課金式インターネット端末およびその利用システム
【課題】領収書発行機能が付加されてなる課金式インターネット端末およびその利用システムを提供する。
【解決手段】報処理部21と、作動制御部22と、遠隔操作媒介部23と、硬貨計数機24と、入出力機器26とを備え、情報処理部21は、マスタドライブ30と利用者ドライブ40とを有し、利用者ドライブ40は、領収書の発行処理をなす領収書発行処理部44を含むものとされ、利用者の指定した特定端末3に領収書データを送信するものである。
【解決手段】報処理部21と、作動制御部22と、遠隔操作媒介部23と、硬貨計数機24と、入出力機器26とを備え、情報処理部21は、マスタドライブ30と利用者ドライブ40とを有し、利用者ドライブ40は、領収書の発行処理をなす領収書発行処理部44を含むものとされ、利用者の指定した特定端末3に領収書データを送信するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は課金式インターネット端末およびその利用システムに関する。さらに詳しくは、領収書発行機能が付加されてなる課金式インターネット端末およびその利用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のインターネットの普及にともない、ホテル、空港、駅などに100円硬貨を投入することによりインターネットが利用できるインターネット端末、いわゆる課金式インターネット端末が設置されるようになってきている。
【0003】
しかるに、ホテルや空港などは、一般旅行者にも利用されるが、ビジネスマンやビジネスウーマン(以下、ビジネンマンで代表する)による利用が大半である。そして、ビジネスマンによる課金式インターネット端末の利用には、ビジネスのための利用も多い。
【0004】
そのため、かかる課金式インターネット端末を利用しているビジネスマンから、領収書発行の要請が多くなされるようになってきている。
【0005】
なお、課金式インターネット端末の一例については、例えば特許文献1に提案がなされている。
【特許文献1】特開2004−240702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、領収書発行機能が付加されてなる課金式インターネット端末およびその利用システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課金式インターネット端末は、情報処理部と、作動制御部と、遠隔操作媒介部と、硬貨計数機と、入出力機器とを備え、前記情報処理部は、マスタドライブと利用者ドライブとを有し、前記利用者ドライブは、領収書の発行処理をなす領収書発行処理部を含むものとされてなることを特徴とする。
【0008】
本発明の課金式インターネット端末においては、紙幣読取機を備えてなるのが好ましい。
【0009】
また、本発明の課金式インターネット端末においては領収書発行処理部による領収書発行処理がなされている間、硬貨および/または紙幣の投入が不能とされてなるのが好ましい。
【0010】
さらに、本発明の課金式インターネット端末においては、領収書発行処理部による領収書発行処理がなされている間、課金管理部によるタイマのカウントダウンが中断されるようにされてなるのが好ましい。
【0011】
本発明のシステムの第1形態は、課金式インターネット端末と、特定端末とがインターネットを介して接続可能とされてなるシステムであって、前記課金式インターネット端末から前記特定端末に領収書データが送信されるようにされてなることを特徴とする。
【0012】
本発明のシステムの第2形態は、管理装置と、課金式インターネット端末と、特定端末とがインターネットを介して接続可能とされてなるシステムであって、前記管理装置は、領収書データ管理部を備え、前記特定端末からの領収書データ送信要求に応じて当該特定端末に要求された領収書データを送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、領収書を必要とする利用者に領収書の発行がなし得る。また、領収書の発行は、領収書データを利用者が指定した特定の端末に領収書データを送信することによりなすようにされているので、課金式インターネット端末に領収書の発行に必要な設備を装備する必要がなく、端末の構成の簡素化およびメンテナンスの簡素化が図られるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
【0015】
図1に、本発明の一実施形態に係る課金式インターネット端末(以下、課金端末という)を利用したシステムを概略図で示す。
【0016】
システムは、図1に示すように、管理装置1と、課金端末2と、特定端末3とがインターネットLを介して接続可能とされてなるものとされる。
【0017】
