説明

資料提示装置

【課題】持ち運びや保管に便利なようにコンパクトに折り畳むことができる資料提示装置10を提供すること。
【解決手段】第1支柱20、第2支柱21及びブラケット13を回動して資料提示装置を折り畳む。資料提示装置を折り畳んだ状態では、第1支柱20が基台11の前面11bに重なり、第2支柱21が第1支柱20の外面に重なる。また、ブラケット13とビデオカメラヘッド14が基台11の右側面側に沿って並び、ブラケット13の上面及びビデオカメラヘッド14の上面14aと基台11の上面11bが略面一になる。また、ビデオカメラヘッド14の背面と基台11の背面が略面一になる。このようにして、資料撮像装置10が略厚手のブック形状に折り畳まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基台と、基台に立設した支柱と、支柱先端部に設置したカメラとを備え、基台の設置面に置いた書類や模型等の資料をビデオカメラヘッドで撮像し、その画像をモニターテレビに出力し、あるいはビデオプロジェクターでスクリーンに投影する資料提示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2008−193391号公報には、図6及び図7に示すような資料提示装置が記載されている。この資料提示装置100は、厚手のブック形をした基台101と、基台の中央部の前端部に立設した逆J字形の支柱102と、支柱102先端に取り付けられた円筒形のビデオカメラヘッド103を備えている。支柱102の先端部はビデオカメラヘッド103の一端に連結され、ビデオカメラヘッド103の他端底面に撮像レンズ104が組み込まれている。基台101の背面にはモニターテレビ等と接続するための各種端子が設けられている。
【0003】
この資料撮像装置100の支柱102は直線部分105と湾曲部分106からなり、直線部分105の基端部は回転可能(図6の矢印A参照)に、かつ基台101の前後方向へ回動可能(図7の矢印B参照)に基台101に組み付けられている。また、ビデオカメラヘッド103は支柱102の先端部に左右方向(図6の矢印C参照)へ回動可能に組み付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−193391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この資料提示装置100を使って資料を撮像するには、撮像レンズ104の略直下に位置するように資料を基台設置面107に置く。
一方、資料提示装置100を使用しないときは、ビデオカメラヘッド103を左右方向(矢印C)へ回動させ、支柱102と略平行にして支柱102の先端部から垂下させる。さらに、支柱を回転(矢印A)させ、支柱102から垂下したビデオカメラヘッド103を基台101の真上に位置するようにセットする。
若しくは、支柱を102基台101の前方へ回動(矢印B)させ、基台設置面107にビデオカメラヘッド103を接地させる。
【0006】
この資料提示装置100は使用しないときでも、ビデオカメラヘッド103や支柱102が基台101から立ち上がり、若しくは基台101の外側へ突出しているので、持ち運ぶにも、保管するにも甚だ不便である。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑み、持ち運びや保管に便利なようにコンパクトに折り畳むことができる資料提示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、基台と、基台に回動可能に立設した支柱と、支柱先端に取り付けたビデオカメラヘッドを備え、基台設置面に置かれた資料の略真上に前記ビデオカメラヘッドを配置し、ビデオカメラヘッドで資料を撮像するように構成した資料提示装置であって、
前記支柱を第1支柱と第2支柱で構成し、
第1支柱を基台の前面の左右いずれか一方の角隅部に、基台の前面に重なる折り畳み位置と、基台から所定の角度で起立する起立位置との間で基台の左右方向へ回動可能に組み付け、
第2支柱を第1支柱の先端部に、第1支柱に重なる折り畳み位置と、第1支柱と同方向へ第1支柱から延伸する延伸位置との間で基台の左右方向へ回動可能に組み付け、
ビデオカメラヘッドを第2支柱の先端部に、第1支柱と第2支柱が共に折り畳み位置にあるときビデオカメラヘッドが基台の一方の側面に沿って並ぶとともにビデオカメラヘッドの上面が基台の上面と略面一となる折り畳み位置と、第1支柱が起立位置にあって第2支柱が延伸位置にあるときビデオカメラヘッドの上面が基台上面と略平行になる第1撮像位置との間で左右方向に回動可能に組み付けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の資料提示装置において、前記ビデオカメラヘッドを第2支柱の先端部に、前記第1撮像位置とビデオカメラヘッドの撮像レンズが基台の後方を向く第2撮像位置との間で前後方向へ回動可能に組み付けたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の資料提示装置において、前記基台の形状を平面形状が矩形の箱形に形成し、
前記ビデオカメラヘッドの平面形状を略矩形に形成し、
前記第1支柱及び第2支柱の幅を基台の厚みと略同寸に設定し、
