(ts1、ts2、ts3、・・・)と、一定周期Twで到来する排出信号出力予定時刻(図5の時刻t1、t3、図6の時刻t21、t22、t23)とを設定する。ここで、排出要求信号bを認識した時刻を一定周期Twで到来する理想認識時刻tsのうちの1回目の理想認識時刻ts1に設定し、各理想認識時刻を基準に所望認識期間Trを設定する。この所望認識期間Trは、各理想認識時刻ts(ts1、ts2、ts3、・・・)を挟んで前半期間T1と後半期間T2とからなる。本実施の形態では、T1=T2にしているが、必ずしも等しくしなくてもよい。また、ここでは、1回目の理想認識時刻ts1あるいは排出要求信号bを認識した時刻から時間Tb後の時刻(図5の時刻t1、図6の時刻t21)を、1回目の排出信号出力予定時刻に設定している。
【0083】
例えば、組合せ秤の動作速度(計量済み被計量物の1分間の排出回数)が100回/分に設定されている場合、組合せ秤の動作サイクル(Tw)は600msであり、所望認識期間Trは、例えば60ms(T1=T2=30ms)である。また、組合せ秤の動作速度を200回/分に設定されている場合、組合せ秤の動作サイクル(Tw)は300msであり、所望認識期間Trは、例えば20ms(T1=T2=10ms)である。このように、所望認識期間Tr等の時間は、組合せ秤の動作速度に応じて予め定められている。
【0084】
そしてステップS4では、初めの理想認識時刻ts1が決まると、その理想認識時刻ts1から時間Ta後に、組合せ秤の連続動作を開始する。
【0085】
ここで、組合せ秤では、理想認識時刻tsが決まると、基本的な動作タイミングが次のように定められる。すなわち、組合せ秤制御部10では、各理想認識時刻tsから時間Ta後に、集合ホッパ17のゲートを開いて包装機へ被計量物を排出させ、その後、動作速度に応じた一定の周期Twで動作を行うように組合せ秤本体1を制御する。さらに、初めの理想認識時刻ts1から時間Tb後の排出信号出力予定時刻に、包装機制御部20に対して、1回目の排出信号aを出力する。また、包装機制御部20では、組合せ秤制御部10から出力される排出信号aの入力を認識した時刻から時間Tc後に、包装機本体2に対して袋送り動作及び縦シール動作を開始させ、その後、動作速度に応じた一定の周期Tpで包装動作を行うように包装機本体2を制御する。ここでは、組合せ秤と包装機とを同じ動作速度に設定しているので、組合せ秤の動作サイクル(Tw)と包装機の動作サイクル(Tp)とは等しい。
【0086】
次に、ステップS5では、カウンタ値Nに0を設定する。
【0087】
その後、組合せ秤制御部10は、排出要求信号bの入力を認識すると(ステップS6)、ステップS7へ進み、排出要求信号bの入力を認識した時刻(この時刻をtpとする)とそれに対応する理想認識時刻tsとの時間差Tdを、例えば、Td=tp−tsとして求める。
【0088】
次に、ステップS8では、上記の時間差Tdが所望範囲内であるか、すなわち、−T1≦Td≦T2であるか否かを判定する。すなわち、排出要求信号bの入力認識時刻tpが所望認識期間Tr内にあるか否かを判定する。ここで、排出要求信号bの入力認識時刻tpが所望認識期間Trを多少外れたとしても、この計量包装システムの動作には支障がないように所望認識期間Trを設定している。
【0089】
上記の時間差Tdが、−T1≦Td≦T2を満足しない場合には、さらに、ステップS9において、Td<−T1であるか否かを判定する。
【0090】
Td<−T1である場合、すなわち、排出要求信号bの入力認識時刻tpが所望認識期間Trよりも早い時刻である場合には、次からの排出信号出力予定時刻を、時間差Tdの絶対値である|Td|の分、後へずらした時刻に変更する(ステップS10)。これにより、次からの排出信号aを出力するタイミングを|Td|の分、遅らせることになる。
【0091】
例えば、図5において、初期には、排出信号aを出力するタイミングは、理想認識時刻ts1から時間Tbを経過した時刻t1であるが、包装機から時刻t13で出力された次の排出要求信号bの入力認識時刻t2が所望認識期間Trよりも早い時刻になっている。このため、次からの排出信号aを出力するタイミングを|Td|の分、後へずらす。例えば、ずらす前の予定時刻t3から|Td|の分、後へずらした時刻t4は、理想認識時刻ts2から時間Tbb(=Tb+|Td|)を経過した時になる。
【0092】
そして、更新された排出信号出力予定時刻t4において組合せ秤から排出信号aが出力されると、包装機では、排出信号aの出力タイミングをずらさなかった場合の排出信号aの認識時刻t14よりも遅い時刻t15において、排出信号aの入力を認識する。そして、排出信号aを認識してから時間Tc後に、次の動作サイクルの動作が開始される。この場合、前の動作サイクルの後、略|Td|分の時間Tpdの待ち時間が発生する。そして、次の動作サイクルの開始から時間Te後の時刻t16に、排出要求信号bを出力する。組合せ秤では、この排出要求信号bの入力認識時刻が所望認識期間Tr内になり、このときの理想認識時刻ts3から時間Ta後に、次の動作サイクルが開始され、同理想認識時刻ts3から時間Tbbを経過した時刻t5に排出信号aを出力する。包装機では、この排出信号aを時刻t17で認識してから時間Tc後に、次の動作サイクルが開始される。
【0093】
また、ステップS9において、Td<−T1ではない場合(これは、T2<Tdの場合に相当)、すなわち、排出要求信号bの入力認識時刻tpが所望認識期間Trよりも遅い時刻である場合には、そのときの所望認識期間Trの基準となっている理想認識時刻tsを含めて、それ以降の理想認識時刻tsを、時間差Tdの絶対値である|Td|(=Td)の分、後へずらした時刻に変更する(ステップS11)。
【0094】
例えば、図6において、初期には、排出信号aを出力するタイミングは、理想認識時刻ts1から時間Tbを経過した時刻t21であるが、包装機から時刻t33で出力された排出要求信号bの入力認識時刻が理想認識時刻ts2を基準とする所望認識期間Trよりも遅い時刻になっている。このため、理想認識時刻ts2、ts3、・・・に代えて、時間差Tdの絶対値である|Td|の分、後へずらした新しい理想認識時刻ts2’、ts3’、・・・を設定する。
【0095】
この場合、組合せ秤では、新しい理想認識時刻ts2’から時間Ta後に、次の動作サイクルの動作が開始される。ここで、前の動作サイクルの後、略|Td|分の時間Twdの待ち時間が発生する。そして、排出信号出力予定時刻t22に、排出信号aを出力する。この時刻t22は、その前の排出信号aの出力時刻t21から一定周期Twで到来する時刻である。したがって、組合せ秤の動作サイクルの開始は遅れるが、排出信号aの出力タイミングは遅れない。包装機では、この排出信号aを時刻t34で認識してから時間Tc後に、次の動作サイクルが開始される。図6の場合、組合せ秤からの排出信号aの周期が変動しないので、排出信号aに応答して動作する包装機に待ち時間は発生しない。そして、次の動作サイクルの開始から時間Te後の時刻t35に、排出要求信号bを出力する。組合せ秤では、この排出要求信号bの入力認識時刻が所望認識期間Tr内になり、このときの理想認識時刻ts3’から時間Ta後に、次の動作サイクルが開始される。
【0096】
次に、ステップS12、S13では、ステップS8において、−T1≦Td≦T2を満足する場合に行われる後述のステップS21、S22(図3)またはステップS41、S42(図4)により、増加されたカウンタ値Nをクリアして0にするとともに、記憶されている時間差Tdを消去する。
【0097】
また、ステップS8において、−T1≦Td≦T2を満足する場合には、図3に示すステップS21へ進み、カウンタ値Nを1増加し、上記の時間差Tdを記憶する(ステップS22)。
【0098】
次に、ステップS23において、カウンタ値Nがn(nは所定の複数)と等しいか否かを判定し、nと等しい場合にはステップS24へ進み、nと等しくない場合(n未満の場合)にはステップS6(図2)に戻る。