ここで、管理装置1とは、インターネットLおよび一般通信回線Mなどにより課金端末2の管理をなすとともに、課金端末2により作成された領収書データを管理する機能を有するホストコンピュータなどの処理装置をいう。
【0018】
課金端末2とは、利用者が100硬貨、500円硬貨、紙幣などを投入し、その投入金額に応じた時間インターネットLが利用できるインターネット端末をいう。
【0019】
特定端末3とは、課金端末2の利用者から領収書データの送信先として指定されたメールアドレスを有するパソコンなどのインターネット端末をいう。
【0020】
以下、図を参照しながら各構成要素について説明する。
【0021】
管理装置1は、図2に示すように、インターネットLを介して課金端末2から要求される情報を課金端末2に送信するウェブサーバ部11と、ウェブメール管理部12と、課金端末2の状態を監視する状態監視部13と、課金端末2の売上データや領収書データなどを管理する課金端末データ管理部14とを備えてなるものとされる。課金端末データ管理部14に領収書データも管理させるのは、特定端末3において領収書データが損傷したような場合に、特定端末3からの要求により当該特定端末3に領収書データを送信できるようにするためである。
【0022】
課金端末2は、設置場所における管理者(現場管理者)が不要な無人機械として構成されてなるものであって、空港、駅、ホテルなどの風雨の進入が遮断され、かつある程度以上の人が集まる場所に設置され、前述したように投入金額に応じた時間インターネットLが利用できるようにされている。
【0023】
図3に示すように、課金端末2は、より具体的には、情報処理部21と、作動制御部22と、遠隔操作媒介部23と、硬貨計数機24と、紙幣読取機25と、入出力機器26とを備えてなるものとされる。
【0024】
情報処理部21は、マスタドライブ30と、利用者ドライブ40とを含むものとされる。
【0025】
マスタドライブ30は、管理者(システム管理者)にのみ操作可能とされたドライブ、つり利用者に対して隠されたドライブとされ、図4に示すように、マスタオペレーティング部31と、マスタアプリケーション部32と、マスタ課金管理部33と、領収書発行管理部34と、利用者ドライブ調整処理部35とを含むものとされる。
【0026】
ただし、システム管理者が、マスタドライブ30にアクセスする際にはパスワードの入力が必要とされ、これによりセキュリティの確保が図られている。
【0027】
利用者ドライブ40は、マスタドライブ30の内容に基づいてその内容が生成あるいは複製される、利用者によりアクセスされるドライブとされ、図4に示すように、利用者オペレーティング部41と、利用者アプリケーション部42と、利用者課金管理部43と、領収書発行処理部44とを含むものとされる。
【0028】
マスタオペレーティング部31および利用者オペレーティング部41は、硬貨計数機24、紙幣読取機25および入出力機器26の制御ならびにインターネットを介した通信の制御を行う機能を有する。ただし、通常の稼働状態では、利用者オペレーティング部41がこれらの制御を実行する。
【0029】
また、利用者オペレーティング部41は、例えば硬貨計数機24による計数や紙幣読取機25による読取りが開始された段階で入出力機器26の操作を有効とするように設定されている。
【0030】
なお、利用者オペレーティング部41は、マスタオペレーティング部31と同様の構成とされるが、システムKやアプリケーションを破壊するおそれのある機能を実行させるコマンド(例えば、マスタドライブのフォーマットコマンドや利用者ドライブのフォーマットコマンド)などは削除されている。
【0031】
マスタアプリケーション部32と利用者アプリケーション部42とは、図5に示すように同一の構成とされ、ウェブ・ブラウザ(以下、単にブラウザという)61およびプレイヤ62といった各種アプリケーションソフトウェアを含むものとされる。
【0032】
各アプリケーション部32、42を構成する各種ソフトウェアは、ブラウザ61を介して操作されかつ単独では動作しないように設定されている。例えば、プレイヤ62はブラウザ61が楽曲、動画映像などの情報を取得することにより、自動的にまたは入出力機器26のモニタ画面上で所定の操作を行うことにより起動され、ブラウザ61が終了するとプレイヤ62も共に終了するように設定されている。
【0033】
マスタ課金管理部33および利用者課金管理部43は、硬貨計数機24および紙幣読取機25における投入金額に応じた時間、利用者にインターネットLを利用させるように利用者アプリケーション部42の所定のソフトウェア、具体的にはブラウザ61の起動および終了を制御する。マスタ課金管理部33および利用者課金管理部43による時間管理、つまりタイマのカウントダウンは、領収書発行処理部44による領収書発行処理がなされる場合、その処理の後になされる。
【0034】
