説明

試験環境パラメータに作用する制御モジュールおよび制御システム、顕微鏡装置を制御する方法、および、コンピュータ・プログラム

【課題】培養システムにおける試験環境パラメータに作用する改良された装置および方法を提供する。
【解決手段】典型的な実施形態による顕微鏡装置1は、少なくとも一つのアドレス指定可能な構成要素5を有する顕微鏡システム2と、顕微鏡システム2の試験室4における複数の試験環境パラメータに作用する複数の制御モジュール7、8、9を有する制御システム6とを備える。制御モジュール7、8、9は、モジュラー式に組み合わせ可能に、且つ、制御モジュール7、8、9を制御する統合バスでインターフェイス・ユニットを介して接続可能となるよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、培養システム等の試験環境パラメータに作用する制御モジュールおよび制御システムと、顕微鏡装置を制御する方法と、コンピュータ・プログラムとに関する。特に、本発明は、顕微鏡システムの試験室における試験環境パラメータに作用する、上述のタイプの機器および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞培養等の生物学的試験材料を観察する目的で、顕微鏡システムは、試験材料の環境の一つ以上のパラメータをモニタリングする培養システムと組み合わされることで、試験材料に対する状態をモニタリングする。モニタリングされるべき試験環境パラメータの例として、試料を取り巻く大気の酸素含有量、二酸化炭素含有量、空気湿度、および、温度が挙げられる。試験環境パラメータをモニタリングする一つの利点は、生物学的試験材料が比較的長期にわたって生存するに好適な状態を確立することで試料を比較的長い間観察することが可能となる点、および/または、特定の環境作用に対する生物学的試験材料の反応を選択的に調査する実験を行うことができる点である。
【0003】
顕微鏡装置に関して試料の環境パラメータに作用するあるいは制御する目的で、個々の試験環境パラメータまたは典型的には幾つかの試験環境パラメータをモニタリングまたは制御する制御機器が公知である。しかしながら、このようなタイプの制御機器は、従来、手動で動作できるように構成されているため、ユーザが試験環境パラメータを設定するためのキーパッド、回転ノブ、または、同様の装置が設けられている。このようなタイプの従来の制御機器に関連する不都合な点の一つは、試験環境パラメータを変えるために人間のユーザが積極的にならなくてはならず、更に、顕微鏡装置で捕捉されるデータ材料の後の評価で重要となり得る試験環境パラメータの現在値を記録しなくてはならない場合がある点である。実験シーケンスの広範囲な自動化は、このようなタイプの従来の制御機器では保証されていない。
【0004】
試験環境パラメータに作用する従来の制御機器の更なる不都合な点は、幾つかの試験環境パラメータを同時に制御するよう構成されることが多い、つまり、幾つかの制御変数を有する点である。単一の制御機器に幾つかの制御機能を組み合わせることは、特定の培養器の大きさを有する培養システムに対してだけ制御機器を使用することができるため、ユーザは異なる培養システムに対して異なる制御機器を使用しなくてはならない。
【特許文献1】独国特許出願公開第102005036763号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0051723号明細書
【特許文献3】国際公開第2004/069409号パンフレット
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0092506号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第102005023855号明細書
【特許文献6】独国特許発明第19756510号明細書
【特許文献7】独国特許発明第19936572号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
培養システムにおける試験環境パラメータに作用する改良された装置および方法が技術において必要である。特に、実験シーケンスの広範囲の自動化を可能にする、顕微鏡装置の構成要素として使用することができる培養システムのための装置および方法が必要である。更に、様々な大きさの培養器を含む培養システムに使用することができる装置および方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
培養システムの試験環境パラメータに作用する、本発明の一実施形態による制御モジュールは、使用時にバスに接続され、制御コマンドを受信するインターフェイス・ユニットと、インターフェイス・ユニットに接続され、制御コマンドに応じて試験環境パラメータに作用するよう構成される制御装置と、インターフェイス・ユニットに接続され、受信された制御コマンドを再び出力する更なるインターフェイス・ユニットと、を備える。制御モジュールは、インターフェイス・ユニットを介して制御システムにより制御されて実験シーケンスの自動化を可能にし、この場合、更なるインターフェイス・ユニットが制御コマンドを再び出力するために設けられているため、制御モジュールを制御するバス・システムの一部分は制御システムの一体化された構成要素の形態にある。このモジュール式構成により、各種制御モジュールを互いに対して組み合わせることが可能となる。
【0007】
制御装置は、制御コマンドを評価し、制御コマンドが制御モジュール向けか否かを確認するよう構成される。制御コマンドが制御モジュール向けである場合にだけ、制御装置は試験環境パラメータに作用するために制御コマンドに応じて作動される。その結果、このようなタイプの複数の制御モジュールがバス・システムを構成するよう互いにリンク付けされ、統合バス・プロトコルを介して制御されることが可能となる。
【0008】
「統合されたバス・プロトコル」といった用語は、アプリケーション層、つまり、OSI参照モデルによる最上層において一体的に制御モジュールを制御するバス・プトロコルを意味する。
【0009】
制御コマンドは、制御装置によって確認され、メモリに記憶される試験環境パラメータに対する設定値を含む。試験環境パラメータは、設定値あるいは設定値に近い値となるよう制御装置によって作用される。試験環境または制御モジュールにおけるセンサによって確認される試験環境パラメータの実際値もメモリに保存され得る。実際値は、インターフェイス・ユニットを介して出力され、それにより、コンピュータ等を用いて実験シーケンスを記録することが可能となる。