【0099】
ステップS24では、記憶されているn個の時間差Tdの平均値(α)を算出する。
【0100】
次に、ステップS25において、平均値αが0の場合には、ステップS29へ進み、0でない場合には、ステップS26へ進み、平均値αが0未満か否かを判定する。
【0101】
ステップS26において、平均値αが0未満の場合、すなわち、排出要求信号bの入力認識時刻tpが理想認識時刻tsよりも平均的に早い時刻である場合には、ステップS27へ進み、次からの排出信号出力予定時刻を、平均値αの絶対値である|α|の分、後へずらした時刻に変更する(ステップS10)。これにより、次からの排出信号aを出力するタイミングを|α|の分、遅らせることになる。このステップS27では排出信号出力予定時刻を後へずらす時間が|α|であるのに対し、ステップS10では後へずらす時間が|Td|であり、ずらす時間は異なるが、ステップS27はステップS10と同様に行えばよい。
【0102】
また、平均値αが0未満ではない場合(これは、平均値αが0より大きい場合に相当)、すなわち、排出要求信号bの入力認識時刻tpが理想認識時刻tsよりも平均的に遅い時刻である場合には、ステップS28へ進み、そのときの所望認識期間Trの基準となっている理想認識時刻tsを含めて、それ以降の理想認識時刻tsを、平均値αの絶対値である|α|(=α)の分、後へずらした時刻に変更する。このステップS28では理想認識時刻tsをずらす時間が|α|であるのに対し、ステップS11では理想認識時刻tsをずらす時間が|Td|であり、ずらす時間は異なるが、ステップS28はステップS11と同様に行えばよい。
【0103】
次に、ステップS29では、カウンタ値Nをクリアして0に戻し、ステップS30において、それまでに記憶されているn個の時間差Tdを消去し、ステップS6(図2)に戻る。
【0104】
なお、ステップS25において、平均値αが0であるか否かを判定する代わりに、平均値αが調整不要範囲内であるか否かを判定するようにしてもよい。例えば、調整不要範囲を−T3以上、T4以下の範囲(T3、T4は正の値)とし、−T3≦α≦T4であるか否かを判定するようにすればよい。ここで、調整不要範囲は所望認識期間Trよりも狭い範囲となるように設定し、−T1<−T3<T4<T2である。この場合、平均値αが調整不要範囲内であれば、ステップS29へ進み、平均値αが調整不要範囲内でなければ、ステップS26へ進む。
【0105】
また、ステップS24では、n回ごとに、n個の時間差の平均値を算出するようにしたが、n回ごとに、直近に求められたb個(bはnより少ない所定の複数)の時間差の平均値を算出するようにしてもよい。
【0106】
また、図3に示された処理に代えて、図4に示された処理を行うようにしてもよい。
【0107】
この場合、図2のステップS8において、−T1≦Td≦T2を満足する場合には、図4に示すステップS41へ進み、カウンタ値Nを1増加し、上記の時間差Tdを記憶する(ステップS42)。
【0108】
次に、ステップS43において、カウンタ値Nがm(mは所定の複数)以上であるか否かを判定し、m以上である場合にはステップS44へ進み、そうでない場合(m未満の場合)にはステップS45へ進む。
【0109】
ステップS44では、記憶されている直近のm個の時間差Tdの平均値(β)を算出する。
【0110】
また、ステップS45では、記憶されているN個の時間差Tdの平均値(β)を算出する。
【0111】
次に、ステップS46において、ステップS44またはステップS45により求めた平均値βが0の場合には、ステップS6(図2)に戻り、0でない場合には、ステップS47へ進み、平均値βが0未満か否かを判定する。
【0112】
ステップS47において、平均値βが0未満の場合、すなわち、排出要求信号bの入力認識時刻tpが理想認識時刻tsよりも平均的に早い時刻である場合には、ステップS48へ進み、次からの排出信号出力予定時刻を、平均値βの絶対値である|β|の分、後へずらした時刻に変更する。これにより、次からの排出信号aを出力するタイミングを|β|の分、遅らせることになる。そして、ステップS6(図2)に戻る。ステップS48では排出信号出力予定時刻を後へずらす時間が|β|であるのに対し、ステップS10では後へずらす時間が|Td|であり、ずらす時間は異なるが、ステップS48はステップS10と同様に行えばよい。
【0113】
また、平均値βが0未満ではない場合(これは、平均値βが0より大きい場合に相当)、すなわち、排出要求信号bの入力認識時刻tpが理想認識時刻tsよりも平均的に遅い時刻である場合には、ステップS49へ進み、そのときの所望認識期間Trの基準となっている理想認識時刻tsを含めて、それ以降の理想認識時刻tsを、平均値βの絶対値である|β|(=β)の分、後へずらした時刻に変更する。そして、ステップS6(図2)に戻る。ステップS49では理想認識時刻tsをずらす時間が|β|であるのに対し、ステップS11では理想認識時刻tsをずらす時間が|Td|であり、ずらす時間は異なるが、ステップS49はステップS11と同様に行えばよい。
【0114】
なお、ステップS43において、カウンタ値Nがm以上ではない場合(m未満の場合)に、ステップS45以降の処理を行わずに、ステップS6(図2)に戻るようにしてもよい。
【0115】
なお、ステップS46において、平均値βが0であるか否かを判定する代わりに、平均値βが調整不要範囲内であるか否かを判定するようにしてもよい。例えば、調整不要範囲を−T3以上、T4以下の範囲(T3、T4は正の値)とし、−T3≦β≦T4であるか否かを判定するようにすればよい。ここで、調整不要範囲は所望認識期間Trよりも狭い範囲となるように設定し、−T1<−T3<T4<T2である。この場合、平均値βが調整不要範囲内であれば、ステップS6(図2)に戻り、平均値βが調整不要範囲内でなければ、ステップS47へ進む。
【0116】
また、ステップS44では、カウンタ値Nがm以上であれば、毎回、直近に求められたm個の時間差の平均値を算出するようにしたが、a回ごとに(aはmより少ない所定の複数)、直近に求められたm個の時間差の平均値を算出するようにしてもよい。
【0117】
図3では、n回ごとに平均値αを算出し、図4では移動平均法によって平均値βを算出して、排出信号出力予定時刻及び理想認識時刻のいずれかを更新するようにしている。
【0118】
また、図3のステップS23から図2のステップS6に戻った場合、あるいは、図4のステップS46、S48、S49から図2のステップS6に戻った場合に、ステップS10またはステップS11の処理が行われると、ステップS12、S13によってカウンタ値N及びそれまでに記憶されている時間差Tdがクリアされる。これにより、この後、図3または図4の処理が行われる場合には、平均値(αまたはβ)を求めるための時間差Tdのデータとして、ステップS10またはステップS11の処理が行われた後のステップS7で求められる時間差Tdのデータが用いられることになる。
【0119】
本実施の形態では、組合せ秤制御部10において、排出要求信号bの入力認識時刻とそれに対応する理想認識時刻tsとの時間差Tdを求め、この時間差Tdが所望範囲内であること(−T1≦Td≦T2)を満足していない場合において、排出要求信号bの入力認識時刻が理想認識時刻tsよりも早い時刻であるときには、排出信号出力予定時刻を|Td|の分、後へずらした時刻に更新することにより、組合せ秤に待ち時間を生じさせることなく組合せ秤と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる(図5の場合)。また、排出要求信号bの入力認識時刻が理想認識時刻tsよりも遅い時刻であるときには、理想認識時刻tsを|Td|の分、後へずらした時刻に更新することにより、包装機に待ち時間を生じさせることなく組合せ秤と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる(図6の場合)。このようにして組合せ秤と包装機との動作のタイミング調整を行うことにより、両者に生じる待ち時間を少なく抑えることができ、実質的な速度の大幅な低下を招くことなく、組合せ秤と包装機の両方を同じ設定速度で動作させることができる。
