説明

超音波流量計および受信回路

【課題】流路内に送信された超音波を検出する時、超音波を送信することによって発生した電気的なノイズやインパルス的なノイズをキャンセルする。
【解決手段】超音波を直接受信しない擬似超音波素子7を設け、流路3内に送信された超音波を流れ方向上手側または下手側に取り付けられた超音波送受信素子2aまたは2bで受信した超音波変換信号VINと、擬似超音波素子7からの擬似超音波変換信号VPとの差動出力を超音波受信信号VOUTとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波流量計および受信回路に関し、詳しくは超音波を利用して流体の流速や流量を計測する超音波流量計およびその受信回路に関する。具体的には、ガスメータ,水道メータ,ガス流量計等の分野で、流体の流量の管理および制御に使用される超音波流量計およびその受信回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、都市ガス,LPG,水などの流体の流量を計測する流量計として、超音波を利用して流速および流量を計測する超音波流量計が知られている。その際の計測原理として、一般には「伝搬時間差法」が用いられる。これは、流路の流体流れ方向上手側および下手側に一対の超音波送受信素子を設け、超音波の送受信を交互に切り替えて、流れ方向上手側の超音波送受信素子(送信側振動子)から流れ方向下手側の超音波送受信素子(受信側振動子)に到達するまでの時間(順方向伝搬時間)と、流れ方向下手側の超音波送受信素子(送信側振動子)から流れ方向上手側の超音波送受信素子(受信側振動子)に到達するまでの時間(逆方向伝搬時間)とを計測して、両伝搬時間の差から流路を流れる流体の平均流速および平均流速に流路断面積を乗算することで流量を求める方法である。
【0003】
図8は、従来の超音波流量計で用いられている受信回路の一例を示す回路図である。この受信回路は、オペアンプU1を主体とする第1の反転増幅器と、オペアンプU2を主体とする第2の反転増幅器とが直列に接続されて構成されている。オペアンプU1の反転入力端子は、抵抗R1およびコンデンサC1を通じて一端が接地された超音波送受信素子USM1の他端に接続されているとともに、抵抗R2を通じてオペアンプU1の出力端子OUTに接続されている。超音波送受信素子USM1には、抵抗R3が並列に接続されている。また、オペアンプU1の非反転入力端子は、抵抗R4を通じて接地されている。オペアンプU1の出力端子OUTは、抵抗R5を通じてオペアンプU2の反転入力端子に接続されており、オペアンプU2の反転入力端子は抵抗R6を通じてオペアンプU2の出力端子OUTに接続されている。オペアンプU2の非反転入力端子は、抵抗R7を通じて接地されている。オペアンプU2の出力端子OUTからは、超音波受信信号VOUTが出力される。なお、図8中、符号VDDは電源電圧、VSSはマイナス電源電圧を示す。
【0004】
このような従来の受信回路では、超音波送受信素子USM1で超音波が受信されると、超音波は機械−電気変換されて超音波変換信号VINとしてコンデンサC1および抵抗R1を通じてオペアンプU1の非反転入力端子に印加される。オペアンプU1は、抵抗R1,R2で決まる増幅率で超音波変換信号VINを増幅し、増幅信号をさらにオペアンプU2が抵抗R5,R6で決まる増幅率で増幅して、超音波受信信号VOUTとして出力する。
【0005】
ところで、従来の超音波流量計では、電池駆動の超音波流量計を可能にするために、消費電流の大きい増幅・比較回路からなる受信回路の電源を、超音波受信信号を検出する直前にオンし、超音波受信信号を検出したならばオフするようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、従来の他の超音波流量計では、電池消費を抑止するために、超音波送受信素子を駆動後、受信回路の電源をオンし、超音波受信信号が検出できても、できなくても、一定時間後にオフするようにしていた(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第02828615号公報
【特許文献2】特開2002−1480856号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来の超音波流量計では、図8に示すような受信回路を使用した場合、図9に示すように、超音波受信信号VOUTとして、受信側の超音波送受信素子USM1からの超音波変換信号VINの他に、送信側の超音波送受信素子(図示せず)の駆動直後に発生する電気的なノイズおよびインパルス的なノイズ(以下、駆動直後ノイズと総称する)が検出されるという問題点があった。
【0008】