【0010】
試験環境パラメータは、試料を取り巻く空気の酸素含有量、二酸化炭素含有量、空気湿度、または、空気温度等、試料を取り巻く大気のパラメータである。試験環境パラメータは、試料ホルダの温度でもよい。試験環境パラメータが試料を取り巻く大気のパラメータである前者の場合、制御モジュールは、特に試験環境に導かれるべき空気流を流出する空気出口、および、空気入口を有し、空気流は制御モジュールを通って空気入口から空気出口に案内され、該制御モジュールにより作用される。このようなタイプの各種制御モジュールを簡単に組み合わせるためには、空気入口および空気出口は、各種制御モジュールの側面を互いに接触させることで試験環境に導かれるべき空気に対する空気接続が簡単に確立されるよう構成される。このために、空気入口および空気出口がそれぞれ制御モジュールの筐体の反対面に設けられ、空気入口および空気出口が補完的な接続部分を有することで、ある制御モジュールの空気入口は同一に形成された別の制御モジュールの空気出口と直接係合される。同様にして、インターフェイス・ユニットと更なるインターフェイス・ユニットも、制御モジュールが上下に積層されるか、または、並んで配置される等して同じ側面で制御モジュールを互いに接触させることで、ある制御モジュールのインターフェイス・ユニットが別の制御モジュールの更なるインターフェイス・ユニットと直接接続されるよう構成される。
【0011】
培養システムの複数の試験環境パラメータに作用する、本発明の典型的な実施形態による制御システムは、制御コマンドを送信するバスと、バスが接続されるインターフェイス・ユニットを各場合において有する、制御コマンドを受信する複数の制御モジュールとを有し、複数の制御モジュールの各制御モジュールは対応するインターフェイス・ユニットに接続される制御装置を有する。制御装置は、制御コマンドに応じて複数の試験環境の一つに作用するようそれぞれ構成される。制御システムにより、制御モジュールが制御されるため、制御モジュールが接続されている単一のバスを介して複数の試験環境パラメータに作用することが可能となる。各制御モジュールの各制御装置は、制御コマンドを評価し、制御モジュールが関連する制御モジュール向けか否かを確認するよう構成される。制御モジュールは、特に、上述の通り二つのインターフェイス・ユニットを備える制御モジュールとして構成されてもよい。制御モジュールは、上下に積層されるか、並んで横方向に配置されて制御システムを構成する。
【0012】
制御システムの一つの制御モジュールまたは幾つかの制御モジュールは、試験環境または制御モジュールに設けられるセンサからの試験環境パラメータの実際値を記憶するよう構成され、これについて、各制御モジュールの機能は実際値に応じて適合される。
【0013】
前述の通り、バスの一部分は、制御モジュールの一体化された構成要素の形態でもよい。制御コマンドを送るに必要な制御システムの各種制御モジュール間の電気的結合は、制御システムの二つの隣接する制御モジュールのインターフェイス・ユニットまたは更なるインターフェイス・ユニットが、例えば、制御モジュールを上下に積層するあるいは並んで配置する等、隣接する制御モジュールの側面を接触させることによって接続されることにより、確立される。
【0014】
制御システムの幾つかのあるいは全ての制御モジュールが試験環境に導かれるべき空気に作用することで試験環境パラメータに作用する場合、制御モジュールを上下に積層するあるいは並べることにより隣接する制御モジュール間で空気接続が更に確立され得る。代替的には、各種制御モジュール間で空気交換を可能にするためにホース等の別の空気接続部分を用いてもよい。
【0015】
複数の制御モジュールの制御変数は一組において異なってもよく、つまり、複数の制御モジュールの任意の制御モジュールの制御変数は、全ての他の制御モジュールの制御変数と異なってもよい。
【0016】
バスはシリアルバスでもよく、この場合、バスのバス・プロトコルは、CANプロトコル、RS232プロトコル、および、USBプロトコルよりなる群から選択される。しかしながら、バスはパラレルバスでもよい。
【0017】
制御システムは、顕微鏡装置を構成するよう顕微鏡システムと組み合わされてもよい。この場合、制御システムは、顕微鏡システムで観察されるべき試料が収容される試験室における複数の試験環境パラメータに作用する。顕微鏡システムがアドレス指定可能な構成要素を含む場合、アドレス指定可能な構成要素は、制御システムの制御モジュールが接続されているバスを用いてインターフェイス・ユニットを介して接続される。その結果、顕微鏡システムのアドレス指定可能な構成要素と、制御システムの各制御モジュールとを共にバスを介して駆動することが可能となる。更に、制御コマンドがバスを介して電子コンピュータ・システムにより出力されることで、顕微鏡システムのアドレス指定可能な構成要素と各種制御モジュールとは電子コンピュータ・システムの補助により制御される。制御モジュールは、センサにより試験環境または制御モジュールにおいて確認された試験環境パラメータの実際値を記憶するよう構成され、この場合、制御モジュールの機能は実際値に応じて適合される。このような顕微鏡装置では、関連する各種構成要素、つまり、電子コンピュータ・システム、顕微鏡システム、および、試験環境パラメータに作用する制御システム間の通信は、統合バス・システムを用いて結果的に実現される。これにより、バスを介する電子コンピュータ・システムによる顕微鏡システムと制御システムとの両方の統合制御、並びに、実験スケジュールに関連する各種データの電子コンピュータ・システムによる自動的な記録が可能となる。
【0018】
顕微鏡システムと組み合わされる複数の制御モジュールを有する制御システムだけでなく単一の制御モジュールも統合バス・システムを介して駆動され得る。