領収書発行管理部34は、領収書発行ボタンマスタ、領収書送信ボタンマスタ、マスタ領収書入力シート(図6参照)およびマスタ領収書用紙画像データ(図6参照)を有するとともに、領収書発行処理部44の領収書発行処理により発行された領収書データを保持して管理する機能を有するものとされる。
【0035】
マスタ領収書入力シートは、図6に示すように、領収書宛名入力欄と、領収書送付メールアドレス欄を有するものとされる。
【0036】
マスタ領収書用紙画像データは、図6に示すように、領収書宛名入力欄に記入された会会社名が書き込まれるようにされた宛名欄と、投入された金額が記入される金額欄とを有するものとされる。
【0037】
利用者ドライブ調整処理部35は、利用者ドライブ40に不具合が発生した場合、利用者ドライブ40の内容を一旦消去し、マスタドライブ30に基づき利用者ドライブ40を復元する利用者ドライブ調整処理を実行するものとされる。
【0038】
領収書発行処理部44は、領収書発行ボタンマスタを複製した領収書発行ボタン、領収書送信ボタンマスタを複製した領収書送信ボタン、マスタ領収書入力シートを複製した領収書入力シートおよびマスタ領収書用紙画像データを複製した領収書用紙画像データを有するとともに、領収書発行処理をなす機能を有するものとされる。なお、領収書発行処理の詳細は後述する。
【0039】
作動制御部22はタイマ手段を有し、設定時刻(例えば、朝夕の所定時刻)に課金端末2の起動および停止を行うように、課金端末2の利用状況を監視しつつ課金端末2の電源スイッチを操作する。
【0040】
遠隔操作媒介部23は、電気通信回線Mを介して管理装置1の状態監視部13と接続され、課金端末2にフリーズなどの異常が生じた場合、管理装置1に異常内容を通知する信号(以下、異常通知信号という)を送信するとともに、状態監視部13からの指令にしたがって、異常を解消するよう課金端末2を電源スイッチの操作によりリセットするなどの処置を実施する。
【0041】
硬貨計数機24および紙幣読取機25は、例えばRS−232C(シリアルインタフェース規格)による接続線を介して情報処理部21と接続され、作動制御部22により課金端末2が起動されてから停止されるまでの間、図示しない投入口に投入される100円硬貨の計数や千円札の読取をし、投入金額に対応する信号(以下、投入金額データと称する)をマスタ課金管理部33、利用者オペレーティング部40、利用者課金管理部43および領収書発行処理部44に送信する。
【0042】
入出力機器26は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力手段と、入力の補助および所定のデータを表示する表示手段(モニタ手段)、例えば液晶表示装置とを含むものとされる。
【0043】
次に、図7および図8に示すフローチャートを参照しながらシステムKにおける領収書発行処理について説明する。なお、この処理がなされている間は、ブロッカーが閉鎖されて新たな硬貨等の投入は阻止されて投入金額が確定される。なお、図中、符号S1−S11は、ステップ番号を示す。
【0044】
ステップ1:硬貨等の投入信号に基づいて、領収書発行処理部44は、領収書発行ボタンの表示を利用者オペレーティング部41に指令する。(この指令に基づいて利用者オペレーティング部41は、利用画面上に領収書発行ボタン(図9参照)を表示する。)
【0045】
ステップ2:領収書発行ボタンがオンされると、つまり表示されたボタンがマウスによりクリックされるとステップ3に移行し、領収書発行ボタンがオンされないで一定時間が経過すると領収書発行処理を終了する。
【0046】
ステップ3:領収書発行処理部44は、領収書入力シートおよび領収書用紙画像の表示を利用者オペレーティング部41に指令する。(この指令に基づいて利用者オペレーティング部41は、利用画面上に領収書入力シートおよび領収書用紙画像を表示する。つまり、利用者オペレーティング部41は、領収書作成ウインドを開く。)
【0047】
ステップ4:利用者により所定事項が領収書入力シートに入力される。
【0048】
ステップ5:領収書発行処理部44は、入力された事項から領収書宛名を抽出し、その抽出した宛名を表示されている領収書用紙画像の所定位置に金額とともに重ねて表示する。つまり、領収書イメージを作成して表示する。
【0049】
ステップ6:領収書発行処理部44は、領収書送信ボタンの表示を利用者オペレーティング部41に指令する。(この指令に基づいて利用者オペレーティング部41は、領収書イメージ上に領収書送信ボタン(図10参照)を表示する。つまり、利用者オペレーティング部41は、領収書送信ウインドを開く。)
【0050】
ステップ7:領収書送信ボタンの「はい」ボタンがマウスによりクリックされると、ステップ11に移行し、領収書送信ボタンの「いいえ」ボタンがマウスによりクリックされると、ステップ8に移行する。
【0051】
