説明

設備機器

【課題】漏電を確実に防止できるようにした設備機器を提供する。
【解決手段】設備機器である浴室換気乾燥暖房機1Aは、天井板101に開けられた開口部102に挿入される本体部2Aと、樹脂材料で構成され、本体部2Aの下部から外側に突出するフランジ部20Aと、フランジ部20Aを露出させて本体部2Aを覆う金属ケース4Aと、フランジ部20Aの上面に一体に設けられ、金属ケース4Aの側面下部と、天井板101の開口部102との間に入る樹脂材料で構成された絶縁部21Aとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室等の室内の天井に設置される設備機器に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の天井に設置される設備機器で、熱源を持たない換気装置は、樹脂製のケースで覆われた構成が多い。一方、浴室の天井に設置される浴室換気乾燥暖房機は、熱源としてヒータを持つため金属ケースで覆われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
浴室換気乾燥暖房機では、金属ケースで覆われた部分が、浴室の天井板に開けられた開口部に挿入され、フランジ部で天井板に固定される。浴室換気乾燥暖房機に設けられるフランジ部は、一般的に樹脂材料で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−112660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
羽根車を駆動するモータやヒータ等の電気機器を備えた浴室換気乾燥暖房機等の設備機器は、設置時に漏電遮断機と接続されており、万一、設備機器で漏電が発生した場合には、漏電遮断機で保護される。また、設備機器は設置時にアース接地されており、漏電遮断機で検出できないような微小な漏洩電流は、アースに流して漏電保護が行われる。
【0006】
しかし、漏電遮断機の不具合、あるいはアース接地の不具合が発生すると、設備機器から設置場所への漏電が起こる可能性があった。そこで、従来は、金属ケースに絶縁テープを巻いて、絶縁を図っていた。しかし、絶縁テープを巻く作業は手間が掛かり、組み立てコストが多く掛かる要因となる。また、設備機器の設置時、あるいは経年劣化等で絶縁テープが損傷すると、絶縁性能が確保できなくなる。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、設置場所への漏電を確実に防止できるようにした設備機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明は、設置場所の取付部材に形成された開口部に、室内側から挿入される本体部と、樹脂材料で構成され、本体部の側部から外側に突出し、開口部の周縁の取付部材の室内側の面に当接するフランジ部と、フランジ部を露出させて本体部の外郭を構成する金属ケースと、開口部の周縁の取付部材の室内側の面に当接する側であるフランジ部の一の面に設けられ、金属ケースの側面で、金属ケースから突出するフランジ部が設けられる一の側と、開口部の周縁の取付部材の端部との間に入る絶縁部とを備えた設備機器である。
【0009】
本発明の設備機器では、設置場所である室の天井または壁を構成する取付部材に形成された開口部に、本体部が室内側から挿入され、フランジ部が開口部の周縁の取付部材に取り付けられると、本体部の外郭を構成する金属ケースの側面の一の側と、開口部の周縁の取付部材の端部との間に、樹脂材料で構成されるフランジ部の一の面に設けられた絶縁部が入る。
【発明の効果】
【0010】
本発明の設備機器によれば、本体部の外郭を構成する金属ケースの側面の一の側と、開口部の周縁の取付部材の端部との間に樹脂材料で構成される絶縁部が入ることで、金属ケースと設置場所の開口部に露出する取付部材の端面が接触することが防止され、設備機器の金属ケースから、設置場所への漏電を防止することができる。
【0011】
また、フランジ部の一の面に絶縁部が設けられることで、絶縁テープ等を巻く作業が不要となり、組み立て作業の簡略化及びコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の全体構成を示す側断面図である。
【図2】第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機を天井板に取り付けた形態の要部構成を示す要部側断面図である。
【図3】第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機を天井板に取り付けた形態の要部構成を示す要部側断面図である。
【図4】第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の全体構成を示す上面側から見た斜視図である。