本発明の典型的な実施形態によると、アドレス指定可能な構成要素を有する顕微鏡システムと顕微鏡システムの試験室の試験環境パラメータに作用する制御モジュールとを備える顕微鏡装置を電子コンピュータ・システムで制御する方法が提供される。該方法は、顕微鏡システムのアドレス指定可能な構成要素を制御するための顕微鏡制御コマンドを生成するステップを有し、顕微鏡制御コマンドは、アドレス指定可能な構成要素に対するアドレス情報を含む。該方法は、制御モジュールを制御するためのモジュール制御コマンドを生成するステップを更に有し、モジュール制御コマンドは制御モジュールに対するアドレス情報を含む。顕微鏡制御コマンドおよびモジュール制御コマンドは、アドレス指定可能な構成要素と制御モジュールをそれぞれ制御するために出力される。アドレス指定可能な構成要素または制御モジュールに対するアドレス情報をそれぞれの制御コマンドに追加することにより、統合バス・システムを介して顕微鏡システムのアドレス指定可能な構成要素と制御モジュールとを制御することが可能となる。「アドレス情報」といった用語は、例えば、制御モジュールまたはアドレス指定可能な構成要素に数字列の形態で記憶されるハードウェア識別コード等、制御モジュールまたはアドレス指定可能な構成要素の識別を可能にする全てのタイプの情報である。
【0019】
特に、モジュール制御コマンドは、バス・システムを介して制御モジュールに結果として書き込まれる試験環境パラメータに対する設定値を含んでもよい。モジュール制御コマンドおよび/または顕微鏡制御コマンドは、実験スケジュールを自動的に実行するために、時相スケジュールおよびモニタリングされた経過時間に応じて自動的に生成されてもよい。該方法は、電子コンピュータ・システムによる経過時間の関数として試験環境パラメータの実際値を記憶するか、または、顕微鏡システムで記録される画像データを記憶する等、各種データ評価および記録機能を更に含む。
【0020】
本発明の典型的な実施形態によるコンピュータ・プログラムは、電子コンピュータ・システムにより実行されると、電子コンピュータ・システムが顕微鏡装置を制御する上述の方法を実行するよう作成される命令を含む。コンピュータ・プログラムの命令は、電子コンピュータ・システムにより実行されたときに、ユーザがアドレス指定可能な構成要素を有する顕微鏡システムと試験環境パラメータに作用する制御モジュールとの両方を統合されたオペレータ・インターフェイスで駆動することが可能となる。
【0021】
制御モジュールおよび制御システムは、一つの試験環境パラメータまたは幾つかの試験環境パラメータが制御されるべき全ての培養システムに適用可能である。しかしながら、制御モジュールおよび制御システムは、顕微鏡システムで観察されるべき試料の一つの試験環境パラメータまたは幾つかの試験環境パラメータを明確に制御するために、特に顕微鏡システムと組み合わされて使用される。該方法およびコンピュータ・プログラムの適用分野は顕微鏡観察を含み、観察スケジュールまたは実験スケジュールが自動化されることが望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、図面を参照して本発明の典型的な実施形態を詳細に説明する。
図1は、顕微鏡システム2と、顕微鏡システム2で試料を観察するための複数の試験環境パラメータに作用する制御システム6と、を備える本発明の一実施形態による顕微鏡装置1を示す。顕微鏡システム2は、顕微鏡の全ての標準構成要素を含み、試験室4の試料を観察するために使用される顕微鏡3を含む。顕微鏡システム2は、更に、少なくとも一つのアドレス指定可能な構成要素5を含む。アドレス指定可能な構成要素5は、例えば、空間内で三方向に試料を位置決めするための、モータによって移動される顕微鏡ステージ、潅流等の試料操作装置、光学的または機械的鉗子、活性物質等を供給する装置、または、観察されるべき試料を照明する照明装置を含み、それにより、照明装置のスペクトルまたは強度が制御され、変化される。アドレス指定可能な構成要素5は、電気信号によってトリップされ得るカメラ等の画像記録用装置でもよく、あるいは該装置を含んでもよい。複数のアドレス指定可能な構成要素が顕微鏡システムに設けられる場合、これら構成要素は同時にあるいは順次に制御される。
【0023】
制御システム6は試験室4における複数のパラメータを制御するよう機能する。以下に詳述する複数の制御モジュール7乃至9を含む制御システム6は、一対の送気管10、11を介して試験室4に接続され、試験室4と送気管10,11と共に培養システムを構成する。制御システム6の各制御モジュール7乃至9は、試験室4における試験環境のパラメータを制御する。試験環境パラメータとしては、試験室4における空気の酸素含有量、二酸化炭素含有量、空気湿度、並びに、空気温度、または、試験ステージあるいは試料ホルダ配置、対象物に対する発熱体、並びに、試験室の温度が挙げられる。試料を取り巻く大気に関連する試験環境パラメータは、空気が制御システム6により送気管10を通って試験室4に入り試料の周りを流れることで、制御システム6を用いて制御される。同時に、空気は、制御システム6により送気管11を通って試験室4から吸い出され、再び処理される。図1に示すように、空気は、対応する送気管の接続部分を介して各場合において制御モジュール9と制御モジュール8との間、および、制御モジュール8と制御モジュール7との間で運ばれる。試験室4における所望の且つ定められた条件を実現するために、試験室4に導かれるべき空気のパラメータが制御モジュール7乃至9それぞれにおいて調節される。制御モジュールは、制御モジュールの一つにより設定される変数が後続する制御モジュールによって作用されない、または、殆ど作用されないように、試験室4内の空気の流れの方向に配置されることが好ましい。例えば、制御モジュール9は、二酸化炭素含有量を制御する制御モジュールであり、制御モジュール8は酸素含有量を制御する制御モジュールであり、制御モジュール7は空気の温度を制御する制御モジュールである。各制御変数は、一つの制御モジュール7乃至9によってのみ制御システム6において設定される、つまり、制御モジュール7乃至9の制御変数は二つ一組の場合に互いに異なり、冗長性がない。
【0024】
顕微鏡システム2のアドレス指定可能な構成要素5および制御システム6の制御モジュール7乃至9の両方が、従来のコンピュータまたは別の電子動作部の形態にある電子コンピュータ・システム12によって駆動される。このために、顕微鏡システム2のアドレス指定可能な構成要素5、制御システム6、および、コンピュータ12は、共通のバス・システム13に接続され、それにより、統合バス・システムおよび統合バス・プトロコルを介して取り扱われるべき各種構成要素間の通信が可能となる。バス・プトロコルは、CANプロトコル、RS232プロトコル、または、USBプロトコル等のどの好適なバス・プトロコルでもよい。顕微鏡システム2および制御システム6は共に対応するインターフェイスを有する。前述の通り、「統合されたバス・プトロコル」は、制御モジュールがアプリケーション層で一体的に駆動されるバス・プトロコルを示す。
【0025】