【0120】
また、図3または図4に示された処理を行うことによって、複数回の時間差Tdの平均値(αまたはβ)を求めて、その|α|または|β|の分、排出信号出力予定時刻あるいは理想認識時刻tsを後へずらした時刻に更新することにより、組合せ秤と包装機との動作のタイミングの微調整を行うことができる。
【0121】
なお、本実施の形態では、排出要求信号bの入力認識時刻と理想認識時刻tsとの時間差Tdが所望範囲内であること(−T1≦Td≦T2)を満足していない場合において、排出信号出力予定時刻あるいは理想認識時刻tsをあとへずらす時間を|Td|としたが、必ずしも|Td|としなくてもよい。例えば、調整しすぎないように、|Td|×0.9の時間分、あるいは|Td|×0.8の時間分あとへずらすようにしてもよい。また、これに限られず、次の排出要求信号bの入力認識時刻が所望認識期間Tr内になるように、あるいは、次の排出要求信号bの入力認識時刻が理想認識時刻tsとの時間差Tdが現在の時間差Tdよりも小さくなるように、排出信号出力予定時刻あるいは理想認識時刻tsをあとへずらす時間を設定するようにしてもよい。
【0122】
また、図3または図4に示された処理を行わないようにすることも可能である。この場合、図2のステップS8において、−T1≦Td≦T2を満足する場合には、ステップS6に戻るようにし、さらにこの場合、カウンタ値Nを設定するステップS5、S12と、図3のステップS22または図4のステップS42によって記憶されている時間差Tdのデータを消去するステップS13とは不要である。
【0123】
この図3または図4に示された処理を行わない場合において、さらに、ステップS8において、T1=T2=0とすることも可能である。この場合、時間差Tdが0のときにのみ、ステップS6に戻り、0でないときには、毎回、排出信号出力予定時刻及び理想認識時刻のいずれかの更新が行われる。
【0124】
また、ステップS8〜ステップS13の処理を行わないようにすることも可能である。この場合、ステップS7の後、図3のステップS21または図4のステップS41へ進むようにすればよい。
【0125】
なお、本実施の形態1では、組合せ秤と包装機とを同じ動作速度に設定している場合について説明したが、異なる動作速度で動作させることも可能である。但し、組合せ秤に設定される動作速度が包装機の動作速度よりも速い場合には、組合せ秤制御部10において、例えば、理想認識時刻tsの周期と排出信号出力予定時刻の周期とを、包装機の動作速度に応じた周期(Tp)と等しい周期に設定するように構成しておく必要がある。
【0126】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2の計量包装システムについて説明する。
【0127】
本実施の形態2の計量包装システムの構成の一例は、実施の形態1と同様、図1で示される。
【0128】
本実施の形態2では、実施の形態1とは、組合せ秤制御部10及び包装機制御部20による制御が異なり、他の構成については実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0129】
本実施の形態の計量包装システムについて、以下、その動作を説明する。組合せ秤本体1の動作は組合せ秤制御部10によって制御され、包装機本体2の動作は包装機制御部20によって制御される。
【0130】
ここでは、組合せ秤と包装機とが、同じ速度に動作速度が設定されている場合について説明する。したがって、基本的には、組合せ秤の動作サイクルと包装機の動作サイクルとは同一の周期である。
【0131】
また、組合せ秤では、包装機から排出される排出要求信号bが入力されたことを確認してから、毎回、排出動作(包装機へ被計量物を排出するために集合ホッパ17のゲートを開く動作)を開始する。
【0132】
図7〜図9は、本実施の形態における包装機の動作を示すフローチャートである。また、図10と図11は、それぞれ、包装機及び組合せ秤の動作を示すタイミングチャートである。図10と図11には、それぞれ、包装機の動作サイクルと、包装機制御部20にて組合せ秤制御部10からの排出信号aが入力されたことを認識した時刻を上向き矢印で示した排出信号認識タイミングと、包装機制御部20から組合せ秤制御部10へ排出要求信号bを出力した時刻を下向き矢印で示した排出要求信号出力タイミングと、組合せ秤制御部10から包装機制御部20へ排出信号aを出力した時刻を上向き矢印で示した排出信号出力タイミングと、組合せ秤制御部10にて包装機制御部20からの排出要求信号bが入力されたことを認識した時刻を下向き矢印で示した排出要求信号認識タイミングと、組合せ秤の動作サイクルとが示されている。
【0133】
この計量包装システムでは、動作開始時には、例えば、包装機にて組合せ秤との動作のタイミングを合わせる。
【0134】
動作開始時、組合せ秤では、まず、包装機へ1回目の被計量物の排出を行うための排出準備をする。この排出準備によって、1回目の排出組合せを求め、その排出組合せに選択されている計量ホッパ14から被計量物を排出し、包装機へ排出するための被計量物が集合ホッパ17に保持される。
【0135】
包装機では、ステップS51において、1回目の包装を行うための包装準備をする。この包装準備によって、縦シールおよび下端の横シールが行われた1つ目の袋26aが形成される。そして、包装機制御部20は所定のタイミングにて組合せ秤制御部10へ排出要求信号bを出力する。組合せ秤制御部10は、排出要求信号bに応答して包装機へ1回目の被計量物の排出動作(集合ホッパ17のゲートを開く動作)を行うように組合せ秤本体1を制御するとともに、所定のタイミングにて包装機制御部20へ排出信号aを出力する(図10の時刻t51、図11の時刻t71)。
【0136】
次に、ステップS52において、包装機制御部20では、組合せ秤制御部10から排出信号aが入力されたことを認識すると、ステップS53において、その認識した時刻に基づいて、一定周期Tpで到来する理想認識時刻ts(ts1、ts2、ts3、・・・)と、一定周期Tpで到来する排出要求信号出力予定時刻(図10の時刻t41、t43、図11の時刻t61、t62、t63)とを設定する。ここで、排出信号aを認識した時刻を一定周期Tpで到来する理想認識時刻tsのうちの1回目の理想認識時刻ts1に設定し、各理想認識時刻を基準に所望認識期間Trを設定する。この所望認識期間Trは、各理想認識時刻ts(ts1、ts2、ts3、・・・)を挟んで前半期間T1と後半期間T2とからなる。本実施の形態では、T1=T2にしているが、必ずしも等しくしなくてもよい。また、ここでは、1回目の理想認識時刻ts1あるいは排出信号aを認識した時刻から時間Tg後の時刻(図10の時刻t41、図11の時刻t61)を、1回目の排出要求信号出力予定時刻に設定している。
【0137】
例えば、包装機の動作速度(1分間の包装回数)が100回/分に設定されている場合、包装機の動作サイクル(Tp)は600msであり、所望認識期間Trは、例えば60ms(T1=T2=30ms)である。また、包装機の動作速度が200回/分に設定されている場合、包装機の動作サイクル(Tp)は300msであり、所望認識期間Trは、例えば20ms(T1=T2=10ms)である。このように、所望認識期間Tr等の時間は、包装機の動作速度に応じて予め定められている。
【0138】
そしてステップS54では、初めの理想認識時刻ts1が決まると、例えば理想認識時刻tsから時間Tf後に、包装機の連続動作を開始する。
【0139】