ステップ8:領収書発行処理部44は、領収書入力シートを編集モードとするよう指令する。(この指令に基づいて利用者オペレーティング部41は、利用画面上の領収書入力シートを編集モードとする。例えば、既に入力されているデータをハイライトさせる。)
【0052】
ステップ9:一定時間内に編集が終了するとステップ6に移行し、編集が終了しなければ、ステップ10に移行する。
【0053】
ステップ10:所定時間が経過すると、ステップ6に移行する。これにより、操作されないで放置される時間を最小限に抑えることができる。
【0054】
ステップ11:領収書データを特定端末3に送信する。
【0055】
これ以後、利用者はタイムアップするまでインターネットLを楽しむことができる。
【0056】
しかして、当該営業日に作成された領収書データは、当該営業日の売上データなどのデータと一緒にその日の営業終了後に管理装置1に送信される。
【0057】
このように、本実施形態によれば、領収書の発行を希望する利用者に領収書を発行することができる。また、その領収書の発行は、領収書データを利用者が利用している課金端末2から利用者が指定した特定端末3に送信するという形態でなされるので、利用者が領収書を持ち運ぶ必要がなくなり、領収書を持ち歩く煩雑さが解消される。また、課金端末2に領収書用紙およびその印刷装置を設ける必要がないため、課金端末2の構成の簡素化が図られるとともに、メンテナンスの簡素化も図られる。
【0058】
さらに、管理装置1にも領収書データが保持されているので、特定端末3において領収書データが毀損された場合における対処も容易である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、課金式インターネット端末に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係る課金式インターネット端末を備えたシステムの概略図である。
【図2】同システムの管理装置のブロック図である。
【図3】課金式インターネット端末のブロック図である。
【図4】同端末の情報処理部のブロック図である。
【図5】同情報処理部のアプリケーション部のブロック図である。
【図6】領収書入力シートの概略図である。
【図7】同システムの動作を示す流れ図の前半である。
【図8】同システムの動作を示す流れ図の後半である。
【図9】領収書発行指示ウィンドウの概略図である。
【図10】領収書イメージ上に領収書送信ウィンドウを開いた状態の説明図である。
【符号の説明】
【0061】
1 管理装置
2 課金端末
3 特定端末
14 課金端末データ管理部
21 情報処理部
22 作動制御部
23 遠隔操作媒介部
24 硬貨計数機
25 紙幣読取機
26 入出力機器
30 マスタドライブ
34 領収書発行管理部
40 利用者ドライブ
44 領収書発行処理部
K システム
L インターネット
M 電気通信回線
【技術分野】
【0001】
本発明は課金式インターネット端末およびその利用システムに関する。さらに詳しくは、領収書発行機能が付加されてなる課金式インターネット端末およびその利用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のインターネットの普及にともない、ホテル、空港、駅などに100円硬貨を投入することによりインターネットが利用できるインターネット端末、いわゆる課金式インターネット端末が設置されるようになってきている。
【0003】
しかるに、ホテルや空港などは、一般旅行者にも利用されるが、ビジネスマンやビジネスウーマン(以下、ビジネンマンで代表する)による利用が大半である。そして、ビジネスマンによる課金式インターネット端末の利用には、ビジネスのための利用も多い。
【0004】
そのため、かかる課金式インターネット端末を利用しているビジネスマンから、領収書発行の要請が多くなされるようになってきている。
【0005】
なお、課金式インターネット端末の一例については、例えば特許文献1に提案がなされている。
【特許文献1】特開2004−240702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、領収書発行機能が付加されてなる課金式インターネット端末およびその利用システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課金式インターネット端末は、情報処理部と、作動制御部と、遠隔操作媒介部と、硬貨計数機と、入出力機器とを備え、前記情報処理部は、マスタドライブと利用者ドライブとを有し、前記利用者ドライブは、領収書の発行処理をなす領収書発行処理部を含むものとされてなることを特徴とする。
【0008】
本発明の課金式インターネット端末においては、紙幣読取機を備えてなるのが好ましい。
【0009】