前記第1支柱、第2支柱及びビデオカメラヘッドがそれぞれ前記折り畳み位置にあるとき、装置全体が略厚手のブック形状に折り畳まれるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る資料提示装置を使用するときは、第1支柱を起立位置まで回動させるとともに、第2支柱を延伸位置まで回動させる。また、ビデオカメラヘッドを第1撮像位置まで回動させる。そして、資料をビデオカメラヘッドの略直下に位置するように基台設置面に置き、ビデオカメラヘッドで撮像する。
一方、資料提示装置を使用しないとき、第1支柱、第2支柱及びビデオカメラヘッドを折り畳み位置へ回動させる。
しかして、請求項1に記載の発明によれば、第1支柱を基台の前面に重なるように折り畳むことができ、第2支柱を第1支柱に重なるように折り畳むことができる。さらに、ビデオカメラヘッドを基台と略平行となるように基台の側面に沿って並べることができるので、資料提示装置の折り畳んだ時の形態がコンパクトとなり、持ち運びや保管に便利となる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、ビデオカメラヘッドを第1撮像位置にセットして基台の設置面に置いた資料を撮像できるだけでなく、ビデオカメラヘッドを第2撮像位置にセットして基台後方にある資料を撮像できる。そのため、資料提示装置の使い勝手が良い。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、装置全体を略厚手のブック形状に折り畳むことができ、より一層持ち運びや保管に便利となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例に係る資料提示装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】同資料提示装置の折り畳み状態を示す斜視図である。
【図3】同資料提示装置の使用状態から折り畳み状態に至る途中の折り畳み状態を示す斜視図である。
【図4】同資料提示装置の使用状態から折り畳み状態に至る途中の折り畳み状態を示す斜視図である。
【図5】同資料提示装置の他の使用状態を示す斜視図である。
【図6】従来の資料提示装置を示す斜視図である。
【図7】従来の資料提示装置を示す側面図である。
【実施例】
【0015】
以下に本発明を図面に基づき説明するに、図1〜図5には本発明の一実施例に係る資料提示装置10が示されている。当該資料提示装置10は基台11、支柱12、ブラケット13及びビデオビデオカメラヘッド14を備えている。基台11は平面形状が矩形の箱形を有し、全体として厚手のブック形を備えている。基台11の上面11aには電源スイッチ15の他、後述するビデオカメラヘッド14の撮像レンズ16のズーミング操作やオートフォーカス制御を行うためのズームボタン17、オートフォーカスボタン18等が配列されている。また、基台11の背面にはテレビモニターやビデオプロジェクターと資料提示装置10を接続するための各種端子19が配設されている。基台11の内部にはビデオカメラヘッドのズーミング制御やオートフォーカス制御、輝度制御用の制御回路ユニット及び使用時に基台11がビデオカメラヘッド14の重みで倒れるのを防止するための錘が内蔵されている。
【0016】
支柱12は中空構造を有する第1支柱20と第2支柱21の2本から構成され、支柱12の内部に基台11内の制御回路ユニットとビデオカメラヘッド14とを接続する配線が挿通されている。第1支柱20は基台11の厚みtと略等しい幅及び基台11の横幅Lと略等しい長さを有する細長い形状を有し、基台11の前面右角隅部に第1軸22で基台の左右方向へ回動可能に組み付けられている。第1支柱20は図2に示すように、基台11の前面11bに重なる折り畳み位置と、図1に示すように、基台11から所定角度で起立する起立位置との間で回動可能に組み付けられている。本実施例では基台から130度の角度で起立するように設定されている。
【0017】
第2支柱21は第1支柱20と略同じ幅を有し、その長さは後述するビデオカメラヘッド14の略横幅w1の分だけ第1支柱20より長く設定されている。第2支柱21は基台11の左右方向へ回動可能に第2軸23で第1支柱20の先端部に組み付けられている。第2支柱21は図2に示すように、第1支柱20に重なる折り畳み位置と、図1に示すように第1支柱20から第1支柱20と同方向へ延伸する延伸位置との間で回動可能に組み付けられている。
【0018】
ブラケット13は左右一対のアーム部13aと両アーム部13aを連結する底面13bからなるU字形を有する。底面13bの幅は略第2支柱21の幅と等しく設定されている。ブラケット13は第3軸24で第2支柱21の先端部に基台11の左右方向へ回動可能に組み付けられている。ブラケット13は図2に示すように、底面13bが第2支柱21と重なる位置へ回動したとき、右側のアーム13aの側面と第2支柱21の先端面及びビデオカメラヘッド14の右側面が略面一となるように、底面13bの長さ及び底面13bにおける第3軸24の取り付け位置が設定されている。
【0019】