受信側の超音波送受信素子USM1からの超音波変換信号VINに重畳される駆動直後ノイズのノイズ源は、送信回路を通して送信側の超音波送受信素子に流れ込む電流であり、このような負荷がかかることにより送信回路の電源電圧が変動し、その影響が受信回路の電源にも回り込んでいた。超音波流量計では、伝搬する超音波が距離や流体により減衰するので、受信回路の増幅率は60dB以上確保する必要があり、受信回路の増幅率が大きいために、その電源電圧の変動が超音波受信信号VOUTにダイレクトに表れていた。
【0009】
ここで、送信側の超音波送受信素子を駆動して、流路内に超音波が送信されてから、流路内に送信された超音波を受信側の超音波送受信素子USM1で受信するまでの状況をさらに詳しく説明する。
【0010】
送信側の超音波送受信素子に駆動パルスが印加されると、それに応じて送信側の超音波送受信素子は振動を開始し、流路内に超音波が送信される。この時、超音波の送信により、送信側の超音波送受信素子に電流が流れるが、この電流値は、非動作時より大きな電流値となる。この超音波放射時の消費電流により、一時的に、回路全体の電源電圧が降下すると、送信回路ばかりでなく受信回路の電源電圧も降下する。受信回路の電圧降下の影響により、受信回路は超音波を受信していないにも拘わらず、あたかも超音波を受信したかような駆動直後ノイズを出力する。
【0011】
流路内に送信された超音波が受信側の超音波送受信素子USM1で受信されて変換された超音波変換信号VINと、送信側の超音波送受信素子を駆動して超音波を送信したことによって発生した駆動直後ノイズとを比較して、駆動直後ノイズが十分に小さくなって、十二分に減衰すれば、流量計測時に特に問題はない。しかし、例えば、超音波流量計において、流量1L/hを計測するような高精度な計測が要求される場合、超音波変換信号VINと駆動直後ノイズとのS/N比を十分に確保して、駆動直後ノイズに対して影響を受けない受信回路にすることが望ましい。
【0012】
このような駆動直後ノイズの対策として、従来は、電源に大きな容量のコンデンサを追加して電源電圧の変動を抑制する方法があった。しかし、この方法は、電源電圧の変動を抑制することは可能であるが、そのレベルは、数mVの安定性を確保するものではなく、わずかながら電源電圧が変動するので、受信回路はやはり影響を受けるという問題点があった。
【0013】
また、駆動直後ノイズを受信しないために、超音波が受信されない区間は受信回路の電源をオフにしておくようにマスク時間を設ける方法があった。しかし、この方法は、単に受信時において駆動直後ノイズを誤検出しないようにしているだけであって、駆動直後ノイズをキャンセルしているわけではないという問題点があった。また、この時、発生した駆動直後ノイズは、しばらくの間、あたかも受信側の超音波送受信素子が振動して、その後の残響成分で振動しているかのような出力を示すという問題点があった。
【0014】
なお、先に挙げた特許文献1および特許文献2に記載された従来の技術においても、超音波が受信されない区間は受信回路の電源をオフにしておくようにしていたが、その目的は、省電力動作のために受信回路の電源をオフしておくようにしているだけであって、本発明の目的である駆動直後ノイズなどをキャンセルする、あるいは低減するという目的とは異なるものである。
【0015】
本発明の課題は、流路内に送信された超音波を検出する時、超音波を送信することによって発生した駆動直後ノイズ(電気的なノイズやインパルス的なノイズ)をキャンセルできるようにした超音波流量計を提供することにある。
【0016】
また、本発明の他の課題は、超音波を送信することによって発生した駆動直後ノイズ(電気的なノイズやインパルス的なノイズ)をキャンセルできるようにした受信回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0017】
請求項1記載の超音波流量計は、流体を通過させる流路内の流体の流れ方向上手側および下手側に取り付けられた一対の超音波送受信素子と、前記一対の超音波送受信素子の一方を駆動して超音波を送信させる送信回路と、超音波を直接受信しない擬似超音波素子と、前記一対の超音波送受信素子の他方で受信した超音波の超音波変換信号と、前記擬似超音波素子で発生した擬似超音波変換信号との差動出力を超音波受信信号として出力する受信回路とを有する構成である。請求項1記載の超音波流量計によれば、受信側の超音波送受信素子からの超音波変換信号と、擬似的に設けられた擬似超音波素子からの擬似超音波変換信号との差動出力を超音波受信信号とするため、超音波流量計の回路系上に重畳される駆動直後ノイズをキャンセルすることが可能となり、耐ノイズ性が向上し、低ノイズで高精度な流量計測が実現できる。
【0018】