【図5】第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機における本体シャーシの構成を示す上面側から見た斜視図である。
【図6】第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機を天井板に取り付けた形態を示す上面側から見た斜視図である。
【図7】第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の全体構成を示す上面側から見た斜視図である。
【図8】第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機を天井板に取り付けた形態を示す上面側から見た斜視図である。
【図9】第3の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の全体構成を示す上面側から見た斜視図である。
【図10】第3の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機を天井板に取り付けた形態を示す上面側から見た斜視図である。
【図11】第4の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機を天井板に取り付けた形態の要部構成を示す要部側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の設備機器としての浴室換気乾燥暖房機の実施の形態について説明する。
【0014】
<第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の構成例>
図1〜図6は、第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の一例を示し、図1は、第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の全体構成を示す側断面図、図2及び図3は、第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機を天井板に取り付けた形態の要部構成を示す要部側断面図である。
【0015】
また、図4は、第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の全体構成を示す上面側から見た斜視図、図5は、第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機における本体シャーシの構成を示す上面側から見た斜視図である。更に、図6は、第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機を天井板に取り付けた形態を示す上面側から見た斜視図である。
【0016】
第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Aは、取付部材の一例である浴室の天井板101に開けられた開口部102に挿入されて、天井板101に取り付けられる本体部2Aと、室内に面して本体部2Aの下面に取り付けられ、天井板101の開口部102に露出する本体部2Aの下面を覆うフロントパネル3を備える。
【0017】
浴室換気乾燥暖房機1Aが取り付けられる天井板101は、図1〜図3に示すように、石膏ボード等の断熱材101aの室内側に面した表面に、金属板101bが貼り付けられ、浴室換気乾燥暖房機1Aの取付位置に、浴室換気乾燥暖房機1Aの本体部2Aの形状に合わせて四角形の開口部102が設けられる。
【0018】
本体部2Aは、天井板101に取り付けられるフランジ部20Aを備え、フランジ部20Aを露出させて、金属ケース4Aで覆われる。また、本体部2Aは、フランジ部20Aに絶縁部21Aを備え、浴室換気乾燥暖房機1Aの本体部2Aの金属ケース4Aと、天井板101の金属板101bとの電気的な絶縁が図られる。
【0019】
以下に、浴室換気乾燥暖房機1Aの詳細について説明すると、本体部2Aは、本体シャーシ22Aと、本体シャーシ22Aを覆う金属ケース4Aを備える。また、本体部2Aは、空気を吸い込んで吹き出すファン部5と、ファン部5で吹き出される空気を加熱する図示しないヒータと、ファン部5及びヒータ等を駆動する回路が形成された基板6を備える。
【0020】
本体シャーシ22Aは、難燃性の樹脂材料で構成され、天井板101に取り付けられるフランジ部20Aと、風路を形成するファンケース部23を備え、フランジ部20Aとファンケース部23が一体に成形される。
【0021】
金属ケース4Aは、鉄等の金属の板材で構成され、本体シャーシ22Aのファンケース部23の全体を覆うと共に、フランジ部20Aは露出させる形状を有し、本体部2Aの外郭を構成する。
【0022】
