説明

試験システム

【課題】被試験器に対して複数の試験項目の試験を行う試験装置の試験項目選択技術において、この試験の効率を向上させることができる試験システムを提供する。
【解決手段】試験システムにおいて、各試験用ケーブルに装着され、各試験用ケーブルの識別情報を記憶したRFIDタグと、このRFIDタグから識別情報を読み取るリーダと、このリーダにより読み取られたRFIDタグに記憶された識別情報に基づいて生成した各試験用ケーブルの有無情報と、各試験項目で使用する試験用ケーブルの識別情報とを照合し、各試験項目で使用する試験用ケーブルの有無状況を判断する試験用ケーブル有無判断部135と、この結果に基づいて、第1の試験用ケーブルがない場合は、試験画面の試験項目選択列の第1の試験用ケーブルを使用する試験項目に、この第1の試験用ケーブルがないことを示す記号を表示する試験用ケーブル無表示部136とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験の対象となる被試験器を試験する試験装置を有する試験システムにおいて、特に、被試験器に対して複数の試験項目の試験を行う試験装置の試験項目選択技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、被試験器に対して複数の試験項目の試験を行う従来の試験装置では、複数の試験項目の中から試験項目を選択する際には、作業者が任意に各試験項目を実施するか、または実施しないかを選択し、実施を選択した試験項目に対して順に試験を行っている。なお、このような試験装置に関する技術としては、例えば特許文献1に記載される技術などが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−281707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような特許文献1を含む従来の試験装置では、試験項目の選択は作業者が任意に実施/未実施の選択を行い、実施の試験項目に対して順に試験を行っている。この試験において、試験項目の内容により使用する試験用ケーブルが異なる場合には、試験用ケーブルが複数必要になるが、以下のような問題が発生することがある。
【0005】
例えば、全ての試験項目の試験を実施したいが、試験開始時に接続する試験用ケーブルが揃っていないため、試験を最後まで実施できなかった。具体的には、試験を開始したが、試験の途中で試験用ケーブルの交換指示があり、その試験用ケーブルが修理などで欠品なため、その試験用ケーブルを使用する試験項目が実施できず、試験を中断しなければならなかった。
【0006】
このように、従来の試験装置では、試験項目の内容により使用する試験用ケーブルが異なり、試験用ケーブルが複数必要になる場合には、その試験の効率が悪く、その改善が望まれている。
【0007】
そこで、本発明は前述した問題に鑑みてなされたものであり、その代表的な目的は、被試験器に対して複数の試験項目の試験を行う試験装置の試験項目選択技術において、この試験の効率を向上させることができる試験システムを提供することにある。
【0008】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0010】
すなわち、代表的な試験システムは、被試験器に対して複数の試験項目の試験を行う試験装置と、前記被試験器と前記試験装置とを接続する複数の試験用ケーブルと、を有する試験システムであって、以下のような特徴を有するものである。
【0011】
(1)前記複数の各試験用ケーブルに装着され、各試験用ケーブルを識別するための識別情報を記憶した記憶媒体と、前記複数の各試験用ケーブルに装着された前記記憶媒体から、前記識別情報を読み取る読み取り装置と、前記読み取り装置により読み取られた前記識別情報に基づいて生成した前記複数の各試験用ケーブルの有無情報と、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルの識別情報とを照合し、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルの有無状況を判断する試験用ケーブル有無判断部と、前記試験用ケーブル有無判断部の結果に基づいて、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルのうち、第1の試験用ケーブルがない場合は、前記被試験器の試験の前記複数の試験項目を試験画面に表示して作業者に試験項目の選択を促すための試験項目選択列の前記第1の試験用ケーブルを使用する試験項目に、前記第1の試験用ケーブルがないことを示す記号を表示する試験用ケーブル無表示部と、を有することを特徴とする。
【0012】
さらに好適には、前記試験用ケーブル無表示部で表示された前記試験項目選択列の前記記号が前記作業者により選択・実行されることで、前記被試験器と前記試験装置との間を接続する前記第1の試験用ケーブルが未接続状態であることと、前記被試験器と前記試験装置との間を接続する前記第1の試験用ケーブル以外の他の試験用ケーブルが接続状態であることと、前記第1の試験用ケーブルが未接続状態から接続状態へ移行したことを示す接続図を表示する接続図更新部を有することを特徴とする。
【0013】