請求項2記載の超音波流量計は、流体を通過させる流路内の流体の流れ方向上手側および下手側に取り付けられた一対の超音波送受信素子と、前記一対の超音波送受信素子の一方を送信側、他方を受信側として切り替える順/逆切替手段と、前記送信側の超音波送受信素子を駆動して超音波を送信させる送信回路と、超音波を直接受信しない擬似超音波素子と、前記受信側の超音波送受信素子で受信した超音波の超音波変換信号と、前記擬似超音波素子で発生した擬似超音波変換信号との差動出力を超音波受信信号として出力する受信回路とを有することを特徴とする。請求項2記載の超音波流量計によれば、順/逆切替手段を設けたことにより、流れ方向上手側および下手側に取り付けられた一対の超音波送受信素子に対して、1つの擬似超音波素子を備えるだけですむようになるので、超音波流量計の構成部品がシンプルになって安価に製造でき、かつ、高精度な流量計測を行なうことができる。
【0019】
請求項3記載の超音波流量計は、請求項1または請求項2に記載の超音波流量計において、前記擬似超音波素子が、超音波の送信および受信が可能な超音波送受信素子でなることを特徴とする。請求項3記載の超音波流量計によれば、擬似超音波素子が、流路内の超音波を送信および受信可能な超音波送受信素子と同じ特性となるため、超音波送受信素子が持つ電気的特性と一致させる必要がなくなり、送信側の超音波送受信素子が持つ固有の特性によって生じる駆動直後ノイズを簡単にキャンセルすることができる。
【0020】
請求項4記載の超音波流量計は、請求項1または請求項2記載の超音波流量計において、前記擬似超音波素子が、超音波送受信素子などの圧電体以外の受動素子で構成され、かつ前記一対の超音波送受信素子と電気的特性を同一にしたことを特徴とする。請求項4記載の超音波流量計によれば、擬似超音波素子を、一対の超音波送受信素子に対して電気的特性を同一にし、超音波送受信素子などの圧電素子以外の受動素子のみで構成するようにしたので、超音波流量計を安価に製造できるという利点がある。
【0021】
請求項5記載の超音波流量計は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の超音波流量計において、前記擬似超音波素子が、前記一対の超音波送受信素子と温度特性が同一であることを特徴とする。請求項5記載の超音波流量計によれば、擬似超音波素子の温度特性を一対の超音波送受信素子の温度特性と同一にすることにより、環境温度変化に対する影響もなくなり、高精度な流量計測が可能となる。
【0022】
請求項6記載の超音波流量計は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の超音波流量計において、前記受信回路が、前記一対の超音波送受信素子の一方からの超音波変換信号を任意の増幅率で増幅する超音波変換信号増幅回路と、前記擬似超音波素子からの擬似超音波変換信号を任意の増幅率で増幅する擬似超音波変換信号増幅回路とを備え、前記超音波変換信号増幅回路の増幅信号および前記擬似超音波変換信号増幅回路の増幅信号の差動出力を超音波受信信号として出力することを特徴とする。請求項6記載の超音波流量計によれば、超音波変換信号増幅回路が受信側の超音波送受信素子からの超音波変換信号を任意の増幅率で増幅し、擬似超音波変換信号増幅回路が擬似超音波素子からの擬似超音波変換信号を任意の増幅率で増幅して、超音波変換信号の増幅信号と擬似超音波変換信号の増幅信号との差動出力を超音波受信信号とするので、超音波変換信号増幅回路および擬似超音波変換信号増幅回路がバッファの役割をするために超音波変換信号および擬似超音波変換信号が安定したものとなり、超音波受信信号が駆動直後ノイズに対して影響を受けにくくなるために高精度の流量計測が可能となる。
【0023】
請求項7記載の超音波流量計は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の超音波流量計において、前記送信回路の電源と前記受信回路の電源とを別々にしたことを特徴とする。請求項7記載の超音波流量計によれば、送信回路の電源と受信回路の電源とを別々にすることにより、受信回路の電源が、超音波送受信素子を駆動することによって送信回路の電源に発生する電源電圧降下などの影響を受けにくくなるため、より高精度な流量計測が可能となる。
【0024】
請求項8記載の受信回路は、超音波送受信素子で受信した超音波の超音波変換信号と、超音波を直接受信しない擬似超音波素子で発生した擬似超音波変換信号との差動出力を超音波受信信号として出力することを特徴とする。請求項8記載の受信回路によれば、超音波送受信素子からの超音波変換信号と擬似超音波素子からの擬似超音波変換信号との差動出力を超音波受信信号とすることにより、超音波変換信号に含まれる駆動直後ノイズと、擬似超音波変換信号に含まれる駆動直後ノイズとがキャンセルされて、超音波受信信号に駆動直後ノイズが出力されなくなる。
【0025】
