説明

走行型振動受粉装置

【課題】栽培床のいずれの植物にも均等に振動を与えて良好な受粉状態とするとともに、作業者の負担を大幅に軽減した走行型振動受粉装置を提供すること。
【解決手段】栽培床Gに植生された植物Pの列に沿って延設される軌道120と、軌道120から延出して植物Pの茎枝部に繋がれる線状部材130と、軌道120に設けた走行面121を走行する走行体110と、走行体110の走行により軌道120を振動させる励振機構140とを備えている走行式振動受粉装置100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜、果樹などの着果に必要な受粉作業に際して、植物の枝茎部を振動させて花房の雄ずいの葯から花粉を散らし雌ずいに付着させる振動受粉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、トマト、ナスあるいはピーマン等の野菜や果樹は、自然のままの状態では風媒受粉または昆虫受粉により受粉され着果する。
ところが、果実の周年供給が一般化した昨今、低温期の栽培はビニルハウスやガラスハウス等の温室のような閉じられた空間で行われるようになった。
また、春から夏にかけての栽培期には、果実の生産を安定させるために天井部をビニールで覆い、側面開きなどの雨よけハウスに移行し、周年にわたって施設内の閉鎖的な空間内において栽培が行われている。
近年では、所謂、植物工場と称されるような、完全空調された閉鎖空間において人工照明等の下、土耕、水耕栽培により大規模に植物を栽培する試みも盛んになってきている。
【0003】
このような閉じた空間における植物の栽培においては、風媒受粉や昆虫受粉のような自然状態での受粉は望みにくく、人手による人為的な着果が必要である。
従来より人手による人工授粉が行われているが、それぞれの花房について受粉作業を行ってゆくことは非常に作業性が悪い。
そこで、従来、受粉を促進するために花粉を飛散させる農機具として、植物の枝や花に振動を与え、花房の雄ずいの花粉を散らし、雌ずいに受粉させる、振動受粉装置が創案されつつある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
すなわち、特許文献1に記載されている振動受粉装置500は、植物の上方に張設されたワイヤなどの幹線510と、この幹線510から下方の植物に向けて縦に張設され植物の枝茎部が繋がれた支線520と、幹線510の一端に設けられた振動機530とより構成され、振動機530により幹線510を振動させることにより、幹線510および支線520を介して植物の枝部を振動させて花粉を散らすようにしたものがある。
【0005】
また、特許文献2に記載されているような、モータを駆動源とする振動本体と振動本体に取り付けられて駆動源により振動する振動部材とから構成され、作業者が手に持ち、振動部材を植物の茎や花に当てて花粉を散らすようなものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−112653号公報(全文、全図)
【特許文献2】特開平7−289105号公報(全文、全図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載されたワイヤ型の振動受粉装置500は、大規模な栽培床Gに適用する場合に幹線510を長く張設する必要があり、幹線510が長くなると振動が減衰して振動機530から離れた位置の支線520まで十分に振動が伝わらず、植物Pの受粉に十分な振動が得られない。
もし、遠くの支線520まで十分な振動を与えようとすると、振動機530で大きな振動を発生させなければならず、振動機530近傍で大きな振動を発生させると、騒動機530付近の植物Pに対して過大な振動を与えることとなり、この付近の植物を傷つけてしまう虞が生ずる。
【0008】
このように、特許文献1に記載された振動受粉装置500の場合、作業者が栽培床Gの全域を動き回って作業をする必要がない点で利便性を有するが、上述したように振動機530の近くの位置にある植物Pは大きく振動し、振動機530から遠い位置にある植物Pは小さく振動するというように、植物Pの場所によって加えられる振動の大きさに差が生ずるため、栽培床Gに存在する全ての植物Pに均等な振動を加えることが難しく十分な受粉を促すことができないばかりでなく、植物Pを傷つける虞もあるという問題があった。
【0009】
また、特許文献2に記載された手持ち式の振動受粉装置の場合、個々の植物に対して与える振動の大きさは作業者が適宜に調整できるため、植物を傷つけるような虞は低いが、作業者が振動受粉装置を携帯して栽培床全体を動き回りながら作業を行う必要があり、作業者が栽培床全体を動き回らねばならないため作業者に大きな負担を強いるものであるという問題があった。
【0010】