ここで、包装機では、理想認識時刻tsが決まると、基本的な動作タイミングが次のように定められる。すなわち、包装機制御部20では、各理想認識時刻tsから時間Tf後に、包装機本体2に対して袋送り動作及び縦シール動作を開始させ、その後、動作速度に応じた一定の周期Tpで動作を行うように包装機本体2を制御する。さらに、初めの理想認識時刻ts1から時間Tg後の排出要求信号出力予定時刻に、組合せ秤制御部10に対して、1回目の排出要求信号bを出力する。また、組合せ秤制御部10では、包装機制御部20から出力される排出要求信号bの入力を認識した時刻から時間Th後に、組合せ秤本体1に対して排出動作(集合ホッパ17のゲートを開く動作)を開始させ、その後、動作速度に応じた一定の周期Twで動作を行うように組合せ秤本体1を制御する。ここでは、包装機と組合せ秤とを同じ動作速度に設定しているので、包装機の動作サイクル(Tp)と組合せ秤の動作サイクル(Tw)とは等しい。
【0140】
次に、ステップS55では、カウンタ値Nに0を設定する。
【0141】
その後、包装機制御部20は排出信号aの入力を認識すると(ステップS56)、ステップS57へ進み、排出信号aの入力を認識した時刻(この時刻をtpとする)とそれに対応する理想認識時刻tsとの時間差Tdを、例えば、Td=tp−tsとして求める。
【0142】
次に、ステップS58では、上記の時間差Tdが所望範囲内であるか、すなわち、−T1≦Td≦T2であるか否かを判定する。すなわち、排出信号aの入力認識時刻tpが所望認識期間Tr内にあるか否かを判定する。ここで、排出信号aの入力認識時刻tpが所望認識期間Trを多少外れたとしても、この計量包装システムの動作には支障がないように所望認識期間Trを設定している。
【0143】
上記の時間差Tdが、−T1≦Td≦T2を満足しない場合には、さらに、ステップS59において、Td<−T1であるか否かを判定する。
【0144】
Td<−T1である場合、すなわち、排出信号aの入力認識時刻tpが所望認識期間Trよりも早い時刻である場合には、次からの排出要求信号出力予定時刻を、時間差Tdの絶対値である|Td|の分、後へずらした時刻に変更する(ステップS60)。これにより、次からの排出要求信号bを出力するタイミングを|Td|の分、遅らせることになる。
【0145】
例えば、図10において、初期には、排出要求信号bを出力するタイミングは、理想認識時刻ts1から時間Tgを経過した時刻t41であるが、組合せ秤から時刻t53で出力された次の排出信号aの入力認識時刻t42が所望認識期間Trよりも早い時刻になっている。このため、次からの排出要求信号bを出力するタイミングを|Td|の分、後へずらす。例えば、ずらす前の予定時刻t43から|Td|の分、後へずらした時刻t44は、理想認識時刻ts2から時間Tgg(=Tg+|Td|)を経過した時になる。
【0146】
そして、更新された排出要求信号出力予定時刻t44において包装機から排出要求信号bが出力されると、組合せ秤では、排出要求信号bの出力タイミングをずらさなかった場合の排出要求信号bの認識時刻t54よりも遅い時刻t55において、排出要求信号bの入力を認識する。そして、排出要求信号bを認識してから時間Th後に、次の動作サイクルの動作が開始される。この場合、前の動作サイクルの後、略|Td|分の時間Twdの待ち時間が発生する。そして、次の動作サイクルの開始から時間Ti後の時刻t56に、排出信号aを出力する。包装機では、この排出信号aの入力認識時刻が所望認識期間Tr内になり、このときの理想認識時刻ts3から時間Tf後に、次の動作サイクルが開始され、同理想認識時刻ts3から時間Tggを経過した時刻t45に排出要求信号bを出力する。組合せ秤では、この排出要求信号bを時刻t57で認識してから時間Th後に、次の動作サイクルが開始される。
【0147】
また、ステップS59において、Td<−T1ではない場合(これは、T2<Tdの場合に相当)、すなわち、排出信号aの入力認識時刻tpが所望認識期間Trよりも遅い時刻である場合には、そのときの所望認識期間Trの基準となっている理想認識時刻tsを含めて、それ以降の理想認識時刻tsを、時間差Tdの絶対値である|Td|(=Td)の分、後へずらした時刻に変更する(ステップS61)。
【0148】
例えば、図11において、初期には、排出要求信号bを出力するタイミングは、理想認識時刻ts1から時間Tgを経過した時刻t61であるが、組合せ秤から時刻t73で出力された排出信号aの入力認識時刻が理想認識時刻ts2を基準とする所望認識期間Trよりも遅い時刻になっている。このため、理想認識時刻ts2、ts3、・・・に代えて、時間差Tdの絶対値である|Td|の分、後へずらした新しい理想認識時刻ts2’、ts3’、・・・を設定する。
【0149】
この場合、包装機では、新しい理想認識時刻ts2’から時間Tf後に、次の動作サイクルの動作が開始される。ここで、前の動作サイクルの後、略|Td|分の時間Tpdの待ち時間が発生する。そして、排出要求信号出力予定時刻t62に、排出要求信号bを出力する。この時刻t62は、その前の排出要求信号bの出力時刻t61から一定周期Tpで到来する時刻である。したがって、包装機の動作サイクルの開始は遅れるが、排出要求信号bの出力タイミングは遅れない。組合せ秤では、この排出要求信号bを時刻t74で認識してから時間Th後に、次の動作サイクルが開始される。図11の場合、包装機からの排出要求信号bの周期が変動しないので、排出要求信号bに応答して動作する組合せ秤に待ち時間は発生しない。そして、次の動作サイクルの開始から時間Ti後の時刻t75に、排出信号aを出力する。包装機では、この排出信号aの入力認識時刻が所望認識期間Tr内になり、このときの理想認識時刻ts3’から時間Tf後に、次の動作サイクルが開始される。
【0150】
次に、ステップS62、S63では、ステップS58において、−T1≦Td≦T2を満足する場合に行われる後述のステップS71、S72(図8)またはステップS91、S92(図9)により、増加されたカウンタ値Nをクリアして0にするとともに、記憶されている時間差Tdを消去する。
【0151】
また、ステップS58において、−T1≦Td≦T2を満足する場合には、図8に示すステップS71へ進み、カウンタ値Nを1増加し、上記の時間差Tdを記憶する(ステップS72)。
【0152】
次に、ステップS73において、カウンタ値Nがn(nは所定の複数)と等しいか否かを判定し、nと等しい場合にはステップS74へ進み、nと等しくない場合(n未満の場合)にはステップS56(図7)に戻る。
【0153】
ステップS74では、記憶されているn個の時間差Tdの平均値(α)を算出する。
【0154】
次に、ステップS75において、平均値αが0の場合には、ステップS79へ進み、0でない場合には、ステップS76へ進み、平均値αが0未満か否かを判定する。
【0155】
ステップS76において、平均値αが0未満の場合、すなわち、排出信号aの入力認識時刻tpが理想認識時刻tsよりも平均的に早い時刻である場合には、ステップS77へ進み、次からの排出要求信号出力予定時刻を、平均値αの絶対値である|α|の分、後へずらした時刻に変更する。これにより、次からの排出要求信号bを出力するタイミングを|α|の分、遅らせることになる。このステップS77では排出要求信号出力予定時刻を後へずらす時間が|α|であるのに対し、ステップS60では後へずらす時間が|Td|であり、ずらす時間は異なるが、ステップS77はステップS60と同様に行えばよい。
【0156】
また、平均値αが0未満ではない場合(これは、平均値αが0より大きい場合に相当)、すなわち、排出信号aの入力認識時刻tpが理想認識時刻tsよりも平均的に遅い時刻である場合には、ステップS78へ進み、そのときの所望認識期間Trの基準となっている理想認識時刻tsを含めて、それ以降の理想認識時刻tsを、平均値αの絶対値である|α|(=α)の分、後へずらした時刻に変更する。このステップS78では理想認識時刻tsをずらす時間が|α|であるのに対し、ステップS61では理想認識時刻tsをずらす時間が|Td|であり、ずらす時間は異なるが、ステップS78はステップS61と同様に行えばよい。