ファン部5は、本体シャーシ22Aのファンケース部23に取り付けられるファンモータ50と、ファンモータ50に駆動される多翼の羽根車51を備える。ファン部5における風路を形成するファンケース部23は、羽根車51の外周に沿った略円形の部位と、羽根車51の接線方向に沿った部位を組み合わせた凸形状で、本体シャーシ22Aから一の方向である上方に突出する。
【0023】
本体部2Aは、本体シャーシ22Aの下面に下カバー24が取り付けられる。下カバー24は、ファン部5に空気が吸い込まれる吸込口24aと、図示しない空気の吹出口等が設けられる。また、本体部2Aは、ファン部5の室外への吹出口と連通し、ダクトと接続されるダクトジョイント52が、金属ケース4Aに取り付けられる。ダクトジョイント52は、金属ケース4Aと同様に金属で構成される。
【0024】
本体部2Aの下面に取り付けられるフロントパネル3は、吸込口24aと連通して吸込口グリル30が設けられる。また、ファン部5の室内への吹出口と連通して図示しない吹出口グリルが設けられる。
【0025】
羽根車51は、ファンモータ50に駆動されて回転することで、内側から外周側へと遠心方向に吹き出される空気の流れを発生させる。ファンケース部23は、羽根車51が回転することで、羽根車51の遠心方向に吹き出される空気を整流して、羽根車51の接線方向に沿って吹き出される空気の流れを発生させる。
【0026】
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Aでは、浴室内の空気を吸い込んで、屋外に排気する動作、図示しないヒータを駆動することで、温風を浴室内に吹き出して暖房を行う動作、換気を行いながら温風を吹き出して、衣類等の乾燥を行う動作が行われる。
【0027】
本体部2Aは、本体シャーシ22Aにおいてファンケース部23の上面に基板6が取り付けられ、フランジ部20Aを露出させた形態で、ファンケース部23と基板6が金属ケース4Aで覆われる。基板6は、ファンモータ50、図示しないヒータ等と配線で接続される。
【0028】
フランジ部20Aは、本体シャーシ22Aの下部の周縁から、全周にわたって外側に突出する。本体部2Aは、本体シャーシ22Aに金属ケース4Aが取り付けられると、金属ケース4Aの下部の周縁から、全周にわたってフランジ部20Aが外側に突出する。
【0029】
フランジ部20Aは、本体部2Aが挿入される天井板101の開口部102より大きな外形を有し、本体部2Aが開口部102に挿入されることで、天井板101と接する部位に、浴室換気乾燥暖房機1Aを天井板101に取り付けるための締結手段であるネジ103が挿入される取付穴部20hが形成される。
【0030】
浴室換気乾燥暖房機1Aは、本体部2Aで本体シャーシ22Aを覆う金属ケース4Aと、天井板101との間で電気的な絶縁を図るための絶縁部21Aを、本体シャーシ22Aと一体に成形されているフランジ部20Aに備える。
【0031】
絶縁部21Aは、取付穴部20hが形成される位置よりも内側で、フランジ部20Aの一の面である上面から上方に突出する凸部が、フランジ部20Aと一体に成形される。絶縁部21Aは、本体シャーシ22Aの下部の外周と絶縁部21Aとの間に、金属ケース4Aの下端部40Aが入る隙間が設けられて、金属ケース4Aの側面の一の側である側面下部の周囲に沿って形成される。
【0032】
絶縁部21Aは、所定の第1の高さを有した第1の絶縁部21A1と、第1の高さより低い所定の第2の高さを有した第2の絶縁部21A2を備える。絶縁部21Aは、金属ケース4Aの4つの角部41A、及び、各角部41Aの間の中間付近に対応して第1の絶縁部21A1が設けられ、各第1の絶縁部21A1の間に、第1の絶縁部21A1と連続して第2の絶縁部21A2が設けられる。本例では、絶縁部21Aは全周にわたって設けられるが、第2の絶縁部21A2の一部が切り欠かれているような形態でも良い。
【0033】
第1の絶縁部21A1は、図2に示すように、天井板101の板厚より高い第1の高さH1で、フランジ部20Aの上面から突出する。本例では、天井板101の板厚tは、約10.5mmに設定される。これに対して、第1の絶縁部21A1の第1の高さH1は、約20mmに設定される。
【0034】
第2の絶縁部21A2は、図3に示すように、天井板101の金属板101bの板厚より高く、天井板101の板厚よりは低い第2の高さH2で、フランジ部20Aの上面から突出する。本例では、第2の絶縁部21A2の第2の高さH2は、約3mmに設定される。
【0035】
浴室換気乾燥暖房機1Aを取り付けるために天井板101に形成される開口部102は、この開口部102の内側に本体部2Aの絶縁部21Aが入り、かつ、フランジ部20Aの取付穴部20hに通したネジ103で、フランジ部20Aを介して本体部2Aを天井板101に固定できるように、大きさが設定される。
【0036】