請求項9記載の受信回路は、請求項8に記載の受信回路において、前記超音波送受信素子からの超音波変換信号を任意の増幅率で増幅する超音波変換信号増幅回路と、前記擬似超音波素子からの擬似超音波変換信号を任意の増幅率で増幅する擬似超音波変換信号増幅回路とを備え、前記超音波変換信号増幅回路の増幅信号および前記擬似超音波変換信号増幅回路の増幅信号の差動出力を超音波受信信号として出力することを特徴とする。請求項9記載の受信回路によれば、超音波変換信号増幅回路が受信側の超音波送受信素子からの超音波変換信号を任意の増幅率で増幅し、擬似超音波変換信号増幅回路が擬似超音波素子からの擬似超音波変換信号を任意の増幅率で増幅して、超音波変換信号の増幅信号と擬似超音波変換信号の増幅信号との差動出力を超音波受信信号とするので、超音波変換信号増幅回路および擬似超音波変換信号増幅回路がバッファの役割をするために超音波変換信号および擬似超音波変換信号が安定したものとなり、超音波受信信号が駆動直後ノイズに対して影響を受けにくくなるために高精度の流量計測が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
超音波を直接受信しない擬似超音波素子を擬似的に設け、流路内に送信された超音波を流れ方向上手側または下手側に取り付けられた超音波送受信素子で変換された超音波変換信号と、擬似超音波素子で発生した擬似超音波変換信号との差動出力を超音波受信信号とすることにより、流路内に送信された超音波を検出する時、超音波を送信することにより発生した駆動直後ノイズ(電気的なノイズやインパルス的なノイズ)をキャンセルした。
【0027】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0028】
図1は、本発明の実施例1に係る受信回路を示す回路図である。本実施例1に係る受信回路は、オペアンプU1を主体とする差動増幅器11と、オペアンプU2を主体とする反転増幅器12とが直列に接続されて構成されている。オペアンプU1の反転入力端子は、抵抗R1およびコンデンサC1を通じて一端が接地された超音波送受信素子USM1の他端に接続されているとともに、抵抗R2を通じてオペアンプU1の出力端子OUTに接続されている。超音波送受信素子USM1には、抵抗R5が並列に接続されている。また、オペアンプU1の非反転入力端子は、抵抗R3およびコンデンサC2を通じて一端が接地された擬似超音波素子USMXの他端に接続されているとともに、抵抗R4を通じて接地されている。擬似超音波素子USMXには、抵抗R6が並列に接続されている。オペアンプU1の出力端子OUTは、抵抗R7を通じてオペアンプU2の反転入力端子に接続されており、オペアンプU2の反転入力端子は抵抗R8を通じてオペアンプU2の出力端子OUTに接続されている。オペアンプU2の非反転入力端子は、抵抗R9を通じて接地されている。オペアンプU2の出力端子OUTからは、超音波受信信号VOUTが出力される。なお、図1中、符号VDDは電源電圧、VSSはマイナス電源電圧を示す。
【0029】
擬似超音波素子USMXは、超音波を直接受信しない素子ではあるが、超音波送受信素子USM1と電気的特性が同一であることが望ましい。このため、擬似超音波素子USMXは、超音波の送信および受信が可能な超音波送受信素子で形成することができる。このようにすれば、擬似超音波素子USMXは、超音波送受信素子USM1とほぼ同じ素子特性を持ち、超音波送受信素子USM1からの超音波変換信号VINと擬似超音波素子USMXからの擬似超音波変換信号VPとの差動出力を超音波受信信号VOUTとすることにより、超音波送受信素子USM1の特性と擬似超音波素子USMXの特性とが相殺されることになる。このため、超音波送受信素子USM1と擬似超音波素子USMXとの電気的特性,温度特性等を合わせる手間を省くことができる。
【0030】
また、擬似超音波素子USMXは、図2に示すように、超音波送受信素子などの圧電体以外の受動素子で形成するようにしてもよい。すなわち、擬似超音波素子USMXを、抵抗RaとコンデンサCa,Cb,コイルLaの直列回路との並列回路などの受動素子からなる等化回路により構成し、超音波送受信素子USM1の電気的特性と同一の電気的特性を有するように形成することができる。なお、電気的特性とは、インピーダンス,静電容量などである。このように構成すれば、超音波送受信素子USM1からの超音波変換信号VINと擬似超音波素子USMXからの擬似超音波変換信号VPとの差動出力を超音波受信信号VOUTとすることにより、擬似超音波素子USMXと超音波送受信素子USM1との静特性や動特性の依存性がキャンセルされることになる。
【0031】
さらに、擬似超音波素子USMXは、超音波送受信素子USM1と温度特性が同一であることが望ましい。すなわち、擬似超音波素子USMXは、図2に示すように、抵抗RaとコンデンサCa,Cb,コイルLaの直列回路との並列回路などの受動素子からなる等化回路により構成した上で、その温度特性をさらに超音波送受信素子USM1の温度特性と一致させる。このようにすれば、超音波送受信素子USM1からの超音波変換信号VINと擬似超音波素子USMXからの擬似超音波変換信号VPとの差動出力を超音波受信信号VOUTとすることにより、超音波送受信素子USM1の温度依存性がキャンセルされることになる。