また、本発明の課金式インターネット端末においては領収書発行処理部による領収書発行処理がなされている間、硬貨および/または紙幣の投入が不能とされてなるのが好ましい。
【0010】
さらに、本発明の課金式インターネット端末においては、領収書発行処理部による領収書発行処理がなされている間、課金管理部によるタイマのカウントダウンが中断されるようにされてなるのが好ましい。
【0011】
本発明のシステムの第1形態は、課金式インターネット端末と、特定端末とがインターネットを介して接続可能とされてなるシステムであって、前記課金式インターネット端末から前記特定端末に領収書データが送信されるようにされてなることを特徴とする。
【0012】
本発明のシステムの第2形態は、管理装置と、課金式インターネット端末と、特定端末とがインターネットを介して接続可能とされてなるシステムであって、前記管理装置は、領収書データ管理部を備え、前記特定端末からの領収書データ送信要求に応じて当該特定端末に要求された領収書データを送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、領収書を必要とする利用者に領収書の発行がなし得る。また、領収書の発行は、領収書データを利用者が指定した特定の端末に領収書データを送信することによりなすようにされているので、課金式インターネット端末に領収書の発行に必要な設備を装備する必要がなく、端末の構成の簡素化およびメンテナンスの簡素化が図られるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
【0015】
図1に、本発明の一実施形態に係る課金式インターネット端末(以下、課金端末という)を利用したシステムを概略図で示す。
【0016】
システムは、図1に示すように、管理装置1と、課金端末2と、特定端末3とがインターネットLを介して接続可能とされてなるものとされる。
【0017】
ここで、管理装置1とは、インターネットLおよび一般通信回線Mなどにより課金端末2の管理をなすとともに、課金端末2により作成された領収書データを管理する機能を有するホストコンピュータなどの処理装置をいう。
【0018】
課金端末2とは、利用者が100硬貨、500円硬貨、紙幣などを投入し、その投入金額に応じた時間インターネットLが利用できるインターネット端末をいう。
【0019】
特定端末3とは、課金端末2の利用者から領収書データの送信先として指定されたメールアドレスを有するパソコンなどのインターネット端末をいう。
【0020】
以下、図を参照しながら各構成要素について説明する。
【0021】
管理装置1は、図2に示すように、インターネットLを介して課金端末2から要求される情報を課金端末2に送信するウェブサーバ部11と、ウェブメール管理部12と、課金端末2の状態を監視する状態監視部13と、課金端末2の売上データや領収書データなどを管理する課金端末データ管理部14とを備えてなるものとされる。課金端末データ管理部14に領収書データも管理させるのは、特定端末3において領収書データが損傷したような場合に、特定端末3からの要求により当該特定端末3に領収書データを送信できるようにするためである。
【0022】
課金端末2は、設置場所における管理者(現場管理者)が不要な無人機械として構成されてなるものであって、空港、駅、ホテルなどの風雨の進入が遮断され、かつある程度以上の人が集まる場所に設置され、前述したように投入金額に応じた時間インターネットLが利用できるようにされている。
【0023】
図3に示すように、課金端末2は、より具体的には、情報処理部21と、作動制御部22と、遠隔操作媒介部23と、硬貨計数機24と、紙幣読取機25と、入出力機器26とを備えてなるものとされる。
【0024】
情報処理部21は、マスタドライブ30と、利用者ドライブ40とを含むものとされる。
【0025】
マスタドライブ30は、管理者(システム管理者)にのみ操作可能とされたドライブ、つり利用者に対して隠されたドライブとされ、図4に示すように、マスタオペレーティング部31と、マスタアプリケーション部32と、マスタ課金管理部33と、領収書発行管理部34と、利用者ドライブ調整処理部35とを含むものとされる。
【0026】
ただし、システム管理者が、マスタドライブ30にアクセスする際にはパスワードの入力が必要とされ、これによりセキュリティの確保が図られている。
【0027】
利用者ドライブ40は、マスタドライブ30の内容に基づいてその内容が生成あるいは複製される、利用者によりアクセスされるドライブとされ、図4に示すように、利用者オペレーティング部41と、利用者アプリケーション部42と、利用者課金管理部43と、領収書発行処理部44とを含むものとされる。
【0028】