図1に概略的に示されるように、バス13の部分13a乃至13cは、制御モジュール7乃至9の一体化された構成要素の形態にあり、つまり、制御モジュール7乃至9はインターフェイスで受信される信号を、更なるインターフェイスを介して別の制御モジュールに再び出力するようそれぞれ構成される。このようにして、特に、シリアル・バス・アーキテクチャ、更に、パラレル・バス・アーキテクチャが形成される。以下により詳細に説明するように、図1に示すように、制御モジュール7乃至9が互いに対して上下に重ねられる場合、各種制御モジュールのインターフェイス間で必要な電気結合が自動的に確立されるように制御モジュール7乃至9は構成される。同様にして、制御モジュール間の空気接続は、制御モジュールが上下に重ねられた場合に、自動的に確立される。
【0026】
図2を参照して、本発明の典型的な実施形態による制御モジュールをより詳細に説明する。図2に概略的にだけ示される制御モジュール20は、図1に示す制御システム6の制御モジュール7または8の目的で使用されてもよい。
【0027】
制御モジュール20は、下側面に空気入口22が形成され、上側面に空気出口23が形成される筐体21を含む。空気入口22および空気出口23は、顕微鏡システム4の試験室に導かれるべき空気を吸入する、または、放出するようそれぞれ機能する。空気入口22および空気出口23は制御モジュール20における配管に接続され、空気が空気入口22から空気出口23に制御モジュールを通って案内される。空気用の配管には、空気のパラメータに作用する装置24が設けられる。装置24の構成および動作モードは、制御モジュール20によって作用されるべき変数に依存し、制御モジュールが空気温度を制御するよう機能する場合には一つの発熱体または幾つかの発熱体を含み、制御モジュールが空気の酸素含有量または二酸化炭素含有量を制御するよう機能する場合には弁を含む。後者の場合には、例えば、酸素を置き換える窒素または二酸化炭素等の対応するガス用の、典型的には制御モジュール20の外部に配置される容器が設けられ、該容器から制御モジュール20を流れる空気流に窒素または二酸化炭素が供給される。装置24は制御モジュール電子機器25に接続され、制御モジュール電子機器25は制御モジュールメモリ26に接続される。メモリ26には、制御モジュール電子機器25によって読み出され、制御モジュール20によって制御されるべき試験環境パラメータに対する設定値が保存され、制御モジュール電子機器25は設定値に応じて装置24を駆動する。設定値は、バス13を介して対応する制御コマンドの形態で制御モジュール20に通信される。制御モジュール電子機器25は、インターフェイス27を介して受信される制御コマンドを評価するために、バス13と接続されるインターフェイス27に接続されている。図1に表されるバスアーキテクチャについて、制御コマンドは、制御コマンドが送信され、かつ制御コマンドに基づいて作動されるべき制御モジュールを識別するアドレス情報を含む。制御モジュール電子機器25は、制御コマンドからアドレス情報を読み出し、該制御コマンドが制御モジュール20向けか否かを確認するよう構成される。この場合にだけ、制御コマンドは更に処理され、制御コマンドと共に送信される試験環境パラメータに対する設定値が確認され、制御モジュールメモリ26に保存される。
【0028】
図1を参照して既に説明した通り、バス13は制御モジュール20中で接続される。このため、制御モジュール20は、インターフェイス・ユニット27に接続され、且つ、インターフェイス・ユニット27を介して受信される信号を次の制御モジュールに送信するインターフェイス・ユニット28を更に含む。
【0029】
制御モジュール20は、制御モジュール電子機器25と接続され、且つ、顕微鏡システム2の試験室4に設けられるセンサからの信号を受信するよう機能する更なるポート29を有する。例えば、単なる電圧信号である該信号は、制御モジュール20によって制御されるべき試験環境パラメータの実際値に対応する。実際値も同様に制御モジュールメモリ26に記憶される。インターフェイス27を介してコマンドの形態で受信され、制御モジュール20にアドレス指定される対応する問い合わせに応答して、制御モジュール電子機器25は制御モジュールメモリ26から実際値を読み出し、インターフェイス27およびバス・システム13を介してコンピュータ12に該値を通信する。このようにして、コンピュータ12を用いて試験室における実際値を自動的に記録することが可能となる。しかしながら、センサ・ポート29は、制御モジュール20に必ずしも設けられなくてもよい。特に、顕微鏡システムのインターフェイスを介する等、他の方法で試験室4におけるセンサをコンピュータ12に接続してもよい。以下により詳細に説明するように、センサは制御モジュール内で一体化されてもよい。
【0030】
図3を参照して、制御システムを構成する各種制御モジュール20、30の組み合わせを以下に説明する。制御モジュール30の構成は、図2を参照して説明した制御モジュール20の構成と略同一であるが、制御モジュール20によって制御される試験環境パラメータとは違う試験環境パラメータを制御モジュール30が制御するため制御モジュール30中を流れる空気に作用する別の装置34が設けられている。
【0031】
制御システムを構成するよう幾つかの制御モジュール20、30を組み合わせるために、制御モジュール20、30のインターフェイス・ユニットと更なるインターフェイス・ユニット、および、制御モジュール20、30の空気入口と空気出口との間に電気的結合を確立する必要性が生ずる。このようなタイプの接続は好適なケーブルまたは送気管を用いて実現される一方で、以下に説明するように、図2に示す制御モジュールは、制御モジュール20、30が上下に積層された場合に対応する接続が自動的に確立されるよう構成される。より良い例示のために、制御モジュール20、30のインターフェイス・ユニット27’または更なるインターフェイス・ユニット28’が概略的でなくプラグイン接続の形態で典型的には示されている。この場合、各制御モジュール20、30のインターフェイス・ユニット27’および更なるインターフェイス・ユニット28’は、補完的なコネクタとして構成され、一方の制御モジュールの更なるインターフェイス・ユニット28’が他方の制御モジュールのインターフェイス・ユニット27’と直接的に接続される。例えば、インターフェイス・ユニット27’は、オス型RS232コネクタとして構成され、インターフェイス・ユニット28’はメス型RS232コネクタとして構成される。