【0032】
このように構成された実施例1に係る受信回路では、超音波送受信素子USM1で超音波が受信されると、超音波は機械−電気変換されて超音波変換信号VINとしてコンデンサC1および抵抗R1を通じてオペアンプU1の非反転入力端子に印加される。また、擬似超音波素子USMXに駆動直後ノイズが発生すると、駆動直後ノイズは擬似超音波変換信号VPとしてコンデンサC2および抵抗R3を通じてオペアンプU1の非反転入力端子に印加される。オペアンプU1は、非反転入力端子に印加され超音波変換信号VINと、反転入力端子に印加された擬似超音波変換信号VPとを入力し、抵抗R1,R2で決まる増幅率で増幅して増幅信号を出力し、増幅信号をさらにオペアンプU2が抵抗R7,R8で決まる増幅率で増幅して、超音波受信信号VOUTとして出力する。
【0033】
実施例1に係る受信回路では、超音波送受信素子USM1からの超音波変換信号VINと擬似超音波素子USMXからの擬似超音波変換信号VPとの差動出力を超音波受信信号VOUTとすることにより、図3に示すように、超音波変換信号VINに含まれる駆動直後ノイズと、擬似超音波変換信号VPに含まれる駆動直後ノイズとがキャンセルされて、超音波受信信号VOUTに駆動直後ノイズが出力されなくなる、あるいは駆動直後ノイズが抑制されるという効果が得られる。
【実施例2】
【0034】
図4は、本発明の実施例2に係る受信回路の構成を示す回路図である。本実施例2に係る受信回路は、図1に示した実施例1に係る受信回路に対して、超音波送受信素子USM1での機械−電気変換出力を増幅する超音波変換信号増幅回路13と、擬似超音波素子USMXの出力のみを増幅する擬似超音波変換信号増幅回路14とを設け、両回路の増幅信号の差動出力を超音波受信信号VOUTとするようにしたものである。
【0035】
このように構成された実施例2に係る受信回路では、超音波変換信号増幅回路13により超音波送受信素子USM1の出力を増幅して超音波変換信号VINとするとともに、擬似超音波変換信号増幅回路14により擬似超音波素子USMXの出力を増幅して擬似超音波変換信号VPとして、それらの差動出力を超音波受信信号VOUTとするようにしたので、十分に大きな値の超音波受信信号VOUTが得られる。
【実施例3】
【0036】
図5は、本発明の実施例3に係る超音波流量計1の構成を示す回路ブロック図である。本実施例3に係る超音波流量計1は、一般住宅用ガスメータ等として用いられるものを一例としており、一対の超音波送受信素子2a,2bと、流量測定用の流路3と、順/逆切替手段4と、送信回路5と、受信回路6と、擬似超音波素子7と、ゼロクロスポイント検出手段8と、時間計測手段9とから、その主要部が構成されている。
【0037】
一対の超音波送受信素子2a,2bは、超音波の送信および受信が可能な超音波送受信素子で形成されている。
【0038】
流路3には、ガス等の計測流体が流れ方向である左から右に流通(平均流速V)している。流路3の壁側には、流れ方向上手側に超音波送受信素子2aが取り付けられ、流れ方向下手側に超音波送受信素子2bが取り付けられている。なお、超音波送受信素子2aと超音波送受信素子2bとの取り付け角(流路3の軸心線と超音波送受信素子2aおよび2bの振動面に対する垂直線とのなす角をいう)をθとする。
【0039】
流路3は、少なくとも超音波送受信素子2a−超音波送受信素子2b間において、流れ方向に沿って軸断面の形状および断面積が同一に形成されている。計測流体がガスの場合、流路3の軸断面形状は壁面により閉鎖された空間を形成するものであればよく、例えば、円形状,楕円形状,正方形形状,矩形状などのいずれを採用してもよい。
【0040】
順/逆切替手段4は、例えば、流路3内の流れ方向が左から右であるとして、流れに沿う方向(順方向)に超音波を送信するときには、流れ方向上手側の超音波送受信素子2aを送信側とするために、送信回路5と超音波送受信素子2aとを接続するとともに、流れ方向下手側の超音波送受信素子2bを受信側にするために、受信回路6と超音波送受信素子2bとを接続する。一方、流れに逆らう方向(逆方向)に超音波を送信するときには、流れ方向下手側の超音波送受信素子2bを送信側とするために、送信回路5と超音波送受信素子2bとを接続するとともに、流れ方向上手側の超音波送受信素子2aを受信側にするために、受信回路6と超音波送受信素子2aとを接続する。
【0041】
送信回路5は、超音波の駆動パルスを送信側の超音波送受信素子2aまたは2bに印加することにより、超音波を流路3内に送信(放射)させる。
【0042】
受信回路6は、差動増幅器11と、増幅回路12と、順/逆切替スイッチ15とを含んで構成されている。