本発明は、上述したような従来技術における問題点を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、人工受粉作業における作業者の負担を大幅に軽減しつつ、植物を傷つける虞もなく、栽培床のいずれの箇所に存在する植物に対しても好適な条件で振動を与えて植物の受粉効率を向上させる走行型振動受粉装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本請求項1に係る発明の走行型振動受粉装置は、栽培床に植生された植物の列に沿って延設される軌道と、該軌道から延出して植物の茎枝部に繋がれる線状部材と、前記軌道に設けた走行面を走行する走行体と、前記走行体の走行により前記軌道を振動させる励振機構とを備えていることにより、前述した課題を解決するものである。
なお、本発明において励振機構とは、走行体が軌道を走行する際、軌道と当該軌道の走行面を走行する走行体との相互作用により軌道および走行体に相互振動を生じさせる機構をいい、より具体的には軌道の走行面および走行体ないし走行輪の、相互に作用しあう相互形状若しくは相互構造をいう。
【0012】
本請求項2に係る発明は、請求項1に係る走行型振動受粉装置の構成に加えて、前記励振機構が前記走行体に装着した多角形状の走行輪を備えていて、前記軌道の走行面を該走行体が走行して軌道を振動させることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0013】
本請求項3に係る発明は、請求項1に係る走行型振動受粉装置の構成に加えて、前記励振機構が前記走行体に装着した楕円形状の走行輪を備えていて、前記軌道の走行面を該走行体が走行して軌道を振動させることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0014】
本請求項4に係る発明は、請求項2または請求項3に記載された走行型振動受粉装置の構成に加えて、前記励振機構が、前記走行体に対して走行輪を偏心して装着していることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0015】
本請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された走行型振動受粉装置の構成に加えて、前記励振機構が前記軌道に設けた凹凸状の走行面を備えていて、該走行面を走行体が走行して軌道を振動させることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0016】
本請求項6に係る発明は、請求項5に記載された走行型振動受粉装置の構成に加えて、前記軌道に設けた走行面が凹凸曲面から形成される波形走行面であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0017】
本請求項7に係る発明は、請求項5に記載された走行型振動受粉装置の構成に加えて、前記軌道に設けた走行面がジグザグ状に折曲した凹凸走行面であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0018】
本請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載された走行型振動受粉装置の構成に加えて、前記軌道が栽培床に植生された植物の全体を巡って周回するループ状の軌道であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0019】
本請求項9に係る発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載された走行型振動受粉装置の構成に加えて、前記走行体が前記軌道上を走行する跨設型走行体であって、前記走行体が前記軌道の走行面を走行して軌道を振動させることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0020】
本請求項10に係る発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載された走行型振動受粉装置の構成に加えて、前記走行体が前記軌道に懸垂された懸垂型走行体であって、前記走行体が前記軌道の走行面を懸垂走行して軌道を振動させることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0021】
本願の請求項1に係る発明の走行型振動受粉装置は、栽培床に植生された植物の列に沿って延設される軌道と、この軌道から延出して植物の枝茎部に繋がれる線状部材と、軌道に設けた走行面を走行する走行体と、走行体の走行により軌道を振動させる励振機構とを備えていることにより、走行体が軌道の走行面を走行すると励振機構の作用により軌道を満遍なく振動させてこの振動が植物に繋がれた線状部材を介して植物を振動するので、振動源である軌道と植物の枝茎部との距離が線状部材の長さ程度のほぼ一定の距離となりどの位置にある植物に対してもほぼ等しい振動を与えるため、植物の植生位置により与えられる振動の大きさに相違が生ずることが大幅に軽減され、従来技術に挙げたようなワイヤ振動型の受粉装置に比べてより均等な状態での受粉状態とすることができる。
しかも、走行体が自ら軌道を移動するので、作業者が広い栽培床の中を移動して回りながら受粉作業を行う必要がなくなるため、作業者の負担を大幅に軽減することができる。