【0157】
次に、ステップS79では、カウンタ値Nをクリアして0に戻し、ステップS80において、それまでに記憶されているn個の時間差Tdを消去し、ステップS56(図7)に戻る。
【0158】
なお、ステップS75において、平均値αが0であるか否かを判定する代わりに、平均値αが調整不要範囲内であるか否かを判定するようにしてもよい。例えば、調整不要範囲を−T3以上、T4以下の範囲(T3、T4は正の値)とし、−T3≦α≦T4であるか否かを判定するようにすればよい。ここで、調整不要範囲は所望認識期間Trよりも狭い範囲となるように設定し、−T1<−T3<T4<T2である。この場合、平均値αが調整不要範囲内であれば、ステップS79へ進み、平均値αが調整不要範囲内でなければ、ステップS76へ進む。
【0159】
また、ステップS74では、n回ごとに、n個の時間差の平均値を算出するようにしたが、n回ごとに、直近に求められたb個(bはnより少ない所定の複数)の時間差の平均値を算出するようにしてもよい。
【0160】
また、図8に示された処理に代えて、図9に示された処理を行うようにしてもよい。
【0161】
この場合、図7のステップS58において、−T1≦Td≦T2を満足する場合には、図9に示すステップS91へ進み、カウンタ値Nを1増加し、上記の時間差Tdを記憶する(ステップS92)。
【0162】
次に、ステップS93において、カウンタ値Nがm(mは所定の複数)以上であるか否かを判定し、m以上である場合にはステップS94へ進み、そうでない場合(m未満の場合)にはステップS95へ進む。
【0163】
ステップS94では、記憶されている直近のm個の時間差Tdの平均値(β)を算出する。
【0164】
また、ステップS95では、記憶されているN個の時間差Tdの平均値(β)を算出する。
【0165】
次に、ステップS96において、ステップS94またはステップS95により求めた平均値βが0の場合には、ステップS56(図7)に戻り、0でない場合には、ステップS97へ進み、平均値βが0未満か否かを判定する。
【0166】
ステップS97において、平均値βが0未満の場合、すなわち、排出信号aの入力認識時刻tpが理想認識時刻tsよりも平均的に早い時刻である場合には、ステップS98へ進み、次からの排出要求信号出力予定時刻を、平均値βの絶対値である|β|の分、後へずらした時刻に変更する。これにより、次からの排出要求信号bを出力するタイミングを|β|の分、遅らせることになる。そして、ステップS56(図7)に戻る。ステップS98では排出要求信号出力予定時刻を後へずらす時間が|β|であるのに対し、ステップS60では後へずらす時間が|Td|であり、ずらす時間は異なるが、ステップS98はステップS60と同様に行えばよい。
【0167】
また、平均値βが0未満ではない場合(これは、平均値βが0より大きい場合に相当)、すなわち、排出信号aの入力認識時刻tpが理想認識時刻tsよりも平均的に遅い時刻である場合には、ステップS99へ進み、そのときの所望認識期間Trの基準となっている理想認識時刻tsを含めて、それ以降の理想認識時刻tsを、平均値βの絶対値である|β|(=β)の分、後へずらした時刻に変更する。そして、ステップS56(図7)に戻る。ステップS99では理想認識時刻tsをずらす時間が|β|であるのに対し、ステップS61では理想認識時刻tsをずらす時間が|Td|であり、ずらす時間は異なるが、ステップS99はステップS61と同様に行えばよい。
【0168】
なお、ステップS93において、カウンタ値Nがm以上ではない場合(m未満の場合)に、ステップS95以降の処理を行わずに、ステップS56(図7)に戻るようにしてもよい。
【0169】
なお、ステップS96において、平均値βが0であるか否かを判定する代わりに、平均値βが調整不要範囲内であるか否かを判定するようにしてもよい。例えば、調整不要範囲を−T3以上、T4以下の範囲(T3、T4は正の値)とし、−T3≦β≦T4であるか否かを判定するようにすればよい。ここで、調整不要範囲は所望認識期間Trよりも狭い範囲となるように設定し、−T1<−T3<T4<T2である。この場合、平均値βが調整不要範囲内であれば、ステップS56(図7)に戻り、平均値βが調整不要範囲内でなければ、ステップS97へ進む。
【0170】
また、ステップS94では、カウンタ値Nがm以上であれば、毎回、直近に求められたm個の時間差の平均値を算出するようにしたが、a回ごとに(aはmより少ない所定の複数)、直近に求められたm個の時間差の平均値を算出するようにしてもよい。
【0171】
図8では、n回ごとに平均値αを算出し、図9では移動平均法によって平均値βを算出して、排出要求信号出力予定時刻及び理想認識時刻のいずれかを更新するようにしている。
【0172】
また、図8のステップS73から図7のステップS56に戻った場合、あるいは、図9のステップS96、S98、S99から図7のステップS56に戻った場合に、ステップS60またはステップS61の処理が行われると、ステップS62、S63によってカウンタ値N及びそれまでに記憶されている時間差Tdがクリアされる。これにより、この後、図8または図9の処理が行われる場合には、平均値(αまたはβ)を求めるための時間差Tdのデータとして、ステップS60またはステップS61の処理が行われた後のステップS57で求められる時間差Tdのデータが用いられることになる。
【0173】
本実施の形態では、包装機制御部20において、排出信号aの入力認識時刻とそれに対応する理想認識時刻tsとの時間差Tdを求め、この時間差Tdが所望範囲内であること(−T1≦Td≦T2)を満足していない場合において、排出信号aの入力認識時刻が理想認識時刻tsよりも早い時刻であるときには、排出要求信号出力予定時刻を|Td|の分、後へずらした時刻に更新することにより、包装機に待ち時間を生じさせることなく組合せ秤と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる(図10の場合)。また、排出信号aの入力認識時刻が理想認識時刻tsよりも遅い時刻であるときには、理想認識時刻tsを|Td|の分、後へずらした時刻に更新することにより、組合せ秤に待ち時間を生じさせることなく組合せ秤と包装機との動作のタイミング調整を行うことができる(図11の場合)。このようにして組合せ秤と包装機との動作のタイミング調整を行うことにより、両者に生じる待ち時間を少なく抑えることができ、実質的な速度の大幅な低下を招くことなく、組合せ秤と包装機の両方を同じ設定速度で動作させることができる。
【0174】
また、図8または図9に示された処理を行うことによって、複数回の時間差Tdの平均値(αまたはβ)を求めて、その|α|または|β|の分、排出要求信号出力予定時刻あるいは理想認識時刻tsを後へずらした時刻に更新することにより、組合せ秤と包装機との動作のタイミングの微調整を行うことができる。
【0175】
なお、本実施の形態では、排出信号aの入力認識時刻と理想認識時刻tsとの時間差Tdが所望範囲内であること(−T1≦Td≦T2)を満足していない場合において、排出要求信号出力予定時刻あるいは理想認識時刻tsをあとへずらす時間を|Td|としたが、必ずしも|Td|としなくてもよい。例えば、調整しすぎないように、|Td|×0.9の時間分、あるいは|Td|×0.8の時間分あとへずらすようにしてもよい。また、これに限られず、次の排出信号aの入力認識時刻が所望認識期間Tr内になるように、あるいは、次の排出信号aの入力認識時刻が理想認識時刻tsとの時間差Tdが現在の時間差Tdよりも小さくなるように、排出要求信号出力予定時刻あるいは理想認識時刻tsをあとへずらす時間を設定するようにしてもよい。
【0176】