【0043】
図6は、実施例3に係る超音波流量計1における受信回路6をより詳細に示す回路図である。本実施例3に係る受信回路6は、オペアンプU1を主体とする差動増幅器11と、オペアンプU2を主体とする反転増幅器(増幅回路)12と、超音波送受信素子2a,2bの出力を選択的に差動増幅器11に接続する順/逆切替スイッチ15とを含んで構成されている。オペアンプU1の反転入力端子は、抵抗R1,コンデンサC1および順/逆切替スイッチ15を通じて一端を接地された超音波送受信素子2a,2bに接続されているとともに、抵抗R2を通じてオペアンプU1の出力端子OUTに接続されている。超音波送受信素子2a,2bには、順/逆切替スイッチ15を介して、一端が接地された抵抗R5が並列に接続されている。また、オペアンプU1の非反転入力端子は、抵抗R3およびコンデンサC2を通じて一端を接地された擬似超音波素子7に接続されているとともに抵抗R4を通じて接地されている。擬似超音波素子7には、抵抗R6が並列に接続されている。オペアンプU1の出力端子OUTは、抵抗R7を通じてオペアンプU2の非反転入力端子に接続されており、オペアンプU2の反転入力端子は抵抗R8を通じてオペアンプU2の出力端子OUTに接続されている。オペアンプU2の非反転入力端子は、抵抗R9を通じて接地されている。オペアンプU2の出力端子OUTからは、差動出力である超音波受信信号VOUTが出力される。なお、図6中、符号VDDは電源電圧、VSSはマイナス電源電圧を示す。
【0044】
図5に戻って、増幅回路12は、超音波受信信号VOUTをゼロクロスポイント検出手段8に出力する。
【0045】
ゼロクロスポイント検出手段8は、増幅回路12からの超音波受信信号VOUTを入力し、例えば、受信した超音波の第3波のゼロクロスポイントを検出し、ゼロクロスポイント検出信号を時間計測手段9に出力する。
【0046】
時間計測手段9は、送信回路5から送信開始信号を入力して超音波伝搬時間の計測を開始し、ゼロクロスポイント検出手段8からゼロクロスポイント検出信号を入力して超音波の伝搬時間の計測を終了する。以下、流れ方向上手側の超音波送受信素子2aより流路3内に超音波が送信されてから、流れ方向下手側の超音波送受信素子2bで超音波を受信するまでの時間を順方向伝搬時間Tudとする。また、流れ方向下手側の超音波送受信素子2bより流路3内に超音波が送信されてから、流れ方向上手側の超音波送受信素子2aで超音波を受信するまでの時間を逆方向伝搬時間Tduとする。
【0047】
次に、このように構成された実施例3に係る超音波流量計1の動作について説明する。
【0048】
まず、順/逆切替手段4は、送受切替信号を送信回路5および受信回路6に出力する。いま、流れ方向上手側の超音波送受信素子2aを送信側とし、流れ方向下手側の超音波送受信素子2bを受信側とする送受切替信号が出力されたものとする。
【0049】
送信回路5は、送受切替信号を受信すると、所定数の駆動パルスを送信側の超音波送受信素子2aに印加する。すると、送信側の超音波送受信素子2aは、駆動パルスによって駆動され、駆動パルス数の超音波を流路3内に送信する。これと同時に、送信回路5は、送信開始信号を時間計測手段9に出力する。
【0050】
時間計測手段9は、送信回路5からの送信開始信号を受けることにより、超音波の伝搬時間(順方向伝搬時間)Tudの計測を開始する。
【0051】
送信側の超音波送受信素子2aから送信された超音波は、流路3の内壁で一旦反射された後に、受信側の超音波送受信素子2bに到達する。
【0052】
受信側の超音波送受信素子2bは、受信した超音波を機械−電気変換し、超音波変換信号VINを受信回路6に入力する。
【0053】
受信回路6では、超音波送受信素子2bからの超音波変換信号VINが順/逆切替スイッチ15を介して差動増幅器11の反転入力端子に入力され、擬似超音波素子7からの擬似超音波変換信号VPが差動増幅器11の非反転入力端子に入力されて、差動増幅器11の出力端子に差動出力が出力される。このとき、超音波変換信号VINには駆動直後ノイズおよび超音波変換信号VINが含まれ、擬似超音波変換信号VPには駆動直後ノイズのみが含まれるので、駆動直後ノイズがキャンセルされ、超音波変換信号VINのみが出力されることになる。次に、増幅回路12は、差動増幅器11からの差動出力を入力すると、任意の増幅率で増幅し、超音波受信信号VOUTをゼロクロスポイント検出手段8に出力する。
【0054】
続いて、ゼロクロスポイント検出手段8は、増幅回路12からの超音波受信信号VOUTを入力すると、例えば、先に受信した超音波の第3波のゼロクロスポイントを検出し、ゼロクロスポイント検出信号を時間計測手段9に出力する。
【0055】