マスタオペレーティング部31および利用者オペレーティング部41は、硬貨計数機24、紙幣読取機25および入出力機器26の制御ならびにインターネットを介した通信の制御を行う機能を有する。ただし、通常の稼働状態では、利用者オペレーティング部41がこれらの制御を実行する。
【0029】
また、利用者オペレーティング部41は、例えば硬貨計数機24による計数や紙幣読取機25による読取りが開始された段階で入出力機器26の操作を有効とするように設定されている。
【0030】
なお、利用者オペレーティング部41は、マスタオペレーティング部31と同様の構成とされるが、システムKやアプリケーションを破壊するおそれのある機能を実行させるコマンド(例えば、マスタドライブのフォーマットコマンドや利用者ドライブのフォーマットコマンド)などは削除されている。
【0031】
マスタアプリケーション部32と利用者アプリケーション部42とは、図5に示すように同一の構成とされ、ウェブ・ブラウザ(以下、単にブラウザという)61およびプレイヤ62といった各種アプリケーションソフトウェアを含むものとされる。
【0032】
各アプリケーション部32、42を構成する各種ソフトウェアは、ブラウザ61を介して操作されかつ単独では動作しないように設定されている。例えば、プレイヤ62はブラウザ61が楽曲、動画映像などの情報を取得することにより、自動的にまたは入出力機器26のモニタ画面上で所定の操作を行うことにより起動され、ブラウザ61が終了するとプレイヤ62も共に終了するように設定されている。
【0033】
マスタ課金管理部33および利用者課金管理部43は、硬貨計数機24および紙幣読取機25における投入金額に応じた時間、利用者にインターネットLを利用させるように利用者アプリケーション部42の所定のソフトウェア、具体的にはブラウザ61の起動および終了を制御する。マスタ課金管理部33および利用者課金管理部43による時間管理、つまりタイマのカウントダウンは、領収書発行処理部44による領収書発行処理がなされる場合、その処理の後になされる。
【0034】
領収書発行管理部34は、領収書発行ボタンマスタ、領収書送信ボタンマスタ、マスタ領収書入力シート(図6参照)およびマスタ領収書用紙画像データ(図6参照)を有するとともに、領収書発行処理部44の領収書発行処理により発行された領収書データを保持して管理する機能を有するものとされる。
【0035】
マスタ領収書入力シートは、図6に示すように、領収書宛名入力欄と、領収書送付メールアドレス欄を有するものとされる。
【0036】
マスタ領収書用紙画像データは、図6に示すように、領収書宛名入力欄に記入された会会社名が書き込まれるようにされた宛名欄と、投入された金額が記入される金額欄とを有するものとされる。
【0037】
利用者ドライブ調整処理部35は、利用者ドライブ40に不具合が発生した場合、利用者ドライブ40の内容を一旦消去し、マスタドライブ30に基づき利用者ドライブ40を復元する利用者ドライブ調整処理を実行するものとされる。
【0038】
領収書発行処理部44は、領収書発行ボタンマスタを複製した領収書発行ボタン、領収書送信ボタンマスタを複製した領収書送信ボタン、マスタ領収書入力シートを複製した領収書入力シートおよびマスタ領収書用紙画像データを複製した領収書用紙画像データを有するとともに、領収書発行処理をなす機能を有するものとされる。なお、領収書発行処理の詳細は後述する。
【0039】
作動制御部22はタイマ手段を有し、設定時刻(例えば、朝夕の所定時刻)に課金端末2の起動および停止を行うように、課金端末2の利用状況を監視しつつ課金端末2の電源スイッチを操作する。
【0040】
遠隔操作媒介部23は、電気通信回線Mを介して管理装置1の状態監視部13と接続され、課金端末2にフリーズなどの異常が生じた場合、管理装置1に異常内容を通知する信号(以下、異常通知信号という)を送信するとともに、状態監視部13からの指令にしたがって、異常を解消するよう課金端末2を電源スイッチの操作によりリセットするなどの処置を実施する。
【0041】
硬貨計数機24および紙幣読取機25は、例えばRS−232C(シリアルインタフェース規格)による接続線を介して情報処理部21と接続され、作動制御部22により課金端末2が起動されてから停止されるまでの間、図示しない投入口に投入される100円硬貨の計数や千円札の読取をし、投入金額に対応する信号(以下、投入金額データと称する)をマスタ課金管理部33、利用者オペレーティング部40、利用者課金管理部43および領収書発行処理部44に送信する。
【0042】
入出力機器26は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力手段と、入力の補助および所定のデータを表示する表示手段(モニタ手段)、例えば液晶表示装置とを含むものとされる。
【0043】
次に、図7および図8に示すフローチャートを参照しながらシステムKにおける領収書発行処理について説明する。なお、この処理がなされている間は、ブロッカーが閉鎖されて新たな硬貨等の投入は阻止されて投入金額が確定される。なお、図中、符号S1−S11は、ステップ番号を示す。