また、図8または図9に示された処理を行わないようにすることも可能である。この場合、図7のステップS58において、−T1≦Td≦T2を満足する場合には、ステップS56に戻るようにし、さらにこの場合、カウンタ値Nを設定するステップS55、S62と、図8のステップS72または図9のステップS92によって記憶されている時間差Tdのデータを消去するステップS63とは不要である。
【0177】
この図8または図9に示された処理を行わない場合において、さらに、ステップS58において、T1=T2=0とすることも可能である。この場合、時間差Tdが0のときにのみ、ステップS56に戻り、0でないときには、毎回、排出要求信号出力予定時刻及び理想認識時刻のいずれかの更新が行われる。
【0178】
また、ステップS58〜ステップS63の処理を行わないようにすることも可能である。この場合、ステップS57の後、図8のステップS71または図9のステップS91へ進むようにすればよい。
【0179】
なお、本実施の形態2では、組合せ秤と包装機とを同じ動作速度に設定している場合について説明したが、異なる動作速度で動作させることも可能である。但し、包装機に設定される動作速度が組合せ秤の動作速度よりも速い場合には、包装機制御部20において、例えば、理想認識時刻tsの周期と排出要求信号出力予定時刻の周期とを、組合せ秤の動作速度に応じた周期(Tw)と等しい周期に設定するように構成しておく必要がある。
【0180】
なお、上記の実施の形態1,2における組合せ秤及び包装機の構成については、種々変更が可能である。以下に、その一例を挙げる。
【0181】
例えば、組合せ秤は、集合シュート16の下部の排出口の集合ホッパ17が設けられていない構成でもよい。この場合、排出組合せに選択されている計量ホッパ14から排出された被計量物は集合シュート16上を滑り落ちて直接包装機へ投入されるように構成される。
【0182】
また、組合せ秤は、図1の例では、組合せ演算の対象となるホッパ(組合せ用ホッパ)として計量ホッパ14のみを有する構成であるが、合計重量値が所定重量範囲内である被計量物が排出されるように構成されてあればよく、組合せ演算の対象となるホッパの構成としては種々変更が可能である。一例を挙げれば、それぞれの計量ホッパ14に対応して計量ホッパ14の下方に、それぞれ対応する計量ホッパ14から計量済みの被計量物が投入されるメモリホッパを配設し、計量ホッパ14は、対応するメモリホッパと集合シュート16とへ選択的に被計量物を排出可能な構成にしてもよい。この場合、組合せ秤制御部10は、各々の計量ホッパ14に投入されている被計量物の重量値と各々のメモリホッパに投入されている被計量物の重量値とに基づいて組合せ演算を行うことにより、被計量物の重量値の合計が所定重量範囲内になる計量ホッパ14及び/又はメモリホッパの組合せを求めて排出組合せに決めればよい。
【0183】
また、組合せ秤では、組合せに用いられる組合せ用ホッパが円状に列設された構成としたが、この構成に限られない。例えば、組合せ用ホッパが楕円状、正方形、長方形等の多角形状、あるいは直線状に列設された構成であってもよい。また、集合シュートは、例えば上部の開口形状を組合せ用ホッパの列設形状に応じた形状とし、各組合せ用ホッパから排出される被計量物を集めて下部の排出口から排出できるように構成してあればよい。
【0184】
さらに、組合せ秤に代えて、被計量物を計量し、包装機へ被計量物を投入する計量機であってもよい。
【0185】
また、包装機についても、図1に示されたような縦型ピロー包装機に限られるものではなく、組合せ秤等の計量機から投入される被計量物を包装する包装機であればよい。例えば、給袋式の包装機であってもよい。
【0186】
また、包装機が被計量物の投入口を複数有し、各々の投入口に投入される被計量物を各々包装するように構成されており、組合せ秤等の計量機が包装機の各々の投入口へ被計量物を投入するように構成されてあってもよい。また、この場合、包装機の複数の投入口に対応して、計量機に複数の排出口を有する構成とし、複数の各々の排出口から順番に被計量物が排出される構成であってもよいし、複数の排出口から同時に被計量物が排出される構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0187】
本発明は、被計量物の計量及び包装動作を高速で行う計量包装システム等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0188】
【図1】本発明の実施の形態における計量包装システムの構成の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1における組合せ秤の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1における組合せ秤の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1における組合せ秤の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1における組合せ秤及び包装機の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の実施の形態1における組合せ秤及び包装機の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の実施の形態2における包装機の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2における包装機の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2における包装機の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2における組合せ秤及び包装機の動作を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明の実施の形態2における組合せ秤及び包装機の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0189】
1 組合せ秤本体
2 包装機本体
10 組合せ秤制御部
18 組合せ秤操作入力部
20 包装機制御部
28 包装機操作入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被計量物の重量を計量し排出するための一連の動作を繰り返し行う装置本体、及び、設定される動作速度に応じて前記装置本体の動作を制御する制御部を有する計量機と、
前記計量機から排出される被計量物を包装するための一連の動作を繰り返し行う装置本体、及び、設定される動作速度に応じて前記装置本体の動作を制御する制御部を有する包装機とを備え、
前記計量機と前記包装機とのうちのいずれか一方を第1装置とし、他方を第2装置とし、前記第1装置の制御部と前記第2装置の制御部とに同じ動作速度である前記第1の速度が設定されている場合に、
前記第1装置の制御部は、前記第1の速度に応じた前記第1装置の装置本体の前記一連の動作の周期である第1の周期の間隔で到来する第1信号出力予定時刻を設定し、この第1信号出力予定時刻に第1信号を前記第2装置の制御部へ出力するとともに、前記第2装置の制御部から出力される第2信号の入力を認識したときの時刻である第2信号入力認識時刻とそれぞれ対応し、前記第2信号を認識するべき理想の時刻として前記第1の周期の間隔で到来する基準時刻を設定し、この基準時刻に基づいて前記第1装置の装置本体に行わせる前記一連の動作のタイミングを制御するように構成され、
前記第2装置の制御部は、前記第1の速度に応じた前記第2装置の装置本体の前記一連の動作の周期内において設定される所定のタイミングで前記第2信号を前記第1装置の制御部へ出力し、前記第1装置の制御部から入力される前記第1信号に基づいて前記第2装置の装置本体に行わせる前記一連の動作のタイミングを制御するように構成され、