【0022】
本請求項2に係る走行型振動受粉装置は、請求項1に係る走行型振動受粉装置が奏する効果に加えて、励振機構が走行体に装着した多角形状の走行輪を備えていて軌道の走行面を走行体が走行して軌道を振動させることにより、多角形状の走行輪を装着して軌道を走行する走行体が軌道の走行面上で激しく上下に振動して振動する走行体の反作用により軌道を振動させるので、走行体または軌道に走行体を走行させる機構以外に特別の振動機構を設けることなく、実質的に多角形状の走行輪を備えるだけで励振機構を構成することができて、走行型振動受粉装置構造を非常に簡便なものとすることができる。
【0023】
本請求項3に係る走行型振動受粉装置は、請求項1に係る走行型振動受粉装置が奏する効果に加えて、励振機構が走行体に装着した楕円形状の走行輪を備えていて軌道の走行面を走行体が走行して軌道を振動させることにより、楕円形状の走行輪を装着して軌道を走行する走行体が軌道の走行面上で激しく上下に振動し、振動する走行体の反作用により軌道を振動させるので、走行体または軌道に走行体を走行させる機構以外に特別の振動機構を設けることなく、実質的に楕円形状の走行輪を備えるだけで励振機構を構成することができて、走行型振動受粉装置を非常に簡便なものとすることができる。
【0024】
本請求項4に係る走行型振動受粉装置は、請求項2または請求項3に係る走行型振動受粉装置が奏する効果に加えて、励振機構が走行体に対して偏心して装着した走行輪を備えていることにより、偏心して装着された走行輪が回転駆動されて生ずる昇降振動と走行輪の形状に起因する昇降振動とが相乗されて走行体を激しく振動させ、その反作用により軌道を一層激しく、またその振動形態を多様に変更して振動させるため、作業の対象となる植物の種類に適合した振動を発生させて当該植物の受粉を促進することができる。
【0025】
本請求項5に係る走行型振動受粉装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに係る走行型振動受粉装置が奏する効果に加えて、励振機構が軌道に設けた凹凸状の走行面を備えていて、走行面を走行体が走行して軌道を振動させることにより、種々の走行輪を装着された走行体を走行面の凹凸状形状との相互作用により上下に振動しつつ走行させて、振動走行する走行体からの反作用により軌道を振動させるので、励振機構を実質的に走行輪の形状・構造および軌道の走行面の形状のみで構成することができるため、強い振動を励起できるとともに走行型振動受粉装置の構造を非常に簡略なものとすることができる。
また、走行体に装着した走行輪の形状との相互作用により、軌道の振動形態を複数の振動が重ねられた複雑な形態とすることができて、受粉のための振動として複雑な振動形態を適宜に形成するため、作業の対象となる植物の種類に適合した振動を発生させて当該植物の受粉を促進することができる。
【0026】
本請求項6に係る走行型振動受粉装置は、請求項5に係る走行型振動受粉装置が奏する効果に加えて、軌道に設けた走行面が凹凸曲面から形成される波形走行面であることにより、走行体と軌道の走行面との相互作用を滑らかなものとして衝突が生ずることなく走行体が走行するため、凹凸曲面に応じた走行体の上下振動により振動を発生させることができるとともに走行面や走行体の走行輪に損傷が生ずる虞の小さな励振機構とすることができるとともにこれを円滑に作動させることができる。
【0027】
本請求項7に係る走行型振動受粉装置は、請求項5に係る走行型振動受粉装置が奏する効果に加えて、軌道に設けた走行面がジグザグ状に折曲した凹凸走行面であることにより、ジグザグ状の走行面に応じた走行体の上下振動、およびジグザグ状の走行面の凹側部において生ずる走行体の急激な運動方向の変動に起因する振動が相乗的に励起されるため、軌道を強く効果的に振動させる励振機構とすることができる。
【0028】
本請求項8に係る走行型振動受粉装置は、請求項1乃至請求項7のいずれかに係る走行型振動受粉装置が奏する効果に加えて、軌道が栽培床に植生された植物の全体を巡って周回するループ状の軌道であることにより、無端状に形成された軌道の走行面上を走行する走行体を停止することなく走行させるため、例えば、植物の畝毎に直線状の軌道を設けた場合のように軌道端部で走行体を停止させて走行体を逆行させる若しくは走行体を前後逆に乗せ換えるというような付帯的な作業を要することなく、必要とする時間継続して走行体を走行させることができる。
【0029】
本請求項9に係る走行型振動受粉装置は、請求項1乃至請求項8のいずれかに係る走行型振動受粉装置が奏する効果に加えて、走行体が軌道上を走行する跨設型走行体であって、走行体が軌道の走行面を走行して軌道を振動させることにより、走行体を軌道に単に載置するだけで走行体を走行可能として励振機構を構成することができて、作業者の作業を極めて簡易化することができる。
【0030】