同様にして、各制御モジュール20、30の空気入口22および空気出口23も補完的な構成を有する。図3では、制御モジュール20、30の対応する筐体からそれぞれ突出する空気入口22および空気出口23それぞれの接続部分22’および23’は、同一の構成の空気入口および空気出口を有する制御モジュールの空気入口22の接続部分22’が空気出口23の接続部分23’と接続可能となるよう構成される。図3に示す例では、制御モジュール20の空気出口23の接続部分23’は、制御モジュール30の空気入口22の接続部分22’に密閉式に導入される。制御モジュール20、30のこのような構造設計により、制御モジュールの空気用の配管間で空気接続が自動的に確立され、更に、制御モジュール内に延在するバス13の部分間で電気的結合が自動的に確立される。この場合、互いに相対する制御モジュール20,30の位置決めは、制御モジュール20、30の上側または下側面に設けられるピンまたは凹み等の案内装置(図示せず)によって補助される。
【0032】
複数の制御モジュールを備える制御システムでは、各制御モジュールが上述の通りに構成される必要はない。特に、上下に制御モジュールを積層する場合には、制御システムの最下制御モジュールの空気入口22およびインターフェイス27が下側面ではなく容易にアクセス可能な横側面に設けられることが望ましい。図1に概略的に示すように、空気入口22およびインターフェイス・ユニット27を制御モジュールの筐体の横側面に設けることで実現される。
【0033】
図1乃至図3に示す典型的な実施形態では、制御モジュールは積層可能に構成され、対応する電気的結合および空気接続は積層により自動的に確立される。別の典型的な実施形態では、制御モジュールは、空気入口22およびインターフェイス・ユニット27が横側面、例えば、筐体の左側面に設けられ、空気出口23および更なるインターフェイス・ユニット28が他方の横側面、例えば、筐体の右側面に設けられるよう構成される。この場合、電気的結合および空気接続は、制御モジュールが横方向に並んで配置される場合に自動的に確立される。
【0034】
図2および図3に図示しないが、制御モジュール20が更なる構成要素、例えば、制御モジュール電子機器25が接続されている空気の一つ以上のパラメータを確認する内部センサを含んでもよく、この際、装置24の作動が内部センサによって確認される値に応じて行われることは理解されるであろう。例えば、センサは、空気入口22で流入する空気の温度を確認し、装置24の加熱電力は該空気に対して所望の出力温度を実現するよう入力温度に応じて設定される。
【0035】
図4、図5A、および、図5Bを参照して、制御システムの制御モジュールと顕微鏡システムの試験室との間で空気を案内する様々な方法を次に説明する。図4、図5A、および、図5Bでは、同一のまたは同様の構成要素には同一の参照符号が付与される。試験室42を有する顕微鏡システム41と複数の制御モジュール43乃至46を有する制御システムとが概略的に示される。前述の通り、制御モジュールは、バス47を介してコンピュータまたは動作部によって制御される。空気は、概略的にのみ示される空気接続部分48を介して制御モジュール43乃至36間で案内され、空気流方向は概略的に矢印で示される。空気の流れが図1に示す典型的な実施形態と略同一である図4に示す典型的な実施形態では、試験環境に導かれるべき空気は空気接続49を介して制御モジュール46を通って試験室42に導かれる。同時に、試験室42からの空気は、試験室42からの空気用に吸込用開口部51を有する制御モジュール43に送気管50を介して吸い込まれる。吸い込まれた空気は、制御モジュール43乃至46内の空気用の配管を通り、このとき、温度、湿度、酸素含有量、または、二酸化炭素含有量等の空気の各種パラメータが制御モジュールの対応する機能に応じて作用される。その後、空気は、再び送気管49を介して試験室42に供給される。従って、図4は循環する空気流の実施例である。
【0036】
図5Aに示す典型的な実施形態では、制御モジュール43の吸込用開口部51は送気管を介して試験室に接続されていない。その代わりに、制御モジュール43は、吸込用開口部51で新鮮な空気を吸い込み、該空気はその後制御モジュール43乃至46を通って案内され、このとき、空気のパラメータは個々の制御モジュールの制御機能に対応する方法で各場合において作用されるか、または制御される。全ての制御モジュールを通過した後、空気は、制御モジュール46から送気管49を介して試験室52に案内される。図5Aに示す典型的な実施形態では、空気が試験室52から制御モジュールに再び供給されるための開口部が試験室52には設けられていない。その代わりに、試験室52には、試験室52からの空気を環境に放出するための放出用開口部54が設けられている。図5Aにおける出口開口部54は、試験室52の壁における開口部として示されているが、試験室の側壁に緩衝的に載置されている、試験室52を上方に密閉するカバー等の別の方法で構成されてもよく、それにより、試験室52における圧力が過剰な場合にはカバーは最小限持ち上げられて空気が結果として逆らうことなく逃がされる。
【0037】
図5Bは、図5Aに示す典型的な実施形態の変更態様であり、空気流が全ての制御モジュール43乃至46中を循環式に導かれる更なる実施形態を示す。このために、制御モジュール46の流出用開口部は、送気管55を介して制御モジュール43の吸込用開口部51に接続されている。より小さい矢印によって概略的に示される少部分の空気流は、循環する空気流から制御モジュール45において分岐され、送気管56を介して試験室52に案内される。制御モジュール中を循環する空気の合計量を略一定に保つために、新鮮な空気またはガスが制御モジュールにおける吸込用開口部(図示せず)を介して吸い込まれる。
【0038】
図1、図4、図5A、および、図5Bに示す典型的な実施形態では、試験室に導かれるべき空気は全ての制御モジュールを通るように案内されるが、他の実施形態では、空気が制御システムの幾つかのあるいは一つの制御モジュール内だけを案内されてもよいことは理解されるであろう。例えば、制御モジュールの一つは、試験室における試料−ホルダの温度を制御するために設定されている。このために、試験室に導かれるべき空気は該制御モジュール中を流れる必要がある。
【0039】