(2)前記複数の各試験用ケーブルに装着され、各試験用ケーブルを識別するための識別情報を記憶した記憶媒体と、前記複数の各試験用ケーブルに装着された前記記憶媒体から、前記識別情報を読み取る読み取り装置と、前記読み取り装置により読み取られた前記識別情報に基づいて生成した前記複数の各試験用ケーブルの有無情報と、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルの識別情報とを照合し、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルの有無状況を判断する試験用ケーブル有無判断部と、前記試験用ケーブル有無判断部の結果に基づいて、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルのうち、第1の試験用ケーブルがない場合は、前記被試験器と前記試験装置との間を接続する前記第1の試験用ケーブルが未接続状態であることと、前記被試験器と前記試験装置との間を接続する前記第1の試験用ケーブル以外の他の試験用ケーブルが接続状態であることと、前記第1の試験用ケーブルが未接続状態から接続状態へ移行したことを示す接続図を表示する接続図更新部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0015】
すなわち、代表的な効果は、被試験器に対して複数の試験項目の試験を行う試験装置の試験項目選択技術において、この試験の効率を向上させることができる試験システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態に係る試験システムの構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る試験システムにおいて、制御器のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る試験システムにおいて、試験用ケーブルの一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る試験システムにおいて、制御器において動作するソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る試験システムにおいて、制御器によって表示される接続図を示す図であり、(a)は試験用ケーブルの接続図の一例を示し、(b)は接続図に対応した試験用ケーブルによる被試験器と試験装置との接続形態の一例を示す。
【図6】本発明の一実施の形態に係る試験システムにおいて、制御器によって表示される機能性能試験画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る試験システムにおいて、制御器において動作する試験実行プログラムによる試験項目選択処理の流れの一例を示すフロー図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る試験システムにおいて、試験項目毎の使用試験用ケーブル一覧テーブルの一例を示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る試験システムにおいて、試験項目毎の使用試験用ケーブル識別情報テーブルの一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る試験システムにおいて、試験用ケーブル有無情報テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数の実施の形態またはセクションに分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
【0018】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0019】
[本発明の実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る試験システム(一例として、()内に対応する構成要素、符号などを付記)は、被試験器(20)に対して複数の試験項目の試験を行う試験装置(10)と、前記被試験器と前記試験装置とを接続する複数の試験用ケーブル(30)と、を有する試験システムであって、以下のような特徴を有するものである。
【0020】
(1)前記複数の各試験用ケーブルに装着され、各試験用ケーブルを識別するための識別情報を記憶した記憶媒体(RFIDタグ40)と、前記複数の各試験用ケーブルに装着された前記記憶媒体から、前記識別情報を読み取る読み取り装置(リーダ180)と、前記読み取り装置により読み取られた前記識別情報に基づいて生成した前記複数の各試験用ケーブルの有無情報と、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルの識別情報とを照合し、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルの有無状況を判断する試験用ケーブル有無判断部(135)と、前記試験用ケーブル有無判断部の結果に基づいて、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルのうち、第1の試験用ケーブルがない場合は、前記被試験器の試験の前記複数の試験項目を試験画面に表示して作業者に試験項目の選択を促すための試験項目選択列の前記第1の試験用ケーブルを使用する試験項目に、前記第1の試験用ケーブルがないことを示す記号を表示する試験用ケーブル無表示部(136)と、を有することを特徴とする。
【0021】
さらに好適には、前記試験用ケーブル無表示部で表示された前記試験項目選択列の前記記号が前記作業者により選択・実行されることで、前記被試験器と前記試験装置との間を接続する前記第1の試験用ケーブルが未接続状態であることと、前記被試験器と前記試験装置との間を接続する前記第1の試験用ケーブル以外の他の試験用ケーブルが接続状態であることと、前記第1の試験用ケーブルが未接続状態から接続状態へ移行したことを示す接続図を表示する接続図更新部(137)を有することを特徴とする。