本請求項10に係る走行型振動受粉装置は、請求項1乃至請求項8のいずれかに係る走行型振動受粉装置が奏する効果に加えて、走行体が軌道に懸垂された懸垂型走行体であって走行体が軌道の走行面を懸垂走行して軌道を振動させることにより、走行体が軌道から懸吊されてその重心が軌道より下方に位置するため、振動する走行体が軌道から落下するというような虞を解消することができるとともに、軌道に対し下方から走行体を懸吊するため、軌道を高く位置させたとしても走行体を楽に設置できて作業者の作業を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施例である走行型振動受粉装置の側面図。
【図2】図1に示す走行型振動受粉装置の斜め上方からの俯瞰図。
【図3】図1に示す走行体に第1の変形例である走行輪を装着した側面図。
【図4】図1に示す走行体に第2の変形例である走行輪を装着した側面図。
【図5】図1に示す走行体に第3の変形例である走行輪を装着した側面図。
【図6】図1に示す走行体に第4の変形例である走行輪を装着した側面図。
【図7】図1に示す軌道の第1の変形例を走行する走行体の側面図。
【図8】図1に示す軌道の第2の変形例を走行する走行体の側面図。
【図9】本発明の第2実施例である懸垂走行型振動受粉装置の(a)側面図、および(b)正面図。
【図10】本発明の第3実施例である懸垂走行型振動受粉装置の(a)側面図、および(b)正面図。
【図11】従来技術であるワイヤ型振動受粉装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の走行型振動受粉装置は、栽培床に植生された植物の列に沿って延設される軌道と、この軌道から延出して植物の茎枝部に繋がれる線状部材と、軌道に設けた走行面を走行する走行体と、走行体の走行により軌道を振動させる励振機構とを備えていて、人工受粉作業における作業者の負担を大幅に軽減しつつ、植物を傷つける虞もなく、栽培床のいずれの箇所に存在する植物に対しても好適な条件で振動を与えて植物の受粉効率を向上させるものであれば、その具体的な実施の態様は、いかなるものであっても何ら構わない。
【0033】
本発明の走行型振動受粉装置に使用される軌道は、植物の植生する列に沿って配置されるのであれば、植物の畝の間に配置されて片側若しくは両側の植物を振動させるようにしてもよいし、植物の畝の上方に配置されて、下方の植物を振動するようにしても構わないが、施肥、除草、間引き、摘果などの植物の生育に付帯して必要となる作業を行う際に邪魔にならないようにすることからは、植物の上方に配置することが好ましい。
また、軌道の素材としては、金属若しくは合成樹脂いずれでもよいが、合成樹脂製のものであると、錆などに対する耐食性を発揮するとともに装置の軽量化を達成することができる。
【0034】
さらに、植物に沿って設置される軌道は各畝毎に設けることもできるし、各畝の間に設置した軌道の端部を結合して全体を一つの軌道としてその両端をステーションとしてステーションに走行体を待機させておいてもよいし、特にステーションを設けることなくループ状に形成することもできる。
また、軌道の高さを任意に変更できるようにしておくと、栽培する植物の種類に応じた好適な高さで振動を喚起することができる点、好都合である。
加えて、走行体が上下振動しつつ走行するため、常に落下の虞が伴うので、軌道の両側部若しくは中央部にガイドレールのような隆起部を設けて、走行体が落下しないように案内するようにすることが好ましい。
走行体を落下しないようにするガイドに関しては、走行体に装着される走行輪をフランジ付のものとして、軌道の側面若しくは軌道に設けた溝部と当該走行輪のフランジ部とを噛みあわせて、走行体の蛇行を防止するようにしてもよい。
【0035】
本発明の走行型振動受粉装置に使用される走行体としては、モータ等を組み込んだ自走式のものであっても、軌道に牽引機構を組み込んで走行体を当該牽引機構により牽引走行する牽引走行式のものでも構わないが、走行体が走行することにより軌道に振動を喚起するためにある程度の重量を備えるほうが好ましいことを考慮すると、モータ、バッテリ等を搭載した自走式のものとすることが望ましい。もちろん、軌道を介して電力を供給するようにしても何ら問題はなく、むしろ、長時間にわたって使用する場合には外部給電型のほうが好適である。
また、走行体に装着する走行輪の数は、特に4輪である必要はなく6輪以上であってもよいし、また、センターの案内部を凹状溝として、当該案内溝に一つの走行輪を走行させて、3輪、5輪あるいはそれ以上の数の走行輪を装着しても構わない。
【0036】
励振機構は、走行体の走行から軌道に振動を励起する機構を意味するが、走行する走行体と軌道との相互作用により走行体に上下振動を生起して、その反作用により軌道を振動させるような機構をいうが、具体的には軌道の走行面の凹凸、起伏などの形状または走行体に装着される走行輪の形状、装着態様などにより、走行体を走行させると走行体自身に上下振動を引き起こして、この走行体の振動の反作用として軌道に振動を励起するものである。
したがって、走行面に凹凸が形成されている場合には通常使用される円形状の走行輪を偏心させずに装着しても構わないし、また、走行体が多角形状、楕円形状の走行輪を装着する場合には走行面は平面であっても構わない。さらに、これら凹凸走行面と多角形、楕円形走行輪等を組み合わせて使用すると、多様な振動形態を実現することができる。