浴室換気乾燥暖房機1Aを天井板101に取り付けた状態では、図2及び図3に示すように、天井板101の開口部102の端部から、第1の絶縁部21A1及び第2の絶縁部21A2の外周面までの距離Haが、本例では、約3.5mmとなるように、開口部102の大きさが設定されている。
【0037】
浴室換気乾燥暖房機1Aは、本体部2Aの上面である金属ケース4Aの上面に端子台7を備える。端子台7は、外部からの電源及び図示しないリモートコントロール装置等の操作部からの配線が接続される。また、端子台7は、金属ケース4Aに設けられた図示しない穴部を通して、基板6と配線で接続される。本例では、端子台7を覆うカバー70が本体部2Aに取り付けられる。カバー70は、金属ケース4Aと同様に、金属板で構成される。
【0038】
<第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の取付形態例>
次に、各図を参照して、浴室換気乾燥暖房機1Aを天井板101に取り付ける形態について説明する。ここで、本例では、浴室換気乾燥暖房機1Aは設置場所である浴室の天井板101に取り付けられる例で説明するが、浴室等の室の壁面に開口部が形成されて、この開口部に本体部が室内側から挿入されて取り付けられる形態であっても良い。
【0039】
浴室換気乾燥暖房機1Aは、天井板101に開けられた開口部102に本体部2Aが挿入されると、本体部2Aの下部の周縁から外側に突出するフランジ部20Aの上面に設けられた絶縁部21Aが開口部102の内側に入る形態で、フランジ部20Aが天井板101に接する。
【0040】
天井板101の上面には、フランジ部20Aの取付穴部20hに通されるネジ103が締結される補強材105が載置される。補強材105は、L状の断面形状を有する部材で、金属材料で構成される。ネジ103は、セルフタッピングネジ、ドリルネジ等と称されるものが使用される。
【0041】
そして、フランジ部20Aの下面から取付穴部20hに挿入されるネジ103が、天井板101に予め下穴を開けることなく、また、補強材105に予めネジ穴を形成することなく、天井板101を貫通して補強材105の締結部105aに締結される。
【0042】
フランジ部20Aの取付穴部20hに挿入されるネジ103が補強材105に締結されることで、フランジ部20Aと補強材105で天井板101を挟持する形態で、本体部2Aが天井板101に固定される。天井板101に固定された本体部2Aには、フロントパネル3が取り付けられ、本体部2Aの下面が覆われる。なお、天井板101には、フランジ部20Aの取付穴部20hに合わせて貫通穴が開けられ、また、補強材105には、取付穴部20hに合わせて、ネジが締結されるネジ穴が形成され、各穴部の位置を合わせてネジを締結するようにしても良い。
【0043】
ここで、絶縁部21Aを構成する第1の絶縁部21A1の高さH1は、図2に示すように、好ましくは、天井板101の板厚tと、補強材105の締結部105aの板厚hの和よりも高く設定されている。本例では、補強材105の締結部105aの板厚hは約3mmに設定されており、H1>t+hとなっている。
【0044】
<第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の作用効果例>
ファンモータ50やヒータ等の電気機器を備えた浴室換気乾燥暖房機1Aは、浴室への設置時に漏電遮断機と接続されており、万一、浴室換気乾燥暖房機1Aで漏電が発生した場合には、漏電遮断機で保護される。
【0045】
また、浴室換気乾燥暖房機1Aは、浴室への設置時にアース接地されており、漏電遮断機で検出できないような微小な漏洩電流は、アースに流して漏電保護が行われる。
【0046】
更に、漏電遮断機の不具合、アース接地の不具合が発生しても、浴室換気乾燥暖房機1Aで本体部2Aを覆う金属ケース4Aと、設置場所である天井板101の開口部102との間には、絶縁部21Aが介在している。
【0047】
絶縁部21Aは、樹脂材料で構成されている。また、高さの異なる第1の絶縁部21A1と第2の絶縁部21A2で構成される絶縁部21Aは、第1の絶縁部21A1と第2の絶縁部21A2の何れの高さも、天井板101の金属板101bの板厚より高く構成されている。
【0048】
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Aの金属ケース4Aと、天井板101の開口部102に露出する開口部102の周縁の天井板101の端部、特に、金属板101bの端面が接触することが防止され、浴室換気乾燥暖房機1Aの金属ケース4Aから、天井板101の金属板101bへの漏電を防止することができる。好ましくは、絶縁部21Aを構成する第1の絶縁部21A1の高さH1が、天井板101の板厚tと、補強材105の締結部105aの板厚hの和よりも高く設定されるので、補強材105及びネジ103を通しての漏電も防止することができる。
【0049】