さらに、前記第1装置の制御部は、前記第2信号入力認識時刻とこの時刻に対応する前記基準時刻との間に生じる時間差が小さくなるように、前記第1信号出力予定時刻と前記基準時刻とのうちのいずれかを設定しなおす調整処理を行うように構成された計量包装システム。
【請求項2】
前記第1装置の制御部は、前記基準時刻に基づいて行う前記第1装置の装置本体の前記一連の動作のタイミングの制御を、前記一連の動作のうちの一動作の開始時刻を前記基準時刻に基づいて制御することにより行うように構成され、
前記第2装置の制御部は、前記第1信号に基づいて行う前記第2装置の装置本体の前記一連の動作のタイミングの制御を、前記一連の動作のうちの一動作の開始時刻を前記第1信号の入力を認識したときの時刻に基づいて制御することにより行うように構成された請求項1に記載の計量包装システム。
【請求項3】
前記第1装置の制御部は、最初に入力される前記第2信号を認識したときの前記第2信号入力認識時刻を、前記第1の周期で到来する基準時刻のうちの最初の基準時刻に決めるように構成された請求項1に記載の計量包装システム。
【請求項4】
前記第1装置の制御部が行う前記調整処理は、
前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻とこの時刻に対応する前記基準時刻との前記時間差を求め、この時間差が予め定められた範囲である第1の範囲の範囲外の場合であって、前記第2信号入力認識時刻が前記基準時刻よりも早い時刻であるときには、次に求められる前記時間差が前記第1の範囲内になるように前記第1信号出力予定時刻をあとへずらした時刻に更新し、前記第2信号入力認識時刻が前記基準時刻よりも遅い時刻であるときには、次に求められる前記時間差が前記第1の範囲内になるように前記基準時刻をあとへずらした時刻に更新する請求項1に記載の計量包装システム。
【請求項5】
前記調整処理において、前記第1信号出力予定時刻を更新するときには前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記基準時刻を更新するときには前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新する請求項4に記載の計量包装システム。
【請求項6】
前記第1装置の制御部が行う前記調整処理は、
前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求め、前記第2信号の入力をa回(aは1以上の所定の整数)認識してa個の前記時間差を求めるごとに、直近に求められたb個(bは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新する請求項1に記載の計量包装システム。
【請求項7】
前記第1装置の制御部が行う前記調整処理は、
前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求め、前記第2信号の入力をn回(nは所定の複数)認識してn個の前記時間差を求めるごとに、前記n個の時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新する請求項1に記載の計量包装システム。
【請求項8】
前記第1装置の制御部が行う前記調整処理は、
前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求め、前記第2信号の入力を認識して前記時間差を求めるごとに、直近に求められたm個(mは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新する請求項1に記載の計量包装システム。
【請求項9】
前記第1装置の制御部が行う前記調整処理は、
前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求める時間差算出処理と、
前記時間差が予め定められた範囲である第1の範囲の範囲外の場合であって、前記時間差が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の時間分あとへずらした時刻に更新する第1の処理と、
前記時間差が前記第1の範囲の範囲内である場合には、前記第2信号の入力をa回(aは1以上の所定の整数)認識してa個の前記時間差を求めるごとに、直近に求められたb個(bは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新する第2の処理とを有し、
前記第1の処理を行ったときには、前記第2の処理による前記第2の信号の入力の認識回数を零にし、前記第1の処理の後に求められる前記時間差のみを前記第2の処理の対象にする請求項1に記載の計量包装システム。
【請求項10】
前記第1装置が前記計量機であり、前記第2装置が前記包装機であり、
前記第1信号は前記計量機から前記包装機に対し被計量物の排出を知らせる排出信号であり、前記第2信号は前記包装機から前記計量機に対し被計量物の排出を要求する排出要求信号である請求項1に記載の計量包装システム。
【請求項11】
前記第1装置が前記包装機であり、前記第2装置が前記計量機であり、
前記第1信号は前記包装機から前記計量機に対し被計量物の排出を要求する排出要求信号であり、前記第2信号は前記計量機から前記包装機に対し被計量物の排出を知らせる排出信号である請求項1に記載の計量包装システム。
【請求項12】
被計量物の重量を計量し包装機へ排出するための一連の動作を繰り返し行う装置本体と、設定される動作速度に応じて前記装置本体の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部には前記包装機と同じ動作速度である第1の速度が設定されており、前記包装機が、前記制御部から出力される第1信号に基づいて、前記装置本体から排出される被計量物を包装するために行う一連の動作のタイミングが制御されるように構成されているとともに、前記第1の速度に応じた前記一連の動作の周期内において設定された所定のタイミングで第2信号を前記制御部へ出力するように構成されている場合に、
前記制御部は、前記第1の速度に応じた前記装置本体の前記一連の動作の周期である第1の周期の間隔で到来する第1信号出力予定時刻を設定し、この第1信号出力予定時刻に第1信号を前記包装機へ出力するとともに、前記包装機から出力される第2信号の入力を認識したときの時刻である第2信号入力認識時刻とそれぞれ対応し、前記第2信号を認識するべき理想の時刻として前記第1の周期の間隔で到来する基準時刻を設定し、この基準時刻に基づいて前記装置本体に行わせる前記一連の動作のタイミングを制御するように構成され、
さらに、前記制御部は、前記第2信号入力認識時刻とこの時刻に対応する前記基準時刻との間に生じる時間差が小さくなるように、前記第1信号出力予定時刻と前記基準時刻とのうちのいずれかを設定しなおす調整処理を行うように構成された計量機。
【請求項13】
前記制御部が行う前記調整処理は、
前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻とこの時刻に対応する前記基準時刻との前記時間差を求め、この時間差が予め定められた範囲である第1の範囲の範囲外の場合であって、前記第2信号入力認識時刻が前記基準時刻よりも早い時刻であるときには、次に求められる前記時間差が前記第1の範囲内になるように前記第1信号出力予定時刻をあとへずらした時刻に更新し、前記第2信号入力認識時刻が前記基準時刻よりも遅い時刻であるときには、次に求められる前記時間差が前記第1の範囲内になるように前記基準時刻をあとへずらした時刻に更新する請求項12に記載の計量機。
【請求項14】