【0022】
(2)前記複数の各試験用ケーブルに装着され、各試験用ケーブルを識別するための識別情報を記憶した記憶媒体(RFIDタグ40)と、前記複数の各試験用ケーブルに装着された前記記憶媒体から、前記識別情報を読み取る読み取り装置(リーダ180)と、前記読み取り装置により読み取られた前記識別情報に基づいて生成した前記複数の各試験用ケーブルの有無情報と、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルの識別情報とを照合し、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルの有無状況を判断する試験用ケーブル有無判断部(135)と、前記試験用ケーブル有無判断部の結果に基づいて、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルのうち、第1の試験用ケーブルがない場合は、前記被試験器と前記試験装置との間を接続する前記第1の試験用ケーブルが未接続状態であることと、前記被試験器と前記試験装置との間を接続する前記第1の試験用ケーブル以外の他の試験用ケーブルが接続状態であることと、前記第1の試験用ケーブルが未接続状態から接続状態へ移行したことを示す接続図を表示する接続図更新部(137)と、を有することを特徴とする。
【0023】
上述した本発明の実施の形態の概要に基づいた本発明の一実施の形態を、以下において、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0024】
[本発明の一実施の形態]
本発明の一実施の形態に係る試験システムを、図1〜図10を用いて説明する。
【0025】
<試験システムの構成>
本実施の形態に係る試験システムを、図1を用いて説明する。図1は、この試験システムの構成の一例を示す図である。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態に係る試験システム1は、試験装置10と被試験器20とが複数の試験用ケーブル30を介して接続されて構成されている。被試験器20は、試験装置10によって実行される試験の対象となる。試験装置10は、計算機100、測定器150(150−1〜150−N、Nは1以上の整数、Nがそれぞれ常に同じ数とは限らない)、専用試験器160および切替部170から構成されている。また、試験装置10の近傍には、試験用ケーブル30に装着された記憶媒体の一例であるRFIDタグ40に記憶されている識別情報を読み取る読み取り装置であるリーダ180が設けられている。
【0027】
計算機100は、制御器110と被試験器用コントローラ120とがPC間制御ラインを介して接続されて構成されており、所定の試験を実行する。また、計算機100は、試験用のソフトウェアを記憶しており、試験を実施する際には、被試験器20と試験装置10とが試験用ケーブル30(例えば、電源ケーブル、RFケーブル、通信用ケーブルなど)で接続される。試験に使用される試験用ケーブル30の種類は複数あり、また、試験用ケーブル30は、被試験器20毎に、さらに、試験項目毎に異なる種類の試験用ケーブル30が複数使用される。
【0028】
制御器110は、例えばコンピュータであり、切替部170および測定器150を制御する。具体的には、制御器110は、試験内容に応じて使用する測定器150に試験内容を入力させるように測定経路を切り替えるため、切替部170に対して、切替信号を送信する。また、制御器110は、試験装置10と被試験器20とを接続する複数の試験用ケーブル30がどのように接続されるべきかを示す接続図(図5を用いて後述する)を表示する。なお、接続図は制御器110ではなく、被試験器用コントローラ120が表示するようにしても良い。さらに、制御器110は、上述した機能を有する他、図4を用いて後述する、被試験器20の選択、試験項目の選択などを含む試験実行機能などを有する。
【0029】
被試験器用コントローラ120は、例えばコンピュータであり、被試験器20に対して測定条件を示す信号(測定条件信号)を入力させる。測定条件信号を受信した被試験器20は、所定の試験を実行され、試験結果である試験信号を、切替部170を介して測定器150または専用試験器160に対して出力する。測定器150は、汎用の測定機器であって、計算機100が実行する試験で使用され、被試験器20から出力された試験信号を、切替部170を介して受信して所定の測定を行う。専用試験器160は、各被試験器20(および各試験項目)について専用に使用される試験器であって、被試験器20から出力された試験信号を、切替部170を介して受信して所定の測定を行う。
【0030】
切替部170は、制御器110から切替制御ラインを介して入力される切替信号に従って、被試験器20と測定器150および専用試験器160との測定経路を切り替える。例えば、切替部170は、被試験器20からの試験信号が測定器150−1によって測定されるべき場合は、その試験信号が伝送される試験用ケーブル30と測定器150−1とが電気的に接続されるように経路を切り替える。
【0031】