また、天井板101の開口部102の範囲内で、本体部2Aの取付位置にずれが生じ、開口部102の端面と本体部2Aの側面が接するような位置関係となっても、本体部2Aにおいて、開口部102の端面と接するのは絶縁部21Aの外周となる。
【0050】
これにより、天井板101の開口部102内における本体部2Aの取付位置が規制されて、金属ケース4Aと開口部102の端面との間に、絶縁が確保されるだけの必要十分な隙間も形成される。よって、浴室換気乾燥暖房機1Aの金属ケース4Aから、天井板101の金属板101bへの漏電を防止することができる。
【0051】
更に、絶縁部21Aはフランジ部20Aと一体に形成されているので、金属ケース4Aの絶縁のために、絶縁性を有したテープ等を金属ケース4Aに巻く作業等を省くことができ、組み立て作業の簡略化及びコストを低減することができる。また、フランジ部20Aと一体に形成される絶縁部21Aは、絶縁テープに比較して強度があり、絶縁テープを用いないことで、絶縁テープの損傷等により絶縁性能が確保できないという課題が生じることはない。
【0052】
なお、絶縁部21Aとして、高さの高い第1の絶縁部21A1を備えることにより、フランジ部20Aと天井板101との間に絶縁部21Aが挟まれるような状態で、本体部2Aが取り付けられようとすると、フランジ部20Aと天井板101との間に、第1の絶縁部21A1による第1の高さで隙間が開く。
【0053】
これにより、本体部2Aを天井板101の開口部102に挿入して設置する作業で、本体部2Aが天井板101に正しく取り付けられていないことが認識でき、浴室換気乾燥暖房機1Aの設置作業のミスを低減することができる。
【0054】
また、絶縁部21Aとして、高さの低い第2の絶縁部21A2を備えることにより、絶縁部21Aの全体を第1の高さで形成する場合と比較して、材料を減らすことができ、コストダウンを図ることができる。
【0055】
更に、フランジ部20Aの全周にわたり絶縁部21Aを備えることで、本体シャーシ22Aに金属ケース4Aを組み付ける作業で、正しい位置で金属ケース4Aを取り付けないと、金属ケース4Aとフランジ部20Aとの間に絶縁部21Aが介在し、金属ケース4Aを取り付けることができない。これにより、工場での浴室換気乾燥暖房機1Aの組立作業のミスを低減することができる。
【0056】
<第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の構成例>
図7及び図8は、第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の一例を示し、図7は、第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の全体構成を示す上面側から見た斜視図、図8は、第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機を天井板に取り付けた形態を示す上面側から見た斜視図である。
【0057】
第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Bは、フランジ部20Bの上面の全周に、同じ高さで絶縁部21Bを形成したものである。ここで、第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Bでは、絶縁部21Bの構成以外は、上述した第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Aと同様であるので、同じ番号を付して説明を省略する。
【0058】
浴室換気乾燥暖房機1Bでは、本体部2Bは金属ケース4Bで覆われ、本体部2Bの下部の周縁から、フランジ部20Bが外側に突出する。本体部2Bは、図1等で説明した樹脂材料で構成される本体シャーシと一体でフランジ部20Bが形成される。
【0059】
絶縁部21Bは、フランジ部20Bの上面から上方に突出する凸部が、フランジ部20Bと一体に設けられ、金属ケース4Bの側面下部の周囲に沿って全周にわたり同じ高さで形成される。絶縁部21Bの高さは、本例では、天井板101の板厚より高く構成される。好ましくは、絶縁部21Bの高さは、天井板101の板厚と、補強材105の板厚の和よりも高く設定される。
【0060】
<第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の作用効果例>
第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Bでも、本体部2Bを覆う金属ケース4Bと、設置場所である天井板101の開口部102との間には、樹脂材料で構成された絶縁部21Bが介在している。
【0061】
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Bの金属ケース4Bと、天井板101の開口部102に露出する図1〜図3で説明した金属板101bの端面が接触することが防止され、浴室換気乾燥暖房機1Bの金属ケース4Bから、天井板101の金属板101bへの漏電を防止することができる。