前述した通り、制御システム、特に、個々の制御モジュールは、統合バス・システムを介して顕微鏡システムのアドレス指定可能な構成要素と共に制御されるよう構成される。この場合、各種の構成要素、特に、顕微鏡システム2のアドレス指定可能な構成要素5および制御システム6の制御モジュール7−9の制御は、これら構成要素を自動的に駆動するようプログラミングされたコンピュータ12を用いて行われる。コンピュータ・プログラムの形態で記憶媒体に記憶されている、コンピュータによって処理されるべき一連の命令は、制御システムおよび顕微鏡システムのアドレス指定可能な構成要素並びに各種実験パラメータのドキュメンテーションの制御と、実行されるべき顕微鏡システムによる画像記録の制御との両方を可能にする統合されたオペレータ・インターフェイスを提供する。試験環境パラメータに作用する制御システムの各種制御モジュールと、顕微鏡システムの一つ、あるいは場合によってはより多くのアドレス指定可能な構成要素との両方が統合オペレータ・インターフェイス下でコンピュータ12によって制御されることにより、実験の過程で複合シーケンスを互いに対して最適に一致させることが可能となる。
【0040】
図6を参照して、試験環境パラメータに作用する制御システムおよび顕微鏡システムのアドレス指定可能な構成要素を制御するためにコンピュータ12によって実行される、本発明の典型的な実施形態による方法60を以下に説明する。図6で示される典型的な方法の場合、顕微鏡システムのアドレス指定可能な構成要素は、カメラ等の記録装置である。最初に、ステップ61では、ユーザは、カメラが試験室における検体を記録しなくてはならない時間的記録間隔をコンピュータ12に入力する。更に、ユーザは、実験中の試験環境パラメータの固定されたセットの試験環境パラメータまたは典型的には様々な試験環境パラメータにおける時間的変化等の実験スケジュールを定める。実験スケジュールは、特定の試験環境パラメータが所定の時間間隔内で第1の値から第2の値に線形に増加すること、または、環境パラメータが特定の時間に急に新しい値を仮定することをユーザが特定する等、ユーザにとって都合が良い、あるいは、便利な全ての好適な方法で入力される。ステップ62では、ユーザによって入力された実験スケジュール、および、記録間隔に基づき、コンピュータは、対応する試験環境パラメータに変化を生ずるために制御モジュールの一つに対する制御コマンドが生成される時間st、および、画像を記録するために顕微鏡システムのカメラが駆動されなくてはならない時間mtを含む時相スケジュールを生成する。後続するステップ63乃至67は、新しくされたユーザ入力によって実験が終了するまで、または、所定の最大実験時間に到達するまで繰り返される。最初に、ステップ63では、例えば、コンピュータ12のシステム時間等に基づいて、実験の開始から経過した時間tが登録される。その後、ステップ64では、現在の時間tが、制御モジュールの一つが制御されるべき先に確認された時間stの一つに等しいか否かが確認される。等しい場合には、ステップ65において、対応するモジュール制御コマンドが生成され、バス13に出力される。先に説明したとおり、モジュール制御コマンドは、特に、コマンドによって制御されるべき制御モジュールの識別に関連するアドレス情報を含む。続いて、ステップ66では、現在の時間tが、顕微鏡システムのアドレス指定可能な構成要素、この場合、カメラが制御または作動されるべき時間mtの一つに等しいか否かが確認される。等しい場合には、ステップ67において、顕微鏡制御コマンドが生成される。前述した通り、顕微鏡制御コマンドもアドレス情報を含み、それに基づいて顕微鏡システムのアドレス指定可能な構成要素が識別される。続いて、ステップ63乃至67が繰り返される。
【0041】
図6に示す典型的な方法60が、試験環境パラメータに作用する制御システムおよび顕微鏡システムのアドレス指定可能な構成要素に対する基本的な制御機能だけを含むことは明らかであろう。しかしながら、更なる機能も該方法に容易に組み込まれ得る。機能としては、記録時の現在の時間または現在の試験環境パラメータ等の追加情報の同時記憶で補足され得る記録された画像の自動記憶、または、試験環境パラメータ値の記録および/または評価を含む。
【0042】
先に詳述した典型的な実施形態では顕微鏡システムは一つのアドレス指定可能な構成要素だけを有するが、顕微鏡システムの複数のアドレス指定可能な構成要素が統合バス・システムを介して制御システムと共に制御されてもよい。同様にして、先の典型的な実施形態で説明したように、バス・システムは複数の制御モジュールを備える必要はなく、単一の制御モジュールを備えてもよい。この場合、個々の制御モジュールと顕微鏡システムのアドレス指定可能な構成要素は、図6を参照して説明した方法を用いて制御され得る。
【0043】
本発明の典型的な実施形態は顕微鏡装置に関して説明したが、試験環境パラメータに作用する制御モジュールおよび制御システムは、顕微鏡装置だけでなく一般的に全ての培養システムに適用可能である。
【0044】
要約するに、本発明の典型的な実施形態によると、統合バス・システムを利用して関連する各種構成要素間の簡略化されたデータ通信を可能にし、結果として、コンピュータ・システムによるオペレータ・インターフェイス下での各種構成要素の使い勝手が良い統合制御を提供する、培養システムの試験環境パラメータに作用する制御モジュール、複数の試験環境パラメータに作用する制御システム、制御システムで顕微鏡装置を制御する方法、および、コンピュータ・プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の典型的な実施形態による制御システムを含む顕微鏡装置を示す概略図である。
【図2】本発明の典型的な実施形態による制御モジュールの概略図である。
【図3】図2に示すような幾つかの制御モジュールを組み合わせて制御システムを構成する略図である。
【図4】本発明の更なる実施形態による顕微鏡装置における空気流を示す概略図である。
【図5A】本発明の更なる実施形態による顕微鏡装置における空気流を示す概略図である。
【図5B】本発明の更なる実施形態による顕微鏡装置における空気流を示す概略図である。
【図6】本発明の典型的な実施形態による処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1…顕微鏡装置、2…顕微鏡システム、4…試験室、7、8、9…制御モジュール、27、28…インターフェイス・ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養システムの試験環境パラメータに作用する制御モジュールであって、
バスに接続され、制御コマンドを受信するインターフェイス・ユニットと、