また、切替部170は、測定器150と被試験器20とを接続する測定器接続部171と、専用試験器160と被試験器20とを接続する専用試験器接続部172とを有する。測定器接続部171は、一方が測定器150と接続されており、また、他方には、被試験器20との試験信号の通信に使用される試験用ケーブル30を接続するための端子を有する。専用試験器接続部172は、一方が専用試験器160と接続されており、また、他方には、被試験器20との試験信号の通信に使用される試験用ケーブル30を接続するための端子を有している。
【0032】
<制御器のハードウェア構成と試験用ケーブル>
前述した制御器110のハードウェア構成と試験用ケーブル30を、図2および図3を用いて説明する。図2は、この制御器110のハードウェア構成の一例を示す図であり、図3は、この試験用ケーブル30の一例を示す図である。
【0033】
図2に示すように、制御器110は、CPU112およびメモリ113などを含む本体111、キーボードおよび表示装置などを含む入出力装置114、他の装置との通信を行う通信装置115、および、CD装置およびHDD装置など、記録媒体117に対するデータの記録および再生を行う記録装置116から構成される。つまり、制御器110は、情報処理および他の装置との通信が可能なコンピュータとしてのハードウェア構成部分を有している。
【0034】
図3に示すように、試験用ケーブル30は、RFIDタグ40が設けられている。RFIDタグ40は、RFID方式の記憶媒体であって、各試験用ケーブル30を識別するための識別情報を記憶する。この試験用ケーブル30の識別情報は、例えば図5に示したW1やW2などとすることができる。
【0035】
このRFIDタグ40と前述したリーダ180との間では、リーダ180は、RFIDタグ40に電波信号を送信し、これを受けて、RFIDタグ40は、リーダ180からの電波信号を整流することによって、必要な電力が供給される。また、リーダ180は、試験用ケーブル30の識別情報を送信させることを示す質問データをRFIDタグ40に送信し、これを受けて、RFIDタグ40は、その質問に応じて、試験用ケーブル30の識別情報をリーダ180に対して送信する。これにより、リーダ180は、RFIDタグ40から試験用ケーブル30の識別情報を読み取る。さらに、リーダ180は、読み取った試験用ケーブル30の識別情報を制御器110に対して送信する。
【0036】
<制御器において動作するソフトウェア構成>
前述した制御器110において動作するソフトウェア構成を、図4を用いて説明する。図4は、この制御器110において動作するソフトウェア構成の一例を示す図である。
【0037】
図4に示すように、コンピュータである制御器110において動作するソフトウェア構成の試験実行プログラム130は、試験用ケーブル関連情報記憶部131、被試験器選択情報受信部132、接続図表示部133、試験用ケーブル識別情報受信部134、試験用ケーブル有無判断部135、試験用ケーブル無表示部136、接続図更新部137などから構成される。
【0038】
この試験実行プログラム130は、例えば、前述した制御器110のハードウェア構成を利用し、記録媒体117を介して制御器110に供給され、メモリ113にロードされ、制御器110にインストールされたOS上で、制御器110のハードウェア資源を具体的に利用して実行される。
【0039】
試験用ケーブル関連情報記憶部131は、試験用ケーブル30の識別情報に基づいて生成した各試験用ケーブル30の有無情報(図10を用いて後述する)、試験項目毎に使用する試験用ケーブル30の一覧情報(図8を用いて後述する)、この試験項目毎に使用する試験用ケーブル30の一覧情報に基づいて生成した各試験項目で使用する試験用ケーブル30の識別情報(図9を用いて後述する)などを記憶するテーブルである。
【0040】
被試験器選択情報受信部132は、入出力装置114(キーボード)からの被試験器20の選択、試験項目の選択などの各情報を受信するプログラムである。
【0041】
接続図表示部133は、被試験器20の選択情報が入力された際に、被試験器20と試験装置10との間を接続する試験用ケーブル30の接続図や、この接続図に対応した試験用ケーブル30による被試験器20と試験装置10との接続形態を、入出力装置114(表示装置)へ表示するプログラムである。
【0042】
試験用ケーブル識別情報受信部134は、リーダ180により読み取られた試験用ケーブル30の識別情報を受信するプログラムである。このリーダ180では、各試験用ケーブル30に装着されたRFIDタグ40から、このRFIDタグ40に記憶されている各試験用ケーブル30の識別情報が読み取られる。
【0043】
試験用ケーブル有無判断部135は、試験用ケーブル識別情報受信部134からの情報と、試験用ケーブル関連情報記憶部131に記憶している情報とに基づいて、試験用ケーブル30の有無状況を判断するプログラムである。例えば、試験用ケーブル識別情報受信部134で受信した試験用ケーブル30の識別情報に基づいて、各試験用ケーブル30の有無情報(図10)が生成される。また、試験用ケーブル関連情報記憶部131に記憶している試験項目毎に使用する試験用ケーブルの一覧情報(図8)に基づいて、各試験項目で使用する試験用ケーブルの識別情報(図9)が生成される。そして、生成された各試験用ケーブルの有無情報と各試験項目で使用する試験用ケーブルの識別情報とを照合し、各試験項目で使用する試験用ケーブルの有無状況を判断する。
【0044】
試験用ケーブル無表示部136は、試験用ケーブル有無判断部135の結果に基づいて、各試験項目で使用する試験用ケーブル30のうち、例えば第1の試験用ケーブル30がない場合は、被試験器20の試験の複数の試験項目を試験画面に表示して作業者に試験項目の選択を促すための試験項目選択列の第1の試験用ケーブル30を使用する試験項目に、この第1の試験用ケーブル30がないことを示す記号を、入出力装置114(表示装置)へ表示するプログラムである。