【0062】
また、絶縁部21Bの高さが、全周にわたって天井板101の板厚より高く構成されるので、天井板101の表面に貼り付けられる金属板101bの板厚の違い等、天井板101の構造によらず、開口部102の端面と金属ケース4Bとの間に、絶縁部21Bを介在させることができる。これにより、より確実に絶縁性能を確保することができる。好ましくは、絶縁部21Bの高さが、天井板101の板厚と、補強材105の板厚の和よりも高く設定されるので、補強材105及びネジ103を通しての漏電も防止することができる。
【0063】
<第3の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の構成例>
図9及び図10は、第3の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の一例を示し、図9は、第3の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の全体構成を示す上面側から見た斜視図、図10は、第3の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機を天井板に取り付けた形態を示す上面側から見た斜視図である。
【0064】
第3の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Cは、フランジ部20Cの上面の複数箇所に絶縁部21Cを形成したものである。ここで、第3の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機では、絶縁部21Cの構成以外は、上述した第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Aと同様であるので、同じ番号を付して説明を省略する。
【0065】
浴室換気乾燥暖房機1Cでは、本体部2Cは金属ケース4Cで覆われ、本体部2Cの下部の周縁から、フランジ部20Cが外側に突出する。本体部2Cは、図1等で説明した樹脂材料で構成される本体シャーシと一体でフランジ部20Cが形成される。
【0066】
絶縁部21Cは、フランジ部20Cの上面から上方に突出する円筒状の凸部が、フランジ部20Cと一体に設けられる。絶縁部21Cは、金属ケース4Cの4つの角部41C、及び、各角部41Cの間の中間付近に対応して設けられる。絶縁部21Cの高さは、本例では、天井板101の板厚より高く構成される。好ましくは、絶縁部21Cの高さは、天井板101の板厚と、補強材105の板厚の和よりも高く設定される。
【0067】
<第3の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の作用効果例>
第3の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Cでは、本体部2Cを覆う金属ケース4Cと、設置場所である天井板101の開口部102との間の複数箇所に、樹脂材料で構成された絶縁部21Cが介在している。
【0068】
これにより、天井板101の開口部102内における本体部2Cの取付位置が規制され、金属ケース4Cと開口部102の端面との間に、絶縁が確保されるだけの必要十分な隙間も形成される。
【0069】
よって、浴室換気乾燥暖房機1Cの金属ケース4Cと、天井板101の開口部102に露出する図1〜図3で説明した金属板101bの端面が接触することが防止され、浴室換気乾燥暖房機1Cの金属ケース4Cから、天井板101の金属板101bへの漏電を防止することができる。
【0070】
<第4の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の構成例>
図11は、第4の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の一例を示し、図11は、第4の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機を天井板に取り付けた形態の要部構成を示す要部側断面図である。
【0071】
第4の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Dは、フランジ部20Dの上面の全周に、金属ケース4Dの下端部40Dが載せられる高さで絶縁部21Dを形成したものである。ここで、第4の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Dでは、絶縁部21Dの構成以外は、上述した第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Aと同様であるので、同じ番号を付して説明を省略する。