前記インターフェイス・ユニットに接続され、前記制御コマンドに応じて前記試験環境パラメータに作用するよう構成される制御装置と、
前記インターフェイス・ユニットに接続され、前記受信された制御コマンドを再び出力する更なるインターフェイス・ユニットと、を備える制御モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の制御モジュールにおいて、
前記制御装置は、前記制御コマンドを評価し、前記制御コマンドが前記制御モジュール向けか否かを確認するよう構成される、制御モジュール。
【請求項3】
請求項1に記載の制御モジュールにおいて、
前記制御装置は、前記試験環境パラメータに対する設定値を確認するために前記制御コマンドを評価するよう構成され、前記設定値を記憶するメモリを含む、制御モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の制御モジュールにおいて、
センサから前記試験環境パラメータの実際値を受信するセンサ・ポートを更に有し、
前記制御装置は前記メモリに前記実際値を記憶するよう構成される、制御モジュール。
【請求項5】
請求項4に記載の制御モジュールにおいて、
前記制御装置は、前記インターフェイス・ユニットを介して前記実際値を出力するよう構成される、制御モジュール。
【請求項6】
請求項1に記載の制御モジュールにおいて、
試験環境に導かれるべき空気を放出する空気出口を更に有し、前記空気に作用することで前記試験環境パラメータに作用するよう構成される、制御モジュール。
【請求項7】
請求項6に記載の制御モジュールにおいて、
前記試験環境に導かれるべき前記空気を受ける空気入口と、
前記空気入口から前記空気出口への空気用の配管と、を更に備える制御モジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の制御モジュールにおいて、
筐体を更に備え、
前記空気入口および前記出口は、前記筐体の反対側に形成される、制御モジュール。
【請求項9】
請求項8に記載の制御モジュールにおいて、
前記空気入口および前記出口はそれぞれ接続部分を含み、
前記接続部分は補完的に構成され、前記空気入口の前記接続部分は同一の制御モジュールの前記空気出口の前記接続部分と接続される、制御モジュール。
【請求項10】
請求項8に記載の制御モジュールにおいて、
前記インターフェイス・ユニットが前記筐体の一方の側に配置され、前記更なるインターフェイス・ユニットが他方の側に配置され、前記空気入口および前記空気出口がそれぞれ対応する側に配置される、制御モジュール。
【請求項11】
請求項1に記載の制御モジュールにおいて、
前記インターフェイス・ユニットが接続部分を含み、前記更なるインターフェイス・ユニットが更なる接続部分を含み、前記接続部分と前記更なる接続部分は補完的に構成され、
前記インターフェイス・ユニットの前記接続部分は、前記制御モジュールの前記更なる接続部分と同一となるよう構成される別の制御モジュールの前記更なるインターフェイス・ユニットの前記更なる接続部分と接続される、制御モジュール。
【請求項12】
請求項1に記載の制御モジュールにおいて、
前記試験環境パラメータは、試料ホルダの温度、空気温度、空気湿度、空気の二酸化炭素含有量、および、空気の酸素含有量よりなる群から選択される、制御モジュール。
【請求項13】
培養システムの複数の試験環境パラメータに作用する制御システムであって、
制御コマンドを送信するバスと、
前記バスに接続される、前記制御コマンドを受信するインターフェイス・ユニットをそれぞれ有する複数の制御モジュールであって、前記複数の制御モジュールの各制御モジュールは対応するインターフェイス・ユニットに接続される制御装置を含み、前記制御コマンドに基づいて前記複数の試験環境パラメータの試験環境パラメータに作用するよう構成される、複数の制御モジュールと、を備える制御システム。
【請求項14】
請求項13に記載の制御システムにおいて、
前記複数の制御モジュールの各制御モジュールの前記制御装置は、前記制御コマンドを評価し、前記制御コマンドが前記関連する制御モジュール向けか否かを確認するよう構成される、制御システム。
【請求項15】
請求項13に記載の制御システムにおいて、
前記複数の制御モジュールの第1の制御モジュールが更なるインターフェイス・ユニットを有し、前記バスの一部分は前記第1の制御モジュールの前記インターフェイス・ユニットから、前記第1の制御モジュールを通って、前記第1の制御モジュールの前記更なるインターフェイス・ユニットまで案内される、制御システム。
【請求項16】
請求項15に記載の制御システムにおいて、
前記第1の制御モジュールの前記更なるインターフェイス・ユニットは、第2の制御モジュールの前記インターフェイス・ユニットと電気的に結合される、制御システム。
【請求項17】
請求項16に記載の制御システムにおいて、
前記第1の制御モジュールおよび前記第2の制御モジュールは、前記第1の制御モジュールの第1の側面が前記第2の制御モジュールの第2の側面と接触したときに、前記第1の制御モジュールの前記更なるインターフェイス・ユニットと前記第2の制御モジュールの前記インターフェイス・ユニットとが電気的に結合されるよう構成される、制御システム。
【請求項18】
請求項16に記載の制御システムにおいて、
前記第1の制御モジュールおよび前記第2の制御モジュールそれぞれは、空気を試験環境に導くためのポートをそれぞれ有し、前記ポートは、前記試験環境に導かれるべき前記空気が前記第1の制御モジュールと前記第2の制御モジュールとの間で交換されるよう接続される、制御システム。
【請求項19】
請求項13に記載の制御システムにおいて、
前記複数の制御モジュールに関連する制御変数が一組において異なる、制御システム。
【請求項20】
請求項13に記載の制御システムにおいて、
前記バスはシリアルバスである、制御システム。
【請求項21】
請求項13に記載の制御システムにおいて、
前記バスのバス・プロトコルは、CANプロトコル、RS232プロトコル、および、USBプロトコルよりなる群から選択される、制御システム。
【請求項22】
請求項13に記載の制御システムにおいて、
前記複数の制御モジュールの各制御モジュールは、
バスに接続され、制御コマンドを受信するインターフェイス・ユニットと、
前記インターフェイス・ユニットに接続され、前記制御コマンドに応じて前記試験環境パラメータに作用するよう構成される制御装置と、