【0045】
接続図更新部137は、試験用ケーブル無表示部136で表示された試験項目選択列の記号が作業者により選択・実行されることで、被試験器20と試験装置10との間を接続する未接続状態の試験用ケーブル30、接続状態の試験用ケーブル30を表示し、さらに未接続状態の試験用ケーブル30が接続状態へ移行したことの状況を反映して接続図を更新して表示するプログラムである。
【0046】
<接続図>
前述した制御器110によって表示される接続図を、図5を用いて説明する。図5は、この接続図を示す図であり、(a)は試験用ケーブル30の接続図の一例を示し、(b)は接続図に対応した試験用ケーブル30による被試験器20と試験装置10との接続形態の一例を示す。この図5に示す接続図は、例えば試験対象となる被試験器20が選択され、作業者に、この選択された被試験器20の試験で使用する試験用ケーブル30を準備させる時に表示される。図5において、W1〜W2は各試験用ケーブル30を識別するための識別情報である。
【0047】
図5(a)に示すように、試験用ケーブル30の接続図では、試験用ケーブルW1の片側の端部が被試験器20の端子P1,P2,P3に接続され、他方の端部が測定器接続部171の端子J1,J2に接続される。また、試験用ケーブルW2の片側の端部が被試験器20の端子P20に接続され、他方の端部が専用試験器接続部172の端子J10に接続される。
【0048】
作業者は、制御器110に表示された接続図を確認することによって、図5(b)に示すように、試験用ケーブルW1,W2を被試験器20と測定器接続部171および専用試験器接続部172に接続する。ここで、試験実施中に試験項目単位で、作業者による試験用ケーブル30の交換作業が発生する場合もある。このようなとき、従来技術では、試験の途中で試験用ケーブル30の交換指示があり、その試験用ケーブル30が修理などで欠品な場合には、その試験用ケーブル30を使用する試験項目が実施できず、試験を中断しなければならなかった。このような試験の効率が悪くなるという問題を、本実施の形態においては、図6や図7などを用いて後述するように解決するものである。
【0049】
<機能性能試験画面>
前述した制御器110によって表示される機能性能試験画面を、図6を用いて説明する。図6は、この機能性能試験画面の一例を示す図である。この図6に示す機能性能試験画面は、被試験器20の機能性能を試験するための画面であり、例えば、前述した図5の表示に基づいて作業者により被試験器20の試験で使用する試験用ケーブル30の準備が完了し、リーダ180による試験用ケーブル30の有無チェックにおいて、この使用する試験用ケーブル30の有無状況が判定された時に表示される。
【0050】
図6に示すように、機能性能試験画面には、試験項目、要求基準、前回測定値、今回測定値、単位、判定の各項目が一覧表にして表示される。試験項目は、例えば図6のように、上位の階層で、送信電力、送信周波数確度、変調能力などの項目に分けられ、さらに、その下位の階層で、例えば送信電力の例では、VHF/AM−118.050MHz,…,131.500MHz、UHF/AM−225.100MHz,…,305.700MHz、VHF/FM−Hi−158.800MHz,…,Low−156.800MHzなどの項目に分けられている。他の送信周波数確度、変調能力の下位の階層でも、図6に示す通りに分けられている。
【0051】
図6に示す試験項目は、後述する図8の試験項目との対応として、上位の階層の項目は試験項目A,B,…,Zと記載し、下位の階層の項目は試験番号1,2,…,nと記載して、対応させるものとする。
【0052】
また、機能性能試験画面には、試験項目の左側に、試験項目選択列がある。従来技術では、この試験項目選択列に示す任意の行をクリック毎に表示を“ ”(空白)、“×”と交互に表示し、“×”と設定されている項目は試験の実施を行わないものとしていた。この時、作業者は、試験項目名から試験内容を判断し、試験の実施/未実施を選択しているため、試験を実施する際に必要な試験用ケーブル30の有無を考慮した試験実施項目とならず、その試験用ケーブル30が故障などで欠品の場合には、試験実施後の試験用ケーブル30の交換指示により、試験が実施できないことが分かった。
【0053】
そこで、本実施の形態では、RFIDタグ40を用い、事前に被試験器20の試験で使用する試験用ケーブル30の有無情報を取得する。そして、試験メニューより機能性能試験画面を選択し、機能性能試験画面を表示する際に、試験内容と試験用ケーブル30の有無情報を用い、欠品の試験用ケーブル30を使用する試験項目選択列にはあらかじめ試験不可能を表す“!”を表示し、試験を実施するか否かを作業者の判断にゆだねることを表す。
【0054】
通常、試験選択は、試験項目選択列に示す任意の行をクリック毎に表示を“ ”(空白)、“×”と交互に表示しているが、本実施の形態においては、前述の処理により、“!”が表示されている場合には、“ ”(空白)、“×”、“!”を順に表示するものとし、“!”が表示されている試験項目も、作業者の判断により試験未実施状態とする。
【0055】
<試験項目選択処理>
前述した制御器110において動作する試験実行プログラム130による試験項目選択処理を、図7を用いて説明する。図7は、この試験項目選択処理の流れの一例を示すフロー図である。さらに、図8〜図10を参照しながら説明する。それぞれ、図8は試験項目毎の使用試験用ケーブル一覧テーブル、図9は試験項目毎の使用試験用ケーブル識別情報テーブル、図10は試験用ケーブル有無情報テーブルの一例を示す図である。