【0072】
浴室換気乾燥暖房機1Dでは、本体部2Dは金属ケース4Dで覆われ、本体部2Dの下部の周縁から、フランジ部20Dが外側に突出する。本体部2Dは、樹脂材料で構成される本体シャーシ22Dと一体でフランジ部20Dが形成される。
【0073】
絶縁部21Dは、本体シャーシ22Dの下部の周縁から側方に突出すると共に、フランジ部20Dの上面から上方に突出する凸部が、本体シャーシ22D及びフランジ部20Dと一体に設けられる。絶縁部21Dの高さは、本例では、天井板101の板厚より高く構成される。本例では、天井板101の板厚tは、約10.5mmに設定される。これに対して、絶縁部21Dの高さHDは、約12mmに設定される。
【0074】
本体部2Dを覆う金属ケース4Dは、下端部40Dが絶縁部21Dの上面に載せられる形態で、本体シャーシ22Dに取り付けられる。絶縁部21Dの高さは、天井板101の板厚より高く構成されるので、金属ケース4Dの下端部40Dは、天井板101の板厚より高い位置で支持される。
【0075】
<第4の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の作用効果例>
第4の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Dでは、本体部2Dを覆う金属ケース4Dの下端部40Dは、天井板101の板厚より高い位置で支持され、本体部2Dと、設置場所である天井板101の開口部102との間には、樹脂材料で構成された絶縁部21Dが介在している。
【0076】
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Dの金属ケース4Dと、天井板101の開口部102に露出する金属板101bの端面が接触することが防止され、浴室換気乾燥暖房機1Dの金属ケース4Dから、天井板101の金属板101bへの漏電を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、熱源を有し、設置場所に露出する箇所が金属ケースで覆われた空調装置等の設備機器に適用される。
【符号の説明】
【0078】
1A,1B,1C,1D・・・浴室換気乾燥暖房機、2A,2B,2C,2D・・・本体部、20A,20B,20C,20D・・・フランジ部、20h・・・取付穴部、21A,21B,21C,21D・・・絶縁部、21A1・・・第1の絶縁部、21A2・・・第2の絶縁部、22A,22D・・・本体シャーシ、3・・・フロントパネル、4A,4B,4C,4D・・・金属ケース、40A,40D・・・下端部、41A,41C・・・角部、5・・・ファン部、6・・・基板、101・・・天井板、102・・・開口部、103・・・ネジ、105・・・補強材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置場所の取付部材に形成された開口部に、室内側から挿入される本体部と、
樹脂材料で構成され、前記本体部の側部から外側に突出し、開口部の周縁の取付部材の室内側の面に当接するフランジ部と、
前記フランジ部を露出させて前記本体部の外郭を構成する金属ケースと、
開口部の周縁の取付部材の室内側の面に当接する側である前記フランジ部の一の面に設けられ、前記金属ケースの側面で、前記金属ケースから突出する前記フランジ部が設けられる一の側と、開口部の周縁の取付部材の端部との間に入る絶縁部と
を備えたことを特徴とする設備機器。
【請求項2】
前記絶縁部は、前記金属ケースの側面の一の側に沿って設けられ、前記金属ケースの側面の一の側の外側を覆う
ことを特徴とする請求項1に記載の設備機器。
【請求項3】
前記絶縁部は、第1の高さを有する第1の絶縁部と、第1の高さより低い第2の高さを有する第2の絶縁部が設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の設備機器。
【請求項4】
前記第1の絶縁部の高さは、開口部の周縁の取付部材の厚さと、前記フランジ部との間に取付部材を挟持する補強材の厚さを加えた長さより高く構成される
ことを特徴とする請求項3に記載の設備機器。
【請求項5】
前記絶縁部は、前記金属ケースの側面の一の側に沿った複数箇所に設けられ、前記金属ケースの側面の一の側と、開口部の周縁の取付部材の端部との間に入る
ことを特徴とする請求項1に記載の設備機器。
【請求項6】
前記絶縁部は、開口部周縁の取付部材の室内側の面と反対側の面より突出する高さで、前記金属ケースの側面の一の側の下側に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の設備機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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