【0044】
ステップ1:硬貨等の投入信号に基づいて、領収書発行処理部44は、領収書発行ボタンの表示を利用者オペレーティング部41に指令する。(この指令に基づいて利用者オペレーティング部41は、利用画面上に領収書発行ボタン(図9参照)を表示する。)
【0045】
ステップ2:領収書発行ボタンがオンされると、つまり表示されたボタンがマウスによりクリックされるとステップ3に移行し、領収書発行ボタンがオンされないで一定時間が経過すると領収書発行処理を終了する。
【0046】
ステップ3:領収書発行処理部44は、領収書入力シートおよび領収書用紙画像の表示を利用者オペレーティング部41に指令する。(この指令に基づいて利用者オペレーティング部41は、利用画面上に領収書入力シートおよび領収書用紙画像を表示する。つまり、利用者オペレーティング部41は、領収書作成ウインドを開く。)
【0047】
ステップ4:利用者により所定事項が領収書入力シートに入力される。
【0048】
ステップ5:領収書発行処理部44は、入力された事項から領収書宛名を抽出し、その抽出した宛名を表示されている領収書用紙画像の所定位置に金額とともに重ねて表示する。つまり、領収書イメージを作成して表示する。
【0049】
ステップ6:領収書発行処理部44は、領収書送信ボタンの表示を利用者オペレーティング部41に指令する。(この指令に基づいて利用者オペレーティング部41は、領収書イメージ上に領収書送信ボタン(図10参照)を表示する。つまり、利用者オペレーティング部41は、領収書送信ウインドを開く。)
【0050】
ステップ7:領収書送信ボタンの「はい」ボタンがマウスによりクリックされると、ステップ11に移行し、領収書送信ボタンの「いいえ」ボタンがマウスによりクリックされると、ステップ8に移行する。
【0051】
ステップ8:領収書発行処理部44は、領収書入力シートを編集モードとするよう指令する。(この指令に基づいて利用者オペレーティング部41は、利用画面上の領収書入力シートを編集モードとする。例えば、既に入力されているデータをハイライトさせる。)
【0052】
ステップ9:一定時間内に編集が終了するとステップ6に移行し、編集が終了しなければ、ステップ10に移行する。
【0053】
ステップ10:所定時間が経過すると、ステップ6に移行する。これにより、操作されないで放置される時間を最小限に抑えることができる。
【0054】
ステップ11:領収書データを特定端末3に送信する。
【0055】
これ以後、利用者はタイムアップするまでインターネットLを楽しむことができる。
【0056】
しかして、当該営業日に作成された領収書データは、当該営業日の売上データなどのデータと一緒にその日の営業終了後に管理装置1に送信される。
【0057】
このように、本実施形態によれば、領収書の発行を希望する利用者に領収書を発行することができる。また、その領収書の発行は、領収書データを利用者が利用している課金端末2から利用者が指定した特定端末3に送信するという形態でなされるので、利用者が領収書を持ち運ぶ必要がなくなり、領収書を持ち歩く煩雑さが解消される。また、課金端末2に領収書用紙およびその印刷装置を設ける必要がないため、課金端末2の構成の簡素化が図られるとともに、メンテナンスの簡素化も図られる。
【0058】
さらに、管理装置1にも領収書データが保持されているので、特定端末3において領収書データが毀損された場合における対処も容易である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、課金式インターネット端末に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係る課金式インターネット端末を備えたシステムの概略図である。
【図2】同システムの管理装置のブロック図である。
【図3】課金式インターネット端末のブロック図である。
【図4】同端末の情報処理部のブロック図である。
【図5】同情報処理部のアプリケーション部のブロック図である。
【図6】領収書入力シートの概略図である。
【図7】同システムの動作を示す流れ図の前半である。
【図8】同システムの動作を示す流れ図の後半である。
【図9】領収書発行指示ウィンドウの概略図である。
【図10】領収書イメージ上に領収書送信ウィンドウを開いた状態の説明図である。
【符号の説明】
【0061】
1 管理装置
2 課金端末
3 特定端末
14 課金端末データ管理部
21 情報処理部
22 作動制御部
23 遠隔操作媒介部
24 硬貨計数機
25 紙幣読取機
26 入出力機器
30 マスタドライブ
34 領収書発行管理部
40 利用者ドライブ
44 領収書発行処理部
K システム
L インターネット