また、前述したような、走行面や走行輪の形状、走行輪の偏心度を調整する他、走行体の重量、走行速度などを調整することにより、多様な振動形態、振動周波数を実現することができるので、これらのファクターを適宜に設定したり、モータの出力を調整すれば、受粉対象となる植物の種類、状態に応じた好適な大きさの振動を励起することができる。
【0037】
制御装置に関しては、ラジコンとして遠隔制御するようにしてもよいし、単純にオン、オフのみとする、電流若しくは電圧を制御して出力を無段階に変更するようにしてもよい。
また、走行体に、周囲の状況を検出する環境センサや、軌道や植物等の状態を把握する撮像カメラ、あるいは、施肥装置のような農作業を行う機器を同架すると、栽培床における植物の生育状態や軌道の状態を監視して、それぞれの状態に応じて受粉作業以外の作業を作業者が実行するようにすることができるとともに、走行体に同架した作業機器によっても農作業を一部行わせるようにして作業者の負担を大幅に軽減することができる。
【0038】
なお、本発明の走行型振動受粉装置は、トマト、ナス、ピーマンなどの風媒花の果菜類に適用可能なばかりではなく、リンゴ、ブドウ等のような果樹の受粉にも適用することが可能である。
【実施例1】
【0039】
以下に、本発明の第1実施例である走行型振動受粉装置100について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施例である走行型振動受粉装置100の側面図であり、図2は、図1に示す走行型振動受粉装置100を栽培床Gの全体に設置した状態を斜め上方から俯瞰した俯瞰図である。
【0040】
第1実施例の走行型振動受粉装置において、軌道120は、主に、植物Pの生育する畝に沿った直線部120aと畝の端で直線部120aを結合する接続部120b、および、両端側の畝状に配置された直線部120aどうしを接続する回送部120cとで全体をループ状に形成されている。
栽培床Gの畝の端部の所望箇所に、当該軌道120を支持する軌道支持柱123が立設されていて、当該軌道支持柱123にダンパ等の支持部材124を介して軌道を固定している。
なお、軌道支持柱123は、大径の下半部に対して小径の上半部を拡縮できるようにしておき、軌道120の高さを、例えば育成する植物Pの種類に応じて、自在に調節できるようにしている。
【0041】
軌道120の上面には走行台車110が走行する走行面121が形成されている。
第1実施例の走行式振動受粉装置100においては、中央部を突出させてセンター案内部122を形成していて、走行体110が当該センター案内部122に沿って走行するようにし、走行体110の蛇行や、落下を防止するようにしている。
なお、外部給電型の走行体110を使用する場合には、当該センター案内部122の上面または側面に給電電極を配置しておき、走行体110側に設けた電源端子を当該給電電極に摺接するようにするとよい。
また、センター案内部122を溝状のセンター案内溝として、走行輪111の一つを当該案内溝を走行させて、走行体110の蛇行や落下を防止するようにしてもよい。
【0042】
植物Pの上方に配置した軌道120からは、ピアノ線、撚り線ワイヤあるいは棒などよりなる線状部材130が延出、吊下されていて、当該線条部材130を下方にある植物Pの茎枝と繋がれることで、軌道120に発生した振動が植物Pの茎枝部に伝達されて、植物の花房を揺らして花粉を飛散させ、受粉を促進する。
【0043】
本第1実施例の走行型振動受粉装置100に使用される走行体110は、基本的にはミニチュアのモノレールまたはラジコンカーのようなものをベースとして形成されるものであり、軌道120上に形成された走行面121を走行することで、軌道120に振動を励起するものである。
本発明において、軌道120は、走行体110の走行により振動を発生し易いほうが望ましいので、特に剛性を高くせず、軌道120自身および載置される走行体110の重量に耐える程度の強度は必要であるが、走行体110の走行によって上下に振動する程度に柔軟性を備えるものとしている。
本第1実施例の走行型振動受粉装置100が備える走行体110は、円形の走行輪111を駆動軸114に対して偏心して装着しているので、走行体110が走行すると、その走行輪111が偏心回転して走行体110が上下動を繰り返しつつ前方に進むことになるので、当該上下動する走行体110からの反作用によって軌道120に振動が励起される。
この軌道120に励起された振動が、線状部材130を介して植物Pの枝茎部に伝播して枝茎部に開花した花房を振動させるので、花房の雄ずいにある花粉が加えられた振動で飛散して他の花の雌ずいに付着して受粉が達成されることとなる。
当該走行体110は、特に1台だけに限らず、図2に示されるように2台、あるいはそれ以上の台数の走行体110を走行させるようにしてもよい。
【0044】