【0056】
ここでは、試験項目毎に試験用ケーブル30が異なることを想定する。また、試験用ケーブル30の有無による試験実施可能/不可能の判断をするために、図8に示すような試験項目毎に使用する試験用ケーブル30の一覧を格納したテーブルを用意する。図8に示す試験項目毎の使用試験用ケーブル一覧テーブルには、試験項目として、上位の階層の試験項目A,B,…,Zと、下位の階層の試験番号1,2,…,nと、各試験項目A1,A2,…,An,B1,B2,…,Bn,…,Z1,Z2,…,Znで使用する試験用ケーブルとが格納されている。図8の例では、試験項目A1では試験用ケーブルW1,W2、試験項目A2では試験用ケーブルW3、試験項目Anでは試験用ケーブルW1,W2,W4が使用される。他の各試験項目B1,B2,…,Bn,…,Z1,Z2,…,Znでも、図8に示す各試験用ケーブルが使用される。
【0057】
また、試験用ケーブル30の有無情報は、リーダ180によりRFIDタグ40から読み取って取得して、図10に示すような試験用ケーブル有無情報テーブルを用意する。図10に示す試験用ケーブル有無情報テーブルには、試験用ケーブル30の識別情報W1,W2,…,Wmと、試験用ケーブル30のあり(○)/なし(×)を示す有無情報とが格納されている。
【0058】
この試験項目選択処理は、試験実行プログラム130の試験用ケーブル有無判断部135と試験用ケーブル無表示部136などにより実行される。
【0059】
(ステップS1) 被試験器20の試験において、試験項目A1,A2,…,An,B1,B2,…,Bn,…,Z1,Z2,…,Znがある場合に、順序カウンタをn=1に設定する。
【0060】
(ステップS2) 試験項目毎の使用試験用ケーブル一覧テーブル(図8)より、試験項目(最初は試験項目A1)の試験で使用する試験用ケーブル30の識別情報を取得する。例えば、図8の試験項目A1の例では、試験用ケーブル30の識別情報としてW1,W2を取得する。この時点で、図9に示す試験項目毎の使用試験用ケーブル識別情報テーブルには、試験用ケーブル30の識別情報W1,W2に使用(○)示す情報が格納される。
【0061】
(ステップS3) ステップS2で取得した試験用ケーブル30の識別情報(図9)と、リーダ180によりRFIDタグ40から読み取って取得した識別情報(図10)とを比較し、該当する試験用ケーブル30があるか否かを判定する。例えば、上述したステップS2の例では、取得した試験用ケーブル30の識別情報W1,W2と、リーダ180によりRFIDタグ40から読み取って取得した識別情報(図10では、識別情報W1があり(○)、識別情報W2がなし(×)の場合)とを比較すると、識別情報W1の試験用ケーブル30があり、識別情報W2の試験用ケーブル30がないことが分かる。
【0062】
(ステップS4) ステップS5での判定の結果、該当する試験用ケーブル30がある場合(S3−Y)には、試験実施可能と判断する。例えば、上述したステップS3の例では、識別情報W2の試験用ケーブル30がないので、このステップS4は当てはまらない。
【0063】
(ステップS5) 一方、ステップS5での判定の結果、該当する試験用ケーブル30がない場合(S3−N)は、試験実施不可能と判断する。例えば、上述したステップS3の例では、識別情報W2の試験用ケーブル30がないので、試験項目A1の試験は実施不可能となる。
【0064】
(ステップS6) ステップS5で試験実施不可能と判断した後、試験画面の当該試験項目の試験項目選択列に、試験用ケーブル30がないことを示す記号として、“!”を表示する。例えば、上述したステップS5の例では、試験項目A1の試験項目選択列に“!”を表示することになる。
【0065】
(ステップS7) ステップS4で試験実施可能と判断した後、また、ステップS6で“!”を表示した後、最後の試験項目Znか否かを判定する。
【0066】
(ステップS8) ステップS7での判定の結果、最後の試験項目Znでない場合(S7−N)には、順序カウンタをインクリメント(n=n+1)して、試験項目A2,…,An,B1,B2,…,Bn,…,Z1,Z2,…,Znの順で、最後の試験項目Znとなるまで(S7−Y)、ステップS2からの処理を繰り返し行う。
【0067】
以上のようにして、試験項目の先頭から順に当該試験項目にて使用する試験用ケーブル30の識別情報を取得し、この取得したケーブル情報とRFIDタグ40から読み取って取得したケーブル情報とをチェックし、該当する試験用ケーブル30がない場合は、当該試験項目の試験項目選択列に試験用ケーブル30がないことを示す“!”を表示することができる。
【0068】
<試験の実行>
本実施の形態に係る試験システム1において、前述した試験項目選択処理も含めた試験の実行は、以下の流れで実行される。
【0069】
(1) 作業者は、被試験器20の一覧から試験対象の被試験器20を選択する。
【0070】
(2) 作業者により被試験器20が選択されると、試験実行プログラム130の被試験器選択情報受信部132と接続図表示部133は、被試験器20と試験装置10とを接続する試験用ケーブル30の接続一覧を示す情報から、前述した図5に示すような接続図(被試験器20と試験装置10の測定器接続部171および専用試験器接続部172とを接続する試験用ケーブル30の接続図)を表示する。
【0071】
(3) 作業者は、表示された接続図を見て、被試験器20の試験に必要な試験用ケーブル30を準備する。準備が完了したら、準備完了ボタンを押す。
【0072】