次に、時間計測手段9は、ゼロクロスポイント検出手段8からゼロクロスポイント検出信号を入力すると、送信側の超音波送受信素子2aより流路3内に超音波が送信されてから、受信側の超音波送受信素子2bで超音波を受信するまでの順方向伝搬時間Tudの計測を終了する。
【0056】
流体の流れに逆らう逆方向伝搬時間Tduの計測は、流体の流れに沿う順方向伝搬時間Tudの計測とは逆の動作をさせればよい。このとき、順/逆切替手段4は、流れ方向下手側の超音波送受信素子2bを送信側とし、流れ方向上手側の超音波送受信素子2aを受信側とする送受切替信号を送信回路5および受信回路6に出力する。流れ方向下手側の超音波送受信素子2bから超音波を送信し、流れ方向上手側の超音波送受信素子2aで超音波を検出するまでの逆方向伝搬時間Tduを計測する。
【0057】
詳しくは、送信回路5は、所定数の駆動パルスを送信側の超音波送受信素子2bに印加する。すると、送信側の超音波送受信素子2bは、駆動パルスによって駆動され、駆動パルス数の超音波を流路3内に送信する。
【0058】
流路3内には、流体の平均流速Vが発生しているとすると、送信側の超音波送受信素子2bから送信された超音波を受信側の超音波送受信素子2aで受信する間での時間を、逆方向伝搬時間Tduとする。
【0059】
順方向伝搬時間Tudおよび逆方向伝搬時間Tduが求められると、超音波流量計1は、流路3の断面積をS、超音波送受信素子距離間をL、超音波送受信素子2aと超音波送受信素子2bとの取り付け角をθとすると、流速v(m/s)を、数1で求める。
【0060】
【数1】

【0061】
また、超音波流量計1は、流量Q(m/h)を、数2で求める。
【0062】
【数2】

【0063】
本実施例3に係る超音波流量計1によれば、超音波送受信素子2aまたは超音波送受信素子2bからの超音波変換信号VINと擬似超音波素子7からの擬似超音波変換信号との差動出力を超音波受信信号VOUTとすることにより、回路上に発生する駆動直後ノイズが常にキャンセルされ、図3に示したような安定した超音波受信信号VOUTが得られる。この結果、駆動直後ノイズ、およびそれ以降のノイズや残響成分が著しく低減される。
【0064】
また、順/逆切替手段4により流れ方向上手側の超音波送受信素子2aを受信側とした場合でも、流れ方向下手側の超音波送受信素子2bを受信側とした場合でも、受信回路6内では、擬似超音波素子7からの擬似超音波変換信号VPを入力とするようにしたので、超音波送受信素子2aおよび超音波送受信素子2bのそれぞれに対して擬似超音波素子7を設けなくても、1つの擬似超音波素子7で高精度な流量計測が実現可能となる。
【0065】
なお、送信回路5と受信回路6との電源を別々にするとよい。そうすることで、超音波の送信時の送信回路5の電源電圧変動が受信回路6に影響を与えにくくなるので、低ノイズの受信回路6となり、その出力である超音波受信信号VOUTがより安定したものとなる。
【実施例4】
【0066】
図7は、本発明の実施例4に係る受信回路の構成を示す回路図である。本実施例4に係る受信回路は、図6に示した実施例3に係る受信回路6に対して、超音波送受信素子2aまたは超音波送受信素子2bでの機械−電気変換出力を増幅する超音波変換信号増幅回路13と、擬似超音波素子7の出力のみを増幅する擬似超音波変換信号増幅回路14とを設け、両回路の増幅信号の差動出力を超音波受信信号VOUTとするようにしたものである。
【0067】
このように構成された実施例4に係る受信回路では、超音波変換信号増幅回路13により超音波送受信素子2aまたは超音波送受信素子2bの出力を増幅して超音波変換信号VINとするとともに、擬似超音波変換信号増幅回路14により擬似超音波素子7の出力を増幅して擬似超音波変換信号VPとして、それらの差動出力を超音波受信信号VOUTとするようにしたので、十分に大きな値の超音波受信信号VOUTが得られる。
【0068】
なお、本実施例4に係る受信回路においても、図6に示した実施例3に係る受信回路6と同様に、送信回路5の電源と、超音波変換信号増幅回路13,擬似超音波変換信号増幅回路14などを含む受信回路6の電源とを別々にするとよい。そうすることで、送信時の送信回路5の電源電圧変動が受信回路6に影響を与えなくなるので、低ノイズの受信回路となり、その出力である超音波受信信号VOUTが安定したものとなる。
【0069】
ところで、図5に示した実施例3に係る超音波流量計1として、超音波送受信素子2aと超音波送受信素子2bとを流路3の内壁を挟んで対向するように配置した例(一対の超音波送受信素子2a,2bをV字型に配置した例)を示したが、本発明の適用がこのような配置の超音波流量計1に限定されるわけでない。例えば、一対の超音波送受信素子を直接対向するように配置した超音波流量計においても、本発明が同様に適用できることはいうまでもない。
【0070】
以上、本発明の実施例を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施例1に係る受信回路を示す回路図。