このように、走行体110が軌道120上を走行することにより軌道120に励起された振動が線状部材130を介して植物Pに伝播されて植物Pに開花した花房を揺らせて受粉が促進されるので、作業員は受粉作業に際して、離れた位置で操作スイッチをオン、オフするか走行体の速度を調整するか、という程度の作業を行うだけであり、従来のように圃場G内を動きまわって受粉作業をする必要はない。
なお、走行体110に撮像カメラを同架して、撮像カメラにより植物の開花状態を確認しながら、開花状態に応じて適宜に振動強さを変更するようにすると、圃場G全体での開花状態のばらつきに応じて植物Pに加える振動を変更することができて、より無駄のなく好適に植物を振動させて受粉を促進することが可能となる。
【0045】
図3および図4には、それぞれ走行輪の第1変形例および第2変形例が示されていて、第1変形例の走行輪111aは多角形状、より具体的には、5角形の形状を呈する走行輪111aであり、第2変形例の走行輪111bは星形多角形状を呈する走行輪111bとして形成されている。
いずれの場合も、走行輪111a、111bの角部が走行面121に衝突する際の衝撃力と、角部が走行面121に設置した際の走行体110の最大上昇位置と隣合う角部がともに接地した際の走行体121の最大下降位置との間の距離で定まる走行体110の振動幅、および回転の角速度で振動の強度が決定されるため、角の数は比較的少数として振動幅を大きくとれるようにすると励起される振動を大きくすることができ、また回転速度を上昇させると単位時間当たりに走行面121に打ち当る打撃数や打撃速度が上昇し、振動を強力にすることができる。
【0046】
図5および図6は、ともに楕円形状の走行輪111cを使用した変形例であり、図5に示される第3変形例では楕円型走行輪111cを偏心させて装着したものであり、図6に示される第4変形例では楕円型走行輪111cを偏心させずに装着したものである。
このような楕円形状の走行輪111cを使用する場合には、角部がないため打撃による振動発生は望めないが、楕円の扁平率を大きくする、または回転軸の偏心率を大きくする、というような手当てを講ずれば、励起される振動を大きくすることができる。
図5に示されるように、楕円形の長半径と短半径との差に、駆動軸114から偏心された偏心量が加わって、走行体110の振動幅を大きくすることができるので、非常に大きな振動を励起することが可能となる。
【0047】
他方、重量の大きな走行体110を使用する場合や、植物Pの種類により、過大な振動を励起することが好ましくない場合には、図6に示されるように楕円形状の走行輪111cを偏心させずに装着して、楕円形111cの長半径と短半径との差のみによって振動を励起するようにしてもよい。
これら第3変形例、第4変形例のように楕円型の走行輪111cを使用すると、角部による打撃が発生しないため、走行輪111または走行面121の損耗が少なくなるという利点がある。
【0048】
本発明の励振機構140では、走行輪111の形状のみにより振動を発生させるものではなく、走行輪111の走行する走行面121の表面形状を適宜に調整することによっても振動を発生させることが可能である。
図7および図8に示されるのは、走行体110には円形の走行輪111を偏心させずに装着しているかわりに走行面121を凹凸形状としたものであり、走行体110を凹凸形状の走行面121を走行させることにより走行体110を昇降振動させて、その反作用で軌道120に振動を励起するものである。
図7に示される軌道120の第1変形例では、軌道120に形成された走行面121を波形走行面121aとしているので、この上を走行する走行体110は波形走行面121aの振幅に応じた昇降を繰り返し、その反作用で軌道120に振動が励起されるものである。
図8に示される軌道120の第2変形例では、軌道120に形成された走行面121を、三角状の突部が多数連続するジグザグ走行面121bとしたので、折曲面の凹凸に対応した振動幅に応じて発生する振動と、走行輪111が走行面121の突部上端から下降して前方の上り面に衝突する際に発生する振動とにより、軌道120に振動が励起されるものである。
【0049】
以上のようにして得られた本発明の第1実施例である走行型振動受粉装置100は、栽培床Gに植生された植物Pの列に沿って延設される軌道120と、この軌道120から延出して植物Pの茎枝部に繋がれる線状部材130と軌道120に設けた走行面121を走行する走行体110と、走行体110の走行により軌道120を振動させる励振機構140とを備えていることにより、栽培床Gのいずれの箇所に存在する植物Pに対しても好適な条件で振動を与えて植物Pの受粉効率を向上させることができるとともに、走行体110が自ら植物Pの付近を走行して植物Pに近接した位置において各々振動を励起するため、栽培床Gがいかに広くなろうとも、植物Pの位置によって印加される振動の大きさに差が生ずることなく、いずれの位置に生育する植物Pに対してもほぼ一定の振動を加えて、受粉状態のばらつきを小さくすることができる。
【0050】
また、励振機構140として、走行体110に円形状、多角形状若しくは楕円形状の走行輪111を偏心してあるいは偏心させずに装着したり、軌道120上の走行面を、平面状、波形状若しくはジグザグ状の走行面121とするなどして、励振機構140を極めて簡便な構造で構成することができるため、製造コストを低く抑えることができるとともに、走行体110の重量、速度などを変更するだけで、多様な植物Pの種類に適合した種々の振動を励起することができる。