(4) 作業者は、試験用ケーブル30の準備完了後に、リーダ180を用いて、上記において準備した試験用ケーブル30をスキャンして、試験用ケーブル30の有無をチェックする。
【0073】
(5) このリーダ180による試験用ケーブル30のスキャン結果を受けて、試験実行プログラム130の試験用ケーブル識別情報受信部134は、試験用ケーブル30の有無情報を制御器110に送信し、図10に示すような試験用ケーブル有無情報テーブルに格納する。これと共に、試験用ケーブル30が準備されていないものは、準備未完了が分かるように、例えば、接続図上の試験用ケーブル30の色を黒文字・黒線から赤文字・赤線に変更する。
【0074】
(6) 試験用ケーブル30の有無情報が試験用ケーブル有無情報テーブルに格納された後、試験実行プログラム130の試験用ケーブル有無判断部135と試験用ケーブル無表示部136は、次に、前述した図7に示す手順に従い、試験項目選択処理を実行する。
【0075】
(7) 試験項目選択処理の後に、作業者は、試験用ケーブル30がなく試験実施不可能と判断されて“!”が表示されている試験項目を除いて、試験実施可能な試験項目のみを選択することができる。これにより、試験を開始し、試験の途中で試験用ケーブル30の交換指示があっても、その試験用ケーブル30が欠品となる場合がないので、その試験用ケーブル30を使用する試験項目を中断することなく試験を続行することができる。
【0076】
(8) 試験項目選択処理の実行と並行して、試験実行プログラム130の接続図更新部137は、試験用ケーブル無表示部136で表示された試験項目選択列の“!”の記号が作業者により選択・実行されることで、被試験器20と試験装置10との間を接続する未接続状態の試験用ケーブル30、接続状態の試験用ケーブル30を表示し、さらに準備未完了だった試験用ケーブル30が揃い、未接続状態の試験用ケーブル30が接続状態へ移行したことの状況を反映して接続図を更新して表示する。この接続図の更新は、例えば、接続図上の試験用ケーブル30の色を赤文字・赤線から黒文字・黒線に戻すことで、作業者に分かるようにすることができる。
【0077】
<本実施の形態の効果>
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0078】
(1)RFIDタグ40、リーダ180、試験用ケーブル有無判断部135、試験用ケーブル無表示部136などを有することで、試験用ケーブル有無判断部135で、リーダ180により読み取られたRFIDタグ40に記憶された識別情報に基づいて生成した各試験用ケーブル30の有無情報と、各試験項目で使用する試験用ケーブル30の識別情報とを照合し、各試験項目で使用する試験用ケーブル30の有無状況を判断し、そして、試験用ケーブル無表示部136で、この判断結果に基づいて、第1の試験用ケーブル30がない場合は、試験画面の試験項目選択列の第1の試験用ケーブル30を使用する試験項目に、この第1の試験用ケーブル30がないことを示す記号を表示することができる。
【0079】
このように、RFIDタグ40を用いたケーブル情報を試験項目の選択時に利用し、第1の試験用ケーブル30の欠品により測定ができない試験項目の情報を表示することで、試験項目の実施の有無を作業者に選択させることができる。これにより、作業者は、実施できる試験項目のみを選択できるので、無駄な試験の実施を防ぎ、試験を迅速に行えるようになる。この結果、試験の効率を向上させることができる。
【0080】
(2)上記(1)において、さらに好適には、接続図更新部137を有することで、試験項目選択列の記号が選択・実行されることで、接続図更新部137で、被試験器20と試験装置10との間を接続する第1の試験用ケーブル30が未接続状態であることと、この第1の試験用ケーブル30以外の他の試験用ケーブル30が接続状態であることと、この第1の試験用ケーブル30が未接続状態から接続状態へ移行したことを示す接続図を表示することができる。これにより、作業者は、欠品していた第1の試験用ケーブル30が準備できたことが分かり、試験を迅速に行えるようになるので、試験の効率を向上させることができる。
【0081】
(3)RFIDタグ40、リーダ180、試験用ケーブル有無判断部135、接続図更新部137などを有することで、試験用ケーブル有無判断部135で、リーダ180により読み取られたRFIDタグ40に記憶された識別情報に基づいて生成した各試験用ケーブル30の有無情報と、各試験項目で使用する試験用ケーブル30の識別情報とを照合し、各試験項目で使用する試験用ケーブル30の有無状況を判断し、そして、接続図更新部137で、この判断結果に基づいて、第1の試験用ケーブル30がない場合は、被試験器20と試験装置10との間を接続する第1の試験用ケーブル30が未接続状態であることと、この第1の試験用ケーブル30以外の他の試験用ケーブル30が接続状態であることと、この第1の試験用ケーブル30が未接続状態から接続状態へ移行したことを示す接続図を表示することができる。
【0082】
このように、RFIDタグ40を用いたケーブル情報を利用し、各試験項目で使用する第1の試験用ケーブル30の欠品を表示し、さらに、欠品していた第1の試験用ケーブル30が準備できたことを表示することができる。これにより、作業者は、欠品していた第1の試験用ケーブル30が準備できたことが分かり、試験を迅速に行えるようになる。この結果、試験の効率を向上させることができる。
【0083】
<本実施の形態の変形例>