ビデオカメラヘッド14は平面形状が略矩形の箱形本体14aを有し、この本体14aに1本の凸片14bが一体に設けられている。また、本体14aの底面に撮像レンズ16の鏡筒が突設されている。ビデオカメラヘッド14は凸片14bをブラケット13の両アーム部13a間に挿入し、凸片14bを貫通する第4軸25でブラケット13に基台11の前後方向へ回動可能に組み付けられている。ビデオカメラヘッド14本体の横幅wは略ブラケット13の横幅と等しく設定されている。また、ビデオカメラヘッド14の厚みはブラケット13の上面とビデオカメラヘッド14の上面が略面一となるように設定されている。さらに、ビデオカメラヘッド14の縦幅w2は図2に示すように、装置10を折り畳んだとき基台11の背面とビデオカメラヘッド14の背面が略面一になるように設定されている。
【0020】
本実施例に係る資料提示装置10の構造は以上の通りであって、同装置10を使用して資料30を撮像するには、基台11を設置面に設置し、接続コードで図示略のモニターテレビ若しくはプロジェクタと基台11を接続する。図1に示すように、第1支柱20を回動して起立位置にセットする。また、第2支柱21を回動して延伸位置にセットする。さらに、ブラケット13とビデオカメラヘッド14を、その上面が基台11の上面11aと略平行になる第1撮像位置にセットする。そして、資料30の撮像対象部分31がビデオカメラヘッド14の撮像レンズ16の鏡筒の直下に来るように資料30を基台設置面に置き、ズームボタン17やオートフォーカスボタン18を操作して資料30を撮像する。
【0021】
また、基台設置面に置いた資料30だけでなく、基台11の後方にある資料を撮像することもできる。例えば、図5に示すように、ビデオカメラヘッド14を基台11の前後方向へ回動させてブラケット13から起立させ、撮像レンズ16の鏡筒を基台11の後方へ向けることができる。このようにビデオカメラヘッド14を撮像レンズ16が基台11の後方を向く第2撮像位置にセットして基台11の後方にある資料を撮像することも可能である。
【0022】
一方、資料提示装置10を使用しないとき、図1に示す使用状態から図3と図4に示すように、第1支柱20、第2支柱21及びブラケット13を回動し、図2に示すように折り畳む。資料提示装置を折り畳んだ状態では、第1支柱20が基台11の前面11bに重なり、第2支柱21が第1支柱20の外面に重なる。また、ブラケット13とビデオカメラヘッド14が基台11の右側面側に沿って並び、ブラケット13の上面及びビデオカメラヘッド14の上面14aと基台11の上面11bが略面一になる。また、ビデオカメラヘッド14の背面と基台11の背面が略面一になる。このようにして、資料撮像装置10が略厚手のブック形状に折り畳まれる。
【符号の説明】
【0023】
10…資料提示装置
11…基台
12…支柱
13…ブラケット
14…ビデオカメラヘッド
16…撮像レンズ
20…第1支柱
21…第2支柱
30…資料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、基台に回動可能に立設した支柱と、支柱先端に取り付けたビデオカメラヘッドを備え、基台設置面に置かれた資料の略真上に前記ビデオカメラヘッドを配置し、ビデオカメラヘッドで資料を撮像するように構成した資料提示装置であって、
前記支柱を第1支柱と第2支柱で構成し、
第1支柱を基台の前面の左右いずれか一方の角隅部に、基台の前面に重なる折り畳み位置と、基台から所定の角度で起立する起立位置との間で基台の左右方向へ回動可能に組み付け、
第2支柱を第1支柱の先端部に、第1支柱に重なる折り畳み位置と、第1支柱と同方向へ第1支柱から延伸する延伸位置との間で基台の左右方向へ回動可能に組み付け、
ビデオカメラヘッドを第2支柱の先端部に、第1支柱と第2支柱が共に折り畳み位置にあるときビデオカメラヘッドが基台の一方の側面に沿って並ぶとともにビデオカメラヘッドの上面が基台の上面と略面一となる折り畳み位置と、第1支柱が起立位置にあって第2支柱が延伸位置にあるときビデオカメラヘッドの上面が基台上面と略平行になる第1撮像位置との間で左右方向に回動可能に組み付けたことを特徴とする資料提示装置。
【請求項2】
前記ビデオカメラヘッドを第2支柱の先端部に、前記第1撮像位置とビデオカメラヘッドの撮像レンズが基台の後方を向く第2撮像位置との間で前後方向へ回動可能に組み付けたことを特徴とする請求項1に記載の資料提示装置。
【請求項3】
前記基台の形状を平面形状が矩形の箱形に形成し、
前記ビデオカメラヘッドの平面形状を略矩形に形成し、
前記第1支柱及び第2支柱の幅を基台の厚みと略同寸に設定し、
前記第1支柱、第2支柱及びビデオカメラヘッドがそれぞれ前記折り畳み位置にあるとき、装置全体が略厚手のブック形状に折り畳まれるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の資料提示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−119954(P2011−119954A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275061(P2009−275061)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000000424)株式会社エルモ社 (104)
【Fターム(参考)】