さらに、軌道120を栽培床G全体を巡回するループ状の軌道120とすることにより、走行体110を後退動作させたり、前後逆に乗せ換えるなどの付帯的な動作、作業を要することなく植物Pの受粉に必要な期間継続して走行体110を循環走行させることができるとともに、作業者が走行体を任意の位置で停止させてもその地点を起点に作業を継続させることが可能となるなど、その効果は甚大である。
【実施例2】
【0051】
次に本発明の第2実施例である走行型振動受粉装置200について、図9に基づいて以下に説明する。
図9の(a)は本発明の第2実施例である懸垂走行型振動受粉装置200の側面図であり、(b)はその正面図である。
【0052】
本第2実施例の走行型振動受粉装置200は、所謂ビーム式モノレールに類する構造を有するものであり、アルファベットの大文字のI字形状を呈するレールを、植Pの畝の上方に張設して、懸垂軌道220を形成している。
I字形状のうち下方で両側に張出した下方桁部材222の上面を懸垂走行面221とし、当該懸垂走行面221を、懸垂型走行体210から延出した懸架アーム215に装着された走行輪211が走行するものであるが、この懸垂軌道220の懸垂走行面221および懸垂型走行体210に装着した走行輪211が、前述した第1実施例の走行型振動受粉装置100若しくは各種変形例として挙げたような走行輪111または走行面112と同様の形状、構造を備える励振機構240を構成している。
また、I字状の懸垂軌道220において上部側の上部側桁部材224の両側部から線状部材240が延出、吊下されていて、これらの線状部材240の下端部が下方に生育している植物Pの枝茎部に繋がれている。
【0053】
これにより、懸垂型走行体210が懸垂軌道220の走行面221を懸垂状態で走行すると、前述した第1実施例の場合と同様に懸垂型走行体210の走行輪211および懸垂軌道220の懸垂走行面221とにより構成される励振機構240の作用により懸垂軌道220が振動し、この振動がワイヤ230を介して植物Pに伝播されて植物Pに開花した花房を揺らせて花粉を飛散させて受粉を促進する。
なお、走行輪211および懸架アーム215が、軌道220の下部桁部材222を左右両側から包持する形態を呈するので、懸垂された走行体210が上下振動しても、軌道220から脱落・落下することはない。
【実施例3】
【0054】
さらに、本発明の第2実施例である走行型振動受粉装置300について、図9に基づいて以下に説明する。
図10の(a)は本発明の第3実施例である懸垂走行型振動受粉装置300の側面図であり、(b)はその正面図である。
【0055】
本第3実施例の走行型振動受粉装置300は、所謂サフェージュ式モノレールに類する構造を有するものであるが、下部桁部材の中央にスリットを形成した箱桁状の懸垂軌道320を使用するものであって、箱桁状の懸垂軌道320内に配置した走行輪311からスリットを延設する懸架アーム315により懸垂型走行体310を垂下したものである。
懸垂軌道321の下部桁部材322の内側上面に懸垂走行面321が形成されていて、当該懸垂走行面321の上を、懸架アーム315の両側に装着した走行輪311が走行するものである。
本第3実施例においても、前述した第1実施例の場合と同様に、懸垂軌道320に形成した懸垂走行面321および懸垂型走行体310に装着した走行輪311が、前述した第1実施例若しくは変形例として挙げた走行輪111、走行面121などと同様の形状、構造を備える励振機構340を構成している。
また、箱形桁状の懸垂軌道320の側面から線状部材330が延出、吊下されていて、このワイヤ340の下端部が下方に生育している植物Pの枝茎部に繋がれている。
【0056】
これにより、懸垂型走行体310が懸垂軌道320の走行面321を懸垂状態で走行すると、前述した第1実施例または第2実施例の場合と同様に懸垂型走行体310の走行輪311および懸垂軌道320の懸垂走行面321とを備えて構成される励振機構340の作用により懸垂軌道320が振動し、この振動がワイヤ330を介して植物Pに伝播されて植物Pに開花した花房を揺らせて花粉を飛散させて受粉を促進する。
なお、本実施例においては、走行輪311が箱状の懸垂軌道320の内部に収容されているので、懸垂型走行体310が相当振動しても走行輪311が軌道の懸垂走行面321から脱落して落下することはない。
また、懸垂走行面321および走行輪311が外部に露出していないので、懸垂走行面321および走行輪311が塵埃や、散布肥料、水等で汚損ずる虞を大幅に減少して、励振機構340の長寿命化を図ることができる。
さらに、走行輪311などの可動部が外に露出していないため、懸垂軌道320の側面から延出される線状部材330が当該可動部に絡まる虞がない。
【0057】