(1)接続図更新部137による接続図の更新は、試験項目選択列の“!”の記号が作業者により選択・実行されることで表示する以外に、例えば試験項目選択処理と並行して継続的に更新して表示したり、試験用ケーブル30が全部揃うまで表示するなど、種々の変形が考えられる。また、この記号は、“!”に限らず、試験項目選択列に表示できる記号であれば種々適用可能である。
【0084】
(2)試験用ケーブル30の識別情報を記憶する記憶媒体は、RFIDタグ40に限らず、例えばバーコードや二次元コードなどであっても良い。バーコードの場合は、リーダ180としてバーコードリーダが用いられる。また、試験用ケーブル30の識別情報は、ケーブル名称などでも良い。
【0085】
(3)試験実行プログラム130は、被試験器用コントローラ120において動作されるようにしても良い。または、制御器110と被試験器用コントローラ120とを計算機100として一体に構成して、この計算機100において動作されるようにしても良い。
【0086】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の試験システムは、被試験器に対して複数の試験項目の試験を行う試験装置の試験項目選択技術に利用可能である。
【符号の説明】
【0088】
1…試験システム、
10…試験装置、20…被試験器、30…試験用ケーブル、40…RFIDタグ、
100…計算機、110…制御器、111…本体、112…CPU、113…メモリ、114…入出力装置、115…通信装置、116…記録装置、117…記録媒体、120…被試験器用コントローラ、130…試験実行プログラム、131…試験用ケーブル関連情報記憶部、132…被試験器選択情報受信部、133…接続図表示部、134…試験用ケーブル識別情報受信部、135…試験用ケーブル有無判断部、136…試験用ケーブル無表示部、137…接続図更新部、150(150−1〜150−N)…測定器、160…専用試験器、170…切替部、171…測定器接続部、172…専用試験器接続部、180…リーダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験器に対して複数の試験項目の試験を行う試験装置と、
前記被試験器と前記試験装置とを接続する複数の試験用ケーブルと、を有する試験システムであって、
前記複数の各試験用ケーブルに装着され、各試験用ケーブルを識別するための識別情報を記憶した記憶媒体と、
前記複数の各試験用ケーブルに装着された前記記憶媒体から、前記識別情報を読み取る読み取り装置と、
前記読み取り装置により読み取られた前記識別情報に基づいて生成した前記複数の各試験用ケーブルの有無情報と、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルの識別情報とを照合し、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルの有無状況を判断する試験用ケーブル有無判断部と、
前記試験用ケーブル有無判断部の結果に基づいて、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルのうち、第1の試験用ケーブルがない場合は、前記被試験器の試験の前記複数の試験項目を試験画面に表示して作業者に試験項目の選択を促すための試験項目選択列の前記第1の試験用ケーブルを使用する試験項目に、前記第1の試験用ケーブルがないことを示す記号を表示する試験用ケーブル無表示部と、を有することを特徴とする試験システム。
【請求項2】
請求項1記載の試験システムにおいて、さらに、
前記試験用ケーブル無表示部で表示された前記試験項目選択列の前記記号が前記作業者により選択・実行されることで、前記被試験器と前記試験装置との間を接続する前記第1の試験用ケーブルが未接続状態であることと、前記被試験器と前記試験装置との間を接続する前記第1の試験用ケーブル以外の他の試験用ケーブルが接続状態であることと、前記第1の試験用ケーブルが未接続状態から接続状態へ移行したことを示す接続図を表示する接続図更新部を有することを特徴とする試験システム。
【請求項3】
被試験器に対して複数の試験項目の試験を行う試験装置と、
前記被試験器と前記試験装置とを接続する複数の試験用ケーブルと、を有する試験システムであって、
前記複数の各試験用ケーブルに装着され、各試験用ケーブルを識別するための識別情報を記憶した記憶媒体と、
前記複数の各試験用ケーブルに装着された前記記憶媒体から、前記識別情報を読み取る読み取り装置と、
前記読み取り装置により読み取られた前記識別情報に基づいて生成した前記複数の各試験用ケーブルの有無情報と、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルの識別情報とを照合し、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルの有無状況を判断する試験用ケーブル有無判断部と、
前記試験用ケーブル有無判断部の結果に基づいて、前記複数の各試験項目で使用する試験用ケーブルのうち、第1の試験用ケーブルがない場合は、前記被試験器と前記試験装置との間を接続する前記第1の試験用ケーブルが未接続状態であることと、前記被試験器と前記試験装置との間を接続する前記第1の試験用ケーブル以外の他の試験用ケーブルが接続状態であることと、前記第1の試験用ケーブルが未接続状態から接続状態へ移行したことを示す接続図を表示する接続図更新部と、を有することを特徴とする試験システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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