前記インターフェイス・ユニットに接続され、前記受信された制御コマンドを再び出力する更なるインターフェイス・ユニットとを備えるよう構成される、制御システム。
【請求項23】
顕微鏡装置であって、
試験室における試料を観察する顕微鏡システムと、
前記試験室における複数の試験環境パラメータに作用する制御システムであって、
制御コマンドを送信するバスと、
前記バスに接続される、前記制御コマンドを受信するインターフェイス・ユニットをそれぞれ有する複数の制御モジュールであって、前記複数の制御モジュールの各制御モジュールは対応するインターフェイス・ユニットに接続される制御装置を含み、前記制御コマンドに基づいて前記複数の試験環境パラメータの試験環境パラメータに作用するよう構成される、複数の制御モジュールとを有する、制御システムと、を備える顕微鏡装置。
【請求項24】
請求項23に記載の顕微鏡装置において、
前記顕微鏡システムは、制御コマンドを受信するようインターフェイス・ユニットを介して前記バスで接続され、かつ前記制御コマンドに基づいて作動されるよう構成される、少なくとも一つのアドレス指定可能な構成要素を含む、顕微鏡装置。
【請求項25】
請求項24に記載の顕微鏡装置において、
前記アドレス指定可能な構成要素は、前記制御コマンドが前記アドレス指定可能な構成要素向けか否かを確認するよう構成される、顕微鏡装置。
【請求項26】
請求項23に記載の顕微鏡装置において、
前記複数の制御モジュールのうちの一つの制御モジュールは、新鮮な空気用または前記試験室からの空気用の吸込開口部を含む、顕微鏡装置。
【請求項27】
請求項23に記載の顕微鏡装置において、
前記複数の制御モジュールのうちの一つの制御モジュールは、試験環境に空気を導くために、送気管を介して前記試験室に接続される、顕微鏡装置。
【請求項28】
請求項23に記載の顕微鏡装置において、
前記バスに接続され、前記バスを介して前記制御コマンドを出力する電子コンピュータ・システムを更に備える、顕微鏡装置。
【請求項29】
顕微鏡装置を電子コンピュータ・システムで制御する方法であって、顕微鏡装置はアドレス指定可能な構成要素を有する顕微鏡システムと、前記顕微鏡システムの試験室の試験環境パラメータに作用する制御モジュールとを備える、方法において、
前記アドレス指定可能な構成要素を制御するための顕微鏡制御コマンドを生成するステップであって、前記顕微鏡制御コマンドは、前記アドレス指定可能な構成要素に対するアドレス情報を含む、顕微鏡制御コマンド生成ステップと、
前記制御モジュールを制御するためのモジュール制御コマンドを生成するステップであって、前記モジュール制御コマンドは前記制御モジュールに対するアドレス情報を含む、モジュール制御コマンド生成ステップと、
前記アドレス指定可能な構成要素および記制御モジュールを制御するために、前記顕微鏡制御コマンドと前記モジュール制御コマンドを出力するステップと、を備える方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法において、
前記顕微鏡制御コマンドおよび前記モジュール制御コマンドは、前記電子コンピュータ・システムの同じインターフェイスを介して出力される、方法。
【請求項31】
請求項29に記載の方法において、
前記モジュール制御コマンドは前記試験環境パラメータに対する設定値を含む、方法。
【請求項32】
請求項29に記載の方法において、
時相スケジュールを読み出すステップと、
経過時間をモニタリングするステップと、を更に備え、
前記モジュール制御コマンドは、前記時相スケジュールおよび前記経過時間に応じて生成される、方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法において、
前記顕微鏡制御コマンドは、前記時相スケジュールおよび前記経過時間に基づいて生成される、方法。
【請求項34】
請求項29に記載の方法において、
前記制御モジュールから前記試験環境パラメータの実際値を受信するステップを更に備える、方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法において、
前記実際値は、前記電子コンピュータ・システムにより記憶される、方法。
【請求項36】
請求項29に記載の方法において、
前記顕微鏡システムから画像データを受信するステップを更に備える、方法。
【請求項37】
電子コンピュータ・システムにより実行されると、アドレス指定可能な構成要素を有する顕微鏡システムと前記顕微鏡システムの試験室の試験環境パラメータに作用する制御モジュールとを有する顕微鏡装置を前記電子コンピュータ・システムで制御する方法を前記電子コンピュータ・システムに実行させる命令が記憶されたコンピュータ・プログラムであって、前記方法が
前記アドレス指定可能な構成要素を制御するための顕微鏡制御コマンドを生成するステップであって、前記顕微鏡制御コマンドは、前記アドレス指定可能な構成要素に対するアドレス情報を含む、顕微鏡制御コマンド生成ステップと、
前記制御モジュールを制御するためのモジュール制御コマンドを生成するステップであって、前記モジュール制御コマンドは前記制御モジュールに対するアドレス情報を含む、モジュール制御コマンド生成ステップと、
前記アドレス指定可能な構成要素および前記制御モジュールを制御するために、前記顕微鏡制御コマンドと前記モジュール制御コマンドを出力するステップとを備える、コンピュータ・プログラム。
【請求項38】
請求項37に記載のコンピュータ・プログラムにおいて、
前記命令は、前記電子コンピュータ・システムによって実行されたときに、ユーザが前記アドレス指定可能な構成要素を有する前記顕微鏡システムと前記顕微鏡システムの前記試験室の試験環境パラメータに作用する制御モジュールとの両方を統合されたオペレータ・インターフェイスで制御することが可能となるよう構成される、コンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−73038(P2008−73038A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−225755(P2007−225755)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(506151659)カール ツァイス マイクロイメージング ゲーエムベーハー (71)
【氏名又は名称原語表記】Carl Zeiss MicroImaging GmbH
【Fターム(参考)】