以上のようにして得られた本発明の第2実施例の走行型振動受粉装置200または第3実施例の走行型振動受粉装置300は、前述した第1実施例の走行型振動受粉装置100において、走行体が懸垂軌道220、320に懸架された懸垂型走行体210、310であって、懸垂型走行体210、310が懸垂軌道220、320の走行面221、321を懸垂走行して、懸垂軌道220、320を振動させることにより、前述した第1実施例の走行型振動受粉装置10と同様の効果を奏するとともに、走行輪211が懸垂軌道220を包持するように設けられていたり、箱桁状の懸垂軌道320の中に収容されていることで、懸垂型走行体210、310の落下の可能性を大幅に減少して、安定した状態で走行型振動受粉装置300を稼働させることができる。
【0058】
また、箱桁状の懸垂軌道320を使用することで、走行面321および走行輪311が外部に露出せず汚損することが防がれて、励振機構340を長寿命化することができるとともに、懸垂軌道320の外側部に存在する線条部材330が走行輪311に絡まるような事故を防止することができて、より一層走行型振動受粉装置300の安全、確実な走行を達成できるなど、その効果は甚大である。
【符号の説明】
【0059】
100、200、300 ・・・ 走行型振動受粉装置
110 ・・・ (跨設型)走行体
111、211、311 ・・・ 走行輪
111a ・・・ 多角形走行輪
111b ・・・ 星形走行輪
111c ・・・ 楕円形走行輪
112 ・・・ モータ
113 ・・・ 制御部
114 ・・・ 駆動軸
120 ・・・ 軌道
121 ・・・ 走行面
121a ・・・ 波形走行面
121b ・・・ ジグザグ走行面
122 ・・・ センター案内部
123 ・・・ 軌道支持柱
124 ・・・ 支持部材
210、310 ・・・ 懸垂型走行体
211、311 ・・・ 走行輪
212、312 ・・・ モータ
213、313 ・・・ 制御部
215、315 ・・・ 懸架アーム
220、320 ・・・ 懸垂軌道
221、321 ・・・ 懸垂走行面
222、322 ・・・ 下部桁部材
224 ・・・ 上部桁部材
130、230、330 ・・・ 線状部材
131、231、331 ・・・ 取付具
140、240、340 ・・・ 励振機構
G ・・・ 栽培床
P ・・・ 植物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
栽培床に植生された植物の列に沿って延設される軌道と、
該軌道から延出して植物の茎枝部に繋がれる線状部材と、
前記軌道に設けた走行面を走行する走行体と、
前記走行体の走行により前記軌道を振動させる励振機構と、
を備えていることを特徴とする走行型振動受粉装置。
【請求項2】
前記励振機構が、前記走行体に装着した多角形状の走行輪を備えていて、前記軌道の走行面を該走行体が走行して軌道を振動させることを特徴とする請求項1に記載の走行型振動受粉装置。
【請求項3】
前記励振機構が、前記走行体に装着した楕円形状の走行輪を備えていて、前記軌道の走行面を該走行体が走行して軌道を振動させることを特徴とする請求項1に記載の走行型振動受粉装置。
【請求項4】
前記励振機構が、前記走行体に対して走行輪を偏心して装着していることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の走行型振動受粉装置。
【請求項5】
前記励振機構が、前記軌道に設けた凹凸状の走行面を備えていて、該走行面を走行体が走行して軌道を振動させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の走行型振動受粉装置。
【請求項6】
前記軌道に設けた走行面が、凹凸曲面から形成される波形走行面であることを特徴とする請求項5に記載の走行型振動受粉装置。
【請求項7】
前記軌道に設けた走行面が、ジグザグ状に折曲した凹凸走行面であることを特徴とする請求項5に記載の走行型振動受粉装置。
【請求項8】
前記軌道が、栽培床に植生された植物の全体を巡って周回するループ状の軌道であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の走行型振動受粉装置。
【請求項9】
前記走行体が前記軌道上を走行する跨設型走行体であって、前記走行体が前記軌道の走行面を走行して軌道を振動させることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の走行型式振動受粉装置。
【請求項10】
前記走行体が前記軌道に懸吊された懸垂型走行体であって、前記走行体が前記軌道の走行面を懸垂走行して軌道を振動させることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の走行型振動受粉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−120472(P2012−120472A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272924(P2010−272924)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)
【Fターム(参考)】