M 電気通信回線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
課金式インターネット端末であって、
前記課金式インターネット端末は、情報処理部と、作動制御部と、遠隔操作媒介部と、硬貨計数機と、入出力機器とを備え、
前記情報処理部は、マスタドライブと利用者ドライブとを有し、
前記利用者ドライブは、領収書の発行処理をなす領収書発行処理部を含むものとされてなることを特徴とする課金式インターネット端末。
【請求項2】
紙幣読取機を備えてなることを特徴する請求項1記載の課金式インターネット端末。
【請求項3】
領収書発行処理部による領収書発行処理がなされている間、硬貨および/または紙幣の投入が不能とされてなることを特徴とする請求項1または2記載の課金式インターネット端末。
【請求項4】
領収書発行処理部による領収書発行処理がなされている間、課金管理部によるタイマのカウントダウンが中断されるようにされてなることを特徴とする請求項1または2記載の課金式インターネット端末。
【請求項5】
課金式インターネット端末と、特定端末とがインターネットを介して接続可能とされてなるシステムであって、
前記課金式インターネット端末は、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の課金式インターネット端末とされ、
前記課金式インターネット端末から前記特定端末に領収書データが送信されるようにされてなる
ことを特徴とするシステム。
【請求項6】
管理装置と、課金式インターネット端末と、特定端末とがインターネットを介して接続可能とされてなるシステムであって、
前記課金式インターネット端末は、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の課金式インターネット端末とされ、
前記管理装置は、領収書データ管理部を備え、前記特定端末からの領収書データ送信要求に応じて当該特定端末に要求された領収書データを送信する
ことを特徴とするシステム。
【請求項1】
課金式インターネット端末であって、
前記課金式インターネット端末は、情報処理部と、作動制御部と、遠隔操作媒介部と、硬貨計数機と、入出力機器とを備え、
前記情報処理部は、マスタドライブと利用者ドライブとを有し、
前記利用者ドライブは、領収書の発行処理をなす領収書発行処理部を含むものとされてなることを特徴とする課金式インターネット端末。
【請求項2】
紙幣読取機を備えてなることを特徴する請求項1記載の課金式インターネット端末。
【請求項3】
領収書発行処理部による領収書発行処理がなされている間、硬貨および/または紙幣の投入が不能とされてなることを特徴とする請求項1または2記載の課金式インターネット端末。
【請求項4】
領収書発行処理部による領収書発行処理がなされている間、課金管理部によるタイマのカウントダウンが中断されるようにされてなることを特徴とする請求項1または2記載の課金式インターネット端末。
【請求項5】
課金式インターネット端末と、特定端末とがインターネットを介して接続可能とされてなるシステムであって、
前記課金式インターネット端末は、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の課金式インターネット端末とされ、
前記課金式インターネット端末から前記特定端末に領収書データが送信されるようにされてなる
ことを特徴とするシステム。
【請求項6】
管理装置と、課金式インターネット端末と、特定端末とがインターネットを介して接続可能とされてなるシステムであって、
前記課金式インターネット端末は、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の課金式インターネット端末とされ、
前記管理装置は、領収書データ管理部を備え、前記特定端末からの領収書データ送信要求に応じて当該特定端末に要求された領収書データを送信する
ことを特徴とするシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−33304(P2010−33304A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194319(P2008−194319)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(301002417)東洋電子工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(301002417)東洋電子工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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