【図2】図1中の擬似超音波素子の変形例を示す回路図。
【図3】図1中の超音波受信信号の波形図。
【図4】本発明の実施例2に係る受信回路を示す回路図。
【図5】本発明の実施例3に係る超音波流量計の構成を示すブロック図。
【図6】図5中の受信回路の回路図。
【図7】本発明の実施例4に係る受信回路を示す回路図。
【図8】従来の受信回路を示す回路図。
【図9】従来の受信回路における超音波受信信号の波形図。
【符号の説明】
【0072】
1 超音波流量計
2a,2b 超音波送受信素子
3 流路
4 順/逆切替手段
5 送信回路
6 受信回路
7 擬似超音波素子
8 ゼロクロスポイント検出手段
9 時間計測手段
11 差動増幅器
12 増幅回路(反転増幅器)
13 超音波変換信号増幅回路
14 擬似超音波変換信号増幅回路
15 順/逆切替スイッチ
USM1,USM2 超音波送受信素子
USMX 擬似超音波素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を通過させる流路内の流体の流れ方向上手側および下手側に取り付けられた一対の超音波送受信素子と、
前記一対の超音波送受信素子の一方を駆動して超音波を送信させる送信回路と、
超音波を直接受信しない擬似超音波素子と、
前記一対の超音波送受信素子の他方で受信した超音波の超音波変換信号と、前記擬似超音波素子で発生した擬似超音波変換信号との差動出力を超音波受信信号として出力する受信回路と
を有することを特徴とする超音波流量計。
【請求項2】
流体を通過させる流路内の流体の流れ方向上手側および下手側に取り付けられた一対の超音波送受信素子と、
前記一対の超音波送受信素子の一方を送信側、他方を受信側として切り替える順/逆切替手段と、
前記送信側の超音波送受信素子を駆動して超音波を送信させる送信回路と、
超音波を直接受信しない擬似超音波素子と、
前記受信側の超音波送受信素子で受信した超音波の超音波変換信号と、前記擬似超音波素子で発生した擬似超音波変換信号との差動出力を超音波受信信号として出力する受信回路と
を有することを特徴とする超音波流量計。
【請求項3】
前記擬似超音波素子が、超音波の送信および受信が可能な超音波送受信素子でなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波流量計。
【請求項4】
前記擬似超音波素子が、超音波送受信素子などの圧電体以外の受動素子で構成され、かつ前記一対の超音波送受信素子と電気的特性を同一にしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の超音波流量計。
【請求項5】
前記擬似超音波素子が、前記一対の超音波送受信素子と温度特性が同一であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の超音波流量計。
【請求項6】
前記受信回路が、前記一対の超音波送受信素子の一方からの超音波変換信号を任意の増幅率で増幅する超音波変換信号増幅回路と、前記擬似超音波素子からの擬似超音波変換信号を任意の増幅率で増幅する擬似超音波変換信号増幅回路とを備え、前記超音波変換信号増幅回路の増幅信号および前記擬似超音波変換信号増幅回路の増幅信号の差動出力を超音波受信信号として出力することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の超音波流量計。
【請求項7】
前記送信回路の電源と前記受信回路の電源とを別々にしたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の超音波流量計。
【請求項8】
超音波送受信素子で受信した超音波の超音波変換信号と、超音波を直接受信しない擬似超音波素子で発生した擬似超音波変換信号との差動出力を超音波受信信号として出力することを特徴とする受信回路。
【請求項9】
前記超音波送受信素子からの超音波変換信号を任意の増幅率で増幅する超音波変換信号増幅回路と、前記擬似超音波素子からの擬似超音波変換信号を任意の増幅率で増幅する擬似超音波変換信号増幅回路とを備え、前記超音波変換信号増幅回路の増幅信号および前記擬似超音波変換信号増幅回路の増幅信号の差動出力を超音波受信信号として出力することを特徴とする請求項8に記載の受信回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−17568(P2006−17568A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195177(P2004−195177)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000006932)リコーエレメックス株式会社 (708)
【Fターム(参考)】