前記調整処理において、前記第1信号出力予定時刻を更新するときには前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記基準時刻を更新するときには前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新する請求項13に記載の計量機。
【請求項15】
前記制御部が行う前記調整処理は、
前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求め、前記第2信号の入力をa回(aは1以上の所定の整数)認識してa個の前記時間差を求めるごとに、直近に求められたb個(bは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新する請求項12に記載の計量機。
【請求項16】
前記制御部が行う前記調整処理は、
前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求める時間差算出処理と、
前記時間差が予め定められた範囲である第1の範囲の範囲外の場合であって、前記時間差が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の時間分あとへずらした時刻に更新する第1の処理と、
前記時間差が前記第1の範囲の範囲内である場合には、前記第2信号の入力をa回(aは1以上の所定の整数)認識してa個の前記時間差を求めるごとに、直近に求められたb個(bは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新する第2の処理とを有し、
前記第1の処理を行ったときには、前記第2の処理による前記第2の信号の入力の認識回数を零にし、前記第1の処理の後に求められる前記時間差のみを前記第2の処理の対象にする請求項12に記載の計量機。
【請求項17】
前記第1信号は前記制御部から前記包装機に対し被計量物の排出を知らせる排出信号であり、前記第2信号は前記包装機から前記制御部に対し被計量物の排出を要求する排出要求信号である請求項12に記載の計量機。
【請求項18】
前記制御部は、前記基準時刻に基づいて行う前記装置本体の前記一連の動作のタイミングの制御を、前記一連の動作のうちの前記包装機へ被計量物を排出する動作の開始時刻を前記基準時刻に基づいて制御することにより行うように構成された請求項12に記載の計量機。
【請求項19】
前記装置本体は、それぞれ供給される被計量物を一時保持して排出するための複数のホッパを有し、
前記制御部は、前記ホッパに供給されている被計量物の重量を組合せた合計である組合せ重量値が所定重量範囲内である前記ホッパの組合せを求める組合せ処理を行い、それにより求められた組合せの前記ホッパの被計量物を前記包装機へ排出させるように前記装置本体を制御するように構成された請求項12に記載の計量機。
【請求項20】
計量機から排出される被計量物を包装するための一連の動作を繰り返し行う装置本体と、設定される動作速度に応じて前記装置本体の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部には前記計量機と同じ動作速度である第1の速度が設定されており、前記計量機が、前記制御部から出力される第1信号に基づいて、被計量物の重量を計量し前記装置本体へ排出するために行う一連の動作のタイミングが制御されるように構成されているとともに、前記第1の速度に応じた前記一連の動作の周期内において設定された所定のタイミングで第2信号を前記制御部へ出力するように構成されている場合に、
前記制御部は、前記第1の速度に応じた前記装置本体の前記一連の動作の周期である第1の周期の間隔で到来する第1信号出力予定時刻を設定し、この第1信号出力予定時刻に第1信号を前記計量機へ出力するとともに、前記計量機から出力される第2信号の入力を認識したときの時刻である第2信号入力認識時刻とそれぞれ対応し、前記第2信号を認識するべき理想の時刻として前記第1の周期の間隔で到来する基準時刻を設定し、この基準時刻に基づいて前記装置本体に行わせる前記一連の動作のタイミングを制御するように構成され、
さらに、前記制御部は、前記第2信号入力認識時刻とこの時刻に対応する前記基準時刻との間に生じる時間差が小さくなるように、前記第1信号出力予定時刻と前記基準時刻とのうちのいずれかを設定しなおす調整処理を行うように構成された包装機。
【請求項21】
前記制御部が行う前記調整処理は、
前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻とこの時刻に対応する前記基準時刻との前記時間差を求め、この時間差が予め定められた範囲である第1の範囲の範囲外の場合であって、前記第2信号入力認識時刻が前記基準時刻よりも早い時刻であるときには、次に求められる前記時間差が前記第1の範囲内になるように前記第1信号出力予定時刻をあとへずらした時刻に更新し、前記第2信号入力認識時刻が前記基準時刻よりも遅い時刻であるときには、次に求められる前記時間差が前記第1の範囲内になるように前記基準時刻をあとへずらした時刻に更新する請求項20に記載の包装機。
【請求項22】
前記調整処理において、前記第1信号出力予定時刻を更新するときには前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記基準時刻を更新するときには前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新する請求項20に記載の包装機。
【請求項23】
前記制御部が行う前記調整処理は、
前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求め、前記第2信号の入力をa回(aは1以上の所定の整数)認識してa個の前記時間差を求めるごとに、直近に求められたb個(bは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新する請求項20に記載の包装機。
【請求項24】
前記制御部が行う前記調整処理は、
前記第2信号の入力を認識するたびに、前記第2信号入力認識時刻からこの時刻に対応する前記基準時刻を減算することにより前記時間差を求める時間差算出処理と、
前記時間差が予め定められた範囲である第1の範囲の範囲外の場合であって、前記時間差が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の時間分あとへずらした時刻に更新する第1の処理と、
前記時間差が前記第1の範囲の範囲内である場合には、前記第2信号の入力をa回(aは1以上の所定の整数)認識してa個の前記時間差を求めるごとに、直近に求められたb個(bは所定の複数)の前記時間差の平均値を求め、前記時間差の平均値が負の値であるときには、前記第1信号出力予定時刻を前記時間差の平均値の絶対値の時間分あとへずらした時刻に更新し、前記時間差の平均値が正の値であるときには、前記基準時刻を前記時間差の平均値の時間分あとへずらした時刻に更新する第2の処理とを有し、
前記第1の処理を行ったときには、前記第2の処理による前記第2の信号の入力の認識回数を零にし、前記第1の処理の後に求められる前記時間差のみを前記第2の処理の対象にする請求項20に記載の包装機。
【請求項25】
前記第1信号は前記制御部から前記計量機に対し被計量物の排出を要求する排出要求信号であり、前記第2信号は前記計量機から前記制御部に対し被計量物の排出を知らせる排出信号である請求項20に記載の包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−175718(P2008−175718A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−10084(P2007−10084)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【出願人】(505260556)
【Fターム(参考)】